JP2002307806A - インクジェット記録用シート - Google Patents

インクジェット記録用シート

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JP2002307806A JP2001108929A JP2001108929A JP2002307806A JP 2002307806 A JP2002307806 A JP 2002307806A JP 2001108929 A JP2001108929 A JP 2001108929A JP 2001108929 A JP2001108929 A JP 2001108929A JP 2002307806 A JP2002307806 A JP 2002307806A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色材受容層の乾燥収縮を抑制し、膜割れやイ
ンクジェット記録用シートのカールがなく、支持体と色
材受容層との接着性に優れるインクジェット記録用シー
トを提供すること。 【解決手段】支持体表面に色材受容層を有するインクジ
ェット記録用シートであって、前記色材受容層は、下記
一般式(1)で表される化合物および/または下記一般
式(2)で表される化合物と、気相法シリカと、ポリビ
ニルアルコールと、ホウ素化合物と、媒染剤と、を含む
ことを特徴とするインクジェット記録用シート。 RO(CH2CH2O)nH 一般式(1) RO(CH2CH(CH3)O)nH 一般式(2) [式中、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素基、炭素数
1〜12の不飽和炭化水素基、フェニル基、またはアシ
ル基を表す。nは、1〜3の整数を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インク(色材
として染料または顔料を用いたもの)、油性インク等の
液状インクや、常温では固体であり、溶融液状化させて
印画に供する固体状インク等を用いたインクジェット記
録に適した被記録材に関し、詳しくは、インク受容性能
に優れたインクジェット記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報産業の急速な発展に伴い、種
々の情報処理システムが開発され、その情報システムに
適した記録方法および装置も開発され、各々実用化され
ている。上記記録方法の中で、インクジェット記録方法
は、多種の記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)
が比較的安価であること、コンパクトであること、静粛
性に優れること等の点から、オフィスは勿論、いわゆる
ホームユースにおいても広く用いられてきている。
【0003】また、近年のインクジェットプリンタの高
解像度化に伴い、いわゆる写真ライクな高画質記録物を
得ることも可能になってきた。その一方、ハード(装
置)の発展に伴って、インクジェット記録用の記録シー
トも各種開発されてきている。上記インクジェット記録
用の記録シートに要求される特性としては、一般的に、
(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大きいこ
と)、(2)インクドットの径が適正で均一であること
(ニジミのないこと)、(3)粒状性が良好であるこ
と、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が
高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこ
と)、(7)印画部の耐光性、耐水性が良好なこと、
(8)記録シートの白色度が高いこと、(9)記録シー
トの保存性が良好なこと(長期保存で黄変着色を起こさ
ないこと)、(10)変形しにくく、寸法安定性が良好
であること(カールが十分小さいこと)、(11)ハー
ド走行性が良好であること等が挙げられる。更に、いわ
ゆる写真ライクな高画質記録物を得る目的で用いられる
フォト光沢紙の用途としては、上記特性に加えて、光沢
性、表面平滑性、銀塩写真に類似した印画紙状の風合い
等も要求される。
【0004】これら特性の向上を目的として、色材受容
層に多孔質構造を有するインクジェット記録用シートが
開発され実用化されている。該インクジェット記録用シ
ートは、多孔質構造を有することによってインク吸収性
(速乾性)に優れ、高い光沢を有する。しかしながら、
これら多孔質構造を有するインクジェット記録用シート
は、該多孔質構造形成時における色材受容層の乾燥収縮
によって、膜割れや記録シート自体がカールするといっ
た問題がある。該膜割れは、記録シートの歩留まりや性
能を低下させ、さらに、記録シートがカールするとプリ
ンターの搬送性等に劣ってしまう。また、ある程度の空
隙率を有する多孔質構造を形成すると、該多孔質構造を
形成するために用いるシリカ等の無機顔料微粒子の含有
量がバインダーに比べて多くなるため、支持体とインク
受容層との密着(接着)性が不足するといった問題もあ
る。
【0005】特開平6−270531号公報には、充填
剤として、シリカゾル、アルミナゾル等のゾル状物や、
水酸化アルミニウム、クレイ、タルク、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム等の無機充填剤、アクリル樹脂、ハロ
ゲン化オレフィン樹脂、メラミン樹脂等を含み、受容層
の塗布乾燥時におけるひび割れ、および、乾燥後の表面
強度の向上させたインクジェット記録用シートが提案さ
れている。しかし、上記充填剤では未だインク吸収性に
劣り、光沢性が低いという問題がある。
【0006】特開平10−119423号公報、同10
−217601号公報等では、微細な無機顔料粒子およ
び水溶性樹脂を含有し、高い空隙率を持つ色材受容層が
支持体上に設けられたインクジェット記録用シートが提
案されている。。しかし、これらの記録用シートは、そ
の構成によりインク吸収性に優れ、高解像度の画像を形
成しうる高いインク受容性能を有しかつ高光沢を示すも
のの、印画後、高温高湿環境下に長時間保存されると、
色材受容層中で該溶媒が染料と共に拡散して、経時によ
る画像のニジミ(いわゆる「経時ニジミ」)を生ずると
いった問題がある。
【0007】特開2001−10211号公報には、受
容層にポリビニルアルコールおよびポリビニルアルコー
ルの水溶性可塑剤を含有し、印字濃度、光沢性、インク
吸収性、および耐折り割れ性の向上を目的としたインク
ジェット記録用シートが提案されている。しかし、上記
水溶性可塑剤としてエチレングリコール、ジエチレング
リコール、トリエチレングリコール等を用いているため
塗布液の経時安定性が悪く、また、尿素を含む場合に
は、記録シートを長期間保存すると尿素が受容層表面か
ら析出してしまう。
【0008】このように、インクジェット記録用シート
の上記特性の向上を図り、同時に、多孔質構造形成時に
おける色材受容層の乾燥収縮を抑制し、膜割れの防止、
および、プリンター搬送性や支持体と色材受容層との密
着性を向上させるといった観点からも未だ改良の余地が
ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、色材受
容層が、ひび割れ等の発生がなく強固である一方、良好
なインク吸収性を有し高解像度な画像が形成できると共
に、その形成画像が耐光性、耐水性、耐経時ニジミ、光
沢性に優れるといったインク受容性能を備えながら、彩
色が鮮やかで高濃度のインクジェット画像をそのままの
状態で長期間より安定に保存可能な画像保存性能を備
え、さらに、多孔質構造の形成時における色材受容層の
乾燥収縮が少なく、支持体と色材受容層との接着性に優
れるインクジェット記録用シートは、未だ提供されてい
ないのが現状である。
【0010】本発明は、前記従来における諸問題を解決
し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、第
一に、本発明は、他のインク受容性能を低下させること
なく、多孔質構造の形成時における色材受容層の乾燥収
縮を抑制し、膜割れやインクジェット記録用シートのカ
ールを防止することで、生産歩留まり、品質、プリンタ
ー搬送性に優れ、さらに、支持体と色材受容層との接着
性に優れるインクジェット記録用シートを提供すること
を目的とする。第二に、本発明は、ひび割れ等の発生が
なく強固で、良好なインク吸収性を有し高解像度な画像
を形成しうるインクジェット記録用シートを提供するこ
とを目的とする。第三に、本発明は、印画後の耐経時ニ
ジミ、耐水性、光沢性に極めて優れ、かつ太陽光や蛍光
灯等の光照射下でも高い耐光性を示すインクジェット記
録用シートを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段は以下の通りである。即ち、
【0012】<1> 支持体表面に色材受容層を有する
インクジェット記録用シートであって、前記色材受容層
は、下記一般式(1)で表される化合物および/または
下記一般式(2)で表される化合物と、気相法シリカ
と、ポリビニルアルコールと、ホウ素化合物と、媒染剤
と、を含むことを特徴とするインクジェット記録用シー
トである。
【0013】 RO(CH2CH2O)nH 一般式(1) [一般式(1)中、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素
基、不飽和炭化水素基、フェニル基、またはアシル基を
表す。nは、1〜3の整数を表す。] RO(CH2CH(CH3)O)nH 一般式(2) [一般式(2)中、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素
基、不飽和炭化水素基、フェニル基、またはアシル基を
表す。nは、1〜3の整数を表す。]
【0014】<2> 前記一般式(1)で表される化合
物および前記一般式(2)で表される化合物は、水溶性
であることを特徴とする<1>のインクジェット記録用
シートである。
【0015】<3> 前記一般式(1)および一般式
(2)において、前記Rは、炭素数1〜4の飽和炭化水
素基であることを特徴とする<1>または<2>のイン
クジェット記録用シートである。
【0016】<4> 前記色材受容層は、前記支持体表
面に、前記一般式(1)で表される化合物および/また
は一般式(2)で表される化合物と前記気相法シリカと
前記ポリビニルアルコールとを含むとを含む塗布液を塗
布し、該塗布と同時に、または、前記塗布によって形成
される塗布層の乾燥途中であって、該塗布層が減率乾燥
速度を示す前に、前記塗布層に、前記ホウ素化合物と前
記媒染剤とを含む溶液を付与した後、前記塗布層を硬化
させて得られることを特徴とする<1>〜<3>のイン
クジェット記録用シートである。
【0017】<5> 前記色材受容層は、前記気相法シ
リカと分散剤とからなる水分散物に、前記一般式(1)
で表される化合物および/または一般式(2)で表され
る化合物と前記ポリビニルアルコールと前記ホウ素化合
物とを含む溶液を添加し再分散して得られる塗布液を前
記支持体表面に塗布し、該塗布と同時に、または、前記
塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって、該
塗布層が減率乾燥速度を示す前に、前記塗布層に、前記
ホウ素化合物と前記媒染剤とを含む溶液を付与した後、
前記塗布層を硬化させて得られることを特徴とする<1
>〜<3>のインクジェット記録用シートである。
【0018】<6> 60℃における表面の光沢度が3
0%以上であることを特徴とする<1>〜<5>のイン
クジェット記録用シートである。
【0019】
【発明の実施の形態】《インクジェット記録用シート》
本発明のインクジェット記録用シートは、支持体表面に
色材受容層を有するインクジェット記録用シートであっ
て、上記色材受容層は、下記一般式(1)で表される化
合物および/または下記一般式(2)で表される化合物
と、気相法シリカと、ポリビニルアルコールと、ホウ素
化合物と、媒染剤と、を含むことを特徴とする。
【0020】 RO(CH2CH2O)nH 一般式(1) [一般式(1)中、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素
基、炭素数1〜12の不飽和炭化水素基、フェニル基、
またはアシル基を表す。nは、1〜3の整数を表す。] RO(CH2CH(CH3)O)nH 一般式(2) [一般式(1)中、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素
基、炭素数1〜12の不飽和炭化水素基、フェニル基、
またはアシル基を表す。nは、1〜3の整数を表す。]
【0021】本発明インクジェット記録用シートは、上
記一般式(1)および/または(2)で表される化合物
を色材受容層に含むことで、3次元網目構造(多孔質構
造)形成時の色材受容層の乾燥収縮を抑制することがで
きる。これは、一般式(1)および(2)の化合物が、
気相法シリカ表面のシラノール基とポリビニルアルコー
ルの水酸基との水素結合を適度に阻害するために色材受
容層の乾燥収縮が緩和されるためだと推測される。これ
により3次元網目構造形成時における色材受容層の膜割
れを防止でき、インクジェット記録用シートの生産歩留
まりや品質を向上させることができる。また、色材受容
層の乾燥収縮によるインクジェット記録用シートのカー
ルを防止できるため、プリンターの搬送性を高めること
ができる。さらに、支持体と色材受容層との密着性(接
着性)を向上させることができるため、製造時、加工時
および取扱い時等における裁断や折り曲げ等によっても
色材受容層が支持体から剥がれにくく、取扱い性に優れ
る。さらに、色材受容層に、気相法シリカ、ポリビニル
アルコール、ホウ素化合物および媒染剤を併用すること
で、光沢度、インク吸収性、耐経時ニジミ、耐光性、印
画濃度(最高濃度)等を向上させることができる。
【0022】〈色材受容層〉本発明における色材受容層
は、上述のように、下記一般式(1)で表される化合物
および/または下記一般式(2)で表される化合物と、
気相法シリカと、ポリビニルアルコールと、ホウ素化合
物と、媒染剤と、を少なくとも有し、さらに、各種添加
剤などを含んでいてもよい。
【0023】(一般式(1)および一般式(2)で表さ
れる化合物)下記一般式(1)および下記一般式(2)
で表される化合物は、高沸点溶剤である。
【0024】 RO(CH2CH2O)nH 一般式(1) [一般式(1)中、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素
基、炭素数1〜12の不飽和炭化水素基、フェニル基、
またはアシル基を表す。nは、1〜3の整数を表す。]
【0025】 RO(CH2CH(CH3)O)nH 一般式(2) [一般式(2)中、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素
基、炭素数1〜12の不飽和炭化水素基、フェニル基、
またはアシル基を表す。nは、1〜3の整数を表す。]
【0026】上記一般式(1)および(2)において、
Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素基、炭素数1〜12
の不飽和炭化水素基、フェニル基、またはアシル基を表
し、炭素数1〜4の飽和炭化水素基が好ましい。上記飽
和炭化水素基の炭素数は1〜12であり、好ましくは1
〜8であり、さらに好ましくは1〜4ある。該飽和炭化
水素基としては、アルキル基、脂環族炭化水素基等が挙
げられる。該飽和炭化水素基は置換基によって置換され
ていてもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘキシル基などが挙げられ、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基が好ましい。
【0027】上記不飽和炭化水素基の炭素数は1〜12
であり、好ましくは1〜8であり、さらに好ましくは1
〜4である。該不飽和炭化水素基としては、アルケニル
基、アルキニル基等が挙げられる。該不飽和炭化水素基
は置換基によって置換されていてもよい。具体的には、
ビニル基、アリル基、エチニル基、1,3−ブタジエニ
ル基、2−プロピニル基等が挙げられ、アリル基が好ま
しい。
【0028】上記アシル基としては、炭素数1〜8のア
シル基が好ましく、1〜4のアシル基がさらに好まし
い。該アシル基は置換基によって置換されていてもよ
い。具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリ
ル基、バレリル基が挙げられ、ブチリル基が好ましい。
【0029】上記一般式(1)および(2)においてn
は1〜3の整数を表し、2または3が好ましい。一般式
(1)および(2)で表される化合物としては、水溶性
の化合物が好ましい。ここで「水溶性」とは、水に1質
量%以上溶解するものをいう。一般式(1)および
(2)で表される化合物としては、具体的には、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコール
モノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エ
チレングリコールモノアリルエーテル、エチレングリコ
ールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレング
リコールモノドデシルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエ
チルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリ
コールモノブチルエーテル等が挙げられ、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール
モノブチルエーテルが好ましい。
【0030】本発明のインクジェット記録用シートは、
一般式(1)および一般式(2)で表される化合物の少
なくとも1種を色材受容層に含んでいればよい。従っ
て、一般式(1)または(2)で表される化合物を単独
または2種以上含んでいてもよいし、一般式(1)およ
び(2)で表される化合物で表される化合物を併用して
もよい。一般式(1)で表される化合物〔x〕および一
般式(2)で表される化合物〔y〕を併用する場合、そ
の混合比(質量比;x:y)については特に限定はない
が、好ましくは100:1〜100:100であり、更
に好ましくは100:10〜100:50である。ま
た、色材受容層中に含まれる一般式(1)および(2)
で表される化合物の総含有量としては、0.1〜5.0
g/m2が好ましく、0.2〜3.0g/m2が更に好ま
しい。
【0031】また、本発明における色材受容層は、塗布
適性や表面品質を高める目的で公知各種の界面活性剤
や、表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制する目的で、イオ
ン導電性を持つ公知の界面活性剤、光褪色性を高める目
的で酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐オゾン退色性を高め
る目的で、イオウ含有化合物等を、本発明の効果を損な
わない範囲で併用してもよい。
【0032】(気相法シリカ)上述の通り、本発明にお
ける色材受容層は、無機顔料微粒子である気相法シリカ
を有する。シリカ微粒子は、通常その製造法により湿式
法粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別される。上記湿
式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成
し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを
得る方法が主流である。一方、気相法は、ハロゲン化珪
素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、
ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還
元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によ
って無水シリカを得る方法が主流であり、「気相法シリ
カ」とは該気相法によって得られた無水シリカ微粒子を
意味する。
【0033】上記気相法シリカは、上記含水シリカと表
面のシラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、
異なった性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成
するのに適している。この理由は明らかではないが、含
水シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基
の密度が5〜8個/nm2で多く、シリカ微粒子が密に
凝集(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場
合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜
3個/nm2であり少ないことから疎な軟凝集(フロキ
ュレート)となり、その結果、空隙率が高い構造になる
ものと推定される。
【0034】上記気相法シリカは、比表面積が特に大き
いので、インクの吸収性、保持の効率が高く、また、屈
折率が低いので、適切な粒子径まで分散をおこなえば受
容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が
得られるという特徴がある。受容層が透明であること
は、OHP等透明性が必要とされる用途のみならず、フ
ォト光沢紙等の記録用シートに適用する場合でも、高い
色濃度と良好な発色性光沢を得る観点で重要である。
【0035】上記気相法シリカの平均一次粒子径として
は30nm以下が好ましく、20nm以下がさらに好ま
しく、10nm以下が特に好ましく、3〜10nmが最
も好ましい。上記気相法シリカは、シラノール基による
水素結合によって粒子同士が付着しやすいため、平均一
次粒子径が30nm以下の場合に空隙率の大きい構造を
形成することができ、インク吸収特性を効果的に向上さ
せることができる。
【0036】また、含水シリカ微粒子、コロイダルシリ
カ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼ
オライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タル
ク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウ
ム、ベーマイト、擬ベーマイト等の他の無機顔料微粒子
を併用してもよい。該他の無機顔料微粒子と上記気相法
シリカとを併用する場合、全無機顔料微粒子中、気相法
シリカの含有量は、50質量%以上が好ましく、70質
量%以上がさらに好ましい。
【0037】(ポリビニルアルコール)同様に、本発明
における色材受容層は、水溶性樹脂であるポリビニルア
ルコールを有する。上記ポリビニルアルコールとして
は、ポリビニルアルコール(PVA)に加えて、カチオ
ン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニル
アルコール、シラノール変性ポリビニルアルコールおよ
びその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。上
記ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以
上を併用してもよい。
【0038】上記PVAは、その構造単位に水酸基を有
するが、この水酸基とシリカ微粒子表面のシラノール基
とが水素結合を形成して、シリカ微粒子の二次粒子を鎖
単位とする三次元網目構造を形成しやすくする。上記三
次元網目構造の形成によって、空隙率の高い多孔質構造
の色材受容層を形成しうると考えられる。インクジェッ
ト記録において、上述のようにして得た多孔質の色材受
容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、イ
ンクニジミのない真円性の良好なドットを形成すること
ができる。
【0039】上記ポリビニルアルコールの含有量として
は、該含有量の過少による、膜強度の低下や、乾燥時の
ひび割れを防止し、さらに、該含有量の過多によって、
該空隙が樹脂によってふさがれやすくなり、空隙率が減
少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点
から、色材受容層の全固形分質量に対して、9〜40質
量%が好ましく、12〜33質量%がさらに好ましい。
【0040】また、透明性の観点から、鹸化度70〜9
9%のPVAがさらに好ましく、鹸化度80〜99%の
PVAが特に好ましい。
【0041】また、ポリビニルアセタール、セルロース
系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース
(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カ
ルボキシメチルセルロース(CMC)等〕、キチン類、
キトサン類、デンプン;エーテル結合を有する樹脂であ
るポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレン
オキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PE
G)、ポリビニルエーテル(PVE);アミド基または
アミド結合を有する樹脂であるポリアクリルアミド(P
AAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)、並びに、
解離性基としてカルボキシル基を有する、ポリアクリル
酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等の
他の水溶性樹脂を併用してもよい。該他の水溶性樹脂と
上記ポリビニルアルコールとを併用する場合、全水溶性
樹脂中、ポリビニルアルコールの含有量は、50質量%
以上が好ましく、70質量%以上がさらに好ましい。
【0042】−気相法シリカとポリビニルアルコールと
の含有比− 気相法シリカ(他の無機顔料微粒子と併用する場合には
全無機顔料微粒子;i)とポリビニルアルコール(他の
水溶性樹脂と併用する場合には全水溶性樹脂;p)との
含有比〔PB比(i:p)、ポリビニルアルコール1質
量部に対する気相法シリカの質量〕は、色材受容層の膜
構造にも大きな影響を与える。即ち、PB比が大きくな
ると、空隙率、細孔容積、表面積(単位質量当り)が大
きくなる。具体的には、上記PB比(i:p)として
は、該PB比が大きすぎることに起因する、膜強度の低
下や、乾燥時のひび割れを防止し、さらに、該PB比が
小さすぎることによって、該空隙が樹脂によってふさが
れやすくなり、空隙率が減少することでインク吸収性が
低下するのを防止する観点から、1.5:1〜10:1
が好ましい。
【0043】インクジェットプリンターの搬送系を通過
する場合、記録用シートに応力が加わることがあるの
で、色材受容層には十分な膜強度を有していることが必
要である。さらにシート状に裁断加工する場合、色材受
容層の割れ、剥がれ等を防止する上でも色材受容層には
十分な膜強度を有していることが必要である。この場
合、上記PB比としては5:1以下が好ましく、インク
ジェットプリンターで高速インク吸収性をも確保する観
点からは、2:1以上であることが好ましい。
【0044】例えば、平均一次粒子径が20nm以下の
無水シリカ微粒子と水溶性樹脂とをPB比2:1〜5:
1で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に塗布
し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の二次粒子
を鎖単位とする三次元網目構造が形成され、平均細孔径
が30nm以下、空隙率が50%〜80%、細孔比容積
0.5ml/g以上、比表面積が100m2/g以上
の、透光性の多孔質膜を容易に形成することができる。
【0045】(ホウ素化合物)本発明のインクジェット
記録用シートの色材受容層は、無機顔料微粒子および水
溶性樹脂を含む塗布層(多孔質層)に、更に上記ポリビ
ニルアルコールを架橋し得る架橋剤としてホウ素化合物
を含み、該ホウ素化合物と上記ポリビニルアルコールと
の架橋反応によって硬化された層である。
【0046】上記ホウ素化合物の付与は、上記多孔質性
の色材受容層を形成する塗布液(色材受容層塗布液)が
塗布されるのと同時に、あるいは色材受容層塗布液を塗
布して形成された塗布層が減率乾燥速度を示すようにな
る前に、おこなわれることが好ましい。この操作によ
り、塗布層が乾燥する間に発生するひび割れの発生を効
果的に防止することができる。即ち、上記塗布液が塗布
されたと同時に、あるいは塗布層が減率乾燥速度を示す
ようになる前にホウ素化合物溶液(架橋剤溶液)が塗布
層内に浸透し、塗布層内のポリビニルアルコールと速や
かに反応し、ポリビニルアルコールをゲル化(硬化)さ
せることにより、塗布層の膜強度を即時に大幅に向上さ
せる。
【0047】また、本発明においては上記気相法シリカ
と分散剤とからなる水分散物に、上記ポリビニルアルコ
ールと上記一般式(1)で表される化合物および/また
は一般式(2)で表される化合物とを含む溶液(第1の
溶液)を添加し再分散して得られる塗布液を、支持体表
面に塗布して、該塗布と同時に、または、該塗布によっ
て形成される塗布層の乾燥途中であって、該塗布層が減
率乾燥速度を示す前に、上記塗布層に媒染剤を含む溶液
(第2の溶液)を付与して色材受容層を形成する方法も
好適に用いることができる。当該方法を用いる場合に
は、塗布液に添加する第1の溶液、および、後に付与す
る第2の溶液の両者にホウ素化合物を添加するのが好ま
しい。
【0048】上記架橋剤として用いるホウ素化合物は、
上記ポリビニルアルコールを迅速に架橋することができ
る。上記ホウ素化合物としては、例えば、硼砂、硼酸、
硼酸塩(例えば、オルト硼酸塩、InBO3、ScB
3、YBO3、LaBO3、Mg 3(BO3)2、Co3(BO
3)2、二硼酸塩(例えば、Mg225、Co2
25)、メタ硼酸塩(例えば、LiBO2、Ca(BO2)
2、NaBO2、KBO2)、四硼酸塩(例えば、Na2
47・10H2O)、五硼酸塩(例えば、KB58・4
2 O、Ca2611・7H2O、CsB55)、グリ
オキザール、メラミン・ホルムアルデヒド(例えば、メ
チロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン)、
メチロール尿素、レゾール樹脂、ポリイソシアネート、
エポキシ樹脂等を挙げることができる。中でも、速やか
に架橋反応を起こす点で、硼砂、硼酸、硼酸塩が好まし
く、硼酸がより好ましい。
【0049】上記ポリビニルアルコールにゼラチンを併
用する場合には、ゼラチンの硬膜剤として知られてい
る、下記化合物を架橋剤としてホウ素化合物と併用する
ことができる。例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザ
ール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;
ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合
物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−
4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−
ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性
ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニル
スルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビ
ス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリ
アクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性
ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチル
ヒダントイン等のN−メチロール化合物;
【0050】1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート
等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第301
7280号、同第2983611号に記載のアジリジン
系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載の
カルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジ
ルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチ
レン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ
系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等の
ハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジ
ヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;クロム
明ばん、カリ明ばん、硫酸ジルコニウム、酢酸クロム等
である。この場合、上記ホウ素化合物と他の架橋剤とを
併用する場合、全架橋剤中ホウ素化合物の含有量は、5
0質量%以上が好ましく、70質量%以上がさらに好ま
しい。尚、上記ホウ素化合物は、一種単独でも、2種以
上を組合わせてもよい。
【0051】上記ホウ素化合物を付与する際、その溶液
はホウ素化合物を水および/または有機溶剤に溶解して
調製される。上記ホウ素化合物溶液中のホウ素化合物の
濃度としては、ホウ素化合物溶液の質量に対して、0.
05〜10質量%が好ましく、0.1〜7質量%が特に
好ましい。ホウ素化合物溶液を構成する溶媒としては、
一般に水が使用され、該水と混和性を有するの有機溶媒
を含む水系混合溶媒であってもよい。上記有機溶剤とし
ては、ホウ素化合物が溶解するものであれば任意に使用
することができ、例えば、メタノール、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、グリセリン等のアルコール;ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン;酢酸メチル、
酢酸エチル等のエステル;トルエン等の芳香族溶剤;テ
トラヒドロフラン等のエーテル、およびジクロロメタン
等のハロゲン化炭素系溶剤等を挙げることができる。
【0052】(媒染剤)本発明においては、形成画像の
耐水性、耐経時ニジミの更なる向上を図るために、色材
受容層に媒染剤が含有される。上記媒染剤としてはカチ
オン性のポリマー(カチオン性媒染剤)が好ましく、該
媒染剤を色材受容層中に存在させることにより、アニオ
ン性染料を色材として有する液状インクとの間で相互作
用し色材を安定化し、耐水性や経時ニジミを向上させる
ことができる。
【0053】しかし、これを直接色材受容層を形成する
ための塗布液に添加すると、アニオン電荷を有する気相
法シリカとの間で凝集を生ずる懸念があるが、独立の別
の溶液として調製し塗布する方法を利用すれば、無機顔
料微粒子の凝集を懸念する必要はない。よって、本発明
においては、上記気相法シリカとは別の溶液(例えば、
架橋剤溶液)に含有して用いることが好ましい。
【0054】上記カチオン性媒染剤としては、カチオン
性基として、第1級〜第3級アミノ基、または第4級ア
ンモニウム塩基を有するポリマー媒染剤が好適に用いら
れるが、カチオン性の非ポリマー媒染剤も使用すること
ができる。上記ポリマー媒染剤としては、第1級〜第3
級アミノ基およびその塩、または第4級アンモニウム塩
基を有する単量体(媒染モノマー)の単独重合体や、該
媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染ポリマ
ー」という。)との共重合体または縮重合体として得ら
れるものが好ましい。また、これらのポリマー媒染剤
は、水溶性ポリマー、または水分散性のラテックス粒子
のいずれの形態でも使用できる。
【0055】上記単量体(媒染モノマー)としては、例
えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムク
ロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウ
ムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモ
ニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルア
ンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル
−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、
N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジ
ルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n
−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロ
ライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p
−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジ
メチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモ
ニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−
N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,
N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−
ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメ
チル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニ
ウムクロライド、
【0056】トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニ
ウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアン
モニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジル
アンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベ
ンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビ
ニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m
−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N
−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチル
アンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N
−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロ
ライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4
−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、
N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニル
フェニル)エチルアンモニウムアセテート、
【0057】N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノ
プロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、
エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイ
ド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドに
よる4級化物、またはそれらのアニオンを置換したスル
ホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアル
キルカルボン酸塩等が挙げられる。
【0058】具体的には、例えば、トリメチル−2−
(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライ
ド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチル
アンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロ
イルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチ
ル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムク
ロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)
プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−
(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロラ
イド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチ
ルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタク
リロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリ
メチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウ
ムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミ
ノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−
(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロラ
イド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロ
ピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アク
リロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、ト
リエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモ
ニウムクロライド、
【0059】N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メ
タクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、
N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイル
オキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメ
チル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピ
ルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタク
リロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリ
メチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニ
ウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオ
キシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−
3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセ
テート等を挙げることができる。その他、共重合可能な
モノマーとして、N―ビニルイミダゾール、N―ビニル
−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
【0060】上記非媒染ポリマーとは、第1級〜第3級
アミノ基およびその塩、または第4級アンモニウム塩基
等の塩基性あるいはカチオン性部分を含まず、インクジ
ェットインク中の染料と相互作用を示さない、あるいは
相互作用が実質的に小さいモノマーをいう。上記非媒染
モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の
(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)
アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエ
ステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエ
ステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸
アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビ
ニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリ
ル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレ
フィン類、等が挙げられる。
【0061】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)
アクリル酸アルキルエステルが好ましく、例えば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソ
プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)ア
クリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オク
チル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メ
タ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリ
ル等が挙げられる。中でも、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタ
アクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好
ましい。上記非媒染モノマーも、一種単独で、または二
種以上組合せて使用できる。
【0062】更に、ポリマー媒染剤として、ポリジアリ
ルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイ
ルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモ
ニウムクロライド、ポリエチレニミン、ポリアリルアミ
ン、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミド−ポリアミン
樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリ
ン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニ
ウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン等も好
ましいものとして挙げることができる。
【0063】上記ポリマー媒染剤の分子量としては、重
量平均分子量で1000〜200000が好ましく、重
量平均分子量で3000〜60000がさらに好まし
い。上記分子量が1000〜200000の範囲にある
と、耐水性が不十分となることがなく、また、粘度が高
くなりすぎてハンドリング適正が低下するのを防止でき
る。
【0064】上記カチオン性の非ポリマー媒染剤として
は、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ポ
リ塩化アルミニウム、塩化マグネシウム等の水溶性金属
塩が好ましい。
【0065】(他の成分)色材受容層は、必要に応じて
下記成分を含んでいてもよい。色材の劣化を抑制する目
的で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素ク
エンチャー等の褪色防止剤を含んでいてもよい。上記紫
外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘
導体、ベンゾトリアゾリルフェノール誘導体等が挙げら
れる。例えば、α−シアノ−フェニル桂皮酸ブチル、o
−ベンゾトリアゾールフェノール、o−ベンゾトリアゾ
ール−p−クロロフェノール、o−ベンゾトリアゾール
−2,4−ジ−t−ブチルフェノール、o−ベンゾトリ
アゾール−2,4−ジ−t−オクチルフェノール等が挙
げられる。ヒンダートフェノール化合物も紫外線吸収剤
として使用でき、具体的には少なくとも2位または6位
のうち1ヵ所以上が分岐アルキル基で置換されたフェノ
ール誘導体が好ましい。
【0066】また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系
紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線
吸収剤等も使用できる。例えば、特開昭47−1053
7号公報、同58−111942号公報、同58−21
2844号公報、同59−19945号公報、同59−
46646号公報、同59−109055号公報、同6
3−53544号公報、特公昭36−10466号公
報、同42−26187号公報、同48−30492号
公報、同48−31255号公報、同48−41572
号公報、同48−54965号公報、同50−1072
6号公報、米国特許第2,719,086号明細書、同
3,707,375号明細書、同3,754,919号
明細書、同4,220,711号明細書等に記載されて
いる。
【0067】蛍光増白剤も紫外線吸収剤として使用で
き、例えば、クマリン系蛍光増白剤等が挙げられる。具
体的には、特公昭45−4699号公報、同54−53
24号公報等に記載されている。
【0068】上記酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開
特許第223739号公報、同309401号公報、同
309402号公報、同310551号公報、同第31
0552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開
特許第3435443号公報、特開昭54−48535
号公報、同60−107384号公報、同60−107
383号公報、同60−125470号公報、同60−
125471号公報、同60−125472号公報、同
60−287485号公報、同60−287486号公
報、同60−287487号公報、同60−28748
8号公報、同61−160287号公報、同61−18
5483号公報、同61−211079号公報、同62
−146678号公報、同62−146680号公報、
同62−146679号公報、同62−282885号
公報、同62−262047号公報、同63−0511
74号公報、同63−89877号公報、同63−88
380号公報、同66−88381号公報、同63−1
13536号公報、
【0069】同63−163351号公報、同63−2
03372号公報、同63−224989号公報、同6
3−251282号公報、同63−267594号公
報、同63−182484号公報、特開平1−2392
82号公報、特開平2−262654号公報、同2−7
1262号公報、同3−121449号公報、同4−2
91685号公報、同4−291684号公報、同5−
61166号公報、同5−119449号公報、同5−
188687号公報、同5−188686号公報、同5
−110490号公報、同5−1108437号公報、
同5−170361号公報、特公昭48−43295号
公報、同48−33212号公報、米国特許第4814
262号、同第4980275号公報等に記載のものが
挙げられる。
【0070】具体的には、6−エトキシ−1−フェニル
−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリ
ン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメ
チル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−
フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−
テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−
2,2,4−トリメチル−1,2,3,4,−テトラヒ
ドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2
−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチ
ル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
【0071】上記褪色性防止剤は、単独でも2種以上を
併用してもよい。この上記褪色性防止剤は、水溶性化、
分散、エマルション化してもよく、マイクロカプセル中
に含ませることもできる。上記褪色性防止剤の添加量と
しては、色材受容層塗布液の0.01〜10質量%が好
ましい。
【0072】また、無機顔料微粒子の分散性を高める目
的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等
を含んでいてもよい。更に、表面の摩擦帯電や剥離帯電
を抑制する目的で、電子導電性を持つ金属酸化物微粒子
を、表面の摩擦特性を低減する目的で各種のマット剤を
含んでいてもよい。
【0073】(インクジェット記録用シートの作製)既
述のように、色材受容層には、上記架橋剤溶液を付与す
る過程で媒染剤が導入されることが好適である。即ち、
色材受容層は、一般式(1)で表される化合物および/
または一般式(2)で表される化合物と気相法シリカと
ポリビニルアルコールとを含有する塗布液(色材受容層
用塗布液)を塗布し、該塗布と同時に、または形成され
た塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を
示すようになる前に、該塗布層にホウ素化合物と媒染剤
とを含有する溶液(架橋剤溶液)を付与した後、該溶液
を付与した塗布層を架橋硬化させる方法(WOW法;W
et On Wet法)により形成されることが好まし
い。当該方法において色材受容層用塗布液のpHは8.
0〜10.0でアルカリ性を示す。
【0074】また、本発明のインクジェット記録用シー
トの色材受容層は、色材受容層用塗布液と、架橋剤溶液
とを、架橋剤と反応しない材料からなるバリアー液(但
し、架橋剤を含む溶液若しくはバリアー液の少なくとも
一方に媒染剤を含有させる。)を挟んだ状態で支持体上
に同時塗布し、硬化させることによって得ることもでき
る。
【0075】上記のように、本発明においては、架橋剤
(ホウ素化合物)と共に媒染剤を同時塗布することによ
り、色材受容層の耐水性を向上させることができる。即
ち、上記媒染剤を色材受容層用の塗布液に添加すると、
該媒染剤はカチオン性であるので、表面にアニオン電荷
を持つ気相法シリカとの共存下では凝集を生ずる場合が
あるが、媒染剤を含む溶液と色材受容層用の塗布液とを
それぞれを独立に調製し、個々に塗布する方法を採用す
れば、気相法シリカの凝集を考慮する必要がなく、媒染
剤の選択範囲が広がる。
【0076】本発明において、一般式(1)で表される
化合物および/または(2)で表される化合物と気相法
シリカとポリビニルアルコールとを少なくとも含む色材
受容層用塗布液は、例えば、以下のようにして調製でき
る。即ち、気相法シリカを水中に添加して(例えば、1
0〜20質量%)、高速回転湿式コロイドミル(例え
ば、クレアミックス(エム・テクニック(株)製))を
用いて、例えば10000rpm(好ましくは5000
〜20000rpm)の高速回転の条件で20分間(好
ましくは10〜30分間)分散させた後、ポリビニルア
ルコール水溶液(例えば、気相法シリカの1/3程度の
質量のPVAとなるように)を加え、さらに一般式
(1)で表される化合物および/または一般式(2)で
表される化合物を添加し、上記と同じ回転条件で分散を
おこなうことで調製することができる。得られた塗布液
は均一ゾルであり、これを下記塗布方法で支持体上に塗
布形成することにより、三次元網目構造を有する多孔質
性の色材受容層を形成することができる。なお、上記分
散の処理方法としては、高速回転分散機、媒体攪拌型分
散機(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、
コロイドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分
散機を使用することができるが、本発明では形成される
ダマ状微粒子の分散を効率的におこなうという点から、
コロイドミル分散機または高圧分散機が好ましく用いら
れる。
【0077】上記色材受容層塗布液には、必要に応じ
て、更に界面活性剤、pH調整剤、帯電防止剤等を添加
することもできる。色材受容層塗布液の塗布は、例え
ば、エクストルージョンダイコータ、エアードクターコ
ータ、ブレッドコータ、ロッドコータ、ナイフコータ、
スクイズコータ、リバースロールコータ、バーコータ等
の公知の塗布方法によりおこなうことができる。
【0078】色材受容層用塗布液を塗布した後、該塗布
層に架橋剤溶液が付与されるが、該架橋剤溶液は、塗布
後の塗布層が減率乾燥速度を示すようになる前に付与し
てもよい。即ち、色材受容層用塗布液の塗布後、この塗
布層が恒率乾燥速度を示す間にホウ素化合物および媒染
剤とを導入することで好適に製造される。
【0079】ここで、「塗布層が減率乾燥速度を示すよ
うになる前」とは、通常、色材受容層塗布液の塗布直後
から数分間を指し、この間においては、塗布された塗布
層中の溶剤の含有量が時間に比例して減少する現象であ
る恒率乾燥速度を示す。該恒率乾燥速度を示す時間につ
いては、化学工学便覧(p.707〜712、丸善
(株)発行、昭和55年10月25日)に記載されてい
る。
【0080】上記の通り、色材受容層塗布液の塗布後、
その塗布層が減率乾燥速度を示すようになるまで乾燥さ
れるが、該乾燥は一般に50〜180℃で0.5〜10
分間(好ましくは、0.5〜5分間)おこなわれる。こ
の乾燥時間としては、当然塗布量により異なるが上記範
囲が適当である。
【0081】上記塗布層が減率乾燥速度を示すようにな
る前に付与する方法としては、(1)架橋剤溶液を塗布
層上に更に塗布する方法、(2)スプレー等の方法によ
って噴霧する方法、(3)架橋剤溶液中に、該塗布層が
形成された支持体を浸漬する方法、等が挙げられる。
【0082】上記方法(1)において、架橋剤溶液を塗
布する塗布方法としては、例えば、カーテンフローコー
タ、エクストルージョンダイコータ、エアードクターコ
ーター、ブレッドコータ、ロッドコータ、ナイフコー
タ、スクイズコータ、リバースロールコータ、バーコー
タ等の公知の塗布方法を利用することができる。しか
し、エクストリュージョンダイコータ、カーテンフロー
コータ、バーコータ等のように、既に形成されている塗
布層にコータが直接接触しない方法を利用することが好
ましい。
【0083】色材受容層上に付与する、ホウ素化合物と
媒染剤とを少なくとも含有する架橋剤溶液の塗布量とし
ては、ホウ素化合物換算で0.01〜10g/m2が一
般的であり、0.05〜5g/m2が好ましい。
【0084】該架橋剤溶液の付与後は、一般に40〜1
80℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥および硬化が
おこなわれる。中でも、40〜150℃で1〜20分間
加熱することが好ましい。例えば、上記架橋剤溶液中に
含有するホウ素化合物として硼砂や硼酸を使用する場合
には、60〜100℃での加熱を5〜20分間おこなう
ことが好ましい。
【0085】また、上記架橋剤塗布液は、色材受容層塗
布液を塗布すると同時に付与してもよい。この場合、色
材受容層塗布液および架橋剤溶液を、該色材受容層塗布
液が支持体と接触するようにして支持体上に同時塗布
(重層塗布)し、その後乾燥硬化させることにより色材
受容層を形成することができる。
【0086】上記同時塗布(重層塗布)は、例えば、エ
クストルージョンダイコータ、カーテンフローコータを
用いた塗布方法によりおこなうことができる。同時塗布
の後、形成された塗布層は乾燥されるが、この場合の乾
燥は、一般に塗布層を40〜150℃で0.5〜10分
間加熱することによりおこなわれ、好ましくは、40〜
100℃で0.5〜5分間加熱することによりおこなわ
れる。例えば、架橋剤溶液に含有するホウ素化合物とし
て硼砂や硼酸を使用する場合は、60〜100℃で5〜
20分間加熱することが好ましい。
【0087】上記同時塗布(重層塗布)を、例えば、エ
クストルージョンダイコータによりおこなった場合、同
時に吐出される二種の塗布液は、エクストルージョンダ
イコータの吐出口附近で、即ち、支持体上に移る前に重
層形成され、その状態で支持体上に重層塗布される。塗
布前に重層された二層の塗布液は、支持体に移る際、既
に二液の界面で架橋反応を生じ易いことから、エクスト
ルージョンダイコータの吐出口付近では、吐出される二
液が混合して増粘し易くなり、塗布操作に支障を来す場
合がある。従って、上記のように同時塗布する際は、色
材受容層塗布液およびホウ素化合物と媒染剤とを含有す
る架橋剤溶液の塗布と共に、更に架橋剤と反応しない材
料からなるバリアー層液(中間層液)を上記二液間に介
在させて同時三重層塗布することが好ましい。
【0088】上記バリアー層液は、ホウ素化合物と反応
せず液膜を形成できるものであれば、特に制限なく選択
できる。例えば、ホウ素化合物と反応しない水溶性樹脂
を微量含む水溶液や、水等を挙げることができる。上記
水溶性樹脂は、増粘剤等の目的で、塗布性を考慮して使
用されるもので、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセ
ルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルメチル
セルロ−ス、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等のポリ
マーが挙げられる。尚、バリアー層液には、上記媒染剤
を含有させることもできる。
【0089】また、本発明における色材受容層は、上記
気相法シリカと分散剤とからなる水分散物に、上記一般
式(1)で表される化合物および/または一般式(2)
で表される化合物と上記ポリビニルアルコールと上記ホ
ウ素化合物とを含む溶液(第1の溶液)を添加し再分散
して得られる塗布液を上記支持体表面に塗布し、該塗布
と同時に、または、上記塗布によって形成される塗布層
の乾燥途中であって、該塗布層が減率乾燥速度を示す前
に、上記塗布層に、上記ホウ素化合物と上記媒染剤とを
含む溶液(第2の溶液)を付与した後、上記塗布層を硬
化させる方法によって形成してもよい。当該方法におい
て色材受容層を形成する第1の溶液のpHは2.5〜
4.0であり、酸性を示す。当該方法を用いると、光沢
度および印画濃度が向上するため好ましい。
【0090】上記分散剤としては、カチオン性のポリマ
ーを用いることができる。カチオン性ポリマーとして
は、上述の媒染剤の例として挙げた、第1級〜第3級ア
ミノ基およびその塩、または第4級アンモニウム塩基を
有する単量体の単独重合体や、該単量体と他のモノマー
との共重合体または縮重合体として得られるものを好適
に使用することができる。また、これらの分散剤は、水
溶性ポリマーの形態で使用するのが好ましい。
【0091】上記分散剤の分子量は、重量平均分子量で
1000〜200000が好ましく、3000〜600
00がさらに好ましい。該分子量が1000より小さい
と分散性に劣る場合があり、200000を超えると水
分散物の粘度が高くなる場合がある。上記分散剤の気相
法シリカに対する添加量は、1%〜30%が好ましく、
3%〜20%がさらに好ましい。該添加量が、1%未満
では分散性に劣る場合があり、30%を超えるとインク
ジェット記録用シートに印画した際、色濃度が低下する
ことがあるため好ましくない。
【0092】また、上記気相法シリカと分散剤とからな
る水分散剤の調製は、気相法シリカ水分散液をあらかじ
め調製し、該水分散液を分散剤水溶液に添加してもよい
し、分散剤水溶液を気相法シリカ水分散液に添加してよ
いし、同時に混合してもよい。また、気相法シリカ水分
散液ではなく、粉体の気相法シリカを用いて上記のよう
に分散剤水溶液に添加してもよい。上記の気相法シリカ
と分散剤とを混合した後、該混合液を分散機を用いて細
粒化することで、平均粒子径50〜300nmの水分散
液を得ることができる。該水分散液を得るために用いる
分散機としては、高速回転分散機、媒体攪拌型分散機
(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、コロ
イドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機
を使用することができるが、形成されるダマ状微粒子の
分散を効率的におこなうという点から、コロイドミル分
散機または高圧分散機が好ましい。
【0093】また、各工程における溶媒として水、有機
溶媒、またはこれらの混合溶媒を用いることができる。
この塗布に用いることができる有機溶媒としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノ
ール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフ
ラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げ
られる。
【0094】支持体上に色材受容層を形成した後、該色
材受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレン
ダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレ
ンダー処理を施すことにより、表面平滑性、光沢度、透
明性および塗膜強度を向上させることが可能である。し
かしながら、該カレンダー処理は、空隙率を低下させる
要因となることがあるため(即ち、インク吸収性が低下
することがあるため)、空隙率の低下が少ない条件を設
定しておこなう必要がある。
【0095】カレンダー処理をおこなう場合のロール温
度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100
℃がより好ましい。また、カレンダー処理時のロール間
の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、
100〜200kg/cmがより好ましい。
【0096】上記色材受容層の層厚としては、インクジ
ェット記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収
容量をもつ必要があるため、層中の空隙率との関連で決
定する必要がある。例えば、インク量が8nL/mm2
で、空隙率が60%の場合であれば、層厚が約15μm
以上の膜が必要となる。この点を考慮すると、インクジ
ェット記録の場合には、色材受容層の層厚としては、1
0〜50μmが好ましい。
【0097】また、色材受容層の細孔径は、メジアン径
で0.005〜0.030μmが好ましく、0.01〜
0.025μmがより好ましい。上記空隙率および細孔
メジアン径は、水銀ポロシメーター(商品名:ボアサイ
ザー9320−PC2、(株)島津製作所製)を用いて
測定することができる。
【0098】また、色材受容層は、透明性に優れている
ことが好ましいが、その目安としては、色材受容層を透
明フイルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30
%以下であることが好ましく、20%以下であることが
より好ましい。上記ヘイズ値は、ヘイズメーター(HG
M−2DP:スガ試験機(株))を用いて測定すること
ができる。
【0099】(支持体)上記支持体としては、プラスチ
ック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透明材
料からなる不透明支持体のいずれをも使用できる。色材
受容層の透明性を生かす上では、透明支持体または高光
沢性の不透明支持体を用いることが好ましい。
【0100】上記透明支持体に使用可能な材料として
は、透明性で、OHPやバックライトディスプレイで使
用される時の輻射熱に耐え得る性質を有する材料が好ま
しい。該材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)等のポリエステル類;ポリスルホン、
ポリフェニレンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネ
ート、ポリアミド等を挙げることができる。中でも、ポ
リエステル類が好ましく、ポリエチレンテレフタレート
は特に好ましい。上記透明支持体の厚みとしては、特に
制限はないが、取り扱い性の点で、50〜200μmが
好ましい。
【0101】高光沢性の不透明支持体としては、色材受
容層の設けられる側の表面が40%以上の光沢度を有す
るものが好ましい。上記光沢度は、JIS P−814
2(紙および板紙の75度鏡面光沢度試験方法)に記載
の方法に従って求められる値である。具体的には、下記
支持体が挙げられる。
【0102】例えば、アート紙、コート紙、キャストコ
ート紙、銀塩写真用支持体等に使用されるバライタ紙等
の高光沢性の紙支持体;ポリエチレンテレフタレート
(PET)等のポリエステル類、ニトロセルロース,セ
ルロースアセテート,セルロースアセテートブチレート
等のセルロースエステル類、ポリスルホン、ポリフェニ
レンオキサイド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリ
アミド等のプラスチックフィルムに白色顔料等を含有さ
せて不透明にした(表面カレンダー処理が施されていて
もよい。)高光沢性のフィルム;或いは、上記各種紙支
持体、上記透明支持体若しくは白色顔料等を含有する高
光沢性のフィルムの表面に、白色顔料を含有若しくは含
有しないポリオレフィンの被覆層が設けられた支持体が
挙げられる。白色顔料含有発泡ポリエステルフィルム
(例えば、ポリオレフィン微粒子を含有させ、延伸によ
り空隙を形成した発泡PET)も好適に挙げることがで
きる。さらに銀塩写真用印画紙に用いられるレジンコー
ト紙も好適である。
【0103】上記不透明支持体の厚みについても特に制
限はないが、取り扱い性の点で、50〜300μmが好
ましい。
【0104】また、上記支持体には、コロナ放電処理、
グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理等を施した
ものを使用してもよい。
【0105】次に、上記レジンコート紙に用いられる原
紙について詳述する。上記原紙としては、木材パルプを
主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロ
ピレンなどの合成パルプ、あるいはナイロンやポリエス
テルなどの合成繊維を用いて抄紙される。上記木材パル
プとしては、LBKP、LBSP、NBKP、NBS
P、LDP、NDP、LUKP、NUKPのいずれも用
いることができるが、短繊維分の多いLBKP、NBS
P、LBSP、NDP、LDPをより多く用いることが
好ましい。但し、LBSPおよび/またはLDPの比率
としては、10質量%以上、70質量%以下が好まし
い。
【0106】上記パルプは、不純物の少ない化学パルプ
(硫酸塩パルプや亜硫酸パルプ)が好ましく用いられ、
漂白処理をおこなって白色度を向上させたパルプも有用
である。
【0107】原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテン
ダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化
チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミ
ド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白
剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散
剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加する
ことができる。
【0108】抄紙に使用するパルプの濾水度としては、
CSFの規定で200〜500mlが好ましく、また、
叩解後の繊維長が、JIS P−8207に規定される
24メッシュ残分質量%と42メッシュ算分の質量%と
の和が30〜70%が好ましい。なお、4メッシュ残分
の質量%は20質量%以下であることが好ましい。
【0109】原紙の坪量としては、30〜250gが好
ましく、特に50〜200gが好ましい。原紙の厚さと
しては、40〜250μmが好ましい。原紙は、抄紙段
階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与える
こともできる。原紙密度は0.7〜1.2g/m2(J
IS P−8118)が一般的である。更に、原紙剛度
としては、JIS P−8143に規定される条件で2
0〜200gが好ましい。
【0110】原紙表面には表面サイズ剤を塗布してもよ
く、表面サイズ剤としては、上記原紙中添加できるサイ
ズと同様のサイズ剤を使用できる。原紙のpHは、JI
S P−8113で規定された熱水抽出法により測定さ
れた場合、5〜9であることが好ましい。
【0111】原紙表面および裏面を被覆するポリエチレ
ンは、主として低密度のポリエチレン(LDPE)およ
び/または高密度のポリエチレン(HDPE)である
が、他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用する
ことができる。
【0112】特に、色材受容層を形成する側のポリエチ
レン層は、写真用印画紙で広くおこなわれているよう
に、ルチルまたはアナターゼ型の酸化チタン、蛍光増白
剤、群青をポリエチレン中に添加し、不透明度、白色度
および色相を改良したものが好ましい。ここで、酸化チ
タン含有量としては、ポリエチレンに対して、概ね3〜
20質量%が好ましく、4〜13質量%がより好まし
い。ポリエチレン層の厚みは特に限定はないが、表裏面
層とも10〜50μmが好適である。さらにポリエチレ
ン層上に色材受容層との密着性を付与するために下塗り
層を設けることもできる。該下塗り層としては、水性ポ
リエステル、ゼラチン、PVAが好ましい。また、該下
塗り層の厚みとしては、0.01〜5μmが好ましい。
【0113】ポリエチレン被覆紙は、光沢紙として用い
ることも、また、ポリエチレンを原紙表面上に溶融押し
出してコーティングする際に、いわゆる型付け処理をお
こなって通常の写真印画紙で得られるようなマット面や
絹目面を形成したものも使用できる。
【0114】以上のように、一般式(1)で表される化
合物および/または一般式(2)で表される化合物と、
気相法シリカと、ポリビニルアルコールと、ホウ素化合
物と、媒染剤とを色材受容層に有することで、他のイン
ク受容性能を低下させることなく、多孔質構造の形成時
における色材受容層の乾燥収縮を抑制し、膜割れやイン
クジェット記録用シートのカールを防止でき、さらに、
支持体と色材受容層との接着性を向上させることができ
る。しかも、色材受容層が気相法シリカを含んで空隙率
50〜80%の三次元網目構造を有すると、良好なイン
ク吸収性を示し高解像度で高濃度な画像が形成できると
共に、高温高湿環境下での経時ニジミも抑制され、形成
された画像も高い耐光性、耐水性を示すといった、優れ
たインク受容性能をも同時に確保することができる。本
発明によって得られるインクジェット記録用シートは、
60°において30%以上の光沢度を示すことができ
る。該光沢度は、デジタル変角光沢度計(UGV−50
DP,スガ試験機(株)製)等によって測定することが
できる。
【0115】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、
実施例中の「部」および「%」は、全て「質量部」およ
び「質量%」を表す。
【0116】−支持体の作製− LBKP100部からなる木材パルプをダブルディスク
リファイナーによりカナディアンフリーネス300ml
まで叩解し、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5部、アニ
オンポリアクリルアミド1.0部、ポリアミドポリアミ
ンエピクロルヒドリン0.1部、カチオンポリアクリル
アミド0.5部を、いずれもパルプに対する絶乾重量比
で添加し、長網抄紙機により秤量し170g/m2の原
紙を抄造した。
【0117】上記原紙の表面サイズを調整するため、ポ
リビニルアルコール4%水溶液に蛍光増白剤(Whit
ex BB,住友化学工業(株)製)を0.04%添加
し、これを絶乾重量換算で0.5g/m2となるように
上記原紙に含浸させ、乾燥した後、さらにキャレンダー
処理を施して密度1.05に調整された基紙を得た。
【0118】得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコ
ロナ放電処理をおこなった後、溶融押出機を用いて高密
度ポリエチレンを厚さ19μmとなるようにコーティン
グし、マット面からなる樹脂層を形成した(以下、樹脂
層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の樹脂層にさ
らにコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤とし
て、酸化アルミニウム(アルミナゾル100、日産化学
工業(株)製)と二酸化ケイ素(スノーテックスO、日
産化学工業(株)製)とを1:2の比(質量比)で水に
分散した分散液を、乾燥重量が0.2g/m2となるよ
うに塗布した。
【0119】更に、樹脂層の設けられていない側のフェ
ルト面(表面)側にコロナ放電処理を施した後、アナタ
ーゼ型二酸化チタン10%、微量の群青、および蛍光増
白剤0.01%(対ポリエチレン)を含有する、MFR
(メルトフローレート)3.8の低密度ポリエチレン
を、溶融押出機を用いて、厚み29μmとなるように溶
融押し出しし、高光沢な熱可塑性樹脂層を基紙の表面側
に形成し(以下、この高光沢面を「オモテ面」と称す
る。)、支持体とした。
【0120】[実施例1] −色材受容層用塗布液の調製− 下記組成中の(1)気相法シリカ微粒子、(2)イオン
交換水を混合し、高速回転式コロイドミル(クレアミッ
クス、エム・テクニック(株)製)を用いて、回転数1
0000rpmで20分間分散させた後、下記(3)ポ
リオキシエチレンラウリルエーテル、(4)アンモニア
水、(5)ポリビニルアルコール9%水溶液、および
(6)ジエチレングリコールモノブチルエーテルを加
え、更に上記と同一条件で分散をおこない、色材受容層
用塗布液Aを調製した。シリカ微粒子と水溶性樹脂との
質量比(PB比/(1):(5))は、3.5:1であ
り、色材受容層用塗布液AのpHは9.5であり、アル
カリ性を示した。
【0121】 〔色材受容層塗布液Aの組成〕 (1)気相法シリカ微粒子(無機顔料微粒子) 9.9部 (平均一次粒子径7nm;アエロジル300、日本アエロジル(株)製) (2)イオン交換水 72.6部 (3)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 7.2部 (エマルゲン109P(10%)、花王(株)製、HLB値13.6) (4)17g/lアンモニア水溶液(pH調整剤) 5.3部 (5)ポリビニルアルコール9%水溶液(水溶性樹脂) 31.4部 (PVA420、(株)クラレ製、鹸化度81.8%、重合度2000) (6)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.6部 (一般式(1)で表される化合物)
【0122】−インクジェット記録用シートの作製− 上記支持体のオモテ面にコロナ放電処理をおこなった
後、上記から得た色材受容層用塗布液Aを、支持体のオ
モテ面にエクストルージョンダイコーターを用いて20
0ml/m2の塗布量で塗布し(塗布工程)、熱風乾燥
機にて80℃(風速3〜8m/sec)で塗布層の固形
分濃度が20%になるまで乾燥させた。塗布層は、この
期間恒率乾燥速度を示した。その直後、下記組成の架橋
剤溶液Aに30秒浸漬して該塗布層上にその20g/m
2を付着させ(架橋剤溶液を付与する工程)、更に80
℃下で10分間乾燥させた(乾燥工程)。これより、乾
燥膜厚32μmの色材受容層が設けられた、本発明のイ
ンクジェット記録用シート(1)を作製した。
【0123】 〔架橋剤溶液Aの組成〕 ・硼酸(6%;架橋剤) 25部 ・PAS−F5000(20%)水溶液 7.15部 (媒染剤;日東紡(株)製) ・イオン交換水 68.98部 ・塩化アンモニウム(表面pH調整剤) 0.2部 ・アンモニア水溶液(25%;pH調整剤) 1.67部 ・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 2部 (エマルゲン109P(10%)、花王(株)製、HLB値13.6)
【0124】[実施例2]実施例1の色材受容層用塗布
液における、ジエチレングリコールモノブチルエーテル
をトリエチレングリコールモノブチルエーテルに変更し
た以外は実施例1と同様にして本発明のインクジェット
記録用シート(2)を作製した。
【0125】[実施例3] −色材受容層用塗布液Bの調製− 下記組成中の(1)〜(3)を混合し、高速回転式コロ
イドミル(クレアミックス、エム・テクニック(株)
製)を用いて、回転数10000rpmで20分間分散
させた後、下記(4)〜(8)を含む溶液を加え、更に
回転数10000rpmで20分間再分散をおこない、
色材受容層用塗布液Bを調製した。シリカ微粒子と水溶
性樹脂との質量比(PB比/(1):(4))は、4.
5:1であり、色材受容層用塗布液BのpHは3.5で
あり、酸性を示した。
【0126】 〔色材受容層塗布液Bの組成〕 (1)気相法シリカ微粒子(無機顔料微粒子) 10.0部 (平均一次粒子径7nm;レオロシールQS30、(株)トクヤマ製) (2)イオン交換水 51.7部 (3)PAS−M−1(分散剤;日東紡(株)製) 0.83部 (4)ポリビニルアルコール8%水溶液(水溶性樹脂) 27.8部 (PVA124、(株)クラレ製、鹸化度98.5%、重合度2400) (5)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.72部 (一般式(1)で表される化合物) (6)ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 1.2部 (エマルゲン109P(10%)、花王(株)製、HLB値13.6) (7)イオン交換水 30.74部 (8)ホウ酸 0.09部
【0127】−インクジェット記録用シートの作製− 上記支持体のオモテ面にコロナ放電処理をおこなった
後、上記から得た色材受容層用塗布液Bを、支持体のオ
モテ面にエクストルージョンダイコーターを用いて20
0ml/m2の塗布量で塗布し(塗布工程)、熱風乾燥
機にて80℃(風速3〜8m/sec)で塗布層の固形
分濃度が20%になるまで乾燥させた。塗布層は、この
期間恒率乾燥速度を示した。その直後、下記組成の架橋
剤溶液Bに30秒浸漬して該塗布層上にその20g/m
2を付着させ(架橋剤溶液を付与する工程)、更に80
℃下で10分間乾燥させた(乾燥工程)。これより、乾
燥膜厚32μmの色材受容層が設けられた、本発明のイ
ンクジェット記録用シート(3)を作製した。
【0128】 〔架橋剤溶液Bの組成〕 ・硼酸(6%;架橋剤) 25部 ・PAA−10C(10%)水溶液 20部 (媒染剤;日東紡(株)製) ・イオン交換水 52.8部 ・塩化アンモニウム(表面pH調整剤) 0.2部 ・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(界面活性剤) 2部 (エマルゲン109P(10%)、花王(株)製、HLB値13.6)
【0129】[比較例1]実施例3の色材受容層用塗布
液Bにおいてジエチレングリコールモノブチルエーテル
を添加しない以外は実施例3と同様にして、比較用イン
クジェット記録用シート(1)を作製した。
【0130】<性能評価>上記より得られた本発明のイ
ンクジェット記録用シート(1)〜(3)、並びに、比
較用インクジェット記録用シート(1)のそれぞれにつ
いて、以下の評価をおこなった。評価結果は、下記表1
に示す。
【0131】(光沢度)印画前の記録シートの色材受容
層表面における60°光沢度を、デジタル変角光沢度計
(UGV−50DP,スガ試験機(株)製)にて測定し
た。
【0132】(インク吸収速度)インクジェットプリン
タ(PM−770C、セイコーエプソン(株)製)を用
いて、各記録シートの色材受容層上にY(黄)、M(マ
ゼンタ)、C(シアン)、K(黒)、B(青)、G
(緑)およびR(赤)のベタ画像を印字し、その後(約
10秒後)、該画像上に紙を接触押圧し、インクの紙へ
の転写の程度により下記基準に従って評価した。 〔基準〕 AA: 紙上へのインクの転写は認められなかった。 BB: 紙上へのインクの一部転写が認められた。 CC: 紙上へのインクの転写が多く認められた。
【0133】(耐水性)上記インク吸収速度の評価と同
様にして、Y(黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)、
K(黒)、B(青)、G(緑)およびR(赤)のベタ画
像を印字し、3時間放置した後、水中に1分間浸漬し、
インクの水中への流出程度を目視により下記基準に従っ
て評価した。 〔基準〕 AA: 染料の流出は全く認められなかった。 BB: 全体的に染料の流出が認められ、徐々に画像の
色濃度が低下した。 CC: 水中へ染料がほぼ完全に流れ出てしまった。
【0134】(経時ニジミ)各インクジェット記録用シ
ート上に、インク吸収速度の測定と同じプリンタを用い
てマゼンタインクとブラックインクとを隣り合わせにし
た格子状の線状パターン(線幅0.28mm)を印画し
た。印画後3時間放置した後、40℃、相対湿度90%
の恒温恒湿槽に3日間保管し、ブラック部分の線幅を測
定して下記基準に従い評価した。 〔基準〕 AA: 経時ニジミの発生はほとんど認められず、良好
であった。(線幅:0.28〜0.30mm) BB: 若干の経時ニジミが認められたが、実用上問題
ないレベルであった。(線幅:0.31〜0.35m
m) CC: 経時ニジミが顕著に認められ、実用上問題とな
るレベルであった。(線幅:0.35mm以上)
【0135】(耐光性)上記インク吸収性の評価と同様
にして、Y(黄)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K
(黒)、B(青)、G(緑)およびR(赤)のベタ画像
を印字した後、365nm以下の波長領域の紫外線をカ
ットするフィルムを通して、Xenonweather
−ometer Ci65A(ATLAS社製)を用い
て、25℃、相対湿度32%の環境条件下で3.8時間
ランプを点灯し、その後、ランプを消した状態で、20
℃、相対湿度91%の環境条件下に1時間放置するサイ
クルを96時間おこなって、画像の各色濃度の褪色の程
度を目視により下記基準に従って評価した。 〔基準〕 ◎: ほとんど褪色は認められなかった。 O: 僅かに褪色が認められた。 △: かなりの褪色が認められた。 ×: 褪色の程度が著しかった。
【0136】(印画濃度)インクジェットプリンター
(PM−770C、セイコーエプソン(株)製)によっ
て、インクジェット記録用シートにK(黒)のベタ画像
を印字し、3時間放置後、該印字面の反射濃度をマクベ
ス反射濃度計で測定した。
【0137】(取扱い性) −折り曲げ試験− インクジェット記録用シートを色材受容層が外側になる
ように二つ折りにし、折り曲げた部分を指で擦り、色材
受容層の剥がれ具合を下記の基準に従って評価した。 〔基準〕 O: 色材受容層の剥がれは認められなかった。 △: 色材受容層の剥がれが若干認められた。 ×: 色材受容層の剥がれが著しく認められた。
【0138】(カール)インクジェット記録用シートを
A6サイズに裁断し、平坦な試験板上で10℃、相対湿
度30%の条件下で1時間保存した後、そのままの状態
でインクジェット記録用シートの4角の試験板の表面か
らの高さ(めくれ具合)をそれぞれ測定し、該高さの平
均値をカールの値とした。
【0139】(膜割れ)上記乾燥工程後、インクジェッ
ト記録用シートの色材受容層表面の任意の40m2内に
膜割れが発生しているかを目視によって観察し、下記の
基準に従って評価した。 〔基準〕 ○:膜割れの発生は認められなかった。 △:膜割れの発生が1〜9箇所認められたが、実用上問
題のないレベルだった。 ×:膜割れの発生が10箇所以上認められ、実用上問題
のあるレベルだった。
【0140】
【表1】
【0141】上記表1の結果から、一般式(1)で表さ
れる化合物または一般式(2)で表される化合物を使用
した場合、良好なインク吸収性を示し高解像度で高濃度
な画像が形成でき、高温高湿環境下での経時ニジミも抑
制され、形成された画像も高い耐光性、耐水性、光沢性
を示し、取扱い性にも優れ、さらに、カールの程度が少
なく、色材受容層表面の膜割れもなかった。特に実施例
3の方法で得られたインクジェット記録用シート(3)
は、光沢度および印画濃度において良好な結果を示し
た。また、60°における光沢度はいずれも30%以上
を示した。
【0142】一方、比較用インクジェット記録用シート
(1)は、取扱い性に劣り、色材受容層表面の膜割れが
40m2内に13個確認された。
【0143】
【発明の効果】本発明によれば、他のインク受容性能を
低下させることなく、多孔質構造の形成時における色材
受容層の乾燥収縮を抑制し、膜割れやインクジェット記
録用シートのカールを防止することで、生産歩留まり、
品質、プリンター搬送性に優れ、さらに、支持体と色材
受容層との接着性に優れるインクジェット記録用シート
を提供することができる。また、本発明によれば、ひび
割れ等の発生がなく強固で、良好なインク吸収性を有し
高解像度な画像を形成しうるインクジェット記録用シー
トを提供することができる。さらに、本発明によれば、
印画後の耐経時ニジミ、耐水性、光沢性に極めて優れ、
かつ太陽光や蛍光灯等の光照射下でも高い耐光性を示す
インクジェット記録用シートを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 FC06 2H086 BA15 BA31 BA33 BA35 BA41

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体表面に色材受容層を有するインク
    ジェット記録用シートであって、前記色材受容層は、下
    記一般式(1)で表される化合物および/または下記一
    般式(2)で表される化合物と、気相法シリカと、ポリ
    ビニルアルコールと、ホウ素化合物と、媒染剤と、を含
    むことを特徴とするインクジェット記録用シート。 RO(CH2CH2O)nH 一般式(1) [一般式(1)中、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素
    基、炭素数1〜12の不飽和炭化水素基、フェニル基、
    またはアシル基を表す。nは、1〜3の整数を表す。] RO(CH2CH(CH3)O)nH 一般式(2) [一般式(2)中、Rは炭素数1〜12の飽和炭化水素
    基、炭素数1〜12の不飽和炭化水素基、フェニル基、
    またはアシル基を表す。nは、1〜3の整数を表す。]
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)で表される化合物およ
    び前記一般式(2)で表される化合物は、水溶性である
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録
    用シート。
  3. 【請求項3】 前記一般式(1)および一般式(2)に
    おいて、前記Rは、炭素数1〜4の飽和炭化水素基であ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジ
    ェット記録用シート。
  4. 【請求項4】 前記色材受容層は、前記支持体表面に、
    前記一般式(1)で表される化合物および/または一般
    式(2)で表される化合物と前記気相法シリカと前記ポ
    リビニルアルコールとを含むとを含む塗布液を塗布し、
    該塗布と同時に、または、前記塗布によって形成される
    塗布層の乾燥途中であって、該塗布層が減率乾燥速度を
    示す前に、前記塗布層に、前記ホウ素化合物と前記媒染
    剤とを含む溶液を付与した後、前記塗布層を硬化させて
    得られることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のインクジェット記録用シート。
  5. 【請求項5】 前記色材受容層は、前記気相法シリカと
    分散剤とからなる水分散物に、前記一般式(1)で表さ
    れる化合物および/または一般式(2)で表される化合
    物と前記ポリビニルアルコールと前記ホウ素化合物とを
    含む溶液を添加し再分散して得られる塗布液を前記支持
    体表面に塗布し、該塗布と同時に、または、前記塗布に
    よって形成される塗布層の乾燥途中であって、該塗布層
    が減率乾燥速度を示す前に、前記塗布層に、前記ホウ素
    化合物と前記媒染剤とを含む溶液を付与した後、前記塗
    布層を硬化させて得られることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載のインクジェット記録用シート。
  6. 【請求項6】 60°における表面の光沢度が30%以
    上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載のインクジェット記録用シート。
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