JP3807875B2 - インクジェット記録用シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録シートに関し、特に印字濃度、光沢性、及びインク吸収性が高く、耐折り割れ性の良好なインクジェット記録用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式に使用される記録用シートとして、通常の紙やインクジェット記録用紙と称される支持体上に非晶質シリカ等の顔料をポリビニルアルコール等の親水性バインダーからなる多孔質のインク吸収層を設けてなる記録用シートが知られている。
【0003】
例えば、特開昭55−51583号、同56−157号、同57−107879号、同57−107880号、同59−230787号、同62−160277号、同62−184879号、同62−183382号、及び同64−11877号公報等に開示のごとく、シリカ等の含珪素顔料を水系バインダーと共に紙支持体に塗布して得られる記録シートが提案されている。
【0004】
また、気相法による合成シリカ微粒子(以降、気相法シリカと称す)を用いることが、特公平3−56552号、特開平2−113986号、同平2−188287号、同平7−276789号、同平8−34160号、同平8−132728号、同平8−174992号、同平8−269893号、同平9−286161号、同平9−286162号、同平10−81064号、同平10−175365号、同平10−203006号、同平10−217601号、同平11−58939号公報に記載されている。これらの微粒子の気相法シリカを用いることにより、インク受容層がインクを吸収したり保持したりする空隙を多く有する層(空隙層)を形成させ、記録シートのインク吸収性を更に高める技術が開示されており、また、気相法シリカは微粒子であるが故に光沢を発現しやすく光沢性の高い記録シートを得ることができる。
【0005】
このような気相法シリカを用いた記録シートにおいては、必要なインク吸収性を付与するためにできるだけインク受容層中に添加するシリカ量を多くしバインダー量を少なくすることが必要である。しかしながら、シリカ量を多くしバインダーを少なくするとシリカ同士の結合力が弱まり、シートを取り扱う際に塗層表面に折り割れが発生する問題があった。とりわけ近年注目されているポスターや店頭POPといった業務用インクジェットプロッタで印字する用途においては、大判シートを取り扱うために折り割れは発生しやすくさらに問題であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、特に印字濃度、光沢性、及びインク吸収性が高く、耐折り割れ性の良好なインクジェット記録用シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、耐水性支持体上の少なくとも一方にインク受容層を有するインクジェット記録用シートにおいて、該インク受容層が、BET法による比表面積が200m2/g以上の気相法シリカを12〜30g/m2含有し、且つ該気相法シリカに対して10〜30重量%のポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコールの水溶性可塑剤としてグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ブタンジオール、ブタントリオール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、エタノールアセトアミド、尿素及びその誘導体及び単糖類の群の中から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とするインクジェット記録用シートによって達成された。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、インク受容層が、BET法による比表面積が200m2/g以上の気相法シリカ、該気相法シリカに対して10〜30重量%のポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコールの水溶性可塑剤を含有することが必須である。
【0010】
合成シリカには、湿式法によるものと気相法によるものがある。通常シリカ微粒子といえば湿式法シリカを指す場合が多い。湿式法シリカとしては、▲1▼ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾル、または▲2▼このシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカ、▲3▼シリカゾルをゲル化させ、その生成条件を変えることによって数ミクロンから10ミクロン位の一次粒子がシロキサン結合をした三次元的な二次粒子となったシリカゲル、更には▲4▼シリカゾル、ケイ酸ナトリウム、アルミン酸ナトリウム等を加熱生成させて得られるもののようなケイ酸を主体とする合成ケイ酸化合物等がある。
【0011】
本発明に用いられる気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。
【0012】
本発明における気相法シリカは、BET法による比表面積が200m2/g以上が必須であり、これにより印字濃度、光沢性、及びインク吸収性が向上する。本発明における好ましい形態は、比表面積250m2/g以上、より好ましくは300m2/g以上である。このような比表面積を持つ気相法シリカの平均一次粒径は通常15nm以下であるが、好ましくは3〜10nmである。
【0013】
このような気相法シリカとしては、例えば、日本アエロジル(株)より製品名:アエロジルシリーズ、また(株)トクヤマより製品名:QSシリーズとして入手できる。
【0014】
本発明で云うBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、即ち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ、吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて、表面積が得られる。
【0015】
気相法シリカの特徴は、一次粒子が網目構造または鎖状につながりあって二次的に凝集した状態で存在することであり、これによって、高いインク吸収性が得られる。前記二次凝集の状態は50〜500nm程度に保つことが好ましく、これによって、光沢を低下させずに高いインク吸収性が得られる。このため、あらかじめ気相法シリカ溶液に各種分散安定剤を添加して、ボールミル、高圧ホモジナイザー等の分散機でを処理することが好ましい。
【0016】
本発明において、インク受容層に含有させる気相法シリカの量は、10g/m2以上が好ましく、本発明の印字濃度、光沢性及びインク吸収性の向上効果がさらに高くなる。また、より好ましい気相法シリカの量の範囲は、12〜30g/m2である。このように、印字濃度及びインク吸収性を向上させるため、及び更に高い光沢を得るために、微粒子で比表面積の大きい気相法シリカを少ないバインダーで担持させた場合、前述したように取り扱い時に折り割れが発生しやすく、このような状況下で本発明は極めて有効である。
【0017】
本発明において必須であるポリビニルアルコールとしては、完全または部分ケン化のポリビニルアルコール、またはシラノール変性、カチオン変性等の変性ポリビニルアルコールを単独もしくは2種類以上併用することができ、気相法シリカに対して10〜30重量%であることが必須である。ポリビニルアルコール以外のバインダーを使用した場合、塗層の透明性低下に伴い印字濃度が低下するため好ましくない。また、添加量が気相法シリカに対して10重量%未満の場合は、塗層強度低下に伴い表面亀裂欠陥が発生して光沢性が低下するために好ましくなく、30重量%を越えるとインク吸収性が低下するために好ましくない。
【0018】
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80以上の部分ケン化したものであり、平均重合度2000〜5000程度のものである。
【0019】
また、他の親水性バインダーも併用することができるが、ポリビニルアルコールに対して20重量%以下であることが好ましい。
【0020】
本発明において必須であるポリビニルアルコールの水溶性可塑剤としては、25゜Cの純水に対して1重量%以上溶解しうるものであり、且つ、書籍”ポバール:長野浩一他著、昭和45年4月10日、高分子刊行会(株)発行”のP.155〜161記載にあるようなポリビニルアルコールに対して可塑効果のあるものであり、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ブタンジオール、ブタントリオール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、エタノールアセトアミド、尿素及びその誘導体(例えば特願平9−348817号公報に記載のもの)、ソルビトール等の単糖類等を挙げることができ、耐折り割れ性を良化できる。中でも、尿素がインク吸収性を低下させずに、耐折り割れ性を良化できるため特に好ましい。水溶性可塑剤以外に、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、脂肪酸エステル類等の疎水性可塑剤を乳化分散等の方法で微粒子化しインク受容層に添加した場合、耐折り割れ性を良化できるが、乾燥塗膜の透明性が損なわれ印字濃度が低下するため好ましくない。
【0021】
水溶性可塑剤の添加量は特に制限ないが、インク吸収性の観点からポリビニルアルコールに対して5〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
【0022】
本発明のインク受容層には、気相法シリカ、ポリビニルアルコール及び水溶性可塑剤以外に、気相法シリカの分散安定性を高め光沢性、インク吸収性を向上させるための分散安定剤、インクジェットインクの耐水性、耐光性、高湿にじみ性を向上させるためのカチオン性ポリマー、印字の際の親水性バインダーの膨潤によるインク受容層の空隙阻害を防止するための硬膜剤等が主に使用される。
【0023】
本発明における分散安定剤としては、従来から知られている無機及び有機分散安定剤が使用できる。有機分散安定剤では、各種アニオン、ノニオン、カチオン性分散安定剤が使用できるが、好ましくはカチオン性分散安定剤、更に好ましくはポリジアリルアミン誘導体が使用できる。ポリジアリルアミンの誘導体の具体的な例としては、特開昭60−83882号公報記載のSO2基を繰り返し単位に含むもの、特開平1−9776号公報に記載されているアクリルアミドとの共重合体等が挙げられる。本発明に用いられるポリジアリルアミン誘導体のカチオン性ポリマーの分子量は、気相法シリカの分散安定化の観点から10万以下が好ましく、2,000〜5万程度がより好ましい。
【0024】
本発明に用いられる分散安定剤の使用量は気相法シリカ100部に対して1〜10部、好ましくは2〜7部である。気相法シリカに対して分散安定剤の添加量が上記範囲より多すぎる場合はインク受容層のインク吸収性が低下し、少なすぎると塗液中での気相法シリカの分散安定性が低下し、結果としてインク受容層の乾燥後の光沢が低下する。
【0025】
気相法シリカを含有するインク受容層塗布液の製造過程における上記分散安定剤の添加方法は、該分散安定剤の存在下で気相法シリカの分散を行ってもよいし、また気相法シリカの分散後に添加しても良い。但し、ポリビニルアルコール等の親水性バインダーの添加前に気相法シリカの分散液中に添加することが重要であり、また、後述する他のカチオン性ポリマーの添加前に添加することが重要である。これによって、気相法シリカの分散安定性が向上する。尚、前述したとおり気相法シリカの分散には、高圧ホモジナイザー、ボールミル等の一般に知られている分散機を用いることができる。
【0026】
本発明においてインク受容層に使用するカチオン性ポリマーとしては、例えばジシアンジアミド誘導体、ポリアルキレンポリアミン誘導体、ポリアミン誘導体、ポリアリルアミン誘導体、ポリエチレンイミン誘導体等を少なくとも1種以上含有させることができる。具体的には、特開昭60−49990号、同昭60−83882号、同昭61−61887号、同平10−86508号、同平10−217601号公報記載のカチオン性ポリマーが挙げられる。このカチオン性ポリマーの分子量は特に制限はないが、気相法シリカの分散性を悪化させないように10万以下であることが好ましい。
【0027】
本発明に用いられるカチオン性ポリマーの使用量は気相法シリカ100部に対して0.5〜30部、好ましくは1〜15部である。気相法シリカに対してカチオン性ポリマーの添加量が上記範囲より多すぎる場合はインク受容層のインク吸収性が低下し、少なすぎると記録シートの耐水性や高湿にじみ性が低下する。
【0028】
本発明において用いられる硬膜剤としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、三塩化チタン、四塩化チタン、ほう酸及びほう酸塩の如き無機硬膜剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができるが、特にほう酸及びほう酸塩が好ましい。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成する水溶性ポリマー100gに対して0.01〜10gが好ましく、より好ましくは0.1〜5gである。
【0029】
本発明において、インク受容層には、界面活性剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はアニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系のいずれのタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のものでもよい。1種もしくは2種以上界面活性剤をインク受理層塗液中に添加するが、2種以上の界面活性剤を組み合わせて使用する場合は、アニオン系のものとカチオン系のものとを組み合わせて用いることは好ましくない。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成するバインダー100gに対して0.001〜5gが好ましく、より好ましくは0.01〜3gである。
【0030】
本発明において、インク受容層には、更に着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤、シランまたはチタンカップリング剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0031】
本発明において、支持体上に1層のインク受容層を設けた構成であるが、さらにインク吸収層、インク定着層、中間層、保護層等を設けてもよい。
【0032】
本発明において、インク受容層の塗布方法は特に限定されず、公知の塗布方法を用いることができるが、塗布前に予めコロナ放電処理を行うことで支持体とインク受容層の界面接着強度が向上し表面亀裂欠陥が良化するため好ましい。塗布方法としては、例えば、スライドリップ方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ケッドバーコーティング方式等がある。
【0033】
本発明に用いられる支持体としては、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートのようなポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド等の樹脂フィルム、また、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂で紙を被覆(ラミネート)した支持体、更にガラス板等が挙げられる。
【0034】
これらの支持体は、透明であっても不透明であってもよい。本発明に用いられる耐水性支持体の厚みは、約50〜200μm程度のものが好ましい。
【0035】
本発明においては、光沢性が更に高くなるためポリエチレンテレフタレートやポリオレフィン樹脂被覆紙が特に好ましい。以下、ポリオレフィン樹脂被覆紙について詳細に説明する。
【0036】
ポリオレフィン樹脂被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0037】
さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布されていてもよい。
【0038】
また、原紙の厚みに関しては特に制限はないが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ましく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0039】
樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0040】
また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0041】
本発明において好ましく用いられる支持体である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押出コーティング法により製造され、その両面が樹脂により被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク受容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いられる。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。また、樹脂被覆層の厚みとしては特に制限はないが、一般に5〜50μmの厚味に表面または表裏両面にコーティングされる。
【0042】
本発明における支持体には帯電防止性、搬送性、カール防止性などのために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有せしめることができる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【0044】
実施例1
支持体として、LBKP(50部)とLBSP(50部)のパルプ配合からなる120g/m2の基紙の表面に低密度ポリエチレン(70部)と高密度ポリエチレン(20部)と酸化チタン(10部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布し、裏面に高密度ポリエチレン(50部)と低密度ポリエチレン(50部)からなる樹脂組成物を25g/m2塗布してなる樹脂被覆紙を用意した。
【0045】
上記支持体に下記組成のインク受容層を気相法シリカ塗布量15g/m2となるように塗布乾燥して記録シート1を作製した。尚、部とは固形分重量部を意味する。
【0046】
<記録シート1>
気相法シリカ 100部
(商品名:QS−30、トクヤマ(株)製、BET法による比表面積300m2/g)
分散安定剤 3部
(商品名:シャロールDC902P、第一工業製薬(株)製)
カチオン性ポリマー 4部
(商品名:ジェットフィックス30、里田化工(株)製)
ほう酸 6部
ポリビニルアルコール 23部
(商品名:PVA235、(株)クラレ製、ケン化度88%、平均重合度3500)
尿素(水溶性可塑剤) 1.4部
両性界面活性剤 0.3部
(商品名:SWAM AM−2150、日本サーファクタント製)
【0047】
<記録シート2>
前記記録シート1の水溶性可塑剤をグリセリンに変更した以外同様にして作製した。
【0048】
<記録シート3>
前記記録シート2の気相法シリカ塗布量を9g/m2となるように塗布乾燥した以外同様にして作製した。
【0049】
<記録シート4>
前記記録シート1の水溶性可塑剤をソルビトールに変更した以外同様にして作製した。
【0050】
<記録シート5>
前記記録シート1の水溶性可塑剤をポリエチレングリコール(平均重合度400)に変更した以外同様にして作製した。
【0051】
<記録シート6>
前記記録シート1の気相法シリカに対するポリビニルアルコール添加量を12部に変更した以外同様にして作製した。
【0052】
<記録シート7>
前記記録シート1の気相法シリカに対するポリビニルアルコール添加量を28部に変更した以外同様にして作製した。
【0053】
<記録シート8>
前記記録シート1の気相法シリカをQS−20((株)トクヤマ製、BET法による比表面積200m2/g)に変更した以外同様にして作製した。
【0054】
<記録シート9>
前記記録シート1の気相法シリカをアエロジル130(日本アエロジル(株)製、平均一次粒径16nm、BET法による比表面積130m2/g)に変更した以外同様にして作製した。
【0055】
<記録シート10>
前記記録シート1のポリビニルアルコールをアルカリ処理ゼラチンに変更した以外同様にして作製した。
【0056】
<記録シート11>
前記記録シート1の気相法シリカに対するポリビニルアルコール添加量を8部に変更した以外同様にして作製した。
【0057】
<記録シート12>
前記記録シート1の気相法シリカに対するポリビニルアルコール添加量を32部に変更した以外同様にして作製した。
【0058】
<記録シート13>
前記記録シート1の水溶性可塑剤である尿素を添加しなかった以外同様にして作製した。
【0059】
<記録シート14>
前記記録シート1の水溶性可塑剤である尿素の代わりに、高圧ホモジナイザーで分散した下記組成の疎水性可塑剤分散液を、疎水性可塑剤が尿素と同添加量となるようにインク受容層塗液に添加した以外同様にして作製した。
【0060】
ジイソデシルフタレート(疎水性可塑剤) 100部
酢酸エチル 200部
スルフォコハク酸−2−エチルヘキシルエステル塩 0.5部
【0061】
<記録シート15>
前記記録シート1の気相法シリカを湿式法シリカであるファインシールK41((株)トクヤマ製、BET法による比表面積330m2/g)に代える以外同様にして作製した。
【0062】
上記記載の15種のインク受容層を塗布したインクジェット記録シートは40゜Cで5日間加温処理を行った後、下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0063】
<印字濃度>
エプソン社のインクジェットプリンタであるPM−750Cで黒ベタ印字を行い、マクベス濃度計で反射濃度を測定した。
【0064】
<光沢性>
未印字のインクジェット記録シート表面の光沢を目視で判定。尚、シート表面に細かい亀裂が入った場合においても光沢は低下する。
○:光沢が非常に高く良好。
△:やや光沢が劣る。
×:光沢が低く、見劣りがする。
【0065】
<インク吸収性>
エプソン社のインクジェットプリンタであるPM−750Cで青ベタ印字を行い、印字部のムラを以下の基準で目視評価した。尚、インク吸収性が低いと印字部のムラが発生する。
◎:全くムラが認められない。
○:部分的にややムラが認められる。
△:○に比べムラの出方がやや強い。
×:著しくムラが認められる。
【0066】
<耐折り割れ性>
未印字のインクジェット記録シートを2cm×8cmの大きさに裁断し、印字面を上にして長辺方向に折り曲げていったときに、表面が割れた時点の曲率半径を測定した。尚、曲率半径が小さいほど耐折り割れ性は良好である。また、印字面が元々割れているかもしくはマット調のために割れた時点を特定できないものについては評価不能とした。
【0067】
【表1】
Figure 0003807875
【0068】
表1の結果から明らかなように、記録シート1〜8は、インク受容層がBET法による比表面積が200m2/g以上の気相法シリカ、該気相法シリカに対して10〜30重量%のポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコールの水溶性可塑剤を含有していたため、印字濃度、光沢性、及びインク吸収性が高く、耐折り割れ性の良好なインクジェット記録用シートが得られた。特に気相法シリカの塗布量が10g/m2以上で高いインク吸収性及び高い印字濃度を示す。一方、記録シート9は、インク受容層がBET法による比表面積が200m2/g未満の気相法シリカを含有したため印字濃度、光沢性及びインク吸収性が著しく低下した。記録シート10は、バインダーとしてポリビニルアルコールではなくゼラチンを使用したため、また、記録シート11は、気相法シリカに対するポリビニルアルコールの含有量が10重量%未満であったため、塗層強度が低下し表面亀裂が発生して結果的に光沢性が著しく低下した。記録シート12は、気相法シリカに対するポリビニルアルコールの含有量が30重量%を越えていたため、インク吸収性が著しく低下した。記録シート13は、インク受容層に水溶性可塑剤を含有しなかったため、耐折り割れ性が著しく低下した。記録シート14は、インク受容層に疎水性可塑剤の分散液を含有したため、塗層の透明性が低下し印字濃度が著しく低下した。記録シート15は、インク受容層に湿式シリカを含有したため、マット化して光沢性が著しく低下した。

Claims (1)

  1. 耐水性支持体上の少なくとも一方にインク受容層を有するインクジェット記録用シートにおいて、該インク受容層が、BET法による比表面積が200m2/g以上の気相法シリカを12〜30g/m2含有し、且つ該気相法シリカに対して10〜30重量%のポリビニルアルコール、及びポリビニルアルコールの水溶性可塑剤としてグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ブタンジオール、ブタントリオール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、エタノールアセトアミド、尿素及びその誘導体及び単糖類の群の中から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とするインクジェット記録用シート。
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