JP2002303340A - 双方向回転クラッチ及びその応用装置 - Google Patents

双方向回転クラッチ及びその応用装置

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JP2002303340A
JP2002303340A JP2001108878A JP2001108878A JP2002303340A JP 2002303340 A JP2002303340 A JP 2002303340A JP 2001108878 A JP2001108878 A JP 2001108878A JP 2001108878 A JP2001108878 A JP 2001108878A JP 2002303340 A JP2002303340 A JP 2002303340A
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rotation
driven member
drive shaft
rotation driven
mounting bracket
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JP2001108878A
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Koichi Watanabe
功一 渡辺
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KYB Corp
Original Assignee
Kayaba Industry Co Ltd
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  • Arrangement Of Transmissions (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)
  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動スライドドアの開閉装置に使用され、構
造が簡単でコストを低減し得、エネルギ効率を向上させ
得る双方向回転クラッチを提供する。 【解決手段】 駆動軸25を支承する取付ブラケット2
1と、取付ブラケット21及び駆動軸25に支承され内
周部に傾斜面32a,33aを有する回転従動部材31
と、駆動軸25に取着されたねじ体26と、回転従動部
材31の内周部に挿入され取付ブラケット21にトルク
リミッタ40を介して配設されるとともにねじ体26に
螺合する雌ねじ部を有し圧接部36a,36bを形成し
た作動体36とからなり、駆動軸25の正転、逆転方向
の回転駆動によりねじ体26を介して作動体36を移動
させその圧接部36a,36bを回転従動部材31の内
周部に圧接して双方向の回転伝動を可能に構成すると共
に、モータの停止時には、回転従動部材31側の正転逆
転方向の回転運動を許容する様構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータに結合され
た駆動軸とこの駆動軸からの正転方向と逆転方向の回転
力を従動部側に伝達し、モータが停止し駆動側の回転が
ないときに従動側が正転方向又は逆転方向に回転した場
合には、この回転運動が駆動側のモータ等の負荷に影響
されることなく従動側において自由回転できるようにし
た双方向回転クラッチとその応用装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、モータに結合された駆動軸と回転
力を受ける回転従動部材との間には、両者の必要な時の
駆動伝達と非伝達とを制御するクラッチ手段が設けられ
ているのが一般的である。例えば、自動車用の電動スラ
イドドアの開閉装置において使用されている伝動クラッ
チは、モータの回転を減速機により減速し、この動力を
電磁クラッチを介して巻取りドラムに伝達している。そ
して、巻取りドラムの正回転時にスライドドアを開作動
し、逆回転時に閉作動している。
【0003】また、走行車両体等における走行駆動輪を
モータによる回転従動部材とする場合にも、モータとの
間にクラッチ手段が設けられ、この電磁クラッチ等を制
御してモータによる走行駆動と走行駆動輪の自由走行と
を許容するようにされているのが一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の何れの構成にお
いても、電磁クラッチ等を必要とするので、コストが掛
かるという問題点がある。また、自動車用のスライドド
アにおいて、従動側のスライドドアを手動で開閉する場
合には、電磁クラッチを解放しなければならないという
問題点がある。
【0005】さらに、電動スライドドアの自動開閉作動
中、または、走行車両体等の走行駆動中には、常に電磁
クラッチを通電していなければならないので、エネルギ
の消費量が大きく、エネルギ効率が悪いという問題があ
る。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、その目的は、自動車用の電動スライドドアの開閉
装置に使用された場合や、走行車両体等の走行駆動用伝
動装置等に使用された場合に好適であって、電気的制御
の付随する電磁クラッチを必要とせず、構造が簡単でコ
ストを低減することができ、しかも、エネルギ効率を向
上させ得る双方向回転クラッチ及びその応用装置を提供
するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明が採った手段は、実施例で使用する符号を付し
て説明すると、請求項1の発明は、モータ12に連結さ
れる駆動軸25を回転自在に支承する取付ブラケット2
1と、この取付ブラケット21及び前記駆動軸25に回
転可能に支承され内周部の両側に傾斜面32a,33a
を有する回転従動部材31と、前記駆動軸25に取着さ
れたねじ体26と、この回転従動部材31の内周部に挿
入され前記取付ブラケット21にトルクリミッタ40を
介して配設されるとともに前記ねじ体26に螺合する雌
ねじ部を有し両端部に傾斜面からなる圧接部36a,3
6bを形成した作動体36とからなり、上記駆動軸25
の正転方向と逆転方向の回転駆動により前記ねじ体26
を介して前記作動体36を移動させその圧接部36a,
36bを前記回転従動部材31の内周部に圧接して双方
向の回転伝動を可能に構成すると共に、モータの停止時
には、回転従動部材31側の正転逆転方向の回転運動を
許容する様構成したところに特徴を有する。
【0008】請求項2の発明は、モータ12に連結され
る駆動軸25を回転自在に支承する取付ブラケット21
と、この取付ブラケット21及び前記駆動軸25に回転
可能に支承される回転従動部材31と、前記駆動軸25
に取着されたねじ体26と、この回転従動部材31の内
周に挿入され前記取付ブラケット21にトルクリミッタ
64を介して配設されるとともに前記ねじ体26に螺合
する雌ねじ部を有する作動体61と、この回転従動部材
31の内周部31aに取着された第1の摩擦板51及び
前記作動体61の外周に取着され第1摩擦板51に対向
して配置された第2の摩擦板62とから構成され前記作
動体61の変位により第1の摩擦板51と第2の摩擦板
62とを相互に圧接する動力伝達部63とからなり、上
記駆動軸25の正転方向と逆転方向の回転駆動により前
記ねじ体26を介して前記作動体61を移動させ動力伝
達部63の第1の摩擦板51及び第2の摩擦板62を相
互に圧接して双方向の回転伝動を可能に構成すると共
に、モータの停止時には、回転従動部材31側の正転逆
転方向の回転運動を許容する様構成したところに特徴を
有する。
【0009】請求項3の発明は、取付ブラケット21に
回転自在に支承された駆動軸25が、回転軸線上に配置
される共に、上記取付ブラケット21が回転従動部材3
1外周のカバー部材21’を構成したところに特徴を有
する。
【0010】請求項4の発明は、回転従動部材31の外
径を、部分的に大径としたところに特徴を有する。
【0011】請求項5の発明は、自動車の側面に設けた
スライドドア2と、電動モータ12により正転逆転駆動
される巻取ドラム体31と、このドラム体31とスライ
ドドア2とに夫々端部が結着されたベルト又はワイヤー
等の索引手段6a、6bとからなり、電動モータ12の
正逆転制御による上記索引手段の巻取り巻戻しによりス
ライドドアを開閉動作可能にした電動スライドドアにお
いて、請求項1〜請求項2に記載の双方向回転クラッチ
20,50における回転従動部材31を上記巻取ドラム
体とすると共に、上記索引手段6a,6bの各々の一端
を回転従動部材31に結着し、スライドドア側からの開
閉操作による回転従動部材31の正逆双方向への回転力
が上記回転クラッチの駆動軸25に伝達されることな
く、スライドドアを手動にて自由に開閉操作可能に構成
したところに特徴を有する。
【0012】請求項6の発明は、回転従動部材31が自
動車用スライドドアの巻取ドラム体であるところに特徴
を有する。
【0013】請求項7の発明は、車両の走行駆動輪を電
動モータ12にて正逆転駆動するようにした電動走行車
両体において、請求項1〜請求項2に記載の双方向回転
クラッチ20,50における回転従動部材31を上記走
行駆動輪とすると共に、電動モータ12の停止時には、
回転従動部材31の正逆双方向への回転力が上記回転ク
ラッチの駆動軸25に伝達されることなしに上記走行駆
動輪が自由走行可能に構成したところに特徴を有する。
【0014】請求項8の発明は、回転従動部材31が、
電動走行車両体の走行駆動輪であるところに特徴を有す
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の請求項1,5,6
に係る第1の実施例の双方向回転クラッチ20につき図
1〜図2を参照して説明する。取付ブラケット21は、
一方の支持板21aに固定軸22が取着されている。こ
の固定軸22には大径部22a及び小径部22bが形成
されており、小径部22bの先端は他方の支持板21b
に端板23を介して固定されている。この端板23の外
周部にはボールベアリング24が取着されている。
【0016】駆動軸25は中空軸部25aが固定軸22
の小径部22bに挿入され、端面部がボールベアリング
24に端板23を介し圧入されて取付ブラケット21に
対して回転可能に支持されている。中空軸部25aの外
周部には外周部に雄ねじを形成したねじ体26が固定さ
れている。尚、この駆動軸25は図示はしないが歯車伝
動或いはベルトを介してモータから動力が伝達される。
【0017】回転従動部材31は、相互にねじ結合され
た第1のドラム32及び第2のドラム33から構成され
ており、内周部の両側に傾斜面32a及び傾斜面33a
が形成されている。この回転従動部材31は、固定軸2
2に取着されたボールベアリング34及び駆動軸25に
取着されたボールベアリング35に嵌合されており、こ
れにより取付ブラケット21及び駆動軸25に対して回
転可能に支承されている。
【0018】作動体36は、円筒状をなしており、回転
従動部材31の内周部に挿入されている。この作動体3
6の外周両端部には、テーパー状の圧接部36a及び3
6bが形成されている。この圧接部36a及び36b
は、それぞれ回転従動部材31の傾斜面32a及び傾斜
面33aに対応した傾斜面に形成されている。
【0019】また、一方の内周部には雌ねじが形成され
ていて、ねじ体26に螺合しており、他方の内周部はト
ルクリミッタ40を介して固定軸22の大径部22aに
挿入されている。
【0020】そして、初期の状態においては、圧接部3
6aと傾斜面32aとの間及び圧接部36bと傾斜面3
3aとの間には隙間αが形成されている。
【0021】トルクリミッタ40は、作動体36の内周
の複数箇所に形成された長溝41と、固定軸22の大径
部22aの穴42内に挿入されたばね43及びボール4
4とから構成されている。このトルクリミッタ40は、
長溝41に沿って作動体36の軸方向の移動を可能にし
ている。また、作動体36に作用する回転トルクが所定
値以下の場合は作動体36は固定軸22と一体になって
非回転状態にある。また、トルクが所定値を超えた場合
はボール44が長溝41を乗り越えて作動体36はトル
クリミッタ40の回りを回転する。
【0022】尚、回転従動部材31と固定軸22及び駆
動軸25との間及び駆動軸25と端板23との間にはシ
ール部材45が介装されている。
【0023】つぎに回転クラッチ20の作用について説
明する。初期の状態においては、作動体36の圧接部3
6a,36bと両回転従動部材31との間に隙間αが存
在しているので、駆動軸25が回転してもトルクリミッ
タ40の作用により作動体36は非回転状態にある。一
方、作動体36は駆動軸25に取着されたねじ体26に
螺合しているので、駆動軸25の回転例えば右回転によ
り作動体36は長溝41に沿って図1に示す右方向に移
動して、圧接部36bが傾斜面33aに圧接されると、
駆動軸25は作動体36を介して回転従動部材31と一
体化される。そして、作動体36はトルクリミッタ40
の回りを回転して、駆動軸25の動力を回転従動部材3
1に伝達する。
【0024】回転クラッチ20を停止させる場合は、図
示はしないが、周知の制御手段により一時モータを逆回
転させる。これにより、作動体36は左方向に移動して
圧接部36bと傾斜面33aとの間に所定の隙間αが形
成される。そこで、モータを停止する。
【0025】駆動軸25が左回転する場合は、作動体3
6は長溝41に沿って図1に示す左方向に移動して、圧
接部36aが傾斜面32aに圧接され、駆動軸25は作
動体36を介して回転従動部材31と一体化される。そ
して、作動体36はトルクリミッタ40の回りを回転し
て、駆動軸25の動力を回転従動部材31に伝達する。
【0026】回転クラッチ20を停止させる場合は、上
述と同様に、一時モータを逆回転させ、圧接部36aと
傾斜面32aとの間に所定の隙間αが形成して、モータ
を停止する。
【0027】この第1の実施例の双方向回転クラッチ2
0によれば、伝達を停止するときにモータを一時逆転し
て回転従動部材31と作動体36との間に隙間を形成す
るので、回転従動部材31からの回転を確実に遮断する
ことができ、回転従動部材31の空転及び駆動軸25か
らの右回転又は左回転の動力伝達を確実に伝達できると
いう効果を奏するものである。
【0028】つぎに、双方向回転クラッチ20を自動車
用スライドドアの開閉装置に利用した請求項5に係る実
施例について説明する。先ず図5において、車両の側面
には、スライドドア2が取着されている。車体3には、
レール4が取付けられており、これの両端部にリターン
プーリ5が取着されている。これらリターンプーリ5間
にレール4に沿って、開ドア用と閉ドア用のベルト又は
ワイヤ等の牽引手段(本実施例の場合はワイヤ6a,6
bの事例を示す)が配設されている。スライドドア2の
連結具7には牽引手段としてのワイヤ6a,6bの一端
が連結され、スライドドア2はレール4用のガイドロー
ラー付き連結具7及び前方のレール4b用のガイドロー
ラー付き連結具7b等により支持され、レール4,4b
に沿って開閉される。
【0029】巻取ドラム体として使用する本発明に係る
双方向回転クラッチ20の回転従動部材31には、上記
ワイヤ6a,6bの他端が固着されており、モータ12
により双方向回転クラッチ20の駆動軸25を介して正
逆回転される。この従動部材31は、例えばモータ12
が一方向の正転回転(右回転)したときに開ドア用ワイ
ヤ6aを巻き取ってスライドドア2を開動作し、モータ
12が他方向の逆転回転(左回転)したときに閉ドア用
ワイヤ6bを巻き取ってスライドドア2を閉動作する。
【0030】つぎに、双方向回転クラッチ20の作用に
ついて詳細に説明する。 1)スライドドア2の自動開作動時 スライドドア2を自動開作動するときはモータ12を右
回転させる。モータ12及び駆動軸25を右回転させる
と、初期の状態においては作動体36は回転せず、ねじ
体26の作用により長溝41に沿って図1に示す右方向
に移動する。そして、圧接部36bが傾斜面33aに圧
接されと、駆動軸25は作動体36を介して回転従動部
材31と一体化される。そして、作動体36はトルクリ
ミッタ40の回りを回転して、駆動軸25の動力を回転
従動部材31に伝達する。
【0031】従って、駆動軸25を回転し続けること
で、この従動部材31(ドラム)に結着した索引手段
(ベルト又はワイヤー)を介してドアを自動開作動させ
ることができる。
【0032】回転クラッチ20を停止させる場合は、周
知の制御手段により一時モータを逆回転させると、作動
体36は左方向に移動して圧接部36bと傾斜面33a
との間に所定の隙間αが形成され、従動部材31(ドラ
ム)は駆動軸25から分離するので、動力伝達は停止す
る。そこで、モータを停止する。
【0033】2)スライドドア2の自動閉作動時 スライドドア2を自動閉作動するときはモータ12を左
回転させる。モータ12及び駆動軸25を左回転させる
と、作動体36は長溝41に沿って図1に示す左方向に
移動して、圧接部36aが傾斜面32aに圧接され、駆
動軸25は作動体36を介して回転従動部材31と一体
化される。そして、作動体36はトルクリミッタ40の
回りを回転して、駆動軸25の動力を回転従動部材31
に伝達する。そして、駆動軸25を回転し続けること
で、この従動部材31(ドラム)に結着した索引手段
(ベルト又はワイヤー)を介してドアを自動閉作動させ
ることができる。
【0034】回転クラッチ20を停止させる場合は、上
述と同様に、一時モータを逆回転させ、圧接部36bと
傾斜面33aとの間に所定の隙間αが形成して、モータ
を停止する。
【0035】3)スライドドア2を手動で開作動すると
き スライドドア2を手動で開作動するときは、モータ12
及び駆動軸25は停止している。スライドドア2を手動
で開作動すると、ワイヤ6a,6bを介して回転従動部
材31(ドラム)がドアの開動作につれて右回転駆動さ
れる。回転従動部材31は作動体36との間に隙間が形
成されているので、従動部材31(ドラム)だけが自由
に右回転することができ、手動開ドア操作を支障なく行
うことができる。換言すれば、モータ負荷やクラッチ負
荷などに関係なく手動にて開ドアできる。
【0036】4)スライドドア2を手動で閉作動すると
き スライドドア2を手動で閉作動するときは、モータ12
及び駆動軸25は停止している。スライドドア2を手動
で閉作動すると、ワイヤ6a,6bを介して回転従動部
材31(ドラム)がドアの閉動作につれて左回転駆動さ
れる。すると、開放のときと同様の作用により、駆動軸
25は従動部材31(ドラム)から切り離されて接触し
ていないので、手動による閉作動が容易に実施できる。
【0037】上述のように、本発明の双方向回転クラッ
チ20を自動車用のスライドドアの開閉装置に利用した
場合は、電磁クラッチを必要としないので、構造を著し
く簡単にすることができる。また、双方向回転クラッチ
20自体の構造も簡単であり、部品点数も少なく、コス
トダウンを達成することができると共に、エネルギ効率
を向上させ得るという効果を奏するものである。
【0038】つぎに、本発明の請求項2,5,6に係る
第2の実施例の摩擦板形回転クラッチ50について、回
転クラッチ20との相違点についてのみ説明する。図3
において、回転従動部材31は、内周部31aは円筒状
に形成され、複数枚の第1の摩擦板51が所定の間隔で
取着されている。
【0039】作動体61は、内周部に形成された雌ねじ
部がねじ体26に螺合され、外周部に複数個の第2の摩
擦板62が取着されている。この第2の摩擦板62は、
所定の間隔βを存して第1の摩擦板51に対向してい
る。
【0040】そして、第1の摩擦板51と第2の摩擦板
62により動力伝達部63が構成されている。
【0041】トルクリミッタ64は、固定軸22と作動
体61との間に設けられ、ばね65とスラストワシヤ6
6とから構成されている。このトルクリミッタ64は、
作動体61に作用する回転トルクが所定値以下の場合は
作動体61は固定軸22と一体になって静止状態にあ
る。また、所定値を超えた場合は、作動体61とスラス
トワシヤ66との間に滑りが発生して、作動体61は回
転する。
【0042】この回転クラッチ50においても、駆動軸
25が右回転或いは左回転すると、ねじ体26に螺合す
る作動体61が図3に示す左方向或いは右方向に移動し
て、動力伝達部63により第1の摩擦板51及び第2の
摩擦板62が相互に圧接される。そして、駆動軸25は
作動体61を介して回転従動部材31と一体化され、駆
動軸25の動力を回転従動部材31に伝達する。
【0043】そして、回転クラッチ50を停止する場合
はモータを一時逆転して、第1の摩擦板51と第2の摩
擦板62との間に所定の間隔βを設けてモータを停止す
る。
【0044】この回転クラッチ50においても、自動車
用スライドドアの開閉装置に利用でき、回転クラッチ2
0と同様の効果を奏するものである。また、本発明の請
求項3、4に係る第3の実施例の双方向回転クラッチ6
0について、先の第1、第2実施例との相違点のみ図4
に基づき説明する。即ち、第1、第2実施例(図1、図
3参照)の場合は、その駆動軸25が中空体にされ、内
部に固定軸22の延長部が貫通したものであるが、第3
の実施例の場合は、駆動軸25’を中実体として、双方
向回転クラッチ60の回転中心軸線上に配置するよう変
更すると共に、第1、第2実施例における取付ブラケッ
ト21のフランジ部21a、21bを更に変形21
a’、21b’させて、回転従動部材31の外周を覆う
カバー部材21’としたことを特徴とするものである。
【0045】つまり、取付ブラケット体として駆動軸2
5’を支承するフランジ部21b’は、その一部を回転
従動部材31の外側に向けて延在させて、この延在部内
周にワイヤー(図示せず)等の案内溝60bを所定のピ
ッチで形成する一方、固定軸22を支持する取付ブラケ
ット体のフランジ部21a’は、回転従動部材31の回
転を許容する隙間を内周に保ったまま上記フランジ部2
1b’の端面に一体に結合組付可能に構成したものであ
る。そして、更に回転従動部材31には、その内部のク
ラッチ構造を変更することなく、ワイヤーの巻取ドラム
としての外径寸法を大径とすべく、外周に上記フランジ
部21b’の内周の案内溝60bと協働してワイヤーを
ガイドする案内溝60aを形成した大径ドラム部31’
を一体に取付けてなり、これにより、回転従動部材31
の双方向回転運動につれて、大径ドラム部31’に巻付
けられたワイヤーを一方端部側からは巻き戻し、他方の
端部側では巻取り案内可能に構成したものである。な
お、この実施例における回転従動部材31内部のクラッ
チ機構については、第1、第2実施例におけるネジ体2
6と作動体36及び61等の構成と同一で済み、作動も
変わりない。
【0046】
【発明の効果】本発明の双方向回転クラッチは、モータ
に連結される駆動軸を回転自在に支承する取付ブラケッ
トと、この取付ブラケット及び前記駆動軸に回転可能に
支承され内周部の両側に傾斜面を有する回転従動部材
と、前記駆動軸に取着されたねじ体と、この回転従動部
材の内周部に挿入され前記取付ブラケットにトルクリミ
ッタを介して配設されるとともに前記ねじ体に螺合する
雌ねじ部を有し両端部に傾斜面からなる圧接部を形成し
た作動体とからなり、上記駆動軸の正転方向と逆転方向
の回転駆動により前記ねじ体を介して前記作動体を移動
させその圧接部を前記回転従動部材の内周部に圧接して
双方向の回転伝動を可能に構成すると共に、モータの停
止時には、回転従動部材側の正転逆転方向の回転運動を
許容する様構成したので、双方向回転クラッチとして必
要な機能、即ち、正逆方向への駆動力の伝達と従動側の
正逆転方向への自由回転運動とを共に発揮することがで
き、殊に後者の駆動軸を停止状態に保持したまま従動側
の回転従動部材を正逆回転操作することができるので、
自動車用の電動スライドドアの開閉装置に利用した場合
或いは電動駆動車両体の走行駆動輪の駆動装置に利用し
た場合に、電磁クラッチを必要としないので、構造を著
しく簡単にすることができる。また、双方向回転伝動ク
ラッチ自体の構造も簡単であり、部品点数も少なく、コ
ストダウンを達成することができると共に、応用装置の
エネルギ効率を向上させ得るという効果を奏するもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の双方向回転クラッチに関する第1の
実施例の縦断正面図である。
【図2】 トルクリミッタの縦断正面図である。
【図3】 本発明の双方向回転クラッチに関する第2の
実施例の縦断正面図である。
【図4】 本発明の双方向回転クラッチに関する第3の
実施例の一部縦断正面図である。
【図5】 自動車用のスライドドアの開閉装置に利用し
た状態を示す図である。
【符号の説明】
2 スライドドア 12 モータ 20,50、60双方向回転クラッチ 21 取付ブラケット 22 固定軸 25 駆動軸 26 ねじ体 31 回転従動部材 31a 内周部 32a,33a 傾斜面 36,61 作動体 36a,36b 圧接部 40,64 トルクリミッタ 51 第1の摩擦板 62 第2の摩擦板 63 動力伝達部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16D 13/52 F16D 13/52 C Fターム(参考) 3D039 AA02 AA03 AB00 AC02 AC13 AC21 AD01 3J056 AA34 AA53 AA60 AA63 BA04 BA05 BE07 CC03 CD04 GA12 3J068 AA07 BA02 BA03 BB06 BB07 EE05 EE12 GA19

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータに連結される駆動軸を回転自在に
    支承する取付ブラケットと、この取付ブラケット及び前
    記駆動軸に回転可能に支承され内周部の両側に傾斜面を
    有する回転従動部材と、前記駆動軸に取着されたねじ体
    と、この回転従動部材の内周部に挿入され前記取付ブラ
    ケットにトルクリミッタを介して配設されるとともに前
    記ねじ体に螺合する雌ねじ部を有し両端部に傾斜面から
    なる圧接部を形成した作動体とからなり、 上記駆動軸の正転方向と逆転方向の回転駆動により前記
    ねじ体を介して前記作動体を移動させその圧接部を前記
    回転従動部材の内周部に圧接して双方向の回転伝動を可
    能に構成すると共に、モータの停止時には、回転従動部
    材側の正転逆転方向の回転運動を許容する様構成したこ
    とを特徴とする双方向回転クラッチ。
  2. 【請求項2】 モータに連結される駆動軸を回転自在に
    支承する取付ブラケットと、この取付ブラケット及び前
    記駆動軸に回転可能に支承される回転従動部材と、前記
    駆動軸に取着されたねじ体と、この回転従動部材の内周
    に挿入され前記取付ブラケットにトルクリミッタを介し
    て配設されるとともに前記ねじ体に螺合する雌ねじ部を
    有する作動体と、この回転従動部材の内周部に取着され
    た第1の摩擦板及び前記作動体の外周に取着され第1摩
    擦板に対向して配置された第2の摩擦板とから構成され
    前記作動体の変位により第1の摩擦板と第2の摩擦板と
    を相互に圧接する動力伝達部とからなり、 上記駆動軸の正転方向と逆転方向の回転駆動により前記
    ねじ体を介して前記作動体を移動させ動力伝達部の第1
    の摩擦板及び第2の摩擦板を相互に圧接して双方向の回
    転伝動を可能に構成すると共に、モータの停止時には、
    回転従動部材側の正転逆転方向の回転運動を許容する様
    構成したことを特徴とする双方向回転クラッチ。
  3. 【請求項3】取付ブラケットに回転自在に支承された駆
    動軸が、回転軸線上に配置される共に、上記取付ブラケ
    ットが回転従動部材外周のカバー部材を構成したことを
    特徴とする請求項1〜請求項2記載の双方向回転クラッ
    チ。
  4. 【請求項4】回転従動部材の外径を、部分的に大径とし
    たことを特徴とする請求項1〜請求項3記載の双方向回
    転クラッチ。
  5. 【請求項5】 自動車の側面に設けたスライドドアと、
    電動モータにより正転逆転駆動される巻取ドラム体と、
    このドラム体とスライドドアとに夫々端部が結着された
    ベルト又はワイヤー等の索引手段とからなり、電動モー
    タの正逆転制御による上記索引手段の巻取り巻戻しによ
    りスライドドアを開閉動作可能にした電動スライドドア
    において、請求項1〜請求項4に記載の双方向回転クラ
    ッチにおける回転従動部材を上記巻取ドラム体とすると
    共に、上記索引手段の各々の一端を回転従動部材に結着
    し、スライドドア側からの開閉操作による回転従動部材
    の正逆双方向への回転力が上記回転クラッチの駆動軸に
    伝達されることなく、スライドドアを手動にて自由に開
    閉操作可能に構成したことを特徴とする電動スライドド
    アの開閉装置。
  6. 【請求項6】 回転従動部材が自動車用スライドドアの
    巻取ドラム体であることを特徴とする請求項1〜請求項
    4に記載の回転クラッチ。
  7. 【請求項7】 車両の走行駆動輪を電動モータにて正逆
    転駆動するようにした電動走行車両体において、請求項
    1〜請求項2に記載の双方向回転クラッチにおける回転
    従動部材を上記走行駆動輪とすると共に、電動モータの
    停止時には、回転従動部材の正逆双方向への回転力が上
    記回転クラッチの駆動軸に伝達されることなしに上記走
    行駆動輪が自由走行可能に構成したことを特徴とする電
    動走行駆動装置。
  8. 【請求項8】回転従動部材が、電動走行車両体の走行駆
    動輪であることを特徴とする請求項1〜請求項2記載の
    回転クラッチ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011520072A (ja) * 2008-04-30 2011-07-14 デイコ プロダクツ,エルエルシー トルク感応性クラッチ作用を有する滑車
US8353498B2 (en) 2006-10-03 2013-01-15 Smc Kabushiki Kaisha Manual switching valve
CN104792590A (zh) * 2015-04-09 2015-07-22 常州大学 烟煤样品块简易制作设备

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