JP2002300097A - 基地局、移動局および移動通信システム - Google Patents

基地局、移動局および移動通信システム

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JP2002300097A
JP2002300097A JP2001101327A JP2001101327A JP2002300097A JP 2002300097 A JP2002300097 A JP 2002300097A JP 2001101327 A JP2001101327 A JP 2001101327A JP 2001101327 A JP2001101327 A JP 2001101327A JP 2002300097 A JP2002300097 A JP 2002300097A
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JP
Japan
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signal
base station
frequency
same
delay
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JP2001101327A
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English (en)
Inventor
Hirotsugu Kubo
博嗣 久保
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビート干渉によるレベル低下の時間率を低く
でき、かつ、復調特性の大幅な劣化を抑圧できる移動通
信システムを得ること。 【解決手段】 2つの基地局1,2は、それぞれ、ネッ
トワークから入力する送信情報11を同一周波数帯域内
において異なるタイミングで、かつ送信タイミングが異
なる信号間に周波数差を与えて2つの基地局用アンテナ
17,18および基地局用アンテナ27,28から送信
する。このとき、2つの基地局1,2は、それぞれ同一
の送信情報11を互いに異なる周波数差をもって送信す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、同一の信号を複
数のアンテナから異なるタイミングで送信する基地局、
1つのアンテナに異なるタイミングで受信される複数の
受信信号を受信処理する移動局および自動車電話・携帯
電話等、複局同時送信方式を採用する移動通信システム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、移動通信システムは、サービ
スエリアが複数の無線ゾーンで構成され、各無線ゾーン
に配置され通信ネットワークにつながる基地局と、サー
ビスエリア内を移動する移動局とで構成される。
【0003】ここで、移動通信システムの通信方式とし
て、複数の基地局から同一周波数で同一の信号を送信す
る複局同時送信方式がある。この通信方式は、少ない送
信電力で高い周波数利用率と高いスループットとを確保
しつつ、サービスエリア全域において可能な限り均質な
伝送品質を確保することができる。この場合、各基地局
は、ダイバーシチ効果等を期待して複数のアンテナを備
えている。
【0004】図10は、従来の移動通信システムにおけ
る複局同時送信方式の概要を説明するブロック図であ
る。なお、図10は、例えば、文献「適応等化器による
同一周波数複局同時送信時の特性改善効果」(久保他
著:電子情報通信学会無線通信システム研究会資料RC
S99−525〜530ページ)において記載されてい
る従来の移動通信システムの構成例を参照している。
【0005】図10では、同一の周波数帯域で同一の信
号を送信する2つの基地局100,200の送信系の構
成と、各基地局100,200とその送信信号を受信す
る移動局3との位置関係が示されている。
【0006】図10において、基地局100では、ネッ
トワークからの送信情報11が、ベースバンド変調器
(以下「BB変調器」という)12に入力され、ベース
バンド変調信号に変換される。このベースバンド変調信
号は、直接、高周波回路(以下「RF回路」という)1
4に供給されるとともに、遅延回路13で遅延されてR
F回路15に供給される。
【0007】RF回路14,15には、単一発振器19
から、同一周波数の信号が供給されている。RF回路1
4は、遅延無しのベースバンド変調信号を、単一発振器
19からの所定周波数の信号によって無線周波の信号に
変換し、基地局用アンテナ17から無線信号として送信
する。
【0008】また、RF回路15は、遅延有りのベース
バンド変調信号を、単一発振器19からの所定周波数の
信号によって無線周波の信号に変換し、基地局用アンテ
ナ18から無線信号として送信する。
【0009】基地局200においても、RF回路24,
25には、単一発振器29から同一周波数の信号が供給
され、同様の動作が行われる。すなわち、ネットワーク
からの送信情報11が、BB変調器22によってベース
バンド変調信号に変換される。この遅延無しのベースバ
ンド変調信号が、RF回路24によって、単一発振器2
9からの所定周波数の信号によって無線周波の信号に変
換され、基地局用アンテナ27から無線信号として送信
される。
【0010】同様にして、遅延回路23で遅延された遅
延有りのベースバンド変調信号が、RF回路25によっ
て、単一発振器29からの所定周波数の信号によって無
線周波の信号に変換され、基地局用アンテナ28から無
線信号として送信される。このようにして、2つの基地
局100,200は、それぞれ同一周波数による同一の
信号を異なるタイミングで送信する。
【0011】一方、移動局3は、図10では、基地局1
00,200のほぼ中間に位置し、移動局用アンテナ3
1に、基地局用アンテナ17,27の送信信号がほぼ同
一のタイミングおよび振幅で受信され、また基地局用ア
ンテナ18,28の送信信号がほぼ同一のタイミングお
よび振幅で受信される。
【0012】ところで、通常、電波環境は、移動局3と
基地局100,200との間の電波伝搬経路を含む位置
関係で決定される。したがって、移動局3が、上述した
条件下において、2つの基地局100,200からの送
信信号を受信する場合、図11〜図14に示すように、
各種の受信状況を呈することになる。なお、図11〜図
14は、従来の移動通信システムにおける受信動作を説
明するタイミングチャートである。
【0013】図11は、基地局100からの遅延無し受
信信号RAと基地局200からの遅延無し受信信号RB
とが逆相の関係で受信され、また、基地局100からの
遅延有り受信信号RCと基地局200からの遅延有り受
信信号RDとが逆相の関係で受信された場合を示してい
る。
【0014】この場合、2つの基地局からの遅延無し受
信信号RA,RBの合成信号は、ゼロとなり、遅延有り
受信信号RC,RDの合成信号もゼロとなるので、移動
局3では、受信信号が消失することになる。
【0015】また、図12は、基地局100からの遅延
無し受信信号RAと基地局200からの遅延無し受信信
号RBとが同相の関係で受信され、また、基地局100
からの遅延有り受信信号RCと基地局200からの遅延
有り受信信号RDとが同相の関係で受信された場合を示
している。
【0016】この場合、2つの基地局からの遅延無し受
信信号RA,RBの合成信号CAは最大となり、遅延有
り受信信号RC,RDの合成信号CCも最大となる。し
かし、この2つの合成信号CA,CCは、互いに逆相の
関係にあるので、移動局3では、受信信号が消失するこ
とになる。
【0017】一方、図13では、基地局100からの遅
延無し受信信号RAと基地局200からの遅延無し受信
信号RBとが同相の関係で受信され、また基地局100
からの遅延有り受信信号RCと基地局200からの遅延
有り受信信号RDとが逆相の関係で受信された場合を示
している。
【0018】この場合、遅延有り受信信号RC,RDの
合成信号はゼロとなるが、遅延無し受信信号RA,RB
の合成信号CAは最大となるので、移動局3では、所定
レベルの受信信号が得られることになる。
【0019】また、図14では、基地局100からの遅
延無し受信信号RAと基地局200からの遅延無し受信
信号RBとが逆相の関係で受信され、また基地局100
からの遅延有り受信信号RCと基地局200からの遅延
有り受信信号RDとが同相の関係で受信された場合を示
している。
【0020】この場合、遅延無し受信信号RA,RBの
合成信号はゼロとなるが、遅延有り受信信号RC,RD
の合成信号CCは最大となるので、移動局3では、所定
レベルの受信信号が得られることになる。
【0021】ここで、基地局100,200のRF回路
14,15、24,25には、それぞれ単一発振器1
9,29から同一周波数の信号が供給されているので、
それぞれの基地局100,200における遅延有りおよ
び遅延無しの2つの送信信号の相対位相差は同一である
が、両基地局が保有する単一発振器19,29間には周
波数差がある。
【0022】したがって、遅延無しおよび遅延有りの双
方の信号がそれぞれ減算合成受信される図11や図12
に示す状況下で移動局3が停止した場合、移動局3で
は、両基地局が保有する単一発振器19,29の周波数
差によって、両基地局から到来する信号の位相差が変動
し、受信電力が変動することになる。
【0023】すなわち、移動局3では、受信信号の変動
周波数が両基地局の単一発振器19,29間の周波数差
に一致する状況下で停止した場合、受信信号のレベル変
動(ビート干渉)が発生する。また、レベル変動の初期
位相差は、両基地局の各アンテナ間の位相差に起因す
る。
【0024】一方、遅延無しおよび遅延有りのいずれか
一方の信号が加算合成受信される図13や図14に示す
状況下で移動局3が停止した場合、移動局3では、受信
電力の変動は殆どない。
【0025】次に、図15および図16を用いて受信電
力の時間変動を説明する。図15,図16は、受信電力
の時間変動を説明するためのタイミングチャートであ
る。図15では、遅延無しおよび遅延有りの初期位相差
がない場合の両基地局から到来する信号の合成波電力の
時間変動を対数スケールで示している。この時間変動
は、図11および図12に示す状況下における受信状態
を示すものである。
【0026】図15では、遅延無しの合成信号も遅延有
りの合成信号も共に大きく変動し、それらの位相が一致
しているので、全体合成信号も大きく変動していること
が示されている。このように、遅延無しおよび遅延有り
の位相差がない場合は、遅延無しおよび遅延有りの信号
を復調部で合成すると、遅延無しおよび遅延有りと同様
のビート干渉による電力変動が生じるので、復調特性が
劣化することになる。
【0027】一方、図16では、遅延無しおよび遅延有
りの位相差が半周期である場合の両基地局から到来する
信号の合成波電力の時間変動を対数スケールにて記載し
てある。これは、図13と図14に示す状況下での受信
状態を示すものである。図16では、遅延無しの合成信
号も遅延有りの合成信号も共に大きく変動しているが、
それらの位相が一致していない(図示例では半周期異な
る)ので、全体合成信号には大幅な変動のないことが示
されている。このように、遅延無しおよび遅延有りの位
相が一致しない場合は、遅延無しおよび遅延有りの信号
を復調部で合成しても大幅な電力変動は生じないので、
復調特性の劣化は少ないことになる。
【0028】図15と図16の相違は、移動局の場所の
相違となり、特定の場所において図15のようなビート
干渉の発生を回避することは困難である。特に、図15
における大きなレベル低下の時間率は数%程度あるの
で、この位置に停止した場合には通信品質が大幅に低下
することになる。
【0029】加えて、1つの基地局(ここでは基地局1
00とする)のみの送信信号を移動局3が受信する状況
を考えると、基地局100から到来する受信信号が、図
11のように遅延の有無で位相が逆転している場合に
は、移動局3での復調特性が最も悪くなる。
【0030】すなわち、これまで説明してきたように、
基地局100において同一の周波数が単一発振器19か
らRF回路14と15に供給される場合には、移動局3
が特定の位置に停止した場合の位相関係が、例えば一旦
図11に示す関係となると、この図11に示す関係が維
持されるので、復調特性が大幅に劣化する。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の移動通信システムでは、特定の場所でビート干渉によ
る周期的なレベル変動が発生し、レベル低下の時間率が
高いという問題点があった。加えて、単一基地局から信
号を受信した場合でも、特定の位置で常時各遅延に相当
する受信信号の位相関係が固定となるため、大幅な復調
特性の劣化が生じるという問題点があった。
【0032】この発明は上記に鑑みてなされたもので、
ビート干渉によるレベル低下の時間率を低くでき、か
つ、復調特性の大幅な劣化を抑圧できる基地局、移動局
および移動通信システムを得ることを目的とするもので
ある。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にかかる基地局は、複数のアンテナと、同
一の周波数帯域内において同一の信号を前記複数のアン
テナのそれぞれに送信タイミングを違えて供給する遅延
手段と、前記送信タイミングが異なる信号間に周波数差
を与える周波数差付与手段とを備えることを特徴とす
る。
【0034】この発明によれば、遅延手段が、同一の周
波数帯域内において同一の信号を前記複数のアンテナの
それぞれに送信タイミングを違えて供給し、周波数差付
与手段が、前記送信タイミングが異なる信号間に周波数
差を与え、この周波数差が与えられた各信号を複数のア
ンテナから送信するようにしている。
【0035】つぎに発明にかかる基地局は、上記の発明
において、前記周波数差付与手段は、送信するベースバ
ンド信号を変調処理するベースバンド変調部において前
記周波数差を与えることを特徴とする。
【0036】この発明によれば、送信するベースバンド
信号を変調処理するベースバンド変調部において前記周
波数差を与えるようにしている。
【0037】つぎに発明にかかる基地局は、上記の発明
において、前記周波数差付与手段は、ベースバンド変調
信号を無線周波の送信信号に変換する高周波部において
前記周波数差を与えることを特徴とする。
【0038】この発明によれば、ベースバンド変調信号
を無線周波の送信信号に変換する高周波部において前記
周波数差を与えるようにしている。
【0039】つぎに発明にかかる移動局は、1つのアン
テナで受信される同一の信号からなる複数の受信信号で
あって受信タイミングが異なり、かつ周波数差を有する
複数の受信信号を受信処理する等化器を備えることを特
徴とする。
【0040】この発明によれば、等化器によって、1つ
のアンテナで受信される同一の信号からなる複数の受信
信号であって受信タイミングが異なり、かつ周波数差を
有する複数の受信信号を受信処理するようにしている。
【0041】つぎに発明にかかる移動通信システムは、
複数の基地局が同一の周波数帯域内において同一の信号
を送信する移動通信システムであって、前記複数の基地
局のそれぞれは、複数のアンテナから、同一の周波数帯
域内における同一の信号をそれぞれ異なる送信タイミン
グで、かつその送信タイミングが異なる信号間に周波数
差を与えて送信することを特徴とする。
【0042】この発明によれば、前記複数の基地局のそ
れぞれが、複数のアンテナから、同一の周波数帯域内に
おける同一の信号をそれぞれ異なる送信タイミングで、
かつその送信タイミングが異なる信号間に周波数差を与
えて送信するようにしている。
【0043】つぎに発明にかかる移動通信システムは、
上記の発明において、隣接する前記基地局のそれぞれ
は、同一の信号を互いに異なる周波数差をもって送信す
ることを特徴とする。
【0044】この発明によれば、隣接する前記基地局の
それぞれが、同一の信号を互いに異なる周波数差をもっ
て送信し、ビート干渉の抑圧効果を高めるようにしてい
る。
【0045】つぎに発明にかかる移動通信システムは、
上記の発明において、前記隣接する基地局の一方の基地
局は、送信タイミングの早い信号の周波数が、送信タイ
ミングの遅い信号の周波数に比して前記同一の周波数帯
域内において高めに設定し、前記隣接する基地局の他方
の基地局は、送信タイミングの早い信号の周波数が、送
信タイミングの遅い信号の周波数に比して前記同一の周
波数帯域内において低めに設定することを特徴とする。
【0046】この発明によれば、前記隣接する基地局の
一方の基地局が、送信タイミングの早い信号の周波数が
送信タイミングの遅い信号の周波数に比して前記同一の
周波数帯域内において高めに設定し、前記隣接する基地
局の他方の基地局が、送信タイミングの早い信号の周波
数が送信タイミングの遅い信号の周波数に比して前記同
一の周波数帯域内において低めに設定するようにし、特
定の位置の移動局において、隣接する基地局からの信号
が位相の回転を伴って受信されるが、そのときのビート
発生の周期が送信タイミングの進遅に応じて異なるよう
にしている。
【0047】つぎに発明にかかる移動通信システムは、
複数の基地局が同一の周波数帯域内において同一の信号
を送信する移動通信システムであって、前記複数の基地
局は、複数のアンテナから同一の周波数帯域内における
同一の信号をそれぞれ異なる送信タイミングで送信する
第1基地局と、複数のアンテナから同一の周波数帯域内
における同一の信号をそれぞれ異なる送信タイミング
で、かつその送信タイミングが異なる信号間に周波数差
を与えて送信する第2基地局とを備え、前記第1基地局
と前記第2基地局は、互いに隣接配置されることを特徴
とする。
【0048】この発明によれば、複数の基地局の第1基
地局と第2基地局とが隣接配置され、前記複数の基地局
の第1基地局が、複数のアンテナから同一の周波数帯域
内における同一の信号をそれぞれ異なる送信タイミング
で送信し、前記複数の基地局の第2基地局が、複数のア
ンテナから同一の周波数帯域内における同一の信号をそ
れぞれ異なる送信タイミングで、かつその送信タイミン
グが異なる信号間に周波数差を与えて送信するように
し、隣接する基地局間において1つおきの基地局毎に周
波数差を付与するようにしている。
【0049】つぎに発明にかかる移動通信システムは、
上記に発明において、前記第1基地局に隣接配置される
前記第2基地局は、同一の信号を互いに異なる周波数差
をもって送信することを特徴とする。
【0050】この発明によれば、前記第1基地局に隣接
配置される前記第2基地局が、同一の信号を互いに異な
る周波数差をもって送信し、1つおきの基地局毎に異な
った周波数誤差を付加して供給するようにしている。
【0051】つぎに発明にかかる移動通信システムは、
上記に発明において、前記同一の信号を受信する移動局
は、1つのアンテナで受信される同一の信号からなる複
数の受信信号であって受信タイミングが異なり、かつ周
波数差を有する複数の受信信号を受信処理する等化器を
備えることを特徴とする。
【0052】この発明によれば、同一の信号を受信する
移動局が等化器を備え、この等化器によって、1つのア
ンテナで受信される同一の信号からなる複数の受信信号
であって受信タイミングが異なり、かつ周波数差を有す
る複数の受信信号を受信処理するようにしている。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、この
発明にかかる基地局、移動局および移動通信システムの
好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0054】実施の形態1.図1は、この発明の実施の
形態1である移動通信システムの構成を示すブロック図
である。図1では、同一の周波数帯域で同一の制御信号
を送信する2つの基地局1,2の送信系の構成と、隣接
する2個の基地局1,2とその送信信号を受信する移動
局3との位置関係とが示されている。
【0055】図1において、基地局1は、ネットワーク
からの送信情報11が入力されるBB変調器12と、遅
延回路13と、RF回路14,15と、共用発振器16
と、基地局用アンテナ17,18とを備えている。ま
た、基地局2も同様の構成であって、ネットワークから
の送信情報11が入力されるBB変調器22と、遅延回
路23と、RF回路24,25と、共用発振器26と、
基地局用アンテナ27,28とを備えている。なお、基
地局用アンテナ17,18,27,28は、通常のアン
テナと同等の機能を有するものであり、例えば、漏えい
同軸ケーブルなども含む。
【0056】ここで、この実施の形態1で用いる共用発
振器16,26は、図10における単一発振器19,2
9と異なり、異なる周波数の信号を出力する発振器であ
って、例えば図2に示すように構成される。
【0057】図2は、共用発振器16,26の構成を示
すブロック図である。図2において、共用発振器16,
26は、例えば、発振器35と分周回路36,37と電
圧制御回路38と電圧制御発振器(以下「VCO」とい
う)39とを備える。
【0058】発振器35は、所定周波数の信号を発生
し、分周回路36に出力する。また、発振器35の出力
は、基地局1では、RF回路14,15の一方に入力さ
れ、基地局2では、RF回路24,25の一方に入力さ
れる。
【0059】分周回路36は、発振器35の出力を所定
の分周比で分周し、電圧制御回路38に出力する。ま
た、分周回路37は、VCO39の出力を所定の分周比
で分周し、電圧制御回路38に出力する。
【0060】電圧制御回路38は、最初は分周回路36
の出力に基づき制御電圧を生成してVCO39に出力
し、その後、主として分周回路37の出力に基づき制御
電圧を生成してVCO39に出力する。VCO39は、
電圧制御回路38が生成する制御電圧に従って所定周波
数の信号を発生し、分周回路37に出力する。
【0061】すなわち、VCO39〜分周回路37〜電
圧制御回路38〜VCO39の閉ループは、電圧制御回
路38をループフィルタとするPLLを構成し、VCO
39は、発振器35の出力周波数とは異なる周波数で安
定的に発振する。VCO39の出力は、基地局1では、
RF回路14,15の他方に入力され、基地局2では、
RF回路24,25の他方に入力される。
【0062】このような構成において、基地局1では、
BB変調器12が、ネットワークからの送信情報11か
ら、ベースバンド変調信号を生成する。このベースバン
ド変調信号は、直接RF回路14に供給されるととも
に、遅延回路13で遅延されてRF回路15に供給され
る。
【0063】RF回路14は、遅延無しのベースバンド
変調信号を共用発振器16からの所定周波数の信号によ
って無線周波の信号に変換し、基地局用アンテナ17か
ら無線信号として送信される。また、RF回路15は、
遅延回路13で遅延された遅延有りのベースバンド変調
信号を共用発振器16からの所定周波数の信号によって
無線周波の信号に変換し、基地局用アンテナ18から無
線信号として送信される。
【0064】基地局2においても同様の動作が行われ、
ネットワークからの送信情報11が、BB変調器22に
よってベースバンド変調信号となる。遅延無しのベース
バンド信号が、RF回路24において、共用発振器26
からの所定周波数の信号によって無線周波の信号に変換
され、基地局用アンテナ27から無線信号として送信さ
れる。また、遅延回路23で遅延された遅延有りのベー
スバンド変調信号が、RF回路25において、共用発振
器26からの所定周波数の信号によって無線周波の信号
に変換され、基地局用アンテナ28から無線信号として
送信される。
【0065】このように、2つの基地局1,2は、それ
ぞれ同一の周波数帯域内において同一の信号を異なるタ
イミングで、かつ送信タイミングが異なる信号間に周波
数差を与えて送信する。
【0066】ここで、共用発振器16,26が出力する
2つの周波数の大小関係を次のように定める。すなわ
ち、例えば、基地局1の共用発振器16では、遅延有り
に相当する分周比に比して、遅延無しに相当する分周比
の方がやや大きな値となるようにする。また、基地局2
の共用発振器26では、逆に遅延有りに相当する分周比
に比して、遅延無しに相当する分周比がやや小さな値と
なるようにする。
【0067】この結果、基地局1の共用発振器16は、
遅延有り側のRF回路15よりも遅延無し側のRF回路
14の方にやや高い周波数を供給する。また、基地局2
の共用発振器26は、逆に遅延有り側のRF回路25よ
りも遅延無し側のRF回路24の方にやや低い周波数を
供給することになる。これにより、移動局3において両
基地局から受信される信号のレベル変動周波数は、遅延
無しと遅延有りとでは異なった周波数となる。
【0068】この場合、遅延無しに関しては、基地局用
アンテナ17から受信される信号の位相回転は、基地局
用アンテナ27からの位相回転よりも速くなる。また、
遅延有りに関しては、基地局用アンテナ18から受信さ
れる信号の位相回転は、基地局用アンテナ28からの位
相回転よりも遅くなり、ビートが発生する周期が遅延の
有無に関して異なることになる。
【0069】移動局3は、基地局1,2のほぼ中間近傍
に位置し、移動局用アンテナ31に、基地局用アンテナ
17,27からの遅延無し送信信号がほぼ同一タイミン
グで受信され、また基地局用アンテナ18,28からの
遅延有り送信信号がほぼ同一タイミングで受信される。
【0070】ここで、通常、電波環境は、移動局3と基
地局1,2間の伝搬経路を含む位置関係で決定される。
移動局3は、2つの基地局1,2からの送信信号を同時
に受信する。ここでは、説明を容易にするため、両基地
局1,2から到来する信号の振幅が同一であり、ある特
定の位置に停止した場合について説明する。
【0071】上述したように、各基地局1,2において
送信信号の位相回転速度は、アンテナ毎に異なった値を
取るために、従来例のように各基地局からの受信信号の
位相関係が特定の位置で常に同一とはならない。すなわ
ち、移動局3では、基地局1,2からの受信信号および
両者の合成信号の関係が、従来例で示した図11〜図1
4を組み合わせたような種々の状況となる。
【0072】図3は、受信電力の時間変動を説明するた
めのタイミングチャートである。図3では、遅延無しお
よび遅延有りに関して、両基地局から到来する信号の合
成波電力の時間変動を対数スケールにて記載してある。
【0073】図3において、遅延無し合成とは、基地局
アンテナ17と27からの受信信号を合成したこと意味
する。遅延有り合成とは、基地局アンテナ18と28か
らの受信信号を合成したこと意味する。また全体合成と
は、遅延無し合成と遅延有り合成とを合成したことを意
味する。
【0074】図3では、遅延無しおよび遅延有りのビー
ト周波数が相違し、平均的には両者の位相差は時間によ
って変動しているので、初期位相差の影響はないこと、
および遅延無しおよび遅延有り合成後のビートによるレ
ベル低下が生じる時間率が大幅に減少していることが示
されている。
【0075】次に、図4を用いて基地局が3つ以上ある
場合の周波数誤差の設定に関して説明する。図4では、
6つの基地局44〜49が線上に配置された場合の概略
図を示している。図4において、ビート干渉が発生する
のは、隣接する基地局間のほぼ中間位置であり、この中
間位置を図4では、ビート45,56,67,78およ
び89と示している。図1では、ビート45の干渉に関
して論じていたのであるが、実際には、このように複数
の基地局境界で生ずるビート干渉を抑圧する必要があ
る。
【0076】この実施の形態1では、隣接する基地局間
における周波数誤差を制御することにより、複数の基地
局境界で生ずるビート干渉を抑圧することができる。具
体的には、例えば、第1の基地局44が、図1に示す基
地局1と同様に設定され、第2の基地局45が、図1に
示す基地局2と同様に設定されているとすれば、ビート
56の干渉を抑圧するには、第3の基地局46を第1の
基地局44と同様の設定にすれば良い。
【0077】したがって、複数の基地局が図4に示すよ
うに線上に配置されているときは、基地局をその配置順
序の方向において奇数と偶数に分け、例えば、奇数基地
局に関しては基地局1のように、遅延有り側のRF回路
15よりも遅延無し側のRF回路14の方にやや高い周
波数を供給し、偶数基地局に関しては基地局2のよう
に、遅延有り側のRF回路15よりも遅延無し側のRF
回路14の方にやや低い周波数を供給するものとすれ
ば、ビート干渉の影響を抑圧することができる。
【0078】一方、図1において、例えば基地局1のみ
の送信信号を移動局3が受信する状況を考えると、従来
例で説明したように基地局1から到来する受信信号が、
図11に示したように遅延の有無で位相が逆転している
場合の復調特性が最も悪くなる。
【0079】ところが、この実施の形態1では、基地局
1においては、異なる周波数が共用発振器16からRF
回路14,15に供給されている。したがって、この場
合には、特定の位置に停止した場合の位相関係が一旦図
11に示すような関係となっても、位相関係は時間的に
変動するので、図11に示す状態が維持されることなく
異なった時間においては図14に示すような関係とな
る。このことは、移動局3が基地局2のみの送信信号を
移動局3が受信する状況においても同様である。
【0080】したがって、移動局3は、移動局アンテナ
31で受信される周波数差を有する複数の受信信号を受
信処理する等化器を備えることにより、サービスエリア
内の任意の位置で復調特性の大幅な劣化を避けることが
できる。
【0081】実施の形態2.図5は、この発明の実施の
形態2である移動通信システムの構成を示すブロック図
である。なお、図1で示した構成要素と同一となる構成
要素には同一の符号・名称を付してある。ここでは、こ
の実施の形態2に係る部分を中心に説明する。この点
は、以下の各実施の形態において同じである。
【0082】図5では、同一の周波数帯域で同一の信号
を送信する2つの基地局1,4の送信系の構成と、隣接
する2つの基地局1,4とその送信信号を受信する移動
局3との位置関係が示されている。
【0083】図5に示すように、この実施の形態2で
は、図1における基地局2を基地局4とし、この基地局
4では基地局2における共用発振器26を単一発振器5
1に置き換えてある。その他は、図1に示した構成と同
じである。
【0084】図6は、単一発振器51の構成例である。
図6に示すように、単一発振器51は、発振器61から
出力された発信信号を2分岐し、一方を遅延無し側のR
F回路24に出力し、他方を遅延有り側のRF回路25
に出力するようにしている。
【0085】ビート干渉は、遅延無しに関しては、基地
局1の基地局用アンテナ17と基地局4の基地局用アン
テナ27との双方からの受信信号の周波数誤差に起因し
て発生する。また遅延有りに関しては、基地局1の基地
局用アンテナ18と基地局4の基地局用アンテナ28と
の双方からの受信信号の周波数誤差に起因して発生す
る。
【0086】この場合、基地局1の基地局用アンテナ1
7と基地局4の基地局用アンテナ27との双方からの受
信信号のビート周波数と、基地局1の基地局用アンテナ
18と基地局4の基地局用アンテナ28との双方からの
受信信号のビート周波数とが異なっていれば良い。
【0087】そのため、例えば、基地局4における2つ
の基地局用アンテナ27,28からの送信信号間に周波
数誤差はなくても良いことになり、基地局4では2つの
RF回路24,25に同一周波数の信号を供給する単一
発振器51を備えるようにしている。
【0088】図4を用いて周波数誤差の設定に関して説
明する。前述と同様に、基地局を奇数と偶数に分け、例
えば、奇数基地局に関しては、基地局1のように、遅延
有り側のRF回路15と遅延無し側のRF回路14に異
なった周波数の信号を供給する。また、偶数基地局に関
しては、基地局4のように、遅延有り側のRF回路25
と遅延無し側のRF回路24とに同一の周波数を供給す
る。
【0089】このようにすれば、隣接する基地局間にお
いて移動局3は周波数差を有する信号を受信するので、
簡易な構成によってビート干渉の影響を回避することが
できる。
【0090】実施の形態3.図7は、この発明の実施の
形態3における移動通信システムの構成を示すブロック
である。図7では、同一の周波数帯域で同一の信号を送
信する2つの基地局5,6の送信系の構成と、隣接する
2つの基地局5,6とその送信信号を受信する移動局3
との位置関係が示されている。
【0091】図7において、基地局5は、ネットワーク
からの送信情報11が入力される周波数誤差補正機能付
ベースバンド変調器(以下「dfBB変調器」という)
72,73と、ネットワークからの送信情報11が入力
される遅延回路13と、RF回路14,15と、単一発
振器74と、基地局用アンテナ17,18とを備えてい
る。
【0092】基地局6も同様の構成であって、ネットワ
ークからの送信情報11が入力されるdfBB変調器7
7,78と、ネットワークからの送信情報11が入力さ
れる遅延回路23と、RF回路24,25と、単一発振
器79と、基地局用アンテナ27,28とを備えてい
る。
【0093】図8は、dfBB変調器の構成例である。
図8示すように、dfBB変調器72,73,77,7
8は、ネットワークからの送信情報11からベースバン
ド変調信号を生成するBB変調器81と、予め決めてお
いた周波数誤差と位相回転との関係が設定されている位
相回転テーブル82と、BB変調器81が出力するベー
スバンド変調信号と位相回転テーブル82の出力とを複
素乗算し、周波数誤差を有したベースバンド変調信号を
作成する複素乗算器83とで構成されている。なお、単
一発振器74,79は、図6に示すように構成され、同
一周波数の信号を対応する2つのRF回路に供給してい
る。
【0094】以上の構成において、基地局5では、df
BB変調器72が、ネットワークからの送信情報11か
ら予め決まった周波数誤差による位相回転を付加したベ
ースバンド変調信号を生成する。
【0095】この遅延無しのベースバンド変調信号は、
RF回路14に供給され、単一発振器74からの所定周
波数の信号によって無線周波の送信信号に変換され、基
地局用アンテナ17から無線信号として送信される。
【0096】一方、ネットワークから入力される送信情
報11は、遅延回路13において遅延されてdfBB変
調器73に入力され、このdfBB変調器73において
予め決まった周波数誤差による位相回転を付加したベー
スバンド変調信号に変換され、RF回路15に入力す
る。
【0097】RF回路15は、入力する遅延有りのベー
スバンド変調信号を単一発振器74からの所定周波数の
信号によって無線周波の送信信号に変換し、基地局用ア
ンテナ18から無線信号として送信する。
【0098】基地局6においても同様の動作が行われ、
ネットワークからの送信情報11が、dfBB変調器7
7において予め決まった周波数誤差による位相回転を付
加したベースバンド変調信号となる。
【0099】この遅延無しのベースバンド変調信号が、
RF回路24において、単一発振器79からの所定周波
数の信号によって無線周波の送信信号に変換され、基地
局用アンテナ27から無線信号として送信される。
【0100】また、ネットワークから入力される送信情
報11は、遅延回路23において遅延されてdfBB変
調器78に入力し、このdfBB変調器78において予
め決まった周波数誤差による位相回転を付加したベース
バンド変調信号に変換される。
【0101】この遅延有りのベースバンド変調信号が、
RF回路25において、単一発振器79からの所定周波
数の信号によって無線周波の送信信号に変換され、基地
局用アンテナ28から無線信号として送信される。
【0102】移動局3は、基地局5,6のほぼ中間に位
置し、移動局用アンテナ31に、基地局用アンテナ1
7,27の送信信号がほぼ同一タイミングで受信され、
また基地局用アンテナ18,28の送信信号がほぼ同一
タイミングで受信される。
【0103】この実施の形態3では、例えば、基地局5
においては、遅延有り側のdfBB変調器73よりも遅
延無し側のdfBB変調器72の方にやや高い周波数を
供給する。基地局6においては、逆に遅延有り側のdf
BB変調器78よりも遅延無し側のdfBB変調器77
の方にやや低い周波数を供給するようにしている。
【0104】その結果、両基地局5,6から受信される
信号のレベル変動周波数は、遅延無しと遅延有りとでは
異なった周波数となるので、ビート干渉の影響を抑圧す
ることができる。また、各基地局は、それぞれ、周波数
差を有する信号を送信するので、移動局3は、等化器を
備えることにより、サービスエリア内の任意の位置で復
調特性の大幅な劣化を避けることができる。
【0105】実施の形態4.図9は、この発明の実施の
形態例4による移動通信システムの構成を示すブロック
図である。図9では、同一の周波数帯域で同一の信号を
送信する2つの基地局5,7の送信系の構成と、隣接す
る2つの基地局5,7とその送信信号を受信する移動局
3との位置関係が示されている。
【0106】図9に示すように、この実施の形態4で
は、図7における基地局6を基地局7とし、この基地局
7では基地局6におけるdfBB変調器77をBB変調
器91に置き換えてある。その他は、図7に示した構成
と同じである。
【0107】したがって、この実施の形態4では、実施
の形態2と同様に、隣接する基地局間において移動局3
は周波数差を有する信号を受信するので、ビート干渉の
影響を回避することができる。
【0108】なお、実施の形態1と実施の形態3では、
複数の基地局が、線上に配置される場合を示したが、本
発明は、それに限定されるものではなく、基地局の配置
態様は任意とすることができる。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、遅延手段が、同一の周波数帯域内において同一の信
号を前記複数のアンテナのそれぞれに送信タイミングを
違えて供給し、周波数差付与手段が、前記送信タイミン
グが異なる信号間に周波数差を与え、この周波数差が与
えられた各信号を複数のアンテナから送信するようにし
ているので、移動局側において、特定の地域で全ての受
信信号が合成後に消失するというビート干渉発生の時間
率を大幅に削減でき、また復調特性を改善することがで
きるという効果を奏する。
【0110】つぎに発明によれば、送信するベースバン
ド信号を変調処理するベースバンド変調部において前記
周波数差を与えるようにしているので、周波数差の付与
を具体的に実現でき、移動局側において、特定の地域で
全ての受信信号が合成後に消失するというビート干渉発
生の時間率を大幅に削減でき、また復調特性を改善する
ことができるという効果を奏する。
【0111】つぎに発明によれば、ベースバンド変調信
号を無線周波の送信信号に変換する高周波部において前
記周波数差を与えるようにしているので、周波数差の付
与を具体的に実現でき、移動局側において、特定の地域
で全ての受信信号が合成後に消失するというビート干渉
発生の時間率を大幅に削減でき、また復調特性を改善す
ることができるという効果を奏する。
【0112】つぎに発明によれば、等化器によって、1
つのアンテナで受信される同一の信号からなる複数の受
信信号であって受信タイミングが異なり、かつ周波数差
を有する複数の受信信号を受信処理するようにしている
ので、復調特性を改善することができるという効果を奏
する。
【0113】つぎに発明によれば、前記複数の基地局の
それぞれが、複数のアンテナから、同一の周波数帯域内
における同一の信号をそれぞれ異なる送信タイミング
で、かつその送信タイミングが異なる信号間に周波数差
を与えて送信するようにしていることから、移動局で
は、特定の地域で停止した場合に合成受信信号が消失す
るような受信状態が維持されることがなくなるので、特
定の地域で全ての受信信号が合成後に消失するというビ
ート干渉発生の時間率を大幅に削減でき、また復調特性
を改善することができ、ひいては、広範囲なサービスエ
リアにおいて、一層高い伝送品質を確保できる移動通信
システムが実現できるという効果を奏する。
【0114】つぎに発明によれば、隣接する前記基地局
のそれぞれが、同一の信号を互いに異なる周波数差をも
って送信し、ビート干渉の抑圧効果を高めるようにして
いるので、特定の地域で全ての受信信号が合成後に消失
するというビート干渉発生の時間率を大幅に削減でき、
また復調特性を改善することができるという効果を奏す
る。
【0115】つぎに発明によれば、前記隣接する基地局
の一方の基地局が、送信タイミングの早い信号の周波数
が送信タイミングの遅い信号の周波数に比して前記同一
の周波数帯域内において高めに設定し、前記隣接する基
地局の他方の基地局が、送信タイミングの早い信号の周
波数が送信タイミングの遅い信号の周波数に比して前記
同一の周波数帯域内において低めに設定するようにし、
特定の位置の移動局において、隣接する基地局からの信
号が位相の回転を伴って受信されるが、そのときのビー
ト発生の周期が送信タイミングの進遅に応じて異なるよ
うにしているので、一層ビート干渉の抑圧効果を高める
ことができるという効果を奏する。
【0116】つぎに発明によれば、複数の基地局の第1
基地局と第2基地局とが隣接配置され、前記複数の基地
局の第1基地局が、複数のアンテナから同一の周波数帯
域内における同一の信号をそれぞれ異なる送信タイミン
グで送信し、前記複数の基地局の第2基地局が、複数の
アンテナから同一の周波数帯域内における同一の信号を
それぞれ異なる送信タイミングで、かつその送信タイミ
ングが異なる信号間に周波数差を与えて送信するように
し、隣接する基地局間において1つおきの基地局毎に周
波数差を付与するようにしているので、移動局では、特
定の地域で停止した場合に合成受信信号が消失するよう
な受信状態が維持されることがなくなるので、簡易な構
成で、特定の地域で全ての受信信号が合成後に消失する
というビート干渉発生の時間率を大幅に削減できるとい
う効果を奏する。
【0117】つぎに発明によれば、前記第1基地局に隣
接配置される前記第2基地局が、同一の信号を互いに異
なる周波数差をもって送信し、1つおきの基地局毎に異
なった周波数誤差を付加して供給するようにしているの
で、一層、ビート干渉の抑圧効果を高めることができる
という効果を奏する。
【0118】つぎに発明によれば、同一の信号を受信す
る移動局が等化器を備え、この等化器によって、1つの
アンテナで受信される同一の信号からなる複数の受信信
号であって受信タイミングが異なり、かつ周波数差を有
する複数の受信信号を受信処理するようにしているの
で、復調特性を改善することができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である移動通信シス
テムの構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示した共用発振器の構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】 図1に示した移動局における受信電力の時間
変動を説明するためのタイミングチャートである。
【図4】 基地局が3つ以上ある場合の周波数誤差の設
定方法を説明するための図である。
【図5】 この発明の実施の形態2である移動通信シス
テムの構成を示すブロック図である。
【図6】 図5に示した単一発振器の構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】 この発明の実施の形態3である移動通信シス
テムの構成を示すブロック図である。
【図8】 実施の形態3で用いるdfBB変調器(周波
数誤差付加機能を有するベースバンド変調器)の構成を
示すブロック図である。
【図9】 この発明の実施の形態4である移動通信シス
テムの構成を示すブロック図である。
【図10】 従来の移動通信システムの構成例を示すブ
ロック図である。
【図11】 従来例の動作を説明するタイミングチャー
トである。
【図12】 従来例の動作を説明するタイミングチャー
トである。
【図13】 従来例の動作を説明するタイミングチャー
トである。
【図14】 従来例の動作を説明するタイミングチャー
トである。
【図15】 従来の移動通信システムにおける受信電力
の時間変動を説明するためのタイミングチャートであ
る。
【図16】 従来の移動通信システムにおける受信電力
の時間変動を説明するためのタイミングチャートであ
る。
【符号の説明】
1,2,4,5,6,7,44〜49,100,200
基地局、3 移動局、12,22,81,91 ベー
スバンド変調器(BB変調器)、13,23遅延回路、
14,15,24,25 高周波回路(RF回路)、1
6,26 共用発振器、17,18,27,28 基地
局アンテナ、31 移動局アンテナ、35 発振器、3
6,37 分周回路、38 電圧制御回路、39 電圧
制御発振器(VCO)、19,29,51,74,79
単一発振器、61 発振器、72,73,77,78
周波数誤差補正機能付ベースバンド変調器(dfBB
変調器)、82 位相回転テーブル、83 複素乗算
器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5K014 AA01 DA03 DA05 EA01 HA05 HA06 5K059 AA08 BB08 CC02 CC06 CC07 EE02 EE03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のアンテナと、 同一の周波数帯域内において同一の信号を前記複数のア
    ンテナのそれぞれに送信タイミングを違えて供給する遅
    延手段と、 前記送信タイミングが異なる信号間に周波数差を与える
    周波数差付与手段と、 を備えることを特徴とする基地局。
  2. 【請求項2】 前記周波数差付与手段は、 送信するベースバンド信号を変調処理するベースバンド
    変調部において前記周波数差を与えることを特徴とする
    請求項1に記載の基地局。
  3. 【請求項3】 前記周波数差付与手段は、 ベースバンド変調信号を無線周波の送信信号に変換する
    高周波部において前記周波数差を与えることを特徴とす
    る請求項1に記載の基地局。
  4. 【請求項4】 1つのアンテナで受信される同一の信号
    からなる複数の受信信号であって受信タイミングが異な
    り、かつ周波数差を有する複数の受信信号を受信処理す
    る等化器を備えることを特徴とする移動局。
  5. 【請求項5】 複数の基地局が同一の周波数帯域内にお
    いて同一の信号を送信する移動通信システムであって、 前記複数の基地局のそれぞれは、 複数のアンテナから、同一の周波数帯域内における同一
    の信号をそれぞれ異なる送信タイミングで、かつその送
    信タイミングが異なる信号間に周波数差を与えて送信す
    ることを特徴とする移動通信システム。
  6. 【請求項6】 隣接する前記基地局のそれぞれは、 同一の信号を互いに異なる周波数差をもって送信するこ
    とを特徴とする請求項5に記載の移動通信システム。
  7. 【請求項7】 前記隣接する基地局の一方の基地局は、 送信タイミングの早い信号の周波数が、送信タイミング
    の遅い信号の周波数に比して前記同一の周波数帯域内に
    おいて高めに設定し、 前記隣接する基地局の他方の基地局は、 送信タイミングの早い信号の周波数が、送信タイミング
    の遅い信号の周波数に比して前記同一の周波数帯域内に
    おいて低めに設定することを特徴とする請求項6に記載
    の移動通信システム。
  8. 【請求項8】 複数の基地局が同一の周波数帯域内にお
    いて同一の信号を送信する移動通信システムであって、 前記複数の基地局は、 複数のアンテナから同一の周波数帯域内における同一の
    信号をそれぞれ異なる送信タイミングで送信する第1基
    地局と、 複数のアンテナから同一の周波数帯域内における同一の
    信号をそれぞれ異なる送信タイミングで、かつその送信
    タイミングが異なる信号間に周波数差を与えて送信する
    第2基地局と、 を備え、前記第1基地局と前記第2基地局は、互いに隣
    接配置されることを特徴とする移動通信システム。
  9. 【請求項9】 前記第1基地局に隣接配置される前記第
    2基地局は、 同一の信号を互いに異なる周波数差をもって送信するこ
    とを特徴とする請求項8に記載の移動通信システム。
  10. 【請求項10】 前記同一の信号を受信する移動局は、
    1つのアンテナで受信される同一の信号からなる複数の
    受信信号であって受信タイミングが異なり、かつ周波数
    差を有する複数の受信信号を受信処理する等化器を備え
    ることを特徴とする請求項5〜9のいずれか一つに記載
    の移動通信システム。
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