JP2002298436A - 光学的情報記録媒体とその製造方法 - Google Patents
光学的情報記録媒体とその製造方法Info
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Abstract
記録消去を繰り返すと反射率が低下し、信号振幅が低下
するという課題があった。反射率の低下しない保護層材
料は、その多くが情報記録層との接着性が悪く、耐湿性
に課題があった。 【解決手段】 本発明は上記課題を解決するために、記
録層の少なくともいつの側に接して、Te−Oを主成分
とする保護層を適用する。これによって、記録層との接
着性にも優れ、記録層の組成変動を防止することがで
き、安定性と繰返し性能の両方に優れた光学的情報記録
媒体を実現することができた。
Description
な記録層を具備した光学的情報記録媒体、その製造方法
に関する。
属薄膜や有機物薄膜で構成される記録材料薄膜層を形成
し、これにサブミクロンオーダー径の微小光スポットに
絞り込んだ高エネルギービームを照射することで記録材
料層に局部的な変化を生じさせ、もって情報信号の蓄積
を行う技術は既に広く知られている。とりわけ光磁気材
料薄膜や相変化材料薄膜を記録層に用いた媒体では、信
号の書換えが容易に行えることから盛んに研究開発がな
されてきている。
層膜構成をとるものが通常である。即ち、ポリカーボネ
ートやPMMA(ポリメチルメタクリレート)の樹脂
板、ガラス板等の基板1上に、誘電体材料からなる保護
層2、4で挟み込まれた相変化材料や光磁気材料からな
る光吸収性の記録層3、さらに記録層3での光吸収効率
を向上させる働き、もしくは熱拡散層としての働きをす
るAuやAl合金で構成される金属性の反射層5を順次
スパッタリングや真空蒸着等の方法で積層し、オーバコ
ート層6を形成する構成がとられている。但し、レーザ
光線は基板1側から入射させる。
は、TeやSbをベースとするカルコゲナイド薄膜、例
えばGe−Sb−Te系合金薄膜、Sb−Teの共晶組
成をベースとしてGeを添加した系、Ge−Sn−Sb
−Te系合金薄膜、In−Sb−Te系合金薄膜、Ag
−In−Sb−Te系合金薄膜等がよく用いられる。こ
のような相変化材料を用いた媒体では、レーザ光線の照
射によって記録層を局所的に加熱し、比較的強いパワー
で照射した部分を溶融後急冷過程でアモルファス化し、
また比較的弱いパワーで照射した部分をアニール過程で
結晶化するという変化を可逆的に生起させる書換え記録
が行われている。
は、例えば、 1)記録層を外部からの機械的なダメージから保護する
働き 2)信号の書き換えを繰り返し行った場合に起きる基板
表面の荒れ、記録層の破れや蒸発等の熱的なダメージを
低減し繰返し回数を高める働き 3)多重反射による干渉効果を利用して光学的変化をエ
ンハンスする働き 4)外気からの影響を遮断し化学的な変化を防止する働
き 等であって、こういった目的を満たす保護層を構成する
材料として、従来よりAl2O3、TiO2、SiO2等の
酸化物、Si3N4やAlN等の窒化物、Si−O−N等
の酸窒化物(例えば特開平3−104038号公報)、
ZnS等の硫化物、SiC等の炭化物或いはこれらの間
の混合物としてZnS−SiO2(特開平3−1034
53号公報)等の材料が提案されてきているが、実際に
商品化されている相変化光ディスクに適用されている保
護層材料は専らZnS−SiO2である。
は、誘電体の中ではかなり熱伝導率の小さい部類に属
し、レーザビーム等によって記録を行う際に生じる熱拡
散を最低限に抑制できるので記録感度が高くなる、内部
応力が小さいので厚い膜を形成しても割れが生じにく
い、相変化材料層との接着性が高く、レーザ照射を繰り
返しても剥がれにくい等である。本発明が開示しようと
しているTe−O系材料またはTeOX系(1.2≦x
≦2)材料や、これに添加物を行ったTe−M−O系材
料を保護層に適用すべく開示した例はない。
が開示したように(N. Yamada et al., Jpn. J. Appl.P
hys. Vol.37 (1998) pp.2104-2110)、ZnS−SiO2
保護層にも課題がある。即ち、レーザー照射を繰り返し
行うと、ZnS−SiO2保護層中に含まれる比較的弱
い結合を持つS原子が放出されて記録層へと拡散侵入
し、記録層の光学特性や相変化速度を変化させてしまう
ということである。この結果、記録性能が徐々に劣化
し、繰り返し回数が制限されるという課題があった。筆
者らは、上記課題を克服するためにTeをベースとする
記録層とZnS−SiO2保護層との間にGe−Nに代
表される窒化物界面層を形成することでS原子の拡散を
抑制するという方法を提案した。確かに、この方法によ
ればSの拡散が抑制され、書換性能が繰り返し性能を向
上することが確認されている。但し、界面層の採用は全
体の層数の増大を招き、その結果、製造上のコストが増
大傾向になるという別の観点からの新たな課題が生じ
た。
層数を増やさず、相変化光ディスクの繰り返し性能に優
れた光学的情報記録媒体を構成することを目的とするも
のである。
決する手段として、情報記録層の何れか、望ましくは両
側の面に接して、TeOXまたはTe−Oを主成分とす
る保護層を設ける。筆者らは、Te−O材料は,Teや
Sbをベースとする情報記録層との接着性が高いことを
見いだした。しかもTe−Oは化学的に安定であって、
ZnS−SiO 2のように記録膜の内部にまで拡散進入
するS原子を放出することもない。また、組成の制御が
容易で、媒体に応じて適度な光学定数を実現できるとい
う利点がある、また、添加物により、融点や屈折率を制
御することも可能である。この際、Te−O薄膜の平均
組成がTeOX(1.2≦x≦2)であることが好まし
く、TeOX(1.5≦x≦2.0)であることがさら
に好ましい。
性を向上することが可能であり、添加元素Mとして、0
族元素(Ar,Kr,Xe)、Ib族元素(Cu,A
g,Au),IIa族元素(Mg,Ca,Sr,Ba),
IIb族元素(Zn、Cd)、IIIa族元素(Sc、
Y)、IIIb族元素(B、Al,Ga,In)、IVa族
元素(Ti,Zr,Hf)、IVb族元素(C,Si,G
e,Sn,Pb)、Va族元素(V,Nb,Ta)、V
b族元素(N,Sb,Bi)、VIa族元素(Cr,M
o,W)、VIIa族元素(Mn)、VIII族元素(Fe,
Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt)、
ランタノイド元素(La)、希土類元素(Dy,Eu,
Gd,Tb)の中から選ばれる少なくとも1つを含むこ
とができる。また、構成元素の1つとして、さらにNを
含めることも可能であって、保護層の組成をTeaMbO
cNd(a+b+c+d=100)、[a≧bかつc≧5
0at%かつd=0]または[a≧bかつc+d≧50
at%かつc≧d>0]とすることができる。
らなることが好ましく、基板上に、Te−Oを主成分と
する第1の保護層、情報記録層、第2のTe−Oを主成
分とする保護層を含む3つの層、または、上記3つの層
にさらに金属性反射層(または放熱層)を加えた4つの
層を含む多層膜を積層してなることが、より好ましい。
主成分とする保護層の製造方法としては、気相からの堆
積法を用いる。とりわけ、スパッタリング法が好まし
く、スパッタターゲットとしては、Teターゲットまた
はTeとTeO2混合粉末を固めて形成したTeOX(0
≦x≦2)ターゲットを用いる。この際、Teターゲッ
トを用いる場合には不活性ガスと酸素ガスの混合ガスま
たは不活性ガスと酸素ガスおよび窒素ガスの混合ガスを
用いた反応性スパッタ法により、またTeOX(0<x
≦2)ターゲットを用いる場合には、組成に応じて不活
性ガスを用いた通常スパッタ法、不活性ガスと酸素ガス
の混合ガス、または不活性ガスと酸素ガスと窒素ガスの
混合ガスを用いた反応性スパッタ法の何れかによる。
方法としては、やはりスパッタ法を用いる。スパッタタ
ーゲットとしては、Te−M合金またはTe−M混合粉
末ターゲットまたはTeとTeO2とMとM酸化物(ま
たはM窒化物、またはM窒酸化物)の混合粉末を固めて
形成したTe−M−O−(N)ターゲットを用いる。こ
の際、Te−M合金またはTe−M混合粉末ターゲット
を用いる場合には、不活性ガスと酸素ガスの混合ガスま
たは不活性ガスと酸素ガスおよび窒素ガスの混合ガスを
用いた反応性スパッタ法により、またTe−M−O−
(N)ターゲットを用いる場合には、組成に応じて不活
性ガスを用いた通常スパッタ法、不活性ガスと酸素ガス
の混合ガス、または不活性ガスと酸素ガスと窒素ガスの
混合ガスを用いた反応性スパッタ法の何れかによる。
実施形態を図2に示す。この実施形態において、基板1
は厚さ0.6mm、直径120mmのディスク状のポリ
カーボネート樹脂基板である。基板に用いる材料として
は、ポリカーボネートが吸湿性が低い点やコストが低い
点等総合的に優れているが、これ以外にもガラス、アク
リル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニール等も
用いることができる。金属も用いられるが、この場合に
は基板を通じて記録光線を入射できないため、膜を形成
した側から光を入射するべく、媒体の構造設計を行わな
ければならない。いずれにせよ、基板の種類は、本発明
を限定するものではない。
に、多層膜が形成される面にはスパイラル状の溝トラッ
ク7として、例えば深さ60nm、溝部の幅0.615
μm、ランド部の幅0.615μmがほぼ全面に形成さ
れていて、情報信号を記録再生するためのレーザビーム
は、この溝の凹凸形状を案内としてディスク上の任意の
位置へと移動できる。レーザビームの案内方法には、こ
のスパイラル状の溝、或いは同心円状に形成された溝を
用いる連続サーボ方式や、周期的に並べられた信号ピッ
ト列を追跡するサンプルサーボ方式が知られ、当該レー
ザビームの案内方式に応じて基板1に適宜溝等が形成さ
れるが、これも本発明の本質とは関係しない。
は、順にTe30Zn10O60保護層(130nm)、Ge
2Sb2Te5記録層(10nm)、Te30Zn10O60保
護層(30nm)、Al反射層(100nm)の4層
が、この順にスパッタ法によって形成され、紫外線硬化
樹脂を接着層9として、基板1と同じ樹脂板が保護板1
0として張り合わせられている。従来、保護層材料とし
ては専らZnS−SiO 2が用いられてきた。この理由
は、 i) ZnS−SiO2は誘電体の中では、かなり熱
伝導率の小さい部類に属し、レーザビーム等によって記
録を行う際に生じる熱拡散を最低限に抑制できるので記
録感度が高くなる、 ii) 内部応力が小さいので厚い膜を形成しても割れ
が生じにくい、 iii)相変化材料層との接着性が高く、レーザ照射を
繰り返し行っても剥がれにくい、 等、幾つかあることは既に述べた通りであるが、とりわ
け、iii)の性能に優れた材料がほとんどなかったと
いう点が決定的であったといえる。しかしながら、その
後の筆者らの研究によれば、レーザ照射を繰り返すと、
ZnS−SiO2層から原子が遊離して情報記録層中へ
と拡散し、そのことが強固な接着性を生むもとになって
いたと考えられる。即ち、従来の材料では接着性向上と
引き替えに繰り返し性能を落としていた。
優れた接着性を示す理由は、まだ明確になっていない
が、記録層との間で大きな原子拡散が生じているという
ような現象は観測されていない。また、Te−O系では
たとえTeが記録層中に拡散したとしても、Teは記録
層の主成分である場合が多く、問題の生じる可能性が小
さいメリットがある。Te−O薄膜は通常、アモルファ
ス状態で膜が形成されるが、この際、その平均組成によ
って、屈折率や吸収係数が連続的にしかも容易に制御可
能という大きな特徴がある。即ち、Te成分が増大する
にしたがって屈折率や吸収係数が連続的に増大するの
で、必要に応じて組成を最適化することができる。
を下げたい場合、少し吸収を持たせたい場合にはTe濃
度を高める。逆に、やや堅い膜が欲しい場合、融点を上
げたい場合、完全に透明化したい場合にはO濃度を向上
させる。Te−O系では、Te濃度が一定濃度以上に大
きくなると結晶化が生じやすくなり、記録材料としても
用いられる場合があるが(Takenaga et al. J. Appl. P
hys. Vol. 54(9), pp.5376-5380,1983)、ここでは結晶
化が生じないようにO濃度を十分大きく設定する。即
ち、Te−O膜を保護層として用いるためには、膜厚方
向の平均的な組成をTeOX(1.2≦x≦2.0)に
選ぶ。より透明な膜を得るためにはTeOX(1.5≦
x≦2.0)であることが好ましい。
とが可能である。これによって様々に特性を向上するこ
とが可能である。添加物濃度は、一般的に、Te原子の
濃度を超えることはTe−Oの優れた性能が低下するこ
とにつながり好ましくない。また、通常はTe濃度の1
/10以上で効果が顕著となる。
様々なものがある。まず、化合物を形成しにくい希ガス
としてAr,Kr,Xe等がある。希ガスは、これをス
パッタガスとしてスパッタ法で薄膜を形成する際に、必
然的に膜に含まれるものであるが、通常、光学定数(屈
折率、消衰係数)を小さくする方向に寄与する。この場
合、好ましい特性を与える酸素濃度は添加物のない場合
に準ずる。
として、Teよりも酸化物の標準生成エネルギーが小さ
く、Teよりも酸化傾向の小さな元素がある。例えば、
Ag,Cu,Au,Pd,Pt等の貴金属元素である。
これらの元素は、膜中でも非酸化物として存在する可能
性が大きく、通常、光学定数(屈折率、消衰係数)を大
きくする方向に寄与する。この場合、膜中ではTeが優
先的に酸化されるので、好ましい特性を与える酸素濃度
はおおよそ添加物のない場合や希ガスの場合に準ずる。
この場合、全体の酸素濃度は50%を切らないことが好
ましい。
−Oの組成比を示す図3の三角組成図で、TeO2を示
す組成点A(33.3,0,66.7)、TeO1.2を示す組成
点C(45.5,0,54.5)、組成点Mを示す点cとAを結
んだ直線cAがTeOを示す組成点jと組成点MOを示
す点dを結んだ直線idと交差する組成点F(25,25,
50)、組成点Mを示す点cとCを結んだ直線cCが直線
jdと交差する組成点D(41.5,8.5,50)の4つの組
成点に囲まれた組成範囲A−C−D−F内にあることが
望ましい。
組成では、光吸収が大きくなって保護層としては光学的
ロスが大きくなる。この意味では、組成点cとTeO
1.5を示す組成点B(40,0,60)とを結んだ直線cB
が前記直線jdと交差する組成点E(33,17,50)を定
義して、4つの組成点A−B−E−F内であることがよ
り透明な膜が得られるので、光学設計上好ましい。組成
cCよりもTeリッチな組成では熱的安定性が低下す
る。
は膜中に未結合のO原子が存在するため、記録層が酸化
されることになり好ましくない。また、添加物効果が顕
著になるのは、添加物濃度がTeの1/9以上(Te−
M中の10%以上)からであって、Te90O10を示す組
成点aとOを示す組成点iを結ぶ組成線aiと組成線c
Aおよび組成線cCとの交点、A1(32.5,3.5,65)
および、C1(43,5,48)を定義して、組成領域A1
−C1−D−Fで表される。
ーが小さく、Teよりも酸化傾向の大きな元素がある。
Teは比較的酸化しにくい元素に属するので、こういっ
た種類の元素は非常に多い。これらは、酸化物としてT
e−Oと混合物や複合酸化物を形成し、Te−Oの特性
を修飾することができる。例えば、TeO2の融点は7
33℃であるが、これよりも融点の高い酸化物を形成す
る元素を添加すれば系全体の融点を高めることができ
る。
Fe,Gd,Ge,Hf,Ho,In,La,Mg,M
n,Mo,Nb,Ni,Pb,Sc,Si,Sr,T
a,Tb,Ti,V,Y,Zn,Zrが有力である。こ
れによって、保護層としての耐熱性を高めることができ
る。とりわけ、Al,Dy,Gd,Mg,Nb,Sc,
Si,Sr,Ta,Tb,Ti,Y,Zn,Zrは透明
性が高い酸化物を形成するので添加物として適してい
る。融点があまり高くなりすぎると、内部応力が緩和し
にくくクラックが入りやすくなるので、添加物濃度は適
当に選ぶ必要がある。一般的に、Te原子の濃度を超え
ることはTe−Oの優れた性能が低下することにつなが
り好ましくない。また、通常はTe濃度の1/9以上程
度から効果が顕著となる。
を添加すれば、系全体の融点を低下させることができ
る。例えば、Sbが有力である。一般的にいって、保護
層の融点は記録材料層の融点よりも高いことが望ましい
が、記録材料層の融点を近づけることで記録時に生じる
記録層の変形に追従しやすいというメリットが生じる場
合がある。一般に、TeやSbをベースとする相変化記
録材料の融点は500℃から700℃くらいであるか
ら、材料系にあわせて、Te−O系の融点をTeO2の
733℃よりも下げることが好ましい場合もある。この
際も、添加物の濃度はTe原子の濃度を超えないことが
望ましい。
固有に生成する化学量論的な酸化物の形により異なる。
例えば、生成される酸化物の形がMOである場合には、
好ましい組成は、図4に示した、三角組成図で、組成線
dAおよびdCが、組成Te 50M50を示す組成点bと組
成Oを示す組成点iを結ぶ組成線biとそれぞれ交差す
る点、G(24,24、52)およびI(20,20,60)を定義
し、組成領域A−C−G−I内にあることが好ましい。
組成線aiと組成線dBが交差する組成点H(22,22,
56)を定義して、4つの組成点A−B−H−I内では、
より透明な膜が得られるので、光学設計上好ましい。
するので光学設計上好ましくない。組成線biの下側で
は、Te−O膜の特徴である接着性能が低下するので好
ましくない。組成線dAの左側では、膜中に未結合のO
原子が存在するため、記録層が酸化されることになり好
ましくない。さらに、組成線aiと組成線dAおよびd
Bとの交差点A2(31,3.5,65.5)、C2(41.5,4.
5,54)を定義すると、組成域A2−C2−G−Iで
は、より添加物Mの効果が顕著になる。MOを生成する
Mとしては、Zn,Mg、Sr、Nbが良い性能を示し
た。
図7、図8の各図において、添加物Mの生成する酸化物
の形がM2O3、MO2、M2O5、MO3である場合の適正
な保護層組成の範囲を示した。即ち、MがM2O3を生成
する場合には、図5において、A(33.3,0,66.7),
C(45.5,0,54.5),J(21.5,21.5,57),L(1
8,18,64)で囲まれた組成域にあることが好ましく、
A(33.3,0,66.7),B(40,0,60),K(20,2
0,60),L(18,18,64)で囲まれた組成域にあるこ
とがより好ましい。また、A3(30.5,3.5,66),C
3(40.5,4.5,55),J(21.5,21.5,57),L(1
8,18,64)で囲まれた組成域が添加物効果が顕著であ
る。Mとしては、Al、Bi、Cr、Dy,Eu,G
d,Ho,La,Sb,Tb,Ti,Yが好ましい性能
を示した。
いて、A(33.3,0,66.7),C(45.5,0,54.5),
M(24,24、52),O(16.7,16.7,66.6)で囲まれた
組成域にあることが好ましく、A(33.3,0,66.7),
B(40,0,60),N(23,23,54),O(16.7,16.
7,66.6)で囲まれた組成域にあることがより好まし
い。また、A4(30,3.3,66.7),C4(39.5,4.5,
56),M(24,24、52),O(16.7,16.7,66.6)で囲
まれた組成域が添加物効果が顕著である。MとしてはS
i、Ge、Mn,Sn、Ti,Zrが好ましい性能を示
した。
いて、A(33.3,0,66.7),C(45.5,0,54.5),
P(17.5,17.5,65),R(15.5,15.5,69)で囲まれ
た組成域にあることが好ましく、A(33.3,0,66.
7),B(40,0,60),Q(16.5,16.5,67),R(1
5.5,15.5,69)で囲まれた組成域にあることがより好
ましい。また、A5(29.5,3.5,67),C5(38.5,
4.5,57),P(17.5,17.5,65),R(15.5,15.5,6
9)で囲まれた組成域が添加物効果が顕著である。Mと
してはNb、Sb、Taが好ましい性能を示した。
いて、A(33.3,0,66.7),C(45.5,0,54.5),
S(16.5,16.5,67),U(14.5,14.5,71)で囲まれ
た組成域にあることが好ましく、A(33.3,0,66.
7),B(40,0,60),T(15.5,15.5,69),U(1
4.5,14.5,71)で囲まれた組成域にあることがより好
ましい。また、A6(29,3,68),C6(38,4,5
8),S(16.5,16.5,67),U(14.5,14.5,71)で
囲まれた組成域が添加物効果が顕著である。Mとしては
Scが好ましい性能を示した。
には、一部を窒化し窒酸化物として膜中に含有させるこ
とも有力になる。例えばAl、Si,Ti,Nb,Z
r,Taのような元素である。一般に窒化物は酸化物よ
りも融点が高い、構造柔軟性が低い、光吸収性が高い等
の特性があって、あまり多くなると割れが生じやすくな
ったり、光学的な効率を落としたりする。本発明のTe
−Oを基本とする保護層中では窒素濃度は酸素濃度を超
えないことが望ましい。材料系の組成式は、窒素を含む
場合と、含まない場合に分けて、TeaMbOcNd(a+
b+c+d=100)[a≧bかつc≧50at%かつ
d=0]または[a≧bかつc+d≧50at%かつc
≧d>0]のように表すことができる。添加元素を族別
に整理すれば以下のようになる。
素(Cu,Ag,Au),IIa族元素(Mg,Ca,S
r,Ba),IIb族元素(Zn、Cd)、IIIa族元素
(Sc、Y)、IIIb族元素(B、Al,Ga,I
n),IVa族元素(Ti,Zr,Hf)、IVb族元素
(C,Si,Ge,Sn,Pb)、Va族元素(V,N
b,Ta),Vb族元素(N,Sb,Bi),VIa族元
素(Cr,Mo,W),VIIa族元素(Mn)VIII族元
素(Fe,Co,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,I
r,Pt)ランタノイド元素(La)希土類元素(D
y,Eu,Gd,Tb)の中から選ばれる少なくと1つ
を含むことができる。
のエネルギービームの照射を受けて可逆的な状態変化を
生じる相変化材料であって、とりわけレーザ光線の照射
でアモルファス−結晶間の可逆的相変化を生じるものが
好ましい。代表的にはGe2Sb2Te5に変えて、Ge
−Sb−Te、Ge−Sn−Sb−Te、Ge−Te、
In−Sb−Te、Sb−Te、Ge−Sb−Te−P
d、Ag−Sb−In−Te、Ge−Bi−Sb−T
e、Ge−Bi−Te、Ge−Sn−Te、Ge−Sb
−Te−Se、Ge−Bi−Te−Se、Ge−Te−
Sn−Au、Ge−Sb−Te−Cr、In−Se、I
n−Se−Co、 Ge−In−Sb−Te、Ge−A
g−In−Sb−Te等を主成分とする系、或いはこれ
らの系に酸素、窒素等の添加物を加えた種々の材料系を
用いることができる。
ルファス状態であるが、レーザ照射によって結晶化する
ことや、再度アモルファス化することが可能であり、そ
の際に生じる光学的特性の変化を利用して情報の記録再
生を行うことができる。記録膜に短パルス光を照射して
局部を溶融−クェンチすることでアモルファス化するこ
とができる。また、アモルファス化の場合と同等以上の
長さで、結晶化温度以上に加熱することでアニールし結
晶化することができる。
組み合わせた多層膜から構成される。Al以外にも、A
u,Ag,Pd,Ni,Cr,Ta、Ti,Si等を単
体またはこれらをベースとした合金として用いることが
できる。例えばAu−Cr,Au−Co,Al−Ta,
Al−Ti,Al−Cr、Ag−Pd−Cu、Ag−C
r,Ni−Cr,Au−Pd等の合金が好ましい。反射
層は必須ではないが、熱放散効率や光学的設計の自由度
を高めるためには用いることが好ましい。
6を設けた構成を示しているが、オーバコート層6は光
学的情報記録媒体の保護層及び記録層を水分、ほこり等
の影響を抑制するために設けられるだけであり、図9に
示すように、例えば接着層8を介してダミー基板(カバ
ー板、カバー層)9を貼り合わせる構成、オーバコート
層面を内側にして接着剤を用いて2枚を貼り合わせる構
成等、常法に従い適宜用いられる。貼り合わせには、ホ
ットメルト接着剤または紫外線硬化樹脂等の接着剤が適
用される。
前記基板上に多層膜を従来とは反対の順に形成し、この
上に従来よりも薄い0.1mm程度の厚さのカバー層1
0を設け、このカバー層側からレーザ照射を行うという
方式もあるが、本発明のTe−Oを主成分とする材料層
を同様に適用することができる。カバー層はシートを貼
り合わせる方法も、樹脂層をスピンコートする方法もど
ちらでも使うことができる。
についての説明を行う。本発明の記録媒体を構成する多
層膜は、真空蒸着、スパッタリング、レーザースパッタ
リング、イオンプレーティング、CVD等の気相堆積法
により形成することができるが、光ディスクのように基
板に樹脂基板を用いるデバイスではダストが出にくい、
基板の温度が上がりにくい等の理由でスパッタ法を用い
ることが好ましい。本発明の光学的情報記録媒体のTe
−O層以外の層は、これまでの通常の方法で成膜するこ
とができる。本発明のTe−O系材料の場合には、添加
物に応じて酸化物ターゲットを用いる場合と、合金ター
ゲットを用いる場合がある。例えば、Te−Oターゲッ
トを用いてArやXe等の不活性ガスを用いてスパッタ
を行うことも可能であるし、この際、不活性ガス中に適
度な濃度でOやNを混合させてスパッタすることでTe
の酸化度、窒酸化度を制御することができる。
ることができる。例えば、IIa族元素の場合には単体と
して取り扱うことが難しいので、酸化物として扱うこと
が好ましく、例えばMg−OとTe−Oの混合物ターゲ
ットまたはMg−OとTeとの混合物ターゲットを用い
る。また、酸化しやすい元素を添加する場合には、酸化
物として扱う方が便利である。例えばTb,Gd,D
y,Eu等の希土類元素、La等のランタノイド元素、
Sc、YのようなIIIa族元素、Ti,Zr,Hf等のI
Va族元素、V,Nb,Ta等のVa族元素、Cr,M
o,WのようなVIa族元素、MnのようなVIIa族元素
は融点が酸化しやすいことに加えて、融点が高いことか
ら酸化物として扱う方が便利である。但し、これらは単
体として扱うこともできる。ここでは、ArやXe等の
不活性ガスを用いてスパッタを行うが、この際、不活性
ガス中にNやOを混合させてスパッタすることで、Te
や添加物であるMgの酸化度や窒酸化度を制御すること
ができる。
TeやCdTe等のように、Teとの合金を容易に形成
することができる。例えばZnを加える場合には、必要
なZn濃度に応じてTeとZnとの混合比を最適化し、
例えばTe80Zn20、Te70Zn30のような合金ターゲ
ットからスパッタすることができる。スパッタガスとし
ては、ArやXe等の不活性ガス中にOを混合し、反応
性スパッタ法によりTe酸化物とZn酸化物の複合酸化
物膜を得ることができる。この際、スパッタ条件として
ガス圧力や分圧比やスパッタ速度を変化させることで、
酸素濃度を制御することができる。また、さらにNを混
合してスパッタすることで、窒酸化物を形成することが
できる。本実施形態では、Te75Zn25ターゲットを用
い、スパッタガスとしてArガス35%、O2ガス65
%の混合ガスを用い、0.4Paの真空度で100Wの
DCスパッタ法で形成した。
い元素、例えばIIIb族元素(B、Al,Ga,I
n),IVb族元素(Si,Ge,Sn,Pb)、Vb族
元素(Sb,Bi)はZnとTeの場合と同様に合金化
する方が簡単であるが、Te−O中に単体として混ぜる
こともできるし、酸化物M−OとしてTeやTe−Oと
混合することでターゲットを作ることもできる。但し、
Cはスパッタガスに炭化水素として含ませるか、別元素
の炭化物、例えばSiCやWCとして混ぜるかの方法を
用いる。Teに対して酸化しやすいかどうかを知る手が
かりとして、酸化物を生成するギブツの標準生成自由エ
ネルギーがある。エネルギー大きいほど、酸化物を形成
しやすいので、Te酸化物を形成する自由エネルギー
(−270.3KJ/mol)と比較し、その絶対値が
大きければTeよりも酸化物を生成しやすいといえる。
日本化学会編の化学便覧改訂第III版基礎編II中(P3
05〜)に記載されている。
化物を作るのが容易ではないので、Teと合金化する
か、Te−O中に単体として混合する。またVIII族元素
(Fe,Co,Ni)等はいずれも可能である。
録層を結晶化しておく作業(初期化)を行った。初期化
は、以下に示すようにレーザ照射により行った。ディス
ク媒体を線速5m/sの等速度回転させ、波長780n
mのレーザ光線をディスク面上で1μm×100μm
(半値幅)の長円形スポットになるように成形し、その
長い方向が半径方向になるように配置し、30μm/回
転のピッチでディスク外周部から内周部へと順次結晶化
作業を行った。
記録媒体の製造方法を示した。以上に述べた方法は、構
成する多層膜の層数やそれぞれの膜厚が変化しても本質
的に同じである。次に、上記のようにして形成した光学
的情報記録媒体上に信号を記録し、再生する方法につい
て説明する。
は、波長660nmの半導体レーザ光源11と、開口数
0.6の対物レンズ12とを登載した光ヘッド13と、
光ヘッドを記録媒体の任意の位置に導くための移送手段
としてリニアーモーター14と、位置制御するためのト
ラッキング・サーボ機構及び回路(図示省略)と光ヘッ
ドの姿勢を制御し、レーザースポットを記録膜面に照射
するためのフォーカッシング・サーボ機構及び回路(図
示省略)と、レーザのパワーを変調するためのレーザー
ドライブ回路と、再生信号のジッター値を測定するため
のタイムインターバルアナライザー(図示省略)と、光
ディスクを回転させるための回転制御機構としてモータ
ー15とを備えたデッキを用いたが、レーザ波長がさら
に短くなって400nm以下になっても本発明は適用す
ることができる。NAによらないことも原理からして自
明である。
は、まずディスク16を所定の回転速度で回転し、リニ
アーモーターを働かせ光ヘッドを任意のトラック位置ま
で動かし、次にフォーカスサーボ機構を働かせレーザー
光17を記録膜面にフォーカスさせ、次にトラッキング
サーボ機構を働かせレーザービームを任意のトラックに
トラッキングさせる。次に、レーザドライブ回路を働か
せ、レーザ出力を図12に示すように、情報信号に応じ
て、相対的に照射エネルギーの大きなパワーレベルを有
するアモルファス化パルス部と、相対的にエネルギーの
小さいパワーレベルを有する結晶化パルス部との間でパ
ワー変調を施し、前記光学的情報記録媒体に照射するこ
とにより、アモルファス状態の部分と結晶状態の部分が
交互に存在する状態を形成する。
ス列で形成された通常マルチパルスと呼ばれる構成とす
ることもできる。アモルファス化パルス部で照射された
部分は瞬時、溶融した後、急冷却されてアモルファス状
態となり、結晶化パルス部で照射された部分は、アニー
ルされて結晶状態となる。
ビームの照射パワーを、前記光学的情報記録媒体にさら
なる変化を付加しない程度の結晶化で用いたパワーレベ
ルよりも低い再生パワーレベルとして、前記光学的な変
化を生じた部分に走査し、反射光または透過光が前記ア
モルファス状態か結晶状態かの状態の差に応じて呈する
強度の変化を検出器で受け取って検出した。なお、パル
スの波形は図12に示したものに限定されるわけではな
く、例えば、図13に示すように、(A)アモルファス
化パルスをアモルファス化パワーレベルと再生パワー以
下のレベルとの間で変調する、(B)先頭パルスと最終
パルスのみを中間部よりも相対的に長くする、(C)ア
モルファス化パルス幅を均等にする、または(D)アモ
ルファス化時にパルス変調せずに照射する、(E)アモ
ルファス化パルスの前後の両方または、何れかでは必ず
再生パワーレベル以下にする期間を設ける、またこれら
を組み合わせる等、各種の記録・再生・消去方式が適用
できる。
基づいた評価を行った。信号方式は8−15変調で、最
短記録マーク長は0.42μm、最短ビット長は0.2
8μmである。ディスクをターンテーブルに固定して線
速度8.2m/sで回転させ、溝トラックにマーク長を
3T〜11Tの範囲でランダムに記録するランダム信号
のオーバライトを繰り返し行い、信号振幅の変化、ジッ
ター値(3T〜11Tの各信号マークのジッター値の標
準偏差σの和σsumのウィンドウ幅Twに対する割合σ
sum/Twであって、12.8%以下であれば良いとして
いる)の変化を調べた。
(A)に加え、(A)でTe−O系保護層を下側だけ従
来のZnS−SiO2(SiO2:20mol%)に変え
たディスク(B)、上側だけ従来のZnS−SiO
2(SiO2:20mol%)に変えたディスク(C)、
上下とも変えた従来のZnS−SiO2(SiO2:20
mol%)に変えたディスク(D)、上下ともZnを含
まないTe−O系保護層(Te35O65=TeO1.85)を
準備、繰り返し性能を比較した。
録を行った後でのジッター値(マーク前端・前端間のジ
ッターとマーク後端・後端間のジッターを独立に測定す
る方法によった)で、マーク前端・前端間のジッターと
マーク後端・後端間のジッターの双方ともが基準値以下
で、ほとんど変化が見られない場合に◎、変化はするが
ジッターそのものの値が基準値以下にとどまっている場
合を○、10万回で基準を若干でもオーバーする場合を
△、1万回で既に基準をオーバーする場合を×で表し
た。評価パワーは、初期のジッター値が12.8%以下
を満足する下限ジッター値よりも10%程度高く設定し
ている。
0万回の繰り返しを行った後での振幅を観察した結果で
あって、ほとんど変化がみられない場合を◎、10%程
度以下の変化がみられたものが○、20%程度の変化が
見られたものを△、それ以上に大きく低下したものを×
とした。
たディスクを90℃、80%RHの高温高湿度環境に2
00時間及び400時間放置した後で、顕微鏡による観
察を行った。400時間でも全く異常が見られなかった
場合を◎、200時間以降にわずかにはがれ等が見られ
た場合を○、200時間でわずかな剥がれが観察された
場合を△、200時間までに大きな剥がれの見られた場
合を×とした。
り、本願発明の構成では繰り返し特性、耐候性共に優れ
た特性が得られることが分かった。またTeO2へのZ
n添加も効果があることが分かった。
を詳しく説明する。
5,10,20,25,33,40,50,60,7
0)の形でMをAl,Nb,Si,Ta,Ti,Zn,
Zr,Dy,SbとしたTe−M合金ターゲットを準備
し、スパッタ法によりTe−M−O膜を形成した。膜中
のTe−M元素比はターゲット組成とおおよそ一致する
ことをICP法により確かめた。スパッタ条件は、Ar
ガスとO2ガスの混合ガスを用い、いずれも0.4Pa
の真空度で100Wの反応性スパッタ法である。いずれ
もO2ガスの濃度を変化して、膜中のO濃度を変えた。
得られた膜中の酸素濃度は標準試料を用いてSIMS
(2次イオン質量分析法)により決定した。各条件の膜
を、前述の実施形態と同様に評価し、いずれもxが10
〜50%の時に繰り返し性能の向上に効果があることが
分かった。5%以下では、ほとんど効果が無く、50%
を越えると耐候性(記録層との接着性能)が低下した。
また、膜中の酸素濃度が50%を下回ると、繰り返し性
能が低下した。
て、Ar、O2に加えてN2ガスをO2ガスの1/2混合
して保護層を形成したところ、Znを除くAl,Nb,
Si,Ta,Ti,Zrの元素では繰り返し回数がわず
かではあるが20%程度伸びることが分かった。N2濃
度はO2濃度の10%程度でも効果がある。いずれの元
素も酸化の方が窒化よりも優先的に進むので、N2はか
なり多くまで入れることができた。O2濃度の10%か
ら10倍程度の範囲で選ぶことが好ましかった。O2濃
度の10倍を越えると膜の窒化度が進みすぎ、その結果
として記録層との接着性が低下するという課題が生じ
た。
e2.5Sn1.5SbTe7および(Sb0.70.Te0. 3)95
Ge5として同様の効果が確かめられた。
−O系で、Ge6Sb2Te9膜との接着性を調べた。T
e−O系の場合酸素濃度が増大してTeO2に近づく
と、記録層との接着性能が僅かに低下傾向を示すが、実
用的には組成によらず優れた接着性を示した。またTe
−Ti−O系の場合も同様の傾向であって、酸素濃度が
増大してTeO2−TiO2に近づくと、Ti濃度によら
ず接着性能が僅かに低下する傾向を示した。TiはTe
よりも酸化傾向が高いので、膜中ではTiが優先的に酸
化されることになり、酸素濃度の高い膜中ではTi原子
は全て酸化されているが、Te原子の一部が未結合で残
っていることになる。即ち、いずれの場合も、わずかに
Teが酸化せずに余っていることが望ましいという結果
が得られた。但し残存する未結合Teが余りすぎると、
光学的濃度が大きくなる傾向も確かめられた。
e−Zn−O,Te−Mg−O,Te−Si−O,Te
−Zr−O,Te−Al−O,Te−Bi−O,Te−
Nb−O,Te−Ta−O,Te−Sc−Oとして、様
々な組成のディスクを作り、実施形態および具体例1に
準じた評価を行った。この結果、MOという化学量論的
酸化物を形成する添加物を用いたTe−Zn−O,Te
−Mg−Oは図4に示した領域内において優れた繰り返
し性能、接着性能を示した。例えば、(表2)に示すよ
うに、No.1からNo.8までのTe−Zn−O試料
は(表2)に示すような結果を示した。
成する添加物を用いたTe−Al−O,Te−Bi−O
は図5に示した領域内において優れた繰り返し性能、接
着性能を示した。例えば、No.1からNo.8までの
Te−Al−O保護層試料は(表3)に示すような結果
を示した。
成する添加物を用いたTe−Si−O,Te−Zr−O
は図6に示した領域内において優れた繰り返し性能、接
着性能を示した。例えば、No.1からNo.8までの
Te−Si−O保護層試料は(表4)に示すような結果
を示した。
成する添加物を用いたTe−Ta−O,Te−Nb−O
は図7に示した領域内において優れた繰り返し性能、接
着性能を示した。例えば、No.1からNo.8までの
Te−Nb−O保護層試料は(表5)に示すような結果
を示した。
成する添加物を用いたTe−Sc−O,Te−W−Oは
図8に示した領域内において優れた繰り返し性能、接着
性能を示した。例えば、No.1からNo.8までのT
e−Nb−O保護層試料は(表6)に示すような結果を
示した。
よる記録特性や再生特性の変動が小さく、かつ耐候性に
も優れた光学的情報記録媒体が実現できた。
断面図
成を示す第1の三角組成図
成を示す第2の三角組成図
成を示す第3の三角組成図
成を示す第4の三角組成図
成を示す第5の三角組成図
成を示す第6の三角組成図
す断面図
例を示す断面図
再生する評価系の図
再生するレーザ波形の図
再生する、別のレーザ波形の図
Claims (29)
- 【請求項1】 基板上に情報記録層と保護層を含む多層
膜を備え、これにレーザビームを照射して情報の記録・
再生を行う光学的情報記録媒体であって、情報記録層に
接して少なくとも何れかの面にTe−Oを主成分とする
保護層を設けた光学的情報記録媒体。 - 【請求項2】 Te−O薄膜の平均組成がTeO
X(1.2≦x≦2.0)である請求項1記載の光学的
情報記録媒体。 - 【請求項3】 Te−O薄膜の平均組成がTeO
X(1.5≦x≦2.0)である請求項2記載の光学的
情報記録媒体。 - 【請求項4】 Te−O薄膜が、さらにNを含み、その
濃度がO濃度を越えないことを特徴とする請求項1〜3
の何れかに記載の光学的情報記録媒体。 - 【請求項5】 Te−Oを主成分とする薄膜が、添加元
素Mとして、 0族元素(Ar,Kr,Xe),Ib族元素(Cu,A
g,Au),IIa族元素(Mg,Ca,Sr,Ba),
IIb族元素(Zn、Cd),IIIa族元素(Sc、
Y)、IIIb族元素(B、Al,Ga,In),IVa族
元素(Ti,Zr,Hf),IVb族元素(C,Si,G
e,Sn,Pb),Va族元素(V,Nb,Ta),V
b族元素(N,Sb,Bi),VIa族元素(Cr,M
o,W),VIIIa族元素(Mn)VIII族元素(Fe,C
o,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt)ラン
タノイド元素(La)希土類元素(Dy,Eu,Gd,
Tb)の中から選ばれる少なくとも1つを含み、さらに
条件に応じてはNを含んでなり、 TeaMbOcNd (a+b+c+d=100) [a≧bかつc≧50at%かつd=0]または[a≧
bかつc+d≧50at%かつc≧d>0]の組成式で
表される請求項1、2、3または4に記載の光学的情報
記録媒体。 - 【請求項6】 添加元素MがTeよりも酸化物の標準生
成エネルギーの小さな元素であるとき、保護層の組成が
Te−M−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.
3,0,66.7),C(45.5,0,54.5),D(41.5,8.
5,50),F(25,25,50)で囲まれた組成域にある請
求項5記載の光学的情報記録媒体。 - 【請求項7】 保護層の組成がTe−M−O三角組成図
でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),B(40,
0,60),E(33,17,50),F(25,25,50)で囲ま
れた組成域にある請求項6記載の光学的情報記録媒体。 - 【請求項8】 MがAg,Au,Pt,Pd,Cuの何
れかである請求項6または7に記載の光学的情報記録媒
体。 - 【請求項9】 添加元素MがTeよりも酸化物の標準生
成エネルギーの大きな元素であって、その化学量論的組
成がMOで表されるとき、保護層の組成がTe−M−O
三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.
7),C(40,0,60),G(24,24、52),I(20,2
0,60)で囲まれた組成域にある請求項5記載の光学的
情報記録媒体。 - 【請求項10】 保護層の組成がTe−M−O三角組成
図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),B(4
0,0,60),H(22,22,56),I(20,20,60)で
囲まれた組成域にある請求項9記載の光学的情報記録媒
体。 - 【請求項11】 MがZn、Mg、Sr、Nbの何れか
である請求項9または10に記載の光学的情報記録媒
体。 - 【請求項12】 添加元素MがTeよりも酸化物の標準
生成エネルギーの大きな元素であって、その化学量論的
組成がM2O3で表されるとき、保護層の組成がTe−M
−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,6
6.7),C(45.5,0,54.5),J(21.5,21.5,5
7),L(18,18,64)で囲まれた組成域にある請求項
5記載の光学的情報記録媒体。 - 【請求項13】 保護層の組成がTe−M−O三角組成
図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),B(4
0,0,60),K(20,20,60),L(18,18,64)で
囲まれた組成域にある請求項12記載の光学的情報記録
媒体。 - 【請求項14】 MがAl、Bi、Cr、Dy,Eu,
Gd,Ho,La,Sb,Tb,Ti,Yの何れかであ
る請求項9または10に記載の光学的情報記録媒体。 - 【請求項15】 添加元素MがTeよりも酸化物の標準
生成エネルギーの大きな元素であって、その化学量論的
組成がMO2で表されるとき、保護層の組成がTe−M
−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,6
6.7),C(45.5,0,54.5),M(24,24、52),O
(16.7,16.7,66.6)で囲まれた組成域にある請求項5
記載の光学的情報記録媒体。 - 【請求項16】 保護層の組成がTe−M−O三角組成
図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),B(4
0,0,60),N(23,23,54),O(16.7,16.7,66.
6)で囲まれた組成域にある請求項15記載の光学的情
報記録媒体。 - 【請求項17】 MがSi、Ge、Mn,Sn、Ti,
Zrの何れかである請求項15または16に記載の光学
的情報記録媒体。 - 【請求項18】 添加元素MがTeよりも酸化物の標準
生成エネルギーの大きな元素であって、その化学量論的
組成がM2O5で表されるとき、保護層の組成がTe−M
−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,6
6.7),C(45.5,0,54.5),P(17.5,17.5,6
5),R(15.5,15.5,69)で囲まれた組成域にある請
求項5記載の光学的情報記録媒体。 - 【請求項19】 保護層の組成がTe−M−O三角組成
図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),B(4
0,0,60),Q(16.5,16.5,67),R(15.5,15.
5,69)で囲まれた組成域にある請求項18記載の光学
的情報記録媒体。 - 【請求項20】 MがNb、Sb、Taの何れかである
請求項18または19に記載の光学的情報記録媒体。 - 【請求項21】 添加元素MがTeよりも酸化物の標準
生成エネルギーの大きな元素であって、その化学量論的
組成がMO3で表されるとき、保護層の組成がTe−M
−O三角組成図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,6
6.7),C(45.5,0,54.5),S(16.5,16.5,6
7),U(14.5,14.5,71)で囲まれた組成域にある請
求項5の光学的情報記録媒体。 - 【請求項22】 保護層の組成がTe−M−O三角組成
図でTe,M,Oの順にA(33.3,0,66.7),B(4
0,0,60),T(15.5,15.5,69),U(14.5,14.
5,71)で囲まれた組成域にある請求項21記載の光学
的情報記録媒体。 - 【請求項23】 MがScまたはWの何れかである請求
項21または22に記載の光学的情報記録媒体。 - 【請求項24】 情報記録層が相変化形の材料層からな
り、レーザ照射に応じて光学的に検出可能な複数の状態
間を相変化する請求項1〜23の何れかに記載の光学的
情報記録媒体。 - 【請求項25】 基板上に、Te−Oを主成分とする第
1の保護層、情報記録層、第2のTe−Oを主成分とす
る保護層を含む3つの層、または、上記3つの層にさら
に金属性反射層(または放熱層)を加えた4つの層を含
む多層膜を積層してなる請求項1〜24の何れかに記載
の光学的情報記録媒体。 - 【請求項26】 情報記録層がTeまたはSbを含む合
金薄膜である請求項24または25記載の光学的情報記
録媒体。 - 【請求項27】 基板上にTeまたはSbを含む情報記
録層と、前記情報記録層の少なくとも何れかの面に接し
てTe−Oを主成分とする保護層を設けた層構成を含ん
でなる光学的情報記録媒体の製造方法であって、Te−
Oを主成分とする保護層は、TeターゲットまたはTe
とTeO2混合粉末を固めて形成したTeOX(0≦x≦
2)ターゲットを用い形成し、 この際、Teターゲットを用いる場合には不活性ガスと
酸素ガスの混合ガスまたは不活性ガスと酸素ガスおよび
窒素ガスの混合ガスを用いた反応性スパッタ法により、
またTeOX(0<x≦2)ターゲットを用いる場合に
は、組成に応じて不活性ガスを用いた通常スパッタ法、
不活性ガスと酸素ガスの混合ガス、または不活性ガスと
酸素ガスと窒素ガスの混合ガスを用いた反応性スパッタ
法の何れかによる光学的情報記録媒体の製造方法。 - 【請求項28】 基板上にTeまたはSbを含む情報記
録層と、前記情報記録層の少なくとも何れかの面に接し
てTe−Oを主成分とし添加元素Mを含む保護層を設け
た層構成を含んでなる光学的情報記録媒体の製造方法で
あって、Te−Oを主成分としMを含む保護層は、Te
−M合金またはTe−M混合粉末ターゲットまたはTe
とTeO2とMとM酸化物(またはM窒化物、またはM
窒酸化物)の混合粉末を固めて形成したTe−M−O−
(N)ターゲットを用い形成し、この際、Te−M合金
またはTe−M混合粉末ターゲットを用いる場合には、
不活性ガスと酸素ガスの混合ガスまたは不活性ガスと酸
素ガスおよび窒素ガスの混合ガスを用いた反応性スパッ
タ法により、またTe−M−O−(N)ターゲットを用
いる場合には、組成に応じて不活性ガスを用いた通常ス
パッタ法、不活性ガスと酸素ガスの混合ガス、または不
活性ガスと酸素ガスと窒素ガスの混合ガスを用いた反応
性スパッタ法の何れかによる光学的情報記録媒体の製造
方法。 - 【請求項29】 添加物Mが、 0族元素(Ar,Kr,Xe),Ib族元素(Cu,A
g,Au),IIa族元素(Mg,Ca,Sr,Ba),
IIb族元素(Zn、Cd),IIIa族元素(Sc、
Y),IIIb族元素(B、Al,Ga,In),IVa族
元素(Ti,Zr,Hf),IVb族元素(C,Si,G
e,Sn,Pb),Va族元素(V,Nb,Ta),V
b族元素(N,Sb,Bi),VIa族元素(Cr,M
o,W),VIIa族元素(Mn)VIII族元素(Fe,C
o,Ni,Ru,Rh,Pd,Os,Ir,Pt)ラン
タノイド元素(La)希土類元素(Dy,Eu,Gd,
Tb)の中から選ばれる少なくとも1つである請求項2
7または28に記載の光学的情報記録媒体の製造方法。
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