JP2002295617A - 摩擦ローラ式変速機 - Google Patents

摩擦ローラ式変速機

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JP2002295617A
JP2002295617A JP2001093319A JP2001093319A JP2002295617A JP 2002295617 A JP2002295617 A JP 2002295617A JP 2001093319 A JP2001093319 A JP 2001093319A JP 2001093319 A JP2001093319 A JP 2001093319A JP 2002295617 A JP2002295617 A JP 2002295617A
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peripheral surface
connecting plate
center
casing
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JP2001093319A
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Satoshi Omutsuno
智 大六野
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Original Assignee
NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1個のガイドローラ11と2個のウェッジロ
ーラとを備えた構造で、連結板8aと仕切板37との面
方向に関する位置決めの容易化を図る。 【解決手段】 上記連結板8aと仕切板37との面方向
に関する位置決めを、上記ガイドローラ11を支持する
為の枢軸7aに加えて、ピン53により、一義的に行な
う。この為、上記連結板8aと仕切板37とを結合する
際に、これら両部材8a、37同士を位置決めする為の
治具等が不要になり、上記課題を解決できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種機械装置に
組み込んで、減速或は増速しつつ回転運動を伝達する摩
擦ローラ式変速機に関し、組立作業を精度良く容易に行
なえる構造を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】摩擦ローラ式変速機は、遊星歯車式等の
歯車式変速機に比べて、高速で運転した場合にも発生す
る騒音が小さい。この為、例えば摩擦ローラ式変速機を
電動モータの出力部に組み付けて減速機として使用し、
この電動モータの回転運動を減速すると共にトルクを増
大させる構造が、例えば特開平8−210455号公報
に記載されている。この公報等に記載された一般的な摩
擦ローラ式変速機は、各ローラの周面同士の当接圧を、
伝達すべきトルクの変動に拘らず、常に一定のままに保
持している。この為、伝達効率が必ずしも良好とは言え
ない。良好な伝達効率を確保する為には、伝達すべきト
ルクが小さい場合には上記当接圧を低くし、反対に伝達
すべきトルクが大きい場合には上記当接圧を高くする事
が考えられる。
【0003】この様に、伝達すべきトルクの大きさに応
じて、各ローラの周面同士の当接圧を変化させる構造と
して、米国特許第4709589号明細書には、図8〜
10に示す様な摩擦ローラ式変速機が記載されている。
この従来の摩擦ローラ式変速機は、有底円筒状の本体1
と、請求項に記載した基板部に相当し、この本体1の基
端開口部を塞ぐ蓋体2とから成る固定のケーシング3内
に中心ローラ4の内半部(図8の右半部)を、上記蓋体
2の略中央部に形成した通孔5を通じて挿入している。
尚、この通孔5は、上記蓋体2の中心から、少しだけ外
れた位置に設けている。又、上記中心ローラ4の外半部
(図8の左半部)で上記蓋体2から突出した部分には、
入力軸6の端部を結合固定している。
【0004】又、上記ケーシング3の内側で上記中心ロ
ーラ4の周囲部分には、3本の枢軸7a、7b、7c
を、それぞれこの中心ローラ4と平行に配置している。
即ち、これら各枢軸7a、7b、7cの一端部(図8の
左端部)を上記蓋体2に支持すると共に、他端部(図8
の右端部)を連結板8に支持している。尚、これら3本
の枢軸7a、7b、7cのうち、図9〜10の上部中央
に位置する1本の枢軸7aは、その両端部を上記蓋体2
及び連結板8に形成した嵌合孔9、9に圧入固定してい
る。従って、上記1本の枢軸7aが、上記ケーシング3
内で円周方向或は直径方向に変位する事はない。
【0005】これに対して、図9〜10の下部左右両側
に位置する残り2本の枢軸7b、7cは、両端部を上記
蓋体2及び連結板8に対し、上記ケーシング3の円周方
向及び直径方向に若干の変位自在に支持している。この
為に、上記蓋体2及び連結板8の一部で上記枢軸7b、
7cの両端部に整合する部分には、図10に示す様に、
上記両枢軸7b、7cの外径よりも大きな内径を有する
支持孔10、10を形成し、これら各支持孔10、10
に、上記両枢軸7b、7cの両端部を緩く係合させてい
る。そして、これら各枢軸7a、7b、7cの中間部周
囲に、それぞれが中間ローラであるガイドローラ11及
びウェッジローラ12a、12bを、それぞれラジアル
ニードル軸受13により、回転自在に支持している。
尚、上記連結板8は、上記蓋体2の内面(上記ガイドロ
ーラ11及びウェッジローラ12a、12bを設置した
空間側の面で、図8の右面)の一部で、上記ガイドロー
ラ11及びウェッジローラ12a、12bから外れた位
置に突設した突部14、14に突き当て、連結ボルト1
5、15により、上記蓋体2に連結固定している。
【0006】又、上記ケーシング3の内側で上記ガイド
ローラ11及びウェッジローラ12a、12bを囲む部
分には、円環状の外輪16を、回転自在に設けている。
そして、この外輪16の内周面17と、上記ガイドロー
ラ11及びウェッジローラ12a、12bの外周面1
8、18とを当接自在としている。又、上記外輪16に
は、結合ブラケット19の外径側端部を外嵌固定し、こ
の結合ブラケット19の中心部に、出力軸20の内端部
(図8の左端部)を結合固定している。この出力軸20
は、前記ケーシング3を構成する本体1の中央部に形成
した第二の通孔21を回転自在に挿通して、このケーシ
ング3外に突出させている。
【0007】上記ガイドローラ11及びウェッジローラ
12a、12bの外周面18、18は、それぞれ前記中
心ローラ4の外周面22と、上記外輪16の内周面17
とに当接させている。上記中心ローラ4の中心と上記出
力軸20及び外輪16の中心とは互いに偏心している。
即ち、前述の様に、上記中心ローラ4を挿通する通孔5
は、上記ケーシング3の中心から少しだけ外れた位置に
設けているのに対して、上記出力軸20を挿通する第二
の通孔21は、上記ケーシング3の中心に設けている。
又、この第二の通孔21の内側に回転自在に支持した出
力軸20と外輪16とは、互いに同心である。従って、
上記中心ローラ4と上記外輪16及び出力軸20とは、
上記通孔5のケーシング3の中心からのずれ量δ(図8
参照)分だけ、互いに偏心している。そして、上記中心
ローラ4の外周面22と上記外輪16の内周面17との
間に存在して上記ガイドローラ11及びウェッジローラ
12a、12bが設けられた環状空間23の径方向に関
する幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分だけ、円周
方向に関して不同になっている。
【0008】この様に、上記環状空間23の幅寸法を円
周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ11及
びウェッジローラ12a、12bの外径を異ならせてい
る。即ち、上記外輪16に対し中心ローラ4が偏心して
いる側(図8〜10の下側)に位置するウェッジローラ
12a、12bの径を、互いに同じとすると共に比較的
小径にしている。これに対し、上記外輪16に対し中心
ローラ4が偏心しているのと反対側(図8〜10の上
側)に位置するガイドローラ11の径を、上記両ウェッ
ジローラ12a、12bの径よりも大きくしている。そ
して、これら3個の、それぞれが中間ローラであるガイ
ドローラ11及びウェッジローラ12a、12bの外周
面である外周面18、18を、上記外輪16の内周面1
7及び上記中心ローラ4の外周面22に当接させてい
る。
【0009】尚、それぞれが中間ローラである、上記1
個のガイドローラ11及び2個のウェッジローラ12
a、12bのうち、ガイドローラ11を支持した枢軸7
aは、前述の様に、上記ケーシング3内に固定してい
る。これに対して、ウェッジローラ12a、12bを支
持した枢軸7b、7cは、やはり前述した様に上記ケー
シング3内に、円周方向及び直径方向に若干の変位を自
在に支持している。従って、上記ウェッジローラ12
a、12bも、上記ケーシング3内で円周方向及び直径
方向に若干の変位自在である。そして、前記蓋体2のシ
リンダ孔24、24内に装着した圧縮コイルばね25、
25等の弾性部材により、上記各ウェッジローラ12
a、12bを支持した枢軸7b、7cを、これら各枢軸
7b、7cに回転自在に支持したウェッジローラ12
a、12bを前記環状空間23の幅の狭い部分に向け移
動させるべく、弾性的に押圧している。
【0010】上述の様に構成される従来の摩擦ローラ式
変速機の場合、前記入力軸6に結合した上記中心ローラ
4の回転は、この中心ローラ4の外周面22と、ガイド
ローラ11及びウェッジローラ12a、12bの外周面
18、18との当接部である、各内径側当接部26、2
6を介して、これらガイドローラ11及び何れかのウェ
ッジローラ12a、12bに伝わる。更に、これらガイ
ドローラ11及び何れかのウェッジローラ12a、12
bの回転は、上記各外周面18、18と前記外輪16の
内周面17との当接部である、各外径側当接部27、2
7を介して、この外輪16に伝わる。そして、この外輪
16に結合固定した前記出力軸20が回転する。
【0011】上記中心ローラ4が図9〜10の時計方向
(又は反時計方向)に、外輪16が同じく反時計方向
(又は時計方向)に、それぞれ回転すると、図9〜10
の右側の枢軸7b(又は左側の枢軸7c)に回転自在に
支持したウェッジローラ12a(又は12b)が、上記
環状空間23内で、この環状空間23の径方向に関する
幅の狭い部分(図9〜10の下側中央部分)に向け移動
する。一方、図9〜10の左側の枢軸7c(又は右側の
枢軸7b)に回転自在に支持したウェッジローラ12b
(又は12a)は、上記環状空間23内で、この環状空
間23の幅の広い部分{図9〜10の左側中央部分(又
は図9〜10の右側中央部分)}に向け移動する。この
結果、上記右側の枢軸7b(又は左側の枢軸7c)に回
転自在に支持したウェッジローラ12a(又は12b)
の外周面18が、上記中心ローラ4の外周面22と上記
外輪16の内周面17とを強く押圧する。そして、当該
ウェッジローラ12a(又は12b)に関する外周面1
8と上記中心ローラ4の外周面22との当接部である内
径側当接部26、及び、当該ウェッジローラ12a(又
は12b)に関する外周面18と上記外輪16の内周面
17との当接部である外径側当接部27の当接圧が高く
なる。
【0012】そして、当該ウェッジローラ12a(又は
12b)に関する内径側、外径側両当接部26、27の
当接圧が高くなると、上記中心ローラ4と外輪16との
うちの少なくとも一方の部材が、組み付け隙間、或は弾
性変形等に基づき、それぞれの直径方向に関して僅かに
変位する。この結果、ガイドローラ11の外周面18と
上記中心ローラ4の外周面22との当接部である内径側
当接部26、及び、このガイドローラ11の外周面18
と上記外輪16の内周面17との当接部である外径側当
接部27の当接圧が高くなる。
【0013】上記右側の枢軸7b(又は左側の枢軸7
c)に回転自在に支持したウェッジローラ12a(又は
12b)を、上記環状空間23内でこの環状空間23の
幅の狭い部分に向け移動させようとする力は、上記中心
ローラ4から上記外輪16に伝達するトルクの大きさに
応じて変化する。即ち、上記中心ローラ4の駆動トルク
が大きくなる程、上記ウェッジローラ12a(又は12
b)を上記環状空間23の幅の狭い部分に向け移動させ
ようとする力が大きくなる。そして、この力が大きくな
る程、上記各内径側、外径側両当接部26、27の当接
圧が大きくなる。逆に言えば、上記駆動トルクが小さい
場合には、これら各内径側、外径側両当接部26、27
の当接圧が小さい。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成する摩
擦ローラ式変速機は、両方向の回転力を何れも効率良く
伝達できるが、蓋体2と連結板8との位置合わせが面倒
で、組立作業が煩雑である。この理由は、連結ボルト1
5、15により上記蓋体2と連結板8とを結合する以前
の状態では、これら両部材2、8同士が、ガイドローラ
11を枢支した枢軸7aを中心として、多少なりとも相
対変位自在となる為である。即ち、上記蓋体2と連結板
8との間に掛け渡した3本の枢軸7a、7b、7cのう
ち、ウェッジローラ12a、12bを支持した枢軸7
b、7cの両端部は、上記蓋体2及び連結板8に対し
て、若干の変位自在に支持している。従って、上述の様
に、上記蓋体2と連結板8とが、上記ガイドローラ11
を枢支した枢軸7aを中心として、多少なりとも相対変
位自在となる。
【0015】摩擦ローラ式変速機に所期の(設計値通り
の)性能を発揮させる為には、上記蓋体2と連結板8と
の位置関係が厳密に規制されている必要がある。この為
に従来は、図11〜12に示す様に、位置決め治具28
を使用して上記蓋体2と連結板8とを正規の位置関係に
規制した状態で、これら両部材2、8同士を上記連結ボ
ルト15、15により結合固定する様にしていた。上記
位置決め治具28は、上記蓋体2及び連結板8をがたつ
きなく内嵌自在な内径を有し、内周面の3個所位置に、
ガイドローラ11及びウェッジローラ12a、12bと
の干渉を防止する為の逃げ凹部29、29を形成したも
のである。この様な位置決め治具28を使用する事によ
り、上記蓋体2と連結板8との位置関係を厳密に規制し
て、摩擦ローラ式変速機に所期の性能を発揮させる事は
できるが、組立作業が面倒になる事は避けられない。本
発明は、この様な事情に鑑みて、組立作業が容易にでき
る摩擦ローラ式変速機を実現すべく発明したものであ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の摩擦ローラ式変
速機は、前述した従来から知られている摩擦ローラ式変
速機と同様に、ケーシングと、中心ローラと、外輪と、
基板部と、連結板と、3本の枢軸と、3個の中間ローラ
とを備える。このうちの中心ローラは、上記ケーシング
に対し回転自在に設けられたもので、円筒状の外周面を
有する。又、上記外輪は、上記中心ローラの外周面と上
記ケーシングの内周面との間に、これら中心ローラ及び
ケーシングに対する相対回転を自在に設けられたもの
で、円筒状の内周面を有する。又、上記基板部は、上記
ケーシングの軸方向一端の仕切板部を構成するものであ
る。又、上記連結板は、上記ケーシングの内部に、上記
基板部に対し平行な状態で固定されたものである。又、
上記3本の枢軸は、上記連結板と上記基板部とにそれぞ
れの両端部を支持された状態で上記中心ローラの外周面
と上記ケーシングの内周面との間の環状空間内に、上記
中心ローラと平行に配置されたものである。又、上記3
個の中間ローラは、上記各枢軸により回転自在に支持さ
れたもので、それぞれ円筒状の外周面を有する。そし
て、上記中心ローラの中心と上記外輪の中心とを偏心さ
せる事により、上記環状空間の幅寸法を円周方向に関し
て不同にしている。又、上記3個の中間ローラのうちで
上記環状空間の幅寸法が最も狭くなった部分を挟んで配
置された2個の中間ローラを、上記環状空間の円周方向
に変位自在に支持してウェッジローラとしている。そし
て、弾性部材によりこれら2個のウェッジローラを支持
した2本の枢軸を、上記環状空間のうちで幅の狭い部分
に向け互いに逆方向に弾性的に押圧している。これと共
に、残り1個の中間ローラをガイドローラとして、この
ガイドローラを支持した1本の枢軸の両端部を、上記連
結板と基板部とに固定している。
【0017】特に、本発明の摩擦ローラ式変速機に於い
ては、上記連結板と基板部との間に、上記ガイドローラ
を支持した1本の枢軸の両端部と上記連結板及び基板部
に形成した支持孔との嵌合部に加えて、凹凸係合部を設
けている。そして、少なくともこれら嵌合部と凹凸係合
部との2個所の嵌合及び係合に基づき、上記連結板と基
板部との面方向に関する位置関係を一義的に決定自在と
している。
【0018】
【作用】上述の様に構成する本発明の摩擦ローラ式変速
機によれば、組立作業の容易化を図れる。即ち、少なく
ともこれら嵌合部と凹凸係合部との2個所の嵌合及び係
合に基づき、上記連結板と基板部との面方向に関する位
置関係を一義的に決定できるので、連結板と基板部とを
結合する際に、位置決め治具等、摩擦ローラ式変速機の
構成部品以外の部材を、上記連結板と基板部とに対し着
脱する必要がない。この為、これら連結板と基板部とを
位置合わせしつつ結合固定する作業を容易に行なえて、
摩擦ローラ式変速機全体としての組立作業の容易化を図
れる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1〜6は、請求項1〜2に対応
する、本発明の実施の形態の第1例として、本発明の摩
擦ローラ式変速機を電動車両用駆動装置に組み込んだ状
態を示している。この電動車両用駆動装置は、電動モー
タ30の回転駆動軸31の回転を、本発明の摩擦ローラ
式変速機32を組み込んだ減速装置33により減速して
から、図示しない車輪をそれぞれの外端部に固定した、
左右1対の車軸34、34を回転駆動する様に構成して
いる。上記電動モータ30を構成する為、中間部にロー
タ35を固定した上記回転駆動軸31は、基端部(図1
の左端部)及び中間部をモータケース36及び仕切板3
7に対し、1対の転がり軸受38、38により回転自在
に支持している。このうちの仕切板37は、上記摩擦ロ
ーラ式変速機32のケーシングを構成する蓋体としての
機能を兼ね備えたもので、請求項に記載した基板部に対
応する。
【0020】又、上記回転駆動軸31は、上記減速装置
33のうちの第一段の減速機である上記摩擦ローラ式変
速機32の入力部である中心ローラ4aと、一体に構成
している。又、この摩擦ローラ式変速機32の出力部
と、上記減速装置33のうちの第二段の減速機である歯
車式減速機39の入力部とを結合すべく、この摩擦ロー
ラ式変速機32の出力軸40に、この歯車式減速機39
を構成する減速小歯車41を固定している。この出力軸
40の両端部は減速機ケース42内に、1対の転がり軸
受43、43により回転自在に支持しており、上記減速
小歯車41は、これら両転がり軸受43、43の間部分
で、上記出力軸40に固定している。そして、上記減速
小歯車41を、デファレンシャルギヤ44のリング歯車
を兼ねる、減速大歯車45と噛合させている。
【0021】又、この減速大歯車45は、上記デファレ
ンシャルギヤ44を構成するピニオン46、46を支承
したハウジング47と共に、1対の転がり軸受48、4
8により上記減速機ケース42内に、回転自在に支持し
ている。又、前記1対の車軸34、34は、それぞれ転
がり軸受49、49により上記減速機ケース42に、互
いに独立した回転を自在に支持している。そして、上記
各車軸34、34の内端部にそれぞれスプライン係合等
により回転力の伝達自在に支持したサイド歯車50、5
0を、上記両ピニオン46、46に噛合させて、上記デ
ファレンシャルギヤ44を構成している。又、上記各車
軸34、34が上記減速機ケース42を貫通している部
分には、それぞれシールリング51、51を設けてい
る。
【0022】一方、本発明の対象である、前記摩擦ロー
ラ式変速機32を構成する為に、上記減速機ケース42
の基端部(図1の上端部)に設けた有底円筒状の収納部
52と前記仕切板37とにより囲まれる空間内に、前記
回転駆動軸31と一体に設けた前記中心ローラ4aを配
置している。尚、この中心ローラ4aと同心の上記回転
駆動軸31を挿通すべく、上記仕切板37に設けた通孔
5aは、この仕切板37及び上記収納部52の中心から
少しだけ外れた位置に設けている。
【0023】又、上記収納部52の内側には3本の枢軸
7a、7b、7cを、この中心ローラ4aと平行に配置
している。即ち、これら各枢軸7a、7b、7cの一端
部(図1の左端部)を上記仕切板37に支持すると共
に、同じく他端部(図1の右端部)をこの仕切板37と
平行に配置した連結板8aに支持している。又、上記3
本の枢軸7a、7b、7cのうち、図2の下部に位置す
る1本の枢軸7aは、その両端部を上記仕切板37及び
連結板8aに形成した嵌合孔9a、9aに圧入固定して
いる。一方、後述する様に、上記連結板8aは、上記仕
切板37に対し結合固定している。従って、上記1本の
枢軸7aが、上記収納部52内で円周方向或は直径方向
に変位する事はない。
【0024】これに対して、上記3本の枢軸7a、7
b、7cのうち、図2の上部両側に位置する残り2本の
枢軸7b、7cは、それぞれの両端部を上記仕切板37
及び連結板8aに対し、上記収納部52の円周方向及び
直径方向に関する若干の変位自在に支持している。この
為に、上記仕切板37及び連結板8aの一部で上記2本
の枢軸7b、7cの両端部に整合する部分に、これら各
枢軸7b、7cの外径よりも大きな内径を有する支持孔
10a、10aを形成し、これら各支持孔10a、10
aに、上記各枢軸7b、7cの両端部を緩く係合させて
いる。
【0025】そして、上述の様に支持した各枢軸7a、
7b、7cの中間部周囲に、それぞれが中間ローラであ
るガイドローラ11及びウェッジローラ12a、12b
を、それぞれラジアルニードル軸受13により、回転自
在に支持している。尚、上記連結板8aの一部で、上記
ガイドローラ11及びウェッジローラ12a、12bか
ら外れた位置に、突部14a、14aを突設している。
そして、これら各突部14a、14aの先端面(図1の
左端面)を、上記仕切板37の内面(図1の右面)に突
き当てている。この状態で上記連結板8aを、連結ボル
ト15、15により、上記仕切板37に連結固定してい
る。
【0026】特に、本例の構造の場合には、上記連結板
8aと上記仕切板37との間に、ピン53による凹凸係
合部を設けている。即ち、この連結板8aの片面に設け
た上記各突部14a、14aのうち、上記ガイドローラ
11と円周方向反対側位置に存在する突部14aの先端
面と、上記仕切板37の内面でこの先端面が突き当てら
れる部分とに、互いに整合する凹孔54、54を形成し
ている。そして、上記ピン53をこれら凹孔54、54
に、上記突部14aと上記仕切板37との間に掛け渡す
状態で、がたつきなく内嵌している。この様な、上記ガ
イドローラ11を支持した枢軸7aの両端部と前記各嵌
合孔9a、9aとの嵌合部と、上記ピン53と上記両凹
孔54、54との凹凸係合部との、2個所の嵌合及び係
合に基づき、上記連結板8aと仕切板37との面方向に
関する位置関係が一義的に決定される様にしている。
【0027】上記各連結ボルト15、15により上記連
結板8aと上記仕切板37とを結合固定する作業は、上
記嵌合部と凹凸係合部とによりこれら連結板8aと仕切
板37との面方向に関する位置関係が一義的に決定され
た状態で行なう。従って、上記各連結ボルト15、15
を緊締した状態では、上記連結板8aと上記仕切板37
との位置関係、並びに、これら連結板8aと上記仕切板
37との間に支持された上記ガイドローラ11及び前記
ウェッジローラ12a、12bの位置関係が正規のもの
となる。この結果、前述の図11〜12に示した従来の
組立方法の様に、位置決め治具28を使用する様な面倒
な作業を行なわなくても、前記摩擦ローラ式変速機32
に所期の性能を発揮させる事ができる。
【0028】又、前記収納部52の内側で上記ガイドロ
ーラ11及びウェッジローラ12a、12bを囲む部分
に、円筒状の外輪16aを、回転自在に設けている。そ
して、この外輪16aの内周面である被駆動側円筒面5
5と、上記各ガイドローラ11及びウェッジローラ12
a、12bの外周面である動力伝達用円筒面56、56
とを当接自在としている。又、上記外輪16aの端部
(図1の右端部)は、前記出力軸40の一端部(図1の
左端部)と、回転力の伝達自在に、且つ、ラジアル方向
に関する若干の位置調節自在に結合している。
【0029】この為に、図示の例では、上記外輪16a
の端部の円周方向複数個所に切り欠き57を、上記出力
軸40の一端部に結合固定した連結板58の外周縁複数
個所に突片59、59を、それぞれ形成している。そし
て、これら各突片59、59を上記各切り欠き57に係
合させている。又、上記外輪16aの端部内周面に形成
した係止溝に止め輪60を係止して、上記各突片59、
59が上記各切り欠き57から抜け出る事を防止してい
る。
【0030】上記各ガイドローラ11及びウェッジロー
ラ12a、12bの外周面である、上記動力伝達用円筒
面56、56は、それぞれ前記中心ローラ4aの外周面
である駆動側円筒面61と上記外輪16aの内周面であ
る上記被駆動側円筒面55とに当接させている。又、こ
の状態で、前記回転駆動軸31及び中心ローラ4aの中
心と上記出力軸40及び外輪16aの中心とは互いに偏
心している。即ち、前述の様に、上記中心ローラ4aと
同心の回転駆動軸31を挿通支持する為、前記仕切板3
7に形成した通孔5aは、前記収納部52の中心から少
しだけ外れた位置に設けているのに対して、上記外輪1
6aと同心の出力軸40の中心は、上記収納部52の中
心に一致させている。従って、上記中心ローラ4aと上
記外輪16aとは、上記通孔5aの収納部52の中心か
らのずれ量δ分だけ、互いに偏心している。そして、上
記中心ローラ4aの外周面である上記駆動側円筒面61
と上記外輪16aの内周面である上記被駆動側円筒面5
5との間に存在して上記各ガイドローラ11及びウェッ
ジローラ12a、12bが設けられた環状空間23aの
径方向に関する幅寸法が、このδ分の偏心量に見合う分
だけ、円周方向に関して不同になっている。
【0031】この様に、上記環状空間23aの幅寸法を
円周方向に関して不同にした分、上記ガイドローラ11
及びウェッジローラ12a、12bの外径を異ならせて
いる。即ち、上記ガイドローラ11及びウェッジローラ
12a、12bのうち、上記外輪16aに対し中心ロー
ラ4aが偏心している側(図1〜2の上側)に位置する
ウェッジローラ12a、12bの外径を、互いに同じに
すると共に比較的小径にしている。これに対し、上記外
輪16aに対し中心ローラ4aが偏心しているのと反対
側(図1の下側)に位置するガイドローラ11の外径
を、上記ウェッジローラ12a、12bの外径よりも大
きくしている。そして、上記ガイドローラ11及びウェ
ッジローラ12a、12bの外周面である動力伝達用円
筒面56、56を、それぞれ上記駆動側、被駆動側円筒
面61、55に当接させている。
【0032】尚、上記ガイドローラ11及びウェッジロ
ーラ12a、12bのうち、ガイドローラ11を支持し
た枢軸7aは、前述の様に、上記収納部52内に固定し
ている。これに対して、上記各ウェッジローラ12a、
12bを支持した枢軸7b、7cは、やはり前述した様
に前記収納部52内に、円周方向及び直径方向に関する
若干の変位を自在に支持している。従って、上記各ウェ
ッジローラ12a、12bも、上記収納部52内で円周
方向及び直径方向に若干の変位自在である。そして、前
記仕切板37及び連結板8aのシリンダ孔62、62内
に嵌挿した押圧ピン63、63により、上記各ウェッジ
ローラ12a、12bを支持した枢軸7b、7cを、こ
れら各枢軸7b、7cに回転自在に支持した各ウェッジ
ローラ12a、12bを前記環状空間23aの幅の狭い
部分に向け移動させるべく、この環状空間23aの円周
方向に関して互いに反対に向け、弾性的に軽く押圧して
いる。尚、上記各押圧ピン63、63の押圧力は、これ
ら各押圧ピン63、63の先端部に形成した鍔部と上記
各シリンダ孔62、62の奥面との間に設けた圧縮コイ
ルばね25a、25aにより発生させている。
【0033】本例に組み込む摩擦ローラ式変速機32
は、上述した構成により、中心ローラ4a及び外輪16
aが何れの方向に回転した場合にも、上記2個のウェッ
ジローラ12a、12baのうちの何れか一方のウェッ
ジローラが上記環状空間23aの幅の狭い部分に向け移
動して、上記中心ローラ4aと前記外輪16aとの間で
の回転力を伝達自在とする。
【0034】例えば、この中心ローラ4aが図4に矢印
で示す様に同図の時計方向に回転し、この中心ローラ4
aから上記外輪16aに動力が伝達される場合には、同
図の左側のウェッジローラ12aが上記環状空間23a
のうちの幅の狭い部分に移動する。そして、このウェッ
ジローラ12aの外周面である動力伝達用円筒面56に
より、上記中心ローラ4aの外周面である駆動側円筒面
61と上記外輪16aの内周面である被駆動側円筒面5
5とを強く押圧する。これに対して、上記中心ローラ4
aが図5に矢印で示す様に同図の反時計方向に回転し、
この中心ローラ4aから上記外輪16aに動力が伝達さ
れる場合には、同図の右側のウェッジローラ12bが上
記環状空間23aのうちの幅の狭い部分に移動し、その
外周面である動力伝達用円筒面56により、上記中心ロ
ーラ4aの外周面である駆動側円筒面61と上記外輪1
6aの内周面である被駆動側円筒面55とを強く押圧す
る。そして、何れの場合でも、各ガイドローラ11及び
各ウェッジローラ12a、12bの外周面である各動力
伝達用円筒面56、56と、上記駆動側、被駆動側各円
筒面61、55との当接圧を高めて、上記中心ローラ4
aから上記外輪16aへの動力伝達を効率良く行なえる
様にする。
【0035】尚、上述の様にして、3個の中間ローラの
うちの2個をウェッジローラ12a、12bとする構造
の場合には、上記中心ローラ4aから上記外輪16aに
伝達する動力の方向が何れの場合でも、何れか1個のウ
ェッジローラが、上記環状空間23aの幅の広い側に移
動する傾向になる。即ち、上記各中間ローラは、各内径
側、外径側両当接部26、27で上記中心ローラ4a及
び外輪16aとの摩擦係合に基づいて受ける作用、反作
用により、図4〜5に白抜き矢印で示す様に、上記中心
ローラ4aの回転方向と同方向の力を受ける。又、上記
各ウェッジローラ12a、12bに関しては、それぞれ
の内径側、外径側両当接部26、27から径方向内方
に、図6に太矢印で示す様に加わる力fN が、同図に示
す様に、非直線上に加わる。この為、これらの力が互い
に相殺し切れず、上記環状空間23aの周方向の分力が
生じる。動力伝達時にこの環状空間23aの幅が広い側
に変位しようとするウェッジローラ12a、12bに関
しては、上記分力の方向が、上記作用、反作用に基づく
力fT 方向と一致して、合力fとなる。従って、上記環
状空間23aの幅が広い側に変位しようとするウェッジ
ローラ12a、12bをそのままにしておくと、上記環
状空間23aの幅が広い部分に大きく退避してしまう。
【0036】この様な退避が生じると、上記環状空間2
3aの幅が狭い側に変位するウェッジローラ12a、1
2bが上記中心ローラ4aの外周面及び上記外輪16a
の内周面を強く押圧しても、これら中心ローラ4a及び
外輪16aが径方向に変位(退避)してしまう。この結
果、各中間ローラの内径側、外径側両当接部26、27
の当接圧が十分に上昇せず、これら各当接部で滑りが生
じて、上記中心ローラ4aから上記外輪16aへの動力
の伝達効率が悪化する。
【0037】この様な原因での動力の伝達効率の悪化を
防止する為に、本例の場合には、上記2個のウェッジロ
ーラ12a、12bが上記環状空間23aの幅の広い部
分に向けて移動可能な量を規制している。この為に本例
の場合には、図3に示す様に、上記各ウェッジローラ1
2a、12bを支持する枢軸7b、7cの両端部を挿入
する為、前記仕切板37及び連結板8aに形成した支持
孔10a、10aの内径を、上記枢軸7b、7cの外径
よりも少し大きいだけにすると共に、これら各支持孔1
0a、10aを、各シリンダ孔62、62よりも深くし
ている。この構成により、上記各ウェッジローラ12
a、12bが上記環状空間23aの幅の広い側に最も移
動した状態、即ち、図3に示す様に、上記枢軸7b、7
cの両端部が、前記各圧縮コイルばね25a、25aを
圧縮しつつ、上記各支持孔10a、10aの内周面のう
ちで上記各シリンダ孔62、62よりも深い部分に当接
した状態でも、上記各ウェッジローラ12a、12bが
上記中心ローラ4aと上記外輪16aとの間での動力伝
達時に、上記内径側、外径側両当接部26、27の当接
圧を確保できる様にしている。
【0038】上述の様に構成する本例の場合、上記中心
ローラ4aから上記外輪16aへの動力伝達時には、3
個の中間ローラである、前記1個のガイドローラ11と
上記2個のウェッジローラ12a、12bの外周面であ
る動力伝達用円筒面56、56が総て、上記中心ローラ
4aの外周面に設けた駆動側円筒面61と上記外輪16
aの内周面に設けた被駆動側円筒面55とに強く当接す
る。即ち、回転駆動軸31の回転駆動力が大きくなる事
に伴い、上記中心ローラ4aの回転方向及び動力の伝達
方向に対応して定まる何れか1個のウェッジローラ(図
4の場合の12a、図5の場合の12b)が上記環状空
間23aの幅の狭い部分に向け移動する。そして、この
何れか1個のウェッジローラ(12a又は12b)が上
記中心ローラ4a及び外輪16aを押圧する力が大きく
なった場合でも、これら中心ローラ4a及び外輪16a
が、上記ガイドローラ29と上記各ウェッジローラ12
a、12bの外周面から退避する方向に大きく変位する
事はない。
【0039】即ち、上記中心ローラ4a及び外輪16a
の回転に伴って上記環状空間23aの幅の広い部分に向
け移動する傾向となるウェッジローラ12a、12b
も、この部分への移動距離を抑えられているので、上記
駆動側円筒面61と上記被駆動側円筒面55との間で突
っ張る事になる。この結果、前記内径側、外径側両当接
部26、27の当接圧を十分に確保して、これら各当接
部26、27で滑りが生じるのを防止できて、大きな回
転力を伝達できると共に、高い伝達効率を得られる。
【0040】又、本例の電動車両用減速機に組み込む摩
擦ローラ式変速機32の場合には、構成各部材が弾性変
形したり、更には上記外輪16aが熱膨張した場合で
も、このガイドローラ11及び上記各ウェッジローラ1
2a、12bに関する内径側、外径側両当接部26、2
7の当接圧を、設計値通りに規制できる。即ち、上述の
様に、上記外輪16aを前記出力軸40に対し、若干の
変位自在に支持している為、上記ウェッジローラ12
a、12bが上記環状空間23aの幅寸法が狭い部分に
変位するのに伴って、上記外輪16aがラジアル方向に
自在に変位する。そして、上記ガイドローラ11及びウ
ェッジローラ12a、12b(総ての中間ローラ)に関
する内径側、外径側両当接部26、27の当接圧を設計
値通りにする。従って、上記構成各部材が弾性変形した
り、更には上記外輪16aが熱膨張した場合でも、高い
伝達効率を得られる。
【0041】上述の様に構成し作用する摩擦ローラ式変
速機32を組み込んだ、本例の電動車両用減速機の場合
には、高速運転される前段部分に、運転時に発生する騒
音並びに振動が低い、摩擦ローラ式変速機32を組み込
んでいる為、運転時に耳障りな程の騒音や不快な程の振
動は発生する事がない。後段部分に組み込まれた歯車式
減速機39及びデファレンシャルギヤ44は、上記摩擦
ローラ式変速機32による減速を行なった後の状態で、
比較的低速で運転される。即ち、この摩擦ローラ式変速
機32は、5〜7程度の大きな減速比を得られ、その
分、上記歯車式減速機39の運転速度が低くなる。この
為、この歯車式減速機39が耳障りな程の騒音や不快な
程の振動が発生する事はない。
【0042】しかも、上記摩擦ローラ式変速機32は、
伝達すべき動力(トルク)の大きさに応じて、前記動力
伝達用円筒面56、56と駆動側円筒面61及び被駆動
側円筒面55との当接圧を調節する、ウェッジローラ式
のものである為、前記電動モータ30からの出力を、効
率良く上記歯車式減速機39に伝達できる。この為、こ
の電動モータ30の電力消費を少なくして、バッテリー
の消耗を抑える事ができる。
【0043】次に、図7は、請求項1、3に対応する、
本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合
には、連結板8bと請求項に記載した基板部である仕切
板37との間に、この連結板8bの周縁部の一部であ
り、各中間ローラと干渉しない部分である、各突部14
bに整合する部分に突設された立壁64と、この仕切板
37の外周縁部との係合部である、凹凸係合部を設けて
いる。これに合わせて本例の場合には、上記連結板8b
と仕切板37とを連結する為の突部14bを仕切板37
の側で、中間ローラを避けた円周方向3個所位置に設け
ている。そして、この3個所位置に設けた上記各突部1
4bの外周縁部に、上記立壁64とがたつきなく係合す
る段差部65を形成している。
【0044】そして、これら立壁64と段差部65との
係合、並びにガイドローラ11を枢支する為の枢軸7a
の両端部と嵌合孔9a、9aとの嵌合に基づき、上記連
結板8bと仕切板37との面方向に関する位置関係が一
義的に決定される様にしている。本例の場合、各連結ボ
ルト15により上記連結板8bと上記仕切板37とを結
合固定する作業は、上記立壁64と段差部65との係合
にによりこれら連結板8bと仕切板37との面方向に関
する位置関係が一義的に決定した状態で行なう。従っ
て、本例の場合も、前述の図11〜12に示した従来の
組立方法の様に、位置決め治具28を使用する様な面倒
な作業を行なわなくても、前記摩擦ローラ式変速機32
に所期の性能を発揮させる事ができる。
【0045】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成し作用
する為、組立作業が容易で低コスト化を図れる摩擦ロー
ラ式変速機を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】図2の拡大B−B断面図。
【図4】摩擦ローラ変速機が一方向の回転を伝達する状
態を説明する為の、図2と同方向から見た略断面図。
【図5】同じく他方向の回転を伝達する状態を説明する
為の、図2と同方向から見た略断面図。
【図6】回転伝達時に、一方のウェッジローラを環状空
間の幅の狭い側に移動させる方向に加わる力を説明する
為の、図4のC部拡大図。
【図7】本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。
【図8】従来構造の第1例を示す断面図。
【図9】図8のD−D断面図。
【図10】同E−E断面図。
【図11】従来構造の摩擦ローラ式変速機を組み立てる
状態を、図8の右方から見た状態で示す図。
【図12】図11のF−F断面図。
【符号の説明】
1 本体 2 蓋体 3 ケーシング 4、4a 中心ローラ 5、5a 通孔 6 入力軸 7a、7b、7c 枢軸 8、8a、8b 連結板 9、9a 嵌合孔 10、10a 支持孔 11 ガイドローラ 12a、12b ウェッジローラ 13 ラジアルニードル軸受 14、14a 突部 15 連結ボルト 16、16a 外輪 17 内周面 18 外周面 19 結合ブラケット 20 出力軸 21 第二の通孔 22 外周面 23、23a 環状空間 24 シリンダ孔 25、25a 圧縮コイルばね 26 内径側当接部 27 外径側当接部 28 位置決め治具 29 逃げ凹部 30 電動モータ 31 回転駆動軸 32 摩擦ローラ式変速機 33 減速装置 34 車軸 35 ロータ 36 モータケース 37 仕切板 38 転がり軸受 39 歯車式減速機 40 出力軸 41 減速小歯車 42 減速機ケース 43 転がり軸受 44 デファレンシャルギヤ 45 減速大歯車 46 ピニオン 47 ハウジング 48 転がり軸受 49 転がり軸受 50 サイド歯車 51 シールリング 52 収納部 53 ピン 54 凹孔 55 被駆動側円筒面 56 動力伝達用円筒面 57 切り欠き 59 突片 60 止め輪 61 駆動側円筒面 62 シリンダ孔 63 押圧ピン 64 立壁 65 段差部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、このケーシングに対し回
    転自在に設けられた、円筒状の外周面を有する中心ロー
    ラと、この中心ローラの外周面と上記ケーシングの内周
    面との間に、これら中心ローラ及びケーシングに対する
    相対回転を自在に設けられた、円筒状の内周面を有する
    外輪と、上記ケーシングの軸方向一端の仕切板部を構成
    する基板部と、このケーシングの内部にこの基板部に対
    し平行な状態で固定された連結板と、この連結板と上記
    基板部とにそれぞれの両端部を支持された状態で上記中
    心ローラの外周面と上記ケーシングの内周面との間の環
    状空間内に、上記中心ローラと平行に配置された3本の
    枢軸と、これら各枢軸により回転自在に支持された、そ
    れぞれ円筒状の外周面を有する3個の中間ローラとを備
    え、上記中心ローラの中心と上記外輪の中心とを偏心さ
    せる事により、上記環状空間の幅寸法を円周方向に関し
    て不同にし、上記3個の中間ローラのうちでこの環状空
    間の幅寸法が最も狭くなった部分を挟んで配置された2
    個の中間ローラを、上記環状空間の円周方向に変位自在
    に支持してウェッジローラとし、弾性部材によりこれら
    2個のウェッジローラを支持した2本の枢軸を、上記環
    状空間のうちで幅の狭い部分に向け互いに逆方向に弾性
    的に押圧すると共に、残り1個の中間ローラをガイドロ
    ーラとしてこのガイドローラを支持した1本の枢軸の両
    端部を上記連結板と基板部とに固定した摩擦ローラ式変
    速機に於いて、上記連結板と基板部との間に、上記ガイ
    ドローラを支持した1本の枢軸の両端部と上記連結板及
    び基板部に形成した支持孔との嵌合部に加えて凹凸係合
    部を設け、少なくともこれら嵌合部と凹凸係合部との2
    個所の嵌合及び係合に基づき、上記連結板と基板部との
    面方向に関する位置関係を一義的に決定自在とした事を
    特徴とする摩擦ローラ式変速機。
  2. 【請求項2】 凹凸係合部が、連結板と基板部との一方
    に片半部をがたつきなく挿入したピンと、これら連結板
    と基板部との他方に形成された、このピンの他半部をが
    たつきなく挿入自在な係止孔とから成る、請求項1に記
    載した摩擦ローラ式変速機。
  3. 【請求項3】 凹凸係合部が、連結板と基板部との一方
    の周縁部の一部に突設された立壁と、これら連結板と基
    板部との他方の外周縁部との係合部である、請求項1に
    記載した摩擦ローラ式変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013107536A (ja) * 2011-11-22 2013-06-06 Nsk Ltd 電気自動車用駆動装置
US11368071B2 (en) 2018-03-21 2022-06-21 Dyson Technology Limited Electric drive

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