JP2002295502A - 動力伝達継手及び電動式動力舵取装置 - Google Patents

動力伝達継手及び電動式動力舵取装置

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JP2002295502A
JP2002295502A JP2001101142A JP2001101142A JP2002295502A JP 2002295502 A JP2002295502 A JP 2002295502A JP 2001101142 A JP2001101142 A JP 2001101142A JP 2001101142 A JP2001101142 A JP 2001101142A JP 2002295502 A JP2002295502 A JP 2002295502A
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shaft
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transmission joint
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Yamato Arai
大和 新井
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】例えばコラム型の電動式動力舵取装置におい
て、静粛性に優れ且つ強度のある動力伝達継手を提供す
ること。 【解決手段】動力伝達継手Aは同軸上に並ぶ軸の間に介
在してトルクを伝達するオルダム継手であり、本体36
と弾性部材52を備える。本体36は強度のある合成樹
脂材料を射出成形してなる。弾性部材52は熱可塑性エ
ラストマからなり、本体36の連結溝37の凹部51に
収容され保持される。弾性部材52の厚みは例えば2m
m以下、好ましくは1mm以下と薄くしてある。打音は
衝突の初期に発生するので、薄手の弾性部材52でも充
分に打音を抑制できる。薄手の弾性部材52は、あまり
変形せずに衝撃荷重を本体36に受けさせるので、耐久
性に優れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同軸上に並ぶ駆動
軸と被動軸との間に介在してトルクを伝達する動力伝達
継手及びこれを含む電動式動力舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】自動
車用の舵取装置では、操舵輪に連なる第1操舵軸と、こ
の第1操舵軸にトーションバーを介して連結されると共
に舵取機構に連なる第2操舵軸とを備えている。舵取装
置において、第1および第2の操舵軸の回転方向への相
対変位量をトルクセンサにより検出し、このトルクセン
サの検出結果に基づいて電動モータのモータ軸の回転を
動力伝達継手及び減速機構を介して第2操舵軸に伝える
ことにより、操舵輪の回転に応じた舵取機構の動作を電
動モータの回転により補助し、舵取りのための運転者の
労力負担を軽減する電動式動力舵取装置が提供されてい
る。この種の電動式動力舵取装置は、電動モータ、動力
伝達継手及び減速機構等からなる操舵補助ユニットをス
テアリングコラムやラック・ピニオン部に配置するもの
が知られている。前者のものは、コラムアシスト型電動
式動力舵取装置(C−EPS)と呼ばれている。後者の
ものとしては、電動モータのトルクを、車幅方向に沿っ
て延びるラックバーに伝えるR−EPS(ラックアシス
ト型電動式動力舵取装置)、D・D−EPS(ダイレク
トドライブ型電動式動力舵取装置)、ラックを駆動する
ピニオンをアシストするP−EPS(ピニオンアシスト
型電動式動力舵取装置)がある。
【0003】コラムアシスト型電動式動力舵取装置を例
にとって説明すると、操舵補助ユニットが車室内に配置
されるため、操舵補助ユニットの動作音をできるだけ小
さくすることが好ましいのに対し、動力伝達継手と電動
モータのモータ軸との連結部や、動力伝達継手と減速機
構のギヤ軸との連結部では、歯同士の打音(ラトル音)
が生じ易いという問題がある。一方、上記の動力伝達継
手としてオルダム継手が用いられる場合がある。オルダ
ム継手では、その両端に形成される各連結溝の動力伝達
面に対して、対応する軸がすべり対偶をなしている。こ
のため、各連結溝と対応する軸との間に互いの相対的な
滑りを許容するための所定量の隙間が必要となるが、こ
の隙間が原因で打音が大きくなる傾向にある。
【0004】そこで、動力伝達継手として合成樹脂を用
い、打音による騒音を低減することが試みられている。
ところで、近年、伝達トルクの大きい車種についても動
力舵取装置の電動化が進んでおり、動力伝達継手とし
て、大きな伝達トルクに耐え得る高い強度を持つものが
求められている。そこで、高強度を達成するために、動
力伝達継手に用いる合成樹脂を高配合率のガラス繊維で
補強したりすることが試みられているが、このように強
度を高くすると、硬度が増加する一方で、打音による騒
音が大きくなり、十分な静粛性が得られない。逆に、静
粛性を確保するべく柔らかい合成樹脂を用いると、強度
が不足すると共に、耐久性が低下する。
【0005】このような問題は、自動車のコラムアシス
ト型電動式動力舵取装置に用いる動力伝達継手に限ら
ず、一般の駆動系にも存在する。本発明は、上記課題に
鑑みてなされたものであり、静粛性に優れ且つ強度が高
くしかも耐久性のある動力伝達継手及びこれを用いた電
動式動力舵取装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記目
的を達成するため、本発明は、対応する軸の連結部を挿
入して連結するための連結溝を有する本体を備え、本体
の連結溝の内面に形成された凹部に、対応する軸の連結
部の隅角部に係合する弾性部材を収容して保持してある
ことを特徴とするものである。本発明によれば、本体と
して強度のある合成樹脂製を用いることにより、十分な
強度を確保できる。しかも、本体が対応する軸に係合す
る部分には弾性部材を配置してあるので、打音等の騒音
を低減することができる。弾性部材は凹部に収容してあ
るので、弾性部材の過度な変形を凹部内の底部や壁面で
規制でき、これにより、弾性部材の耐久性を向上するこ
とができる。その結果、静粛性に優れ且つ強度が高くし
かも耐久性のある動力伝達継手を得ることができる。
【0007】一方、本願発明者は、弾性部材の厚みとし
ては、2mm以下、より好ましくは1mm以下という比
較的薄いものを用いることが、打音の発生を防止しつつ
弾性部材の耐久性を向上させるうえで好ましい。これ
は、衝突の初期に発生する打音は薄手の弾性部材でも充
分に抑制できる一方で、トルクを伝達するための押圧荷
重は薄手の弾性部材をあまり変形させることなく凹部内
の底や壁面で受け、結果として弾性部材の耐久性を向上
させようという趣旨である。
【0008】また、上記動力伝達継手において、上記凹
部の底部は、対応する軸の連結部の隅角部の回転方向側
に浅底部を形成し、残りに深底部を形成していれば好ま
しい。これは、衝撃トルクが大きいときに特に有効であ
り、耐久性を向上させることができる。というのは、仮
に、凹部として一様な深さを持つものを用いる場合、衝
撃トルクが大きいときに、連結部の隅角部が弾性部材を
圧縮しながら凹部内に深く侵入してしまうが、本発明の
ように浅底部を設けている場合、隅角部が凹部内に深く
侵入することを抑制でき、したがって、弾性部材をあま
り変形させずに、浅底部やこれに隣接する凹部の壁面で
衝撃荷重を受けることができるからである。
【0009】また、上記動力伝達継手において、上記弾
性部材の底部と凹部の底部とが接合されていなければ、
トルクを伝達するための押圧荷重を受ける弾性部材の表
面と、弾性部材の底部との間で働く剪断応力を抑制する
ことができるので、弾性部材の耐久性を向上できる点で
好ましい。また、上記弾性部材は、本体からの抜脱防止
用のアンカー部を含む一体成形品からなっていれば、製
造コストを安くしつつ弾性部材の保持をより確実なもの
とすることができる。
【0010】また、上記動力伝達継手において、一対の
端部に、それぞれ対応する軸の断面矩形の連結部を連結
するための断面矩形の連結溝を設けてオルダム継手を構
成していれば好ましい。すなわち、オルダム継手では、
各連結溝の動力伝達面に対して対応する軸がすべり対偶
をなしているため、各連結溝と対応する軸との間に互い
の相対的な滑りを許容するための所定量の隙間が必要と
なり、この隙間が原因で動作音が大きくなる傾向にある
が、この動作音を弾性部材によって十分に低減しつつ、
合成樹脂からなる本体によって十分な強度を確保できる
からである。
【0011】また、上記動力伝達継手を、電動モータの
駆動力を減速機構を介して操舵軸に伝えて操舵を補助す
る電動式動力舵取装置に適用し、上記電動モータのモー
タ軸と減速機構のギヤ軸との間が上記動力伝達継手を介
して連結されていれば、自動車の室内の騒音を低減し
て、ユーザーに不快感を与えない点で好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を、添付図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明
の一実施の形態の動力伝達継手が適用された電動式動力
舵取装置の構成を示す模式図である。図1を参照して、
電動式動力舵取装置1(以下では、単に舵取装置1とも
いう)は、操舵輪(ステアリングホイール)2に連結し
ている操舵軸(ステアリングシャフト)3と、操舵軸3
の先端部に設けられたピニオンギヤ4と、このピニオン
ギヤ4に噛み合うラックギヤ5を形成して車両の左右方
向に延びるラック軸6とを有している。
【0013】ラック軸6の両端部にはそれぞれタイロッ
ド7が結合されており、各タイロッド7は対応するナッ
クルアームを介して対応する車輪8に連結されている。
操舵輪2が操作されて操舵軸3が回転されると、この回
転がピニオンギヤ4およびラックギヤ5によって、車両
の左右方向に沿ってのラック軸6の直線運動に変換され
る。これにより、車輪8の転舵が達成される。操舵軸3
は、操舵輪2に連なる筒状の第1操舵軸9と、ピニオン
4に連なる第2操舵軸10とに分割されており、これら
第1操舵軸9と第2操舵軸10とはトーションバー11
を介して同一の軸線上で互いに連結されている。
【0014】トーションバー11を介する第1操舵軸9
と第2操舵軸10の相対回転変位量により操舵トルクを
検出するトルクセンサ12が設けられており、このトル
クセンサ12のトルク検出結果は制御部13に与えられ
る。制御部13では、トルク検出結果に基づいて、ドラ
イバ14を介して操舵補助用の電動モータ15への印加
電圧を制御する。電動モータ15のモータ軸16(図2
参照)の回転が、ウォーム機構を含む減速機構17を介
して第2操舵軸10に伝達され、操舵が補助される。
【0015】図2を参照して、減速機構17は、電動モ
ータ15のモータ軸16の端部16aに動力伝達継手A
を介して連なるギヤ軸としてのウォーム軸18の軸長方
向の中間に一体に形成されたウォーム19と、第2操舵
軸10に一体回転可能に係合されるウォームホイール2
0とを備えている。ウォーム軸18は、第2操舵軸10
の軸芯と交差するように配置されている。ウォーム軸1
8の軸長方向に相対向する第1及び第2の端部21,2
2は、玉軸受を用いてなる第1及び第2の軸受23,2
4を介してギヤハウジング25の第1及び第2の軸受孔
26,27に回転可能に支持されている。
【0016】ウォーム軸18は、第1及び第2の軸受2
3,24間の中間の部分に上記ウォーム19を一体に形
成している。ウォーム軸18の第1の端部21は動力伝
達継手Aを介して上記モータ軸16の端部16aに連結
されている。第2の軸受24に関連してバックラッシ調
整機構28が設けられている。バックラッシ調整機構2
8は、付勢部材29の付勢力を受け部材30を介して第
2の軸受24に与え、第2の軸受24を介してウォーム
軸18の第2の端部22をウォームホイール20側へ付
勢させて、ウォーム19とウォームホイール20の間の
バックラッシュをなくす。30は付勢力調整用のねじで
あり、31はロックナットである。33は第2の軸受2
4の偏倚を許容するために第2の軸受孔27に形成され
た凹部である。
【0017】34は第1の軸受23を介してウォーム軸
18を軸方向に位置決めするねじである。35はねじ3
4を止定するロックナットである。次いで、動力伝達継
手Aは、例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリフ
ェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂材料を射出
成形してなる図3および図4に示すような本体36と、
図4に示すように本体36の所要部に保持される弾性部
材52とにより構成されている。
【0018】まず、図3を参照して、本体36について
説明する。図3においては、弾性部材52の図示を省略
してある。本体36は軸状をなし、相対向する第1およ
び第2の端部37,38には、第1の連結溝39と、第
2の連結溝40がそれぞれ形成される。両連結溝39,
40は底部で互いに連通しており、図4に示すように、
弾性部材52は各連結溝39,40の動力伝達面45,
46の一部に設けられている。
【0019】図3を参照して、第1の連結溝39は、駆
動軸としてのモータ軸16の端部16aに形成された連
結部としての突条41に嵌め合わされる。一方、第2の
連結溝40は、被動軸(ギヤ軸)としてのウォーム軸1
8の第2の端部21に形成された連結部としての突条4
2に嵌め合わされる。本動力伝達継手Aはオルダム継手
を構成しており、突条41,42は、いわゆるすべりこ
(スライダ)として機能する。
【0020】モータ軸16の突条41は断面略矩形をな
し、二面幅を形成する互いに平行な一対の平坦面からな
る動力伝達面43,43を有している。突条41に対応
する第1の連結溝39は断面略矩形をなす孔からなり、
突条41の一対の動力伝達面43,43にそれぞれ係合
する互いに平行な一対の平坦な動力伝達面45,45を
有している。一対の動力伝達面45,45は本体36の
軸線に平行であるとともに、連結溝39の断面のなす矩
形の一対の長辺にそれぞれ沿っている。連結溝39の断
面のなす矩形の長辺の長さは、突条41の断面のなす矩
形の長辺の長さよりも若干長く設定されており、モータ
軸15の端部16aと動力伝達継手Aの第1の端部37
は、長辺に沿って相対変位できるようにされている。
【0021】同様に、被動側のウォーム軸18の突条4
2も断面略矩形をなし、二面幅を形成する互いに平行な
一対の平坦面からなる動力伝達面44,44を有してい
る。突条42に対応する第2の連結溝40は断面略矩形
をなす孔からなり、突条42の一対の平坦面44,44
にそれぞれ係合する互いに平行な一対の動力伝達面4
6,46を有している。一対の動力伝達面46,46は
本体36の軸線に平行であるとともに、連結溝40の断
面のなす矩形の一対の長辺にそれぞれ沿っている。連結
溝40の断面のなす矩形の長辺の長さは、突条42の断
面のなす矩形の長辺の長さよりも若干長く設定されてお
り、ウォーム軸18の第1の端部21と動力伝達継手A
の第2の端部38とは長辺に沿って相対変位できるよう
にされている。
【0022】また、図3に示すように、連結溝39の断
面のなす矩形の長辺が延びる方向X(すなわち動力伝達
面45,45が沿う方向)と、連結溝40の断面のなす
矩形の長辺が延びる方向Y(すなわち動力伝達面46,
46が沿う方向)とは、例えば略直交するようにして互
いに交差している。次いで、図4を参照して、弾性部材
52について説明する。連結溝39の各動力伝達面45
には、モータ軸16の突条41の4つの隅角部53に係
合する部位に対応して凹部51が形成されており、各凹
部51に弾性部材52が収容され保持されている。すな
わち、弾性部材52を連結溝39の断面のなす矩形の一
対の長片のみに対応して設けられている。凹部51に収
容された弾性部材52の表面と、残りの動力伝達面45
の部分とは、面一とされている。
【0023】なお、凹部51は本体36の軸線に平行に
延びている。凹部51は連結溝39の底まで延びていて
も良いし、途中まで延びるものであっても良い。弾性部
材52としては、本体36を構成する合成樹脂よりも硬
度の低い、例えば、ウレタン系、エステル系、アミド系
等の熱可塑性エラストマ(TPE)を用いることができ
る。凹部51の内面と弾性部材52とは互いに接着して
あっても良いし、接着しなくても良い。図示していない
が、連結溝40の各動力伝達面43にそれぞれ一対が配
置される弾性部材52についても、連結溝39の弾性部
材52と同様の構成である。
【0024】本実施の形態によれば、本体36としては
強度のある合成樹脂製を用い、本体36が対応するモー
タ軸16やウォーム軸18に係合する部分には弾性部材
52を配置してあるので、高い強度を確保しつつ打音等
の騒音を低減することができる。また、弾性部材52を
凹部51に収容してあるので、図5に示すように、突条
41の隅角部53が弾性部材52に衝突するときに、弾
性部材52の過度な変形を凹部51内の底部54や壁面
55にて規制でき、これにより、弾性部材52の耐久性
を向上することができる。
【0025】さらに、図5を参照して、弾性部材52の
厚みT(凹部51の深さに相当)が2mm以下である場
合は、打音の発生を防止しつつ耐久性を向上させるうえ
で好ましく、さらに、弾性部材の厚みTが1mm以下で
ある場合は、さらに好ましい。というのは、打音は衝突
の初期に発生するので、薄手の弾性部材52であっても
充分に打音を抑制できる一方で、弾性部材52を薄くす
ることにより、トルクを伝達するための押圧荷重を、弾
性部材52をあまり変形させることなく凹部51内の底
部54や壁面55で受けることができ、その結果、弾性
部材52の耐久性を向上させることができるからであ
る。
【0026】また、弾性部材52の底部と凹部51の底
部54とが接合されていなければ、トルクを伝達するた
めの押圧荷重を受ける弾性部材52の表面と、弾性部材
52の底部との間で働く剪断応力を抑制することができ
るので、弾性部材52の耐久性を向上できる点でより好
ましい。この場合、弾性部材52と凹部51の壁面55
とは互いに接着してあっても良いし、していなくても良
い。特に、本動力伝達継手Aがオルダム継手を構成して
いるので、特に顕著な効果を発揮することができる。す
なわち、オルダム継手では、各連結溝39,40の動力
伝達面45,46に対して対応する軸16,18がすべ
り対偶をなしているため、各連結溝39,40と対応す
る軸16,18との間に互いの相対的な滑りを許容する
ための所定量の隙間が必要となり、この隙間が原因で動
作音が大きくなる傾向にあるが、この動作音を格段に低
減することができるからである。
【0027】さらに、本実施の形態のように、本動力伝
達継手Aをコラムアシスト型の電動式動力舵取装置に適
用し、上記電動モータ15のモータ軸16と減速機構1
7のウォーム軸18との間を本動力伝達継手Aを介して
連結しているので、より顕著な効果を発揮することがで
きる。というのは、コラムアシスト型の電動式動力舵取
装置では、電動モータ15、動力伝達継手A及び減速機
構17を含む操舵補助ユニットが自動車の車室内に配置
される関係上、特に静粛性が要求されるが、上記の打音
の防止により、自動車の室内の騒音を格段に低減して、
ユーザーに不快感を与えなくすることができるからであ
る。
【0028】本実施の形態のように、動力伝達継手Aが
双方向に回転する場合は、各動力伝達面45に弾性部材
52を一対ずつ設ける必要があるが、仮に、動力伝達継
手Aの回転方向が一方向に規定されている場合、各動力
伝達面45に弾性部材52を一つずつ設けて、突条41
の対角線上に配置するようにしても良い。なお、図4の
実施の形態において、一対の動力伝達面45,45のう
ち同じ動力伝達面45に配置される一対の弾性部材5
2,52を、図6に示すように、薄手の連結部56で連
結して一体成形品57を構成しても良い。この場合、各
弾性部材52を個別に成形する場合と比較して、製造コ
ストを安くすることができると共に、成形もし易くな
る。
【0029】また、図4の実施の形態において、図7に
示すように、凹部51の底部54が二段底を形成してい
ても良い。すなわち、底部54において、連結部として
の突条41の隅角部53の回転方向側に浅底部54aを
形成し、残りに深底部54bを形成する。この場合、衝
撃トルクが大きいときにも、隅角部53が凹部51内に
深く侵入することを抑制でき、したがって、弾性部材5
2Aをあまり変形させずに、浅底部54aやこれに隣接
する凹部51の壁面55で衝撃荷重を受けることができ
る。すなわち、動力伝達部材52Aの容量としては成形
し易い容量を確保しつつ、動力伝達部材52Aの所要部
のみを薄くして耐久性を向上させるわけである。
【0030】また、図8に示すように、連結溝39を挟
んで相対向する一対の溝形の弾性部材58,58を用
い、動力伝達面45に沿う各弾性部材58のフランジ状
の端部58aによって、突条41の隅角部53を受ける
ようにしても良い。この場合、コの字形形状をなす弾性
部材58が本体36に接着せずとも、弾性部材58の保
持を確実とすることができる。また、図9に示すよう
に、各弾性部材52を対応する凹部51に保持するため
のアンカー部59を設けておいても良い。アンカー部5
9は、本体36の周面36aから凹部51に達する樹脂
材料供給孔を通して凹部51内に樹脂材料を供給して、
凹部51内に弾性部材52を成形するときに、樹脂材料
供給孔に残存する成形樹脂からなる。この場合、弾性部
材52の成形時に弾性部材52の脱落防止構造を得るこ
とができ、成形し易いうえに、弾性部材52の保持を確
実とすることができる。
【0031】また、図8の実施の形態において、二色成
形を用いることにより、図10に示すようにアンカー部
60を設けることもできる。すなわち、アンカー部60
は断面楔状をなし、各溝形の弾性部材61の背面に一体
に突出形成されている。まず、アンカー部60付きの弾
性部材61を成形し、これを本体36の成形用の金型内
にインサートし、本体36を射出成形して動力伝達継手
を製造する。この場合、弾性部材61の本体36からの
抜脱を完全に防止することができる。
【0032】なお、本発明は上記各実施の形態に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲で種々の変更を施すこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る動力伝達継手
を含む電動式動力舵取装置の概略構成を示す模式図であ
る。
【図2】図1の電動式動力舵取装置の電動モータ、動力
伝達継手及び減速機構の断面図である。
【図3】図1の動力伝達継手とこれに対応する軸の分解
斜視図であり、弾性部材の図示を省略してある。
【図4】図1の動力伝達継手の模式的断面図であり、断
面のハッチングの図示を省略してある。
【図5】連結部としての突条の隅角部が弾性部材に衝突
するときの態様を示す拡大断面図である。突条の断面の
ハッチングの図示は省略してある。
【図6】本発明の別の実施の形態の動力伝達継手の模式
的断面図であり、断面のハッチングの図示を省略してあ
る。
【図7】本発明のさらに別の実施の形態の動力伝達継手
の弾性部材に突条の隅角部が衝突するときの模式的断面
図であり、突条の断面のハッチングの図示を省略してあ
る。
【図8】本発明のさらに別の実施の形態の動力伝達継手
の模式的断面図であり、断面のハッチングの図示を省略
してある。
【図9】本発明のさらに別の実施の形態の動力伝達継手
の模式的断面図であり、断面のハッチングの図示を省略
してある。
【図10】本発明のさらに別の実施の形態の動力伝達継
手の模式的断面図であり、断面のハッチングの図示を省
略してある。
【符号の説明】
1 電動式動力舵取装置 3 操舵軸 9 第1操舵軸 10 第2操舵軸 11 トーションバー 15 電動モータ 16 モータ軸(駆動軸) 17 減速機構 18 ウォーム軸(ギヤ軸) 19 ウォーム 20 ウォームホイール A 動力伝達継手 36 本体 39 第1の連結溝 40 第2の連結溝 41,42 突条(連結部) 43,44 動力伝達面 45,46 動力伝達面 52,52A,58,61 弾性部材 53 隅角部 54 底部 55 壁面 57 一体成形品 59,60 アンカー部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対応する軸の連結部を挿入して連結するた
    めの連結溝を有する本体を備え、本体の連結溝の内面に
    形成される凹部に、対応する軸の連結部の隅角部に係合
    する弾性部材を収容して保持してあることを特徴とする
    動力伝達継手。
  2. 【請求項2】請求項1において、上記弾性部材の厚みが
    2mm以下であることを特徴とする動力伝達継手。
  3. 【請求項3】請求項1において、上記弾性部材の厚みが
    1mm以下であることを特徴とする動力伝達継手。
  4. 【請求項4】請求項1,2又は3において、上記凹部の
    底部は、対応する軸の連結部の隅角部の回転方向側に浅
    底部を形成し、残りに深底部を形成していることを特徴
    とする動力伝達継手。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4の何れか一つにおいて、
    上記弾性部材の底部と凹部の底部とが接合されていない
    ことを特徴とする動力伝達継手。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5の何れか一つにおいて、
    上記弾性部材は、本体からの抜脱防止用のアンカー部を
    含む一体成形品からなることを特徴とする動力伝達継
    手。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6の何れか一つにおいて、
    一対の端部に、それぞれ対応する軸の断面矩形の連結部
    を連結するための断面矩形の連結溝を設けてオルダム継
    手を構成する動力伝達継手。
  8. 【請求項8】電動モータの駆動力を減速機構を介して操
    舵軸に伝えて操舵を補助する電動式動力舵取装置であっ
    て、上記電動モータのモータ軸と減速機構のギヤ軸との
    間が請求項1ないし7の何れか一つ記載の動力伝達継手
    を介して連結されることを特徴とする電動式動力舵取装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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