JP2002293739A - 皮膚機能改善剤 - Google Patents
皮膚機能改善剤Info
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Abstract
来の機能を維持・正常化する皮膚機能改善剤を提供する
ことにある。 【解決手段】 本発明によれば、コウジ酸および/また
はその誘導体を含有した皮膚機能改善剤が提供され、こ
の皮膚機能改善剤は、コウジ酸類の有する種々の潜在的
作用によって生体内バランスを調整し、皮膚本来の機能
を維持・正常化することができる安全性に優れた化粧料
である。
Description
またはその誘導体を有効成分とすることを特徴とした皮
膚機能改善剤に関するものであり、さらに詳しくは、コ
ウジ酸の有する潜在的作用によって生体内バランスを調
整し、皮膚本来の機能を維持・正常化する皮膚機能改善
剤に関する。
う願いを抱いており、その点においては今も昔も基本的
な違いはない。しかしながら、人々の生活環境は大きく
変化してきている。すなわち、現代社会は、ストレス社
会とも呼ばれており、物質的な豊かさについては昔と格
段の違い(向上)があるものの、生活環境等の外的な条
件はむしろ悪化の一途を辿っているという趨勢がある。
そのため、近年では、特に、食生活に気を配ったりし
て、内面的に健康な肉体や精神を保つ努力を行うように
なってきた。例えば、健康食品や機能性食品の摂取等が
その現われである。
康で美しく、若々しい皮膚を維持するために種々の化粧
料を利用した皮膚の手入れ、エステティックによるマッ
サージやリラクゼーション等が一般的になり、一連のラ
イフスタイルとして定着している。ただ、これらのケア
自体には煩雑なものも多いことからケアの継続に疲れを
感じ、それがまた新たなストレスを生むといった悪循環
も目立つようになってきた。しかも、従来からとられて
きた方策はいずれも対症療法の組み合わせの域を出ず、
出現する皮膚トラブルに対するケアの効果も一時的なも
のに留まり、悩みを抱える消費者にとっては美容上の実
感を抱けるものとはなっていないというのが実状であ
る。
つ、ストレス等による体内変化の異常(ホメオスタシス
の悪循環)がもとで生じる美容上の皮膚トラブルにも対
応できるようなトータルケア用の化粧料の提供が求めら
れていた。
ような現況に基づくものであり、コウジ酸の有する潜在
的作用によって生体内バランスを調整し、皮膚本来の機
能を維持・正常化する皮膚機能改善剤を提供することに
ある。
激(特に視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚)が脳内に伝え
られ、それが免疫細胞の働き等で維持(ホメオスターシ
ス)されており、本来このような自己調整の機能は人間
に自動的に備えられている。例えば、これを「皮膚本来
の機能」という立場から考えると次のとおりである。
かかわる臓器として存在し、その最も大切な機能は体の
内部を守ること(体内保護)である。光や熱等の外部か
らの物理的刺激から内部を守るために、皮膚の表面は角
質層をもった表皮で覆われている。また、皮膚のpHが
弱酸性に調節されているのは、微生物(病原菌)等の体
内侵入を防止するためである。
外気温の高低を感知することで、血管拡張や発汗による
体温維持が自動的に調整される仕組みとなっている。
である。皮脂分泌で皮膚表面を滑らかに保ち、ツヤやハ
リを与え、さらに水分の無駄な蒸散を防いでいる。
的役割である。温度感覚、痛覚、圧覚、触覚の4つの知
覚作用が営まれており、例えば、これらセンサーの組み
合わせによって我々は‘かゆみ’などを感じとることが
できる。
れる。例えば、余剰の糖分は脂肪として変換貯蔵され、
必要なときに再び脂肪から糖にもどす調整が働くように
なっている。
人間に生まれつき備わっているものであり、しかも、低
度の皮膚損傷が生じても自己再生による自然修復によっ
て皮膚本来の調節機能は損なわれない仕組みになってい
る。
続的ストレス等の重度の負荷によって体内のバランス系
が損なわれると、もはや自己調整機能が働かなくなり、
ホメオスタシスの良循環に異常をきたすこととなる。そ
の結果、免疫力の低下等によって種々の生体内調整機能
に支障が生じて皮膚の自然治癒や修復力の低下あるいは
悪化を招き、ひいては美容上の皮膚トラブルの問題を惹
起するものと思われる。
み、特に皮膚科学の側面からホメオスタシスの問題に取
組み、皮膚機能の正常化を促す素材を探索し続け鋭意研
究を重ねてきた。その結果、トータルケア用の化粧料素
材としてコウジ酸および/またはその誘導体が最適であ
るという新たな知見を得て、本発明を完成させたもので
ある。
び/またはその誘導体(以下、これらを総称して「コウ
ジ酸類」と呼ぶことがある)を有効成分とする皮膚機能
改善剤が提供される。以下、本発明について、実施の形
態を中心に詳細に説明を加える。
酸(5−オキシ−2−オキシメチル−γ−ピロン)とし
ては、5−オキシ−2−オキシメチル−γ−ピロンの純
品はもとより、コウジ酸生産能を有する公知の菌株を培
養して得られるコウジ酸を主成分とする発酵液、該発酵
液の濃縮液、および該発酵液からコウジ酸を抽出して結
晶化したものなどが使用されるほか、味噌や酒粕等の食
品素材やこれらの応用素材、抽出物等の利用においてコ
ウジ酸を含有する概念を包含するものである。本出願人
が長年研究を続けてきた同素材は、美白効果や消炎効果
など、種々の優れた特徴をもつ機能性の高い素材として
知られており、その有用性は、例えば、特開昭55−1
57509号公報、特公昭57−46825号公報、特
公昭58−34446号公報、特開昭60−13725
3号公報、特公昭60−27648号公報、特公昭61
−10447号公報、特開昭61−143314号公
報、特公昭63−27322号公報、特開平1−132
502号公報、特開平1−275524号公報、特開平
1−275515号公報、特開平1−275517号公
報、特開平3−86821号公報、特公平5−3042
2号公報、特公平6−13448号公報等に開示されて
いる。
コウジ酸類の皮膚機能改善剤としての有用性については
全く知られていなかった。
58−22151号公報、特公昭58−22152号公
報に開示されているコウジ酸のエステル化物、特開平3
−14508号公報、特開平3−101676号公報に
開示されているエーテル誘導体化物、特開平4−461
91号公報、特開平4−198115号公報等に代表さ
れるコウジ酸の2位の−CH2OH基に糖類を結合させ
ることによってコウジ酸分子を安定化、もしくは経皮吸
収性の向上を図った配糖体類、その他にも特公昭60−
10005号公報、特公平1−45472号公報、特公
平3−74229号公報、コウジ酸誘導体などのこれま
でに合成、培養等で見出されている公知の誘導体を単独
または2種以上で組み合わせて用いることができる。こ
の場合、機能活性本体がコウジ酸として発揮されるいわ
ゆるプロドラッグであると否とは問わない。
うな作用機序で本発明の目的である皮膚機能正常化をな
し得るのかについて、その詳細は不明であるが、ホメオ
スタシス維持に深く関係する免疫系への関与、特にT細
胞等の適度な増殖・分化や活性化によるものと考えてい
る。
外用、経口いずれも可能であるが、どちらの適用がより
好ましいかどうかについては、皮膚の状態と体内バラン
スの関係によって左右されるため一概には判断できな
い。ただ、外用での適用にあっては、できればコウジ酸
類の経皮吸収の特性を考慮して基剤の選択を行うのが好
ましい。コウジ酸自体は、経皮吸収に優れているため、
経時的な着色等の安定性に留意すれば一般的な基剤選択
によって製剤設計することで足りるが、特にコウジ酸誘
導体のうち分子量の大きい素材の場合には、適宜公知の
皮膚親和剤や吸収助剤等を配合することでより機能発揮
がし易い製剤に設計するのが好ましい。
得る基剤を選択し化粧料として患部に直接塗布して使用
される。この場合、使用部位に限定はなく、例えば顔面
等の局所のみならず、ボディケア、ヘアケア用にも適用
されるものである。また、技術的には、ローションやエ
ッセンスに代表されるような均一系、クリームや乳液に
代表されるO/W、W/O型などの一般乳化系、W/O
/W、O/W/O型の特殊な多層エマルジョン、その他
にもゲル剤、ペースト剤、軟膏及びチンキ剤等の塗布剤
型、エアゾール剤、スプレー剤等の噴霧剤型、パップ
剤、プラスター剤等の貼付剤型、バスソルト等の浴用剤
型、パウダータイプなど公知の形態で幅広く使用に供さ
れるものであり特段の制約はない。
制約はなく、飲む化粧料、食する化粧料として適する素
材の選択組み合わせによって使用に資するものである。
例示すれば、ドリンク、ゼリー、飴、ビスケット、ジャ
ム、カプセル、顆粒などの種々の形態があげられる。
酸および/またはその誘導体の配合量は、製剤設計の形
態によって変わるが、概ね製剤全体に対して、0.00
1乃至20重量%、好ましくは0.01乃至10重量
%、さらに好ましくは0.1乃至5重量%の範囲で配合
すれば十分な効果が発揮できる。また、本発明の製剤設
計の際には、他の機能性素材を組合わせて使用すること
ができる。
々の公知の有効成分、例えば、美白剤として公知のアス
コルビン酸、グルタチオン、ハイドロキノン及びこれの
誘導体、レゾルシン類、縮合型タンニン類、カフェー
酸、イソコウジ酸、エラグ酸等のフェノール性化合物、
末梢血管拡張剤としてはビタミンE、ビタミンEニコチ
ネート、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベ
ンジル等の各種ビタミン類、ショウキョウチンキ、トウ
ガラシチンキ、消炎剤としては副腎皮質ホルモン、ε−
アミノカプロン酸、塩化リゾチーム、グリチルリチン、
アラントイン等の各種化合物、その他にも胎盤抽出物、
甘草抽出物、紫根エキス、乳酸菌培養抽出物などの動植
物・微生物由来の各種抽出物等を本発明の効果を損なわ
ない範囲で、その時々の目的に応じて適宜添加して使用
することができる。
有効成分に加え、油脂類などの基剤成分のほか、必要に
応じて公知の保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート
剤、pH調整剤、香料、着色剤等種々の添加剤を本発明
の効果を損なわない範囲で併用することができる。
べた種々の有効成分のうち、経口摂取により安全な公知
の素材については設計の形態に応じて適宜選択して使用
に資することができる。その際、当然に必要な添加物、
例えば防腐剤、安定剤、着色剤、香料、乳化剤、調味
料、増粘剤などを加えることができる。
明するが、これらの開示は本発明の好適な態様を示すも
のであって、本発明を何ら限定するものではない。
観察測定 a)試験方法 レプリカスコアの1の評価になった肌(ハリ、ツヤの消
失と広範囲の肌荒れが認められ、キメも荒く、乾燥状態
が激しい肌)を有する50名の被験者をランダムに2群
に振り分け、第1群には処方例1で調製したクリーム
を、第2群には基剤(処方例1のクリームから有効成分
コウジ酸を除いたもの)を0.4±0.1g、1日2
回、12時間おきに4週間塗布し、塗布開始時と塗布後
4週間ならびに塗布終了後2週間目の皮膚の表面状態を
レプリカに採り、その結果を実体顕微鏡(20倍)にて
観察した。レプリカは、熊谷らの方法[SCCJ.Vo
l 19,No.1(1985)P.9〜19]に準拠
して皮膚表面に速乾性のシリコン系合成ゴムを使用して
ネガレプリカを採り、これにポリサルファイド系合成ゴ
ムを充填してポジレプリカを採った。また、被験者の肌
診断を黙視で行い肌の正常度合いを併せて評価した。
し、本発明のクリームを塗布した皮膚は著名な皮膚の表
面状態の改善とその状態の維持が認められた。結果を次
に示す。
られる。皮膚表面の観察結果、肌のキメが荒く、乾燥状
態が激しい。 評価2:肌のハリ、ツヤがほとんど消失、かなりの肌荒
れが認められる。皮膚表面の観察結果、かなり肌のキメ
が荒く、乾燥している。 評価3:肌のハリ、ツヤはやや認めるが、柔軟性がな
い。皮膚表面の観察結果、やや肌のキメが荒く、乾燥し
ている。 評価4:肌のハリ、ツヤはかなりあるが、柔軟性がやや
ない。皮膚表面の観察結果、かなり肌のキメが整ってお
り、やや潤いが感じられる。 評価5:肌にハリ、ツヤが十分あり、柔軟性が感じられ
る。皮膚表面の観察結果、肌のキメが整っており、十分
な潤いが感じられ健康的である。
ムやdl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム液等のNM
F因子を含むが、使用試験の結果によれば、その効果は
一時的に改善する傾向は認められたものの、塗布を止め
るともとに戻り、本発明のように自己再生機能を正常化
するには至らなかった。よって、上記結果から明らかな
とおり、コウジ酸は優れた皮膚機能改善効果を有するこ
とが立証された。
性改善効果 a)試験方法 本発明のエッセンス(処方例9)を、30名の乾燥肌タ
イプの女性(35〜55才)に朝晩の1日2回、顔面に
連続塗布し、2カ月後に保湿性の改善の程度を調べた。
顔面の塗布は、ハーフフェイス法で左右に行い、一方に
は本発明のエッセンスを、他の一方側にはコントロール
としてコウジ酸を含まないもの(基剤のみ)を塗布し評
価した。評価については、以下の方法で本発明および基
剤の塗布開始時に対する保湿改善率で改善度合いを判定
した。
波インピーダンスメーター(IBS社製:MODEL
IB−355)を用いてパネラーの肌(顔面)の伝導度
(コンダクタンス)を測定した(測定条件:測定室内温
度 20℃、湿度 60%、測定値 5分後の安定した
数値、測定回数 1パネラーあたり10回)。
果、本発明のエッセンスに明らかな皮膚の保湿能改善効
果が認められた。また、連続使用による皮膚異常は何ら
認められなかった。結果を表2に示す。
の割合を示す。
の範囲で向上 やや改善 :試験開始時に比べ保湿性が20%〜40%
の範囲で向上 不変 :試験開始時に比べ保湿性に殆ど変化が認め
られない 悪化 :試験開始時に比べ保湿性の低下が認められ
た 上記結果から明らかなとおり、コウジ酸は優れた保湿性
改善効果を有することが立証された。また、本発明品適
用の部位については、塗布終了後も一定の保湿性が保た
れており、皮膚本来の機能改善を促す効果を有するもの
であることが確認できた。
善剤の処方例を示す。なお、処方例中「適量」とは、全
体で100重量%になる割合を意味する。 <処方例1>クリーム(1) 原料名 (重量%) 1.コウジ酸 1.00 2.ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 2.00 3.ポリエチレングリコール400 3.00 4.ポリオキシエチレンセチルエーテル(25E.O.) 5.00 5.ステアリン酸 5.00 6.アボカド油 1.00 7.アルモンド油 10.00 8.dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム液 5.00 9.パラオキシ安息香酸エステル 0.20 10.エデト酸二ナトリウム 0.01 11.精製水 適 量
示したのと同様に、本発明の目的において満足する効果
を有する製剤であることが確認された。
はその誘導体を含有した皮膚機能改善剤が提供され、こ
の皮膚機能改善剤は、コウジ酸類の有する種々の潜在的
作用によって生体内バランスを調整し、皮膚本来の機能
を維持・正常化することができる安全性に優れた化粧料
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 コウジ酸および/またはその誘導体を有
効成分とすることを特徴とする皮膚機能改善剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001098287A JP2002293739A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | 皮膚機能改善剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001098287A JP2002293739A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | 皮膚機能改善剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002293739A true JP2002293739A (ja) | 2002-10-09 |
Family
ID=18951949
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001098287A Pending JP2002293739A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | 皮膚機能改善剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002293739A (ja) |
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- 2001-03-30 JP JP2001098287A patent/JP2002293739A/ja active Pending
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