JP2002293728A - 収斂化粧料 - Google Patents
収斂化粧料Info
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Abstract
る化粧料を提供することにある。 【解決手段】 本発明によれば、コウジ酸および/また
はその誘導体を含有した化粧料が提供され、この化粧料
は、コウジ酸類の有する収斂作用によって皮膚本来の保
護機能を維持・正常化することができる安全性に優れた
収斂化粧料である。
Description
またはその誘導体を有効成分とすることを特徴とした化
粧料に関するものであり、さらに詳しくは、コウジ酸の
有する収斂作用によって肌をひきしめ、皮膚本来の保護
機能を回復・正常化する化粧料に関する。
う願いを抱いており、その点においては今も昔も基本的
な違いはない。しかしながら、人々の生活環境は大きく
変化してきている。すなわち、現代社会は、ストレス社
会とも呼ばれており、物質的な豊かさについては昔と格
段の違い(向上)があるものの、生活環境等の外的な条
件はむしろ悪化の一途を辿っているという趨勢がある。
そのため、近年では、特に、食生活に気を配ったりし
て、内面的に健康な肉体や精神を保つ努力を行うように
なってきた。例えば、健康食品や機能性食品の摂取等が
その現われである。
康で美しく、若々しい皮膚を維持するために種々の化粧
料を利用した皮膚の手入れ、エステティックによるマッ
サージやリラクゼーション等が一般的になり、一連のラ
イフスタイルとして定着している。ただ、これらのケア
自体には煩雑なものも多いことからケアの継続に疲れを
感じ、それがまた新たなストレスを生むといった悪循環
も目立つようになってきた。しかも、従来からとられて
きた方策はいずれも対症療法の組み合わせの域を出ず、
出現する皮膚トラブルに対するケアの効果も一時的なも
のに留まり、悩みを抱える消費者にとっては美容上の実
感を抱けるものとはなっていないというのが実状であ
る。
つ、ストレス等による体内変化の異常(ホメオスタシス
の悪循環)がもとで生じる美容上の皮膚トラブルにも対
応できるようなトータルケア用の化粧料の提供が求めら
れていた。
ような現況に基づくものであり、コウジ酸の有する収斂
作用によって皮膚本来の保護機能を回復・正常化する収
斂化粧料を提供することにある。
激(特に視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚)が脳内に伝え
られ、 それが免疫細胞の働き等で維持(ホメオスター
シス)されており、本来このような自己調整の機能は人
間に自動的に備えられている。例えば、これを「皮膚本
来の機能」という立場から考えると次のとおりである。
かかわる臓器として存在し、その最も大切な機能は体の
内部を守ること(体内保護)である。光や熱等の外部か
らの物理的刺激から内部を守るために、皮膚の表面は角
質層をもった表皮で覆われている。また、皮膚のpHが
弱酸性に調節されているのは、微生物(病原菌)等の体
内侵入を防止するためである。
外気温の高低を感知することで、血管拡張や発汗による
体温維持が自動的に調整される仕組みとなっている。
である。皮脂分泌で皮膚表面を滑らかに保ち、ツヤやハ
リを与え、さらに水分の無駄な蒸散を防いでいる。
的役割である。温度感覚、痛覚、圧覚、触覚の4つの知
覚作用が営まれており、例えば、これらセンサーの組み
合わせによって我々は‘かゆみ’などを感じとることが
できる。
れる。例えば、余剰の糖分は脂肪として変換貯蔵され、
必要なときに再び脂肪から糖にもどす調整が働くように
なっている。
人間に生まれつき備わっているものであり、しかも、低
度の皮膚損傷が生じても自己再生による自然修復によっ
て皮膚本来の調節機能は損なわれない仕組みになってい
る。
続的ストレス等の重度の負荷によって体内のバランス系
が損なわれると、もはや自己調整機能が働かなくなり、
ホメオスタシスの良循環に異常をきたすこととなる。そ
の結果、免疫力の低下等によって種々の生体内調整機能
に支障が生じて皮膚の自然治癒や修復力の低下あるいは
悪化を招き、ひいては美容上の皮膚トラブルの問題を惹
起するものと思われる。
膚科学の側面からホメオスタシスの問題に取組み、その
中でもとりわけ皮膚の保護機能の正常化を促す素材を探
索し続け鋭意研究を重ねてきた。皮膚が外界からの物理
的、化学的な刺激に対する保護機能を有していることは
先に述べたとおりであるが、この機能保持のためには適
度な収斂性を有することが必要である。そこで、従来素
材のように一時的な効果によらず、持続的な収斂性を有
する素材のスクリーニングを続けてきた。その結果、コ
ウジ酸および/またはその誘導体の新規作用として見出
した収斂作用が特に肌のひきしめに有効であり、しかも
その作用持続によって皮膚本来の保護機能を回復させ、
正常化を図り得るという新たな知見を得て、本発明を完
成させたものである。
び/またはその誘導体(以下、これらを総称して「コウ
ジ酸類」と呼ぶことがある)を有効成分とする化粧料が
提供される。以下、本発明について、実施の形態を中心
に詳細に説明を加える。
酸(5−オキシ−2−オキシメチル−γ−ピロン)とし
ては、5−オキシ−2−オキシメチル−γ−ピロンの純
品はもとより、コウジ酸生産能を有する公知の菌株を培
養して得られるコウジ酸を主成分とする発酵液、該発酵
液の濃縮液、および該発酵液からコウジ酸を抽出して結
晶化したものなどが使用されるほか、味噌や酒粕等の食
品素材やこれらの応用素材、抽出物等の利用においてコ
ウジ酸を含有するものを包含する概念である。本出願人
が長年研究を続けてきた同素材は、美白効果や消炎効果
など、種々の優れた特徴をもつ機能性の高い素材として
知られており、その有用性は、例えば、特開昭55−1
57509号公報、特公昭57−46825号公報、特
公昭58−34446号公報、特開昭60−13725
3号公報、特公昭60−27648号公報、特公昭61
−10447号公報、特開昭61−143314号公
報、特公昭63−27322号公報、特開平1−132
502号公報、特開平1−275524号公報、特開平
1−275515号公報、特開平1−275517号公
報、特開平3−86821号公報、特公平5−3042
2号公報、特公平6−13448号公報等に開示されて
いる。
酸類の収斂作用によって皮膚本来の保護機能を回復さ
せ、正常化を促すような化粧料の有用性については全く
知られていなかった。
58−22151号公報、特公昭58−22152号公
報に開示されているコウジ酸のエステル化物、特開平3
−14508号公報、特開平3−101676号公報に
開示されているエーテル誘導体化物、特開平4−461
91号公報、特開平4−198115号公報等に代表さ
れるコウジ酸の2位の−CH2OH基に糖類を結合させ
ることによってコウジ酸分子を安定化、もしくは経皮吸
収性の向上を図った配糖体類、その他にも特公昭60−
10005号公報、特公平1−45472号公報、特公
平3−74229号公報、コウジ酸誘導体などのこれま
でに合成、培養等で見出されている公知の誘導体を単独
または2種以上で組み合わせて用いることができる。こ
の場合、機能活性本体がコウジ酸として発揮されるいわ
ゆるプロドラッグであると否とは問わない。
うな作用機序で本発明の目的である皮膚保護機能の回復
・正常化をなし得るのかについて、その詳細は不明であ
るが、ホメオスタシス維持に深く関係する免疫系への関
与、特にT細胞等の適度な増殖・分化や活性化による影
響と今回新たに見出した収斂作用との相補的もしくは相
乗的な作用の結果と推察している。すなわち、潜在化す
るコウジ酸のなんらかの作用で免疫系の良循環が得られ
つつ、一方では収斂作用に基づく皮膚や血管の適度なひ
きしめ効果が得られ、さらにはこれらの連鎖的な相補関
係によって体内組織の浄化が進むことで次第に皮膚の健
康な状態に整っていくものと思われる。皮膚科学的側面
においては、化粧料の継続的な使用によって、肌の滑ら
かな状態となり、特に肌のひきしめによって水分の無駄
な蒸散防止や微生物侵入の防止等の正常的なバリア性の
向上が図られ、化粧料本来の効能として最も重要な皮膚
の保護、乾燥防止の機能を備えることが認められる。
外用、経口いずれも可能であるが、どちらの適用がより
好ましいかどうかについては、皮膚の状態と体内バラン
スの関係によって左右されるため一概には判断できな
い。ただ、外用での適用にあっては、できればコウジ酸
類の経皮吸収の特性を考慮して基剤の選択を行うのが好
ましい。コウジ酸自体は、経皮吸収に優れているため、
経時的な着色等の安定性に留意すれば一般的な基剤選択
によって製剤設計することで足りるが、特にコウジ酸誘
導体のうち分子量の大きい素材の場合には、適宜公知の
皮膚親和剤や吸収助剤等を配合することでより機能発揮
がし易い製剤に設計するのが好ましい。
得る基剤を選択し化粧料として患部に直接塗布して使用
される。この場合、使用部位に限定はなく、例えば顔面
等の局所のみならず、ボディケア、ヘアケア用にも適用
されるものである。特に、収斂作用による皮脂分泌の正
常化で、痩身用の(スリム化)ボディケアには有用であ
る。また、技術的には、ローションやエッセンスに代表
されるような均一系、クリームや乳液に代表されるO/
W、W/O型などの一般乳化系、W/O/W、O/W/
O型の特殊な多層エマルジョン、その他にもゲル剤、ペ
ースト剤、軟膏及びチンキ剤等の塗布剤型、エアゾール
剤、スプレー剤等の噴霧剤型、パップ剤、プラスター剤
等の貼付剤型、バスソルト等の浴用剤型、パウダータイ
プなど公知の形態で幅広く使用に供されるものであり特
段の制約はない。
制約はなく、飲む化粧料、食する化粧料として適する素
材の選択組み合わせによって使用に資するものである。
例示すれば、ドリンク、ゼリー、飴、ビスケット、ジャ
ム、カプセル、顆粒などの種々の形態があげられる。
酸および/またはその誘導体の配合量は、製剤設計の形
態によって変わるが、概ね製剤全体に対して、0.00
1乃至20重量%、好ましくは0.01乃至10重量
%、さらに好ましくは0.1乃至5重量%の範囲で配合
すれば十分な効果が発揮できる。また、本発明の製剤設
計の際には、他の機能性素材を組合わせて使用すること
ができる。
々の公知の有効成分、例えば、美白剤として公知のアス
コルビン酸、グルタチオン、ハイドロキノン及びこれの
誘導体、レゾルシン類、縮合型タンニン類、カフェー
酸、イソコウジ酸、エラグ酸等のフェノール性化合物、
末梢血管拡張剤としてはビタミンE、ビタミンEニコチ
ネート、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベ
ンジル等の各種ビタミン類、ショウキョウチンキ、トウ
ガラシチンキ、消炎剤としては副腎皮質ホルモン、ε−
アミノカプロン酸、塩化リゾチーム、グリチルリチン、
アラントイン等の各種化合物、その他にも胎盤抽出物、
甘草抽出物、紫根エキス、乳酸菌培養抽出物などの動植
物・微生物由来の各種抽出物等を本発明の効果を損なわ
ない範囲で、その時々の目的に応じて適宜添加して使用
することができる。
有効成分に加え、油脂類などの基剤成分のほか、必要に
応じて公知の保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート
剤、pH調整剤、香料、着色剤等種々の添加剤を本発明
の効果を損なわない範囲で併用することができる。
べた種々の有効成分のうち、経口摂取により安全な公知
の素材については設計の形態に応じて適宜選択して使用
に資することができる。その際、当然に必要な添加物、
例えば防腐剤、安定剤、着色剤、香料、乳化剤、調味
料、増粘剤などを加えることができる。
明するが、これらの開示は本発明の好適な態様を示すも
のであって、本発明を何ら限定するものではない。
ならびにタンニン酸(比較例)について、以下の方法に
より収斂作用につき試験を行なった。なお、本試験は収
斂作用の試験法として化粧品業界で一般的に採用されて
いるもので、蛋白凝集力で収斂性を評価するものであ
る。 a)試験方法 まず、3種類の濃度の試料溶液(溶媒:95%エタノー
ルの10倍希釈液)を用意し、その4重量部に0.5重
量%アルブミン水溶液1重量部を混合する。5分後、日
本精密工業(株)製の積分球式濁度計を用いて白板法に
より濁度を測定する。また、空試験として試料溶液を添
加しない場合について同様の測定を行い、補正を行う。
測定された濁度(この濁度は凝集したアルブミン由来の
もの)は、試料の皮膚収斂作用の指標である。
な蛋白凝集作用を示し、タンニン酸とほぼ同等のレベル
であることが確認された。
験 a)試験方法 ダンシルクドロライド(蛍光色素)を白色ワセリン中に
5%配合した軟膏を被験者20人の前腕部の皮膚に24
時間閉寒貼付し、角質層にダンシルクロライドを浸透結
合させる。 その後、同じ部位に1日2回、朝夕、本発
明の化粧料(処方例9のエッセンス)およびコントロー
ル(処方例9からコウジ酸を除いたもの)を塗布し、毎
日ダンシルクロライドの蛍光を調べ、その蛍光が消滅す
るまでの日数を皮膚角質層のターンオーバー速度とし
た。
度が18.7±1.9日であったのに比して、本発明の
化粧料を塗布した部位のターンオーバー速度は13.6
±1.2日と著しくターンオーバー速度が早められ、皮
膚状態の改善が認められた。本試験は、一般には皮膚の
老化や損傷による表皮分化増殖機能やバリアー機能性低
下の評価に用いられるもので、この結果をもとに角化や
角質形成の正常化度が判断される。通常、健常人の皮膚
角質層のターンオーバーは14〜16日であるが、老化
や皮膚損傷の皮膚においては18日前後にのびる。それ
に対し改善効果が現れると12日前後にまで短縮される
と言われている。このことを加味すれば、本発明の化粧
料は、発明が解決しようとする課題を十分達成している
ということができる。なお、先の判定結果は、被験者の
日数の平均値とその標準誤差(平均値±標準誤差)で示
したものである。
し、各パネラーを20℃の恒温室 に30分間安静に
し、左前腕内側に東芝ベックマン電解式水分測定装置の
スキンカップ(内径14mm×高さ60mmのガラス製
円筒)を固定し、機器作動後、10分後に皮膚蒸発水分
量を測定した。その後、20名のパネラーをランダムに
群分けし、10名のパネラーには本発明品の乳液(処方
例3)を、他の10名のパネラーには対照剤として処方
例3から本発明の有効成分であるコウジ酸を除いた乳液
をそれぞれ2ヵ月間にわたって一定量、左前腕内側に塗
布した。2ヶ月間の塗布終了の翌日、再び、先の測定条
件で各パネラーの皮膚蒸発水分量を測定し、本発明品お
よび対照剤塗布後の数値を比較した。その結果を表2に
示した。
l Water Lossの頭文字をとって「T.W.
L」試験とも呼ばれ、試験例2同様に、皮膚の老化や損
傷による表皮分化増殖機能やバリアー機能性低下の評価
に用いられるもので、この結果をもとに水分蒸散性の正
常化度が判断される。本発明品及び対照剤の使用前後に
ついて、皮膚機能の正常度を判定した結果、コウジ酸配
合の本発明乳液が対照剤に比べ優れた「T.W.L」量
の抑制効果があることが認められた。また、連続使用に
よる皮膚異常は何ら認められなかった。このことから、
本発明の乳液に明らかな皮膚のバリアー機能改善効果の
あることが立証された。
蒸散抑制効果 (平均値±標準誤差)
の処方例を示す。なお、処方例中「適量」とは、全体で
100重量%になる割合を意味する。 <処方例1>クリーム(1) 原料名 (重量%) 1.コウジ酸 1.00 2.ヒアルロン酸ナトリウム水溶液 2.00 3.ポリエチレングリコール400 3.00 4.ポリオキシエチレンセチルエーテル(25E.O.) 5.00 5.ステアリン酸 5.00 6.アボカド油 1.00 7.アルモンド油 10.00 8.dl−ピロリドンカルボン酸ナトリウム液 5.00 9.パラオキシ安息香酸エステル 0.20 10.エデト酸二ナトリウム 0.01 11.精製水 適 量
示したのと同様に、本発明の目的において満足する効果
を有する製剤であることが確認された。
はその誘導体を含有した化粧料が提供され、この化粧料
は、コウジ酸類の収斂作用によって皮膚本来の機能を回
復・正常化することができ、特に皮膚バリアー機能低下
に対して有効な安全性に優れた収斂化粧料である。
Claims (1)
- 【請求項1】 コウジ酸および/またはその誘導体を有
効成分とすることを特徴とする収斂化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001098289A JP2002293728A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | 収斂化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001098289A JP2002293728A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | 収斂化粧料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002293728A true JP2002293728A (ja) | 2002-10-09 |
Family
ID=18951951
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001098289A Pending JP2002293728A (ja) | 2001-03-30 | 2001-03-30 | 収斂化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002293728A (ja) |
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- 2001-03-30 JP JP2001098289A patent/JP2002293728A/ja active Pending
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