JP2002292807A - 光硬化性シートおよびそれを用いた成形品の製造方法 - Google Patents

光硬化性シートおよびそれを用いた成形品の製造方法

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JP2002292807A
JP2002292807A JP2001103590A JP2001103590A JP2002292807A JP 2002292807 A JP2002292807 A JP 2002292807A JP 2001103590 A JP2001103590 A JP 2001103590A JP 2001103590 A JP2001103590 A JP 2001103590A JP 2002292807 A JP2002292807 A JP 2002292807A
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JP2001103590A
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Shogo Okazaki
正吾 岡崎
Kenji Suemura
賢二 末村
Yoko Sumino
洋子 角野
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐磨耗性、耐候性および耐薬品性に優れ、意
匠性の良好な成形品の製造に有利に用いることのでき
る、粘着性がなく、加工性および保存安定性に優れた光
硬化性積層シートを提供する。 【解決手段】 基材シート(C)と、基材シート(C)
上に積層された2層の光硬化性樹脂組成物の層を含む光
硬化性シートにおいて、2層の光硬化性樹脂組成物の層
のうちの最外層が側鎖にラジカル重合性不飽和基を有す
るアクリル樹脂(a−1)および光重合開始剤(a−
2)を含み、前記(a−1)以外の架橋性化合物を実質
的に含まない光硬化性樹脂組成物(A)の層である光硬
化性シートを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた外観、意匠
性、耐磨耗性、耐薬品性および耐候性を有し、粘着性の
ない光硬化性シート、それを用いた成形品の製造方法、
およびその製造方法により得られた成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック製品を成形と同時にその表
面を装飾する方法として、(1)金型内表面に予め模様
を付けておく方法、(2)金型内壁面に転写フィルムを
装着し、成形と同時にフィルムの模様等を成形品の外面
に転写する方法、(3)機能付シートまたは印刷シート
を金型内壁面に貼付けておき、成形と同時にそのシート
を成形品表面に貼付けする方法等が提案されている。
(2)または(3)の方法については、例えば、特開昭
60−250925号公報、特公昭59−36841号
公報、特公平8−2550号公報に耐候性付与シートま
たは印刷シートを金型内壁面に形成した後、成形用樹脂
を射出成形することによリシートで表面が被覆された成
形品を製造する方法が提案されている。
【0003】しかしながら、上記の技術は、加飾や機能
性の付与を熱可塑性シートや印刷の転写で行っているた
め、得られた成形品の表面硬度が不十分なものであっ
た。例えば、成形品に耐候性を付与する場合にはポリフ
ッ化ビニリデン(PVDF)などからなる高耐候性シー
トを用いればよいが、充分な表面硬度が得られないとい
う問題がある。これに対して、表面硬度の高い成形品を
得ようとする場合には、予め架橋した表面硬度の高いシ
ートを用いなければならない。しかしながら、そのよう
なシートは、立体形状の成形品への適用が困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、特公平7−3
23号公報に示されているように、アクリル樹脂、反応
性ビニル基を有する化合物および光重合開始剤を含有す
る樹脂組成物により形成される光硬化性樹脂層とシート
基材とが積層されてなる光硬化性シートが提案された。
しかしながら、この方法では、光硬化させる前のシート
は、低分子量の反応性ビニル基を有する化合物を含有す
るため、表面に粘着性が有り、あるいは表面の粘着性が
時間と共に変化する等の現象が起こり、ロール状態での
保存安定性が不良である。具体的には、粘着して巻き出
せなかったり、低温で保存しないと両端より化合物がし
み出す等の問題があった。さらには、その粘着性のた
め、印刷シートとして使用する場合の印刷工程において
不具合が生じていた。
【0005】かかる課題に対し、本発明者らは、先に側
鎖にラジカル重合性不飽和基を有するアクリル樹脂と光
重合開始剤を含有する組成物を積層した基材シートを開
発することにより、粘着性のない光硬化性シートを提案
した(特願2000−203809、特願2000−2
03849)が、さらに高い硬度発現および良好な耐候
性発現を目指して鋭意検討した結果、本発明に至った。
【0006】すなわち、本発明の目的は、耐磨耗性、耐
候性および耐薬品性に優れ、意匠性の良好な成形品の製
造に有利に用いることのできる、粘着性がなく、加工性
および保存安定性に優れた光硬化性積層シートを提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、基材シート(C)と、基材シート(C)上
に積層された2層の光硬化性樹脂組成物の層を含む光硬
化性シートにおいて、2層の光硬化性樹脂組成物の層の
うちの最外層が側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する
アクリル樹脂(a−1)および光重合開始剤(a−2)
を含み、前記(a−1)以外の架橋性化合物を実質的に
含まない光硬化性樹脂組成物(A)の層である光硬化性
シート並びにそれを用いた光硬化性加飾シートおよび光
硬化性インサート成形用シートを提供する。
【0008】本発明は、また、それらの光硬化性シー
ト、光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサート成形
用シートを用いてインサート成形品を製造する方法およ
びそれによって得られるインサート成形品を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて順次説明する。本発明の光硬化性シートは、基材シ
ート(C)と、基材シート(C)上に積層された2層の
光硬化性樹脂組成物の層を含み、2層の光硬化性樹脂組
成物の層のうちの最外層が側鎖にラジカル重合性不飽和
基を有するアクリル樹脂(a−1)および光重合開始剤
(a−2)を含み、前記(a−1)以外の架橋性化合物
を実質的に含まない光硬化性樹脂組成物(A)の層であ
る光硬化性シートである。かかる構成を有する本発明の
光硬化性シートにおいては、著しく良好な耐磨耗性が得
られる。また、本発明の光硬化性シートは、このように
ポリマー側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する構造を
導入したことにより、ポリマー側鎖間で架橋反応が進行
するため、反応性ビニル基を有する低分子量架橋性化合
物を含有させる必要が無く、そのため粘着性が無く、保
存安定性に優れるシートが得られるという利点を有す
る。
【0010】側鎖にラジカル重合性不飽和基を有するア
クリル樹脂(a−1)としては、例えば、ガラス転移温
度が25〜170℃、好ましくは30〜150℃の、ポ
リマー中にラジカル重合性不飽和基を有するものが挙げ
られる。具体的には、ポリマーとして、以下の化合物
(1)〜(8)を重合または共重合させたものに対し、
後述する方法(イ)〜(ニ)によりラジカル重合性不飽
和基を導入したものを用いることができる。
【0011】(1)水酸基を有する単量体:N−メチロ
ールアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリ
レート等 (2)カルボキシル基を有する単量体:(メタ)アクリ
ル酸、アクリロイルオキシエチルモノサクシネート等 (3)エポキシ基を有する単量体:グリシジル(メタ)
アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
(メタ)アクリレート等 (4)アジリジニル基を有する単量体:2−アジリジニ
ルエチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロ
ピオン酸アリル等 (5)アミノ基を有する単量体:(メタ)アクリルアミ
ド、ジアセトンアクリルアミド、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート等 (6)スルホン基を有する単量体:2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸等 (7)イソシアネート基を有する単量体:2,4−トル
エンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルアクリレ
ートの等モル付加物のような、ジイソシアネートと活性
水素を有するラジカル重合性単量体の付加物、2−イソ
シアネートエチル(メタ)アクリレート等 (8)さらに、上記の共重合体のガラス転移温度を調節
したり、光硬化性シートの物性を調和したりするため
に、上記の化合物をそれと共重合可能な単量体と共重合
させることもできる。そのような共重合可能な単量体と
しては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、トリシ
クロデカニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メ
タ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、N−フ
ェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、N−ブ
チルマレイミド等のイミド誘導体、ブタジエン等のオレ
フィン系単量体、スチレン、α−メチルスチレン等の芳
香族ビニル化合物等を挙げることができる。
【0012】次に、上記のようにして得た重合体に、以
下に述べる方法(イ)〜(ニ)により側鎖にラジカル重
合性不飽和基を導入する。 (イ)水酸基を有する単量体の重合体または共重合体の
場合には、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基を有
する単量体等を縮合反応させる。 (ロ)カルボキシル基、スルホン基を有する単量体の重
合体または共重合体の場合には、前述の水酸基を有する
単量体を縮合反応させる。
【0013】(ハ)エポキシ基、イソシアネート基また
はアジリジニル基を有する単量体の重合体または共重合
体の場合には、前述の水酸基を有する単量体またはカル
ボキシル基を有する単量体を付加反応させる。 (ニ)水酸基またはカルボキシル基を有する単量体の重
合体または共重合体の場合には、エポキシ基を有する単
量体またはアジリジニル基を有する単量体、あるいはイ
ソシアネート基を有する単量体、またはジイソシアネー
ト化合物と水酸基含有アクリル酸エステル単量体との等
モル付加物を付加反応させる。
【0014】上記の反応は、微量のハイドロキノン等の
重合禁止剤を加え、乾燥空気を送りながら行うことが好
ましい。光硬化前のアクリル樹脂(a−1)の側鎖のラ
ジカル重合性不飽和基の量は、二重結合当量(側鎖ラジ
カル重合性不飽和基1個あたりの平均分子量)が、仕込
み値からの計算値で平均1200g/mol以下である
ことが、耐擦傷性、耐磨耗性向上の観点から好ましい。
さらに好ましい二重結合当量の範囲は、平均600g/
mol以下であり、最も好ましくは平均350g/mo
l以下である。また、下限値としては、1g/mol以
上であるのが好ましい。
【0015】このように、架橋に関与する官能基をアク
リル樹脂中に複数導入することにより、後述する長期間
の保管や加熱成形時においても粘着性を生じさせること
なく、効率的に硬化物性を向上させることが可能とな
る。光硬化前のアクリル樹脂(a−1)の分子量は、
5,000〜2,500,000の範囲が好ましく、1
0,000〜1,000,000の範囲がさらに好まし
い。アクリル樹脂(a−1)を含む光硬化性樹脂組成物
(A)を最外層に用いて形成した光硬化性シートをイン
サート成形する際に、成形時の予備加熱により成形用金
型に光硬化性シートが貼り付きにくくなる点や光硬化後
のインサート成形品の表面硬度の点から、分子量は5,
000以上であることが好ましい。一方、合成の容易さ
や外観の観点、また基材シート(C)上の光硬化性樹脂
組成物層との密着性発現の観点からは、分子量が2,5
00,000以下であることが好ましい。
【0016】また、光硬化前のアクリル樹脂(a−1)
は、ガラス転移温度が25〜175℃に調節されている
ことが好ましく、30〜150℃に調節されていること
がさらに好ましい。インサート成形時の光硬化性シート
の金型剥離性や光硬化後のインサート成形品の表面硬度
の観点から、ガラス転移温度が25℃以上であることが
好ましい。一方、光硬化性シートの取り扱い性の観点か
らは、ガラス転移温度は175℃以下であることが好ま
しい。
【0017】また、得られるアクリル樹脂共重合体のガ
ラス転移温度を考慮すると、ホモポリマーとして高いガ
ラス転移温度を有するものとなるビニル重合性単量体を
使用することが好ましい。また、後述するように、光硬
化性樹脂組成物(A)の一成分として無機微粒子(a−
3)を用いる場合は、無機微粒子(a−3)の表面の官
能基と反応しうる基、例えば、ヒドロキシル基、カルボ
キシル基、ハロゲン化シリル基およびアルコキシシリル
基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基を分
子内に有するビニル重合性単量体は、得られる光硬化性
樹脂組成物(A)の剛性、靱性、耐熱性等の物性をより
向上させるように働くので、かかる官能基がラジカル重
合可能なビニル重合性単量体成分の一部として含有され
ていてもよい。
【0018】このような反応性の基を分子内に含有する
ビニル重合性単量体としては、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ビニルトリク
ロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリ
ロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタク
リロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン等が挙
げられる。
【0019】本発明で用いる光重合開始剤(a−2)と
しては、光照射によってラジカルを発生させる光ラジカ
ル重合開始剤が挙げられる。光重合開始剤としては、公
知の化合物を用いることができ、特に限定はないけれど
も、硬化時の黄変性や耐候時の劣化を考慮すると、アセ
トフェノン系、ベンゾフェノン系、アシルホスフィンオ
キサイド系のような分子内にアミノ基を含まない開始剤
がよい。例えば、1−(4−ドデシルフェニル)−2−
ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−
(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−
メチルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベ
ンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,
6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル
ペンチルホスフィンオキサイドが好ましい。これらのう
ちには成形方法によっては一時的にその化合物の沸点以
上の温度になることがあるので、注意が必要である。成
形品の表面硬度を上げるため、n−メチルジエタノール
アミンなどの酸素重合禁止硬化防止剤を添加してもよ
い。また、これらの光重合開始剤の他に、成形時の熱を
利用しての硬化も考慮して、各種過酸化物を添加しても
よい。光硬化性シートに過酸化物を含有させる場合に
は、150℃、30秒程度で硬化させる必要があるの
で、臨界温度の低い過酸化物、例えば、ラウロイルパー
オキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−
3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が好ましく用
いられる。
【0020】光重合開始剤(a−2)の添加量は、硬化
後の残存量が耐候性に影響するため、側鎖にラジカル重
合性不飽和基を有するアクリル樹脂(a−1)100質
量部に対して0.1〜5質量部が望ましく、特に硬化時
の黄変に関連するアミノ系の光ラジカル重合開始剤は1
質量部以下が望ましい。本発明において用いられる光硬
化性樹脂組成物(A)においては、必須成分であるアク
リル樹脂(a−1)および光重合開始剤(a−2)以外
に、必要に応じて、増感剤、変性用樹脂、染料、顔料お
よびレベリング剤やハジキ防止剤、紫外線吸収剤、光安
定剤、酸化安定剤等の添加剤を配合することができる。
【0021】上記の増感剤は、硬化反応を促進するもの
であって、その例としてはベンゾフェノン、ベンゾイン
イソプロピルエーテル、チオキサントン等が挙げられ
る。ただし、光硬化性樹脂組成物(A)においては、前
記アクリル樹脂(a−1)以外の架橋性化合物は実質的
に含有すべきではない。特に40℃において液体状の架
橋性モノマー、オリゴマーや、分子量2000以下の低
分子量の架橋性モノマー、オリゴマーは実質的に含有す
るべきではない。40℃において液体状の架橋性モノマ
ーもしくはオリゴマーや、分子量2000以下の低分子
量の架橋性モノマーもしくはオリゴマーを含有すると、
長期間の保管や加熱成形時において粘着性を有するよう
になり、印刷工程において不具合を生じたり、インサー
ト成形時において金型を汚染する等の問題を生じる。よ
り好ましくは、50℃において液体状の架橋性モノマー
もしくはオリゴマーを実質的に含有するべきではなく、
さらに好ましくは60℃において液体状の架橋性モノマ
ーもしくはオリゴマーを実質的に含有するべきではな
い。
【0022】本発明の光硬化性シートにおいては、上記
したような光硬化性樹脂組成物(A)が最外層になるよ
うに積層されているため、光硬化性シートの表面は粘着
性がなく、また表面の粘着性が時間とともに変化する等
の現象も起こらず、ロール状態での保存安定性が良好と
なる。さらに、本発明の光硬化性シートの最外層を構成
する光硬化性樹脂組成物(A)には、特にその硬化物層
の耐磨耗性、耐擦傷性、表面硬度を向上させる目的で無
機微粒子(a−3)を添加してもよい。
【0023】本発明に用いられる無機微粒子(a−3)
は、得られる光硬化性樹脂組成物(A)の硬化物層が透
明となれば、その種類や粒子径は特に制限されない。無
機微粒子の例としては、コロイダルシリカ、アルミナ、
酸化チタン、酸化スズ、異種元素ドープ酸化スズ(AT
O等)、酸化インジウム、異種元素ドープ酸化インジウ
ム(ITO等)、酸化カドミウム、酸化アンチモン等が
挙げられる。これらは単独で用いられてもよいし、2種
類以上の組み合わせで用いられてもよい。なかでも、入
手の容易さや価格面、得られる光硬化性樹脂組成物層の
透明性や耐磨耗性発現の観点から、コロイダルシリカが
特に好ましい。
【0024】コロイダルシリカは、通常は水性分散液の
形態や、有機溶媒に分散させた形態で用いることができ
るが、(a−1)成分であるアクリル樹脂とともに均一
かつ安定に分散させるためには、有機溶媒に分散させた
コロイダルシリカを用いることが好ましい。そのような
有機溶媒としては、メタノール、イソプロピルアルコー
ル、n−ブタノール、エチレングリコール、キシレン/
ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン等を例
示することができる。なかでも、アクリル樹脂(a−
1)とともに均一に分散させるためには、アクリル樹脂
(a−1)を溶解可能な有機溶媒を選択することが好ま
しい。
【0025】有機溶媒に分散させた形態のコロイダルシ
リカとしては、分散媒中に分散されている市販品、例え
ば、メタノールシリカゾルMA−ST、イソプロピルア
ルコールシリカゾルIPA−ST、n−ブタノールシリ
カゾルNBA−ST、エチレングリコールシリカゾルE
G−ST、キシレン/ブタノールシリカゾルXBA−S
T、エチルセロソルブシリカゾルETC−ST、ブチル
セロソルブシリカゾルBTC−ST、ジメチルホルムア
ミドシリカゾルDBF−ST、ジメチルアセトアミドシ
リカゾルDMAC−ST、メチルエチルケトンシリカゾ
ルMEK−ST、メチルイソブチルケトンシリカゾルM
IBK−ST(以上商品名、日産化学工業(株)製)を
用いることができる。
【0026】無機微粒子(a−3)の粒子径は、得られ
る光硬化性樹脂組成物(A)層の透明性の観点から、通
常は200nm以下であるのが好ましい。より好ましく
は100nm以下であり、さらに好ましくは50nm以
下である。粒子径の下限としては、1nm以上であるの
が好ましい。無機微粒子(a−3)の添加量は、側鎖に
ラジカル重合性不飽和基を有するアクリル樹脂(a−
1)100質量部に対して、無機微粒子固形分で5〜4
00質量部の範囲が好ましく、10〜200質量部の範
囲が特に好ましい。無機微粒子の添加量が5質量部未満
の場合には、耐磨耗性向上効果が認められないことがあ
り、また添加量が400質量部を超える場合には、光硬
化性樹脂組成物(A)の保存安定性が低下するばかり
か、得られる光硬化性シートの成形性が低下することが
ある。
【0027】また、本発明で用いられる無機微粒子(a
−3)としては、下記構造式(1)で表されるシラン化
合物によって、予め表面が処理されたものを用いてもよ
い。表面処理された無機微粒子の使用は、光硬化性樹脂
組成物(A)の保存安定性がさらに良好となり、また得
られる光硬化性シートの表面硬度および耐候性も良好と
なるので好ましい。
【0028】 SiR1 a2 b (OR3c (1) (上式中、R1 およびR2 は、それぞれ、エーテル結
合、エステル結合、エポキシ結合または炭素−炭素二重
結合を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基
を表し、R3 は水素原子またはエーテル結合、エステル
結合、エポキシ結合もしくは炭素−炭素二重結合を有し
ていてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、a
およびbは、それぞれ、0〜3の整数であり、cは4−
a−bを満足する1〜4の整数である) 前記構造式(1)で表されるシラン化合物のなかでも、
下記構造式(2)〜(7)で表されるシラン化合物を好
ましいものとして挙げることができる。
【0029】 SiR4 a5 b (OR6c (2) SiR4 n (OCH2 CH2 OCO(R7 )C=CH24-n (3) CH2 =C(R7 )COO(CH2p SiR8 n (OR63-n (4) CH2 =CHSiR8 n (OR63-n (5) HS(CH2p SiR8 n (OR63-n (6)
【0030】
【化1】
【0031】(上式中、R4 およびR5 は、それぞれ、
エーテル結合、エステル結合またはエポキシ結合を有し
ていてもよい炭素数1〜10の炭化水素残基を表し、R
6 は水素原子または炭素数1〜10の炭化水素残基を表
し、R7 は水素原子またはメチル基を表し、R8 は炭素
数1〜3のアルキル基またはフェニル基を表し、aおよ
びbは、それぞれ、0〜3の整数であり、cは4−a−
bを満足する1〜4の整数であり、nは0〜2の整数で
あり、pは1〜6の整数である) 前記構造式(2)で表されるシラン化合物としては、例
えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、メチ
ルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エ
チルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキ
シシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルフェ
ニルジメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メ
トキシエチルトリエトキシシラン、アセトキシエチルト
リエトキシシラン、ジエトキシエチルジメトキシシラ
ン、テトラアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシ
ラン、テトラキス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン等が挙げられる。
【0032】前記構造式(3)で表されるシラン化合物
としては、例えば、テトラキス(アクリロイルオキシエ
トキシ)シラン、テトラキス(メタクリロイルオキシエ
トキシ)シラン、メチルトリス(アクリロイルオキシエ
トキシ)シラン、メチルトリス(メタクリロイルオキシ
エトキシ)シラン等が挙げられる。前記構造式(4)で
表されるシラン化合物としては、例えば、β−アクリロ
イルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−アクリ
ロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−ア
クリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、β−メ
タクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ
−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等
が挙げられる。
【0033】前記構造式(5)で表されるシラン化合物
としては、例えば、ビニルメチルジメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等
が挙げられる。前記構造式(6)で表されるシラン化合
物としては、例えば、γ−メルカプトプロピルジメトキ
シメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシ
シラン等が挙げられる。
【0034】前記構造式(7)で表されるシラン化合物
としては、例えば、p−ビニルフェニルメチルジメトキ
シシラン、p−ビニルフェニルトリメトキシシラン等が
挙げられる。かかるシラン化合物は、無機微粒子(a−
3)の固形分1モル部に対して、0〜3モル部の割合で
使用されるのが好ましい。シラン化合物の使用量が3モ
ル部を超える場合には、得られる光硬化性シートの耐磨
耗性が低下することがある。
【0035】シラン化合物で表面処理された無機微粒子
は、少量の水の存在下で、シラン化合物と無機微粒子を
加熱攪拌することにより得ることができる。無機微粒子
(a−3)を、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有する
アクリル樹脂(a−1)に添加する方法としては、予め
アクリル樹脂(a−1)を合成後、無機微粒子を混合し
てもよいし、またアクリル樹脂(a−1)を構成するビ
ニル重合性単量体と無機微粒子を混合した条件下でアク
リル樹脂(a−1)を重合する方法等の任意の方法を選
択することができる。
【0036】本発明の光硬化性シートにおいては、基材
シート(C)上に2層の光硬化性樹脂組成物の層が積層
されており、2層の光硬化性樹脂組成物の層のうちの最
外層が前記光硬化性樹脂組成物(A)の層となる。基材
シート(C)と最外層の光硬化性樹脂組成物(A)層の
間の光硬化性樹脂組成物(B)層は、基材シート(C)
および光硬化性樹脂組成物(A)層に対して実用上問題
ない程度に十分な密着性を有し、かつ、本発明の光硬化
性シートの加工性や保存安定性、および光硬化後のシー
トの外観、意匠性、耐磨耗性、耐薬品性および耐候性を
損なわない限りは、特に限定されない。
【0037】光硬化性樹脂組成物(B)層を導入するこ
とにより、本来密着性の乏しい基材シート(C)と光硬
化性樹脂組成物(A)層の組み合わせでも、本発明の光
硬化性シートに使用可能となる利点を有する。また、特
に光硬化後の表面硬度が極端に硬い樹脂組成物(A)を
用いた場合、基材シート(C)と光硬化性樹脂組成物
(A)の硬化物層の熱膨張率差が非常に大きくなり、耐
候性が低下することがあるが、光硬化性樹脂組成物
(B)の硬化物層の硬度を調節(一般には、基材シート
(C)と光硬化性樹脂組成物(A)の硬化物層の中間に
調節)することにより、その耐候性の低下の防止が可能
となる利点も有する。
【0038】光硬化性樹脂組成物(B)として、光硬化
性樹脂組成物(A)と同等もしくは類似の組成物を用い
ると、光硬化後の光硬化性シートの表面性状(特に、密
着性、耐候性、外観、意匠性)が良好となる傾向にあ
る。このことより、光硬化性樹脂組成物(B)は、側鎖
にラジカル重合性不飽和基を有するアクリル樹脂(b−
1)および光重合開始剤(b−2)を必須成分として含
むことが好ましい。また、本発明の光硬化性シートを製
造する際の取り扱い性、作業性を考慮すると、光硬化性
樹脂組成物(B)層表面も粘着性を有さないことが適し
ていることから、光硬化性樹脂組成物(B)中には、前
記(b−1)以外の架橋性化合物を実質的に含まないこ
とがより好ましい。
【0039】光硬化性樹脂組成物(B)中の側鎖にラジ
カル重合性不飽和基を有するアクリル樹脂(b−1)お
よび光重合開始剤(b−2)としては、前述のアクリル
樹脂(a−1)および光重合開始剤(a−2)に対して
挙げたものを用いることができる。光硬化性樹脂組成物
(B)の一成分として無機微粒子(b−3)を用いるこ
とができる。その場合無機微粒子(b−3)としては、
前述の無機微粒子(a−3)に対して挙げたものを用い
ることができる。
【0040】光硬化性樹脂組成物(B)中のアクリル樹
脂(b−1)、光重合開始剤(b−2)および無機微粒
子(b−3)は、光硬化性樹脂組成物(A)中のアクリ
ル樹脂(a−1)、光重合開始剤(a−2)および無機
微粒子(a−3)と必ずしも同一組成である必要はな
く、光照射前の光硬化性シートの物性および光照射後の
インサート成形品の物性を考慮して、前述した範囲内で
適宜選定していけばよい。
【0041】基材シート(C)としては、透明である
か、不透明であるかに関係なく、その使用方法によって
好適なものが選ばれるが、例えば、ABS(アクリロニ
トリル/ブタジエン/スチレン共重合体)系樹脂、AS
(アクリロニトリル/スチレン共重合体)系樹脂、塩化
ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン等
のポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、セロファン系
樹脂、セルロース系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ナイロ
ン等のポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカ
ーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチ
レンビニルアルコール系樹脂、軟質アクリル系樹脂等か
らなるシートが挙げられる。また、これらの各シートの
複合体、積層体なども使用することができる。なかで
も、100℃加熱時における伸度が100%以上である
熱可塑性樹脂シートが、インサート成形時に金型形状へ
の追従性が良好となるので好ましい。光硬化性樹脂組成
物(B)との密着性や耐候性、透明性等を考慮すると、
さらに好ましくは架橋ゴム成分を有する熱可塑性アクリ
ル樹脂シートである。架橋ゴム成分を有する透明熱可塑
性アクリル樹脂シートとしては、特開平9−26361
4号公報等に開示されているような、多層構造を有する
アクリル樹脂を押し出し成形することによって得られる
透明熱可塑性アクリルシートがある。
【0042】また、基材シート(C)中には、必要に応
じて、適宜、ポリエチレンワックス、パラフィンワック
ス等の滑剤、シリカ、球状アルミナ、鱗片状アルミナ等
の減摩剤、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、
微粒子酸化セリウム系等の紫外線吸収剤、ヒンダードア
ミン系ラジカル捕捉剤等の光安定剤、可塑剤、安定剤、
着色剤等の各種添加剤を添加してもよい。
【0043】本発明の光硬化性シートは、基材シート
(C)上に光硬化性樹脂組成物(B)層および光硬化性
樹脂組成物(A)層がこの順序で積層された積層シート
であり、このような積層構造を有することから、インサ
ート成形時の加工性に優れるだけでなく、各種物性(特
に、耐候性−耐磨耗性(表面硬度)−密着性のバラン
ス)に優れたインサート成形品を与えることが可能とな
る。さらに、光硬化性樹脂組成物(A)層と光硬化性樹
脂組成物(B)層の間には、本発明の光硬化性シートの
優れた性状を損なわない限りにおいては、さらに1層以
上の光硬化性樹脂組成物層を積層することも可能であ
る。この場合、新たに導入する1層以上の光硬化性樹脂
組成物としては、光硬化性樹脂組成物(A)および光硬
化性樹脂組成物(B)と同等もしくは類似の組成物を用
いると、光硬化後の光硬化性シートの表面性状(特に、
密着性、耐候性、外観、意匠性)が良好になる傾向にあ
り、好ましい。
【0044】本発明の光硬化性シートの製造方法として
は、例えば、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有するア
クリル樹脂(b−1)と光重合開始剤(b−2)、さら
に必要に応じてコロイダルシリカ(b−3)およびその
他の添加剤を含む光硬化性樹脂組成物(B)を有機溶媒
などに十分に攪拌溶解させ、ディッピング法、フローコ
ート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート
法、ロールコート法、ブレードコート法、エアナイフコ
ート法等の公知の方法により基材シート(C)上にコー
ティングし、溶媒除去のための乾燥を行い、次いで同様
に側鎖にラジカル重合性不飽和基を有するアクリル樹脂
(a−1)と光重合開始剤(a−2)、さらに必要に応
じてコロイダルシリカ(a−3)およびその他の添加剤
を含む光硬化性樹脂組成物(A)を有機溶媒などに十分
に攪拌溶解させ、同様に周知の方法により基材シート
(C)上の光硬化性樹脂組成物(B)層上にコーティン
グし、溶媒除去のための乾燥を行い積層シートとする方
法がある。
【0045】この際、光硬化性樹脂組成物(A)層を形
成する前に、乾燥後の光硬化性樹脂組成物(B)層に対
して、紫外線照射ランプ等を用いて光を照射して光硬化
性樹脂組成物(B)層を光硬化(完全硬化または半硬
化)させることもできる。しかし、光硬化性樹脂組成物
(A)層および光硬化性樹脂組成物(B)層の間の密着
性の向上、あるいは得られた光硬化性積層シートの加工
性の向上という観点においては、光硬化性樹脂組成物
(A)層および光硬化性樹脂組成物(B)層を未硬化の
状態で積層した光硬化性シートを、後述するようにイン
サート成形した後に光照射して光硬化性樹脂組成物
(A)層および光硬化性樹脂組成物(B)層を同時に光
硬化させる方法が好ましい。
【0046】また、ポリエチレン、ポリプロピレン等の
ポリオレフィンからなる基材シート(C)上に上記光硬
化性樹脂組成物(B)液をコーティングする際には、基
材シートと光硬化性樹脂組成物(B)との密着性を上げ
るため、(1)予め、基材シート(C)上に低分子量ポ
リオレフィン等からなるプライマーを塗布しておくか、
または(2)予め、コロナ放電などで基材シート(C)
表面を活性化しておく(このコロナ放電を行う工程とし
ては、活性化された直後が密着性が高いのでコーティン
グの少し前であるのが好ましい)のが好ましい。さら
に、光硬化性樹脂組成物(B)が光硬化時に体積収縮
し、基材シート(C)との密着性が低下するのを防ぐ目
的で、プライマー層を積層することも可能である。
【0047】本発明の光硬化性シートは、基材シート
(C)側に印刷層を設けることにより、光硬化性加飾シ
ートとすることもできる。印刷層は、インサート成形品
表面に模様や文字等の加飾を施すものである。加飾は、
任意であるが、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何
学模様、文字、全面ベタ等からなる絵柄が挙げられる。
印刷層の材料としては、塩化ビニル/酢酸ビニル系共重
合体等のポリビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリエステルウレタ
ン系樹脂、セルロースエステル系樹脂、アルキッド樹
脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂等の樹脂をバインダー
とし、適切な色の顔料または染料を着色剤として含有す
る着色インキを用いるとよい。
【0048】印刷層に用いられるインキの顔料として
は、例えば、次のものが使用できる。通常、顔料とし
て、黄色顔料としてはポリアゾ等のアゾ系顔料、イソイ
ンドリノン等の有機顔料や黄鉛等の無機顔料、赤色顔料
としてはポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドン等の有
機顔料や弁柄等の無機顔料、青色顔料としてはフタロシ
アニンブルー等の有機顔料やコバルトブルー等の無機顔
料、黒色顔料としてはアニリンブラック等の有機顔料、
白色顔料としては二酸化チタン等の無機顔料が使用でき
る。
【0049】印刷層に用いられるインキの染料として
は、本発明の効果を損なわない範囲で、各種の公知の染
料を使用することができる。また、インキの印刷方法と
しては、オフセット印刷法、グラビア輪転印刷法、スク
リーン印刷法等の公知の印刷法やロールコート法、スプ
レーコート法等の公知のコート法を用いるのがよい。こ
の際、本発明におけるように、低分子の反応性ビニル化
合物を使用するのではなく、ポリマー同士を架橋させる
構成の光硬化性樹脂組成物を用いる場合には、表面に粘
着性が無く、印刷時のトラブルが少なく、歩留まりが良
好である。
【0050】また、インサート成形品表面に加飾を施す
ための層として、印刷層の代わりに蒸着層を設けてもよ
いし、印刷層と蒸着層の両方を設けてもよい。蒸着層
は、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、
銅、インジウム、スズ、銀、チタニウム、鉛、亜鉛等の
群から選ばれる少なくとも1つの金属、またはこれらの
合金もしくは化合物を使用して、真空蒸着法やスパッタ
リング法、イオンプレーティング法、鍍金法等の方法に
より形成することができる。
【0051】これらの加飾のための印刷層や蒸着層は、
所望のインサート成形品の表面外観が得られるよう、イ
ンサート成形時の伸張度合いに応じて、適宜その厚みを
選択すればよい。また、本発明の光硬化性シートは、基
材シート側に印刷層、接着層および必要に応じてプライ
マーシートが順次に形成された光硬化性インサート成形
用シートとすることができる。その場合、光硬化性イン
サート成形用シートの好ましい厚み範囲は、30〜75
0μmである。シート厚みが30μm未満の場合には、
深しぼり成形を行った際に、曲面でのシート厚みが著し
く低下し、結果として耐磨耗性や耐薬品性等のシート物
性が低下することがある。また、シート厚みが750μ
mを超える場合には、金型への形状追従性が低下するこ
とがある。
【0052】上記接着層には、印刷層または蒸着層と成
形樹脂、印刷層または蒸着層とプライマーシートとの密
着性を高める性質のものであれば、任意の合成樹脂状材
料を選択して用いることができる。例えば、成形樹脂が
ポリアクリル系樹脂の場合は、ポリアクリル系樹脂を用
いるのがよい。また、成形樹脂がポリフェニレンオキシ
ド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ス
チレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の
場合は、これらの樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等を使用す
ればよい。さらに、成形樹脂がポリプロピレン系樹脂等
のポリオレフィン系樹脂である場合には、塩素化ポリオ
レフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹
脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂、ブロックイソシ
アネートを用いた熱硬化型ウレタン樹脂等が使用可能で
ある。なお、接着層の粘着性低減や耐熱性向上の目的
で、疎水性シリカやエポキシ樹脂、石油樹脂等をさらに
含有させることもできる。
【0053】上記プライマーシートは、必要に応じて形
成されるものであり、ウレタン樹脂等の公知の樹脂をそ
の材料として使用可能である。なお、成形樹脂との密着
性を高める目的から、成形樹脂と相溶性の材料からなる
のがよい。現実的には、プライマーシートは成形樹脂と
同類のポリマー材料からなるのが好ましい。また、プラ
イマーシートの存在は、射出成形品の表面欠陥が光硬化
性樹脂組成物表面上に伝搬されるのを最少にするといっ
た利点を与える。その場合、プライマーシートは、光硬
化性樹脂組成物の完全に円滑な上面を呈しながら、成形
樹脂の表面欠陥を吸収するほどの厚みを有することが必
要である。
【0054】また、本発明の光硬化性シートは、基材シ
ート(C)上の光硬化性樹脂組成物(B)層の上に形成
された光硬化性樹脂組成物(A)層の上に、さらにカバ
ーフィルムを設けることもできる。このカバーフィルム
は、光硬化性シート表面の防塵に有効であり、また活性
エネルギー線照射前の光硬化性樹脂組成物(A)層表面
の傷つき防止にも有効である。
【0055】上記カバーフィルムは、後述するようにイ
ンサート成形する前まで光硬化性樹脂組成物(A)層に
密着し、インサート成形する際は直ちに剥離するので、
光硬化性樹脂組成物(A)層に対して適度な密着性と良
好な離型性を有していることが必要である。このような
条件を満たしたフィルムで有れば、任意のフィルムを選
択して用いることができる。そのようなフィルムとして
は、例えば、ポリエチレン系フィルム、ポリプロピレン
系フィルム、ポリエステル系フィルム等が挙げられる。
【0056】ところで、自動車のボディーパネルやスポ
イラー等のような成形品のサイズが大きく、且つ成形品
の肉厚が薄い場合には、成形樹脂から発生するガスが成
形樹脂内に残留したり、金型内の空気が成形樹脂とシー
トの間に介在しやすくなり、成形樹脂に対するシートの
密着性が低下するという問題が生じることがある。その
ような場合、成形樹脂に接するシート面に、ガス透過性
を有する層を設けることで、問題を解決することができ
る。そのようなガス透過性を有する層として、スパンデ
ックス、アクリル繊維、ポリエチレン系繊維、ポリアミ
ド系繊維等で構成された織布または不織布を挙げること
ができる。また織布/不織布の代わりに、発泡層からな
るものを用いてもよい。発泡層の形成方法としては、公
知の発泡剤を含む樹脂溶液を塗布した後に加熱等により
発泡させて連続空孔を形成させる方法等が挙げられる。
【0057】次に、上記光硬化性シート、または光硬化
性加飾シート、または光硬化性インサート成形用シート
を用いたインサート成形品の製造方法について説明す
る。本発明では、上記の光硬化性シート、光硬化性加飾
シートまたは光硬化性インサート成形用シートを、光硬
化性樹脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように挿
入配置する工程(1)、金型を閉じて、溶融樹脂を金型
内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性シー
ト、光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサート成形
用シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工程
(3)、および光照射することにより成形品表面の光硬
化性樹脂組成物を光硬化させる工程(4)を含む製造方
法、または上記の光硬化性シート、光硬化性加飾シート
または光硬化性インサート成形用シートを、光硬化性樹
脂組成物側が金型の内壁面に向かい合うように挿入配置
する工程(1)、光硬化性シート、光硬化性加飾シート
または光硬化性インサート成形用シートを予備成形して
シートを金型形状に追従させる工程(2)、金型を閉じ
て、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化させること
により光硬化性シート、光硬化性加飾シートまたは光硬
化性インサート成形用シートが表面に配置された樹脂成
形品を形成する工程(3)、および光照射することによ
り成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程
(4)を含む製造方法によって、インサート成形品とす
ることができる。
【0058】上記の工程(1)〜(4)は、必ずしもそ
の順番に行われる必要はないが、それぞれ工程(1)→
(3)→(4)および工程(1)→(2)→(3)→
(4)の順番で行われることが好ましい。光硬化性シー
ト、光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサート成形
用シートにカバーフィルムが設けられている場合は、ま
ずカバーフィルムをシートより剥離除去する。なお、カ
バーフィルムは、金型内にシートを挿入配置する直前に
剥離してもよいし、シートを金型内に挿入配置する遥か
以前に剥離しておいても構わない。ただし、光照射前の
光硬化性樹脂組成物(A)層の防塵や傷つき防止を考慮
すると、前者のほうが好ましい。
【0059】光硬化性シート、光硬化性加飾シートまた
は光硬化性インサート成形用シートを、光硬化性樹脂組
成物(A)側が金型の内壁面に向かい合うように挿入配
置する(すなわち、光硬化性樹脂組成物(A)層の反対
側が成形樹脂と接する状態)。この際、長尺のシートの
まま(ロールから巻き出しながら)必要部分を間欠的に
送り込んでもよいし、シートを枚葉化して1枚ずつ送り
込んでもよい。特に加飾のための印刷層や蒸着層を有す
る長尺のシートを使用する場合、位置決め機構を有する
送り装置を使用して、加飾のための層と金型との見当が
一致するようにするとよい。またシートを間欠的に送り
込む際に、シートの位置をセンサーで検出した後にシー
トを固定するようにすれば、常に同じ位置でシートを固
定することができ、加飾のための層の位置ずれが生じな
いので便利である。
【0060】次いで、必要に応じて、光硬化性シート、
光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサート成形用シ
ートを予備成形する。例えば、ホットパック等の加熱手
段によりシートをその軟化点以上に軟化させ、金型に設
けられた吸引孔を通じて真空吸引することにより金型形
状にシートを追従させることで予備成形することができ
る。なお、シートを金型内に挿入配置する前に、シート
を予めシートの熱変形温度未満の温度に予熱しておく
と、シートを金型内に挿入配置後に行う加熱時間を短縮
することができ、生産性を向上させることが可能とな
る。また、射出成形用金型とは別の立体加工成形用型を
用いて、真空成形法、圧空成形法、熱せられたゴムを押
し付ける押圧成形法、プレス成形法等の公知の成形法に
より、シートを予め所望の形状に予備成形してもよい。
もちろん、シートを予備成形せずに、後述する成形樹脂
の射出圧により、シートの成形および成形樹脂との一体
化を同時に行うことも可能である。この際、シートを予
め予備加熱して軟化させておくことも可能である。
【0061】その後、金型を閉じて、キャビティー内に
溶融状態の成形樹脂を射出し、樹脂を固化させることに
より光硬化性シート、光硬化性加飾シートまたは光硬化
性インサート成形用シートが表面に配置された樹脂成形
体を形成する。本発明で使用する成形樹脂としては、種
類は問わず、射出成形可能な全ての樹脂が使用可能であ
る。そのような成形樹脂としては、例えば、ポリエチレ
ン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、
ポリメチルペンテン系樹脂、エチレン−プロピレン共重
合体樹脂、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体樹
脂、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン
系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS(アクリロニトリ
ル/ブタジエン/スチレン系共重合体)系樹脂、AS
(アクリロニトリル/スチレン系共重合体)系樹脂、ア
クリル系樹脂、ウレタン系樹脂、不飽和ポリエステル系
樹脂、エポキシ系樹脂等の汎用の熱可塑性または熱硬化
性樹脂を挙げることができる。また、ポリフェニレンオ
キシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート変性ポリ
フェニレンエーテル系樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト系樹脂等の汎用エンジニアリング樹脂やポリスルホン
系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェ
ニレンオキシド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポ
リイミド系樹脂、液晶ポリエステル系樹脂、ポリアリル
系耐熱樹脂等のスーパーエンジニアリング樹脂を使用す
ることもできる。さらに、ガラス繊維や無機フィラー
(タルク、炭酸カルシウム、シリカ、マイカ等)等の補
強材、ゴム成分等の改質剤を添加した複合樹脂や各種変
性樹脂を使用することができる。なお、成形樹脂の成形
後の収縮率を前記シートの収縮率に近似させることで、
インサート成形品の反りやシートの剥がれ等の不具合を
解消できるので好ましい。
【0062】最後に、金型内よりインサート成形品を取
り出した後、光照射することにより成形品表面の光硬化
性樹脂組成物を光硬化させる。照射する光としては、電
子線、紫外線、γ線等を挙げることができる。照射条件
は、光硬化性樹脂組成物(A)層および光硬化性樹脂組
成物(B)層の光硬化特性に応じて定められるが、照射
量は、通常500〜2,000mJ/cm2 程度であ
る。これによって、光照射により光硬化性樹脂組成物
(A)および光硬化性樹脂組成物(B)が硬化して硬質
の被膜が表面に形成されたインサート成形品を得ること
ができる。
【0063】インサート成形品に接着した光硬化性シー
ト、光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサート成形
用シートのうち、不要な部分は必要に応じて適宜トリミ
ングして除去する。このトリミングは、シートを金型内
に挿入配置した後や、インサート成形品に光照射する
前、あるいは光照射した後に行うことができる。トリミ
ングの方法としては、レーザー光線等を照射してシート
を焼き切る方法、トリミング用の打ち抜き型を作製しプ
レス加工によってシートを打ち抜く方法、人手によりシ
ートをちぎるようにして除去する方法等の公知の方法に
より行うことができる。
【0064】なお、インサート成形品の製造方法とし
て、射出成形を用いた製造方法について説明したが、射
出成形の代わりにブロー成形を用いることも可能であ
る。また、本発明の光硬化性インサート成形用シート、
または光硬化性加飾シート、または光硬化性インサート
成形用シートにより加飾された成形品が主に屋外で使用
される場合には、シートに紫外線吸収剤や光安定剤を加
えることもできる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリ
アゾール、ベンゾフェノン、サリチル酸エステル等の有
機物、または粒径0.2μm以下の微粒子状の酸化亜
鉛、酸化セリウム、酸化チタン等の無機物を使用するこ
とができる。また、光安定剤としては、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート
等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、ピペリジン系
ラジカル捕捉剤等のラジカル捕捉剤を用いることができ
る。
【0065】このようにして得られた成形品は、成形と
同時に色もしくはデザインが付与され、さらには短時間
の光照射によって、耐磨耗性、耐薬品性および耐候性等
が向上する。さらに、従来の成形後のスプレー塗装等と
比較して、工程の短縮、歩留まりの向上、環境への影響
低減をはかることができる。また、本発明の光硬化性シ
ートは、既に.射出成形された樹脂に直接あるいは接着
剤層を介してラミネートして、射出成形品表面に積層し
て使用することもできる。
【0066】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。なお、例中、「部」は「質量部」を意味す
る。 合成例1 ((a−1)または(b−1)成分としてのアクリル樹
脂Iの合成)窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび
温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、メチルエチル
ケトン(以下、MEKと略す)50部を入れ、80℃に
昇温した。窒素雰囲気下でメチルメタクリレート(以
下、MMAと略す)19部、グリシジルメタクリレート
(以下、GMAと略す)81部、アゾビスイソブチロニ
トリル(以下、AIBNと略す)0.5部の混合物を3
時間かけて滴下した。その後、MEK80部とAIBN
0.2部の混合物を加え、重合させた。4時間後、ME
K50部、ハイドロキノンモノメチルエーテル(以下、
MEHQと略す)0.5部、トリフェニルホスフィン
2.5部、およびアクリル酸(以下、AAと略す)4
0.6部を加え、空気を吹き込みながら80℃で30時
間攪拌した。その後、冷却した後、反応物をフラスコよ
り取り出し、側鎖にラジカル重合性不飽和基を有するア
クリル樹脂Iの溶液を得た。
【0067】アクリル樹脂Iにおける単量体の重合率は
99.5%以上であり、ポリマー固形分量は約44質量
%、数平均分子量は約5.4万、ガラス転移温度は約4
1℃、二重結合当量は平均249g/molであった。 合成例2 ((a−1)または(b−1)成分としてのアクリル樹
脂IIの合成)窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよ
び温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、MEK50
部を入れ、80℃に昇温した。窒素雰囲気下でGMA1
00部、AIBN0.5部の混合物を3時間かけて滴下
した。その後、MEK80部とAIBN0.2部の混合
物を加え、重合させた。4時間後、MEK50部、ME
HQ0.5部、トリフェニルホスフィン2.5部、およ
びAA50.1部を加え、空気を吹き込みながら80℃
で30時間攪拌した。その後、冷却した後、反応物をフ
ラスコより取り出し、側鎖にラジカル重合性不飽和基を
有するアクリル樹脂IIの溶液を得た。
【0068】アクリル樹脂IIにおける単量体の重合率
は99.5%以上であり、ポリマー固形分量は約46質
量%、数平均分子量は約5.0万、ガラス転移温度は約
32℃、二重結合当量は平均216g/molであっ
た。 合成例3 ((a−1)または(b−1)成分としてのアクリル樹
脂IIIの合成)窒素導入口、攪拌機、コンデンサーお
よび温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、MEK5
0部を入れ、80℃に昇温した。窒素雰囲気下でMMA
67.8部、GMA32.2部、AIBN0.5部の混
合物を3時間かけて滴下した。その後、MEK80部と
AIBN0.2部の混合物を加え、重合させた。4時間
後、MEK50部、MEHQ0.5部、トリフェニルホ
スフィン2.5部、およびAA16.1部を加え、空気
を吹き込みながら80℃で30時間攪拌した。その後、
冷却した後、反応物をフラスコより取り出し、側鎖にラ
ジカル重合性不飽和基を有するアクリル樹脂IIIの溶
液を得た。
【0069】アクリル樹脂IIIにおける単量体の重合
率は99.5%以上であり、ポリマー固形分量は約40
質量%、数平均分子量は約6.0万、ガラス転移温度は
約77℃、二重結合当量は平均519g/molであっ
た。 合成例4 ((a−1)または(b−1)成分としてのアクリル樹
脂IVの合成)窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよ
び温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、MEK50
部を入れ、80℃に昇温した。窒素雰囲気下でMMA2
0.4部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート79.
6部、AIBN0.5部の混合物を3時間かけて滴下し
た。その後、MEK80部とAIBN0.2部の混合物
を加え、4時間重合させた。次いで、60℃に温度を下
げた後、MEK50部、MEHQ0.5部、ジブチル錫
ジラウレート0.05部、および2−メタクリロイルオ
キシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製,商品名
カレンズMOI)93.9部を加え、空気を吹き込みな
がら60℃で30時間攪拌した。その後、冷却した後、
反応物をフラスコより取り出し、側鎖にラジカル重合性
不飽和基を有するアクリル樹脂IVの溶液を得た。
【0070】アクリル樹脂IVにおける単量体の重合率
は99.5%以上であり、ポリマー固形分量は約52質
量%、数平均分子量は約3.2万、ガラス転移温度は約
31℃、二重結合当量は平均320g/molであっ
た。 合成例5 ((a−1)または(b−1)成分としてのアクリル樹
脂Vの合成)窒素導入口、撹拌機、コンデンサーおよび
温度計を備えた1Lの4つ口フラスコに、窒素雰囲気下
で、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレ
ート100部、MEK60部およびAIBN0.3部を
入れ、撹拌しながら湯浴の温度を75℃に上げ、その温
度で2時間重合させた。次いで、AIBN0.7部を1
時間おきに5回に分けて添加した後、フラスコ内温を溶
剤の沸点まで上昇させてその温度でさらに2時間重合さ
せた。その後、フラスコ内温度が50℃以下になってか
ら、MEK90部を添加して重合反応物をフラスコより
取り出し、アクリル樹脂Vの溶液を得た。
【0071】アクリル樹脂Vにおける単量体の重合率は
99.5%以上であり、ポリマー固形分量は約40質量
%、数平均分子量は約3万、ガラス転移温度は約73℃
であった。 コロイダルシリカの表面処理例1 (表面処理コロイダルシリカS1の調製)
【0072】
【表1】
【0073】注)数値は固形分換算のモル部である。 1)MEK−ST:MEK分散コロイダルシリカゾル
(日産化学工業(株)製)、シリカ粒子径=15nm 2)KBM503:γ−メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)、分子量
=248 攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコ
に、上記表1に記載の成分を入れ、攪拌しながら湯浴の
温度を75℃に上げ、その温度で2時間反応させること
により、MEK中に分散され、表面がシラン化合物で処
理されたコロイダルシリカS1を得た。
【0074】コロイダルシリカの表面処理例2 (表面処理コロイダルシリカS2の調製)
【0075】
【表2】
【0076】注)数値は固形分換算のモル部である。 1)IPA−ST:イソプロパノール分散コロイダルシ
リカゾル(日産化学工業(株)製)、シリカ粒子径=1
5nm 2)KBM503:γ−メタクリロイルオキシプロピル
トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製)、分子量
=248 攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコ
に、上記表2に記載の成分を入れ、攪拌しながら湯浴の
温度を75℃に上げ、その温度で2時間反応させること
により、イソプロパノール中に分散され、表面がシラン
化合物で処理されたコロイダルシリカを得た。続いて、
イソプロパノールを留去した後にトルエンを添加するこ
とを繰り返し、完全にイソプロパノールをトルエンに置
換することにより、トルエン中に分散され、表面がシラ
ン化合物で処理されたコロイダルシリカS2を得た。
【0077】実施例1〜6および比較例1〜7 上記の方法で合成したアクリル樹脂I〜Vおよび表面処
理されたコロイダルシリカS1およびS2を用いて、最
外層用および内層用の光硬化性樹脂溶液を、それぞれ、
表3および表4に示す組成を有するように調製した。
【0078】
【表3】
【0079】注)数値は固形分換算の重量部である。 1)トリメチロールプロパントリアクリレート 2)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 3)トリフェニルスルホニウム6フッ化アンチモネート
【0080】
【表4】
【0081】注)数値は固形分換算の重量部である。 1)トリメチロールプロパントリアクリレート 2)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 3)トリフェニルスルホニウム6フッ化アンチモネート 実施例および比較例で調製した内層用の組成物溶液をそ
れぞれプロペラ型ミキサーで撹拌し、基材シートとして
架橋ゴム成分を含み、厚さ125μmの透明軟質アクリ
ルシート上に塗工幅350mmで塗布し、次いで熱風乾
燥機を用いて乾燥させ、厚さ8μmの光硬化性樹脂層
(内層)を形成した。次に、実施例および比較例で調製
した最外層用の組成物溶液をそれぞれプロペラ型ミキサ
ーで撹拌し、先に形成した光硬化性樹脂層(内層)上に
塗工幅350mmで塗布し、次いで熱風乾燥機を用いて
乾燥させ、厚さ8μmの光硬化性樹脂層(最外層)を形
成させ、光硬化性シートを作製した。続いて、幅300
mmにスリットして20mの長さにABS製コアにロー
ル状に巻き取った。なお、透明軟質アクリルシートのみ
の破断伸度をテンシロンにより測定すると、100℃加
熱時の破断伸度は260%であった。
【0082】室温にて約2週間ロール状態で保存した
後、巻きだしながら表面の粘着性を評価した。結果を表
5および表6に示す。この光硬化性シートを、最外層の
光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向き合うように金
型内に配置し、次いで赤外線ヒーターにより温度350
℃で10秒間シートを予備加熱した後、さらに加熱を行
いながら真空吸引することにより金型形状にシートを追
従させた。なお、この金型の形状は、切頭角錐形状で、
切頭面のサイズは100mm×100mmで、底面のサ
イズは108mm×117mm、深さは10mmであ
り、切頭面の端部の曲率半径がそれぞれ3、5、7、1
0mmである。その際の金型追従性を目視で評価したと
ころ、各端部とも良好に追従していた。
【0083】次に、成形温度280〜300℃、金型温
度40〜60℃の条件において、ポリカーボネート樹脂
を成形樹脂として用いてインサート成形を行い、光硬化
性インサート成形用シートが成形品表面に密着したイン
サート成形品を得た。この際の成形用金型の汚れを目視
で評価した。結果を表5および表6に示す。次いで、紫
外線照射装置を用いて、約700mJ/cm2 の紫外線
を照射し、最外層および内層の光硬化性樹脂組成物を硬
化させ、表面物性を評価した。結果を表5および表6に
示す。
【0084】インサート成形品物性評価方法 耐酸性:47質量%硫酸水溶液を40℃で3時間スポッ
ト試験した後の外観を目視評価した。 ○:良好 △:薄く跡有り ×:著しい跡有り 耐温水性:80℃の温水中に24時間浸漬後の成形品の
表面状態を目視評価した。
【0085】 ○:良好 △:薄く白化有り ×:著しい白化有り 透明性:ASTM D1003に準じ、ヘイズメーター
を用いて全光線透過率およびヘイズを測定した。
【0086】耐磨耗性:テーバー磨耗試験(片側500
g荷重、CS−10F磨耗輪を用い、回転速度60rp
m、試験回数500回で試験を実施)後の曇価をヘーズ
メーターで測定した。そして(試験後の曇価)−(試験
前の曇価)で表される数値を耐磨耗性(%)として示し
た。 耐候性:サンシャインウエザーメーター(スガ試験機
製)を用い、乾燥48分、雨12分のサイクルで150
0時間および2000時間曝露試験したときの外観を目
視評価した。
【0087】 ○:良好 ×:白化またはクラック有り
【0088】
【表5】
【0089】 1)○:粘着性無し、△:粘着性有り、×:粘着性大、
巻きだし不可 2)○:汚れ無し、△:若干汚れ有り、×:汚れ大 3)実施例1〜7の、光硬化性樹脂層を有していない軟
質アクリルフィルムのみをインサート成形した成形品の
耐磨耗性は、50%であった。
【0090】
【表6】
【0091】 1)○:粘着性無し、△:粘着性有り、×:粘着性大、
巻きだし不可 2)○:汚れ無し、△:若干汚れ有り、×:汚れ大 3)比較例1〜7の、光硬化性樹脂層を有していない軟
質アクリルフィルムのみをインサート成形した成形品の
耐磨耗性は、50%であった。 実施例7 実施例1と同様にして、基材シートである透明軟質アク
リルシート(架橋ゴム成分含有、厚さ125μm)上
に、表7に示す組成をそれぞれ有する内層2、内層1、
最外層の3層をこの順序で順次積層して光硬化性シート
を作製した。
【0092】得られた光硬化性シートを用い、実施例1
と同様にしてインサート成形を行い、各種物性を評価し
た。結果を表5に示した。
【0093】
【表7】
【0094】注)数値は固形分換算の重量部である。 1)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 実施例8〜13 実施例1〜6で調製した内層用の組成物溶液をそれぞれ
プロペラ型ミキサーで撹拌し、基材シートとして架橋ゴ
ム成分を含み、厚さ200μmの透明軟質アクリルシー
ト上に塗工幅350mmで塗布し、次いで熱風乾燥機を
用いて乾燥させ、厚さ15μmの光硬化性樹脂層(内
層)を形成した。次に、実施例1〜6で調製した最外層
用の組成物溶液をそれぞれプロペラ型ミキサーで撹拌
し、先に形成した光硬化性樹脂層(内層)上に塗工幅3
50mmで塗布し、次いで熱風乾燥機を用いて乾燥さ
せ、厚さ15μmの光硬化性樹脂層(最外層)を形成さ
せ、光硬化性シートを作製した。続いて、幅300mm
にスリットして20mの長さにABS製コアにロール状
に巻き取った。なお、透明軟質アクリルシートのみの破
断伸度をテンシロンにより測定すると、100℃加熱時
の破断伸度は400%であった。
【0095】次いで、黒、茶、黄の各色の顔料から成る
インキを用い、各光硬化性インサート成形用シートの透
明軟質アクリルシート面に絵柄をグラビア印刷法によっ
て印刷した後、光硬化性インサート成形用シートを得
た。この実施例8〜13のシートは粘着性がないので、
印刷適性は良好であった。シートの厚みは233μmで
あった。
【0096】この光硬化性インサート成形用シートを、
光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向き合うように金
型内に配置し、次いで赤外線ヒーターにより温度300
℃で15秒間シートを予備加熱した後、さらに加熱を行
いながら真空吸引することにより金型形状にシートを追
従させた。次に、成形温度220〜250℃、金型温度
40〜60℃の条件において、アクリロニトリル/ブタ
ジエン/スチレン共重合体樹脂を成形樹脂として用いて
インサート成形を行い、光硬化性インサート成形用シー
トが成形品表面に密着したインサート成形品を得た。
【0097】次いで、紫外線照射装置を用いて、約70
0mJ/cm2 の紫外線を照射し、最外層および内層の
光硬化性樹脂組成物を硬化させ、表面硬度が高く、光沢
に優れ、印刷絵柄を有することから意匠性に優れる成形
品を得た。 実施例14〜19 実施例1〜6で調製した内層用の組成物溶液をそれぞれ
プロペラ型ミキサーで撹拌し、基材シートとして架橋ゴ
ム成分を含み、厚さ200μmの透明軟質アクリルシー
ト上に塗工幅350mmで塗布し、次いで熱風乾燥機を
用いて乾燥させ、厚さ15μmの光硬化性樹脂層(内
層)を形成した。次に、実施例1〜6で調製した最外層
用の組成物溶液をそれぞれプロペラ型ミキサーで撹拌
し、先に形成した光硬化性樹脂層(内層)上に塗工幅3
50mmで塗布し、次いで熱風乾燥機を用いて乾燥さ
せ、厚さ15μmの光硬化性樹脂層(最外層)を形成さ
せ、光硬化性シートを作製した。続いて、幅300mm
にスリットして20mの長さにABS製コアにロール状
に巻き取った。なお、透明軟質アクリルシートのみの破
断伸度をテンシロンにより測定すると、100℃加熱時
の破断伸度は400%であった。
【0098】次いで、黒、茶、黄の各色の顔料から成る
インキを用い、透明軟質アクリルシート面に絵柄をグラ
ビア印刷法によって印刷した。このシートは粘着性がな
いので、印刷適性は良好であった。さらに、塩素化ポリ
プロピレン樹脂(塩素化度15%)からなる接着層を、
印刷面にグラビア印刷法によって形成させた後、光硬化
性インサート成形用シートを得た。シートの厚みは25
5μmであった。
【0099】この光硬化性インサート成形用シートを、
光硬化性樹脂組成物が金型の内壁面に向き合うように金
型内に配置し、次いで赤外線ヒーター温度300℃で1
5秒間シートを予備加熱した後、さらに加熱を行いなが
ら真空吸引することにより金型形状にシートを追従させ
た。次に、成形温度200〜240℃、金型温度30〜
60℃の条件において、ポリプロピレン系樹脂(タルク
を20質量%含有、エチレン−プロピレン系ゴムを10
質量%含有)を成形樹脂として用いてインサート成形を
行い、光硬化性インサート成形用シートが成形品表面に
密着したインサート成形品を得た。
【0100】次いで、紫外線照射装置を用いて、約70
0mJ/cm2 の紫外線を照射して光硬化性樹脂組成物
を硬化させ、表面硬度や耐磨耗性が高く、光沢に優れ、
印刷絵柄を有して意匠性に優れる成形品を得た。
【0101】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明により、
色もしくはデザインの印刷が可能な非粘着性の光硬化性
の印刷シートが容易に得られ、それを用いて射出成形時
に同時成形することにより、樹脂成形品の上に、色もし
くはデザイン等の意匠をもち、良好な外観、耐磨耗性、
耐候性および耐薬品性を有する表面が形成でき、インス
トルメントパネル、コンソールボックス、メーターカバ
ー、ドアロックペゼル、ステアリングホイール、パワー
ウィンドウスイッチベース、センタークラスター、ダッ
シュボード等の自動車内装材用途、ウェザーストリッ
プ、バンパー、バンパーガード、サイドマッドガード、
ボディーパネル、スポイラー、フロントグリル、ストラ
ットマウント、ホイールキャップ、センターピラー、ド
アミラー、センターオーナメント、サイドモール、ドア
モール、ウインドモール等、窓、ヘッドランプカバー、
テールランプカバー、風防部品等の自動車外装材用途、
AV機器や家電製品のフロントパネル、ボタン、エンブ
レム、表面化粧材等の用途、携帯電話等のハウジング、
表示窓、ボタン等の用途、さらには家具用外装材用途、
壁面、天井、床等の建築用内装材用途、サイディング等
の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の建築用外装材用
途、窓枠、扉、手摺、敷居、鴨居等の建具類の表面化粧
材用途、各種ディスプレイ、レンズ、ミラー、ゴーグ
ル、窓ガラス等の光学部材用途、或いは、電車、航空
機、船舶等の自動車以外の各種乗物の内/外装材用途、
瓶、化粧品容器、小物入れ等の各種包装容器および材
料、景品や小物等の雑貨等のその他各種用途に好適に使
用することができる。また、透明樹脂の上においてはそ
の透明性を活かしたまま良好な耐磨耗性、耐候性および
耐薬品性を有する表面が形成でき、自動車や鉄道車両、
飛行機等の窓やヘッドランプカバー、風防部品等に好適
に使用することができる。また、成形品の表面を塗装す
る場合に比べて工程数を省略することができて生産性も
よく、環境に対する影響も少ない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08F 299/00 C08F 299/00 B29K 105:20 B29K 105:20 B29L 9:00 B29L 9:00 (72)発明者 角野 洋子 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央技術研究所内 Fターム(参考) 4F100 AA00B AA00C AA20B AA20C AK01B AK01C AK25B AK25C AK25J AL01B AL01C AR00E AT00A BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10B BA10D BA10E BA13 CA30B CA30C DE01B DE01C EH362 EH66E GB07 GB32 GB33 GB48 GB90 HB00 HB31D JB01 JB14 JB14B JB14C JK09 JL09 JL11E JN01 4F206 AD08 AD09 AD20 AD34 JA07 JB13 JB19 JF05 JW34 4J011 AA05 PA07 PA13 PB22 PC07 PC08 QB03 SA01 SA21 SA84 TA09 UA01 UA03 UA04 WA07 4J027 AA02 BA01 BA04 BA06 BA07 BA08 BA26 CA18 CB10 CC03 CC05 CC06 CD01 CD04

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シート(C)と、基材シート(C)
    上に積層された2層の光硬化性樹脂組成物の層を含む光
    硬化性シートにおいて、2層の光硬化性樹脂組成物の層
    のうち、最外層が下記光硬化性樹脂組成物(A)の層で
    あることを特徴とする光硬化性シート。 光硬化性樹脂組成物(A):側鎖にラジカル重合性不飽
    和基を有するアクリル樹脂(a−1)および光重合開始
    剤(a−2)を含み、前記(a−1)以外の架橋性化合
    物を実質的に含まない光硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 光硬化性樹脂組成物(A)がさらに無機
    微粒子(a−3)を含む、請求項1記載の光硬化性シー
    ト。
  3. 【請求項3】 無機微粒子(a−3)がコロイダルシリ
    カである、請求項1または2記載の光硬化性シート。
  4. 【請求項4】 基材シート(C)に接する光硬化性樹脂
    組成物層が下記光硬化性樹脂組成物(B)の層である、
    請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性シート。 光硬化性樹脂組成物(B):側鎖にラジカル重合性不飽
    和基を有するアクリル樹脂(b−1)および光重合開始
    剤(b−2)を含む光硬化性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 光硬化性樹脂組成物(B)が側鎖にラジ
    カル重合性不飽和基を有するアクリル樹脂(b−1)以
    外の架橋性化合物を実質的に含まない、請求項1〜4の
    いずれかに記載の光硬化性シート。
  6. 【請求項6】 光硬化性樹脂組成物(B)がさらに無機
    微粒子(b−3)を含む、請求項1〜5のいずれかに記
    載の光硬化性シート。
  7. 【請求項7】 無機微粒子(b−3)がコロイダルシリ
    カである、請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性シ
    ート。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載した光硬
    化性シートの基材シート(C)側に施された印刷層およ
    び/または蒸着層を含む光硬化性加飾シート。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載した光硬
    化性シートの基材シート(C)側に形成された印刷層お
    よび/または蒸着層、および接着層を含む光硬化性イン
    サート成形用シート。
  10. 【請求項10】 請求項1〜7のいずれかに記載した光
    硬化性シートの基材シート(C)側に形成された印刷層
    および/または蒸着層、接着層およびプライマーシート
    を含む光硬化性インサート成形用シート。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載した
    光硬化性シート、光硬化性加飾シートまたは光硬化性イ
    ンサート成形用シートを、光硬化性樹脂組成物側が金型
    の内壁面に向かい合うように挿入配置する工程(1)、
    金型を閉じて、溶融樹脂を金型内に射出し、樹脂を固化
    させることにより光硬化性シート、光硬化性加飾シート
    または光硬化性インサート成形用シートが表面に配置さ
    れた樹脂成形品を形成する工程(3)、および光照射す
    ることにより成形品表面の光硬化性樹脂組成物を光硬化
    させる工程(4)を含むインサート成形品の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜10のいずれかに記載した
    光硬化性シート、光硬化性加飾シートまたは光硬化性イ
    ンサート成形用シートを、光硬化性樹脂組成物側が金型
    の内壁面に向かい合うように挿入配置する工程(1)、
    光硬化性シート、光硬化性加飾シートまたは光硬化性イ
    ンサート成形用シートを予備成形してシートを金型形状
    に追従させる工程(2)、金型を閉じて、溶融樹脂を金
    型内に射出し、樹脂を固化させることにより光硬化性シ
    ート、光硬化性加飾シートまたは光硬化性インサート成
    形用シートが表面に配置された樹脂成形品を形成する工
    程(3)、および光照射することにより成形品表面の光
    硬化性樹脂組成物を光硬化させる工程(4)を含むイン
    サート成形品の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項11または12に記載した製造
    方法により得られたインサート成形品。
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JP2010083960A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Dic Corp コーティング用活性エネルギー線硬化型樹脂組成物及びフィルム基材
JP2010144092A (ja) * 2008-12-19 2010-07-01 Nitto Denko Corp 樹脂組成物
JP2016016585A (ja) * 2014-07-08 2016-02-01 大日本印刷株式会社 有機ガラス積層用シート及び有機ガラス積層体の製造方法

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