JP2002289443A - インダクタ部品 - Google Patents

インダクタ部品

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JP2002289443A
JP2002289443A JP2001084268A JP2001084268A JP2002289443A JP 2002289443 A JP2002289443 A JP 2002289443A JP 2001084268 A JP2001084268 A JP 2001084268A JP 2001084268 A JP2001084268 A JP 2001084268A JP 2002289443 A JP2002289443 A JP 2002289443A
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magnetic
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JP2001084268A
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English (en)
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Masahiro Kondo
将寛 近藤
Hatsuo Matsumoto
初男 松本
Toru Ito
透 伊藤
Teruhiko Fujiwara
照彦 藤原
Masayoshi Ishii
政義 石井
Haruki Hoshi
晴輝 保志
Ryutaro Isoda
隆太郎 磯田
Tadakuni Sato
忠邦 佐藤
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Tokin Corp
Original Assignee
NEC Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 扱い得る電流が大きくて磁気特性が損われ難
く、防磁対策や小型化・軽量化を容易に図り得るインダ
クタ部品を提供すること。 【解決手段】 このインダクタ部品は、柱状体の両端に
大きさが異なるフランジを一体的に有する構造の磁性体
から成るドラム型磁性コア11と、このコア11におけ
る柱状体に巻回されて各フランジ間に挟まれて配備され
た巻線12と、巻線12が巻回されたコア11における
大きい方のフランジの周縁に当接されて小さい方のフラ
ンジ及び巻線12の周囲に配備されたスリーブコアと、
コア11及びスリーブコアにより形成される閉磁路内の
空隙であって、小さい方のフランジの周囲に配備されて
巻線12による起磁力で生じる磁界HS の向きと逆方向
の向きで直流磁界HM を印加する永久磁石13とを備え
ている。ここでの磁石13により印加される磁気バイア
スは、使用可能な磁束密度幅を拡大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてインバー
タ・スイッチング電源用昇圧,降圧チョークコイル,ト
ランス,パワートランス等に適用されるインダクタ部品
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のインダクタ部品の一例と
しては、図9(a),(b)に示されるような構成のも
のが挙げられる。但し、図9(a)はインダクタ部品の
側面断面図を示し、図9(b)はその外観斜視図を一部
透視して示したものである。
【0003】このインダクタ部品は、柱状体の両端に円
板状のフランジ76,77を一体的に有する構造の磁性
体から成るドラム型磁性コア71と、このドラム型磁性
コア71における柱状体に巻回されて各フランジ76,
77間に挟まれて配備された巻線72と、巻線72が巻
回されたドラム型磁性コア71の周囲に配備された円筒
状の絶縁物74と、絶縁物74の周囲に配備された円柱
状スリーブコア78とを備え、円柱状スリーブコア78
の底部近傍の所定箇所に巻線72端部のリード線と接続
される端子88が配備されて構成されている。
【0004】即ち、このインダクタ部品の場合、ドラム
型磁性コア71の外側に円柱状スリーブコア78を装着
した後、ドラム型磁性コア71及び円柱状スリーブコア
78の接合部に円筒状の絶縁物74を挿入することによ
り、空隙を持たせた構成とし、フランジ77からフラン
ジ76側へ向かって巻線(コイル)73による起磁力で
生じる磁界Hs が作用することを特色としている。
【0005】こうした構成の場合、最近の電子機器の小
型化・軽量化に伴い、電源部に用いられるインダクタや
トランスに対する小型化の需要にあって、全体構造を小
型化した場合にドラム型磁性コア71が磁気飽和し易く
なり、扱い得る電流が少なくなってしまうという問題を
絶縁物74による空隙を広げることによって解決し得る
ものとなっているが、その反面、インダクタンス値が下
がり、巻数72の巻数を上げる必要があるため、これが
小型化を具現する場合の障害となっている。
【0006】そこで、このような問題を解決したインダ
クタ部品の他例として、図10(a),(b)に示され
るような構成のものが開発されている。但し、図10
(a)はインダクタ部品の側面断面図を示し、図10
(b)はその外観斜視図を一部透視して示したものであ
る。
【0007】このインダクタ部品は、柱状体の両端に円
板状のフランジ86,87を一体的に有する構造の磁性
体から成るドラム型磁性コア81と、このドラム型磁性
コア81における柱状体に巻回されて各フランジ86,
87間に挟まれて配備された巻線82と、巻線82が巻
回されたドラム型磁性コア81の周囲に配備された円筒
状の永久磁石83とを備え、永久磁石83の底部近傍の
所定箇所に巻線82端部のリード線と接続される端子8
8が配備されて構成されている。
【0008】即ち、このインダクタ部品の場合、ドラム
型磁性コア81の外側にスリーブコアの代わりに円筒状
の永久磁石83をS極側がフランジ87側に配置され、
且つN極側がフランジ86側に配置されるように装着
し、フランジ87からフランジ86側へ向かって作用す
る巻線(コイル)82による起磁力で生じる磁界Hs
遮るように永久磁石83による磁界HM が作用する構成
とし、磁気バイアスを印加することで扱い得る電流を大
きくできるようにしたことを特色としている。
【0009】因みに、この磁気バイアス印加型インダク
タ部品において、ドラム型磁性コア81は、Ni−Zn
形のフェライト粉末を使用してプレス法により圧粉成型
した後に焼結するか、或いはフェライト粉末を円柱状に
プレスして焼結した後に機械加工によりフランジ部を作
るようにして作製される。又、磁気バイアス印加用の永
久磁石83は、Srフェライト,Baフェライト等の粉
末をプレス法により圧粉成型した後に焼結して作製され
るもので、巻線82が巻回されたドラム型磁性コア81
への装着時には接着剤等を使用して一体化結合される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した磁気バイアス
印加型インダクタ部品の場合、以下に列挙するような諸
点で難点がある。
【0011】第1に、スリーブコアを用いない開磁路を
構成した構造を採用しているため、漏れ磁束が増大して
周辺に影響与え易く、防磁対策が充分図られないという
問題がある。
【0012】第2に、スリーブコアを用いない開磁路を
構成した構造を採用しているため、実効透磁率が低くな
りインダクタンスが低下してしまうため、必要なインダ
クタンス値が得られるまで相当な巻線の巻数を要する
(コイルを巻き上げる)ことになり、これが小型化の障
害となっているという問題がある。
【0013】第3に、フェライト粉末を用いた永久磁石
の場合、リフロー半田工程における加熱に伴う熱減磁や
過大電流による減磁を生じ易く、永久磁石の磁気特性が
損われ易いという問題がある。
【0014】第4に、金属系材料による永久磁石の場
合、比抵抗が低いために渦電流損失が増大してしまった
り、経時的に酸化が進行して永久減磁が生じるため、磁
気特性として初期特性を維持できないという信頼性にお
ける致命的な問題がある。
【0015】本発明は、このような問題点を解決すべく
なされたもので、その技術的課題は、扱い得る電流が大
きくて磁気特性が損われ難く、防磁対策や小型化・軽量
化を容易に図り得るインダクタ部品を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、柱状体
の両端にフランジを一体的に有する構造の磁性体から成
るドラム型磁性コアと、ドラム型磁性コアにおける柱状
体に巻回されてフランジ間に挟まれて配備された巻線
と、巻線が巻回されたドラム型磁性コアの近傍に配備さ
れた永久磁石とを備えたインダクタ部品において、ドラ
ム型磁性コアの外側に装着されたスリーブコアを備え、
永久磁石は、ドラム型磁性コア及びスリーブコアにより
形成される閉磁路内の少なくとも1箇所以上の空隙に巻
線による起磁力で生じる磁界の向きと逆方向の向きで直
流磁界を印加するように配置されたインダクタ部品が得
られる。
【0017】又、本発明によれば、上記インダクタ部品
において、永久磁石は、ポリアミドイミド樹脂,ポリイ
ミド樹脂,エポキシ樹脂,ポリフェニレンサルファイド
樹脂,シリコン樹脂,ポリエステル樹脂,芳香族系ポリ
アミド樹脂,及び液晶ポリマーの中から選択された少な
くとも一種類の樹脂に対して固有保磁力Hc が7.9×
105 (A/m)以上、キュリー温度Tc が500℃以
上、粉末平均粒径が2.5〜25μmの希土類磁石粉末
を分散して成ると共に、表面がZn,Al,Bi,G
a,In,Mg,Pb,Sb,及びSnの中の少なくと
も一種の金属又は合金で被覆されて成り、該樹脂の含有
量が体積比で30%以上であり、比抵抗が0.1Ωcm
以上であるインダクタ部品が得られる。
【0018】更に、本発明によれば、上記インダクタ部
品において、希土類磁石粉末は、組成Sm(Cobal.
0.15-0.25 Cu0.05-0.06 Zr0.02-0.037.0-8.5
であるインダクタ部品が得られる。
【0019】加えて、本発明によれば、上記何れかのイ
ンダクタ部品において、希土類磁石粉末は、軟化点が2
20℃以上で550℃以下の無機ガラスで被覆されたイ
ンダクタ部品、或いは希土類磁石粉末に被覆された金属
又は合金は、少なくとも300℃以上の融点を有する非
金属の無機化合物で被覆されたインダクタ部品が得られ
る。これらのインダクタ部品において、無機ガラス又は
非金属の無機化合物の添加量は、体積比で0.1%〜1
0%の範囲であることは好ましい。
【0020】一方、本発明によれば、上記何れか一つの
インダクタ部品において、永久磁石は、希土類磁石粉末
を磁場で厚み方向に配向させて磁気的に異方性化して成
るインダクタ部品が得られる。
【0021】他方、本発明によれば、上記何れか一つの
インダクタ部品において、永久磁石は、着磁磁場が2.
5T以上であるインダクタ部品が得られる。
【0022】又、本発明によれば、上記何れか一つのイ
ンダクタ部品において、永久磁石は、中心線平均粗さR
aが10μm以下であるインダクタ部品が得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に幾つかの実施例を挙げ、本
発明のインダクタ部品について、図面を参照して詳細に
説明する。
【0024】最初に、本発明のインダクタ部品の技術的
概要を簡単に説明する。このインダクタ部品は、柱状体
の両端にフランジを一体的に有する構造の磁性体から成
るドラム型磁性コアと、ドラム型磁性コアにおける柱状
体に巻回されてフランジ間に挟まれて配備された巻線
と、巻線が巻回されたドラム型磁性コアの近傍に配備さ
れた永久磁石とを備えた基本構成において、ドラム型磁
性コアの外側に装着されたスリーブコアを備えるものと
し、永久磁石をドラム型磁性コア及びスリーブコアによ
り形成される閉磁路内の少なくとも1箇所以上の空隙に
巻線(コイル)による起磁力で生じる磁界の向き(磁束
の向き)と逆方向の向きで直流磁界を印加するように配
置して構成されるものである。
【0025】図1は、本発明のインダクタ部品による磁
気バイアス効果を説明するために示したもので、同図
(a)は磁気バイアス印加前の磁束密度幅ΔBを含む磁
束密度B−磁界H特性に関するもの,同図(b)は磁気
バイアス印加後の磁束密度幅ΔB′を含む磁束密度B−
磁界H特性に関するもの,同図(c)は出力電流に対す
るインダクタンスの関係で示される磁気バイアスによる
直流重畳インダクタンス特性(その変化)に関するもの
である。
【0026】本発明のインダクタ部品の場合、磁気バイ
アス印加前では通常図1(a)に示されるような第1象
限の領域で使用されている磁束密度幅ΔBが磁気バイア
ス印加後、図1(b)に示されるように、永久磁石によ
るバイアス効果でドラム型磁性コアが磁束密度B−磁界
H特性曲線上の第3象限にバイアスされ、結果として使
用できる磁束密度幅ΔB′を大幅に拡大することができ
る。
【0027】一般に、磁束密度幅ΔB,ΔB′は、イン
ダクタ部品における巻線の巻数に逆比例するため、磁束
密度幅ΔB′の拡大により巻数を減らすことができ、こ
れによってインダクタ部品の損失低減や小型化・軽量化
に大きく寄与する。又、このようなインダクタ部品をト
ランスや昇・降圧コイルに適用した場合の処理電力Po
は、比例定数をκ,駆動周波数をfとした場合、Po=
κ・(ΔB′)2 ・fなる関係式で表わすことができ
る。従って、処理電力Poは、ΔB′の2乗に比例して
大幅に拡大することになる。又、ΔB′の拡大は、図1
(c)において矢印により点線から実線への推移量で示
されるように、直流重畳インダクタンス特性において取
り扱う電流値(出力電流)を大幅に増加することができ
ることを示す。
【0028】更に、本発明のインダクタ部品の場合、従
来のようなスリーブコアを用いない開磁路を構成した構
造でなく、ドラム型磁性コア及びスリーブコアにより形
成される閉磁路内の空隙に永久磁石を挿入する構成とし
ていることにより、開磁路構成時の漏れ磁束を大幅に低
減して充分に防磁対策を図ることができる。
【0029】ところで、本発明のインダクタ部品におい
て、永久磁石は、ポリアミドイミド樹脂,ポリイミド樹
脂,エポキシ樹脂,ポリフェニレンサルファイド樹脂,
シリコン樹脂,ポリエステル樹脂,芳香族系ポリアミド
樹脂,及び液晶ポリマーの中から選択された少なくとも
一種類の樹脂に対して固有保磁力Hc が7.9×10 5
(A/m)以上、キュリー温度Tc が500℃以上、粉
末平均粒径が2.5〜25μmの希土類磁石粉末を分散
して成ると共に、表面がZn,Al,Bi,Ga,I
n,Mg,Pb,Sb,及びSnの中の少なくとも一種
の金属又は合金で被覆されて成り、樹脂の含有量が体積
比で30%以上であり、比抵抗が0.1Ωcm以上であ
るものとする。但し、この永久磁石に使用する希土類磁
石粉末は、組成をSmCo系とし、具体的には組成Sm
(Cobal.Fe0.15-0.25 Cu0.05 -0.06 Zr
0.02-0.037.0-8.5 であるとし、最大粒径を50μm
以下とすることが好ましい。
【0030】このように、永久磁石にキュリー温度Tc
と固有保磁力Hc とが高いSmCo系磁石粉末を用いる
ことにより、リフロー半田工程における加熱状態に置か
れても、熱減磁を起こさず、しかも過大電流による直流
磁界が印加されても、保磁力Hc が消失して減磁するこ
となく、初期特性を維持することができる。又、SmC
o系磁石粉末を樹脂と体積比30%以上で混練すること
により、高比抵抗化が可能となり、永久磁石の渦電流損
失を大幅に低減することができる。
【0031】更に、本発明のインダクタ部品において、
SmCo系磁石粉末を軟化点が220℃以上で550℃
以下の無機ガラスで被覆するか、SmCo系磁石粉末に
被覆された金属又は合金を少なくとも300℃以上の融
点を有する非金属の無機化合物で被覆すれば、経時的な
酸化が進行して減磁を引き起こすことを防止することが
できる。これらの無機ガラス又は非金属の無機化合物の
添加量は、体積比で0.1%〜10%の範囲とすること
が好ましい。
【0032】加えて、実施態様として、永久磁石におけ
るSmCo系磁石粉末を磁場で厚み方向に配向させて磁
気的に異方性化して成るものとし、着磁磁場が2.5T
以上、中心線平均粗さRaが10μm以下の永久磁石を
作製すれば、インダクタ部品として様々な分野で有効に
適用することができる。
【0033】そこで、以下は幾つかの実施例に基づい
て、本発明のインダクタ部品の細部構成を具体的に説明
する。
【0034】(実施例1)図2は、本発明の実施例1に
係るインダクタ部品の基本構成を示したもので、同図
(a)は側面断面図に関するもの,同図(b)は一部透
視した一形態の外観斜視図に関するもの,同図(c)は
一部透視した他形態の外観斜視図に関するものである。
【0035】先ず、図2(a)の基本構成を参照すれ
ば、実施例1に係るインダクタ部品は、柱状体の両端に
大きさが異なるフランジを一体的に有する構造の磁性体
から成るドラム型磁性コア11と、このドラム型磁性コ
ア11における柱状体に巻回されて各フランジ間に挟ま
れて配備された巻線12と、巻線12が巻回されたドラ
ム型磁性コア11における大きい方のフランジの周縁に
当接されて小さい方のフランジ及び巻線12の周囲に配
備されたスリーブコアと、ドラム型磁性コア11及びス
リーブコアにより形成される閉磁路内の空隙であって、
小さい方のフランジの周囲に配備(即ち、ドラム型磁性
コア11の小さい方のフランジとスリーブコアとの隙間
に挿入配備)されて巻線12による起磁力で生じる磁界
S の向き(磁束の向き)と逆方向の向きで直流磁界H
M を印加する永久磁石13とを備え、大きい方のフラン
ジの底部近傍の所定箇所に巻線12端部のリード線と接
続される端子88が配備されて構成されている。
【0036】図2(b)を参照して一形態のインダクタ
部品を説明すれば、図2(a)の基本構成を全体が円柱
状に形成される構成としたものである。これにより、ド
ラム型磁性コア11における柱状体は円柱状体であり、
大きい方のフランジは円板状下部フランジ17であり、
小さい方のフランジは円板状上部フランジ16であるこ
とを示す。又、永久磁石13は円筒状であり、スリーブ
コアは円筒状スリーブコア18であることを示す。
【0037】図2(c)を参照して他形態のインダクタ
部品を説明すれば、図2(a)の基本構成を全体が四角
柱状に形成される構成としたものである。これにより、
ドラム型磁性コア11における柱状体は四角柱状体であ
り、大きい方のフランジは四角板状下部フランジ20で
あり、小さい方のフランジは四角板状上部フランジ19
であることを示す。又、永久磁石13は四角筒状であ
り、スリーブコアは四角筒状スリーブコア21であるこ
とを示す。
【0038】何れの形態のインダクタ部品においても、
ドラム型磁性コア11は、Ni−Zn系フェライト粉末
を円柱状や四角柱状にプレスした後に仮焼してから切削
を経た上でドラム状の形状とし、本焼結を行って作製さ
れる。予め円柱状や四角柱状にプレスして焼結した後、
切削しても良いが、この場合には寸法精度が高くなって
もコスト高となる欠点がある。又、円筒状スリーブコア
18や四角筒状スリーブコア21は、Ni−Znフェラ
イト粉末を用い、円筒状や四角筒状にプレスして焼結す
ることで作製する。
【0039】更に、永久磁石13には、図2(b)に示
す一形態の場合、組成Sm(Co0. 742 Fe0.20Cu
0.055 Zr0.0297.7 、平均粒径が5μmであり、最
大粒径が45μm、固有保磁力Hc が15.8×105
(A/m)、キュリー温度Tcが770℃の希土類磁石
粉末を用いた。この希土類磁石粉末の表面にZnを被覆
し、バインダーにはポリアミドイミド樹脂を体積比40
%で混練成形し、比抵抗は0.5Ωcm以上となるよう
に作製した。
【0040】ここで用いたドラム型磁性コア11と円筒
状スリーブコア18との構成は、磁路長が1.85c
m、実効断面積が0.07cm2 、ギャップは150μ
mである場合を例示できる。巻線12は15ターン巻き
付けられ、直流抵抗は20mΩであり、永久磁石13に
は厚さ120μmを用いた場合を例示できる。
【0041】尚、比較例として、図9(a),(b)に
示した構成で、磁路長が1.85cm、実効断面積が
0.07cm2 、絶縁物74の厚みが75μmのインダ
クタ部品と、図10(a),(b)に示した構成で、磁
路長が1.85cm、実効断面積が0.07cm2 、永
久磁石83としてBaフェライトを使用して厚みが1m
mのインダクタ部品とを試作した。
【0042】図3は、上述した実施例1の一形態のイン
ダクタ部品と比較例のインダクタ部品とにおける電流値
Idc [A]に対するインダクタンス値L[μH]との
関係で示される直流重畳インダクタンス特性を測定した
結果を対比して示したものである。
【0043】図3からは、曲線C1で示される実施例1
の一形態のインダクタ部品の場合、曲線C2で示される
図9(a),(b)に示した従来のインダクタ部品や曲
線C3で示される図10(a),(b)に示した従来の
インダクタ部品と比べ、磁気バイアスを用いていない曲
線C2に対して直流重畳インダクタンス特性が50%向
上していると共に、磁気バイアスを用いた曲線C3のよ
うに実効透磁率の低下により初期インダクタンス値の低
下が見られないことが判る。
【0044】これらの結果は、各インダクタ部品をトラ
ンスに適用した場合についても同様であり、直流重畳イ
ンダクタンス特性の向上に限らず磁束密度幅ΔB′の拡
大により処理電力Poを大幅に拡大できることを示して
いる。又、磁束密度幅ΔB′の拡大に伴い巻線12の巻
数を減らした上、低損失化や小型化を図ることができ
る。
【0045】尚、実施例1では、主に図2(b)に示し
た一形態のインダクタ部品について説明したが、図2
(c)に示した他形態のインダクタ部品についてもほぼ
同等な結果が得られる。
【0046】(実施例2)図4は、本発明の実施例2に
係るインダクタ部品の基本構成を示したもので、同図
(a)は側面断面図に関するもの,同図(b)は一部透
視した一形態の外観斜視図に関するもの,同図(c)は
一部透視した他形態の外観斜視図に関するものである。
【0047】先ず、図4(a)の基本構成を参照すれ
ば、実施例2に係るインダクタ部品は、柱状体の両端に
大きさが異なるフランジを一体的に有する構造の磁性体
から成るドラム型磁性コア21と、このドラム型磁性コ
ア21における柱状体に巻回されて各フランジ間に挟ま
れて配備された巻線22と、巻線22が巻回されたドラ
ム型磁性コア21における大きい方のフランジの周縁に
リング状の永久磁石23を介在した上で当接されて小さ
い方のフランジ及び巻線22の周囲に配備されたスリー
ブコアとを備え、永久磁石23がドラム型磁性コア21
及びスリーブコアにより形成される閉磁路内の空隙であ
って、大きい方のフランジの周縁に配備(即ち、ドラム
型磁性コア21の大きい方のフランジの周縁とスリーブ
コアとの隙間に挿入配備)されて巻線22による起磁力
で生じる磁界HS の向き(磁束の向き)と逆方向の向き
で直流磁界HM を印加するように配置され、大きい方の
フランジの底部近傍の所定箇所に巻線22端部のリード
線と接続される端子88が配備されて構成されている。
【0048】図4(b)を参照して一形態のインダクタ
部品を説明すれば、図4(a)の基本構成を全体が円柱
状に形成される構成としたものである。これにより、ド
ラム型磁性コア22における柱状体は円柱状体であり、
大きい方のフランジは円板状下部フランジ27であり、
小さい方のフランジは円板状上部フランジ26であるこ
とを示す。又、永久磁石23はリング状であり、スリー
ブコアは円筒状スリーブコア28であることを示す。
【0049】図4(c)を参照して他形態のインダクタ
部品を説明すれば、図4(a)の基本構成を全体が四角
柱状に形成される構成としたものである。これにより、
ドラム型磁性コア21における柱状体は四角柱状体であ
り、大きい方のフランジは四角板状下部フランジ30で
あり、小さい方のフランジは四角板状上部フランジ29
であることを示す。又、永久磁石23は四角枠板状であ
り、スリーブコアは四角筒状スリーブコア31であるこ
とを示す。
【0050】何れの形態のインダクタ部品においても、
ドラム型磁性コア21は、Ni−Zn系フェライト粉末
を円柱状や四角柱状にプレスした後に仮焼してから切削
を経た上でドラム状の形状とし、本焼結を行って作製さ
れる。予め円柱状や四角柱状にプレスして焼結した後、
切削しても良いが、この場合には寸法精度が高くなって
もコスト高となる欠点がある。又、円筒状スリーブコア
28や四角筒状スリーブコア31は、Ni−Znフェラ
イト粉末を用い、円筒状や四角筒状にプレスして焼結す
ることで作製する。
【0051】更に、永久磁石23には、図4(b)に示
す一形態の場合、組成Sm(Co0. 742 Fe0.20Cu
0.055 Zr0.0297.7 、平均粒径が5μmであり、最
大粒径が45μm、固有保磁力Hc が15.8×105
(A/m)以上、キュリー温度Tc が770℃の希土類
磁石粉末を用いた。この希土類磁石粉末の表面にZnを
被覆し、バインダーにはポリアミドイミド樹脂を体積比
40%で混練成形し、比抵抗は0.5Ωcm以上となる
ように作製した。
【0052】ここで用いたドラム型磁性コア21と円筒
状スリーブコア28との構成は、磁路長が1.85c
m、実効断面積が0.07cm2 、ギャップは150μ
mである場合を例示できる。巻線22は15ターン巻き
付けられ、直流抵抗は20mΩであり、永久磁石23に
は厚さ120μmを用いた場合を例示できる。
【0053】尚、ここでも比較例として、実施例1で説
明した場合と同様に図9(a),(b)に示した構成及
び仕様のインダクタ部品と、図10(a),(b)に示
した構成及び仕様のインダクタ部品とを試作した。
【0054】そこで、これらの各インダクタ部品につい
ても、直流重畳インダクタンス特性を測定したところ、
図4に示した場合とほぼ同様な結果となった。従って、
実施例2の一形態のインダクタ部品の場合も、従来の比
較例となるインダクタ部品と比べ、磁気バイアスを用い
ていないものよりも直流重畳インダクタンス特性がほぼ
50%向上すると共に、磁気バイアスを用いたもののよ
うに実効透磁率の低下により初期インダクタンス値の低
下が見られない。
【0055】これらの結果は、各インダクタ部品をトラ
ンスに適用した場合についても同様であり、直流重畳イ
ンダクタンス特性の向上に限らず磁束密度幅ΔB′の拡
大により処理電力Poを大幅に拡大できることを示して
いる。又、磁束密度幅ΔB′の拡大に伴い巻線の巻数2
2を減らした上、低損失化や小型化を図ることができ
る。
【0056】尚、実施例2では、主に図4(b)に示し
た一形態のインダクタ部品について説明したが、図4
(c)に示した他形態のインダクタ部品についてもほぼ
同等な結果が得られる。
【0057】(実施例3)図5は、本発明の実施例3に
係るインダクタ部品の基本構成を示したもので、同図
(a)は側面断面図に関するもの,同図(b)は一部透
視した一形態の外観斜視図に関するもの,同図(c)は
一部透視した他形態の外観斜視図に関するものである。
【0058】先ず、図5(a)の基本構成を参照すれ
ば、実施例3に係るインダクタ部品は、柱状体の両端に
大きさが異なるフランジを一体的に有する構造の磁性体
から成るドラム型磁性コア31と、このドラム型磁性コ
ア31における柱状体に巻回されて各フランジ間に挟ま
れて配備された巻線32と、巻線32が巻回されたドラ
ム型磁性コア31における大きい方のフランジの周縁に
リング状の永久磁石33bを介在した上で当接されて小
さい方のフランジ及び巻線32の周囲に配備されたスリ
ーブコアと、ドラム型磁性コア31及びスリーブコアに
より形成される閉磁路内の空隙であって、小さい方のフ
ランジの周囲に配備(即ち、ドラム型磁性コア31の小
さい方のフランジとスリーブコアとの隙間に挿入配備)
されて巻線32による起磁力で生じる磁界HS の向きと
逆方向の向きで直流磁界HM を印加する永久磁石33a
とを備え、永久磁石33bが大きい方のフランジの周縁
に配備(即ち、ドラム型磁性コア31の大きい方のフラ
ンジの周縁とスリーブコアとの隙間に挿入配備)されて
巻線32による起磁力で生じる磁界HS の向きと逆方向
の向きで直流磁界HM を印加するように配置され、大き
い方のフランジの底部近傍の所定箇所に巻線32端部の
リード線と接続される端子88が配備されて構成されて
いる。
【0059】図5(b)を参照して一形態のインダクタ
部品を説明すれば、図5(a)の基本構成を全体が円柱
状に形成される構成としたものである。これにより、ド
ラム型磁性コア31における柱状体は円柱状体であり、
大きい方のフランジは円板状下部フランジ37であり、
小さい方のフランジは円板状上部フランジ36であるこ
とを示す。又、永久磁石33aは円筒状,永久磁石33
bはリング状であり、スリーブコアは円筒状スリーブコ
ア38であることを示す。
【0060】図5(c)を参照して他形態のインダクタ
部品を説明すれば、図5(a)の基本構成を全体が四角
柱状に形成される構成としたものである。これにより、
ドラム型磁性コア31における柱状体は四角柱状体であ
り、大きい方のフランジは四角板状下部フランジ40で
あり、小さい方のフランジは四角板状上部フランジ39
であることを示す。又、永久磁石33aは四角筒状,永
久磁石33bは四角枠板状であり、スリーブコアは四角
筒状スリーブコア41であることを示す。
【0061】何れの形態のインダクタ部品においても、
ドラム型磁性コア31は、Ni−Zn系フェライト粉末
を円柱状や四角柱状にプレスした後に仮焼してから切削
を経た上でドラム状の形状とし、本焼結を行って作製さ
れる。予め円柱状や四角柱状にプレスして焼結した後、
切削しても良いが、この場合には寸法精度が高くなって
もコスト高となる欠点がある。又、円筒状スリーブコア
38や四角筒状スリーブコア41は、Ni−Znフェラ
イト粉末を用い、円筒状や四角筒状にプレスして焼結す
ることで作製する。
【0062】更に、永久磁石33a,33bには、図5
(b)に示す一形態の場合、組成がSm(Co0.742
0.20Cu0.055 Zr0.0297.7 、平均粒径が5μm
であり、最大粒径が45μm、固有保磁力Hc が15.
8×105 (A/m)以上、キュリー温度Tc が770
℃の希土類磁石粉末を用いた。この希土類磁石粉末の表
面にZnを被覆し、バインダーにはポリアミドイミド樹
脂を体積比40%で混練成形し、比抵抗は0.5Ωcm
以上となるように作製した。
【0063】ここで用いたドラム型磁性コア31と円筒
状スリーブコア38との構成は、磁路長が1.85c
m、実効断面積が0.07cm2 、ギャップは80μm
である場合を例示できる。巻線32は15ターン巻き付
けられ、直流抵抗は20mΩであり、永久磁石33a,
33bにはそれぞれ厚さ70μmを用いた場合を例示で
きる。
【0064】尚、ここでも比較例として、図9(a),
(b)に示した構成で、磁路長が1.85cm、実効断
面積が0.07cm2 、絶縁物74の厚みが80μmの
インダクタ部品と、図10(a),(b)に示した構成
で、磁路長が1.85cm、実効断面積が0.07cm
2 、永久磁石83としてBaフェライトを使用して厚み
が1mmのインダクタ部品とを試作した。
【0065】図6は、上述した実施例3の一形態のイン
ダクタ部品と図9(a),(b)並びに図10(a),
(b)に示した従来の比較例となるインダクタ部品とに
おける電流値Idc [A]に対するインダクタンス値L
[μH]との関係で示される直流重畳インダクタンス特
性を測定した結果を対比して示したものである。
【0066】図6からは、曲線C4で示される実施例3
の一形態のインダクタ部品の場合、曲線C5で示される
図9(a),(b)に示した従来のインダクタ部品や曲
線C6で示される図10(a),(b)に示した従来の
インダクタ部品と比べ、磁気バイアスを用いていない曲
線C5に対して直流重畳インダクタンス特性が50%向
上していると共に、磁気バイアスを用いた曲線C6のよ
うに実効透磁率の低下により初期インダクタンス値の低
下が見られないことが判る。
【0067】これらの結果は、各インダクタ部品をトラ
ンスに適用した場合についても同様であり、直流重畳イ
ンダクタンス特性の向上に限らず磁束密度幅ΔB′の拡
大により処理電力Poを大幅に拡大できることを示して
いる。又、磁束密度幅ΔB′の拡大に伴い巻線32の巻
数を減らした上、低損失化や小型化を図ることができ
る。
【0068】尚、実施例3では、主に図5(b)に示し
た一形態のインダクタ部品について説明したが、図5
(c)に示した他形態のインダクタ部品についてもほぼ
同等な結果が得られる。
【0069】(実施例4)図7は、本発明の実施例4に
係るインダクタ部品の基本構成を示したもので、同図
(a)は側面断面図に関するもの,同図(b)は一部透
視した一形態の外観斜視図に関するもの,同図(c)は
一部透視した他形態の外観斜視図に関するものである。
【0070】先ず、図7(a)の基本構成を参照すれ
ば、実施例4に係るインダクタ部品は、柱状体の両端に
大きさが若干異なるフランジを一体的に有する構造の磁
性体から成るドラム型磁性コア41と、このドラム型磁
性コア41における柱状体に巻回されて各フランジ間に
挟まれて配備された巻線42と、巻線42が巻回された
ドラム型磁性コア41における大きい方のフランジの側
面に当接されてする各フランジ及び巻線42の周囲を覆
うように配備されたスリーブコアと、ドラム型磁性コア
41及びスリーブコアにより形成される閉磁路内の空隙
であって、小さい方のフランジの周囲に配備(即ち、ド
ラム型磁性コア41の小さい方のフランジとスリーブコ
アとの隙間に挿入配備)されて巻線42による起磁力で
生じる磁界HS の向きと逆方向の向きで直流磁界HM
印加する永久磁石43とを備え、スリーブコアの底部近
傍の所定箇所に巻線42端部のリード線と接続される端
子88が配備されて構成されている。
【0071】図7(b)を参照して一形態のインダクタ
部品を説明すれば、図7(a)の基本構成を全体が円柱
状に形成される構成としたものである。これにより、ド
ラム型磁性コア41における柱状体は円柱状体であり、
大きい方のフランジは円板状下部フランジ47であり、
小さい方のフランジは円板状上部フランジ46であるこ
とを示す。又、永久磁石43は円筒状であり、スリーブ
コアは円筒状スリーブコア48であることを示す。
【0072】図7(c)を参照して他形態のインダクタ
部品を説明すれば、図7(a)の基本構成を全体が四角
柱状に形成される構成としたものである。これにより、
ドラム型磁性コア41における柱状体は四角柱状体であ
り、大きい方のフランジは四角板状下部フランジ50で
あり、小さい方のフランジは四角板状上部フランジ49
であることを示す。又、永久磁石43は四角筒状であ
り、スリーブコアは四角筒状スリーブコア51であるこ
とを示す。
【0073】何れの形態のインダクタ部品においても、
ドラム型磁性コア41は、Ni−Zn系フェライト粉末
を円柱状や四角柱状にプレスした後に仮焼してから切削
を経た上でドラム状の形状とし、本焼結を行って作製さ
れる。予め円柱状や四角柱状にプレスして焼結した後、
切削しても良いが、この場合には寸法精度が高くなって
もコスト高となる欠点がある。又、円筒状スリーブコア
48や四角筒状スリーブコア51は、Ni−Znフェラ
イト粉末を用い、円筒状や四角筒状にプレスして焼結す
ることで作製する。
【0074】更に、永久磁石43には、図7(b)に示
す一形態の場合、組成がSm(Co 0.742 Fe0.20Cu
0.055 Zr0.0297.7 、平均粒径が5μmであり、最
大粒径が45μm、固有保磁力Hc が15.8×105
(A/m)以上、キュリー温度Tc が770℃の希土類
磁石粉末を用いた。この希土類磁石粉末の表面にZnを
被覆し、バインダーにはポリアミドイミド樹脂を体積比
40%で混練成形し、比抵抗は0.5Ωcm以上となる
ように作製した。
【0075】ここで用いたドラム型磁性コア41と円筒
状スリーブコア48との構成は、磁路長が1.85c
m、実効断面積が0.07cm2 、ギャップは150μ
mである場合を例示できる。巻線42は15ターン巻き
付けられ、直流抵抗は20mΩであり、永久磁石43に
は厚さ120μmを用いた場合を例示できる。
【0076】尚、ここでも比較例として、図9(a),
(b)に示した構成で、磁路長が1.85cm、実効断
面積が0.07cm2 、絶縁物74の厚みが75μmの
インダクタ部品と、図10(a),(b)に示した構成
で、磁路長が1.85cm、実効断面積が0.07cm
2 、永久磁石83としてBaフェライトを使用して厚み
が1mmのインダクタ部品とを試作した。
【0077】そこで、これらの各インダクタ部品につい
ても、直流重畳インダクタンス特性を測定したところ、
図6に示した場合とほぼ同様な結果となった。従って、
実施例4の一形態のインダクタ部品の場合も、従来の比
較例となるインダクタ部品と比べ、磁気バイアスを用い
ていないものよりも直流重畳インダクタンス特性がほぼ
50%向上すると共に、磁気バイアスを用いたもののよ
うに実効透磁率の低下により初期インダクタンス値の低
下が見られない。
【0078】これらの結果は、各インダクタ部品をトラ
ンスに適用した場合についても同様であり、直流重畳イ
ンダクタンス特性の向上に限らず磁束密度幅ΔB′の拡
大により処理電力Poを大幅に拡大できることを示して
いる。又、磁束密度幅ΔB′の拡大に伴い巻線42の巻
数を減らした上、低損失化や小型化を図ることができ
る。
【0079】尚、実施例4では、主に図7(b)に示し
た一形態のインダクタ部品について説明したが、図7
(c)に示した他形態のインダクタ部品についてもほぼ
同等な結果が得られる。
【0080】(実施例5)図8は、本発明の実施例5に
係るインダクタ部品の基本構成を示したもので、同図
(a)は側面断面図に関するもの,同図(b)は一部透
視した一形態の外観斜視図に関するもの,同図(c)は
一部透視した他形態の外観斜視図に関するものである。
【0081】先ず、図8(a)の基本構成を参照すれ
ば、実施例5に係るインダクタ部品は、柱状体の両端に
大きさが同じフランジを一体的に有する構造の磁性体か
ら成るドラム型磁性コア51と、このドラム型磁性コア
51における柱状体に巻回されて各フランジ間に挟まれ
て配備された巻線52と、巻線52が巻回されたドラム
型磁性コア51における両方のフランジの側面近傍に各
フランジ及び巻線52の周囲を覆うように配備されたス
リーブコアと、ドラム型磁性コア51及びスリーブコア
により形成される閉磁路内の空隙であって、両方のフラ
ンジの周囲に配備(即ち、ドラム型磁性コア51の両方
のフランジとスリーブコアとのそれぞれの隙間に挿入配
備)されて巻線52による起磁力で生じる磁界HS の向
きと逆方向の向きで直流磁界HM を印加する永久磁石5
3a,53bとを備え、スリーブコアの底部近傍の所定
箇所に巻線52端部のリード線と接続される端子88が
配備されて構成されている。
【0082】図8(b)を参照して一形態のインダクタ
部品を説明すれば、図8(a)の基本構成を全体が円柱
状に形成される構成としたものである。これにより、ド
ラム型磁性コア51における柱状体は円柱状体であり、
一方のフランジは円板状下部フランジ57であり、他方
のフランジは円板状上部フランジ56であることを示
す。又、永久磁石53a,53bは何れも円筒状であ
り、スリーブコアは円筒状スリーブコア58であること
を示す。
【0083】図8(c)を参照して他形態のインダクタ
部品を説明すれば、図8(a)の基本構成を全体が四角
柱状に形成される構成としたものである。これにより、
ドラム型磁性コア51における柱状体は四角柱状体であ
り、一方のフランジは四角板状下部フランジ60であ
り、他方のフランジは四角板状上部フランジ59である
ことを示す。又、永久磁石53a,53bは何れも四角
筒状であり、スリーブコアは四角筒状スリーブコア61
であることを示す。
【0084】何れの形態のインダクタ部品においても、
ドラム型磁性コア51は、Ni−Zn系フェライト粉末
を円柱状や四角柱状にプレスした後に仮焼してから切削
を経た上でドラム状の形状とし、本焼結を行って作製さ
れる。予め円柱状や四角柱状にプレスして焼結した後、
切削しても良いが、この場合には寸法精度が高くなって
もコスト高となる欠点がある。又、円筒状スリーブコア
58や四角筒状スリーブコア61は、Ni−Znフェラ
イト粉末を用い、円筒状や四角筒状にプレスして焼結す
ることで作製する。
【0085】更に、永久磁石53a,53bには、図8
(b)に示す一形態の場合、組成がSm(Co0.742
0.20Cu0.055 Zr0.0297.7 、平均粒径が5μm
であり、最大粒径が45μm、固有保磁力Hc が15.
8×105 (A/m)以上、キュリー温度Tc が770
℃の希土類磁石粉末を用いた。この希土類磁石粉末の表
面にZnを被覆し、バインダーにはポリアミドイミド樹
脂を体積比40%で混練成形し、比抵抗は0.5Ωcm
以上となるように作製した。
【0086】ここで用いたドラム型磁性コア51と円筒
状スリーブコア58との構成は、磁路長が1.85c
m、実効断面積が0.07cm2 、ギャップは80μm
である場合を例示できる。巻線52は15ターン巻き付
けられ、直流抵抗は20mΩであり、永久磁石53a,
53bにはそれぞれ厚さ70μmを用いた場合を例示で
きる。
【0087】尚、ここでも比較例として、図9(a),
(b)に示した構成で、磁路長が1.85cm、実効断
面積が0.07cm2 、絶縁物74の厚みが80μmの
インダクタ部品と、図10(a),(b)に示した構成
で、磁路長が1.85cm、実効断面積が0.07cm
2 、永久磁石83としてBaフェライトを使用して厚み
が1mmのインダクタ部品とを試作した。
【0088】そこで、これらの各インダクタ部品につい
ても、直流重畳インダクタンス特性を測定したところ、
図6に示した場合とほぼ同様な結果となった。従って、
実施例5の一形態のインダクタ部品の場合も、従来の比
較例となるインダクタ部品と比べ、磁気バイアスを用い
ていないものよりも直流重畳インダクタンス特性がほぼ
50%向上すると共に、磁気バイアスを用いたもののよ
うに実効透磁率の低下により初期インダクタンス値の低
下が見られない。
【0089】これらの結果は、各インダクタ部品をトラ
ンスに適用した場合についても同様であり、直流重畳イ
ンダクタンス特性の向上に限らず磁束密度幅ΔB′の拡
大により処理電力Poを大幅に拡大できることを示して
いる。又、磁束密度幅ΔB′の拡大に伴い巻線52の巻
数を減らした上、低損失化や小型化を図ることができ
る。
【0090】尚、実施例5では、主に図8(b)に示し
た一形態のインダクタ部品について説明したが、図8
(c)に示した他形態のインダクタ部品についてもほぼ
同等な結果が得られる。
【0091】以下は、上述した実施例1に係るインダク
タ部品に用いた磁気バイアス印加用の永久磁石13の磁
気特性に関連した幾つかの実施例を説明する。
【0092】(実施例6)実施例6では、従来の技術で
問題提起した熱減磁、即ち、リフロー半田工程における
熱に対して耐久性を持たせるため、永久磁石用粉末には
高キュリー温度T c を有するSmCo系の希土類磁石粉
末を用いることにより、熱減磁を生じさせない対策を施
している。
【0093】実施例1に用いた構成のインダクタ部品に
おいて、キュリー温度Tc が770℃の永久磁石13を
装着したものと、図10(a),(b)に示した構成の
インダクタ部品において、従来技術で用いられていたキ
ュリー温度Tc が450℃と低いBaフェライトによる
永久磁石83を装着したものとに対し、リフロー炉の条
件である270℃の恒温槽で1時間保持して常温まで冷
却した後の直流重畳インダクタンス特性を測定したとこ
ろ、表1に示すような結果となった。
【0094】
【表1】
【0095】表1からは、実施例1に係る高キュリー温
度Tc を有するSmCo系の希土類磁石粉末を用いた永
久磁石13を装着したインダクタ部品の場合、リフロー
前後で直流重畳インダクタンス特性の変化が認められな
いのに対し、キュリー温度T c が450℃と低いBaフ
ェライト磁石を装着した従来のインダクタ部品では熱に
よる不可逆減磁が生じて直流重畳インダクタンス特性の
劣化が生じていることが判る。従って、リフロー半田工
程による加熱等に対して耐久性を持たせるためには、永
久磁石13にキュリー温度Tc が500℃以上の希土類
磁石粉末を用いる必要がある。加えて、SmCo系磁石
粉末の中でも、組成がSm(Cobal.Fe0.15-0.25
0.05-0.06 Zr0.02-0.037.0-8.5 である所謂第3
世代Sm 2 Co17磁石と呼ばれる組成の希土類磁石粉末
を用いることにより、熱による減磁を一層抑えることが
できる。
【0096】そこで、実施例1で用いた構成のインダク
タ部品において、組成がSm(Co 0.742 Fe0.20Cu
0.055 Zr0.0297.7 である永久磁石13を装着した
ものと、所謂第3世代Sm2 Co17磁石と呼ばれる組成
がSm(Co0.78Fe0.11Cu0.10Zr0.017.7 であ
る永久磁石13を装着したものとに対し、リフロー炉の
条件である270℃の恒温槽で1時間保持して常温まで
冷却した後の直流重畳インダクタンス特性を測定したと
ころ、表2に示すような結果となった。
【0097】
【表2】
【0098】表2からは、組成がSm(Cobal.Fe
0.15-0.25 Cu0.05-0.06 Zr0.02-0 .037.0-8.5
ある永久磁石13を装着したインダクタ部品は、リフロ
ー前後で直流重畳インダクタンス特性の変化が認められ
ないのに対し、組成がSm(Co0.78Fe0.11Cu0.10
Zr0.017.7 である永久磁石13を装着したインダク
タでは直流重畳インダクタンス特性の劣化が生じている
ことが判る。従って、リフロー半田工程による加熱等に
対して耐久性を持たせるためには、永久磁石13に組成
が第3世代であるSm(Cobal.Fe0.15-0.25 Cu
0.05-0.06 Zr0.02 -0.037.0-8.5 の希土類磁石粉末
を用いる必要がある。
【0099】(実施例7)実施例7では、従来の技術で
問題提起した過大電流による減磁、即ち、過大電流に伴
う直流磁界により永久磁石の保磁力が消失しないよう
に、高い固有保磁力Hc (iHc )を有するSmCo系
の希土類磁石粉末を用いることで対策を施している。
【0100】実施例1で用いた構成インダクタ部品にお
いて、保磁力Hc が15.8×10 5 (A/m)の永久
磁石13を装着したものと、図10(a),(b)に示
した構成のインダクタ部品において、従来技術で用いら
れていた保磁力Hc が1.58×105 (A/m)と1
0倍低い永久磁石83を装着したものとに対し、300
A・50μsの過大電流を印加した後に直流重畳インダ
クタンス特性を測定したところ、表3に示すような結果
となった。
【0101】
【表3】
【0102】表3からは、実施例1に係る高い保磁力H
c を有する永久磁石13を装着したインダクタ部品の場
合、過大電流印加前後で直流重畳インダクタンス特性の
変化が認められないのに対し、保磁力Hc が10倍低い
永久磁石83を装着した従来のインダクタ部品では永久
磁石83に印加される逆向きの磁界による減磁が起こ
り、直流重畳インダクタンス特性が低下していることが
判る。従って、過大電流による直流磁界に対して耐久性
を持たせるためには、永久磁石13に固有保磁力Hc
7.9×105 (A/m)以上の希土類磁石粉末を用い
る必要がある。
【0103】(実施例8)実施例8では、従来の技術で
問題提起した経時的な酸化が進むことによる永久磁石の
減磁、即ち、磁石粉末が酸化を起こさないように金属や
合金を被覆することで対策を施している。
【0104】実施例1で用いた構成のインダクタ部品に
おいて、Znを被覆した永久磁石13を装着したもの
と、Znを被覆していない永久磁石を装着したものとに
対し、塩水に浸した後に200時間自然放置してから直
流重畳インダクタンス特性を測定したとこえお、表4に
示すような結果となった。
【0105】
【表4】
【0106】表4からは実施例1に係るZnを被覆した
永久磁石13を装着したインダクタ部品の場合、PCT
前後で直流重畳インダクタンス特性の変化が認められな
いのに対し、Znを被覆しない永久磁石13を装着した
インダクタ部品では経時的な酸化が進むことで減磁を生
じており、これによって直流重畳インダクタンス特性の
劣化を生じることが判る。従って、酸化の進行による減
磁を抑えるためには、永久磁石13の希土類磁石粉末を
金属や合金で被覆する必要がある。更に、希土類磁石粉
末を無機ガラスで被覆したり、或いは金属や合金を非金
属の無機化合物で被覆するようにしても良い。加えて、
希土類磁石粉末の粉末平均粒径を2.5〜25μmと
し、且つ最大粒径を50μm以下とすれば、作製工程中
の酸化も抑制することが可能となる。
【0107】そこで、実施例1で用いた構成のインダク
タ部品において、希土類磁石粉末の平均粒径を5μmと
し、且つ最大粒径を45μmとした永久磁石13を装着
したものと、希土類磁石粉末の平均粒径を2μmにした
永久磁石を装着したものとに対し、直流重畳インダクタ
ンス特性を測定したところ、表5に示すような結果とな
った。
【0108】
【表5】
【0109】表5からは、平均粒径が5μm、最大粒径
が45μmの希土類磁石粉末を用いた永久磁石13を装
着したインダクタ部品の場合、磁気バイアスによる直流
重畳インダクタンス特性(インダクタンス値)が50%
向上されたのに対し、平均粒径が2μmの希土類磁石粉
末を用いた永久磁石13を装着したインダクタ部品では
15%しか向上していないことが判る。従って、作製工
程中の酸化を抑えるためには、永久磁石13に使用する
希土類磁石粉末の粉末平均粒径を2.5〜25μmと
し、且つ最大粒径を50μm以下とする必要がある。
【0110】(実施例9)実施例9では、従来の技術で
問題提起した永久磁石の比抵抗が低いことによるコアロ
ス増加の解決、即ち、高比抵抗を図るために樹脂の添加
量を体積比で30%以上として対策を施している。
【0111】実施例1で用いた構成のインダクタ部品に
おいて、希土類磁石粉末に対する樹脂の含有量を40V
ol%とし、比抵抗を0.5Ωcmにした永久磁石13
を装着したものと、樹脂の含有量を20Vol%とし、
比抵抗を0.05Ωcmにした永久磁石13を装着した
ものと、樹脂の含有量を30Vol%とし、比抵抗を
0.1Ωcmにした永久磁石13を装着したものとに対
し、コアロスを測定したところ、表6に示すような結果
となった。
【0112】
【表6】
【0113】表6からは、樹脂の含有量を30Vol%
以上としたインダクタ部品のコアロスに対し、樹脂の含
有量を20Vol%とし、比抵抗を0.05Ωcmにし
たものは、渦電流が流れることにより損失が生じてコア
ロスが悪化していることが判る。又、樹脂の含有量を3
0Vol%とし、比抵抗を0.1Ωcmとしたものは、
樹脂の含有量を40Vol%とし、比抵抗を0.5Ωc
mとしたものと同程度のコアロスを示していることが判
る。従って、永久磁石13の比抵抗の低下に伴うエアロ
スの増加を抑えるためには、永久磁石13に使用する希
土類磁石粉末に対する樹脂の含有量を30Vol%以上
とし、比抵抗を0.1Ωcm以上とすることが必要であ
る。
【0114】尚、上述した実施例6〜9では、実施例1
に係るインダクタ部品に用いた磁気バイアス印加用の永
久磁石13の磁気特性に関連する付帯事項を説明した
が、これらの付帯事項は、その他の各実施例(実施例2
〜5)に係るインダクタ部品に用いた磁気バイアス印加
用の永久磁石(永久磁石23,33a,33b,43,
53a,53b)についても同様に適用されるものであ
る。
【0115】
【発明の効果】以上に述べた通り、本発明のインダクタ
部品によれば、従来製品の異なるタイプのものに使用さ
れていた磁気バイアス印加用の永久磁石とスリーブコア
とを合わせ持つ構成とした上、永久磁石をドラム型磁性
コア及びスリーブコアにより形成される閉磁路内の少な
くとも1箇所以上の空隙に巻線による起磁力で生じる磁
界の向きと逆方向の向きで直流磁界を印加するように配
置することにより、使用可能な磁束密度幅を拡大させ、
しかも永久磁石を磁気特性の優れた希土類磁石粉末とし
て樹脂を適量含有させると共に、粒径を適度に選定して
金属や合金で被覆することで比抵抗値を所定値以上得ら
れるようにし、更に、希土類磁石粉末を無機ガラスで被
覆したり、金属や合金を非金属の無機化合物で被覆して
いるので、作製されるインダクタ部品は、扱い得る電流
が大きくて磁気特性が損われ難く、防磁対策や小型化・
軽量化を容易に図り得るようになる。この結果として、
インダクタ部品を用いたスイッチング電源用のトランス
やチョークコイルの小型化・低損失化を図り得るように
なると共に、インダクタ部品を用いた電源回路自体にお
ける小型化・高効率化に大いに寄与できる等、工業的に
極めて有益となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインダクタ部品による磁気バイアス効
果を説明するために示したもので、(a)は磁気バイア
ス印加前の磁束密度幅ΔBを含む磁束密度B−磁界H特
性に関するもの,(b)は磁気バイアス印加後の磁束密
度幅ΔB′を含む磁束密度B−磁界H特性に関するも
の,(c)は出力電流に対するインダクタンスの関係で
示される磁気バイアスによる直流重畳インダクタンス特
性(その変化)に関するものである。
【図2】本発明の実施例1に係るインダクタ部品の基本
構成を示したもので、(a)は側面断面図に関するも
の,(b)は一部透視した一形態の外観斜視図に関する
もの,(c)は一部透視した他形態の外観斜視図に関す
るものである。
【図3】図2(b)に示した実施例1の一形態のインダ
クタ部品と図9(a),(b)並びに図10(a),
(b)に示した従来の比較例となるインダクタ部品とに
おける電流値に対するインダクタンス値との関係で示さ
れる直流重畳インダクタンス特性を測定した結果を対比
して示したものである。
【図4】本発明の実施例2に係るインダクタ部品の基本
構成を示したもので、(a)は側面断面図に関するも
の,(b)は一部透視した一形態の外観斜視図に関する
もの,(c)は一部透視した他形態の外観斜視図に関す
るものである。
【図5】本発明の実施例3に係るインダクタ部品の基本
構成を示したもので、(a)は側面断面図に関するも
の,(b)は一部透視した一形態の外観斜視図に関する
もの,(c)は一部透視した他形態の外観斜視図に関す
るものである。
【図6】図5(b)に示した実施例3の一形態のインダ
クタ部品と図9(a),(b)並びに図10(a),
(b)に示した従来の比較例となるインダクタ部品とに
おける電流値に対するインダクタンス値との関係で示さ
れる直流重畳インダクタンス特性を測定した結果を対比
して示したものである。
【図7】本発明の実施例4に係るインダクタ部品の基本
構成を示したもので、(a)は側面断面図に関するも
の,(b)は一部透視した一形態の外観斜視図に関する
もの,(c)は一部透視した他形態の外観斜視図に関す
るものである。
【図8】本発明の実施例5に係るインダクタ部品の基本
構成を示したもので、(a)は側面断面図に関するも
の,(b)は一部透視した一形態の外観斜視図に関する
もの,(c)は一部透視した他形態の外観斜視図に関す
るものである。
【図9】従来のインダクタ部品の一例の基本構成を示し
たもので、(a)は側面断面図に関するもの,(b)は
一部透視した外観斜視図に関するものである。
【図10】従来のインダクタ部品の他例の基本構成を示
したもので、(a)は側面断面図に関するもの,(b)
は一部透視した外観斜視図に関するものである。
【符号の説明】
11,21,31,41,51,71,81 ドラム型
磁性コア 12,22,32,42,52,72,82 巻線 13,23,33a,33b,43,53a,53b,
83 永久磁石 16,26,36,46,56,76,86 円板状上
部フランジ 17,27,37,47,57,77,87 円板状下
部フランジ 18,28,38,48,58,78 円柱状スリーブ
コア 19,29,39,49,59 四角板状上部フランジ 20,30,40,50,60 四角板状下部フランジ 21,31,41,51,61 四角筒柱状スリーブコ
ア 74 絶縁物 88 端子
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 透 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 藤原 照彦 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 石井 政義 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 保志 晴輝 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 磯田 隆太郎 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 佐藤 忠邦 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱状体の両端にフランジを一体的に有す
    る構造の磁性体から成るドラム型磁性コアと、前記ドラ
    ム型磁性コアにおける前記柱状体に巻回されて前記フラ
    ンジ間に挟まれて配備された巻線と、前記巻線が巻回さ
    れた前記ドラム型磁性コアの近傍に配備された永久磁石
    とを備えたインダクタ部品において、前記ドラム型磁性
    コアの外側に装着されたスリーブコアを備え、前記永久
    磁石は、前記ドラム型磁性コア及び前記スリーブコアに
    より形成される閉磁路内の少なくとも1箇所以上の空隙
    に前記巻線による起磁力で生じる磁界の向きと逆方向の
    向きで直流磁界を印加するように配置されたことを特徴
    とするインダクタ部品。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインダクタ部品におい
    て、前記永久磁石は、ポリアミドイミド樹脂,ポリイミ
    ド樹脂,エポキシ樹脂,ポリフェニレンサルファイド樹
    脂,シリコン樹脂,ポリエステル樹脂,芳香族系ポリア
    ミド樹脂,及び液晶ポリマーの中から選択された少なく
    とも一種類の樹脂に対して固有保磁力H c が7.9×1
    5 (A/m)以上、キュリー温度Tc が500℃以
    上、粉末平均粒径が2.5〜25μmの希土類磁石粉末
    を分散して成ると共に、表面がZn,Al,Bi,G
    a,In,Mg,Pb,Sb,及びSnの中の少なくと
    も一種の金属又は合金で被覆されて成り、該樹脂の含有
    量が体積比で30%以上であり、比抵抗が0.1Ωcm
    以上であることを特徴とするインダクタ部品。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のインダクタ部品におい
    て、前記希土類磁石粉末は、組成Sm(Cobal.Fe
    0.15-0.25 Cu0.05-0.06 Zr0.02-0.037.0- 8.5
    あることを特徴とするインダクタ部品。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載のインダクタ部品に
    おいて、前記希土類磁石粉末は、軟化点が220℃以上
    で550℃以下の無機ガラスで被覆されたことを特徴と
    するインダクタ部品。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3記載のインダクタ部品に
    おいて、前記希土類磁石粉末に被覆された前記金属又は
    前記合金は、少なくとも300℃以上の融点を有する非
    金属の無機化合物で被覆されたことを特徴とするインダ
    クタ部品。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5記載のインダクタ部品に
    おいて、前記無機ガラス又は前記非金属の無機化合物の
    添加量は、体積比で0.1%〜10%の範囲であること
    を特徴とするインダクタ部品。
  7. 【請求項7】 請求項2〜6の何れか一つに記載のイン
    ダクタ部品において、前記永久磁石は、前記希土類磁石
    粉末を磁場で厚み方向に配向させて磁気的に異方性化し
    て成ることを特徴とするインダクタ部品。
  8. 【請求項8】 請求項2〜7の何れか一つに記載のイン
    ダクタ部品において、前記永久磁石は、着磁磁場が2.
    5T以上であることを特徴とするインダクタ部品。
  9. 【請求項9】 請求項2〜8の何れか一つに記載のイン
    ダクタ部品において、前記永久磁石は、中心線平均粗さ
    Raが10μm以下であることを特徴とするインダクタ
    部品。
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