JP2002288955A - ヘッド位置決め装置、ヘッド位置決め制御方法、ヘッド位置決め制御プログラム、ヘッド位置決め制御プログラムを記録した記録媒体、およびこれらを用いたディスク装置 - Google Patents

ヘッド位置決め装置、ヘッド位置決め制御方法、ヘッド位置決め制御プログラム、ヘッド位置決め制御プログラムを記録した記録媒体、およびこれらを用いたディスク装置

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JP2002288955A
JP2002288955A JP2001089475A JP2001089475A JP2002288955A JP 2002288955 A JP2002288955 A JP 2002288955A JP 2001089475 A JP2001089475 A JP 2001089475A JP 2001089475 A JP2001089475 A JP 2001089475A JP 2002288955 A JP2002288955 A JP 2002288955A
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Hiroshi Takaso
高祖  洋
Hideki Kuwajima
秀樹 桑島
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Supporting Of Heads In Record-Carrier Devices (AREA)
  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗動アクチュエータの静止摩擦に基づく摩擦
力の影響を受けても、安定な動作でヘッド位置決め制御
が可能な、二重アクチュエータを用いたディスク装置の
ヘッド位置決め制御手段を実現する。 【解決手段】 位置誤差信号に基づいて微動アクチュエ
ータ52の変位を制御することでヘッド位置決め制御を
する微動制御部162と、微動アクチュエータ52の変
位量に対応した相対変位信号によりヘッド位置決め制御
をする粗動制御部161とを備え、粗動制御部161
は、相対変位信号の振幅が小さいときには振幅が大きい
ときに比べて大きなゲインで、相対変位信号が増幅され
る非線形特性を持った非線形変換器18を有し、その変
換出力信号に基づいて粗動アクチュエータ51によるヘ
ッド位置決めをおこなう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装
置、光ディスク装置などの情報記録再生装置において、
二重構造のアクチュエータを有するヘッド位置決め装
置、ヘッド位置決め制御方法、ヘッド位置決め制御プロ
グラム、ヘッド位置決め制御プログラムを記録した記録
媒体、およびこれらを用いたディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、マルチメディアの進展に伴って、
目標位置に高速にヘッドの位置決めをおこない、大容量
の映像情報、音声情報、文字情報などを高速で記録再生
する高記録密度のディスク装置が、市場から強く要請さ
れており、ヘッドの高速高精度な位置決め技術が種々提
案されている。このような高速高精度の位置決めを達成
する技術として、主要な駆動機構と、補助の駆動機構と
の、二つの駆動機構を互いに協働させてサーボ制御する
方法が注目されている。
【0003】主要な駆動機構は、ボイスコイルモータな
どにより、ディスク装置本体に取り付けられた回転軸を
中心に、ヘッド支持機構を回転させることで、ヘッド支
持機構、ヘッドおよびヘッドスライダを動かす。主要な
駆動機構は、主としてシーク動作や複数のトラックジャ
ンプなどの大移動のために使用される。
【0004】補助の駆動機構は、ピエゾ素子などによ
り、主要な駆動機構の先端部で、可動範囲は狭いが広帯
域に制御され、ヘッドおよびヘッドスライダを駆動す
る。補助の駆動機構は、主としてトラック追従や1トラ
ックジャンプなどの高速で微小な位置決めをおこなうた
めに使用される。
【0005】主要な駆動機構と補助の駆動機構とを有す
る二重構造の機構部を、一般に二重アクチュエータ、あ
るいはピギーバックアクチュエータと呼び、主要な駆動
機構を粗動アクチュエータ、補助の駆動機構を微動アク
チュエータと呼ぶ。
【0006】従来のディスク装置においては、ヘッドを
移動させる手段としてボイスコイルモータ(以下VCM
と呼ぶ)のみを利用したアクチュエータが一般的に用い
られていた。しかし、数千、数万のトラックを横切って
ヘッドを高速に移動させるためのアクチュエータで、1
トラックの数十分の1といった精度でヘッドの位置決め
制御をおこなわせるには限界がある。このため、前述し
たように、ディスク装置において、VCMを駆動手段と
した粗動アクチュエータにより駆動されるヘッド支持機
構上に、さらに微動アクチュエータとして、制御電圧に
よりピエゾ素子を微動駆動するピエゾアクチュエータ
や、VCMと類似構造の電磁型マイクロアクチュエータ
を搭載した、二重アクチュエータによるヘッド位置決め
制御システムが提案されている(例えば、特開平10−
255418号公報)。
【0007】特にピエゾ素子は、圧電効果と逆圧電効果
の両機能を併せ持っている。すなわち、制御電圧による
ひずみを利用した微小な変位による位置制御と同時に、
変位により発生する電圧を利用して微小な変位量を検出
電圧として検出することができる。このため、この両機
能を利用したセルフセンシングアクチュエータと呼ばれ
るアクチュエータ制御手法も提案されている(例えば、
日本機械学会論文集64巻624号、2931〜293
7(1998−8)「仮想ブリッジ回路に基づくセルフ
センシング・アクチュエータを用いたはりの軌跡制御」
参照)。
【0008】また、粗動アクチュエータで駆動されるヘ
ッド支持機構上に、さらに微動アクチュエータとしてピ
エゾ素子を搭載し、ピエゾ素子の圧電効果と逆圧電効果
の両機能を利用して高速高精度なヘッド位置決め制御が
可能な二重アクチュエータ制御手法も提案されている
(例えば、特開昭60−35383号公報)。
【0009】以下、従来の二重アクチュエータを有する
ディスク装置について、図面を参照しながら説明する。
【0010】図13は、従来例としての磁気ディスク装
置におけるヘッド位置決め装置の構成を示す構成図であ
る。図13において、ディスク状の記録媒体の1つであ
る磁気ディスク11(以下ディスクと呼ぶ)に情報の記
録再生をおこなう磁気ヘッド12(以下ヘッドと呼ぶ)
は、ヘッドスライダ13の先端に一体的に形成されてい
る。ヘッドスライダ13は、微動アクチュエータ52の
先端に搭載され、さらに微動アクチュエータ52はヘッ
ド支持機構14の先端部に連結されている。ヘッド支持
機構14は、磁気ディスク装置本体に設けた回転軸14
0を中心として粗動アクチュエータ51により駆動さ
れ、微動アクチュエータ52と協働してヘッド12の位
置決めをおこなう。粗動アクチュエータ51は、ボイス
コイルモータなどによりヘッド支持機構14を回転させ
ることで、先端のヘッド12を動かし、主としてシーク
動作や複数のトラックジャンプなどの大移動のために使
用される。一方、微動アクチュエータ52は、ピエゾ素
子の変位などにより、可動範囲は狭いが広帯域な位置制
御をすることで、先端のヘッド12を動かし、主として
トラック追従や1トラックのジャンプなどの高速で微小
な位置決めに使用される。
【0011】また、本従来例での位置決め機構は、制御
回路で構成された制御部96からの制御信号に基づいて
駆動され位置決めする。図13において、微動アクチュ
エータ52は、微動制御部92の微動制御信号u2に基
づく駆動回路64からの駆動信号により、ヘッド支持機
構14の先端側に搭載されたヘッド12が、ヘッド支持
機構14の延長上である中心位置から、微小な変位をす
るように制御される。粗動アクチュエータ51は、粗動
制御部91の粗動制御信号u1に基づく駆動回路63か
らの駆動信号により、目標トラックまでヘッド12を含
むヘッド支持機構14を移動させる。微動制御部92は
微動アクチュエータ52を制御するため、粗動制御部9
1は粗動アクチュエータ51を制御するため、それぞ
れ、所定の周波数特性と位相特性が位相補償回路91
0、および920により、所定のゲインが増幅器91
1、および921によりあらかじめ設定されている。
【0012】微動アクチュエータ52の先端に取り付け
られたヘッド12は、ディスク11上にあらかじめ記録
されたサーボ情報より、ヘッド12の現在位置を示すヘ
ッド位置信号yを読み取る。このヘッド位置信号yは、
粗動アクチュエータ51によるヘッド支持機構14の延
長上の中心位置Y1と、微動アクチュエータ52による
中心位置Y1からヘッド位置までの変位量Y2とを、加
算した位置Yに対応した信号である。ヘッド位置信号y
は、目標トラックである目標位置Rまで移動させるため
に指示された目標位置信号rより減算器95によって減
算され、位置誤差信号e2として出力される。この位置
誤差信号e2は、微動制御部92に入力され、微動アク
チュエータ52が位置制御される。一方、微動アクチュ
エータ52による中心位置Y1からヘッド位置Yまでの
変位量Y2は、前述したようなピエゾ素子等を用いた場
合に検出可能である。ここでは、微動アクチュエータ5
2の実際の微小な位置の変位量Y2を相対変位信号y2
として検出している。この相対変位信号y2は、粗動制
御部91に入力され、粗動アクチュエータ51が制御さ
れる。
【0013】このような構成により、目標トラックに向
けてトラック間の移動動作をおこなうシーク動作モード
と、目標トラックの中心にヘッドを追従させるフォロイ
ング動作モードの二つの動作モードに対して位置制御が
おこなわれる。
【0014】本従来例では、位置誤差信号e2に応じて
微動アクチュエータ52を制御し、微動アクチュエータ
52の変位量Y2を検出した相対変位信号y2に応じ
て、粗動アクチュエータ51を制御することで、微動ア
クチュエータ52と粗動アクチュエータ51が協働して
トラック間の移動およびトラック追従動作をおこなって
いる。
【0015】以上のような構成によれば、シーク動作な
どによりヘッドが目標トラックに達したとき、微動アク
チュエータ52の変位量Y2が、常にゼロとなるように
ヘッド位置決め制御ができる。よって、フォロイング動
作のようなトラック追従動作においては、常に微動アク
チュエータ52の変位量Y2がゼロを中心とした、最も
安定した状態でトラック追従動作をおこなうことができ
る。このため、微動アクチュエータ52が変位した状態
でトラック追従動作をおこなうようなことがないため、
微動アクチュエータ52が動作範囲を超えてしまい、制
御不能になったり、不安定になって異常発振するような
ことを防止できる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
で示した二重アクチュエータの構成では、ヘッド位置決
め制御において、粗動アクチュエータ51の静止摩擦に
基づく摩擦力の影響を考慮してないため、円滑な移動操
作が困難となったり、サーボ制御が正確におこなわれな
い状態が生じるという問題を有していた。
【0017】従来例で示す二重アクチュエータにおい
て、ヘッド支持機構14は、回転軸140により、ディ
スク11の半径方向に移動可能となるように支持されて
いる。特に、より高い精度で位置決めができるように、
二重アクチュエータの協働制御で位置決めをおこなう
が、協働制御がおこなわれるか否かに関わらず、一般的
に、ヘッド支持機構と回転軸の間に摩擦の影響がある
と、位置決め精度が劣化するという問題があった。例え
ば、図13において、回転軸140は、ヘッド支持機構
14を停止させている状態から移動を開始するとき、回
転軸140とヘッド支持機構14との間の静止摩擦に基
づく摩擦力を越える駆動力が必要である。また、ヘッド
支持機構14の移動が開始された後は、回転軸140と
ヘッド支持機構14との間には、動摩擦に基づく摩擦力
が作用する。一般的に、ヘッド支持機構14のような可
動部を移動させるためには、静止摩擦は動摩擦と比較し
て、より大きな駆動力を必要とする。
【0018】このため、このような回転軸140を用い
た移動操作をおこなう機構においては、静止摩擦と動摩
擦との差異により、円滑な移動操作が困難となり、サー
ボ制御が正確におこなわれない可能性がある。このよう
な静止摩擦と動摩擦とに対する課題は、従来例で示した
磁気ディスク装置に限らず光ディスク装置でも同様の課
題を有していた(例えば、特開平9−312026号公
報)。
【0019】以下、図13に示す従来例で、回転軸14
0に静止摩擦が作用する動作について説明する。例え
ば、目標位置信号rで指示された目標トラックまでの位
置制御は次のような動作によりおこなわれる。まず、目
標トラックが指示されると、現在位置を示すヘッド位置
信号yと目標位置信号rとの差が生じ、この差は位置誤
差信号e2として微動制御部92に入力される。微動制
御部92は応答性が速いため、微動アクチュエータ52
が目標トラック方向に変位する。また、微動アクチュエ
ータ52の変位量Y2は相対変位信号y2として検出さ
れ、粗動制御部91に入力される。しかし、静止摩擦が
生じると、ヘッド支持機構14の移動時に比べて、より
大きな駆動力が必要となる。このため、長距離間のシー
ク動作の場合は、粗動制御部91の出力が静止摩擦力を
越える駆動力となるまで、時間の遅れを伴ってシーク動
作が開始される。一方、短距離間のシーク動作や、フォ
ロイング動作の場合、微動アクチュエータ52の変位量
はあまり大きくならない。このため、静止摩擦力が大き
いと、粗動制御部91の出力は静止摩擦力を越える駆動
力とまで大きくならず、ヘッド支持機構14は静止した
状態を継続することとなる。このような状態になると、
微動アクチュエータ52は、目標トラック方向への変位
と、その結果位置誤差信号e2が小さくなったためによ
る変位量ゼロ方向への変位とを繰り返す発振状態や、意
図しない位置へ変位した状態となるなどの不都合を生じ
る。
【0020】このような問題を解決するため、回転軸1
40に摩擦の小さい軸受けを用いることである程度解決
することが可能であるが、経年変化などによる摩擦まで
対応することは難しく、機構部品のコストがかかるなど
の問題がある。さらに、携帯端末用など小型化するに伴
い、摩擦の影響は無視できなくなり、機構的な対応では
限度があった。これに対して、サーボ制御系の工夫によ
り、この摩擦を補償する方式が提案されている。従来例
に示すような二重アクチュエータに限定されるものでは
ないが、摩擦力推定器を利用した方法(例えば、特開平
9−231701号公報)、アクチュエータの加速度を
測定し利用する方法(例えば、特開平2−260287
号公報)、アクチュエータへの駆動信号の変化を測定し
利用する方法(例えば、特開平10−255285号公
報)などが挙げられる。これらの方法で静止摩擦による
停止状態を判断し、停止時には静止摩擦力に打ち勝つ駆
動信号を駆動することにより静止摩擦に対しての補償を
おこなっている。しかし、摩擦力推定器、加速度セン
サ、駆動信号の変化検出回路などの判断回路、および判
断回路に基づき駆動信号を切り替える駆動制御回路を設
けることが必要で、これによるコスト高や、回路が複雑
になるなどの問題があった。
【0021】本発明の目的は、このような問題を解決す
るためになされたもので、従来例で説明した二重アクチ
ュエータのサーボ制御系に簡易な要素を付加することに
より、粗動アクチュエータの静止摩擦に基づく摩擦力の
影響を受けても安定な動作でヘッド位置決め制御が可能
なヘッド位置決め装置、ヘッド位置決め制御方法、ヘッ
ド位置決め制御プログラム、ヘッド位置決め制御プログ
ラムを記録した記録媒体、およびこれらを用いたディス
ク装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のヘッド位置決め装置は、ディスク状の記録
媒体に情報の記録再生をおこなうヘッドを搭載しヘッド
の微細な位置決めをおこなう微動アクチュエータと、微
動アクチュエータを搭載したヘッド支持機構を移動させ
ヘッドの粗い位置決めをおこなう粗動アクチュエータ
と、微動アクチュエータの変位および粗動アクチュエー
タによるヘッドの移動を制御する制御部とを具備してい
る。さらに、制御部は、ヘッドを目標位置に位置決めす
るための目標位置とヘッドの現在位置間の距離である位
置誤差に基づいて微動アクチュエータの変位を制御し、
微動アクチュエータの変位量に対応した値を相対変位値
として検出し、相対変位値の絶対値が小さいときには相
対変位値の絶対値が大きいときに比べて大きなゲインで
相対変位値を非線形変換し、非線形変換した結果に基づ
いて粗動アクチュエータによるヘッドの移動を制御する
ヘッド位置決め制御機能を有した構成である。
【0023】この構成により、静止摩擦が生じるシーク
動作の開始時やフォロイング動作時には、非線形変換の
機能によって、粗動アクチュエータへの制御量が従来に
比べて多くなり、この結果、従来よりも大きな駆動力を
粗動アクチュエータに加えることが可能となり、静止摩
擦の影響を抑制することが可能となる。すなわち、静止
摩擦が生じるシーク動作の開始時やフォロイング動作
時、まず微動アクチュエータからの相対変位値が微小で
ある。非線形変換の機能は、相対変位値の絶対値が小さ
いときには相対変位値の絶対値が大きいときに比べて大
きなゲインで相対変位値を非線形変換するよう設定して
いる。このため、相対変位値が微小であるような、静止
摩擦が生じる場合に、粗動アクチュエータへの制御量を
大きくできる。よって、静止摩擦が生じるような場合
に、従来よりも、大きな駆動力を粗動アクチュエータに
加えることが可能となる。その結果、粗動アクチュエー
タの静止摩擦に基づく摩擦力の影響を受けても安定な動
作でヘッド位置決め制御が可能となる。また、非線形変
換の機能として、相対変位値の絶対値が大きいときは、
従来と同等なゲインを設定できる。このため、外部衝撃
などを受けて微動アクチュエータが外部力で変位し、相
対変位値が大きくなったような場合には、従来と同等な
ゲインとなり、従来とほぼ同等な特性を持たせることで
安定性を確保できる。
【0024】また、本発明のヘッド位置決め装置は、上
記制御部が、ヘッドを目標位置に位置決めするための目
標位置信号とヘッドにより再生された記録媒体上のサー
ボ情報からのヘッド位置信号との差分を位置誤差信号と
して入力し、位置誤差信号に基づいて微動アクチュエー
タの変位を制御する微動制御部と、微動アクチュエータ
の変位量に対応した相対変位信号を入力し、粗動アクチ
ュエータによるヘッドの移動を制御する粗動制御部とを
備えている。さらに、相対変位信号を変換入力信号と
し、変換入力信号の振幅が小さいときには、変換入力信
号の振幅が大きいときに比べて大きなゲインで変換入力
信号が増幅された結果を変換出力信号とする非線形特性
を持った非線形変換器を、粗動制御部は有し、粗動制御
部は、変換出力信号に基づいて粗動アクチュエータによ
るヘッドの移動を制御する構成である。
【0025】この構成により、静止摩擦が生じるシーク
動作の開始時やフォロイング動作時には、非線形変換器
によって、粗動アクチュエータへの制御量が従来に比べ
て多くなり、この結果、従来よりも大きな駆動力を粗動
アクチュエータに加えることが可能となり、静止摩擦の
影響を抑制することが可能となる。すなわち、静止摩擦
が生じるシーク動作の開始時やフォロイング動作時、ま
ず微動アクチュエータからの相対変位信号が微小であ
り、変換入力信号も微小である。非線形変換器は、変換
入力信号の振幅が小さいときには変換入力信号の振幅が
大きいときに比べて大きなゲインで変換入力信号を非線
形変換するよう設定している。このため、相対変位信号
に対応した変換入力信号が微小であるような、静止摩擦
が生じる場合に、粗動アクチュエータへの制御量を大き
くできる。よって、静止摩擦が生じるような場合に、従
来よりも、大きな駆動力を粗動アクチュエータに加える
ことが可能となる。その結果、粗動アクチュエータの静
止摩擦に基づく摩擦力の影響を受けても安定な動作でヘ
ッド位置決め制御が可能となる。また、非線形変換器
は、相対変位信号の振幅が大きいときは、従来と同等な
ゲインを設定できる。このため、外部衝撃などを受けて
微動アクチュエータが外部力で変位し、相対変位信号が
大きくなったような場合には、従来と同等なゲインとな
り、従来とほぼ同等な特性を持たせることで安定性を確
保できる。さらに、非線形な特性を利用して静止摩擦の
影響を抑制しているため、ヘッドの加速度などの状態を
検出して制御するような方式での検知回路や切替回路を
使わず簡易に、また切り替え時の影響や回路の遅れ時間
の影響などなく実現することも可能となる。
【0026】また、本発明のヘッド位置決め装置は、上
記制御部が、ヘッドを目標位置に位置決めするための目
標位置データとヘッドにより再生された記録媒体上のサ
ーボ情報からのヘッド位置データとの差分を位置誤差デ
ータとして入力し、位置誤差データに基づいて微動アク
チュエータの変位を制御する微動制御部と、微動アクチ
ュエータの変位量に対応した相対変位データを入力し、
粗動アクチュエータによるヘッドの移動を制御する粗動
制御部とを備えている。さらに、相対変位データを変換
入力データとし、変換入力データの絶対値が小さいとき
には、変換入力データの絶対値が大きいときに比べて大
きな乗数で変換入力データが乗算された乗算の結果を変
換出力データとする非線形特性を持った非線形変換器
を、粗動制御部は有し、粗動制御部は、変換出力データ
に基づいて粗動アクチュエータによるヘッドの移動を制
御する構成である。
【0027】この構成により、静止摩擦が生じるシーク
動作の開始時やフォロイング動作時には、非線形変換器
によって、粗動アクチュエータへの制御量が従来に比べ
て多くなり、この結果、従来よりも大きな駆動力を粗動
アクチュエータに加えることが可能となり、静止摩擦の
影響を抑制することが可能となる。すなわち、静止摩擦
が生じるシーク動作の開始時やフォロイング動作時、ま
ず微動アクチュエータからの相対変位データが微小であ
り、変換入力データも微小である。非線形変換器は、変
換入力データの絶対値が小さいときには変換入力データ
の絶対値が大きいときに比べて大きな乗数で変換入力デ
ータを乗算する非線形変換特性を設定している。このた
め、相対変位データに対応した変換入力データが微小で
あるような、静止摩擦が生じる場合に、粗動アクチュエ
ータへの制御量を大きくできる。よって、静止摩擦が生
じるような場合に、従来よりも、大きな駆動力を粗動ア
クチュエータに加えることが可能となる。その結果、粗
動アクチュエータの静止摩擦に基づく摩擦力の影響を受
けても安定な動作でヘッド位置決め制御が可能となる。
また、非線形変換器は、相対変位データの絶対値が大き
いときは、従来と同等なゲインに相当する乗数を設定で
きる。このため、外部衝撃などを受けて微動アクチュエ
ータが外部力で変位し、相対変位データが大きくなった
ような場合には、従来と同等なゲインとなり、従来とほ
ぼ同等な特性を持たせることで安定性を確保できる。さ
らに、非線形な特性を利用して静止摩擦の影響を抑制し
ているため、ヘッドの加速度などの状態を検出して制御
するような方式での検知回路や切替回路を使わず簡易
に、また切り替え時の影響や回路の遅れ時間の影響など
なく実現することも可能となる。さらに、非線形変換の
ためのデータをあらかじめ非線形変換テーブルとして設
定することで、乗数を連続に変化させるとか、あるレベ
ルは乗数を一定にするなど、正確、柔軟、かつ滑らかな
制御をおこなうことができる。
【0028】また、本発明のヘッド位置決め装置は、上
記制御部が、微動アクチュエータおよび粗動アクチュエ
ータを制御可能なマイクロプロセッサと、マイクロプロ
セッサを動作させるためのプログラムを格納するメモリ
と、マイクロプロセッサを動作させるためのプログラム
とを備えている。さらに、プログラムは、マイクロプロ
セッサがプログラムを読み取って実行することによりヘ
ッド位置決め制御機能を実現させるヘッド位置決め制御
プログラムを有する構成である。
【0029】この構成により、メモリから読み取ったヘ
ッド位置決め制御プログラムをマイクロプロセッサで実
行することで、静止摩擦が生じるシーク動作の開始時や
フォロイング動作時には、非線形変換の機能によって、
粗動アクチュエータへの制御量が従来に比べて多くな
り、この結果、従来よりも大きな駆動力を粗動アクチュ
エータに加えることが可能となり、静止摩擦の影響を抑
制することが可能となる。すなわち、静止摩擦が生じる
シーク動作の開始時やフォロイング動作時、まず微動ア
クチュエータからの相対変位値が微小である。非線形変
換の機能は、相対変位値の絶対値が小さいときには相対
変位値の絶対値が大きいときに比べて大きなゲインで相
対変位値を非線形変換するよう設定している。このた
め、相対変位値が微小であるような、静止摩擦が生じる
場合に、粗動アクチュエータへの制御量を大きくでき
る。よって、静止摩擦が生じるような場合に、従来より
も、大きな駆動力を粗動アクチュエータに加えることが
可能となる。その結果、粗動アクチュエータの静止摩擦
に基づく摩擦力の影響を受けても安定な動作でヘッド位
置決め制御が可能となる。また、非線形変換の機能とし
て、相対変位値の絶対値が大きいときは、従来と同等な
ゲインを設定できる。このため、外部衝撃などを受けて
微動アクチュエータが外部力で変位し、相対変位値が大
きくなったような場合には、従来と同等なゲインとな
り、従来とほぼ同等な特性を持たせることで安定性を確
保できる。また、非線形な特性を利用して静止摩擦の影
響を抑制しているため、ヘッドの加速度などの状態を検
出して制御するような方式での検知手段や切替手段とし
ての機能を使わず簡易に実現することも可能となる。さ
らに、非線形変換のためのデータをあらかじめ非線形変
換テーブルとして設定することで、乗数を連続に変化さ
せるとか、あるレベルは乗数を一定にするなど、正確、
柔軟、かつ滑らかな制御をおこなうことができる。
【0030】また、本発明のヘッド位置決め装置は、上
記マイクロプロセッサを、微動制御手段、非線形変換手
段、粗動制御手段、として機能させるためのヘッド位置
決め制御プログラムを有した構成である。微動制御手段
は、ヘッドを目標位置に位置決めするための目標位置デ
ータとヘッドにより再生された記録媒体上のサーボ情報
からのヘッド位置データとの差分を位置誤差データと
し、位置誤差データに基づいて微動アクチュエータの変
位の制御をおこなう微動制御データを導出し、微動制御
データに基づいて微動アクチュエータを駆動する。非線
形変換手段は、微動アクチュエータの変位量に対応した
データを相対変位データとし、相対変位データを変換入
力データとして変換入力データの絶対値が小さいときに
は変換入力データの絶対値が大きいときに比べて大きな
乗数で変換入力データが乗算された乗算の結果を変換出
力データとする非線形特性を持つ。粗動制御手段は、変
換出力データに基づいて粗動アクチュエータによるヘッ
ドの移動を制御する粗動制御データを導出し、粗動制御
データに基づいて粗動アクチュエータを駆動する。
【0031】この構成により、メモリから読み取ったヘ
ッド位置決め制御プログラムをマイクロプロセッサで実
行することで、静止摩擦が生じるシーク動作の開始時や
フォロイング動作時には、非線形変換手段としての機能
によって、粗動アクチュエータへの制御量が従来に比べ
て多くなり、この結果、従来よりも大きな駆動力を粗動
アクチュエータに加えることが可能となり、静止摩擦の
影響を抑制することが可能となる。すなわち、静止摩擦
が生じるシーク動作の開始時やフォロイング動作時、ま
ず微動アクチュエータからの相対変位データが微小であ
り、変換入力データも微小である。非線形変換手段とし
ての機能は、変換入力データの絶対値が小さいときには
変換入力データの絶対値が大きいときに比べて大きな乗
数で変換入力データを乗算する非線形変換特性を設定し
ている。このため、相対変位データに対応した変換入力
データが微小であるような、静止摩擦が生じる場合に、
粗動アクチュエータへの制御量を大きくできる。よっ
て、静止摩擦が生じるような場合に、従来よりも、大き
な駆動力を粗動アクチュエータに加えることが可能とな
る。その結果、粗動アクチュエータの静止摩擦に基づく
摩擦力の影響を受けても安定な動作でヘッド位置決め制
御が可能となる。また、非線形変換手段としての機能
は、相対変位データの絶対値が大きいとき、従来と同等
なゲインに相当する乗数を設定できる。このため、外部
衝撃などを受けて微動アクチュエータが外部力で変位
し、相対変位データが大きくなったような場合には、従
来と同等なゲインとなり、従来とほぼ同等な特性を持た
せることで安定性を確保できる。さらに、非線形な特性
を利用して静止摩擦の影響を抑制しているため、ヘッド
の加速度などの状態を検出して制御するような方式での
検知手段や切替手段としての機能を使わず簡易に実現す
ることも可能となる。
【0032】また、本発明のヘッド位置決め制御装置
は、上記マイクロプロセッサに次のステップを実行させ
るための、ヘッド位置決め制御プログラムを有した構成
である。ヘッドを目標位置に位置決めするための目標位
置データとヘッドにより再生された記録媒体上のサーボ
情報からのヘッド位置データとの差分を位置誤差データ
とするステップ。位置誤差データに基づいて微動アクチ
ュエータの変位を制御する微動制御データを導出するス
テップ。微動制御データに基づいて微動アクチュエータ
を駆動するステップ。微動アクチュエータの変位量に対
応した相対変位データを入力するステップ。相対変位デ
ータを変換入力データとして、変換入力データの絶対値
が小さいときには変換入力データの絶対値が大きいとき
に比べて大きな乗数で変換入力データが乗算された乗算
の結果を変換出力データとする、非線形特性を持った非
線形変換をおこなうステップ。変換出力データに基づい
て粗動アクチュエータを駆動するステップ。
【0033】この構成により、メモリから読み取ったヘ
ッド位置決め制御プログラムをマイクロプロセッサで実
行することで、静止摩擦が生じるシーク動作の開始時や
フォロイング動作時には、非線形変換をおこなうステッ
プによって、粗動アクチュエータへの制御量が従来に比
べて多くなり、この結果、従来よりも大きな駆動力を粗
動アクチュエータに加えることが可能となり、静止摩擦
の影響を抑制することが可能となる。すなわち、静止摩
擦が生じるシーク動作の開始時やフォロイング動作時、
まず微動アクチュエータからの相対変位データが微小で
あり、変換入力データも微小である。非線形変換をおこ
なうステップは、変換入力データの絶対値が小さいとき
には変換入力データの絶対値が大きいときに比べて大き
な乗数で変換入力データを乗算する非線形変換特性を設
定している。このため、相対変位データに対応した変換
入力データが微小であるような、静止摩擦が生じる場合
に、粗動アクチュエータへの制御量を大きくできる。よ
って、静止摩擦が生じるような場合に、従来よりも、大
きな駆動力を粗動アクチュエータに加えることが可能と
なる。その結果、粗動アクチュエータの静止摩擦に基づ
く摩擦力の影響を受けても安定な動作でヘッド位置決め
制御が可能となる。また、非線形変換をおこなうステッ
プとして、相対変位データの絶対値が大きいときは、従
来と同等なゲインに相当する乗数を設定できる。このた
め、外部衝撃などを受けて微動アクチュエータが外部力
で変位し、相対変位データが大きくなったような場合に
は、従来と同等なゲインとなり、従来とほぼ同等な特性
を持たせることで安定性を確保できる。さらに、非線形
な特性を利用して静止摩擦の影響を抑制しているため、
ヘッドの加速度などの状態を検出して制御するような方
式での検知手段や切替手段としてのステップを使わず簡
易に実現することも可能となる。
【0034】また、本発明のヘッド位置決め制御プログ
ラムは、ディスク状の記録媒体に情報の記録再生をおこ
なうヘッドを搭載しヘッドの微細な位置決めをおこなう
微動アクチュエータと、微動アクチュエータを搭載した
ヘッド支持機構を移動させヘッドの粗い位置決めをおこ
なう粗動アクチュエータと、微動アクチュエータの変位
および粗動アクチュエータによるヘッドの移動を制御す
る制御部とを具備したヘッド位置決め装置を制御するプ
ログラムである。さらに、本ヘッド位置決め制御プログ
ラムは、制御部を、微動制御手段、非線形変換手段、粗
動制御手段、として機能させる構成である。微動制御手
段は、ヘッドを目標位置に位置決めするための目標位置
データとヘッドにより再生された記録媒体上のサーボ情
報からのヘッド位置データとの差分を位置誤差データと
し、位置誤差データに基づいて微動アクチュエータの変
位の制御をおこなう微動制御データを導出し、微動制御
データに基づいて微動アクチュエータを駆動する。非線
形変換手段は、微動アクチュエータの変位量に対応した
データを相対変位データとし、相対変位データを変換入
力データとし、変換入力データの絶対値が小さいときに
は変換入力データの絶対値が大きいときに比べて大きな
乗数で変換入力データが乗算された乗算の結果を変換出
力データとする非線形特性を持つ。粗動制御手段は、変
換出力データに基づいて粗動アクチュエータによるヘッ
ドの移動を制御する粗動制御データを導出し、粗動制御
データに基づいて粗動アクチュエータを駆動する。
【0035】この構成により、本ヘッド位置決め制御プ
ログラムをマイクロプロセッサで実行することで、静止
摩擦が生じるシーク動作の開始時やフォロイング動作時
には、非線形変換手段としての機能によって、粗動アク
チュエータへの制御量が従来に比べて多くなり、この結
果、従来よりも大きな駆動力を粗動アクチュエータに加
えることが可能となり、静止摩擦の影響を抑制すること
が可能となる。すなわち、静止摩擦が生じるシーク動作
の開始時やフォロイング動作時、まず微動アクチュエー
タからの相対変位データが微小であり、変換入力データ
も微小である。非線形変換手段としての機能は、変換入
力データの絶対値が小さいときには変換入力データの絶
対値が大きいときに比べて大きな乗数で変換入力データ
を乗算する非線形変換特性を設定している。このため、
相対変位データに対応した変換入力データが微小である
ような、静止摩擦が生じる場合に、粗動アクチュエータ
への制御量を大きくできる。よって、静止摩擦が生じる
ような場合に、従来よりも、大きな駆動力を粗動アクチ
ュエータに加えることが可能となる。その結果、粗動ア
クチュエータの静止摩擦に基づく摩擦力の影響を受けて
も安定な動作でヘッド位置決め制御が可能となる。ま
た、非線形変換手段としての機能は、相対変位データの
絶対値が大きいとき、従来と同等なゲインに相当する乗
数を設定できる。このため、外部衝撃などを受けて微動
アクチュエータが外部力で変位し、相対変位データが大
きくなったような場合には、従来と同等なゲインとな
り、従来とほぼ同等な特性を持たせることで安定性を確
保できる。さらに、非線形な特性を利用して静止摩擦の
影響を抑制しているため、ヘッドの加速度などの状態を
検出して制御するような方式での検知手段や切替手段と
しての機能を使わず簡易に実現することも可能となる。
【0036】また、本発明のヘッド位置決め方法は、デ
ィスク状の記録媒体に情報の記録再生をおこなうヘッド
を搭載しヘッドの微細な位置決めをおこなう微動アクチ
ュエータと、微動アクチュエータを搭載したヘッド支持
機構を移動させヘッドの粗い位置決めをおこなう粗動ア
クチュエータと、微動アクチュエータの変位および粗動
アクチュエータによるヘッドの移動を制御する制御部と
を具備したヘッド位置決め装置を制御する方法である。
さらに、本ヘッド位置決め方法は、制御部が、次のステ
ップを実行する構成である。ヘッドを目標位置に位置決
めするための目標位置データと前記ヘッドにより再生さ
れた前記記録媒体上のサーボ情報からのヘッド位置デー
タとの差分を位置誤差データとするステップ。位置誤差
データに基づいて微動アクチュエータの変位を制御する
微動制御データを導出するステップ。微動制御データに
基づいて微動アクチュエータを駆動するステップ。微動
アクチュエータの変位量に対応した相対変位データを入
力するステップ。相対変位データを変換入力データと
し、変換入力データの絶対値が小さいときには変換入力
データの絶対値が大きいときに比べて大きな乗数で変換
入力データが乗算された乗算の結果を変換出力データと
する非線形特性を持った非線形変換をおこなうステッ
プ。変換出力データに基づいて粗動アクチュエータを駆
動するステップ。
【0037】この構成により、本ヘッド位置決め方法を
実行することで、静止摩擦が生じるシーク動作の開始時
やフォロイング動作時には、非線形変換をおこなうステ
ップによって、粗動アクチュエータへの制御量が従来に
比べて多くなり、この結果、従来よりも大きな駆動力を
粗動アクチュエータに加えることが可能となり、静止摩
擦の影響を抑制することが可能となる。すなわち、静止
摩擦が生じるシーク動作の開始時やフォロイング動作
時、まず微動アクチュエータからの相対変位データが微
小であり、変換入力データも微小である。非線形変換を
おこなうステップは、変換入力データの絶対値が小さい
ときには変換入力データの絶対値が大きいときに比べて
大きな乗数で変換入力データを乗算する非線形変換特性
を設定している。このため、相対変位データに対応した
変換入力データが微小であるような、静止摩擦が生じる
場合に、粗動アクチュエータへの制御量を大きくでき
る。よって、静止摩擦が生じるような場合に、従来より
も、大きな駆動力を粗動アクチュエータに加えることが
可能となる。その結果、粗動アクチュエータの静止摩擦
に基づく摩擦力の影響を受けても安定な動作でヘッド位
置決め制御が可能となる。また、非線形変換をおこなう
ステップとして、相対変位データの絶対値が大きいとき
は、従来と同等なゲインに相当する乗数を設定できる。
このため、外部衝撃などを受けて微動アクチュエータが
外部力で変位し、相対変位データが大きくなったような
場合には、従来と同等なゲインとなり、従来とほぼ同等
な特性を持たせることで安定性を確保できる。さらに、
非線形な特性を利用して静止摩擦の影響を抑制している
ため、ヘッドの加速度などの状態を検出して制御するよ
うな方式での検知手段や切替手段としてのステップを使
わず簡易に実現することも可能となる。
【0038】また、本発明のヘッド位置決め制御プログ
ラムは、上記ヘッド位置決め制御方法を実行させるため
のヘッド位置決め制御プログラムとした構成である。
【0039】この構成により、本ヘッド位置決め制御プ
ログラムをマイクロプロセッサで実行することで、静止
摩擦が生じるシーク動作の開始時やフォロイング動作時
には、非線形変換をおこなうステップによって、粗動ア
クチュエータへの制御量が従来に比べて多くなり、この
結果、従来よりも大きな駆動力を粗動アクチュエータに
加えることが可能となり、静止摩擦の影響を抑制するこ
とが可能となる。すなわち、静止摩擦が生じるシーク動
作の開始時やフォロイング動作時、まず微動アクチュエ
ータからの相対変位データが微小であり、変換入力デー
タも微小である。非線形変換をおこなうステップは、変
換入力データの絶対値が小さいときには変換入力データ
の絶対値が大きいときに比べて大きな乗数で変換入力デ
ータを乗算する非線形変換特性を設定している。このた
め、相対変位データに対応した変換入力データが微小で
あるような、静止摩擦が生じる場合に、粗動アクチュエ
ータへの制御量を大きくできる。よって、静止摩擦が生
じるような場合に、従来よりも、大きな駆動力を粗動ア
クチュエータに加えることが可能となる。その結果、粗
動アクチュエータの静止摩擦に基づく摩擦力の影響を受
けても安定な動作でヘッド位置決め制御が可能となる。
また、非線形変換をおこなうステップとして、相対変位
データの絶対値が大きいときは、従来と同等なゲインに
相当する乗数を設定できる。このため、外部衝撃などを
受けて微動アクチュエータが外部力で変位し、相対変位
データが大きくなったような場合には、従来と同等なゲ
インとなり、従来とほぼ同等な特性を持たせることで安
定性を確保できる。さらに、非線形な特性を利用して静
止摩擦の影響を抑制しているため、ヘッドの加速度など
の状態を検出して制御するような方式での検知手段や切
替手段としてのステップを使わず簡易に実現することも
可能となる。
【0040】また、本発明の、ヘッド位置決め制御プロ
グラムを記録した記録媒体は、上記ヘッド位置決め制御
プログラムを記録した領域を有し、機械読み取り可能な
構成である。
【0041】この構成により、本記録媒体より読み取っ
たヘッド位置決め制御プログラムを実行することで、静
止摩擦が生じるシーク動作の開始時やフォロイング動作
時には、非線形変換手段としての機能または非線形変換
をおこなうステップによって、粗動アクチュエータへの
制御量が従来に比べて多くなり、この結果、従来よりも
大きな駆動力を粗動アクチュエータに加えることが可能
となり、静止摩擦の影響を抑制することが可能となる。
すなわち、静止摩擦が生じるシーク動作の開始時やフォ
ロイング動作時、まず微動アクチュエータからの相対変
位データが微小であり、変換入力データも微小である。
非線形変換手段としての機能または非線形変換をおこな
うステップは、変換入力データの絶対値が小さいときに
は変換入力データの絶対値が大きいときに比べて大きな
乗数で変換入力データを乗算する非線形変換特性を設定
している。このため、相対変位データに対応した変換入
力データが微小であるような、静止摩擦が生じる場合
に、粗動アクチュエータへの制御量を大きくできる。よ
って、静止摩擦が生じるような場合に、従来よりも、大
きな駆動力を粗動アクチュエータに加えることが可能と
なる。その結果、粗動アクチュエータの静止摩擦に基づ
く摩擦力の影響を受けても安定な動作でヘッド位置決め
制御が可能となる。また、非線形変換手段としての機能
または非線形変換をおこなうステップとして、相対変位
データの絶対値が大きいときは、従来と同等なゲインに
相当する乗数を設定できる。このため、外部衝撃などを
受けて微動アクチュエータが外部力で変位し、相対変位
データが大きくなったような場合には、従来と同等なゲ
インとなり、従来とほぼ同等な特性を持たせることで安
定性を確保できる。
【0042】また、本発明のディスク装置は、ディスク
状の記録媒体に情報の記録再生をおこなうヘッドを搭載
しヘッドの微細な位置決めをおこなう微動アクチュエー
タと、微動アクチュエータを搭載したヘッド支持機構を
移動させヘッドの粗い位置決めをおこなう粗動アクチュ
エータと、微動アクチュエータの変位および粗動アクチ
ュエータによるヘッドの移動を制御する制御部とを備え
ている。さらに、制御部は、微動アクチュエータおよび
粗動アクチュエータを制御可能なマイクロプロセッサ
と、入力データを変換入力データとして入力し変換入力
データの絶対値が小さいときには変換入力データの絶対
値が大きいときに比べて大きな乗数で変換入力データが
乗算された乗算の結果を変換出力データとする非線形特
性を持った非線形変換テーブルと、マイクロプロセッサ
を動作させるためのプログラムを格納するメモリと、マ
イクロプロセッサを動作させるためのプログラムとを備
えている。さらに、このプログラムは、マイクロプロセ
ッサがこのプログラムを読み取って実行することによ
り、制御部を、微動制御手段、非線形変換手段、粗動制
御手段、として機能させるヘッド位置決め制御プログラ
ムを有する構成である。微動制御手段は、ヘッドを目標
位置に位置決めするための目標位置データとヘッドによ
り再生された記録媒体上のサーボ情報からのヘッド位置
データとの差分を位置誤差データとし、位置誤差データ
に基づいて微動アクチュエータの変位の制御をおこなう
微動制御データを導出し、微動制御データに基づいて微
動アクチュエータを駆動する。非線形変換手段は、微動
アクチュエータの変位量に対応したデータを相対変位デ
ータとし、相対変位データを変換入力データとし、非線
形変換テーブルで変換した結果を変換出力データとす
る。粗動制御手段は、変換出力データに基づいて粗動ア
クチュエータによるヘッドの移動を制御する粗動制御デ
ータを導出し、粗動制御データに基づいて粗動アクチュ
エータを駆動する。
【0043】この構成により、メモリから読み取ったヘ
ッド位置決め制御プログラムをマイクロプロセッサで実
行することで、静止摩擦が生じるシーク動作の開始時や
フォロイング動作時には、非線形変換手段としての機能
によって、粗動アクチュエータへの制御量が従来に比べ
て多くなり、この結果、従来よりも大きな駆動力を粗動
アクチュエータに加えることが可能となり、静止摩擦の
影響を抑制することが可能となる。すなわち、静止摩擦
が生じるシーク動作の開始時やフォロイング動作時、ま
ず微動アクチュエータからの相対変位データが微小であ
り、変換入力データも微小である。非線形変換手段とし
ての機能は、変換入力データの絶対値が小さいときには
変換入力データの絶対値が大きいときに比べて大きな乗
数で変換入力データを乗算する非線形変換特性を設定し
ている。このため、相対変位データに対応した変換入力
データが微小であるような、静止摩擦が生じる場合に、
粗動アクチュエータへの制御量を大きくできる。よっ
て、静止摩擦が生じるような場合に、従来よりも、大き
な駆動力を粗動アクチュエータに加えることが可能とな
る。その結果、粗動アクチュエータの静止摩擦に基づく
摩擦力の影響を受けても安定な動作でヘッド位置決め制
御が可能となる。また、非線形変換手段としての機能と
して、相対変位データの絶対値が大きいときは、従来と
同等なゲインに相当する乗数を設定できる。このため、
外部衝撃などを受けて微動アクチュエータが外部力で変
位し、相対変位データが大きくなったような場合には、
従来と同等なゲインとなり、従来とほぼ同等な特性を持
たせることで安定性を確保できる。また、非線形な特性
を利用して静止摩擦の影響を抑制しているため、ヘッド
の加速度などの状態を検出して制御するような方式での
検知手段や切替手段としての機能を使わず簡易に実現す
ることも可能となる。さらに、非線形変換のためのデー
タをあらかじめ非線形変換テーブルに設定できるので、
乗数を連続に変化させるとか、あるレベルは乗数を一定
にするなど、正確、柔軟、かつ滑らかな制御をおこなう
ことができる。
【0044】また、本発明のディスク装置は、上記ヘッ
ド位置決め装置を具備した構成である。
【0045】この構成により、静止摩擦の影響を抑制し
たヘッド位置決め制御が可能なディスク装置を提供でき
ることとなる。
【0046】また、本発明のディスク装置は、上記ヘッ
ド位置決め制御方法を用いた構成である。
【0047】この構成により、静止摩擦の影響を抑制し
たヘッド位置決め制御が可能なディスク装置を提供でき
ることとなる。
【0048】また、本発明のディスク装置は、上記ヘッ
ド位置決め制御プログラムを具備した構成である。
【0049】この構成により、静止摩擦の影響を抑制し
たヘッド位置決め制御が可能なディスク装置を提供でき
ることとなる。
【0050】また、本発明のディスク装置は、上記ヘッ
ド位置決め制御プログラムを記録した領域を有する機械
読み取り可能な記録媒体を具備した構成である。
【0051】この構成により、静止摩擦の影響を抑制し
たヘッド位置決め制御が可能なディスク装置を提供でき
ることとなる。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明によるヘッド位置決
め装置、ヘッド位置決め制御方法、ヘッド位置決め制御
プログラム、ヘッド位置決め制御プログラムを記録した
記録媒体、およびこれらを用いたディスク装置の実施の
形態について、磁気ディスク装置を例にとり、図面を参
照して説明する。
【0053】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態であるヘッド位置決め装置の構成を示す
構成図である。図1において、ディスク状の記録媒体の
1つである磁気ディスク11(以下ディスクと呼ぶ)に
情報の記録再生をおこなう磁気ヘッド12(以下ヘッド
と呼ぶ)は、ヘッドスライダ13の先端に一体的に形成
されている。ヘッドスライダ13は、微動アクチュエー
タ52の先端に搭載され、さらに微動アクチュエータ5
2は、ヘッド支持機構14の先端部に連結されている。
ヘッド支持機構14は、磁気ディスク装置本体に設けた
回転軸140を中心として粗動アクチュエータ51によ
り駆動され、微動アクチュエータ52と協働してヘッド
12の位置決めをおこなう。このように、本実施の形態
での位置決め機構の構成は、粗動アクチュエータ51と
微動アクチュエータ52との二重アクチュエータの構成
である。粗動アクチュエータ51は、ボイスコイルモー
タなどによりヘッド支持機構14を回転させることで、
先端のヘッド12を動かし、主としてシーク動作や複数
のトラックジャンプなどの大移動のために使用される。
一方、微動アクチュエータ52は、ピエゾ素子の変位な
どにより、可動範囲は狭いが広帯域な位置制御をするこ
とで、先端のヘッド12を動かし、主としてトラック追
従や1トラックのジャンプなどの高速で微小な位置決め
に使用される。
【0054】本実施の形態での位置決め機構は、制御回
路で構成された制御部16からの制御信号に基づいて駆
動され位置決めする。制御部16は、微動アクチュエー
タ52の変位量に応じた信号、ヘッド12から読み出し
たサーボ情報、および所要の位置決め動作をさせるため
指示された目標位置情報などに基づいて制御信号を生成
する。制御信号は、減算器95、位相補償回路610と
非線形変換器18とで構成された粗動制御部161、お
よび位相補償回路620と増幅器621とで構成された
微動制御部162よりなる制御回路で生成される。制御
信号は、駆動回路63で駆動信号に変換して粗動アクチ
ュエータ51を駆動し、駆動回路64で駆動信号に変換
して微動アクチュエータ52を駆動して、両アクチュエ
ータのサーボ制御をおこなう。
【0055】また図1に示すように、微動アクチュエー
タ52は、破線aで示したヘッド支持機構14の延長線
上の位置を中心位置Y1として、ディスク11の内周お
よび外周の両方向に変位し、ヘッド12の微小な位置決
めをおこなう。ここでは、中心位置Y1からヘッド12
の位置までを、変位量Y2で示している。本実施の形態
では、粗動アクチュエータ51による位置、すなわち中
心位置Y1と、微動アクチュエータ52の変位量Y2と
を併せてヘッド12のヘッド位置Yとして、ヘッド12
を目標位置Rまで移動させ、目標位置Rで目標トラック
に追従させるような位置決めをおこなう。
【0056】図2は、図1に示す本実施の形態の二重ア
クチュエータを制御するサーボ制御系の構成を示すブロ
ック図である。ここでは、本実施の形態のサーボ制御系
を解り易く説明するため、ディスク装置の機構構造的な
説明は省略し、本サーボ制御系をモデル化したブロック
図で説明する。また図2にて、図1と同一の構成要素に
ついては同一の符号を付している。図2において、微動
アクチュエータ52は、微動制御部162からの微動制
御信号u2に基づいて、図1に示す変位量Y2に相当す
る変位を制御され、中心位置Y1から変位することでヘ
ッド12を微小な位置だけ移動させる。粗動アクチュエ
ータ51は、粗動制御部161からの粗動制御信号u1
に基づいて、図1に示す目標位置Rまで、ヘッド12を
含むヘッド支持機構14を移動させる。微動制御部16
2は、微動アクチュエータ52を制御するため、位相補
償回路620で所定の周波数特性および位相特性と、増
幅器621で所定の増幅率であるゲインとが設定されて
いる。ここでは、位相補償回路620から増幅器621
への従属接続で説明しているが、逆でも良く、また演算
増幅器等により同一回路で構成しても、所定の周波数特
性および位相特性とゲインが設定できればどのような構
成でもよい。
【0057】粗動制御部161は、粗動アクチュエータ
51を制御するため、位相補償回路610で所定の周波
数特性および位相特性と、非線形変換器18で所定のゲ
インとが設定されている。非線形変換器18は、後で詳
細を説明するが、変換入力信号uiに応じて異なったゲ
インで変換入力信号uiを増幅して出力する非線形特性
を有している。
【0058】微動アクチュエータ52の先端に取り付け
られたヘッド12は、ディスク11上に記録されたサー
ボ情報より、ヘッド12の現在位置を示す、すなわちヘ
ッド位置Yに相当するヘッド位置データを読み取る。図
2では、このヘッド位置データをヘッド位置信号yと
し、このヘッド位置信号yは、粗動アクチュエータ51
によるヘッド12の位置Y1の仮想信号y1と、微動ア
クチュエータ52による変位量Y2に相当する相対変位
信号y2とを、仮想の加算器94で加算してヘッド位置
信号yとしたモデルで示している。ヘッド位置信号y
は、目標トラックまで移動させるために指示された目標
位置Rに相当する目標位置信号rより、減算器95によ
って減算される。この減算による差分は、位置誤差を示
す位置誤差信号e2として出力される。この位置誤差信
号e2は、微動制御部162に入力され、微動アクチュ
エータ52が位置制御される。一方、微動アクチュエー
タ52によるヘッド位置の変位量Y2は、従来例で説明
したようにピエゾ素子等を用いた場合に検出可能であ
る。ここでは、微動アクチュエータ52の実際の変位量
Y2を検出した検出信号を、相対変位値を示す相対変位
信号y2として検出している。この相対変位信号y2
は、粗動制御部161に入力され、粗動アクチュエータ
51によるヘッド12の移動が制御される。
【0059】このような構成により、目標トラックに向
けてトラック間の移動動作をおこなうシーク動作モード
と、目標トラックの中心にヘッドを追従させるフォロイ
ング動作モードとの二つの動作モードに対して、粗動ア
クチュエータ51と微動アクチュエータ52との協働に
よってヘッド12の位置決めをする、ヘッド位置決め制
御がおこなわれる。
【0060】従来例で説明した構成では、ヘッド位置決
め制御において、粗動アクチュエータの静止摩擦に基づ
く摩擦力の影響を考慮してないため、円滑な移動操作が
困難となったり、サーボ制御が正確におこなわれない状
態が生じるという問題があった。
【0061】以下、本実施の形態のヘッド位置決め装置
によれば、従来例と比較して、粗動アクチュエータの静
止摩擦に基づく摩擦力の影響を受けても安定な動作でヘ
ッド位置決め制御が可能となる動作について説明する。
本実施の形態では、静止摩擦に基づく摩擦力の影響を抑
制するため、粗動制御部161に非線形変換器18を設
けている。非線形変換器18は、相対変位信号y2に応
じた信号である位相補償回路610からの信号を変換入
力信号uiとし、変換入力信号uiの振幅に依存したゲ
インで、変換入力信号uiを増幅し、変換出力信号uo
とする非線形特性を有している。さらに、この非線形特
性は、変換入力信号uiの振幅が小さいときには、振幅
が大きいときに比べて大きなゲインで変換入力信号ui
を増幅して、変換出力信号uoに変換する特性を有して
いることを特徴としている。より詳細に言えば、検出し
た相対変位信号y2は、変位量ゼロに相当する中心位置
Y1を中心として正負を有しており、変換入力信号ui
も正負を有した信号であるため、変換入力信号uiの振
幅である正負の符号を持たない絶対値に依存したゲイン
で変換入力信号uiを増幅する。
【0062】このような非線形特性を非線形変換器18
は持っているため、本実施の形態のヘッド位置決め装置
は、目標位置信号rで指示された目標トラックまでのヘ
ッド12の位置決めをおこなうヘッド位置決め制御を次
のような動作でおこなう。
【0063】ここでは、本実施の形態において、粗動ア
クチュエータの静止摩擦に基づく摩擦力の影響を受けて
も安定に動作することを説明するため、静止摩擦が問題
となる短距離シーク動作時やフォロイング動作時での動
作を中心に述べる。また、変換入力信号uiの振幅が大
きいときは従来例と同等なゲインが、変換入力信号ui
の振幅が小さいときは従来例より高いゲインが、非線形
変換器18にあらかじめ設定されているとして説明す
る。
【0064】シーク動作の場合、目標トラックが指示さ
れると、ヘッド位置Yを示すヘッド位置信号yと目標位
置信号rとの差が生じ、この差は、位置誤差信号e2と
して微動制御部162に入力される。微動制御部162
は速い応答性のため、微動アクチュエータ52が目標ト
ラック方向にまず変位を始める。微動アクチュエータ5
2は変位を続け、微動アクチュエータ52の変位量Y2
は相対変位信号y2として粗動制御部161に入力され
る。粗動制御部161は遅い応答性のため、ヘッド支持
機構14は、粗動アクチュエータ51により、通常は目
標トラック方向へゆっくりと移動を始めて、シーク動作
が開始される。しかし、ヘッド支持機構14を支える回
転軸140の静止摩擦が大きいと、シーク動作開始時
に、この静止摩擦力を越える駆動力が必要となる。
【0065】このとき、従来例として図13で示したよ
うに、粗動制御部91の増幅器911のゲインが一定の
場合には、この静止摩擦力を越える駆動力となるまで、
ヘッド支持機構14は静止した状態で粗動制御信号u1
が増加していく。増加量が、静止摩擦力を越える増加量
となった時点で、ヘッド支持機構14は、移動を始め
る。移動を始めた時点で、動摩擦に変わり、動摩擦は静
止摩擦と比較して大きな駆動力を必要としないため、急
激にヘッド支持機構14は移動する。一方、短距離のシ
ーク動作やフォロイング動作の場合、微動アクチュエー
タ52の変位量Y2はあまり大きくならない。このた
め、静止摩擦が大きいと、粗動制御信号u1は、静止摩
擦力を越える駆動力とまで大きくならず、ヘッド支持機
構14は、静止した状態を継続することとなる。このよ
うな状態になると、微動アクチュエータ52は、目標ト
ラック方向への変位と、その結果、位置誤差信号e2が
小さくなったためによる変位量ゼロ方向への変位とを繰
り返す発振状態や、意図しない位置へ変位した状態とな
るなどの不都合を生じた。
【0066】本実施の形態では、従来例の粗動制御部9
1のゲインが一定な増幅器911に対して、粗動制御部
161に非線形変換器18を設けている。この非線形変
換器18は、相対変位信号y2に応じた信号である位相
補償回路610からの信号を変換入力信号uiとし、変
換入力信号uiが微小な振幅のときは、従来例と比べ
て、ゲインが大きくなるよう設定されている。ところ
で、本実施の形態の二重アクチュエータの構成は、シー
ク動作終了後は、常に微動アクチュエータ52の変位量
Y2がゼロとなるようにヘッド位置決め制御がおこなわ
れる。すなわち、次のシーク動作開始時、相対変位信号
y2は、常にゼロに近い微小な振幅でシーク動作が開始
される。よって、シーク動作を開始した時点では、この
微小な振幅の相対変位信号y2に応じた信号である位相
補償回路610からの信号、すなわち変換入力信号ui
が、非線形変換器18に入力される。変換入力信号ui
は微小な振幅であるため、非線形変換器18により、従
来例に比べて、大きなゲインで増幅される。言い換えれ
ば、シーク動作の開始時は、従来例に比べて、より大き
な駆動力で粗動アクチュエータ51は駆動される。この
ように、粗動制御部161は、従来例に比べて、より大
きな駆動力で粗動アクチュエータ51を駆動するため、
静止摩擦による影響を抑制することができ、安定な動作
でヘッド位置決め制御が可能となる。静止摩擦力に打ち
勝った後は、動摩擦の状態となり、シーク動作開始時に
比べて、大きな駆動力を必要としない。また、長距離の
シーク動作の場合では、シーク動作開始後、微動アクチ
ュエータ52の変位量Y2は十分大きくなり、非線形変
換器18のゲインは、従来例と同等なゲインとなる。こ
のときは動摩擦となっているため、大きな駆動力を必要
とせず安定に動作する。
【0067】フォロイング動作の場合、相対変位信号y
2が微小な振幅であるため、本実施の形態では、粗動制
御部161に非線形変換器18を設けていることで、粗
動制御部のゲインが一定な増幅器を使用した従来例と比
べて、ゲインが大きくなる。このため、粗動制御部16
1は、シーク動作の開始時と同様に、従来例に比べて、
より大きな駆動力で粗動アクチュエータ51を駆動する
ことが可能となる。よって、静止摩擦による影響を抑制
することができ、安定な動作でヘッド位置決め制御が可
能となる。また、従来例と比べて、サーボ制御系のゲイ
ンが大きいため、より高速な追従動作も可能となる。
【0068】ところで、一般にサーボ制御系のゲインを
大きくすると、追従動作の速度は速くなるが、同時にサ
ーボ制御系の位相余裕が少なくなる。その結果、系が振
動的となり、不安定となったり、外乱による影響を受け
やすく、外乱に対する安定性も低下する。このため、通
常は、ある程度粗動制御部のゲインを低く抑え、サーボ
制御系が振動的になるのを抑制して、安定化を図ること
が必要であり、粗動制御部のゲインを上げるには限界が
ある。一方、本実施の形態ではこれに反して、変換入力
信号uiが微小な振幅である場合には、従来例に比べ
て、ゲインを大きくしている。しかしながら、ゲインが
大きいのは、変換入力信号uiが微小な振幅である範囲
と限ることにより、十分な安定性を保持している。例え
ば、外部から衝撃が加わったような場合、微動アクチュ
エータ52および粗動アクチュエータ51は、追従して
いるトラック位置から大きくはずれる。このとき、目標
位置に引き込むために、相対変位信号y2も大きくな
り、従来例と同等なゲインとなるので、従来例とほぼ同
様な引き込み動作をおこなうことができる。このよう
に、非線形変換器18のゲイン特性により、従来とほぼ
同等な安定性を確保している。
【0069】以上、粗動アクチュエータによりヘッド支
持機構を駆動する場合、回転軸に静止摩擦が生じ、この
静止摩擦が大きいと、円滑な移動操作が困難となり、サ
ーボ制御が正確におこなわれない状態が生じる可能性が
あった。本実施の形態では、静止摩擦が生じるシーク動
作の開始時やフォロイング動作時、微動アクチュエータ
52からの相対変位信号y2が微小であることを利用し
ている。非線形変換器18は、変換入力信号uiの振幅
が大きいときに比べて小さいときにゲインが大きくなる
よう設定しているため、相対変位信号y2が微小である
ような、静止摩擦が生じる場合に、粗動制御部161の
ゲインが大きくなる。よって、静止摩擦が生じる場合
に、従来例よりも、大きな駆動力を粗動アクチュエータ
に加えることが可能となる。その結果、粗動アクチュエ
ータの静止摩擦に基づく摩擦力の影響を受けても安定な
動作でヘッド位置決め制御が可能となる。また、非線形
変換器18は、変換入力信号uiの振幅が大きいとき
は、従来例と同等なゲインを設定しているため、外部衝
撃などを受けた場合には、従来例とほぼ同等な特性を持
たせることで安定性を確保している。さらに、非線形な
特性を利用して静止摩擦の影響を抑制しているため、ヘ
ッドの加速度などの状態を検出して制御するような方式
での検知回路や切替回路を使わず簡易に、また切り替え
時の影響や回路の遅れ時間の影響などなく実現すること
も可能である。
【0070】図3は、非線形変換器18の具体的な構成
を示すブロック図と、その入出力特性図との一例であ
る。図3の(a)はブロック図、図3の(b)は入出力
特性図、図3の(c)は他の入出力特性図を示す。
【0071】図3の(a)において、レベル判定回路8
11により変換入力信号uiの振幅レベルを検出して、
ゲイン設定部812にあらかじめ設定された複数の所定
のゲイン値より、レベル判定回路811により検出した
振幅レベルに応じてゲイン値を選択する。ゲイン値は、
変換入力信号uiの振幅が小さいときには、振幅が大き
いときに比べて大きなゲイン値となるように設定されて
いる。このゲイン値に相当するゲイン値信号が、可変増
幅器810に送られ、このゲイン値に相当するゲインで
変換入力信号uiを増幅して、変換出力信号uoを出力
する。
【0072】図3の(b)は、この変換入力信号uiと
変換出力信号uoの関係を示した、入出力特性図の一例
である。ゲインは、入出力特性の傾きに相当することよ
り、図3の(b)の例では、変換入力信号uiの振幅が
振幅レベルun以上のときに比べて、変換入力信号ui
の振幅が振幅レベルun以下のときに大きなゲインで変
換入力信号uiが増幅される非線形特性としている。厳
密な言い方をすれば、非線形変換器18は、変換入力信
号uiのレベルがunと−unである振幅レベルunを
境界点として、この境界点において、変換入力信号ui
の振幅が大きいときに比べて、変換入力信号uiの振幅
が小さいときに大きなゲインで変換入力信号uiが増幅
される非線形特性を持っている。シーク動作の開始時や
フォロイング動作時には、相対変位信号y2に応じた信
号である位相補償回路610からの信号、すなわち変換
入力信号uiは、振幅レベルun以下である。このた
め、振幅レベルun以上のときのゲインを従来例と同等
なゲインとすると、シーク動作の開始時やフォロイング
動作時には、従来例に比べて大きなゲインとなり、静止
摩擦に対して、従来例よりも大きな駆動力で粗動アクチ
ュエータ51を駆動し、静止摩擦による影響を抑制でき
る。しかし、シーク動作の中間時などでは、変換入力信
号uiは振幅レベルun以上となるため従来と同等なゲ
インとなり、従来例とほぼ同様な動作をおこなう。
【0073】図3の(c)は、入出力特性の他の例であ
る。ここでは、ゲインを3段階に分けている。この例で
も、変換入力信号uiの振幅が大きいときに比べて、変
換入力信号uiの振幅が小さいときに大きなゲインで変
換入力信号uiが増幅される非線形特性を有している。
この特性により、図3の(b)の場合と同様に、静止摩
擦による影響を抑制できる。また、ゲインを3段階に分
けているが、段階をさらに分けることでより綿密に制御
することが可能である。
【0074】図4は、非線形変換器18の他の具体的な
構成を示すブロック図と、その入出力特性図との一例で
ある。図4の(a)はブロック図、図4の(b)は入出
力特性図を示す。
【0075】図4の(a)において、レベル変換回路8
21により変換入力信号uiは振幅レベルに比例した信
号に変換される。この変換された信号は、可変減衰器8
20に送られ、この変換された信号で可変減衰器820
の減衰量を、変換された信号が小さいとき減衰量が少な
くなるように可変して、変換入力信号uiを減衰させ、
増幅器822で所定のゲインで増幅して、変換出力信号
uoを出力する。
【0076】図4の(b)は、この変換入力信号uiと
変換出力信号uoの関係を示した、入出力特性図であ
る。図4の(a)の構成は、変換入力信号uiの振幅が
大きいときに比べて、変換入力信号uiの振幅が小さい
ときに大きなゲインで変換入力信号uiが増幅される非
線形特性としている。シーク動作の開始時やフォロイン
グ動作時には、相対変位信号y2に応じた信号である位
相補償回路610からの信号、すなわち変換入力信号u
iは小さい。このため、振幅が大きいときのゲインを従
来例とほぼ同等なゲインとすると、シーク動作の開始時
やフォロイング動作時には、従来例に比べて大きなゲイ
ンとなり、静止摩擦に対して、従来例よりも大きな駆動
力で粗動アクチュエータを駆動し、静止摩擦による影響
を抑制できる。しかし、シーク動作の中間時などでは、
変換入力信号uiは振幅が大きくなるため従来例と同等
なゲインとなり、従来例とほぼ同様な動作をおこなう。
また、ゲインは、変換入力信号uiの振幅が減少するに
従い、ゲインは連続に増加している。このため、図3の
構成や切替動作が必要な方式に比べて、ゲイン切り替え
による急激な状態変化などなく、位置決め動作の全期間
中、滑らかな制御をおこなうことができる。
【0077】また、非線形変換器18は、図3から図4
までで説明した以外にも実現可能である。例えば、半導
体の非線形特性を利用した構成なども可能である。
【0078】以上説明したように本実施の形態では、制
御部16が、ヘッドを目標位置に位置決めするための目
標位置とヘッドの現在位置間の距離である位置誤差に基
づいて、微動アクチュエータの変位を制御し、微動アク
チュエータの変位量に対応した値を相対変位値として検
出し、相対変位値の絶対値が小さいときには、相対変位
値の絶対値が大きいときに比べて大きなゲインで相対変
位値に応じた値を非線形変換し、非線形変換した結果に
基づいて、粗動アクチュエータによるヘッドの移動を制
御するヘッド位置決め制御機能を有しており、これによ
り、粗動アクチュエータの静止摩擦に基づく摩擦力の影
響を受けても安定な動作でヘッド位置決め制御が可能と
なる。
【0079】(第2の実施の形態)図5は、本発明の第
2の実施の形態を示すヘッド位置決め装置の二重アクチ
ュエータを制御するサーボ制御系の構成を示すブロック
図である。ディスク装置の機構的な構成については、第
1の実施の形態と同様のため、ここでは、ディスク装置
の機構的な説明は省略する。また、第1の実施の形態と
同一の構成要素については、図2と同一の符号を付して
いる。図5において、制御部26の粗動制御部261の
内部構成のみが図2と異なっているが、粗動アクチュエ
ータ51および微動アクチュエータ52の位置決め制御
をおこなう動作については同一である。また、動作原理
としても第1の実施の形態と同じである。
【0080】以下、第1の実施の形態と異なる部分、お
よび本第2の実施の形態でも第1の実施の形態と同様に
静止摩擦による影響を抑制できる動作について説明す
る。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に静止
摩擦による影響を抑制するため粗動制御部261に非線
形変換器28を設けている。非線形変換器28は、相対
変位値を示す相対変位信号y2を変換入力信号uiと
し、変換入力信号uiの振幅に依存したゲインで、変換
入力信号uiを増幅し、変換出力信号uoとする非線形
特性を有している。さらに、この非線形特性は、相対変
位信号y2である変換入力信号uiの振幅が小さいとき
には、振幅が大きいときに比べて大きなゲインで変換入
力信号uiを増幅して、変換出力信号uoに変換する特
性を有していることを特徴としている。変換出力信号u
oは、位相補償回路612により所定の周波数特性およ
び位相特性に位相補償され、増幅器613により所定の
ゲインで増幅されて、粗動制御部261からの粗動制御
信号u1として粗動アクチュエータ51を制御する。
【0081】本実施の形態は、第1の実施の形態と比べ
て、位相補償回路612の前に非線形変換器28を設け
ている。すなわち、図2と比較して、位相補償回路と非
線形変換器の順序が逆であるが、微動アクチュエータ5
2の変位量Y2に応じて、変位量Y2が大きい場合には
粗動制御信号u1は従来例と同じであり、変位量Y2が
小さい場合には粗動制御信号u1は従来例より大きくな
る点で、本実施の形態と第1の実施の形態とは同一であ
る。よって、本実施の形態は、第1の実施の形態とほぼ
同一の動作をおこない、同様の効果を有している。
【0082】これより、本実施の形態では、シーク動作
の開始時やフォロイング動作時には、静止摩擦に対し
て、従来例よりも大きな駆動力で粗動アクチュエータ5
1を駆動し、静止摩擦による影響を抑制する。しかし、
シーク動作の中間時などでは、従来例とほぼ同様な動作
をおこなう。また、非線形な特性を利用して静止摩擦に
よる影響を抑制しているため、状態の検知回路や切替回
路を使わずに簡易に実現することも可能である。
【0083】さらに、微動アクチュエータ52は、微動
アクチュエータ52自体が非線形特性を持っているた
め、逆非線形特性を持つ回路で変位量と検出信号が比例
するように補正することがある。このような場合、非線
形変換器28で、この逆非線形特性も合わせ持つような
ことで、回路素子を減らすことが可能である。
【0084】以上説明したように本実施の形態では、制
御部26が、ヘッドを目標位置に位置決めするための目
標位置とヘッドの現在位置間の距離である位置誤差に基
づいて、微動アクチュエータの変位を制御し、微動アク
チュエータの変位量に対応した値を相対変位値として検
出し、相対変位値の絶対値が小さいときには、相対変位
値の絶対値が大きいときに比べて大きなゲインで相対変
位値を非線形変換し、非線形変換した結果に基づいて、
粗動アクチュエータによるヘッドの移動を制御するヘッ
ド位置決め制御機能を有しており、これにより、粗動ア
クチュエータの静止摩擦に基づく摩擦力の影響を受けて
も安定な動作でヘッド位置決め制御が可能となる。
【0085】(第3の実施の形態)図6は、本発明の第
3の実施の形態であるヘッド位置決め装置の構成を示す
構成図である。ディスク装置の機構的な構成について
は、第1の実施の形態と同様のため、ここでは、ディス
ク装置の機構的な説明は省略する。また、第1の実施の
形態と同一の構成要素については、図1と同一の符号を
付している。本実施の形態では、制御部がデジタル信号
処理によりおこなわれているところが、図1で説明した
第1の実施の形態と異なっている。
【0086】図6において、本実施の形態での二重アク
チュエータは、デジタル制御回路で構成された制御部3
6の粗動制御データu1および微動制御データu2をD
A変換器65およびDA変換器66でデジタルデータか
らアナログ信号に変換し、さらに駆動回路63および駆
動回路64で変換した駆動信号に基づいて駆動され位置
決めする。制御部36は、微動アクチュエータ52の変
位量Y2に対応した信号をAD変換器67でアナログ信
号からデジタルデータに変換した相対変位値を示す相対
変位データy2、ヘッド12から読み出したサーボ信号
からの位置データy、および所要の位置決め動作をさせ
るため指示された目標位置データrなどにより制御デー
タを生成し、導出された制御データに基づいた駆動信号
で粗動アクチュエータ51および微動アクチュエータ5
2のサーボ制御をおこなう。
【0087】制御部36において、現在位置を示すヘッ
ド位置データyと目標位置データrは、減算回路で実現
された減算器395で減算され、減算による差分が、位
置誤差を示す位置誤差データe2として出力される。微
動制御部362は、位置誤差データe2を入力し、微動
アクチュエータ52を制御するため、位相補償回路62
2で所定の位相および周波数特性と、乗算器623で所
定の増幅率であるゲインとが設定されている。位相補償
回路622は、加減算器、遅延素子、および乗算回路で
構成されたデジタルフィルタで実現できる。また、乗算
器623は乗算回路として、加算器とビットシフト回路
を組みあわせたもの、あるいは乗算結果を記憶させたメ
モリによる変換テーブルを用いても実現できる。なお、
位相補償回路622から乗算器623へ従属接続で説明
しているが、逆でも、また乗算機能を位相補償回路62
2に含めてもよく、微動アクチュエータ52を駆動する
ための所定の位相および周波数特性とゲインを設定でき
ればどのような構成でもよい。粗動制御部361は、相
対変位データy2を入力し、粗動アクチュエータ51を
制御するため、位相補償回路612で所定の位相および
周波数特性と、非線形変換テーブル38で所定のゲイン
とが設定されている。本実施の形態では、非線形変換テ
ーブル38が、非線形特性を持った非線形変換器として
機能している。非線形変換テーブル38は、変換入力デ
ータuiに対し、変換入力データuiの絶対値に応じた
乗数で乗算した結果を記憶させたメモリで実現してい
る。また、非線形変換テーブル38は、相対変位データ
y2に応じたデータである位相補償回路612からのデ
ータを変換入力データuiとし、変換入力データuiの
絶対値が小さいときには、絶対値が大きいときに比べて
大きな乗数で変換入力データuiに対して乗算された結
果を有したデータが格納されており、このデータを変換
出力データuoとしている。この乗数は、本サーボ制御
系の粗動アクチュエータへのゲインに相当する。
【0088】このような構成により、目標トラックに向
けてトラック間の移動動作をおこなうシーク動作モード
と、目標トラックの中心にヘッドを追従させるフォロイ
ング動作モードの二つの動作モードに対して粗動アクチ
ュエータ51と微動アクチュエータ52の協働によって
ヘッド12の位置決めをするヘッド位置決め制御がおこ
なわれる。本実施の形態では、サーボ制御系をデジタル
処理しているため、第1の実施の形態と比べ構成は異な
るが、動作としては同一の動作をおこなう。すなわち、
動作原理としては、図2のサーボ制御系モデルで説明し
たのと同じであり、同一の効果が得られる。さらに、非
線形変換テーブル38は、メモリに所望のデータを格納
すればよいので、アナログ手段に比較して、所望の特性
を、より正確、柔軟、かつ容易に得ることができる。こ
のため、第1の実施の形態や第2の実施の形態に比べ
て、より安定な位置決め動作が可能である。
【0089】図7は、非線形変換テーブル38の具体的
な構成を示すブロック図と、その入出力特性図との一例
である。図7の(a)はブロック図、図7の(b)は入
出力特性図を示す。図7の(a)において、記憶素子で
あるメモリ381には、変換入力データuiのデータ値
に一致するアドレスに、変換入力データuiに対する所
望の出力値がデータとして格納されており、変換入力デ
ータuiが入力されると所望の変換出力データuoが出
力される。
【0090】図7の(b)は、この変換入力信号uiと
変換出力信号uoの関係を示した、入出力特性図の一例
である。図7の(a)の構成では、変換入力データui
の絶対値が小さいときには、変換入力データuiの絶対
値が大きいときに比べて大きな乗数で変換入力データu
iが乗算された特性を持つ非線形特性としている。特
に、図7の(b)に示す特性は、変換入力データuiの
絶対値がum以上の変換入力データuiに対しては、従
来例と同等な一定ゲインに相当するよう設定し、変換入
力データuiの絶対値がum以下の変換入力データui
に対しては、変換入力データuiの絶対値の減少に伴い
ゲインは徐々に増加していく特性に相当するよう設定し
ている。非線形変換テーブル38をこのような入出力特
性としているので、変換入力データuiの絶対値が大き
いときのゲインは従来例とほぼ同等なゲインのため、シ
ーク動作の中間時などでは、相対変位データy2に応じ
たデータである位相補償回路612からのデータ、すな
わち変換入力データuiの絶対値が大きく、従来例と同
様な動作をおこなう。しかし、シーク動作の開始時やフ
ォロイング動作時には、変換入力データuiの絶対値は
小さいため大きなゲインとなり、静止摩擦に対して、従
来例よりも大きな駆動力で粗動アクチュエータ51を駆
動し、静止摩擦による影響を抑制できる。また、図7の
(b)のような特性カーブは、絶対値um以下におい
て、変換入力データuiの絶対値がum付近では、ゲイ
ンは従来例よりやや大きく、変換入力データuiの絶対
値が減少するに従い、ゲインは大きく増加している。ゲ
インが連続的に変化するようにしているため、切替動作
が必要な方式に比べて、位置決め動作の全期間中、滑ら
かな制御をおこなうことができる。
【0091】図8は、図6で説明した本実施の形態の、
他の構成を示した構成図である。図8で、制御部46の
粗動制御部461において、非線形変換テーブル48と
位相補償回路614を逆にしたところが、図6と異なっ
ている。すなわち、非線形変換テーブル48で先に非線
形変換処理をおこない、その後位相補償回路614で位
相補償の演算処理をおこなっている。しかし、第2の実
施の形態で説明したように、本実施の形態でも、図8で
の効果としては、図6と同様の効果を得ることができ
る。さらに、微動アクチュエータ52は、微動アクチュ
エータ52自体が非線形特性を持っているため、逆非線
形特性を持つ非線形テーブルで変位量と検出信号からの
検出データが比例するように補正することがある。この
ような場合、非線形変換テーブル48で、この逆非線形
特性も合わせ持つようなことで、回路素子を減らすこと
が可能である。
【0092】以上説明したように本実施の形態では、制
御部36が、ヘッドを目標位置に位置決めするための目
標位置とヘッドの現在位置間の距離である位置誤差に基
づいて、微動アクチュエータの変位を制御し、微動アク
チュエータの変位量に対応した値を相対変位値として検
出し、相対変位値の絶対値が小さいときには、相対変位
値の絶対値が大きいときに比べて大きなゲインで相対変
位値に応じた値を非線形変換し、非線形変換した結果に
基づいて、粗動アクチュエータによるヘッドの移動を制
御するヘッド位置決め制御機能を有している。また、制
御部46が、ヘッドを目標位置に位置決めするための目
標位置とヘッドの現在位置間の距離である位置誤差に基
づいて、微動アクチュエータの変位を制御し、微動アク
チュエータの変位量に対応した値を相対変位値として検
出し、相対変位値の絶対値が小さいときには、相対変位
値の絶対値が大きいときに比べて大きなゲインで相対変
位値を非線形変換し、非線形変換した結果に基づいて、
粗動アクチュエータによるヘッドの移動を制御するヘッ
ド位置決め制御機能を有している。これにより、粗動ア
クチュエータの静止摩擦に基づく摩擦力の影響を受けて
も安定な動作でヘッド位置決め制御が可能となる。
【0093】(第4の実施の形態)図9は、本発明の第
4の実施の形態であるヘッド位置決め装置の構成を示す
構成図である。ディスク装置の機構的な構成について
は、第1の実施の形態と同様のため、ここでは、ディス
ク装置の機構的な説明は省略する。また、第3の実施の
形態と同一の構成要素については、図6と同一の符号を
付している。本実施の形態では、制御部がデジタル信号
処理によりおこなわれているところが、図1で説明した
第1の実施の形態と異なっており、デジタル信号処理が
マイクロプロセッサによりおこなわれるところが、図6
や図8で説明した第3の実施の形態と異なっている。
【0094】図9において、本実施の形態での二重アク
チュエータは、マイクロプロセッサ561によるデジタ
ル演算によってサーボ制御する制御部56の粗動制御デ
ータu1および微動制御データu2を、共通バス564
を介してDA変換器65およびDA変換器66に出力
し、DA変換器65およびDA変換器66でアナログ信
号に変換し、さらに、二重アクチュエータは、駆動回路
63および駆動回路64で変換した駆動信号に応じて駆
動され位置決めする。制御部56は、微動アクチュエー
タ52の変位量Y2に対応した信号をAD変換器67で
デジタルデータに変換した相対変位データy2、ヘッド
12から読み出したサーボ信号からのヘッド位置データ
y、および所要の位置決め動作をさせるため指示された
目標位置データrなど、共通バス564を介して入力
し、これらのデータより制御データを生成し、導出され
た制御データに基づいた駆動信号で粗動アクチュエータ
51および微動アクチュエータ52のサーボ制御をおこ
なう。また、サーボ制御をおこなうための制御プログラ
ム563は、ヘッド位置決め制御方法を実行させるため
のヘッド位置決め制御プログラムとして、機械読み取り
可能な記録媒体としてのメモリ562に格納されてお
り、マイクロプロセッサ561で順次読み取ってサーボ
制御を実行する。また、本発明の特徴とする非線形変換
テーブル58も、メモリ562に格納されている。本実
施の形態では、非線形変換テーブル58が、所望の非線
形変換をおこなうよう機能している。非線形変換テーブ
ル58は、メモリ562以外のメモリに格納してもよ
い。
【0095】図10は、ヘッド位置決め制御プログラム
を、サーボ制御として機能させるため、制御プログラム
563の手順を各ステップで示したフローチャートの一
例である。ステップ200で、制御プログラム563が
呼び出される。まず、ステップ201において、サーボ
信号より現在位置を示すヘッド位置データyが読み込ま
れる。ステップ202では、ヘッド位置データyと目標
位置データrとが、減算処理され、減算結果が、位置誤
差を示す位置誤差データe2として一時記憶される。ス
テップ203では、位置誤差データe2を読み出し、位
置誤差データe2を基に所定の位相および周波数特性と
所定の増幅率であるゲインで位相補償の演算処理をおこ
ない、微動制御データu2として一時記憶する。ステッ
プ204では、微動制御データu2をDA変換器66に
出力する。DA変換器66からは、微動制御データu2
に基づいた信号として微動駆動信号が、駆動回路64を
介して、微動アクチュエータ52に出力される。以上、
ステップ201からステップ204では、微動アクチュ
エータ52を制御するため、微動制御手段としての機能
を実行する。
【0096】ステップ205では、微動アクチュエータ
52の変位量Y2に対応した相対変位値を示す相対変位
データy2がAD変換器67より読み込まれる。ステッ
プ206では、読み込んだ相対変位データy2より、粗
動アクチュエータ51を制御するため、相対変位データ
y2を基に所定の位相および周波数特性で位相補償の演
算処理をおこない、粗動制御用データu3として一時記
憶し、変換入力データuiとして用いる。ステップ20
7では、粗動制御用データu3として一時記憶した変換
入力データuiを、変換入力データuiの絶対値に応じ
た乗数で乗算した結果を記憶させたメモリ562の非線
形変換テーブル58に入力しその結果を、変換出力デー
タuoとして読み出す。ここで、非線形変換テーブル5
8は、相対変位データy2に応じたデータである粗動制
御用データu3、すなわち変換入力データuiの絶対値
が小さいときには、絶対値が大きいときに比べて大きな
乗数で変換入力データuiに対して乗算されたデータが
格納されており、このデータを変換出力データuoとし
ている。この乗数はサーボ制御系の粗動アクチュエータ
へのゲインに相当する。また、ステップ207では、非
線形変換手段としての機能を実行する。ステップ208
では、変換出力データuoを粗動制御データu1として
DA変換器65に出力する。DA変換器65からは、粗
動制御データu1に基づいた信号として粗動駆動信号
が、駆動回路63を介して、粗動アクチュエータ51に
出力される。以上、ステップ205、ステップ206、
およびステップ208で、粗動アクチュエータ51を制
御するため、粗動駆動手段としての機能を実行する。
【0097】図11は、サーボ制御として機能させるた
めの制御プログラム563の、他の手順を各ステップで
示したフローチャートの一例である。図10でのステッ
プ206とステップ207を逆にしたところが異なって
いる。すなわち、図11において、ステップ216で先
に非線形変換処理をおこない、その後ステップ217で
位相補償の演算処理をおこなっている。しかし、第2の
実施の形態で説明したように、図10と図11での効果
としては同様の効果を得ることができる。
【0098】図10または図11のフローチャートに
て、ステップ209で、メインのプログラムに戻る。メ
インのプログラムはディスク装置全体を制御しているプ
ログラムである。サーボ制御に関しては、シーク制御や
フォロイング制御などをメインのプログラムで監視して
いる。ステップ209でメインのプログラムに戻ると、
メインのプログラムは、目標位置Rまで到達したかどう
か判定する。目標位置Rまで到達しない場合など、図1
0または図11に示した処理を繰り返すことで、適宜シ
ーク制御やフォロイング制御をおこなう。
【0099】このような構成により、目標トラックに向
けてトラック間の移動動作をおこなうシーク動作モード
と、目標トラックの中心にヘッドを追従させるフォロイ
ング動作モードとの二つの動作モードに対して、粗動ア
クチュエータ51と微動アクチュエータ52との協働に
よってヘッド12の位置決めをするヘッド位置決め制御
がおこなわれる。本実施の形態では、サーボ制御系をマ
イクロプロセッサ561でデジタル処理しているため、
第1の実施の形態から第3の実施の形態までと比べて構
成は異なるが、動作としては同一の動作をおこなう。す
なわち、動作原理としては、図2または図5のサーボ制
御系モデルで説明したのと同じであり、同一の効果が得
られる。また、非線形変換テーブル58としては、図7
で説明した非線形変換テーブル38と同一な構成を用い
ることができ、また、メモリに所望のデータを格納すれ
ばよいので、所望の特性を、より正確、柔軟、かつ容易
に得ることができる。
【0100】なお、図10のステップ207、または図
11のステップ216において、非線形変換テーブル5
8を用いて非線形変換をおこなう例で説明したが、演算
処理により同様な特性を有する非線形変換をおこなって
もよい。
【0101】また、微動アクチュエータ52は、微動ア
クチュエータ52自体が非線形特性を持っているため、
逆非線形特性を持つ回路で変位量と検出信号が比例する
ように補正することがある。このような場合、非線形変
換テーブル58で、この逆非線形特性も合わせ持つよう
な特性とすることで、記憶素子、またはその記憶領域を
減らすことが可能である。さらに、ヒステリシス補正
や、温度補正特性とも容易に組み合わせることができ
る。
【0102】また、ヘッド位置決め制御プログラムとし
ての制御プログラム563は、機械読み取り可能な記録
媒体としてのメモリ562に格納されているとして説明
した。詳細には、制御プログラム563は、あらかじめ
読み取り専用のROMに記録しておいてもよく、また半
導体メモリ以外の記憶媒体にあらかじめ記録しておき、
本ヘッド位置決め装置を使用するとき、書き込み読み出
し可能なRAMに書き込んで使用してもよい。また、マ
イクロプロセッサとメモリが一体となっており、このメ
モリに制御プログラム563が格納してあってもよい。
また、制御プログラム563を記録した記憶媒体は、制
御プログラム563以外のプログラムが他の領域に記録
されていてもよい。このような変更をおこなっても、本
発明の効果には影響しない。
【0103】以上説明したように本実施の形態では、制
御部56において、ヘッドを目標位置に位置決めするた
めの目標位置とヘッドの現在位置間の距離である位置誤
差に基づいて、微動アクチュエータの変位を制御し、微
動アクチュエータの変位量に対応した値を相対変位値と
して検出し、相対変位値の絶対値が小さいときには、相
対変位値の絶対値が大きいときに比べて大きなゲインで
相対変位値、または相対変位値に応じた値を非線形変換
し、非線形変換した結果に基づいて、粗動アクチュエー
タによるヘッドの移動を制御するヘッド位置決め制御機
能を、ヘッド位置決め制御プログラムが有しており、こ
れにより、粗動アクチュエータの静止摩擦に基づく摩擦
力の影響を受けても安定な動作でヘッド位置決め制御が
可能となる。
【0104】(第5の実施の形態)図12は、本発明の
第5の実施の形態である磁気ディスク装置の構成を示す
構成図である。図12において、スピンドル17により
回転するディスク状の記録媒体の1つである磁気ディス
ク11(以下ディスクと呼ぶ)に情報の記録再生をおこ
なう磁気ヘッド12(以下ヘッドと呼ぶ)は、ヘッドス
ライダ13の先端に一体的に形成されている。ヘッドス
ライダ13は、微動アクチュエータ52の先端に搭載さ
れ、さらに微動アクチュエータ52はヘッド支持機構1
4の先端部に連結されている。ヘッド支持機構14は、
磁気ディスク装置本体の回転軸140を中心として粗動
アクチュエータ51により駆動され、微動アクチュエー
タ52と協働してヘッド12の位置決めをおこなう。粗
動アクチュエータ51、微動アクチュエータ52、およ
びヘッド支持機構14を併せて位置決め機構15を構成
する。このように、本実施の形態の位置決め機構15
は、粗動アクチュエータ51と微動アクチュエータ52
との二重アクチュエータの構成である。粗動アクチュエ
ータ51は、ボイスコイルモータなどによりヘッド支持
機構14を回転させることで、先端のヘッド12を動か
し、主としてシーク動作や複数のトラックジャンプなど
の大移動のために使用される。一方、微動アクチュエー
タ52は、ピエゾ素子の変位などにより可動範囲は狭い
が広帯域な位置制御をすることで、先端のヘッド12を
動かし、主としてトラック追従や1トラックのジャンプ
など高速で微小な位置決めに使用される。
【0105】位置決め機構15は、制御回路で構成され
た制御部6からの制御信号に応じて駆動され位置決めす
る。制御部6は、微動アクチュエータ52の変位量に対
応した相対変位信号y2、ヘッド12から読み出したサ
ーボ情報に含まれるヘッド位置信号yおよび所要の位置
決め動作をさせるため指示された目標位置情報などによ
り制御信号または制御データを生成する。制御信号また
は制御データは、駆動回路で駆動信号d1およびd2に
変換して、粗動アクチュエータおよび微動アクチュエー
タを駆動して、両アクチュエータのサーボ制御をおこな
う。
【0106】制御部6は、本発明の第1の実施の形態か
ら第4の実施の形態までで説明した、図1の制御部1
6、図5の制御部26、図6の制御部36、図8の制御
部46、または図9の制御部56を用いることができ
る。これにより、粗動アクチュエータの静止摩擦に基づ
く摩擦力の影響を受けても安定な動作でヘッド位置決め
制御が可能な磁気ディスク装置が実現できる。
【0107】なお、第1の実施の形態から第5の実施の
形態までにおいて、粗動制御部の入力信号または入力デ
ータとして、微動アクチュエータの変位量を検出した検
出信号に基づく信号またはデータとして説明したが、微
動アクチュエータをモデル化した推定器により生成され
た信号またはデータでもよく、同一の効果を得ることが
できる。
【0108】また、第1の実施の形態から第5の実施の
形態までにおいて、磁気ディスク装置を例にとって説明
したが、本発明はそれに限定されるものでなく、例えば
光ヘッドをヘッドスライダに搭載する形態の光ディスク
装置などにも適用することができる。
【0109】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、従来の
二重アクチュエータのサーボ制御系に上述した非線形変
換をおこなう非線形変換器、非線形変形テーブル、また
は非線変換手段としての機能を付加している。これによ
り、粗動アクチュエータに静止摩擦が生じるシーク動作
の開始時やフォロイング動作時、微動アクチュエータの
変位量に対応した相対変位信号、または相対変位データ
の相対変位値が微小であることを利用し、非線形変換を
おこなう非線形変換器、非線形変形テーブル、または非
線変換手段は、相対変位値の絶対値が小さいときには、
相対変位値の絶対値が大きいときに比べてゲインが大き
くなるよう設定しているので、相対変位値が微小である
ような、静止摩擦が生じる場合に、粗動アクチュエータ
をサーボ制御するゲインが大きくなる。よって、静止摩
擦が生じる場合に、従来に比べて、より大きな駆動力を
粗動アクチュエータに加えることが可能となる。その結
果、粗動アクチュエータの静止摩擦に基づく摩擦力の影
響を受けても安定な動作でヘッド位置決め制御が可能と
なる。したがって、本発明のヘッド位置決め装置を磁気
ディスク装置などの記憶装置に適用すれば、粗動アクチ
ュエータの静止摩擦に基づく摩擦力の影響を受けても安
定な動作でヘッド位置決め制御ができるというすぐれた
効果を有するヘッド位置決め装置を提供することができ
る。
【0110】また、本発明は、従来の二重アクチュエー
タのサーボ制御方法に、上述した非線形変換をおこなう
ステップを付加している。これにより、粗動アクチュエ
ータに静止摩擦が生じるシーク動作の開始時やフォロイ
ング動作時、微動アクチュエータからの相対変位データ
が微小であることを利用し、非線形変換をおこなうステ
ップは、相対変位データに対応した変換入力データの絶
対値が小さいときは、変換入力データの絶対値が大きい
ときに比べてゲインが大きくなるよう設定しているの
で、相対変位データが微小であるような、静止摩擦が生
じる場合に、粗動アクチュエータをサーボ制御するゲイ
ンが大きくなる。よって、静止摩擦が生じる場合に、従
来に比べて、より大きな駆動力を粗動アクチュエータに
加えることが可能となる。その結果、粗動アクチュエー
タの静止摩擦に基づく摩擦力の影響を受けても安定な動
作でヘッド位置決め制御が可能となる。したがって、本
発明のヘッド位置決め制御方法を磁気ディスク装置など
の記憶装置に適用すれば、粗動アクチュエータの静止摩
擦に基づく摩擦力の影響を受けても安定な動作でヘッド
位置決め制御ができるというすぐれた効果を有するヘッ
ド位置決め制御方法を提供することができる。
【0111】また、本発明は、従来の二重アクチュエー
タのサーボ制御プログラムに、上述した非線形変換をお
こなうステップを付加することや、非線形変換手段とし
て機能するプログラムを付加している。これにより、粗
動アクチュエータに静止摩擦が生じるシーク動作の開始
時やフォロイング動作時、微動アクチュエータの変位量
に対応した相対変位データが微小であることを利用し、
非線形変換をおこなうステップや、非線形変換手段とし
て機能するプログラムでの非線形特性は、相対変位デー
タに対応した変換入力データの絶対値が小さいときに
は、変換入力データの絶対値が大きいときに比べてゲイ
ンが大きくなるよう設定しているので、相対変位データ
が微小であるような、静止摩擦が生じる場合に、粗動ア
クチュエータをサーボ制御するゲインが大きくなる。よ
って、静止摩擦が生じる場合に、従来に比べて、より大
きな駆動力を粗動アクチュエータに加えることが可能と
なる。その結果、粗動アクチュエータの静止摩擦に基づ
く摩擦力の影響を受けても安定な動作でヘッド位置決め
制御が可能となる。したがって、本発明のヘッド位置決
め制御方法を磁気ディスク装置などの記憶装置に適用す
れば、粗動アクチュエータの静止摩擦に基づく摩擦力の
影響を受けても安定な動作でヘッド位置決め制御ができ
るというすぐれた効果を有するヘッド位置決め制御プロ
グラムを提供することができる。
【0112】また、本発明は、従来の二重アクチュエー
タのサーボ制御プログラムに、上述した非線形変換をお
こなうステップを付加することや、非線形変換手段とし
て機能するプログラムを付加したヘッド位置決め制御プ
ログラムを有する機械読み取り可能な記録媒体である。
本記録媒体より本ヘッド位置決め制御プログラムを読み
取り、本ヘッド位置決め制御プログラムを実行すること
により、粗動アクチュエータに静止摩擦が生じるシーク
動作の開始時やフォロイング動作時、微動アクチュエー
タの変位量に対応した相対変位データが微小であること
を利用し、非線形変換をおこなうステップや、非線形変
換手段として機能するプログラムでの非線形特性は、相
対変位データに対応した変換入力データの絶対値が小さ
いときには、変換入力データの絶対値が大きいときに比
べてゲインが大きくなるよう設定しているので、相対変
位データが微小であるような、静止摩擦が生じる場合
に、粗動アクチュエータをサーボ制御するゲインが大き
くなる。よって、静止摩擦が生じる場合に、従来に比べ
て、より大きな駆動力を粗動アクチュエータに加えるこ
とが可能となる。その結果、粗動アクチュエータの静止
摩擦に基づく摩擦力の影響を受けても安定な動作でヘッ
ド位置決め制御が可能となる。したがって、本発明のヘ
ッド位置決め制御プログラムを記録した記録媒体を、磁
気ディスク装置などの記憶装置に適用すれば、粗動アク
チュエータの静止摩擦に基づく摩擦力の影響を受けても
安定な動作でヘッド位置決め制御ができるというすぐれ
た効果を有するヘッド位置決め装置を提供することがで
きる。
【0113】また、本発明は、上述したヘッド位置決め
装置、ヘッド位置決め制御方法、ヘッド位置決め制御プ
ログラム、またはヘッド位置決め制御プログラムを記録
した記録媒体をヘッド位置決め制御に用いることによ
り、粗動アクチュエータの静止摩擦に基づく摩擦力の影
響を受けても安定な動作でヘッド位置決め制御ができる
というすぐれた効果を有するディスク装置を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のヘッド位置決め装
置の構成を示す構成図
【図2】本発明の第1の実施の形態のサーボ制御系の構
成を示すブロック図
【図3】(a)本発明の第1の実施の形態の非線形変換
器の一具体例の構成を示すブロック図 (b)同入出力特性図 (c)同他の入出力特性図
【図4】(a)本発明の第1の実施の形態の非線形変換
器の他の具体例の構成を示すブロック図 (b)同入出力特性図
【図5】本発明の第2の実施の形態のサーボ制御系の構
成を示すブロック図
【図6】本発明の第3の実施の形態のヘッド位置決め装
置の構成を示す構成図
【図7】(a)本発明の第3の実施の形態の非線形変換
テーブルの一具体例の構成を示すブロック図 (b)同入出力特性図
【図8】本発明の第3の実施の形態のヘッド位置決め装
置の他の構成を示す構成図
【図9】本発明の第4の実施の形態のヘッド位置決め装
置の構成を示す構成図
【図10】本発明の第4の実施の形態のヘッド位置決め
制御プログラムの手順を示すフローチャート
【図11】本発明の第4の実施の形態のヘッド位置決め
制御プログラムの他の手順を示すフローチャート
【図12】本発明の第5の実施の形態の磁気ディスク装
置の構成を示す構成図
【図13】従来のヘッド位置決め装置の構成を示す構成
【符号の説明】
6,16,26,36,46,56,96 制御部 11 磁気ディスク 12 磁気ヘッド 13 ヘッドスライダ 14 ヘッド支持機構 15 位置決め機構 17 スピンドル 18,28 非線形変換器 38,48,58 非線形変換テーブル 51 粗動アクチュエータ 52 微動アクチュエータ 63,64 駆動回路 65,66 DA変換器 67 AD変換器 91,161,261,361,461 粗動制御部 92,162,362 微動制御部 94 加算器 95,395 減算器 140 回転軸 381 メモリ 561 マイクロプロセッサ 562 メモリ 563 制御プログラム 564 共通バス 610,612,614,620,622,910,9
20 位相補償回路 613,621,822,911,921 増幅器 623 乗算器 810 可変増幅器 811 レベル判定回路 812 ゲイン設定部 820 可変減衰器 821 レベル変換回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 21/21 G11B 21/21 C Fターム(参考) 5D042 LA01 MA15 5D059 AA01 BA01 CA08 CA30 DA19 EA08 5D096 NN03 NN07 RR01 RR09 5H303 AA22 BB02 BB18 CC03 CC07 DD01 DD14 EE03 FF07 FF08 KK24 LL01 LL02

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスク状の記録媒体に情報の記録再生
    をおこなうヘッドを搭載し、前記ヘッドの微細な位置決
    めをおこなう微動アクチュエータと、 前記微動アクチュエータを搭載したヘッド支持機構を移
    動させ、前記ヘッドの粗い位置決めをおこなう粗動アク
    チュエータと、 前記微動アクチュエータの変位、および前記粗動アクチ
    ュエータによる前記ヘッドの移動を制御する制御部とを
    具備し、 前記制御部は、 前記ヘッドを目標位置に位置決めするための前記目標位
    置と前記ヘッドの現在位置間の距離である位置誤差に基
    づいて、前記微動アクチュエータの変位を制御し、 前記微動アクチュエータの変位量に対応した値を相対変
    位値として検出し、 前記相対変位値の絶対値が小さいときには、前記相対変
    位値の絶対値が大きいときに比べて大きなゲインで前記
    相対変位値を非線形変換し、 前記非線形変換した結果に基づいて、前記粗動アクチュ
    エータによる前記ヘッドの移動を制御するヘッド位置決
    め制御機能を有することを特徴とするヘッド位置決め装
    置。
  2. 【請求項2】 前記制御部は、前記ヘッドを前記目標位
    置に位置決めするための目標位置信号と前記ヘッドによ
    り再生された前記記録媒体上のサーボ情報からのヘッド
    位置信号との差分を位置誤差信号として入力し、前記位
    置誤差信号に基づいて、前記微動アクチュエータの変位
    を制御する微動制御部と、 前記微動アクチュエータの変位量に対応した相対変位信
    号を入力し、前記粗動アクチュエータによる前記ヘッド
    の移動を制御する粗動制御部とを備え、 前記粗動制御部は、 前記相対変位信号を変換入力信号とし、前記変換入力信
    号の振幅が小さいときには、前記変換入力信号の振幅が
    大きいときに比べて大きなゲインで前記変換入力信号が
    増幅された結果を変換出力信号とする非線形特性を持っ
    た非線形変換器を有し、 前記変換出力信号に基づいて、前記粗動アクチュエータ
    による前記ヘッドの移動を制御することを特徴とする請
    求項1記載のヘッド位置決め装置。
  3. 【請求項3】 前記制御部は、前記ヘッドを前記目標位
    置に位置決めするための目標位置データと前記ヘッドに
    より再生された前記記録媒体上のサーボ情報からのヘッ
    ド位置データとの差分を位置誤差データとして入力し、
    前記位置誤差データに基づいて、前記微動アクチュエー
    タの変位を制御する微動制御部と、 前記微動アクチュエータの変位量に対応した相対変位デ
    ータを入力し、前記粗動アクチュエータによる前記ヘッ
    ドの移動を制御する粗動制御部とを備え、 前記粗動制御部は、 前記相対変位データを変換入力データとし、前記変換入
    力データの絶対値が小さいときには、前記変換入力デー
    タの絶対値が大きいときに比べて大きな乗数で前記変換
    入力データが乗算された前記乗算の結果を変換出力デー
    タとする非線形特性を持った非線形変換器を有し、 前記変換出力データに基づいて、前記粗動アクチュエー
    タによる前記ヘッドの移動を制御することを特徴とする
    請求項1記載のヘッド位置決め装置。
  4. 【請求項4】 前記制御部は、前記微動アクチュエータ
    および前記粗動アクチュエータを制御可能なマイクロプ
    ロセッサと、 前記マイクロプロセッサを動作させるためのプログラム
    を格納するメモリと、 前記マイクロプロセッサを動作させるための前記プログ
    ラムとを備え、 前記プログラムは、前記マイクロプロセッサが前記プロ
    グラムを読み取って実行することにより、前記ヘッド位
    置決め制御機能を実現させるヘッド位置決め制御プログ
    ラムを有することを特徴とする請求項1記載のヘッド位
    置決め装置。
  5. 【請求項5】 前記ヘッド位置決め制御プログラムは、
    前記マイクロプロセッサを、 前記ヘッドを前記目標位置に位置決めするための目標位
    置データと前記ヘッドにより再生された前記記録媒体上
    のサーボ情報からのヘッド位置データとの差分を位置誤
    差データとし、前記位置誤差データに基づいて、前記微
    動アクチュエータの変位の制御をおこなう微動制御デー
    タを導出し、前記微動制御データに基づいて前記微動ア
    クチュエータを駆動する微動制御手段、 前記微動アクチュエータの変位量に対応したデータを相
    対変位データとし、前記相対変位データを変換入力デー
    タとし、前記変換入力データの絶対値が小さいときに
    は、前記変換入力データの絶対値が大きいときに比べて
    大きな乗数で前記変換入力データが乗算された前記乗算
    の結果を変換出力データとする非線形特性を持った非線
    形変換手段、 前記変換出力データに基づいて、前記粗動アクチュエー
    タによる前記ヘッドの移動を制御する粗動制御データを
    導出し、前記粗動制御データに基づいて前記粗動アクチ
    ュエータを駆動する粗動制御手段、として機能させるた
    めのヘッド位置決め制御プログラムであることを特徴と
    する請求項4記載のヘッド位置決め装置。
  6. 【請求項6】 前記ヘッド位置決め制御プログラムは、
    前記マイクロプロセッサに、 前記ヘッドを前記目標位置に位置決めするための目標位
    置データと前記ヘッドにより再生された前記記録媒体上
    のサーボ情報からのヘッド位置データとの差分を位置誤
    差データとするステップと、 前記位置誤差データに基づいて、前記微動アクチュエー
    タの変位を制御する微動制御データを導出するステップ
    と、 前記微動制御データに基づいて前記微動アクチュエータ
    を駆動するステップと、 前記微動アクチュエータの変位量に対応した相対変位デ
    ータを入力するステップと、 前記相対変位データを変換入力データとし、前記変換入
    力データの絶対値が小さいときには、前記変換入力デー
    タの絶対値が大きいときに比べて大きな乗数で前記変換
    入力データが乗算された前記乗算の結果を変換出力デー
    タとする非線形特性を持った非線形変換をおこなうステ
    ップと、 前記変換出力データに基づいて前記粗動アクチュエータ
    を駆動するステップとを実行させるためのヘッド位置決
    め制御プログラムであることを特徴とする請求項4記載
    のヘッド位置決め装置。
  7. 【請求項7】 ディスク状の記録媒体に情報の記録再生
    をおこなうヘッドを搭載し、前記ヘッドの微細な位置決
    めをおこなう微動アクチュエータと、 前記微動アクチュエータを搭載したヘッド支持機構を移
    動させ、前記ヘッドの粗い位置決めをおこなう粗動アク
    チュエータと、 前記微動アクチュエータの変位、および前記粗動アクチ
    ュエータによる前記ヘッドの移動を制御する制御部とを
    具備したヘッド位置決め装置を制御するプログラムであ
    って、 前記制御部を、 前記ヘッドを目標位置に位置決めするための目標位置デ
    ータと前記ヘッドにより再生された前記記録媒体上のサ
    ーボ情報からのヘッド位置データとの差分を位置誤差デ
    ータとし、前記位置誤差データに基づいて、前記微動ア
    クチュエータの変位の制御をおこなう微動制御データを
    導出し、前記微動制御データに基づいて前記微動アクチ
    ュエータを駆動する微動制御手段、 前記微動アクチュエータの変位量に対応したデータを相
    対変位データとし、前記相対変位データを変換入力デー
    タとし、前記変換入力データの絶対値が小さいときに
    は、前記変換入力データの絶対値が大きいときに比べて
    大きな乗数で前記変換入力データが乗算された前記乗算
    の結果を変換出力データとする非線形特性を持った非線
    形変換手段、 前記変換出力データに基づいて、前記粗動アクチュエー
    タによる前記ヘッドの移動を制御する粗動制御データを
    導出し、前記粗動制御データに基づいて前記粗動アクチ
    ュエータを駆動する粗動制御手段、として機能させるた
    めのヘッド位置決め制御プログラム。
  8. 【請求項8】 ディスク状の記録媒体に情報の記録再生
    をおこなうヘッドを搭載し、前記ヘッドの微細な位置決
    めをおこなう微動アクチュエータと、 前記微動アクチュエータを搭載したヘッド支持機構を移
    動させ、前記ヘッドの粗い位置決めをおこなう粗動アク
    チュエータと、 前記微動アクチュエータの変位、および前記粗動アクチ
    ュエータによる前記ヘッドの移動を制御する制御部とを
    具備したヘッド位置決め装置を制御する方法であって、 前記制御部が、 前記ヘッドを目標位置に位置決めするための目標位置デ
    ータと前記ヘッドにより再生された前記記録媒体上のサ
    ーボ情報からのヘッド位置データとの差分を位置誤差デ
    ータとするステップと、 前記位置誤差データに基づいて前記微動アクチュエータ
    の変位を制御する微動制御データを導出するステップ
    と、 前記微動制御データに基づいて前記微動アクチュエータ
    を駆動するステップと、 前記微動アクチュエータの変位量に対応した相対変位デ
    ータを入力するステップと、 前記相対変位データを変換入力データとし、前記変換入
    力データの絶対値が小さいときには、前記変換入力デー
    タの絶対値が大きいときに比べて大きな乗数で前記変換
    入力データが乗算された前記乗算の結果を変換出力デー
    タとする非線形特性を持った非線形変換をおこなうステ
    ップと、 前記変換出力データに基づいて前記粗動アクチュエータ
    を駆動するステップとを実行することを特徴とするヘッ
    ド位置決め制御方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のヘッド位置決め制御方
    法を実行させるためのヘッド位置決め制御プログラム。
  10. 【請求項10】 請求項7または請求項9に記載のヘッ
    ド位置決め制御プログラムを記録した領域を有する機械
    読み取り可能な記録媒体。
  11. 【請求項11】 ディスク状の記録媒体に情報の記録再
    生をおこなうヘッドを搭載し、前記ヘッドの微細な位置
    決めをおこなう微動アクチュエータと、 前記微動アクチュエータを搭載したヘッド支持機構を移
    動させ、前記ヘッドの粗い位置決めをおこなう粗動アク
    チュエータと、 前記微動アクチュエータの変位、および前記粗動アクチ
    ュエータによる前記ヘッドの移動を制御する制御部とを
    備え、 前記制御部は、 前記微動アクチュエータおよび前記粗動アクチュエータ
    を制御可能なマイクロプロセッサと、 入力データを変換入力データとして入力し、前記変換入
    力データの絶対値が小さいときには、前記変換入力デー
    タの絶対値が大きいときに比べて大きな乗数で前記変換
    入力データが乗算された前記乗算の結果を変換出力デー
    タとする非線形特性を持った非線形変換テーブルと、 前記マイクロプロセッサを動作させるためのプログラム
    を格納するメモリと、 前記マイクロプロセッサを動作させるための前記プログ
    ラムとを備え、 前記プログラムは、 前記マイクロプロセッサが前記プログラムを読み取って
    実行することにより、 前記制御部を、 前記ヘッドを目標位置に位置決めするための目標位置デ
    ータと前記ヘッドにより再生された前記記録媒体上のサ
    ーボ情報からのヘッド位置データとの差分を位置誤差デ
    ータとし、前記位置誤差データに基づいて、前記微動ア
    クチュエータの変位の制御をおこなう微動制御データを
    導出し、前記微動制御データに基づいて前記微動アクチ
    ュエータを駆動する微動制御手段、 前記微動アクチュエータの変位量に対応したデータを相
    対変位データとし、前記相対変位データを前記変換入力
    データとし、前記非線形変換テーブルで変換した結果を
    変換出力データとする非線形変換手段、 前記変換出力データに基づいて、前記粗動アクチュエー
    タによる前記ヘッドの移動を制御する粗動制御データを
    導出し、前記粗動制御データに基づいて前記粗動アクチ
    ュエータを駆動する粗動制御手段、として機能させるヘ
    ッド位置決め制御プログラムを有することを特徴とする
    ヘッド位置決め装置。
  12. 【請求項12】 請求項1、2、3、4、5、6、およ
    び11のいずれか一項に記載のヘッド位置決め装置を具
    備したディスク装置。
  13. 【請求項13】 請求項8に記載のヘッド位置決め制御
    方法を用いたディスク装置。
  14. 【請求項14】 請求項7または請求項9に記載のヘッ
    ド位置決め制御プログラムを具備したディスク装置。
  15. 【請求項15】 請求項10記載の記録媒体を具備した
    ディスク装置。
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JP2004201485A (ja) * 2002-11-29 2004-07-15 Sony Corp モータ、並びにアクチュエータの制御器
JP2020202004A (ja) * 2019-06-13 2020-12-17 株式会社東芝 磁気ディスク装置

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