JP2002283364A - シームレスベルトの製造方法およびシームレスベルト用金型 - Google Patents

シームレスベルトの製造方法およびシームレスベルト用金型

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JP2002283364A
JP2002283364A JP2001087585A JP2001087585A JP2002283364A JP 2002283364 A JP2002283364 A JP 2002283364A JP 2001087585 A JP2001087585 A JP 2001087585A JP 2001087585 A JP2001087585 A JP 2001087585A JP 2002283364 A JP2002283364 A JP 2002283364A
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mold
heat
solidified
resin material
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JP2001087585A
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Yoshinari Takayama
嘉也 高山
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱、乾燥による耐熱性樹脂材料の固化工程
における金型面に対する固化ベルトの保持を維持し、か
つ得られた固化ベルトの金型からの剥離性に優れたシー
ムレスベルトの製造方法を提供すること。 【解決手段】 耐熱性樹脂材料溶液を金型面に塗布し、
加熱乾燥により自己支持できるまで固化させた後、前記
金型面から剥離させて耐熱性樹脂材料の固化ベルトを得
る工程を含むシームレスベルトの製造方法において、耐
熱性樹脂材料溶液が塗布される前記金型面が、SiOX
(但し、Xは1.5〜2.5の範囲である)を含む成分
で被覆されていることを特徴とするシームレスベルトの
製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術】本発明は、シームレスベルトの製
造方法に関する。さらには、当該製造方法に用いるシー
ムレスベルト用金型に関する。シームレスベルトは、た
とえば、電子写真方式の複写機、プリンター、ファクシ
ミリ等の画像形成装置に使われる定着搬送ベルト、転写
定着用ベルト等に用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真方式の画像形成装置
用の回転部材としてロールやドラムが用いられてきた。
近年、装置の小型化等を解決するために、これらの部材
に代わってプラスチック製のベルトが実用に供されてい
る。このような用途に用いられるプラスチック製ベルト
としては、耐熱性樹脂が用いられる。たとえば、耐熱性
樹脂として、ポリカーボネートやエチレンテトラフルオ
ロエチレン共重合体等の熱可塑性樹脂を用いたもの(特
開平10−10880号公報、特開2000−2509
7号公報等)や、熱硬化性樹脂であるポリイミド樹脂を
用いたものが提案されている。これら耐熱性樹脂のなか
でもポリイミド樹脂を用いたシームレスベルトが耐熱
性、耐久性の点で優れている。
【0003】これらシームレスベルトの製造方法では、
円筒型の金型の外面に耐熱性樹脂材料溶液を塗布し、さ
らに中空リングを通過させることにより所定の厚さに仕
上げた後に、加熱、乾燥により焼き付けを行いフィルム
化する方法、または中空金型の内面に耐熱性樹脂材料溶
液を所定の厚さになるように塗布した後、加熱、乾燥に
より焼き付けを行いフィルム化する方法等により耐熱性
樹脂材料を固化した固化ベルトを得る工程を有する。な
お、熱可塑性樹脂からからなるシームレスベルトの製造
方法では、耐熱性樹脂材料溶液として当該熱可塑性樹脂
の溶液が用いられるが、ポリイミド樹脂からなるシーム
レスベルトの製造方法では、耐熱性樹脂材料としてポリ
イミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸が用いられる。
得られたポリアミド酸の固化ベルトには、さらにイミド
転化反応等による硬化が施される。
【0004】前記シームレスベルトの製造方法におい
て、得られた固化ベルトは金型から剥離される。固化ベ
ルトの金型面からの剥離を容易に行うために、前記金型
面にはアモルファスSiO2 の被覆層(特開2000−
176951号公報)を施したり、CVD法により無機
シリコンを皮膜(特開2000−25056号公報)を
施したりする方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金型面
に単にアモルファスSiO2 や無機シリコンを被覆した
だけでは、線膨張率が高い耐熱性樹脂材料を用いてシー
ムレスベルトを製造する場合や、耐熱性樹脂材料をフィ
ルム化(固化)する工程の焼き付け温度が高くフィルム
の収縮が大きくなるような場合などに、金属面から固化
ベルトが浮いてしまい、シームレスべルトの周長精度を
制御できないという問題がある。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みて、加熱、
乾燥による耐熱性樹脂材料の固化工程における金型面に
対する固化ベルトの保持を維持し、かつ得られた固化ベ
ルトの金型からの剥離性に優れたシームレスベルトの製
造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す方法により
前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0008】すなわち、本発明は、耐熱性樹脂材料溶液
を金型面に塗布し、加熱乾燥により自己支持できるまで
固化させた後、前記金型面から剥離させて耐熱性樹脂材
料の固化ベルトを得る工程を含むシームレスベルトの製
造方法において、耐熱性樹脂材料溶液が塗布される前記
金型面が、SiOX (但し、Xは1.5〜2.5の範囲
である)を含む成分で被覆されていることを特徴とする
シームレスベルトの製造方法、に関する。
【0009】本発明のシームレスベルトの製造方法は、
金型面と得られた固化ベルトの接着強度を、金型面にS
iOX (但し、Xは1.5〜2.5の範囲である)を含
む成分で被覆した層を設けることによりピール強度をコ
ントロールしたものであり、これにより固化工程におけ
る金型面に対する固化ベルトの保持性と、得られた固化
ベルトの金型から優れた剥離性を満足できる。SiOX
層のXが1.5より小さいと、SiOX 層と固化ベルト
とのピール強度が小さくなる傾向があり、フィルム化し
た固化ベルトの持つ収縮を保持することができず、ベル
トの浮きが発生し易くなる。一方、SiOX 層のXが
2.5より大きいと、SiOX 層と固化ベルトとのピー
ル強度が大きくなる傾向があり、離型が重くなり、固化
ベルトに折れや破れが生じ好ましくない。なお、SiO
X 層のXは、SiOX 層の組成分析を行い、その原子割
合から求められる。SiOX 層のXは、1.6〜2.4
であるのがより好ましい。
【0010】前記シームレスベルトの製造方法におい
て、前記金型面と固化ベルトのピール強度が、0.00
5N/10mm〜0.02N/10mmであることが好
ましい。
【0011】金型面と固化ベルトのピール強度を、0.
005N/10mm以上とすることにより、フィルム化
した固化ベルトの持つ収縮を保持して、固化ベルトの浮
きの発生が抑えられる。かかる観点より前記ピール強度
は、0.01N/10mm以上とするのが好ましい。一
方、金型面と固化ベルトのピール強度を、0.02N/
10mm以下とすることにより、剥離性を満足させるこ
とができる。剥離性の点から前記ピール強度は、0.0
18N/10mm以下とするのが好ましい。なお、ピー
ル強度は、テンシロン(UTM1000,オリエンテッ
ク社製)を用いて、25℃、剥離速度50mm/分、剥
離角180°の条件で測定した値である。
【0012】また、本発明は、前記シームレスベルトの
製造方法に用いられる、耐熱性樹脂材料溶液を塗布する
面が、SiOX (但し、Xは1.5〜2.5の範囲であ
る)を含む成分で被覆されていることを特徴とするシー
ムレスベルト用金型、に関する。かかるシームレスベル
ト用金型をシームレスベルトの製造方法に適用すること
により上記本発明の目的を達成できる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のシームレスベルトの製造
方法で用いられる、耐熱性樹脂材料溶液は、各種のもの
を使用できる。たとえば、ポリカーボネート、ポリアミ
ド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン等の
熱可塑性樹脂からなるシームレスベルトの場合には、耐
熱性樹脂材料溶液として当該熱可塑性樹脂の有機溶剤溶
液が用いられ、エチレンテトラフルオロエチレン共重合
体からなるシームレスベルトの場合には、耐熱性樹脂材
料溶液としてそのディスパージョンが用いられる。一
方、ポリイミド樹脂からなるシームレスベルトの場合に
は、耐熱性樹脂材料溶液として、ポリイミド前駆体溶液
であるポリアミド酸溶液が用いられる。ポリイミド樹脂
は、シームレスベルトを形成する耐熱性樹脂のなかで
も、耐熱性、耐久性の点が優れている。以下に、主にポ
リイミド樹脂の前駆体溶液であるポリアミド酸溶液につ
いて説明する。
【0014】ポリアミド酸溶液は、溶媒中で酸二無水物
成分とジアミン成分を反応させることにより得られる。
酸二無水物成分としてはピロメリット酸二無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、3 ,3 ’,4 ,4 ’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラ
カルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテト
ラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
【0015】一方、ジアミン成分としては4,4’−ジ
アミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、
3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’−ジアミノジ
フェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルス
ルフォン、1,5−ジアミノナフタレン、m−フェニレ
ンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジメ
チル−4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、
3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシ
ベンジジン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン
等が挙げられる。
【0016】これらの酸二無水物成分とジアミン成分を
重合反応させる際の溶媒としては適宜なものを用いうる
が、溶解性等の点から有機極性溶媒が好ましく用いら
れ、N,N−ジアルキルアミド類が好ましい。具体的に
はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルア
セトアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−
ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルメトキシアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホ
ルトリアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ピリジ
ン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、
ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これ
らは単独で使用することもでき、複数併用することもで
きる。
【0017】前記酸二無水物成分とジアミン成分を有機
極性溶媒中で重合反応させることによりポリアミド酸溶
液が得られる。その際のモノマー濃度(溶媒中における
酸二無水物成分とジアミン成分)は、種々の条件に応じ
て設定されるが、5〜30重量%が好ましい。また、反
応温度は80℃以下に設定することが好ましく、反応時
間は0.5〜10時間が好ましい。重合反応の進行に従
い溶液粘度が増大するため、粘度を調整することができ
る。また、モノマー濃度による粘度の調整も可能であ
る。具体的には、粘度としては10〜10000ポイズ
が好ましく、50〜8000ポイズであるとより好まし
い。
【0018】本発明の耐熱性樹脂材料溶液(特にポリア
ミド酸溶液)には、熱伝導性、導電性、帯電防止性、半
導電性、高摺動性、高強度、高弾性等の種々の目的やそ
の用途により適宜充填剤を添加してもよい。例えば、窒
化アルミニウム、窒化ホウ素、アルミナ、炭化珪素、室
化珪素、シリカ等の熱伝導性無機粉末や、カーボンブラ
ック、アルミニウム、ニッケル、酸化錫、チタン酸カリ
ウム等の導電性乃至半導電性粉末、ポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−へキ
サフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフル
オロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合体(PFA)のフッ素樹脂等が挙げられる。充填剤
の充填量は、本発明の範囲内でその目的に応じ決定する
ことができる。
【0019】前記耐熱性樹脂材料溶液を塗布して、固化
ベルトを形成するための金型は、従来からシームレスベ
ルトの製造に用いられているものであればどのようなも
のでも差し支えなく、外面に固化ベルトの形成面がある
円筒型の金型、内面に固化ベルトの形成面がある中空構
造円筒状の金型のいずれも使用できる。通常、耐熱性樹
脂材料溶液は、シームレスベルトの形状に応じた円筒状
金型を用い、その内面に塗布する。
【0020】金型の材質としては、金属、ガラス、セラ
ミック等の強度、耐熱性に優れたものを用いることが好
ましい。金型の円筒外径または中空内径は、成形される
固化ベルトの内径または外径に合わせて任意に選ぶこと
ができる。ただし、たとえば、中空構造の金型では、円
筒度(周方向、長手方向の内径バラツキ)は、シームレ
スベルトの外径精度だけでなく、塗布した耐熱性樹脂材
料溶液を回転成形などでレべリングする場合には、厚み
精度にも影響するので、金型内径に対する公差は100
〜1000ppmの範囲内のものが好ましい。
【0021】前記金型面は特に制限されないが、前記耐
熱性樹脂材料溶液が塗布される側のSiOX 層が形成さ
れる面は、硬度の高い層であるのが耐久性の点で好まし
い。SiOX 層の下地層の硬度は、ビッカース硬度で7
00〜1500Hvが好ましい。これらの下地を実現す
るには、クロムめっき、ニッケルとホウ素の合金鍍金、
更には、これらの後処理に高周波を使った焼入れをする
方法が挙げられる。
【0022】SiOX 層を形成する方法としては、有機
系シリコンもしくは無機系シリコンもしくはこれら混合
物の溶液またはガスを浸漬、スプレー等で金型表面に塗
布した後、230〜600℃程度、さらには250〜5
00℃で焼成することが好ましい。焼成温度が230℃
未満では、耐久性のあるSiOX 層を得難く、600℃
を超えると、金型母体を構成している金属やセラミック
スとその上に施されているクロム等の硬質層との線膨張
の差により、クラックが生じ好ましくない。なお、前述
の通り、SiOX 層は、Xが1.5〜2.5の範囲にあ
るものが好ましい。
【0023】前記SiOX 層の耐久性は、塗布する耐熱
性樹脂材料に、カーボン等の有機フィラーや窒化ホウ素
のような無機フィラーが含まれている場合には十分でな
い場合がある。このような場合には、SiOX 層の耐久
性を向上させるために、前記シリコン溶液やガスに、微
量のフッ素、ホウ素、リン等を含む成分を添加すること
もできる。
【0024】本発明のシームレスベルトの製造方法は、
前記耐熱性樹脂材料溶液を、前記SiOX 層の設けられ
た金型の内面または外面に塗布し、加熱乾燥により自己
支持できるまで固化させた後、前記金型面から剥離させ
て耐熱性樹脂材料の固化ベルトを得る工程を含む。
【0025】耐熱性樹脂材料溶液を円筒状金型に均一に
塗布する方法は、公知の方法を適用することが可能で、
例えば遠心成形する方法、ディスペンサーにより塗布す
る方法、スクレーパを用いる方法、弾丸状走行体(ピ
グ)を用いる方法等が挙げられる。
【0026】前記加熱温度は、耐熱性樹脂材料溶液に用
いた溶媒を蒸発させることができ、得られる固化ベルト
を自己支持できる温度であれば特に制限はなく、耐熱性
樹脂材料溶液に応じて適宜に設定できる。耐熱性樹脂材
料溶液としてポリアミド酸溶液を用いる場合には、その
溶媒が急激に蒸発するための微小ボイドの発生を防止す
るためには230℃以下が好ましく、加熱時間の短縮と
いう観点から80℃以上が好ましい。加熱時間は加熱温
度に応じて適宜設定され、通常、10〜60分程度であ
る。
【0027】前記円筒状金型から固化ベルトを剥離する
方法としては、例えば金型端部の周壁に予め設けられた
微小貫通孔に空気を圧送する方法等が挙げられる。
【0028】こうして得られる固化ベルトは、耐熱性樹
脂材料溶液として熱可塑性樹脂を用いた場合には、それ
をシームレスベルトとして用いることができる。一方、
耐熱性樹脂材料溶液としてポリアミド酸溶液を用いた場
合には、イミド転化反応等を施す。
【0029】円筒状金型内面に形成されたポリアミド酸
の固化ベルトは、剥離後にその内部に、その内径よりも
小さい外径を有する支持体を挿入し、次いで固化ベルト
を支持体ごと加熱して残存溶媒の除去、閉環水の除去、
及びイミド転化反応の完結を行う。この時の加熱温度
は、残存溶媒や閉環水の除去という観点から、前記円筒
状金型上での加熱温度以上が好ましく、固化ベルトや支
持体の耐熱性及び熱線膨張率という観点から430℃以
下が好ましい。通常、この時の加熱時間は10〜60分
である。また、当然のことながらこの時目的に応じシー
ムレスベルトとして好ましい内径及び外径差となるよう
な支持体となるように、適宜支持体の寸法を設定する必
要がある。以上のようにして得られたベルトを、支持体
より取り出す。通常、室温で放冷して支持体が熱収縮し
た後に取り出せばよい。
【0030】なお、前記支持体上にポリアミド酸の固化
ベルトを支持しているとき、或いは加熱により得られた
シームレスベルトを支持体上に支持しているときに、離
型性、弾性、光導電性等のさらなる機能を付与するため
に、PTFE、FEP、PFA等のフッ素樹脂、シリコ
ーンゴム又はフッ素ゴム等をスプレーコート、ディッピ
ング等の方法を用いてベルトの外周面に更に積層しても
構わない。また、電磁誘導発熱方式の発熱ベルトとして
用いる場合は、ニッケル、鉄、コバルト、銅、アルミ又
はこれらの合金等からなる電磁誘導発熱層を、メッキ、
イオンプレーティング等の方法を用いて設けてもよい。
【0031】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。
【0032】実施例1 (ポリアミド酸溶液の調製)酸成分として3 ,3 ’,4
,4 ’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を、ジ
アミン成分としてp−フェニレンジアミンの略等モルを
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解(モノマ
ー濃度20重量%)し、20℃で6時間反応させた後、
70℃で加温し、粘度を1500ポイズに調整したポリ
アミド酸溶液を得た。
【0033】(金型の調製)肉厚4mmの鉄で成形され
た円筒型中空構造の金型であって、その内面に30μm
のクロムめっきが施されているもののそのクロムめっき
面に、シリコーンレジン(SR2462,東レダウコー
ニング社製)をリグロインに希釈し、レジン成分が1重
量%となるように調整した液を、浸積により塗布した
後、金型を450℃に加熱して、SiOX 層を形成し、
内面を離型処理した円筒型金型(内径30.61mm)
を得た。得られた金型内面のSiOX 層をESCA(m
odel5400,アルバック・ファイ社製)を用いて
組成分析をしたところ、O=57.7Atomic%、Si=
24.8Atomic%となり、SiOX 層のXは2.3であ
った。
【0034】(固化ベルトの製造)前記ポリアミド酸溶
液を前記金型内面に塗布した後、外径29mmのピグを
通過させ、さらに220℃で焼成して、厚さ90μmの
固化ベルトを形成した。焼成中ベルトは金型に保持され
ており、離型も軽く、この金型に保持されている固化ベ
ルトは、金型と固化ベルトの間に3×105 Paの圧力
のエアーを吹き込むことで容易に剥離し、離型すること
ができた。離型後のベルトは、折れ、破れも無く、表面
は平滑であった。
【0035】(ピール強度の測定)前記中空構造の金型
と同様の構成の平板に、前記同様のシリコーンレジンを
塗布した後、焼成を行ってSiOX 層を形成した。この
平板上のSiOX 層に前記同様のポリアミド酸溶液をガ
ラス棒を用いて塗布した後、固化ベルトの製造と同様の
条件で焼成して前記固化ベルトと同様の厚さのポリアミ
ド酸フィルムを得た。ここで、前記固化ベルトの金型か
らの剥離性を確認するために、前記平板上のSiOX
に形成されたポリアミド酸フィルムのピール強度を、テ
ンシロン(UTM1000,オリエンテック社製)を用
いて、25℃、剥離速度50mm/分、剥離角180°
の条件で測定したところ、0.015N/10mmであ
った。
【0036】実施例2 (ポリアミド酸溶液の調製)実施例1において、ジアミ
ン成分をp−フェニレンアミンと4 ,4 ’−ジアミノジ
フェニルエーテルの混合物(前者:後者=8:2(モル
比))に変え、さらに固化ベルト成形後の樹脂成分に対
する重量比率が30重量%となるように窒化ホウ素を添
加し、分散させたこと以外は実施例1と同様にしてポリ
アミド酸溶液を得た。
【0037】(金型の調製)実施例1において、離型処
理にノルマルヘキサン、プロピレンジクロライドを主成
分とするフッ素を含んだシラン系ガス(フッ素セパレー
ト、東洋化学商会製)を用い、これをスプレーで吹き付
けた後、250℃で加熱したこと以外は実施例1と同様
にして内面を離型処理した円筒型金型を得た。得られた
金型の内面のSiOX 層を実施例1と同様の方法で成分
析をしたところ、O=34.6Atomic%、Si=21.
3Atomic%となり、SiOX 層のXは1.6であった。
なお、F=0.5Atomic%が検出された。
【0038】(固化ベルトの製造)実施例1において、
ポリアミド酸溶液と金型を前記のものに変えた以外は実
施例1と同様にして固化ベルトを形成した。焼成中ベル
トは金型に保持されており、離型も軽く、この金型に保
持されている固化ベルトは、金型と固化ベルトの間に2
×105 Paの圧力のエアーを吹き込むことで容易に剥
離し、離型することができた。離型後のベルトは、折
れ、破れも無く、表面は平滑であった。
【0039】(ピール強度の測定)実施例1と同様にし
てピール強度を測定したところ、0.011N/10m
mであった。
【0040】比較例1 (金型の調製)実施例1において、離型処理にブタノー
ルで2重量%に希釈した無機のシリカゾル(コルコート
P,コルコート社製)を用いたこと以外は実施例1と同
様にして内面を離型処理した円筒型金型を得た。得られ
た金型の内面のSiOX 層を実施例1と同様の方法で成
分析をしたところ、O=58.8Atomic%、Si=2
1.7Atomic%となり、SiOX 層のXは2.7であっ
た。
【0041】(固化ベルトの製造)実施例1において、
金型を前記のものに変えた以外は実施例1と同様にして
固化ベルトを形成した。焼成中ベルトは金型に保持され
ていたが、離型は重く、金型とベルトの間をへらで突っ
つくことでようやく剥がすことができた。離型後のベル
トは、部分的に折れが発生した。
【0042】(ピール強度の測定)実施例1と同様にし
てピール強度を測定したところ、0.023N/10m
mであった。
【0043】比較例2 (金型の調製)実施例1において、焼成温度を200℃
に変えたこと以外は実施例1と同様にして内面を離型処
理した円筒型金型を得た。得られた金型の内面のSiO
X 層を実施例1と同様の方法で成分析をしたところ、O
=27.2Atomic%、Si=26.0Atomic%となり、
SiOX 層のXは1.1であった。
【0044】(固化ベルトの製造)実施例1において、
金型を前記のものに変えた以外は実施例1と同様にして
固化ベルトを形成した。焼成中ベルトは金型から浮いて
しまい、金型ベルトの外径が28mmとなり、狙いの3
0mmから9割程度、収縮してしまった。
【0045】(ピール強度の測定)実施例1と同様にし
てピール強度を測定したところ、0.004N/10m
mであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29L 29:00 B29L 29:00 Fターム(参考) 2H033 AA31 BA07 BA11 BA12 BE06 BE09 2H200 FA13 GB40 HB13 HB45 JB07 JB45 JC04 JC15 LC03 LC04 LC09 MA02 4F202 AA40 AC05 AG16 AJ02 AJ06 AJ09 AJ11 CA03 CB01 CD22 CK11 4F205 AA40 AC05 AG16 AJ02 AJ06 AJ09 AJ11 GA05 GA07 GB01 GC04 GN28 GN29

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性樹脂材料溶液を金型面に塗布し、
    加熱乾燥により自己支持できるまで固化させた後、前記
    金型面から剥離させて耐熱性樹脂材料の固化ベルトを得
    る工程を含むシームレスベルトの製造方法において、耐
    熱性樹脂材料溶液が塗布される前記金型面が、SiOX
    (但し、Xは1.5〜2.5の範囲である)を含む成分
    で被覆されていることを特徴とするシームレスベルトの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金型面と固化ベルトのピール強度
    が、0.005N/10mm〜0.02N/10mmで
    あることを特徴とする請求項1記載シームレスベルトの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のシームレスベル
    トの製造方法に用いられる、耐熱性樹脂材料溶液を塗布
    する面が、SiOX (但し、Xは1.5〜2.5の範囲
    である)を含む成分で被覆されていることを特徴とする
    シームレスベルト用金型。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006259405A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Ricoh Co Ltd シームレスベルトの形成方法、シームレスベルトおよび電子写真装置
JP2006315294A (ja) * 2005-05-12 2006-11-24 Yamaguchi Seiki Kogyo Kk 金型、金型に対する高周波焼入方法及び金型用高周波焼入機

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