JP2002282987A - 鍛造用金型 - Google Patents

鍛造用金型

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JP2002282987A
JP2002282987A JP2001085659A JP2001085659A JP2002282987A JP 2002282987 A JP2002282987 A JP 2002282987A JP 2001085659 A JP2001085659 A JP 2001085659A JP 2001085659 A JP2001085659 A JP 2001085659A JP 2002282987 A JP2002282987 A JP 2002282987A
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Hisao Yamaguchi
久雄 山口
Akihiro Nemoto
章宏 根本
Keiichi Matsunaga
啓一 松永
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M II G KK
Toyota Motor Corp
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M II G KK
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】中空円筒のワークから断面略四辺形リング状の
鍛造品を成形する際に一方の対向する2つの側壁部を増
肉することができる鍛造用金型を提供することにある。 【解決手段】少なくとも上端部には鍛造品の断面略四辺
形リング状の筒状部の外周面と型対象の上部内周面10
a、10bを持つダイス10と、相対向する2つの断面
略円弧状面21aと他の相対向する2つの断面略線状面
21bとからなる断面略四辺形状の上部軸部21とした
パンチ20とを有し、パンチ20の断面略円弧状面21
aとダイスの上部内周面10aとのクリアランスが中空
円筒ワークWの肉厚よりも小さく、パンチ20の断面略
線状面21bとダイス10の該上部内周面10bとのク
リアランスが中空円筒ワークWの肉厚と同一又は以上で
ある鍛造用金型30である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鍛造用金型に関す
る。更に詳しくは、中空円筒ワークを塑性変形させて、
断面略四辺形リング状で一方の相対向する2つの側壁部
の肉厚が当初の中空円筒ワークの肉厚と同一または以上
である筒状部を有する鍛造品を作るための鍛造用金型に
関する。
【0002】
【従来の技術】中空円筒のワークを単に同心円状に拡管
する場合には、拡管後のワークの外周面に対応する内周
面を有するダイスの内部に中空円筒のワークを配置して
おいてテーパ部を有する断面円形のパンチをダイスの内
部に配置された中空円筒のワークの中空の軸心に挿入し
て拡管することができる。この場合にはパンチの外周面
が同心円状に拡大するに従って、中空円筒のワークの肉
が全体的に半径方向に拡がってワークの内周面及び外周
面が同心円状に拡大する。従って内周面の径及び外周面
の径は拡大するが、それだけ拡管後のワークの肉厚は半
径方向に全体的に薄くなる。この場合には拡管されたワ
ークの一つの軸直角断面においては内周面と外周面との
間の肉厚は均等に薄くなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】中空円筒のワークを異
形に拡管する場合には、例えば図6(イ)(ロ)に示す
ように、内周面が断面四角形の角パンチを用いて拡管す
る場合には、拡管後の肉厚が単に薄くなるだけではな
く、余肉となる部分が多く出来てしまう。即ちワークW
の肉厚が均一に薄くなるのではなく、肉厚の薄くなる程
度に差が生ずる。ここで(イ)は拡管前の中空円筒のワ
ークWを軸方向から見た端面の形状であり、(ロ)は拡
管後のワークWを軸方向から見た端面の形状である。こ
の(イ)に示された拡管前の中空円筒のワークWを内周
面が円筒形状のダイス(図示しない)に配置して、テー
パ面を有し軸直角断面形状が長方形のパンチPをワーク
Wの中空の軸心部分Hに押し込んで拡管すると、拡管後
のワークWの端面は図6(ロ)に示すような形状とな
る。即ち内周面が断面略四辺形で、外周面が断面円形の
ワークWが成形される。この場合(ロ)における拡管後
のワークWのBにおける肉厚は、(イ)における拡管前
のワークWのAにおける肉厚よりも薄くなっている。即
ち拡管後のワークWの肉厚は拡管前もワークWの肉厚と
比較すると全体的に薄くなっている。
【0004】しかし例えば(ロ)におけるVで示される
部分が余肉の部分として後の工程で取り除かれる場合に
はVが有する程の肉厚は必要がない。即ちこの部分の肉
厚は薄くても良い。むしろVで示される部分の肉厚を薄
くして、Uで示される部分の肉厚を厚くする方が好まし
い。Vで示される部分が取り除かれて、Uで示される部
分が必要とされるのであれば、このUで示される部分の
肉は肉厚である方が好ましい。従ってこのような場合に
は、Vで示される一方の対向する2つの側壁部を薄肉化
し、Uで示される他方の対向する2つの側壁部を増肉化
する必要がある。
【0005】そこで本発明の目的とするところは、中空
円筒のワークから断面略四辺形リング状の鍛造品を成形
する際に一方の対向する2つの側壁部を増肉することが
できる鍛造用金型を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、中空円筒ワークを塑性変形させて、断面略四辺
形リング状で一方の相対向する2つの側壁部の肉厚が該
中空円筒ワークの肉厚と同一又は以上である筒状部を有
する鍛造品を作るための鍛造用金型であって、少なくと
も上端部に該鍛造品の該筒状部の外周面と型対象の上部
内周面を有するダイスと、下端部には該中空円筒ワーク
の軸孔と型対象の下部軸部と上端部には相対向する断2
つの断面略円弧状面と他の相対向する2つの断面略直線
状面とからなる断面略四辺形状の上部軸部と中間部には
該下部軸部と該上部軸部を結ぶテーパ面とを持つパンチ
とを有し、該パンチの該断面略円弧状面と該ダイスの該
上部内周面とのクリアランスが中空円筒ワークの肉厚よ
りも小さく、該パンチの該断面略直線状面と該ダイスの
該上部内周面とのクリアランスが該中空円筒ワークの肉
厚と同一又は以上であることを特徴とする鍛造用金型を
発明した。
【0007】即ち本発明の鍛造用金型において中空円筒
ワークを塑性変形させて製造される鍛造品は断面略四辺
形リング状で一方の相対向する2つの側壁部の肉厚が該
中空円筒ワークの肉厚と同一又は以上である筒状部を有
する。
【0008】この筒状部を本発明の鍛造用金型は以下の
ように成形することができる。まずパンチの上部軸部の
断面略円弧状面とダイスの上部内周面とのクリアランス
を中空円筒ワークの肉厚よりも小さくして中空円筒ワー
クの肉を潰して、このパンチの断面略円弧状面とダイス
の上部内周面との間の空間から中空円筒ワークの肉を押
し出す。これに対してパンチの断面略直線状面とダイス
の上部内周面とのクリアランスを中空円筒ワークの肉厚
と同一又は以上にしておいて、押し出された中空円筒ワ
ークの肉をこのパンチの断面線状面とダイスの上部内周
面との間の空間に移動させることができるようにしてお
く。その結果この空間に当初の中空円筒ワークの肉を移
動させて、この部分の肉を増肉することができる。
【0009】このようにして中空円筒ワークを塑性変形
させて断面略四辺形リング状で一方の相対向する2つの
側壁部の肉厚が中空円筒ワークの肉厚と同一又は以上で
ある筒状部を有する鍛造品を製造することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の鍛造用金型は、中空円筒
ワークを塑性変形させて、断面略四辺形リング状で一方
の相対向する2つの側壁部の肉厚が中空円筒ワークの肉
厚と同一又は以上である筒状部を有する鍛造品を作るた
めの鍛造用金型であって、少なくとも上端部に鍛造品の
筒状部の外周面と型対象の上部内周面を有するダイス
と、下端部には中空円筒ワークの軸孔と型対象な下部軸
部と上端部には相対向する2つの断面略円弧状面と他の
相対向する2つの断面略直線状面とからなる断面略四辺
形状の上部軸部と中間部には下部軸部と上部軸部を結ぶ
テーパ面とを持つパンチとを有し、パンチの断面略円弧
状面とダイスの該上部内周面とのクリアランスが中空円
筒ワークの肉厚よりも小さく、パンチの該断面略直線状
面と該ダイスの該上部内周面とのクリアランスが中空円
筒ワークの肉厚と同一又は以上であることを特徴とす
る。
【0011】以下本発明の実施の形態を説明する。
【0012】本発明の鍛造用金型によって塑性変形され
る中空円筒ワークとして、外径及び内径が上端から下端
まで同一の径となっている中空円筒ワーク、軸方向の途
中で外径が縮径した中空円筒ワークを用いることができ
る。この場合縮径した中空円筒ワークについては途中か
ら下端まで縮径している中空円筒ワークでも、縮径して
いる部分が中間の部分だけの中空円筒ワークでも良い。
【0013】そして中空円筒ワークから製造される鍛造
品は断面略四辺形リング状で一方の相対向する2つの側
壁部の肉厚が中空円筒ワークの肉厚と同一又は以上であ
る筒状部を有する鍛造品である。従ってこの鍛造品にお
いては、拡管されて断面略四辺形リング状で一方の相対
向する2つの側壁部の肉厚が中空円筒ワークの肉厚と同
一又は以上である筒状部以外の部分については、拡管さ
れずに当初の中空円筒の形状を有する部分を残していて
もよい。
【0014】ダイスは、少なくとも上端部に鍛造品の筒
状部の外周面と型対象の上部内周面を有する。ダイスの
上端部の内周面即ち上部内周面を鍛造品の筒状部の外周
面と型対象とすることにより、少なくともダイスの上端
部において中空円筒ワークを塑性変形して鍛造品の筒状
部の外周面を成形することができる。
【0015】鍛造品の筒状部の形状は断面略四辺形リン
グ状であることから、この筒状部と型対象のダイスの上
部内周面は同様に断面略四辺形である。なおこの上部内
周面の断面略四辺形については、後述するパンチの上部
軸部の形状に合わせて、パンチの断面略円弧状面に対応
する面を同様に断面略円弧状面にして、パンチの断面略
直線状面と対応する面を断面略直線状面にすることがで
きる。このように中空円筒ワークの肉を両側から潰して
押し出すパンチの外周面とダイスの内周面を共に断面略
円弧状面とすることによって、その間の肉を全体として
断面略円弧状面の端方向に移動しやすくすることができ
る。
【0016】この場合中空円筒ワークの外径及び内径が
上端から下端まで同一の径となっている場合には、ダイ
スの内周面はダイスの上端から下端まで上部内周面と同
一の軸直角断面形状即ち断面略四辺形とすることができ
る。
【0017】また中空円筒ワークが途中で縮径して中間
部にテーパ面を有する場合には、ダイスの内周面につい
ては、上端部を鍛造品の筒状部の外周面と型対象の上部
内周面とし、下端部を当初の中空円筒ワークの外周面と
型対象の下部内周面とし、その間を中空円筒ワークのテ
ーパ面に対応したテーパ面とすることができる。
【0018】本発明の鍛造用金型のパンチは下端部に下
部軸部を、上端部に上部軸部を更に中間部に下部軸部と
上部軸部を結ぶテーパ面を持つ。パンチの下端部に位置
する下部軸部は中空円筒ワークの軸孔と型対象である。
従って下部軸部は円柱形状を有しており、軸孔に挿入し
てその空間を満たすことができるように下部軸部の径は
軸孔の径と略同一である。また下部軸部の軸方向の長さ
は、軸孔の軸方向の長さと略同一あるいは以上とするこ
とが好ましい。このようにパンチの下部軸部によって軸
孔の空間が満たされていないと、パンチを中空円筒ワー
クに押圧して中空円筒ワークの肉を塑性流動させると、
中空円筒ワークの肉が軸孔の空間に移動することにな
る。従って予め下部軸部で中空円筒ワークの軸孔の空間
を満たしておくことによって、中空円筒ワークの肉の軸
孔への移動を抑制することができる。
【0019】パンチの上端部に位置する上部軸部は断面
略四辺形状を有しており、この上部軸部の外周面は相対
向する2つの断面略円弧状面と他の相対向する2つの断
面略直線状面とからなる。この場合パンチの断面略円弧
状面は外方向に張り出した断面略円弧状面である。そし
てこのパンチの断面略円弧状面とダイスの上部内周面と
のクリアランスは中空円筒ワークの肉厚よりも小さく、
パンチの断面略直線状面とダイスの上部内周面とのクリ
アランスは中空円筒ワークの肉厚と同一又は以上であ
る。
【0020】このようにパンチの断面略円弧状面とダイ
スの上部内周面とのクリアランスを当初の中空円筒ワー
クの肉厚よりも小さくなるように設定することによっ
て、パンチの断面略円弧状面とダイスの上部内周面との
間に挟まれた中空円筒ワークの肉は潰され塑性流動して
押し出されることになる。この場合において、クリアラ
ンスが当初の中空円筒ワークの肉厚よりも小さくなるよ
うに設定されている側のパンチの外周面は外向きに張り
出した断面略円弧状面であるので、潰され押し出された
肉は断面略円弧状面の中心部から端の方向へ押し出され
ることになる。
【0021】そしてパンチの断面略直線状面とダイスの
上部内周面とのクリアランスは中空円筒ワークの肉厚と
同一又は以上であるので、この押し出された肉はパンチ
の断面略直線状面とダイスの上部内周面との間の空間に
移動することになる。クリアランスが当初の中空円筒ワ
ークの肉厚と同一であっても、中空円筒ワークを全体と
して拡管していれば、それだけこの部分の空間は大きく
なっている。従ってパンチの断面略円弧状面とダイスの
上部内周面との間に潰され押し出された肉は、パンチの
断面略直線状面とダイスの上部内周面との間の空間に移
動することになる。従ってこの空間においては鍛造品の
肉を増肉することができる。
【0022】そしてこのパンチの上部軸部とダイスの少
なくとも上部内周面とで鍛造品の筒状部を成形すること
になる。この筒状部は、断面略四辺形リング状の形状を
有し、一方の相対向する2つの側壁部の肉厚が中空円筒
ワークの肉厚と同一又は以上というように成形される。
【0023】なおパンチの上部軸部が軸方向に進行する
地点まで鍛造品の筒状部を成形することができる。従っ
て中空円筒ワークの外径及び内径が上端から下端まで同
一の径を維持しており、ダイスの内周面がダイスの上端
から下端まで上部内周面と同一の軸直角断面形状即ち断
面略四辺形となっている場合には、パンチの上部軸部を
ダイスの下端近傍にまで進行させることができる。従っ
て中空円筒ワークの下端近傍まで筒状部を成形すること
ができる。
【0024】中空円筒ワークが途中で縮径して中間部に
テーパ面を有しており、かつダイスの内周面が上端部を
鍛造品の筒状部の外周面と型対象の上部内周面とし、下
端部を当初の中空円筒ワークの外周面と型対象の下部内
周面とし、その間を中空円筒ワークのテーパ面に対応し
たテーパ面としている場合には、パンチの上部軸部をワ
ークのテーパ面の近傍にまで進行させることができる。
従って中空円筒ワークのテーパ面の近傍まで筒状部に成
形することができる。
【0025】なおパンチは中間部に下部軸部と上部軸部
を曲面で結ぶテーパ面を有する。本発明の鍛造用金型に
おいては、下部軸部は中空円筒ワークの軸孔に挿入さ
れ、主として上部軸部の外周面とダイスの上部内周面と
でワークを塑性変形させて成形するが、中空円筒ワーク
の肉がパンチの進行方向に対して出来るだけ直角方向に
流れるように下部軸部と上部軸部との間をテーパ面とし
ている。このように上部軸部と下部軸部との間をテーパ
面とすることによって上部軸部が軸方向に進行しやすく
して、成形圧力を低減することができる。
【0026】このように本発明の鍛造用金型は、断面略
四辺形リング状で一方の相対向する2つの側壁部の肉厚
が中空円筒ワークの肉厚と同一又は以上である筒状部を
有する鍛造品を作ることができる。
【0027】
【実施例】以下図面を参照しつつ本発明の鍛造用金型の
実施例について説明する。
【0028】(実施例1)実施例1の鍛造用金型を図1
及び図2に示す。図1は内部に中空円筒のワークWを配
設した鍛造用金型30の平面図である。図1の左半分は
ダイス10と拡管前の中空円筒のワークWを示し、図1
の右半分はダイス10とパンチ20と拡管後のワークW
の状態を示した図である。
【0029】図2は鍛造用金型30の正面断面図であ
る。図2の左半分はパンチ20の下部軸部20cのみを
ワークWの軸孔に挿入した状態を示し、図2の右半分は
パンチ20をワークWに押し込んでワークWを拡管した
状態を示す。
【0030】本実施例で用いられるワークWは上端から
下端まで径が同一のままの外径及び内径を有する中空円
筒ワークである。即ち軸方向の途中で拡径したり、縮径
したりしていない中空円筒ワークである。
【0031】本実施例ではダイス10の外周面は断面が
円形形状の側面を有している。これに対してダイス10
の内周面は、断面形状が略円弧形状である対向する2つ
の断面略円弧状面10aと断面形状が略直線形状である
対向する2つの断面略直線状面10bとを有している。
そして本実施例のダイス10はワークと同様に上端から
下端まで同一の軸直角断面形状を有している。また本実
施例のダイス10は上端及び下端にいずれにも底面がな
い形状となっている。なお本実施例ではダイス10は固
定プレート40の上に置かれている。この固定プレート
40はワークWが配設された場合にワークWの軸孔が位
置する場所に孔が設けられている。
【0032】なお本実施例では固定プレート40の上に
ワークWが配設されるが、ダイス10の下端に固定プレ
ート40の代わりに底面を設けても良い。この場合底面
にはワークWが配設された場合にワークWの軸孔が位置
する場所に孔を設けることができる。
【0033】パンチ20は上端部の上部軸部21と下端
部の下部軸部23と上部軸部21と下部軸部23とを曲
面で結ぶ中間部のテーパ面22とを有している。
【0034】下端部の下部軸部23は、中空円筒のワー
クWの軸孔に型対応の形状をしている。即ち下部軸部2
3の長さはワークWの軸孔の長さを少し越える長さを有
している。そしてその断面形状は円形であって、その径
の大きさはワークWの軸孔に概ね隙間なく挿入すること
ができる大きさである。従ってワークWの拡管を行うに
際して、まずパンチ20の下部軸部23をワークWの軸
孔に挿入し、下部軸部23で軸孔の一端から他端まで貫
通しておくことができる。このようにパンチ20の下部
軸部23でワークWの軸孔を一端から他端まで予め貫通
しておくので、パンチ20の上部軸部21でワークWの
肉を塑性流動させたときでも、ワークWの肉がワークW
の軸孔に流動することも防止することができる。
【0035】本実施例ではパンチ20の上端部の上部軸
部21は、断面形状が略円弧形状である対向する2つの
断面略円弧状面21aと断面形状が略直線形状である対
向する2つの断面略直線状面21bを有している。但し
パンチ20の上部軸部21の断面略円弧状面21aとダ
イス10の断面略円弧状面10bとのクリアランスは、
拡管前のワークWの肉厚よりも小さく設定されている。
そして上部軸部21の断面略直線状面21bとダイス1
0の断面略直線状面10bとのクリアランスは拡管前の
ワークWの肉厚よりも大きく設定されている。
【0036】上部軸部21と下部軸部23との間のテー
パ面22は、軸孔に挿入された下部軸部23に続いて上
部軸部21をワークWに押し込むことができるように上
部軸部21と下部軸部23をの間を滑らかに曲面で結ん
でいる。
【0037】このように構成された実施例1の鍛造用金
型は以下のように使用することができる。
【0038】固定プレート40の上に載置されているダ
イス10の内部に、図1の左半分に示すように、中空円
筒のワークWを配設する。この際中空円筒のワークWの
軸孔が固定プレート40に設けられている孔と重なるよ
うにする。
【0039】次にパンチ20の下部軸部23をワークW
の軸孔に挿入する。下部軸部23の長さはワークWの軸
孔の長さよりも若干長く形成されているので、図2の左
半分に示すように、下部軸部23をワークWの軸孔に挿
入された下部軸部23の先端はワークWの下側の端面か
らやや突き出ている。
【0040】次にパンチ20を下方に押圧してワークW
に押し込む。パンチ20の上部軸部21と下部軸部23
との間はテーパ面22に形成されているので、パンチ2
0はワークWの肉を塑性流動させつつ、図2の右半分に
示すように、パンチ20のテーパ面はワークWの下側の
端面の近くにまで達する。
【0041】この際パンチ20の上部軸部21は、図1
の右半分に示すように断面略円弧状面21aと断面略直
線状面21bとを有している。この上部軸部21の断面
略円弧状面21aとダイス10の断面略円弧状面10a
との間のクリアランスは当初のワークWの肉厚よりも小
さい。またこの上部軸部21の断面略直線状面21bと
ダイス10の断面略直線状面10bとの間のクリアラン
スは当初のワークWの肉厚よりも小さい。
【0042】従ってパンチ20の断面略円弧状面21a
とダイス10の断面略円弧状面10aとの間に挟まれた
ワークWの肉は潰されて押し出されることになる。
【0043】なお図2の右半分の上半分におけるワーク
Wの肉の動きを図3に示す。図中の矢印が示すように、
パンチ20の断面略円弧状面21aとダイス10の断面
略円弧状面10aとの間に挟まれたワークWの肉は、こ
の2つの断面略円弧状面21a、10aの間の空間から
押し出されて、クリアランスが大きいパンチ20の断面
略直線状面21bとダイス10の断面略直線状面10b
との間の空間に移動することになる。従ってこの部分に
おいて当初のワークWの肉厚よりも肉厚が厚くなる。即
ちこの部分の肉が増肉することになる。
【0044】(実施例2)実施例2の鍛造用金型70を
図4及び図5に示す。図4は内部に中空円筒のワークW
を配設した鍛造用金型70の平面図である。図4の左半
分はダイス50と拡管前のワークWを示し、図4の右半
分はダイス50とパンチ60と拡管後のワークWの状態
を示した図である。図5は鍛造用金型70の正面断面図
である。図5の左半分はパンチ60の下部軸部63のみ
がワークWの軸孔に挿入された状態を示し、図5の右半
分はパンチ60をワークWに押し込んでワークWを拡管
した状態を示す。なおワークについては実施例1と同一
の符号を用いた。
【0045】本実施例で用いられるワークWは中空円筒
のワークWである。但し本実施例では中空円筒のワーク
Wの外周面は途中で縮径している。即ち図5の左半分に
示すように、ワークWは上部円筒と上部円筒より外径の
小さい下部円筒とその中間に位置するテーパ面を有する
中間部とからなる中空円筒ワークである。従ってワーク
Wの外周面は上部円筒の側面即ち上部外周面W1と下部
円筒の側面即ち下部外周面W3とその間を結ぶテーパ面
W2とからなる。但しこのワークWの軸孔の径は上端か
ら下端まで同一の径である。
【0046】本実施例ではダイス50の外周面は、実施
例1と同様に、断面が円形形状の外周面を有している。
これに対してダイス50の内周面は上端部の内周面即ち
上部内周面51と下端部の内周面ち下部内周面53と上
部内周面51と下部内周面53とを結ぶテーパ面52と
を有する。上部内周面51は断面形状が略円弧形状であ
る対向する2つの断面略円弧状面51aと断面形状が略
直線形状である2つの断面略直線状面51bとを有して
いる。そして下端部の内周面即ち下部内周面53はワー
クWの下部外周面W3に型対象である。そしてダイス1
0の内周面のテーパ面52は、ワークWのテーパ面W2
と重なるような傾斜面を有している。
【0047】パンチ60は上端部の上部軸部61と下端
部の下部軸部63と上部軸部61と下部軸部63とを曲
面で結ぶ中間部のテーパ面62とを有している。
【0048】下端部の下部軸部63は、中空円筒のワー
クWの軸孔に型対応の形状をしている。即ち下部軸部6
3の長さはワークWの軸孔の長さを少し越える長さを有
している。そしてその断面形状は円形であって、その径
の大きさはワークWの軸孔に概ね隙間なく挿入すること
ができる略同一の大きさである。
【0049】従ってワークWの拡管を行うに際して、ま
ずパンチ60の下部軸部63をワークWの軸孔に挿入
し、下部軸部63で軸孔の一端から他端まで貫通してお
くことができる。このようにパンチ60の下部軸部63
でワークWの軸孔を一端から他端まで予め貫通しておく
ことができるので、パンチ60の上部軸部61でワーク
Wの肉を塑性流動させたときでも、ワークWの肉がワー
クWの軸孔に流動することも防止することができる。
【0050】本実施例でもパンチ60の上端部の上部軸
部61は、断面形状が略円弧形状である対向する2つの
断面略円弧状面61aと断面形状が略直線形状である対
向する2つの断面略直線状面61bを有している。また
パンチ60の上部軸部61の断面略円弧状面61aとダ
イス50の上端部の断面略円弧状面51bとのクリアラ
ンスは、拡管前のワークWの肉厚よりも小さく設定され
ている。そして上部軸部61の断面略直線状面61bと
ダイス50の上部端部の断面略直線状面51bとのクリ
アランスは拡管前のワークWの肉厚よりも大きく設定さ
れている。
【0051】上部軸部61と下部軸部63との間のテー
パ面62は、軸孔に挿入された下部軸部63に続いて上
部軸部61をワークWに押し込むことができるように上
部軸部61と下部軸部63の間を滑らかに曲面で結んで
いる。
【0052】このように構成された実施例2の鍛造用金
型70は以下のように使用することができる。
【0053】ダイス50の内部に、図4の左半分及び図
5の左半分に示すように、中空円筒のワークWを配設す
る。この際中空円筒のワークWの下部円筒の下部外周面
W3はダイス50の下部内周面53と型対象であるの
で、ワークWの下部円筒の部分をダイス50の下部内周
面53によって構成される円柱状の空間に挿入すること
ができる。
【0054】次にパンチ60の下部軸部63をワークW
の軸孔に挿入する。下部軸部63の長さはワークWの軸
孔の長さよりも若干長く形成されているので、図5の左
半分に示すように、下部軸部63をワークWの軸孔に挿
入された下部軸部63の先端はワークWの下側の端面か
らやや突き出ている。
【0055】次にパンチ60を下方に押圧してワークW
に押し込む。パンチ60の上部軸部61と下部軸部63
との間はテーパ面62に形成されているので、パンチ6
0はワークWの肉を塑性流動させつつ、図5の右半分に
示すように、パンチ60のテーパ面62はワークWのテ
ーパ面W2の近くにまで達する。
【0056】この際パンチ60の上部軸部61は、図4
の右半分に示すように断面略円弧状面61aと断面略直
線状面61bとを有している。この上部軸部61の断面
略円弧状面61aとダイス50の上部外周面51の断面
略円弧状面51aとの間のクリアランスは当初のワーク
Wの肉厚よりも小さい。またパンチ60の上部軸部61
の断面略直線状面61bとダイス50の上部外周面51
の断面略直線状面51bとの間のクリアランスは当初の
ワークWの肉厚よりも小さい。
【0057】従ってパンチ60の断面略円弧状面61a
とダイス50の断面略円弧状面11aとの間に挟まれた
ワークWの肉は潰されて押し出されることになる。この
ときの様子は図3に示した場合と同様である。
【0058】なおこの実施例においては、ワークWの上
部円筒の部分を鍛造品の筒状部に成形することができ
る。ワークWの下部円筒の部分は特に成形されずにその
ままの形状として残されることになる。
【0059】このように本発明の実施例1及び実施例2
において、ワークの当初の肉厚よりも厚い肉厚を塑性流
動によって形成することができる。
【0060】なお本発明の鍛造用金型は、実施例1及び
実施例2に限定されるものではない。特許請求の範囲に
記載された範囲内で変形が可能である。
【0061】
【発明の効果】本発明の鍛造用金型により、中空円筒ワ
ークを塑性変形させて、断面略四辺形リング状で一方の
相対向する2つの側壁部の肉厚が該中空円筒ワークの肉
厚と同一または以上である筒状部を有する鍛造品を作る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の鍛造用金型の平面図
【図2】実施例1の鍛造用金型の正面断面図である。
【図3】実施例1において中空円筒ワークを拡管する際
の肉の流れを示した図である。
【図4】実施例2の鍛造用金型の平面図である。
【図5】実施例2の鍛造用金型の正面断面図である。
【図6】 従来の拡管の様子を示す図である。
【符号の説明】
W:中空円筒ワーク W1:実施例2における中空円筒ワークの上部外周面 W2:実施例2における中空円筒ワークのテーパ面 W3:実施例2における中空円筒ワークの下部外周面 10:ダイス 10a:ダイスの断面略円弧状面 10b:ダイスの断面略直線状面 20:パンチ 21:パンチの上部軸部 21a:パンチの断面略円弧状面 21b:パンチの断面略直線状面 22:パンチのテーパ面 23:パンチの下部軸部 30:鍛造用金型 40:固定プレート 50:ダイス 51:ダイスの上部内周面 51a:ダイスの上部内周面の断面略円弧状面 51b:ダイスの上部内周面の断面略直線状面 52:ダイスのテーパ面 53:ダイスの下部内周面 60:パンチ 61:パンチの上部軸部 61a:パンチの断面略円弧状面 61b:パンチの断面略直線状面 62:パンチのテーパ面 63:パンチの下部軸部 70:鍛造用金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根本 章宏 愛知県名古屋市西区康生通二丁目20番地1 株式会社メイテック内 (72)発明者 松永 啓一 愛知県安城市東端町南用地42番地 株式会 社エム・イージー内 Fターム(参考) 4E087 AA10 EC11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空円筒ワークを塑性変形させて、断面
    略四辺形リング状で一方の相対向する2つの側壁部の肉
    厚が該中空円筒ワークの肉厚と同一または以上である筒
    状部を有する鍛造品を作るための鍛造用金型であって、 少なくとも上端部に該鍛造品の該筒状部の外周面と型対
    象の上部内周面を有するダイスと、 下端部には該中空円筒ワークの軸孔と型対象な下部軸部
    と上端部には相対向する2つの断面略円弧状面と他の相
    対向する2つの断面略直線状面とからなる断面略四辺形
    状の上部軸部と中間部には該下部軸部と該上部軸部を結
    ぶテーパ面とを持つパンチとを有し、 該パンチの該断面略円弧状面と該ダイスの該上部内周面
    とのクリアランスが該中空円筒ワークの肉厚よりも小さ
    く、該パンチの該断面略直線状面と該ダイスの該上部内
    周面とのクリアランスが該中空円筒ワークの肉厚と同一
    又は以上であることを特徴とする鍛造用金型。
  2. 【請求項2】 前記ダイスは、軸方向の上端から下端ま
    で前記上部内周面と同一の軸直角断面形状の内周面を有
    する請求項1記載の鍛造用金型。
  3. 【請求項3】 前記パンチは、前記下部軸部の軸方向の
    長さが前記中空円筒ワークの前記軸孔の軸方向の長さと
    略同一または以上である請求項1又は2記載の鍛造用金
    型。
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