JP2002277565A - 時計用ステップモーター - Google Patents

時計用ステップモーター

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JP2002277565A
JP2002277565A JP2001081984A JP2001081984A JP2002277565A JP 2002277565 A JP2002277565 A JP 2002277565A JP 2001081984 A JP2001081984 A JP 2001081984A JP 2001081984 A JP2001081984 A JP 2001081984A JP 2002277565 A JP2002277565 A JP 2002277565A
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yoke
rotor
coil core
timepiece
coil
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JP2001081984A
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Toshiaki Fukushima
敏明 福島
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Citizen Watch Co Ltd
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  • Electromechanical Clocks (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比較して大幅な低消費電力値で安定し
て駆動可能な磁気回路を構成する完成ヨークおよびコイ
ル巻芯構造を備えた時計用ステップモーターを提供する
こと。 【解決手段】 ローター磁石11aとローター軸11b
とからなるローター11と、ネジ穴とローター11を設
置するためのローター穴11aを設けた完成ヨーク9
と、ネジ穴を有しコイルが巻回されたコイル巻芯1とを
備え、完成ヨーク9またはコイル巻芯1に段差部を設
け、段差部で完成ヨーク9とコイル巻芯1をネジ穴を介
して接続する時計用ステップモーターであって、コイル
巻芯1のコイル巻芯側面と完成ヨーク9の完成ヨーク側
面とが密着していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電子時計などに用
いられる時計用ステップモーターに関し、さらに詳しく
は時計用ステップモーターの完成ヨークおよびコイル巻
芯の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のアナログ式電子時計においては、
その動力源として電池または発電機構を内蔵しており、
電池を用いたものに関しては、ある期間経過すると、内
蔵している電池の寿命によって電池が消耗し、アナログ
式電子時計の機能を停止してしまう。そのため消耗した
電池を交換する必要がその都度生じるが、電池交換作業
は通常の使用者では行い難いため専門業者に依頼しなけ
ればならず、使用者にとっては電池交換のために時間や
費用が必要となり、しかも必要な時に電池の消耗が生じ
た場合には、即座に電池の交換ができないため使用上非
常に問題となる。
【0003】このように電池の消耗は使用者にとって大
きな問題となっているため、近年アナログ式電子時計に
おいては、電池交換の煩わしさを低減するために電池の
長寿命化の検討が行われ、その電池長寿命化達成のため
には消費電力を低減する必要がある。
【0004】また、電池交換の煩わしさを完全になくす
ための太陽電池式発電や熱電素子発電や回転錘を回転さ
せる機械式発電などの発電手段内蔵式のアナログ式電子
時計においては、使用者によって発電条件が異なり、常
時必要十分な電力を発電することは難しい。そこで、発
電できない期間は、通常、内蔵したコンデンサまたは二
次電池に蓄えた電力で時計駆動することになるため、時
計の発電条件に左右されず、常に正確な時刻を表示し続
けるためには、発電機構内蔵式のアナログ電子時計にお
いても消費電力を低減する必要がある。
【0005】アナログ式電子時計の機構を概略すると、
水晶振動子などにより発生させた基準信号にしたがって
時計用ステップモーターを間欠駆動し、歯車を介してス
テップモーターの運動を指針に伝えることにより時刻表
示を行っている。
【0006】そして、電力は大別すると水晶振動子など
を含む基準信号を発生させる回路部分と指針を運針させ
るステップモーター部分とで消費される。最近のアナロ
グ式電子時計においては、ステップモーター部分の消費
電力に比べ、回路部分は半導体集積回路化されているた
め消費される電力は少なくなっている。したがって、消
費電力の大部分は指針運針のための時計用ステップモー
ターの駆動により消費されていることからも、時計用ス
テップモーターの低消費電力化が時計全体の低消費電力
化に及ぼす効果は非常に大きく、その対策が望まれてい
る。
【0007】図6は従来の時計用ステップモーター、と
くに2極式ステップモーターの概略構造を示す平面図で
ある。
【0008】図6に示すように、2極式ステップモータ
ーは、図6の紙面に対して垂直方向に回転軸を持つロー
ター軸109bおよびローター磁石109aからなるロ
ーター109と、ローター109を設置するためのロー
ター穴111を有し高透磁率の材料よりなる完成ヨーク
107と、高透磁率の材料よりなり励磁用のコイル10
3が巻回されたコイル巻芯101とを有する。
【0009】完成ヨーク107とコイル巻芯101との
あいだには空隙137が存在し、空隙137の寸法は
0.1mm程度である。この0.1mm程度の空隙13
7が存在する理由は、時計部品の一般公差としては0.
03mmであり、寸法ばらつきを考慮して完成ヨーク1
07とコイル巻芯101とが重ならず組み立てができる
ように、必要な隙間である。
【0010】完成ヨーク107とコイル巻芯101は、
それぞれネジ穴105を有し、ネジ穴が一致するように
重ね合わせて、ネジ(図示せず)により締め付けて完成
ヨーク107とコイル巻芯101が固定されて、磁気的
に接続して磁気回路を構成している。
【0011】完成ヨーク107は、高透磁率の材料より
なる第1のヨーク部品125と、高透磁率の材料よりな
る第2のヨーク部品127と、低透磁率の材料または非
磁性の材料よりなる連結部129とを有し、第1のヨー
ク部品125と第2のヨーク部品127とが連結部12
9を介して結合されるように構成される。
【0012】ローター磁石109aは強磁性材料からな
り回転軸に垂直な方向に2極に着磁され、形状は中心に
ローター軸109bをはめ込むための軸穴を有した円板
形状となっている。
【0013】また図示はしていないが、ローター穴11
1の内周には初期位相角と保持トルクを設定するための
保持トルク設定手段を有している。
【0014】さらに、ローター109は、ローター穴1
11の中心に位置するようにローター軸109bの両端
を軸受け(図示せず)により支持され、ロータ軸109
bに歯車(図示せず)を有し、その歯車を介してロータ
ー109の回転運動を指針に伝達するように構成されて
いる。
【0015】このような構成の時計用ステップモーター
は、駆動電圧を印加してコイル103に正、負の電流を
交互に流すことによって、ローター穴111に電流の
正、負に従った向きの磁界を発生させて、着磁されたロ
ーター磁石109aを持つローター109を180度づ
つ(1ステップづつ)回転させる。以下の説明において
は、反時計回りに回転するものとする。
【0016】また、時計用ステップモーターの消費電力
は、単位時間に時計用ステップモーターのコイル103
に流す電流量と印加する電池電圧の積で表される。ここ
で電池電圧はほぼ一定であるので、時計用ステップモー
ターの低消費電力化とは、時計用ステップモーターに要
求される駆動特性を満足しながら如何にコイル103に
流す電流を低減するかという見方ができる。
【0017】さらに、時計用ステップモーターの1ステ
ップの運動を詳しく説明する。ローター109は、形成
された保持トルクにより、ローター109を駆動するた
めにコイル103で発生させる磁束により、ローター穴
111の内部に発生する磁界の方向113に対し初期位
相角115だけ正転方向(反時計方向)に回転した位
置、すなわち、ローター磁石109aの磁極の方向11
7の位置で静止している。
【0018】ここで、初期位相角115はローター10
9を駆動するために、コイル103で発生する磁束によ
りローター穴111内部に発生する磁界の方向113と
ローター静止位置におけるローター磁石109aの磁極
の方向117とのなす角度と定義される。
【0019】この状態でコイル103にローター109
が正転する方向の電流を流すとコイル103による磁束
がコイル巻芯101に発生し、その結果、ローター穴1
11の内部に磁界が発生する。そして、この発生した磁
界とローター磁石109aの永久磁化量との相互作用に
よりローター109に回転トルクが発生し、保持トルク
に抗してローター109は回転を始める。所定の時間コ
イル103に電流を流すと、ローター109は180度
回転し次の静止位置に静止する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】つぎに、本発明が解決
しようとする課題について図7を使用して詳しく説明す
る。時計の総厚を薄くするために完成ヨーク107には
段差部135が設けられており、その段差部135にコ
イル巻芯101をネジ133で固定している。この段差
部135の厚さは、一例としては完成ヨーク107の板
厚0.5mmに対して半分の0.25mm程度となって
いる。
【0021】そして、完成ヨーク107とコイル巻芯1
01とで構成される磁気回路においては、この段差部1
35で板厚が薄くなるため磁路の狭まりが生じ、そのた
め磁束131は段差部135に集中する。
【0022】この磁束の集中によって、完成ヨーク側面
121とコイル巻芯側面123とで挟まれた領域の空隙
137に磁束131が漏洩し、空隙137を通る磁束が
多く生じるために磁気回路全体の磁気抵抗Rmが大きく
なり、発生磁束Φはコイル巻数Nとコイルに流す電流値
Iとの積を磁気回路の磁気抵抗Rmで除した値(計算式
Φ=N×I/Rm)で求められることから、ローター
(図7には図示せず)を回転させる必要トルクを出すた
めに必要な磁束Φを得るには、磁気抵抗Rmが大きくな
る。
【0023】このように磁気抵抗Rmが大きくなること
から、磁気抵抗増大分だけ、コイルに流す電流値Iを大
きくしなければならず、時計用ステップモーターの消費
電流値増加の原因となり、時計全体の消費電力増加の要
因となっていた。
【0024】〔発明の目的〕本発明の目的は、上記課題
を解決して、従来に比較して大幅な低消費電力値で安定
して駆動可能な磁気回路を構成する完成ヨークおよびコ
イル巻芯構造を備えた時計用ステップモーターを提供す
ることである。
【0025】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明の時計用ステップモーターは、下記記載
の手段を採用する。
【0026】本発明の時計用ステップモーターは、ロー
ター磁石およびローター軸からなるローターと、ネジ穴
と前記ローターを設置するためのローター穴を設けた完
成ヨークと、ネジ穴を有しコイルが巻回されたコイル巻
芯とを備え、完成ヨークまたはコイル巻芯に段差部を設
け、前記段差部で前記完成ヨークと前記コイル巻芯を前
記ネジ穴を介して接続する時計用ステップモーターであ
って、前記コイル巻芯のコイル巻芯側面と前記完成ヨー
クの完成ヨーク側面とが密着していることを特徴とす
る。
【0027】また本発明の時計用ステップモーターは、
前記コイル巻芯側面と完成ヨーク側面とが密着する側面
が、前記ネジ穴の中心を通る直線上にあることを特徴と
している。
【0028】〔作用〕本発明の時計用ステップモーター
は、コイル巻芯側面と完成ヨーク側面とが、隙間なく密
着している。本発明ではコイル巻芯側面と完成ヨーク側
面とが、隙間なく密着していることから、従来技術にお
ける磁路の狭まりによる磁束の集中は発生せず、磁気回
路の磁気抵抗を小さくすることができ、安定して駆動可
能な磁気回路が得られるとともに、コイルに流す電流値
を低減することができることから、時計用ステップモー
ターの低消費電力を達成することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の時計
用ステップモーターにおける最適な実施形態について説
明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示す時計用
ステップモーター、とくに2極式ステップモーターの概
略構造を示す平面図であり、コイル巻芯および完成ヨー
クの分解平面図である。以下、図1を参照して説明す
る。
【0030】アナログ式電子時計においては、水晶振動
子などにより発生させた基準信号にしたがって時計用ス
テップモーターを間欠駆動し、歯車による輪列機構を介
してステップモーターの運動を指針に伝えることにより
時刻表示を行っている。
【0031】〔第1の実施形態の説明〕2極式ステップ
モーターは、図1の紙面に対して垂直方向に回転軸を持
つローター軸11bおよびローター磁石11aからなる
ローター11と、ローター11を設置するためのロータ
ー穴13を有し、完成ヨーク9と、高透磁率材料よりな
り励磁用のコイル3が巻回されたコイル巻芯1とを有す
る。
【0032】完成ヨーク9とコイル巻芯1は、それぞれ
第1のネジ穴5および第2のネジ穴7を有し、ネジ穴が
一致するように重ね合わされ、ネジ(図示せず)により
締め付け固定されて、完成ヨーク9とコイル巻芯1が磁
気的に接続され、磁気回路を構成している。
【0033】完成ヨーク9は、高透磁率の材料よりなる
第1のヨーク部品21と、高透磁率の材料よりなる第2
のヨーク部品23と、低透磁率の材料または非磁性の材
料よりなる連結部25とを有し、第1のヨーク部品21
と第2のヨーク部品23とが連結部25を介して結合さ
れるように構成される。
【0034】ローター磁石11aは、強磁性材料からな
り、回転軸に垂直な方向に2極に着磁され、ローター磁
石11a形状は中心にローター軸11bをはめ込むため
の軸穴を有した円板形状となっている。また図示はして
いないが、ローター穴13の内周には初期位相角と保持
トルクを設定するための保持トルク設定手段を有してい
る。
【0035】ここで第1のヨーク部品21、第2のヨー
ク部品23、およびコイル巻芯1の高透磁率の材料とし
ては、例えばpcパーマロイや42Niパーマロイがあ
り、連結部25の低透磁率の材料としては、例えばNi
Crがあり、これらを用いた完成ヨーク9およびコイル
巻芯1は磁気焼鈍をされてステップモーターの構成部品
となっている。また、ローター磁石11aの材質として
は、例えばSmCoなどがある。
【0036】さらに、ローター11は、ローター穴13
の中心に位置するようにローター軸11bの両端を軸受
け(図示せず)により支持され、ロータ軸11bに歯車
(図示せず)を有し、その歯車を介してローター11の
回転運動を指針に伝達するように構成されている。
【0037】また、第1の実施の形態においては、完成
ヨーク9の第1のネジ穴5および第2のネジ穴7の周辺
に段差部35が設けられている。段差部35の厚さは、
完成ヨーク9の厚さ0.5mmの半分の0.25mmと
している。
【0038】また、コイル巻芯1と第1のヨーク部品2
1との間にコイル巻芯側面と第1のヨーク部品側面との
第1の接触側面27を有し、コイル巻芯1と第2のヨー
ク部品23との間にコイル巻芯側面と第2のヨーク部品
側面との第2の接触側面29を有する。第1の接触側面
27は、第1のネジ穴5の中心を通る第1の直線31の
直線上にあり、また第2の接触側面29は第2のネジ穴
7の中心を通る第2の直線33の直線上にあるよう構成
されている。
【0039】そして、コイル巻芯1を完成ヨーク9の段
差部35に載置し、それぞれの第1のネジ穴5、第2の
ネジ穴7で重ね合わせて位置決めし、ネジによる締め付
け固定によって、第1の接触側面27および第2の接触
側面29でコイル巻芯1と完成ヨーク9とは、コイル巻
芯側面と完成ヨーク側面とで隙間なく密着して接触させ
て磁気的に接続され磁気回路を構成している。
【0040】なお、このような構成の時計用ステップモ
ーターにおいて、駆動電圧を印加してローター11を反
時計回りに180度づつ(1ステップづつ)回転させる
ことと、消費電力は単位時間に時計用ステップモーター
のコイル3に流す電流量と印加する電池電圧の積で表さ
れ、低消費電力化には要求駆動特性を満足しながら如何
に電流量を低減するかが必要なことと、時計用ステップ
モーターの1ステップの運動に関することとは、従来の
技術で説明したものと同様であるので、ここでの説明は
省略する。
【0041】次に、図2を用いて、ネジを締める方向と
モーメントの発生する方向の説明を行う。コイル巻芯1
と完成ヨーク9の磁気的接続を得るためには、完成ヨー
ク9の段差部35(図2には図示せず)にコイル巻芯1
を重ね合わせて、第1のネジ穴5にネジ(図示せず)を
挿入しネジ締めすることによって、ネジとコイル巻芯1
との間に摩擦トルク37が生じ、この摩擦トルク37に
よりコイル巻芯1を第1のネジ穴5を中心とする時計方
向に回転させるモーメント力39が働く。
【0042】ここで、第1の接触側面27は第1のネジ
穴5中心を通る直線31の直線上にあることから、発生
した回転モーメント力39によって第1の接触側面27
においてコイル巻芯1は完成ヨーク9と隙間生じること
なく、コイル巻芯側面と完成ヨーク側面同士が密着接触
させることができ、第1の接触側面27における磁気抵
抗を低減することができる。
【0043】また、図3は接触側面に作用するモーメン
ト力の方向および大きさを説明する図面である。第1の
ネジ穴5と、この第1のネジ穴5中心を通る直線31
と、完成ヨーク9の完成ヨーク側面とコイル巻芯1のコ
イル巻芯側面との接触側面45に働くモーメント39と
の関係を説明する。
【0044】モーメント力39は第1のネジ穴5を中心
とした円の接線方向成分であることから、そのモーメン
ト力39の値をMとし、接触側面45と第1のネジ穴5
の中心を通る直線31との成す角度をθとしたときに
は、モーメント力39の作用によって接触側面45を密
着させるための垂直な力M×cosθが働らく。
【0045】この式からもわかるように、θ=0すなわ
ちcosθ=1であるときにモーメント力39を最大と
なることから、効率よく接触側面45を密着させるため
にはθ=0であるのが望ましく、そのためには接触側面
45がネジ穴5中心を通る直線31上であることが望ま
しい。
【0046】磁気回路全体の磁束はΦ=N×I/Rmで
表すことができるから、接触側面の密着性を向上させ磁
気抵抗Rmを減らすことができれば、分母の電流値Iを
減らしても一定量の磁束Φを得ることができ、ステップ
モーターの消費電力を低減することができ、時計全体の
消費電力を低く抑えることができる。
【0047】なお、実際の時計の構造で言うと、完成ヨ
ーク9とコイル巻芯1の上に、コイル端子シート、回路
基板、回路支持板等が重ね合わせされネジ止めされる
が、ネジ締めトルクは各構成部材の摩擦力によってコイ
ル巻芯1への回転モーメントとして伝達されることは変
わりが無く、所望の効果を得ることができる。
【0048】また、第2の接触側面29において、コイ
ル巻芯1と完成ヨーク9の磁気的接続を得るためには、
図2を用いて説明した第1の接触側面27におけるコイ
ル巻芯1と完成ヨーク9の磁気的接続を得るときの説明
と同様である。
【0049】すなわち、完成ヨーク9の段差部にコイル
巻芯1を重ね合わせて、第2のネジ穴7にネジ(図示せ
ず)を挿入しネジ締めすることによって、ネジとコイル
巻芯1との間に摩擦トルク(図示せず)が生じ、この摩
擦トルクによりコイル巻芯1を第2のネジ穴7を中心と
する時計方向に回転させるモーメント力(図示せず)が
働く。
【0050】そして、第2の接触側面29は第2のネジ
穴7中心を通る第2の直線33の直線上にあることか
ら、発生した回転モーメント力によって第2の接触側面
29においてコイル巻芯1は完成ヨーク9と隙間を生じ
ることなく、コイル巻芯側面と完成ヨーク側面同士が密
着接触することができ、第2の接触側面29における磁
気抵抗を減らすことができる。
【0051】そして、本発明のコイル巻芯側面1aと完
成ヨーク側面9aとを隙間なく密着させた実施の形態に
おける磁束の流れを図4を用いて説明する。完成ヨーク
9とコイル巻芯1とをネジ41で接続することによっ
て、厚さ方向は段差部35の水平面で接触固定され、側
面方向は第1の接触側面27および第2の接触側面29
で、コイル巻芯側面1aと完成ヨーク側面9aとが隙間
なく密着接触する。
【0052】その結果、磁束43はコイル巻芯1から完
成ヨーク9に平面部と側面部とで流れ、図4に示すよう
に漏洩磁束がなく、磁路の狭まりもなく、磁気抵抗が小
さくなるために、電流値を少なくしても所望の一定の磁
束量を確保することができ、時計用ステップモーターの
低消費電力を達成することができる。
【0053】なお完成ヨーク9の完成ヨーク側面9aと
コイル巻芯1のコイル巻芯側面1aとを、第1の接触側
面27および第2の接触側面29とで密着させ磁気抵抗
の低減をはかるためには、第1のネジ穴5に挿入したネ
ジを先に締め始めても、第2のネジ穴7に挿入したネジ
を先に締め始めても良く、第1のネジ穴5と第2のネジ
穴7の双方に徐々に締め付け力を強めていけば、所望の
密着性を確保でき磁気抵抗の低減すなわち消費電力の低
減が可能である。
【0054】〔第2の実施形態の説明〕次に本発明の第
2の実施の形態を図5を用いて説明する。第2の実施の
形態では、第1の接触側面27においてのみ完成ヨーク
9の完成ヨーク側面9aとコイル巻芯1のコイル巻芯側
面1aとが、隙間なく密着固定されたものである。
【0055】2極式ステップモーターは、図5の紙面に
対して垂直方向に回転軸を持つローター軸11bおよび
ローター磁石11aからなるローター11と、ローター
11を設置するためのローター穴13を有し、完成ヨー
ク9と、高透磁率の材料よりなり励磁用のコイル3が巻
回されたコイル巻芯1とを有する。
【0056】完成ヨーク9とコイル巻芯1は、それぞれ
第1のネジ穴5および第2のネジ穴7を有し、ネジ穴が
一致するように重ね合わされ、ネジ(図示せず)により
締め付け固定されて、完成ヨーク9とコイル巻芯1とを
磁気的に接続し、磁気回路を構成している。
【0057】完成ヨーク9は、高透磁率の材料よりなる
第1のヨーク部品21と、高透磁率の材料よりなる第2
のヨーク部品23と、低透磁率の材料または非磁性の材
料よりなる連結部25とを有し、第1のヨーク部品21
と第2のヨーク部品23とが連結部25を介して結合さ
れるように構成される。
【0058】ローター磁石11aは強磁性材料からなり
回転軸に垂直な方向に2極に着磁され、形状は中心にロ
ーター軸11bをはめ込むための軸穴を有した円板形状
となっている。また図示はしていないが、ローター穴1
3の内周には初期位相角と保持トルクを設定するための
保持トルク設定手段を有している。
【0059】さらに、ローター11は、ローター穴13
の中心に位置するようにローター軸11bの両端を軸受
け(図示せず)により支持され、ローター軸11bに歯
車(図示せず)を有し、その歯車を介してローター11
の回転運動を指針に伝達するように構成されている。
【0060】また、第2の実施の形態においては、完成
ヨーク9における第1のネジ穴5および第2のネジ穴7
の周辺に段差部35が設けられている。また、コイル巻
芯1のコイル巻芯側面と第1のヨーク部品21の第1の
ヨーク部品側面との間に第1の接触側面27を有し、第
1の接触側面27は、第1のネジ穴5の中心を通る第1
の直線31の直線上にあるように構成されている。
【0061】完成ヨーク9の段差部35にコイル巻芯1
を重ね合わせて、第1のネジ穴5にネジを挿入しネジ締
めすることにより、ネジとコイル巻芯1との間に摩擦ト
ルクが生じ、この摩擦トルクによりコイル巻芯1をネジ
穴を中心する時計方向に回転させるモーメント力(図5
には図示せず)が働く。
【0062】そして、第1の接触側面27は第1のネジ
穴5中心を通る直線31の直線上にあることから発生し
た回転モーメント力によって、第1の接触側面27にお
いてコイル巻芯1は完成ヨーク9と隙間を生じることな
く、コイル巻芯側面と完成ヨーク側面同士が密着接触さ
せることができる。そのことによって第1の接触側面2
7における磁気抵抗を減らすことができ、低消費電力化
を達成することができる。
【0063】さらに、第1の実施の形態と比較して、図
5に示す第2の実施の形態においては、完成ヨーク9と
コイル巻芯1の形状を小さくすることができることか
ら、時計用ステップモーターの省スペースを達成するこ
とができる。
【0064】そして、磁気回路全体の磁束はΦ=N×I
/Rmで表すことができるから、一方の接触側面の密着
性を向上させ、磁気抵抗Rmを減らすことができれば、
分母の電流値Iを減らしても一定量の磁束Φを得ること
ができ、ステップモーターの消費電力を低減することが
でき、時計全体の消費電力を低く抑えることが可能とな
る。
【0065】なお、実際の時計の構造で言うと、完成ヨ
ーク9とコイル巻芯1の上に、コイル端子シート、回路
基板、回路支持板等が重ね合わせされネジ止めされる
が、ネジ締めトルクは各構成部材の摩擦抵抗によってコ
イル巻芯への回転モーメントとして伝達されることは変
わりが無く、十分な効果を得ることができる。
【0066】なお、第1の実施の形態および第2の実施
の形態においては、第1の接触側面27および第2の接
触側面29は直線で構成されていたが、完成ヨーク側面
とコイル巻芯側面とを隙間無く接触させることができる
のであれば、直線でなくても良く、曲線であってもネジ
締めによるトルクで生じるモーメント力の面内垂直成分
を押しつけ力として利用することができ、磁気抵抗低
減、消費電力低減の達成ができる。
【0067】さらに、第1の実施の形態および第2の実
施の形態においては、段差部35を完成ヨーク9に形成
した例で説明したが、コイル巻芯1に段差部を形成して
も良く、さらに完成ヨーク9およびコイル巻芯1の双方
に段差部を設けても良い。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の時計用ス
テップモーターは、コイル巻芯側面と完成ヨーク側面と
が隙間なく密着している。また、好ましくはコイル巻芯
側面と完成ヨーク側面とが密着する側面が、ネジ穴の中
心を通る直線上にあるようにしている。
【0069】この結果、従来技術における磁路の狭まり
による磁束の集中は発生せず、本発明では磁気回路にお
ける磁気抵抗を小さくすることができる。したがって、
本発明の時計用ステップモーターは、ステップモーター
の磁気回路の磁気抵抗を減少させることができ、そのた
め従来技術と比較して、5〜40%の消費電力を低減さ
せることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における時計用ステ
ップモーターを示し、完成ヨークとコイル巻芯を分解し
た状態を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における時計用ステ
ップモーターを示し、完成ヨークとコイル巻芯を接続し
た状態を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態における時計用ステップモ
ーターの接触側面に作用するモーメント力を説明する図
面である。
【図4】本発明の実施の形態の時計用ステップモーター
の完成ヨーク側面とコイル巻芯側面における磁束の流れ
を示す図面である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における時計用ステ
ップモーターを示し、完成ヨークとコイル巻芯を接続し
た状態を示す平面図である。
【図6】従来技術の時計用ステップモーターの構造を示
す平面図である。
【図7】従来技術の時計用ステップモーターの段差部側
面における磁束の流れを示す図面である。
【符号の説明】
1:コイル巻芯 1a:コイル巻芯側面 3:コイル 5:第1のネジ穴 7:
第2のネジ穴 9:完成ヨーク 9a:完成ヨーク側面 11:ローター 11a:ローター磁石 11b:ローター軸 13:ローター穴 15:磁界の方向 17:初期位相角
19:磁極の方向 21:第1のヨーク部品 23:第2のヨーク
部品 25:連結部 27:第1の接触側面 29:第2の接触側面 31:第1の直線 33:第2の直線 35:段差部 3
7:ネジ締めトルク 39:回転モーメント力 41:ネジ
43:磁束
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02K 37/16 H02K 37/16 X

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ローター磁石およびローター軸からなる
    ローターと、ネジ穴と前記ローターを設置するためのロ
    ーター穴を設けた完成ヨークと、ネジ穴を有しコイルが
    巻回されたコイル巻芯とを備え、前記完成ヨークまたは
    前記コイル巻芯に段差部を設け、前記段差部で前記完成
    ヨークと前記コイル巻芯を前記ネジ穴を介して接続する
    時計用ステップモーターであって、 前記コイル巻芯のコイル巻芯側面と前記完成ヨークの完
    成ヨーク側面とが密着していることを特徴とする時計用
    ステップモーター。
  2. 【請求項2】 前記コイル巻芯側面と前記完成ヨーク側
    面とが密着する側面が、前記ネジ穴の中心を通る直線上
    にあることを特徴とする請求項1に記載の時計用ステッ
    プモーター。
JP2001081984A 2001-03-22 2001-03-22 時計用ステップモーター Pending JP2002277565A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007121079A (ja) * 2005-10-27 2007-05-17 Casio Comput Co Ltd モータ、それを用いた多針時計、および標準時刻電波受信型多針時計
JP2016146749A (ja) * 2016-04-27 2016-08-12 カシオ計算機株式会社 ステッピングモータ及び時計

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