JP3674444B2 - 小型発電機およびそれを備えた電子機器 - Google Patents

小型発電機およびそれを備えた電子機器 Download PDF

Info

Publication number
JP3674444B2
JP3674444B2 JP2000063520A JP2000063520A JP3674444B2 JP 3674444 B2 JP3674444 B2 JP 3674444B2 JP 2000063520 A JP2000063520 A JP 2000063520A JP 2000063520 A JP2000063520 A JP 2000063520A JP 3674444 B2 JP3674444 B2 JP 3674444B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stator
rotor
small generator
generator
coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000063520A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001258226A (ja
Inventor
理 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2000063520A priority Critical patent/JP3674444B2/ja
Publication of JP2001258226A publication Critical patent/JP2001258226A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3674444B2 publication Critical patent/JP3674444B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electromechanical Clocks (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
  • Electric Clocks (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、腕時計等の携帯型電子機器等に組み込まれる小型発電機に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、腕時計等の携帯型電子機器に組み込まれる小型発電機が知られている。例えば、特開平9−203785号公報には、回転錘で発電機のロータを回転させて発電する発電機が組み込まれた指針式電子時計が開示されている。また、特開平10−220739号公報には、ゼンマイが解放する時の機械エネルギを増速輪列を介して発電機に伝達し、この発電機で電気エネルギに変換し、その電気エネルギにより回転制御手段を作動させて発電機の回転速度を制御することにより、輪列に固定される指針を正確に運針させて正確に時刻を表示する電子制御式機械時計が開示されている。
【0003】
このような各時計に組み込まれた小型発電機においては、大きさが制限されているため、回転錘やゼンマイの大きさにも限度があり、発電機を駆動する駆動トルクが小さかった。このため、発電機のロータが停止している状態からロータを回転し始める際に、ロータに加わるコギングトルクが大きいと、そのコギングトルクに打ち勝ってロータを回転させる駆動トルクが得られず、ロータが起動しにくくなったり、時計に衝撃などが加わってロータが停止した際に再起動しないという課題があった。
【0004】
特に、ゼンマイから増速輪列を介して発電機のロータを回転させる電子制御式機械時計は、回転錘によってロータを回転するタイプの発電機に比べても駆動トルクがより小さいため、コギングトルクの影響をより小さくする必要があった。
【0005】
このため、従来は、コギングトルクを小さくするために、ロータ磁石に対向するステータ面に内ノッチを形成していた。すなわち、内ノッチを形成する前の状態でのコギングトルクと、内ノッチを形成することによって発生するコギングトルクを足し合わせて、全体としてコギングトルクを0にするように調整していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述の各発電機を含む一般的な発電機は、ステータおよびコイルが巻線されるコア部分を備えているが、これらはコイルの巻線作業を容易にするため等の理由から、少なくとも2体の金属部材等で構成されている。
【0007】
しかしながら、2体で構成されている場合には、磁気回路中に各部材の接続部分が存在することになる。磁気回路中に各部材の接続部分があると、その接続状態によって磁気抵抗が大きく変化するため、組み上げた個々の発電機において、磁気回路の磁気抵抗によって変化するコギングトルクの大きさにもバラツキが生じ易いという問題点があった。
【0008】
そして、コギングトルクにバラツキが生じると、同じ大きさの内ノッチを形成しても前記コギングトルクを完全に打ち消して0にすることができず、コギングトルクを十分に小さくすることが難しいという問題があった。
【0009】
このようなコギングトルクを十分に低減できず、発電機の起動性に劣る発電機は、検査工程において、不良品として処分されるため、その分、歩留まりが低下し、製造コストが高くなるという問題点があった。
【0010】
本発明の目的は、磁気回路中の磁気抵抗のバラツキを無くし、コギングトルクのバラツキも小さくできる小型発電機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の小型発電機は、ロータと、ステータと、前記ステータに巻かれたコイルとを備える小型発電機であって、前記ステータは、ロータに隣接配置される一対のステータ部と、前記コイルが巻かれるステータコア部とを備えて一体に構成され、前記一対のステータ部の内周面と前記ロータとの間に円形リング状の位置決め部材が設けられ、前記ステータ部が前記位置決め部材に当接される前状態において、前記内周面の直径は前記位置決め部材の外周面の直径よりも小さく形成され、前記ステータ部が前記位置決め部材に当接されるとき、前記ステータ部はそれ自身の弾性変形によって前記外周面に圧着されることを特徴とする。
【0012】
本発明においては、ステータは、ステータ部およびステータコア部を含めて一体に形成されており、磁気回路中に各部材の接続部分が存在しないために、磁気抵抗のバラツキも生じず、これによりコギングトルクのバラツキも小さくでき、コギングトルクの値を安定化することができる。そして、位置決め部材にステータ部を嵌め込むだけで、ステータ部を位置合わせできて、ステータ部とロータ磁石の偏心を少なくできる。このため、位置決め治具を用いる場合に比べて部品点数を少なくでき、組立作業性を向上できる。
【0013】
この際、前記ステータのステータ部には、内ノッチが形成されていることが好ましい。
【0014】
本発明では、磁気回路における磁気抵抗のバラツキを無くすことができ、内ノッチを形成する前のコギングトルクの大きさも安定させることができる。従って、このコギングトルクを打ち消す内ノッチを形成すれば、打ち消す対象のコギングトルクの大きさが一定であるため、そのコギングトルクを確実に打ち消すような内ノッチを容易に形成でき、全体としてコギングトルクがほぼ0に低減された発電機を容易に構成することができる。
【0015】
これにより、駆動トルクが小さい小型発電機においても、コギングトルクを確実に小さくすることができてロータの起動性を向上できる。また、これにより不良品の発生率を低減でき、歩留まりが向上するため、製造コストを低減できる。
【0016】
そして、コギングトルクを確実に小さくすることができるため、衝撃によって停止した場合でも即座に再起動でき、ロータが停止しないように設けられる慣性円板も小さくできて耐衝撃性能を向上できる。また、慣性円板を小さくでき、その分、ロータの軸受に加わる力も小さくなるため、軸受の径を細くでき、摩擦損失を低減でき、例えば、ゼンマイからの機械的エネルギでロータを回転させる場合には、機械的エネルギのロスが小さくなり、持続時間を長くできる。
【0017】
ここで、前記コイルはボビンに巻回され、このボビンは前記ステータに挿入されていることが好ましい。ステータを一体に形成する場合には、例えばU字状やJ字状のような略コ字状に形成しなければならない。このようなステータに直接コイルを巻線する場合には、従来のI字状のコアに巻線する場合に比べて作業性が低下するが、コイルをボビンに巻回し、このコイルが巻回されたボビンをステータに挿入するように構成すれば、コイルの巻線作業性が低下することもなく、製造効率を向上することができる。
【0018】
ここで、前記ステータは平面略コ字状に形成されて互いに平行なステータコア部が一対設けられているとともに、各ステータコア部には、それぞれコイルが巻かれていることが好ましい。2個のコイルを設ければ、1個のコイルを設ける場合に比べて磁気回路を短くでき、その分、鉄損を小さくすることができる。
【0019】
この際、前記各コイルは、巻数が同数とされかつ直列に接続されていることが好ましい。各コイルの巻数が同数でかつ平行に配置されるとともに、直列に接続されていれば、発電機の外部に発生する磁界による磁束が2つのコイル間を同数流れるようにでき、これによって外部磁界の影響を小さくすることができる。
【0020】
また、各ステータ部(ステータ孔)の内周面に当接可能な位置決め部材と、前記各ステータ部を前記位置決め部材に押しつける位置決め治具が設けられていることが好ましい。
【0021】
各ステータ部に対しロータ磁石が偏心し、各ステータ部およびロータ磁石間の隙間が均一でなくなると、一方のステータ部にロータが強く引かれてコギングトルクが高くなったり、コイルに流れる磁束数が変化して発電量や発電機を回転するトルクが安定しない。この際、ステータ部とロータ磁石との隙間を測定しながらステータ部の位置を設定するのでは組立作業性が低下する。これに対し、前述のような位置決め部材や位置決め治具を設ければ、ステータ部間にロータを配置した状態で各ステータの位置決めを正確にかつ容易にできる。
【0023】
この場合には、位置決め部材にステータ部を嵌め込むだけで、ステータ部を位置合わせできて、ステータ部とロータ磁石の偏心を少なくできる。このため、位置決め治具を用いる場合に比べて部品点数を少なくでき、組立作業性を向上できる。
【0024】
前記ステータは、アモルファス材料からなる薄板を積層して構成されていることが好ましい。
【0025】
鉄損が小さいアモルファス材料によってステータを構成すれば、低損失の発電機を構成することができる。このアモルファス材料は、鉄損が小さくステータ材として適していたが、従来の2体ステータでは接合部の磁気抵抗が大きくなりすぎるため、実用できなかった。すなわち、アモルファス材料は、厚さが20μm程度までしかできず、薄板状にしか形成できないために20〜30枚積層して使用しなければならない。このようなアモルファス材料で従来のような2体のステータを構成した場合に、その積層面が露出する端面同士で接合しようとしても、各層が薄く位置がずれてしまうため、磁気抵抗が非常に大きくなる。一方、各ステータに跨って配置される接続板を用いた場合には、アモルファスの各層が薄いために、反磁界の影響で各層の厚み方向に磁束が流れ難くなり、接続板部分にも磁束が流れにくいため磁気抵抗が非常に大きくなる。従って、従来のように、ステータを2つの部材で構成する場合には、ステータをアモルファス材料で構成することはできなかった。これに対し、本願発明では、ステータが1体で構成されているため、アモルファス材料で構成しても磁気回路中に接合部分が発生せず磁気抵抗を小さくできるため、アモルファス材料を用いることで得られる鉄損が小さくかつ低損失の発電機を構成できる。
【0026】
また、前記ロータの磁石は、2極磁石でもよいが、4極以上の多極磁石であることが好ましい。
発電機の起電圧は、コイルの巻数×磁束の時間変化であり、多極にすれば磁束の時間変化が増えるため、磁束量を少なくしても同程度の起電圧が得られる。このため、2極磁石の場合と同じ起電圧に設定した場合には、磁束量を少なくできるためにコギングトルクを小さくできる。
【0027】
本発明の電子機器は、上記小型発電機を備えていることを特徴とするものである。
【0028】
ここで、前記電子機器は、前記小型発電機で発電された電気的エネルギを用いて時刻表示を行う電子時計であることが好ましい。
【0029】
また、前記電子機器は、機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源からの機械的エネルギを前記小型発電機のロータに伝達する機械的エネルギ伝達装置と、前記小型発電機から供給される電気的エネルギにより駆動されて前記小型発電機のロータの回転周期を制御する回転制御装置と、前記機械的エネルギ伝達装置に取り付けられた指針とを備えることが好ましい。
【0030】
このような電子時計を始めとする電子機器によれば、発電機のロータに作用するコギングトルクを低減できるため、そのロータを駆動するための回転錘やゼンマイ等も小型化できて非常に小型の発電機とすることができる。このため、発電機が組み込まれる電子機器も、十分に小型化でき、携帯用にも適したものにできる。また、腕時計のような小型の電子時計にも十分に適用できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の発電機20を組み込んだ電子制御式機械時計100の要部を示す平面図であり、図2はその断面図、図3は斜視図である。
【0032】
電子制御式機械時計100は、ゼンマイ1a、香箱歯車1b、香箱真、及び香箱蓋1dからなる香箱車1を備えている。ゼンマイ1aは、外端が香箱歯車1b、内端が香箱真に固定される。筒状の香箱真は、地板2に設けられた支持部材に挿通されて角穴ネジ5によって固定され、角穴車4と一体で回転する。そして、地板2には、円板状の文字板2bが取り付けられている。
【0033】
香箱歯車1bの回転は、増速輪列となる各番車7〜11を介して合計126,000倍に増速されている。この際、各番車7〜11は各々異なる軸線上に設けられて後述するコイル140に重ならない位置に配置され、ゼンマイ1aからのトルク伝達経路を形成している。
【0034】
二番車7と係合する筒かな7aには時刻表示を行う図示しない分針が、秒かな14aには時刻表示を行う図示しない秒針がそれぞれ固定されている。従って、二番車7を1rphで、秒かな14aを1rpmで回転させるためには、ロータ12は5rpsで回転するように制御すればよい。このときの香箱歯車1bは、1/7rphとなる。
【0035】
この電子制御式機械時計100は、ロータ12およびステータ130から構成される発電機20を備えている。ロータ12は、ロータかな12a、2極のロータ磁石12b、慣性円板12cを備えて構成される。
【0036】
ステータ130は、図3〜5にも示すように、アモルファス材料からなる平面コ字状(U字状)の薄板131を複数枚積層して構成されている。具体的には、図5のステータ130の断面図に記載したように、20枚の薄板131を積層して構成されている。ここで、アモルファス材料としては、特に限定されないが、コバルトを主成分とするCo系アモルファス金属や、鉄を主成分とするFe系アモルファス金属等が利用できる。特に、電子制御式機械時計100では、10Hz程度の低周波数での鉄損が小さいCo系アモルファス金属が適している。
【0037】
このステータ130は、ロータ12に対向配置される一対のステータ部132と、このステータ部132に連続して形成されており、コイル140が配置される一対のステータコア部133と、これらのステータコア部133間を連結する連結部134とを備えて平面略U字状に形成されている。
【0038】
各ステータ部132の内周面には、円弧状の凹部からなるステータ孔132aが形成されており、このステータ孔132aには内ノッチ135が形成されている。
【0039】
ステータコア部133に配置されるコイル140は、図3,5に示すように、ボビン150に巻回されている。ボビン150は略角筒状に形成されており、その外周にコイル140が巻かれている。また、このボビン150には、図3に示すようにコイルリード基板151が突設されており、コイル140の端部はコイルリード基板151上の回路152に接続されている。
【0040】
ボビン150の中心穴153は、ステータ130の断面形状および大きさとほぼ一致しており、この穴153内にステータ130を挿入することで、ボビン150がステータコア部133に配置される。また、ボビン150がステータコア部133に配置された状態で、前記各コイルリード基板151は、ステータ130の穴を介して地板2等にビス止めされている。この際、前記各コイルリード基板151は電気的に接続され、各ボビン150に巻回された各コイル140は直列に接続される。
【0041】
ここで、前記一方のステータ部132、ステータコア部133は、他方のステータ部132、ステータコア部133と平行に配置されている。このため、各ステータコア部133に配置された各コイル140は、互いに平行に配置されている。また、各コイル140はその巻数が同一とされ、かつステータコア部133に配置した状態で同方向に巻線されている。
【0042】
このため、各コイル140に外部磁界が加わると、外部磁界は平行に配置された各コイル140に対して同方向に加わるため、各コイル140の巻線方向に対しては外部磁界は互いに逆方向に加わることになる。このため、外部磁界によって各コイル140で発生する起電圧は互いに打ち消し合うように働くため、その影響を軽減できる。
【0043】
また、前記ロータ12は、その中心軸が各コイル140間に沿った境界線上に配置され、各ステータ部132およびステータコア部133が前記境界線に対して左右対称となるように構成されている。
【0044】
この際、ステータ130のロータ12が配置される各ステータ部132、より具体的にはステータ孔132aには、図2に示すように、略リング状の位置決め部材60が配置されている。そして、各ステータ130のステータ部132の外側には、偏心ピンからなる位置決め治具55を配置している。この位置決め治具55を回すと、各ステータ130のステータ部132を位置決め部材60に押圧して当接させることができ、その位置合わせを正確にかつ簡単に行うことができるようになっている。
【0045】
ステータ130には、ロータ磁石12bから一方のステータ部132、ステータコア部133、連結部134、他方のステータコア部133、ステータ部132を経てロータ磁石12bに戻る環状の磁気回路が形成される。この際、ステータ130は薄板131を積層して構成されており、各薄板131間では反磁界の影響で磁束が流れにくいが、U字状に形成された各薄板131内では十分に磁束が流れ磁気回路が形成される。つまり、各薄板131部分で磁気回路が構成され、ステータ130全体としては複数の磁気回路が束ねられた構成となっている。
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。
【0046】
1)磁気回路の途中に接続部分がない1体ステータ130を用いているので、磁気回路において磁気抵抗のバラツキが発生せず、内ノッチ135を形成しない状態でロータ12に加わるコギングトルクも所定値に安定させることができる。このため、このコギングトルクを確実に打ち消すように内ノッチ135を形成することができ、コギングトルクをほぼ0に低減することができる。
【0047】
2)コギングトルクを確実にかつ非常に小さくできるため、駆動トルクが小さい小型発電機20においても、ロータ12の起動性を向上できる。また、これにより起動性が低下した不良品の発生率を低減でき、歩留まりが向上するため、製造コストを低減できる。
【0048】
そして、コギングトルクを確実に小さくすることができるため、衝撃によって停止した場合でも即座に再起動でき、ロータ12が停止しないように設けられる慣性円板12cも小さくできて耐衝撃性能を向上できる。また、慣性円板12cを小さくできる分、ロータ12の軸受の径を細くでき、摩擦損失を低減できる。このため、ゼンマイ1aからの機械的エネルギでロータ12を回転させるために、発電機20の駆動トルクが小さい電子制御式機械時計100においても、機械的エネルギのロスが小さくなり、持続時間を長くすることができる。
【0049】
3)各コイル140を各ボビン150に巻回し、このボビン150をステータ130に挿入してコイル140を配置しているので、U字状のステータ130であってもコイル140を容易に配置できる。このため、コイル140の巻線作業性の低下を防止でき、製造効率を向上することができる。
【0050】
4)各ステータコア部133に、それぞれコイル140を配置して、2個のコイル140を設けているので、1個のコイルを設ける場合に比べて磁気回路を短くでき、その分、鉄損を小さくすることができる。
【0051】
その上、慣性円板12cを小さくできるために、従来に比べて慣性円板12cをコイル140側に近付けることができ、その分、磁気回路を短くできて鉄損をより一層低減することができる。
【0052】
5)前記各コイル140は、巻数が同数とされかつ直列に接続されているとともに、並列に配置されているので、発電機20の外部に発生する磁界による影響を打ち消すことができ、これによって外部磁界の影響を小さくすることができる。
【0053】
6)各ステータ部132のステータ孔132aの内周面に当接可能な位置決め部材60と、前記各ステータ部132を位置決め部材60に押しつける位置決め治具55が設けられているので、ロータ12およびステータ130の偏心量を小さくでき、ステータ130を所定の位置に簡単に設置することができる。
【0054】
7)位置決め部材60や位置決め治具55によって、ステータ孔132aとロータ12との偏心を少なくできるので、パーミアンスのバラツキを小さくでき、流れる磁束量のバラツキも抑えることができるので、偏心によって生じるコギングトルクを確実に小さくすることができる。
【0055】
8)ステータ130は、アモルファス材料からなる薄板131を積層して構成されているので、鉄損を小さくできて低損失の発電機20を構成することができる。
【0056】
図6には、本発明の第2実施形態の発電機200が示されている。本実施形態の発電機200は、前記第1実施形態と同様に、電子制御式機械時計の発電機として用いられるものであり、ロータ磁石として多極磁石201を用いたものである。なお、本実施形態では、14極の多極磁石201を用いているが、10極、18極等の多極磁石201でもよく、少なくとも4極以上の多極磁石201であればよい。この際、対称形の各ステータ部132を備えるステータ130に組み込む場合には、10極、14極、18極程度の多極磁石201が現実的である。
【0057】
また、ステータ孔132aの内径、つまり各ステータ部132間の内径は、リング状の位置決め部材60の外形よりも僅かに小さくされており、各ステータ部132を位置決め部材60に嵌挿した際に、各ステータ部132が僅かに湾曲し、その弾性力で位置決め部材60に圧着するように構成されている。
【0058】
このような多極磁石201を用いた発電機200を用いた場合も、1体のステータ130を用いているので磁気抵抗のバラツキを小さくでき、ロータ磁石に加わるコギングトルクも所定の値で安定するため、そのコギングトルクに合わせて内ノッチ135を形成するなどしてコギングトルクを殆ど0とすることができるなど、前記第1実施形態の1)〜8)と同じ作用効果を奏することができる。
【0059】
9)その上、多極磁石201を用いているので、2極磁石の場合と同じ起電圧を発生するように設定した場合、ステータ130を流れる磁束量を少なくでき、その分、コギングトルクを小さくすることができるため、内ノッチ135を形成しない場合でも起動性を向上することができる。すなわち、発電機200の起電圧は、コイル140の巻数×磁束の時間変化であり、多極にすれば磁束の時間変化が増えるため、磁束量を少なくしても同程度の起電圧が得られる。このため、磁束量を少なくできるためにコギングトルクを小さくできる。
【0060】
10)さらに、電子制御式機械時計では、ロータ12の出力波形を検出してフィードバック制御を掛けてロータ12の回転速度を調速している。このため、多極にしてロータ12の1回転当たりの出力波形の変化を多くすれば、ロータ12の回転をより細かく制御することができる。
【0061】
11)ステータ部132を位置決め部材60に嵌挿するだけでステータ部132を位置決めすることができ、前記第1実施形態の位置決め治具55を不要にできるので、部品点数を少なくでき、組立作業性も向上できる。
【0062】
図7には、本発明の第3実施形態の発電機300が示されている。この発電機300は、前記各実施形態がゼンマイ1aによってロータ12を回転していたのに対し、回転錘310によってロータ12を回転させている点が相違する。すなわち、発電機300は、指針式電子時計301に組み込まれるものであり、指針式電子時計301を嵌めた腕を動かしたときに発電するように、腕の動きによって回転する片重りの回転錘310と、この回転錘310から運動エネルギーを受けて回転するロータ12と、ステータ130と、このステータ130に巻回されたコイル140とから構成されている。回転錘310とロータ12は、回転錘310の回転動作を増速して伝達する発電用輪列360によって機構的に接続されている。
【0063】
そして、指針式電子時計301では、この発電機300で発電された電力を二次電池320に蓄え、この電力で図示しないステップモータを駆動して指針を作動させている。
【0064】
なお、発電機300のステータ130、コイル140は基本的には前記第1実施形態と同じものでよいが、回転錘310による駆動トルクはゼンマイ1aに比べて大きいため、発電機300は、前記発電機20に比べて磁石を大きくして磁束を大きくし、大きい発電電流で抵抗損失を少なくするためにコイル140のワイヤーを太くしてコイル抵抗を小さくしたり、ステータ130のアモルファス材料を飽和磁束密度の高いFeが主成分のものにすること等の変更をすることが好ましい。
【0065】
このような本実施形態においても、ステータ130が1体のステータであることなどによって前記第1実施形態の1)〜8)の効果が得られる。さらに、発電機300においても、ロータ磁石12bを多極磁石で構成してもよく、この場合には、前記9)〜10)の作用効果を奏することができる。
【0066】
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成も含み、以下に示すような変形例等も本発明に含まれる。
【0067】
例えば、ステータとしては、前記各実施形態のように、ロータ12の回転中心を通る境界線に対して各ステータ部132や各ステータコア部133が平行に配置されて左右対称形状とされたものに限らず、図8に示すように、例えば平面略J字状などに形成された左右非対称のステータ430を用いてもよい。要するにステータとしては、磁気回路中に接合部が生じないように一体に形成されていればよく、その具体的な形状、構造は実施にあたって適宜設定すればよい。
【0068】
また、ステータ130、430としては、アモルファス材料で形成されたものに限らず、磁気回路を構成できるものであればよい。例えば、Co系のアモルファスと78%NiのパーマロイCとは特性が近く、Fe系のアモルファスと45%NiのパーマロイBとも特性が近いため、若干鉄損が大きくなるが、十分代替えすることができる。従って、アモルファス材料以外のパーマロイ材等を用いてもよい。
【0069】
コイル140は、ボビン150に巻回されたものに限らず、直接ステータコア部133に巻回してもよい。さらに、コイル140は、前記第1〜3実施形態のように2個設けてもよいし、図8に示す変形例のように1個設けてもよく、さらには3個以上設けてもよく、実施にあたって適宜設定すればよい。
【0070】
さらに、内ノッチ135は必ずしも形成しなくてもよい。すなわち、コギングトルクが一定しないと、ゼンマイ1aや回転錘310からの駆動トルクを大きめに設定しなければならず、持続時間が低下するなどの問題点が生じる。これに対し、磁気抵抗が一定となってコギングトルクが所定値で安定すれば、ゼンマイ1aや回転錘310からの駆動トルクをコギングトルクよりも僅かに大きく設定するだけで、必ずロータ12を起動することができ、内ノッチ135を形成しなくても起動性のよい発電機を構成でき、持続時間も長くすることができる。
【0071】
また、本発明では、コギングトルクを低減できるため、慣性円板12cを小径にしたり、慣性モーメントの小さなものにしてもよく、さらには慣性円板12cを無くしてもよい。
【0072】
また、本発明の発電機は、前記各時計100,301に組み込まれるものに限らず、デジタル表示式の腕時計や、腕時計以外の置き時計、クロック等の各種時計に組み込んでもよい。さらに、時計以外の携帯電話機、ページャ、電卓、携帯用パーソナルコンピュータ、携帯ラジオ、歩数計、ひげ剃り、携帯型血圧計、電子手帳、PDA(小型情報端末、「Personal Digital Assistant」)、玩具、ICカード、自動車や家屋用のキー等の各種の電子機器の電源として利用することができる。特に、ロータ12に作用するコギングトルクを低減できるため、回転錘310やゼンマイ1a等も小型化できて非常に小型の発電機とすることができるため、携帯用に小型化された各種電子機器に最適である。また、携帯用でない電子機器にも当然適用することができる。このような携帯用等の各種電子機器では、従来、乾電池や充電器が用いられていたが、本発明の発電機を組み込めば、電池が無くても電子機器内の電子回路や機構系等の処理装置を動作させることができ、電池交換を不要にでき、環境にも配慮できる。その上、回転錘やゼンマイで駆動するように構成すれば、手動で発電できるため、充電器のような充電作業を不要にでき、災害時やアウトドア、外出時等でも電子機器を作動させることができる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る小型発電機および電子機器によれば、磁気抵抗のバラツキを無くし、コギングトルクのバラツキも小さくできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発電機を組み込んだ電子制御式機械時計の概略構成を示す平面図である。
【図2】図1に示す電子制御式機械時計の構成を示す断面図である。
【図3】第1実施形態の発電機の要部を示す分解斜視図である。
【図4】第1実施形態の発電機の要部を示す断面図である。
【図5】第1実施形態の発電機のステータコア部を示す断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態の発電機を示す概略平面図である。
【図7】本発明の第3実施形態の指針式電子時計を示す概略平面図である。
【図8】本発明の変形例の発電機を示す概略平面図である。
【符号の説明】
1 香箱車
1a ゼンマイ
2 地板
7〜11 各番車
12 ロータ
12a ロータかな
12b ロータ磁石
12c 慣性円板
20 発電機
55 位置決め治具
60 位置決め部材
100 電子制御式機械時計
130、430 ステータ
131 薄板
132 ステータ部
132a ステータ孔
133 ステータコア部
134 連結部
135 内ノッチ
140 コイル
150 ボビン
151 コイルリード基板
153 中心穴
200 発電機
201 多極磁石
300 発電機
301 指針式電子時計
310 回転錘
360 発電用輪列
430 ステータ

Claims (10)

  1. ロータと、ステータと、前記ステータに巻かれたコイルとを備える小型発電機であって、
    前記ステータは、ロータに隣接配置される一対のステータ部と、前記コイルが巻かれるステータコア部とを備えて一体に構成され、
    前記一対のステータ部の内周面と前記ロータとの間に円形リング状の位置決め部材が設けられ、
    前記ステータ部が前記位置決め部材に当接される前状態において、前記内周面の直径は前記位置決め部材の外周面の直径よりも小さく形成され、
    前記ステータ部が前記位置決め部材に当接されるとき、前記ステータ部はそれ自身の弾性変形によって前記外周面に圧着されることを特徴とする小型発電機。
  2. 請求項1に記載の小型発電機において、前記ステータ部には、内ノッチが形成されていることを特徴とする小型発電機。
  3. 請求項1または請求項2に記載の小型発電機において、前記コイルはボビンに巻回され、前記ボビンは前記ステータに挿入されていることを特徴とする小型発電機。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の小型発電機において、互いに平行なステータコア部が一対設けられ、それぞれコイルが巻かれていることを特徴とする小型発電機。
  5. 請求項4に記載の小型発電機において、前記各コイルは、巻数が同数とされかつ直列に接続されていることを特徴とする小型発電機。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の小型発電機において、前記ステータは、アモルファス材料からなる薄板を積層して構成されていることを特徴とする小型発電機。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の小型発電機において、前記ロータの磁石は、多極磁石であることを特徴とする小型発電機。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の小型発電機を備えていることを特徴とする電子機器。
  9. 請求項に記載の電子機器において、前記電子機器は、前記小型発電機で発電された電気的エネルギを用いて時刻表示を行う電子時計であることを特徴とする電子機器。
  10. 請求項に記載の電子機器において、前記電子機器は、機械的エネルギ源と、この機械的エネルギ源からの機械的エネルギを前記小型発電機のロータに伝達する機械的エネルギ伝達装置と、前記小型発電機から供給される電気的エネルギにより駆動されて前記小型発電機のロータの回転周期を制御する回転制御装置と、前記機械的エネルギ伝達装置に取り付けられた指針とを備えることを特徴とする電子機器。
JP2000063520A 2000-03-08 2000-03-08 小型発電機およびそれを備えた電子機器 Expired - Fee Related JP3674444B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000063520A JP3674444B2 (ja) 2000-03-08 2000-03-08 小型発電機およびそれを備えた電子機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000063520A JP3674444B2 (ja) 2000-03-08 2000-03-08 小型発電機およびそれを備えた電子機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001258226A JP2001258226A (ja) 2001-09-21
JP3674444B2 true JP3674444B2 (ja) 2005-07-20

Family

ID=18583372

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000063520A Expired - Fee Related JP3674444B2 (ja) 2000-03-08 2000-03-08 小型発電機およびそれを備えた電子機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3674444B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6208031B2 (ja) 2014-01-30 2017-10-04 東芝ライフスタイル株式会社 ブラシレスモータおよびその製造方法
CN107240971B (zh) * 2016-03-28 2020-10-16 德昌电机(深圳)有限公司 电机及其定子
JP6908830B2 (ja) * 2017-04-28 2021-07-28 ミツミ電機株式会社 発電装置および電子デバイス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001258226A (ja) 2001-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2993505B2 (ja) 発電装置付電子時計
JP3536852B2 (ja) 電子時計
JP4003382B2 (ja) 発電機および電子制御式機械時計
WO2003081345A1 (en) Electronic timepiece and electronic equipment
JP3551433B2 (ja) 携帯電子機器
EP0990961B1 (en) Electromagnetic transducer and electronic device including the transducer
JP3597467B2 (ja) 時計用の2極式ステップモータ
JP3594013B2 (ja) 時計装置
JP3674444B2 (ja) 小型発電機およびそれを備えた電子機器
JPS60174976A (ja) 電子時計
JP2003032986A (ja) 電子機器
JP2003066167A (ja) 電磁発電機およびそれを有した電子機器
JP2002277565A (ja) 時計用ステップモーター
JP3165424B2 (ja) 発電機付腕時計
JP2917963B2 (ja) 発電装置付電子腕時計
JP2001042066A (ja) 電子制御機器
JP3916104B2 (ja) 携帯機器の発電装置
JP2008267979A (ja) 電子制御式機械時計およびコギングトルクの低減方法
JPS6152435B2 (ja)
JP2806337B2 (ja) 発電装置付電子時計
JPH0676894U (ja) 錘発電時計
JPH10142357A (ja) 発電装置付き電子時計
JPH11248867A (ja) 発電装置、電子機器および電子時計
JP2000032724A (ja) 発電装置、電子機器および電子時計
JP2002374640A5 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090513

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100513

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110513

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120513

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130513

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees