JP2002274421A - 履帯車輌 - Google Patents

履帯車輌

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JP2002274421A
JP2002274421A JP2001078105A JP2001078105A JP2002274421A JP 2002274421 A JP2002274421 A JP 2002274421A JP 2001078105 A JP2001078105 A JP 2001078105A JP 2001078105 A JP2001078105 A JP 2001078105A JP 2002274421 A JP2002274421 A JP 2002274421A
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steering
turning
shaft
straight
speed
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JP2001078105A
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English (en)
Inventor
Shigemi Hidaka
茂實 日高
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Yanmar Co Ltd
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Yanmar Agricultural Equipment Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 理論的旋回半径一定を実現して履帯の
走行及び旋回機能を高める。 【解決手段】 履帯2を駆動する直進用無段変速機構
25と、履帯2を駆動する旋回用無段変速機構28と、
直進用及び旋回用の各駆動力を左右の履帯2に伝えるギ
ヤ機構35を設ける履帯車輌において、操向ハンドル1
9の操作位置が略一定のとき、車速が変化しても、直進
用無段変速機構25の制御量と、旋回用無段変速機構2
8の制御量との比が略一定になるように、直進変速レバ
ー73を直進用無段変速機構25に連結させる直進操作
機構124と、操向ハンドル19を旋回用無段変速機構
28に連結させる旋回操作機構118を構成したことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は例えば圃場の穀稈を
連続的に刈取って脱穀するコンバインまたはトラクタま
たは土工車輌などの履帯車輌に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、左右の前輪及び
後輪を設ける四輪車輌では、前輪または後輪を操向ハン
ドル操作によって方向転換させる操舵制御により旋回さ
せるから、変速レバー操作により車速を変更させてもこ
の変速操作によって旋回半径が変化することがなく、旋
回半径が略一定維持され乍ら車速だけが変化する。しか
し乍ら、左右の履帯を設ける履帯車輌は、旋回内側の履
帯の走行駆動力を切断したり旋回外側の履帯よりも遅い
速度で駆動して旋回させるから、車速の変更に伴って旋
回半径が変化し易く、理論的旋回半径一定の実現が希望
されていた。
【0003】
【課題を解決するための手段】然るに、本発明は、履帯
を駆動する直進用無段変速機構と、履帯を駆動する旋回
用無段変速機構と、直進用及び旋回用の各駆動力を左右
の履帯に伝えるギヤ機構を設ける履帯車輌において、操
向ハンドルの操作位置が略一定のとき、車速が変化して
も、直進用無段変速機構の制御量と、旋回用無段変速機
構の制御量との比が略一定になるように、直進変速レバ
ーを直進用無段変速機構に連結させる直進操作機構と、
操向ハンドルを旋回用無段変速機構に連結させる旋回操
作機構を構成したもので、車速の変更に伴って旋回半径
が変化する不具合をなくし、理論的旋回半径一定が具現
化し得、走行及び旋回機能を得る操作系を全てメカニカ
ルに構成し得、四輪車輌の運転感覚の操作性を容易に実
現し得るものである。
【0004】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて詳述する。図1はコンバインの全体側面図、図2
は同平面図であり、図中1は左右一対の走行クローラ2
を装設するトラックフレーム、3は前記トラックフレー
ム1に架設する機台、4はフィードチェン5を左側に張
架し扱胴6及び処理胴7を内蔵している脱穀部、8は刈
刃9及び穀稈搬送機構10などを備える刈取部、11は
刈取フレーム12を介して刈取部8を昇降させる油圧シ
リンダ、13は排藁チェン14終端を臨ませる排藁処理
部、15は脱穀部4からの穀粒を揚穀筒16を介して搬
入する穀物タンク、17は前記タンク15の穀粒を機外
に搬出する排出オーガ、18は丸形操向ハンドル19及
び運転席20などを備える運転台、21は運転席20下
方に設けるエンジンであり、連続的に穀稈を刈取って脱
穀するように構成している。
【0005】さらに、図3に示す如く、前記走行クロー
ラ2を駆動するミッションケース22は、1対の第1油
圧ポンプ23及び第1油圧モータ24を備えて走行主変
速用の油圧式無段変速機構を形成する変速部材25と、
1対の第2油圧ポンプ26及び第2油圧モータ27を備
えて旋回用の油圧式無段変速機構を形成する操向部材2
8とを備え、前記エンジン21の出力軸21aに第1及
び第2油圧ポンプ23・26の入力軸29a・29bを
伝達ベルト30a・30bによって連結させ、前記各油
圧ポンプ23・26を駆動するように構成している。
【0006】また、前記第1油圧モータ24の出力軸3
1に、副変速機構32及び差動機構33を介して左右走
行クローラ2の各駆動輪34を連動連結させるもので、
前記差動機構33は左右対称の1対の遊星ギヤ機構35
・35を有し、各遊星ギヤ機構35は1つのサンギヤ3
6と、該サンギヤ36の外周で噛合う3つのプラネタリ
ギヤ37と、これらプラネタリギヤ37に噛合うリング
ギヤ38などで形成している。
【0007】前記プラネタリギヤ37はサンギヤ軸39
と同軸線上とのキャリヤ軸40のキャリヤ41にそれぞ
れ回転自在に軸支させ、左右のサンギヤ36・36を挾
んで左右のキャリヤ41を対向配置させると共に、前記
リングギヤ38は各プラネタリギヤ37に噛み合う内歯
38aを有してサンギヤ軸39とは同一軸芯上に配置さ
せ、キャリヤ軸40に回転自在に軸支させ、キャリヤ軸
40を延設して車軸を形成して駆動輪34を軸支させて
いる。
【0008】また、走行用の油圧式無段変速部材25
は、第1油圧ポンプ23の回転斜板の角度変更調節によ
り第1油圧モータ24の正逆回転と回転数の制御を行う
もので、第1油圧モータ24の回転出力を出力軸31の
伝達ギヤ42より各ギヤ43・44・45及び副変速機
構32を介して、サンギヤ軸39に固定したセンタギヤ
46に伝達してサンギヤ36を回転するように構成して
いる。前記副変速機構32は、前記ギヤ44を有する副
変速軸47と、前記ギヤ45を介してセンタギヤ46に
噛合うギヤ48を有する駐車ブレーキ軸49とを備え、
副変速軸47とブレーキ軸49間に各1対の低速用ギヤ
50・51、中速用ギヤ52・53、高速用ギヤ54・
48を設けて、低中速スライダ55及び高速スライダ5
6のスライド操作によって副変速の低速・中速・高速の
切換を行うように構成している。なお低速・中速間及び
中速・高速間には中立を有する。また前記ブレーキ軸4
9に駐車ブレーキ57を設けると共に、刈取部8に回転
力を伝達する刈取PTO軸58にギヤ59・60及び一
方向クラッチ61を介して副変速軸47を連結させ、刈
取部8を車速同調速度で駆動している。
【0009】上記のように、前記センタギヤ46を介し
サンギヤ軸39に伝達された第1油圧モータ24からの
駆動力を、左右の遊星ギヤ機構35を介して左右キャリ
ヤ軸40に伝達させると共に、左右キャリヤ軸40に伝
達された回転を左右の駆動輪34にそれぞれ伝え、左右
走行クローラ2を駆動するように構成している。
【0010】さらに、旋回用の油圧式無段変速機構で形
成する操向部材28は、第2油圧ポンプ26の回転斜板
の角度変更調節により第2油圧モータ27の正逆回転と
回転数の制御を行うもので、操向出力ブレーキ62を有
するブレーキ軸63と、操向出力クラッチ64を有する
クラッチ軸65と、前記の左右リングギヤ38の外歯3
8bに常時噛合させる左右入力ギヤ66・67を設け、
第2油圧モータ27の出力軸68に前記ブレーキ軸63
及び操向出力クラッチ64を介してクラッチ軸65を連
結させ、クラッチ軸65に正転ギヤ69を介して右入力
ギヤ67を連結させ、またクラッチ軸65に正転ギヤ6
9及び逆転ギヤ70を介して左入力ギヤ66を連結させ
ている。そして、副変速スライダ55・56の中立によ
って前記ブレーキ62を入にしかつクラッチ64を切に
する一方、前記中立以外の副変速出力時にブレーキ62
を切にしかつクラッチ64を入にし、右側のリングギヤ
38の外歯38bに正転ギヤ69を介してモータ27回
転力を伝え、また左側のリングギヤ38の外歯38bに
正転ギヤ69及び逆転ギヤ70を介してモータ27回転
を伝え、第2油圧モータ27を正転(逆転)時、左右同
一回転数で、左リングギヤ38を逆転(正転)させ、か
つ右リングギヤ38を正転(逆転)とさせるように構成
している。
【0011】而して、旋回用の第2油圧モータ27を停
止させて左右リングギヤ38を静止固定させた状態で、
走行用の第1油圧モータ24を駆動すると、第1油圧モ
ータ24からの回転出力はセンタギヤ46から左右のサ
ンギヤ36に同一回転数で伝達され、左右遊星ギヤ機構
35のプラネタリギヤ37、キャリヤ41を介して左右
の走行クローラ2が左右同一回転方向で同一回転数によ
って駆動され、機体の前後方向直進走行が行われる。一
方、走行用の第1油圧モータ24を停止させて左右のサ
ンギヤ36を静止固定させた状態で、旋回用の第2油圧
モータ27を正逆回転駆動すると、左側の遊星ギヤ機構
35が正或いは逆回転、また右側の遊星ギヤ機構35が
逆或いは正回転し、左右走行クローラ2を逆方向に駆動
し、機体を左或いは右に旋回させる。また、走行用の第
1油圧モータ24を駆動させながら、旋回用の第2油圧
モータ27を駆動することにより、機体が左右に旋回し
て進路が修正されるもので、機体の旋回半径は第2油圧
モータ27の出力回転数によって決定される。
【0012】さらに、図2、図4乃至図12に示す如
く、前記運転台18の前部上面にステアリングコラム7
1を立設固定させ、ステアリングコラム71上面上方側
に操向ハンドル19を縦軸回りに回転自在に取付けると
共に、運転台18左側にサイドコラム72を設け、サイ
ドコラム72下方にミッション22を配設させ、主変速
レバー73、副変速レバー74、刈取クラッチレバー7
5、脱穀クラッチレバー76を前記サイドコラム72に
取付ける。また、前記ステアリングコラム71は、アル
ミニウム合金鋳物を成形加工して形成し、左右に分割自
在な2つ割れ構造で複数のボルト77で締結して箱形に
形成している。
【0013】また、前記ステアリングコラム71上部に
チルト台78を一体形成し、チルト台78に支点ボルト
79を介してチルトブラケット80を回転自在に軸支さ
せ、チルトレバー81によってチルトブラケット80を
角度調節自在に固定させる。前記チルトブラケット80
に軸ケース82下部を一体固定させ、コラム71上面に
固定させる上面カバー83上方に軸ケース82を延設さ
せ、軸ケース82内部に上ハンドル軸84を回転自在に
軸支させ、上ハンドル軸84上端に操向ハンドル19を
固定させ、チルトレバー81操作により支点ボルト79
回りにハンドル19を前後方向に移動調節して一定位置
に支持させ、ハンドル19取付け位置を前後方向に調節
して作業者が操作し易い位置に固定させる。
【0014】また、前記上ハンドル軸84の下端部に自
在継手85を介して下ハンドル軸86上端側を連結さ
せ、下ハンドル軸86をステアリングコラム71上部に
回転自在に軸支させると共に、ステアリングコラム71
上部に操向入力軸87上端部を回転自在に軸支させ、下
ハンドル軸86のギヤ88と操向入力軸87のセクタギ
ヤ89を噛合させて各軸86・87を連結させ、ステア
リングコラム71内部の略中央で上下方向に操向入力軸
87を延設させる。
【0015】さらに、前記ステアリングコラム71の左
側面で上下幅略中間に軸受部材90を着脱自在に固定さ
せ、変速入力軸91の一端部を軸受部材90にベアリン
グ92を介して回転自在に片持ち支持させ、変速入力軸
91を左右方向に略水平に軸支させると共に、操向入力
軸87下端に自在継手93を介して入力支点軸94上端
側を連結させ、入力支点軸94に操向入力部材95を固
定させ、変速入力軸91に操向入力部材95を回転自在
に取付けると共に、操向入力部材95に入力連結体96
を着脱自在に固定させ、連係ボルト97によって前記操
向入力部材95と入力連結体96を連結させ、また変速
入力軸91にベアリング95aを介して操向入力部材9
5を回転自在に軸支させ、操向入力部材95を操向入力
軸87回りに回転自在に支持させる。また、前記操向入
力軸87の正逆転によって操向入力部材95を略垂直な
入力軸87芯線回りに正逆転させると共に、前記変速入
力軸91の正逆転によって略水平な左右方向の入力軸9
1芯線回りに入力支点軸94及び操向入力部材95を前
後方向に傾動させるもので、垂直方向の操向入力軸87
芯線と左右水平方向の変速入力軸91芯線とが直角交叉
する交点に自在継手93を取付け、操向ハンドル19の
操向入力軸87正逆転操作により操向入力軸87芯線回
りに操向入力部材95と入力連結体96を正逆転させ
る。
【0016】さらに、前記ステアリングコラム71の下
部前側に主変速軸99を回転自在に軸支させ、左右方向
に略水平に横架させる主変速軸99の左側端をステアリ
ングコラム71の左側外方に突設させると共に、サイド
コラム72下方の機台3に回転自在に設ける中介軸10
0に、リンク101・102並びに長さ調節ターンバッ
クル103付きロッド104を介して主変速軸99を連
結させる。また、図4の如く、レバー支点軸105を介
して機台3に回転自在に支点板106を取付け、支点板
106に筒軸107を介して主変速レバー73基部を左
右方向に揺動自在に取付けると共に、支点板106にリ
ンク108・109を介して中介軸100を連結させ、
主変速レバー73をレバー支点軸105回りに前後方向
に揺動させる変速操作によって主変速軸99を正逆転さ
せる。また、ロッド形主変速部材110及び上連結板1
11及び下リンク112を介して変速入力軸91に主変
速軸99を連結させ、主変速レバー73の主変速軸99
正逆転操作により前記操向入力部材95を変速入力軸9
1芯線回りに前後に傾動させる。
【0017】さらに、筒軸形の操向出力軸113を前記
主変速軸99に回転自在に取付け、リンク形操向出力部
材114を操向出力軸113に固定させると共に、ロッ
ド形操向結合部材115の上端部を前記入力連結体96
に自在継手形操向入力連結部116を介して連結させ、
球関継手形操向出力連結部117を介して操向結合部材
115の下端部を操向出力部材114に連結させ、走行
進路を変更させる操向機構118を構成している。
【0018】さらに、前記操向出力軸113の上方で該
軸113と略平行に変速出力軸119をステアリングコ
ラム71内部に回転自在に軸支させ、リンク形変速出力
部材120を変速出力軸119に固定させると共に、ロ
ッド形変速結合部材121の上端部を前記入力連結体9
6に自在継手形変速入力連結部122を介して連結さ
せ、球関継手形変速出力連結部123を介して変速結合
部材121の下端部を変速出力部材120に連結させ、
走行速度の変更並びに前後進の切換を行う変速機構12
4を構成している。
【0019】さらに、互に回転自在な二重軸構造の内側
の操向操作軸125並びに外側の変速操作軸126をス
テアリングコラム71の下部後側で左右幅中央の軸受部
127に回転自在に取付けるもので、長さ調節自在な球
関継手軸128及び変速リンク129・130を介して
前記変速出力軸119に変速操作軸126上端部を連結
させると共に、長さ調節自在な球関継手軸131及び操
向リンク132・133を介して前記操向出力軸113
に操向操作軸125上端部を連結させる。
【0020】また、前記各操作軸125・126は同一
軸芯上に略垂直にステアリングコラム71底部に立設さ
せ、各操作軸125・126上端部をステアリングコラ
ム71内部に延設させて各出力軸113・119に連結
させると共に、ステアリングコラム71底面下方に各操
作軸125・126下端部を突設させ、前記運転台20
の作業者搭乗ステップ134下面側に各操作軸125・
126下端側を延設させるもので、前記変速部材25の
出力制御軸135に車速制御アーム136を固定させ、
ターンバックル137付き長さ調節自在車速ロッド13
8及び車速リンク139を介して前記変速操作軸126
下端部に車速制御アーム136を連結させ、出力制御軸
135の正逆転操作により第1油圧ポンプ23斜板角調
節を行って第1油圧モータ24の回転数制御及び正逆転
切換を行い、走行速度(車速)の無段階変更並びに前後
進の切換を行う。また、前記操向部材28の出力制御軸
140に操向制御アーム141を固定させ、ターンバッ
クル142付き長さ調節自在旋回ロッド143及び旋回
リンク144を介して操向操作軸125下端部に操向制
御アーム141を連結させ、出力制御軸140の正逆転
操作により第2油圧ポンプ26斜板角調節を行って第2
油圧モータ27の回転数制御及び正逆転切換を行い、操
向角度(旋回半径)の無段階変更並びに左右旋回方向の
切替を行う。
【0021】さらに、前記ステアリングコラム71の右
側外面にアクセルレバー145を前後方向回転自在に設
け、エンジン21にアクセルレバー145を連結させる
アクセルワイヤ146をステアリングコラム71前面内
側に沿わせて下方から延出させ、アクセルレバー145
によってエンジン21回転数を手動調節すると共に、前
記ステアリングコラム71後面にメンテナンス窓147
を開設させ、着脱自在な蓋148によってメンテナンス
窓147を閉鎖している。
【0022】上記のように、変速機構124動作量に比
例させて操向機構118操向量を変化させるもので、高
速側走行変速によって操向量を自動的に拡大させ、かつ
低速側走行変速によって操向量を自動的に縮少させ、操
向ハンドル19の一定量の操作によって走行速度に関係
なく左右走行クローラ2の旋回半径を略一定に維持さ
せ、農作業走行速度の変更並びに作物列などに機体を沿
わせる進路修正などを行わせると共に、逆円錐形の変速
機構124並びに操向機構118を形成し、操向操作に
よって操向入力軸87を回転させて操向入力部材95を
作動させ、例えば旋回させ乍ら走行速度を減速させる動
作を行わせ、変速操作によって変速入力軸91を回転さ
せて操向入力部材95を作動させ、走行変速による旋回
半径の拡大縮少並びに走行変速中立による旋回出力の中
止などの操作を行わせる。
【0023】また、操向入力部材95と操向結合部材1
15を連結させる操向入力連結部116を変速入力軸9
1芯線上に配設させ、変速入力部材96と変速結合部材
121を連結させる変速入力連結部122を、変速入力
軸91芯線と交叉する直線X上に配設させ、操向入力軸
87及び変速入力軸91を中心とする操向入力部材95
の相対的な運動を容易に設定でき、設計及び組立及び構
造の簡略化並びに動作の信頼性向上などを図れると共
に、変速入力軸91芯線と操向入力軸87芯線が交叉す
る軸芯交点Oを中心とする円周C上に、変速入力連結部
122並びに操向入力連結部116を配設させ、操向入
力部材95などの構造の簡略化及びコンパクト化などを
図るもので、変速出力部材120と変速結合部材121
を連結させる変速出力連結部123と、操向出力部材1
14と操向結合部材115を連結させる操向出力連結部
117を、操向入力軸87芯線上に配設させ、前進時と
後進時の変速切換による逆ハンドル現像を防止し、変速
出力部材120及び操向出力部材114の設計及び組立
及び構造の簡略化並びに動作の信頼性向上などを図ると
共に、変速入力軸91と操向入力軸87の軸芯交点Oに
対する変速出力連結部123の距離と、操向出力連結部
117の距離を異ならせ、変速出力連結部123と操向
出力連結部117を同一直線D上で離間させることによ
って各連結部117・123の干渉防止並びに移動範囲
の設定などを容易に行え、変速結合部材121及び操向
結合部材115を狭少場所に設置できるように構成して
いる。
【0024】また、変速入力連結部116と、操向入力
連結部122を、変速入力軸91と操向入力軸87の軸
芯交点Oを中心とする円周C上で約90度離間させ、変
速入力軸91の回転によって操向入力連結部116を一
定位置に維持させかつ変速入力連結部122の変位量を
最大にして走行変速を行わせると共に、前記各入力連結
部116・122を移動させる平面上に変速入力軸91
を配置させる構造で各連結部116・122の移動量を
容易に確保し、コンパクトで機能的に操向入力部材95
を配置させるもので、操向入力軸87回りに約90度の
範囲内で変速入力連結部122及び操向入力連結部11
6を移動させ、前後進切換による逆ハンドル現像の防止
並びに各入力連結部116・122の移動量の確保と共
に、操向入力軸87を回転させる操向角度に応じて変速
入力連結部122を減速方向に移動させる動作と、旋回
内側の走行クローラ2を逆転させるスピンターン動作を
容易に行わせ、コンパクトな構造で機能的に構成してい
る。また、前記スピンターン動作は、操向部材28の出
力により差動機構33を介して左右走行クローラ2の一
方を正転させかつもう一方を逆転させ、左右走行クロー
ラ2の前後及び左右中心点回りに旋回させる動作であ
り、前後進走行と旋回とが同時に行われて前後進出力で
ある変速部材25の回転と旋回出力である操向部材28
の回転の割合により旋回半径が決定される。さらに、変
速出力軸119及び操向出力軸113を変速入力軸91
と略平行に設け、前記各出力軸113・119を複数に
分割自在なケースを形成するコラム71に高精度で軸支
させると共に、変速入力軸91並びに前記各出力軸11
3・119を左右方向に延設させることによって機体前
後方向の連結構造を容易に得られ、主変速レバー73と
変速入力軸91の連結、並びに変速部材25及び操向部
材28と前記出力軸113・119との連結を容易に行
え、操作構造の簡略化並びに取扱い性向上などを図れる
ように構成している。
【0025】さらに、図12に示す如く、前記旋回ロッ
ド143中間部に伸縮ダンパ149を設け、操向ハンド
ル19の操向操作による押し方向と引き方向の双方向で
前記ロッド143に一定以上の押引力が作用したとき、
即ち、操向ハンドル19の切角116度(85パーセン
ト)操作により、操向制御アーム141が最高出力位置
に移動したとき、前記ダンパ149が圧縮してロッド1
43を伸縮させ、第2油圧ポンプ26を最高出力維持し
た状態で操向ハンドル19をさらに旋回方向に回転操作
させ、操向ハンドル19を切角116度から切角135
度まで操作するように構成している。
【0026】さらに、図12に示す如く、前記車速制御
アーム136にピン150を固定させ、前記ピン150
を摺動自在に貫挿させる長孔151を前記車速ロッド1
38端部に形成し、車速ロッド138を車速制御アーム
136に長孔151及びピン150を介して連結させ、
前記アーム136が中立で主変速レバー73が中立操作
位置のときに前記長孔151の長手方向の略中央にピン
150を位置させ、前記ロッド138の押引による前後
進変速の両方に略等しいストロークがピン150に対し
て形成され、前後進変速の両方で前記アーム136が略
対称(正逆転)動作を行うように構成している。
【0027】そして、中立位置の主変速レバー73を変
速操作して変速開始位置に移動させることにより、車速
ロッド138の押引によって長孔151の長手方向端部
にピン150が当接し、主変速レバー73と車速制御ア
ーム136が連結させると共に、主変速レバー73をさ
らに変速操作して変速部材25の最高出力位置までの間
に傾倒支持させることにより、中立位置の車速制御アー
ム136を最高出力位置までの変速ゾーンに主変速レバ
ー73操作量に比例させて移動させ、変速部材25の第
1油圧モータ24を無段階に変速出力させ、左右走行ク
ローラ2を等速度で同一方向に駆動して前後進させるよ
うに構成している。
【0028】さらに、操向ハンドル19の切角15度以
内の操向操作によって機体中心速度を略一定に保って進
路を修正する。また、操向ハンドル19をさらに操向操
作して操向部材28の最高出力位置までの操向ハンドル
19切角116度間で回転させることにより、操向ハン
ドル19回転角度に比例して操向制御アーム141を最
高出力位置までの間で移動させ、操向部材28の第2油
圧モータ27を無段階に変速出力させ、左右走行クロー
ラ2の速度差を無段階に変更させると共に、操向ハンド
ル19回転角度に比例して車速ロッド138及び車速制
御アーム136を変速中立方向に復動させ、左右走行ク
ローラ2の走行速度を無段階に減速させ、操向ハンドル
19切角を大きくすることにより、旋回半径が小さくな
り、走行速度が遅くなり、左右旋回動作が行われる。ま
た、切角116度の操向ハンドル19をさらに操向操作
してスピンターンゾーン内を切角135度の最大操向位
置までの間に回転させることにより、ダンパ149の伸
縮吸収動作によって旋回ロッド143(連結長さ)を伸
縮させ、操向制御アーム141を最高出力位置に維持し
た状態で、車速ロッド138及び車速制御アーム136
をさらに変速中立方向に復動させ、左右走行クローラ2
の左右幅中間に形成される旋回中心回りに方向転換する
スピンターン動作が行われるように構成している。
【0029】さらに、図11、図13、図14に示す如
く、前記変速出力軸119に筒形の減速出力軸152と
直結出力軸153を回転自在に軸支させ、減速出力軸1
52に変速出力部材120を固定させ、また変速出力軸
119にボス154を介して変速リンク129を固定さ
せると共に、前記主変速軸99にボス155を介して直
結入力リンク156を固定させ、前記直結出力軸153
に直結出力リンク157を固定させ、入力リンク156
の軸158に設けるローラ159を出力リンク157の
長孔160に摺動自在に嵌入させ、各リンク156・1
57を介して主変速軸99に直結出力軸153を連結さ
せ、各軸99・153を連動回転させる。
【0030】また、前記変速出力軸119の中空にクラ
ッチ軸161を出入自在に挿入させ、変速出力軸119
に係止させるクラッチピン162をクラッチ軸161挿
入端部に固定させると共に、前記クラッチピン162を
係脱自在に係止させるノッチ163・164を前記減速
出力軸152及び直結出力軸153に夫々形成し、クラ
ッチ軸161出入操作によりクラッチピン162及びノ
ッチ163・164を介して減速出力軸152または直
結出力軸153のいずれか一方を変速出力軸119に択
一的に連結させる。また、バネ165によって位置決め
ボール166を係脱自在に係入させる位置決め溝167
・168を前記クラッチ軸161に設け、前記ボール1
66と各溝167・168のいずれかの係止によって各
出力軸152・153の各ノッチ163・164のいず
れかにクラッチピン162を係合維持させる。
【0031】また、前記クラッチ軸161の突出端に緩
衝部材であるクラッチ操作バネ165の一端側を係合連
結させ、前記ステアリングコラム71左外側の支軸16
6に前記バネ165中間の巻回部を支持させ、スピンタ
ーンオンオフ機構167を形成する減速機付電動スピン
ターンモータ168のモータ軸169に揺動アーム17
0を固定させ、該アーム170先端の係合軸171に前
記バネ165の他端側を連結させ、スピンターンモータ
168の正逆駆動によってバネ165を介してクラッチ
軸161を出入動作させ、クラッチピン162を減速側
のノッチ163或いは直結側のノッチ164に択一係合
させるように構成している。
【0032】さらに、図15、図16、図17に示す如
く、主変速レバー73の操作量が一定のとき、操向ハン
ドル19操向操作に対して変速部材25の変速出力回転
数を比例して変化させ、図23に示す如く、副変速レバ
ー74が一定位置で副変速が同一速度に保たれていると
き、直進位置の操向ハンドル19を左方向(右方向)に
約15度回転させる刈取り進路修正範囲では、操向ハン
ドル19の回転に対して変速部材25が減速方向に微少
動作し、変速部材25が直進と略同一出力状態に維持さ
れると共に、操向部材28の第2油圧ポンプ26によっ
て第2油圧モータ27を正転(逆転)させる操向出力に
よって左方向(右方向)に旋回させ、未刈り穀稈(作
物)列の湾曲に合せる進路修正を行う。このとき、旋回
内側の走行クローラ2の減速量と、旋回外側の走行クロ
ーラ2の増速量が略等しくなり、機体中心速度が直進と
略同一速度に保たれる。また、操向ハンドル19を直進
位置から15度以上回転させると、操向ハンドル19の
回転に比例して変速部材25が減速方向に動作し、変速
部材25が左旋回及び右旋回のいずれでも減速動作し、
第1油圧ポンプ23及びモータ24の走行変速出力を減
速させ、左右走行クローラ2を同一方向に回転駆動させ
て前進(または後進)させ、左右走行クローラ2の走行
速度差により左方向(右方向)に旋回するブレーキター
ン動作を行わせ、未刈り穀稈(作物)列から外れたとき
に元の列に戻したり隣の列に移動させる進路修正を行
う。さらに、操向ハンドル19を約116度回転させる
と、旋回部材28が最大出力になって旋回出力が最高出
力維持され、135度の切角範囲で機体中心速度が直進
時の約4分の1に減速され、旋回内側の走行クローラ2
が逆転駆動され、左右走行クローラ2の間の旋回中心回
りに機体が旋回するスピンターン動作が行われ、左右走
行クローラ2の左右幅だけ旋回方向にずらせて機体を1
80度方向転換させるもので、ハンドル切角0度からハ
ンドル切角135度の範囲で操向ハンドル19を回転さ
せて左または右方向の旋回操作を行い、直進位置を中心
とした左右15度のハンドル19回転範囲で未刈り穀稈
(作物)列に沿って移動する条合せ進路修正を、直進時
の走行速度を維持し乍ら行うと共に、左右116度乃至
135度のハンドル19回転により、旋回部材28を最
高出力維持し乍ら、圃場枕地で機体を方向転換させて次
作業工程に移動させるスピンターン動作を、直進時の約
4分の1の走行速度(減速率25パーセント)に自動的
に減速して行う。
【0033】また、上記の前進または後進走行させて旋
回するとき、スピンターン動作に移行するまでの間で、
旋回内側走行クローラ2の速度Viと旋回外側走行クロ
ーラ2の速度Voとの比を、操向ハンドル19回転角度
が一定のとき、主変速レバー73操作によって車速が変
更されても一定に保ち、主変速レバー73の車速変更に
対して旋回半径Rを一定に保つもので、図17に示す如
く、副変速レバー74を操作して副変速機構32を高速
または標準(刈取作業)または低速に切換えたとき、左
右走行クローラ2の速度差が略一定に保たれて車速が変
更され、車速の変更にともなって左右走行クローラ2の
旋回半径Rも変化する。
【0034】さらに、図3に示す強制デファレンシャル
方式では、機体の前後進操作を行う主変速レバー73と
旋回操作を行うハンドル19からの出力を、直接直進用
静油圧駆動変速部材25(以下直進用HSTと称す)の
車速制御アーム136と、操向部材28(以下旋回用H
STと称す)の操向制御アーム141に連結する旋回シ
ステムを採用すると、前進時と後進時で逆ハンドル操作
となる不具合、並びにハンドル19切れ角に変化がなく
ても車速を変化させると旋回半径が異なる不具合、並び
に車速が速くなるとスピンターンしずらい不具合が生
じ、旋回操作が困難である。
【0035】上記の問題を解決するためには、ハンドル
19切れ角一定で車速を変化させても左右のクローラ2
の速度比を一定に保つこと、及びハンドル19切れ角に
応じて車体中心速度を自動的に減速させることが必要で
あり、旋回システムに図5乃至図11に示す円錐リンク
機構118・124を付加することで、これらの問題を
解決したもので、多くの特長を布しながら操作性が悪い
ため使用が難しかった強制デファレンシャル方式動力伝
達機構の搭載を容易にした。
【0036】図18は、円錐リンク形機構118・12
4の旋回システムへの取り付け状態を示すもので、主変
速レバー73の出力ロッドである主変速部材110とハ
ンドル19の出力ロッドである操向入力軸87を、円錐
リンク機構である変速機構124と操向機構118に接
続し、円錐リンク形機構118・124にて双方の出力
を演算した後、各HST25・28の制御アーム136
・141へと連結する。また、図19は、円錐リンク形
機構118・124の機構と、主変速レバー73の出力
ロッドである変速入力軸91並びにハンドル19の操向
入力軸87並びに各HST25・28の制御アーム13
6・141の連結状態を示すもので、主変速レバー73
は停止(中立)位置、ハンドル19は直進位置である。
主変速レバー73の動きは、図5の円周Cで形成される
機構118・124の円錐底面の傾きの変化となる一
方、ハンドル19の切れ角の変化は、前記機構118・
124の円錐の底円の回転に変換される。点A(連結部
116)、点B(連結部122)は常に底円上に位置
し、∠AOBは常に90度である。点A(連結部11
6)とロッド(結合部材115)で連結された点P(連
結部117)は円錐の頂点に位置し、点P(連結部11
7)の垂線PO(直線D)上での動きが旋回用HST2
8の制御アーム141の動きに連動する。点B(連結部
122)とロッド(結合部材121)で連結された点Q
(連結部123)はもうひとつの円錐の頂点に位置し、
点Q(連結部123)の垂線PO(直線D)上での動き
が直進用HST25の制御アーム136の動きに連動す
る。
【0037】また、車輌が停止状態にあるとき、円錐リ
ンク形機構118・124は図20の状態にある。この
状態から、ハンドル19を右旋回方向である矢印方向へ
とストロークエンドまで切ると、円錐底円上の点A(連
結部116)並びに点B(連結部122)は、相対角度
90度を保ちながら図21の状態に移動する。このとき
円錐の頂点から底円までの距離は等しいために、点P
(連結部117)及び点Q(連結部123)は移動しな
い。つまり直進用HST25と旋回用HST28の制御
アーム136・141はニュートラル位置から動かな
い。したがって、主変速レバー73が停止状態にあれば
ハンドル19を操作しても、車輌は旋回しない。
【0038】次に、図20の車輌停止状態から主変速レ
バー73を前進方向へ倒すと、図22に示すように円錐
の底面が傾き、点B(連結部122)は主変速レバー7
3の動きに同期して移動する。ロッド長(BQ)は一定
であるから、点Q(連結部123)は円錐の垂線PO
(直線D)上を左方向へと移動する。これに伴い、直進
用HST25の制御アーム136は前進側Fへと移動す
る。底円上のもう一つの点A(連結部116)は、底面
の回動軸中心上に位置しているので移動しない。このた
め点P(連結部117)は移動せず、旋回用HST28
の制御アーム141はニュートラル位置Nから移動しな
い。以上のことより、主変速レバー73を操作しても旋
回用HST28のモータ27は回転せず、直進用HST
25のモータ24のみ回転するために、確実に前進速度
だけ変化させることができる。
【0039】図22の直進状態からハンドル19を右へ
切ると、図23に示す位置まで点A(連結部116)並
びに点B(連結部122)は移動する。まず点A(連結
部116)は、傾いた底円Cに沿って移動し、それにつ
れて円錐の頂点P(連結部117)は垂線D上を右へと
移動する。このため旋回用HST28の制御アーム14
1は「α」側へと移動する。次に点B(連結部122)
は、∠AOBが90度に保持されているので底円C上を
移動し、それにつれて直進用HST25の制御アーム1
36は前進側Fの位置からニュートラル方向へ戻され
る。以上のことより、直進状態でハンドル19を右へ切
ると、車速はハンドル19切れ角に応じて自動的に減速
されながら、車輌は右方向へと旋回する。このとき旋回
用HST28の制御アーム141の傾転方向は「α」方
向である。
【0040】また、前記ハンドルを図20または図22
直進状態に戻して、主変速レバー73を後進方向へ操作
すると、点B(連結部122)は、図24のように移動
する。それに伴い直進用HST25の制御アーム136
は、後進側Rへ移動するが、旋回用HST28の制御ア
ーム141は図22の説明と同様にニュートラル位置か
ら動かず旋回用HST28のモータ27は回転せず後進
速度だけを確実に変化させることができる。
【0041】後進状態から図23の直進時と同様にハン
ドルを右へと操作すると、点A(連結部116)並びに
点B(連結部122)は図25に示す位置へ移動する。
点A(連結部116)は傾いた底円Cに沿って前進時と
逆方向へ移動し、それにつれて垂線D上の点P(連結部
117)は図中の左方向へと移動する。すなわち旋回用
HST28の制御アームは「β」側へと移動する。図2
4の前進時と同様に点B(連結部122)は∠AOBが
90度に保持されているので、点B(連結部122)の
動きに伴い点Q(連結部123)は図中の左方向へと移
動し、直進用HST25の制御アーム136は後進側R
位置からニュートラル方向へと戻される。以上のことか
ら後進状態においても、ハンドル19切れ角に応じて自
動減速されながら旋回する。ただし、前進時と違って旋
回用HST28の傾転方向は「β」側となっている。こ
のことにより、前進時と後進時で旋回方向が逆転してし
まう問題が解消される。
【0042】さらに、ホイールトラクタ(四輪車輌)の
ように車速の変化にかかわらずハンドルの切れ角の変化
に応じて旋回半径を変化させるためには、第1報で報告
したように所定のハンドル切れ角における外側履帯速度
Voと内側履帯速度Viの比が一定でなければならな
い。図26は、円錐リンク形機構118・124の各系
列の移動状態を示すもので、直進系の円錐頂点Q(連結
部123)の直進系ニュートラル位置からの変化量をΔ
Q、旋回系の円錐頂点P(連結部117)の旋回系ニュ
ートラル位置からの変化量をΔPとする。ΔQとΔP
は、直接直進用と旋回用HST25・28の制御アーム
136・141の移動量に比例しているので、ΔQの値
が直進用HST25のモータ24の回転数Nの変化に
比例し、ΔPの値が旋回用HST28のモータ27の回
転数Nの変化に比例する。また図27においてプラネ
タリギヤ37単列時の遊星ギヤ35回転数の関係式はサ
ンギヤ36の回転数をns、リングギヤ38の回転数
をnr、プラネタリギヤ37の回転数をncとする
とn r+ρns=(1+ρ)nc で表される。ここでρは遊星ギヤ35部のサンギヤ36
とリングギヤ38の歯数の比(Zs/Zr)である。前
記の式より が成り立つ。よってプラネタリギヤ37の回転数nc
はρnsとnr、すなわち各HST25・28のモ
ータ24・27出力回転数N、Nに比例する。
【0043】旋回時の外側クローラ2側のプラネタリギ
ヤ37にはNRに比例した回転がプラスされ、内側クロ
ーラ2側のそれにはマイナスされるため、外側クローラ
2速度、内側クローラ2速度には、 Voα(N+N) Viα(N−N) Voα(ΔQ+ΔP) Viα(ΔQ−ΔP) の関係が成り立つ。ここでΔQ/ΔP=Kとおくと旋回
半径一定の条件は、 となる。
【0044】前記式より、Kの値が所定値であれば車輌
は車速の変化にかかわらず所定の旋回半径に保持され
る。
【0045】図26の中で、主変速レバー73の傾転角
に比例する円錐の底円Cの傾き角をθa、ハンドル19
切れ角に比例する底円Cの回動角をθb、底円Cの半径
をRa、直進系のロッド121長をLt、旋回系のロッ
ド115長をLsとすると、ΔQ、ΔPは次式で表され
る。 よって となる。
【0046】円錐リンク形機構118・124の諸元
を、Ra=55mm、Lt=160mm、Ls=254
mm、として構成したとき、ハンドル19の切れ角であ
るθbの値を設定した角度0〜71゜の間で所定の値に
固定して、主変速レバー73の傾転角θaの値を0〜2
6゜の間で増加させていくと、ハンドル19切れ角にお
けるKの値の最大値を100としたときのKの変化率
は、約8%の範囲の中に収まり、実用上の旋回半径一定
が実現した。なお、前記のLt、Lsの値は、長ければ
長い程、Kの値が一定に近づき、Kの変化率は0%に近
くなる。
【0047】上記から明らかなように、履帯である走行
クローラ2を駆動する直進用無段変速機構である変速部
材25と、走行クローラ2を駆動する旋回用無段変速機
構である操向部材28と、直進用及び旋回用の各駆動力
を左右の走行クローラ2に伝える遊星ギヤ機構35を設
ける履帯車輌において、操向ハンドル19の操作位置が
略一定のとき、車速が変化しても、直進用無段変速部材
25の制御量と、旋回用無段変速操向部材28の制御量
との比が略一定になるように、直進用主変速レバー73
を直進用無段変速部材25に連結させる直進操作機構で
ある変速機構124と、操向ハンドル19を旋回用無段
変速操向部材28に連結させる旋回操作機構である操向
機構118を構成し、車速の変更に伴って旋回半径が変
化する不具合をなくし、理論的旋回半径一定が具現化
し、走行及び旋回機能を得る操作系を全てメカニカルに
構成し、四輪車輌の運転感覚の操作性を実現させたもの
で、円錐の頂点から底円までの距離は等しいという原理
を基に、円錐の底面の傾きを前後進用主変速レバー73
の傾転操作と連動させ、ハンドル19の切れ角を底円の
回転に変換させる円錐リンク形機構118・124を構
成し、走行クローラ車輌を自動車と同様に違和感なく旋
回操作させ、例えばコンバインの収穫作業などの作業効
率を向上するスピンターンも、どの速度域でも可能にす
ることができ、車輌の基本性能である「走る」「曲が
る」という機能の操作系を全てメカニカルに構成し、信
頼性を高められ、コンバインのみならず履帯車輌全般に
自動車感覚の操作性を実現できる。
【0048】
【発明の効果】以上実施例から明らかなように本発明
は、履帯2を駆動する直進用無段変速機構25と、履帯
2を駆動する旋回用無段変速機構28と、直進用及び旋
回用の各駆動力を左右の履帯2に伝えるギヤ機構35を
設ける履帯車輌において、操向ハンドル19の操作位置
が略一定のとき、車速が変化しても、直進用無段変速機
構25の制御量と、旋回用無段変速機構28の制御量と
の比が略一定になるように、直進変速レバー73を直進
用無段変速機構25に連結させる直進操作機構124
と、操向ハンドル19を旋回用無段変速機構28に連結
させる旋回操作機構118を構成したもので、車速の変
更に伴って旋回半径が変化する不具合をなくし、理論的
旋回半径一定が具現化でき、走行及び旋回機能を得る操
作系を全てメカニカルに構成でき、四輪車輌の運転感覚
の操作性を容易に実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの全体側面図。
【図2】コンバインの全体平面図。
【図3】ミッション駆動系の説明図。
【図4】走行変速及び操向操作部の説明斜視図。
【図5】同部の作動説明図。
【図6】ステアリングコラムの側面図。
【図7】同上部拡大側面図。
【図8】同下部拡大側面図。
【図9】ステアリングコラムの正面図。
【図10】同上部拡大正面図。
【図11】同下部拡大正面図。
【図12】図4の平面説明図。
【図13】図11の部分拡大断面図。
【図14】前回の分解説明図。
【図15】左右走行クローラの旋回説明図。
【図16】操向及び主変速切換と走行クローラ回転の関
係を示す出力線図。
【図17】操向及び副変速切換と走行クローラ回転の関
係を示す出力線図。
【図18】走行変速及び旋回駆動説明図。
【図19】走行変速及び旋回操作説明図。
【図20】停止及び直進状態図。
【図21】停止状態での旋回操作説明図。
【図22】前進操作説明図。
【図23】前進及び右旋回操作説明図。
【図24】後進操作説明図。
【図25】後進及び右旋回操作説明図。
【図26】旋回及び走行変速操作出力説明図。
【図27】走行クローラの走行変速及び旋回駆動説明
図。
【符号の説明】
2 走行クローラ(履帯) 19 操向ハンドル 25 変速部材(直進用無段変速機構) 28 操向部材(旋回用無段変速機構) 35 遊星ギヤ機構 73 主変速レバー(直進変速レバー) 118 操向機構(旋回操作機構) 124 変速機構(直進操作機構)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60K 20/02 B60K 20/02 H B62D 55/06 B62D 55/06 F16H 61/42 F16H 61/42 B Fターム(参考) 2B043 AA03 AB08 BA02 BA05 BB01 BB14 DA04 DB02 DC01 2B076 AA03 BA07 CC02 CD02 DA02 DB08 DC01 DD02 3D040 AA01 AB04 AB08 AC24 AC27 AC41 AC50 AD15 AE11 AF07 3D052 AA06 EE01 FF02 GG03 HH01 3J053 AB02 AB03 AB32 DA22 DA23 EA11 FC01

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 履帯を駆動する直進用無段変速機構と、
    履帯を駆動する旋回用無段変速機構と、直進用及び旋回
    用の各駆動力を左右の履帯に伝えるギヤ機構を設ける履
    帯車輌において、操向ハンドルの操作位置が略一定のと
    き、車速が変化しても、直進用無段変速機構の制御量
    と、旋回用無段変速機構の制御量との比が略一定になる
    ように、直進変速レバーを直進用無段変速機構に連結さ
    せる直進操作機構と、操向ハンドルを旋回用無段変速機
    構に連結させる旋回操作機構を構成したことを特徴とす
    る履帯車輌。
JP2001078105A 2001-03-19 2001-03-19 履帯車輌 Pending JP2002274421A (ja)

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