JP2002273489A - 液状有機性廃棄物の処理方法およびそのシステム - Google Patents
液状有機性廃棄物の処理方法およびそのシステムInfo
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Abstract
られるメタンガスの濃度を高めることができるととも
に、回収した窒素分を付加価値の高い有用な物質として
固定化できる廃水の処理方法を提供する。 【解決手段】 液状有機性廃棄物に含まれる炭素分を回
収除去するメタン発酵工程、および、該廃棄物に含まれ
るアンモニア成分を回収除去するアンモニアストリッピ
ング工程、を含む処理方法であって、回収したアンモニ
ア成分を含むアンモニア水と、該メタン発酵工程で発生
する二酸化炭素とを反応させて、炭酸アンモニウムもし
くは炭酸水素アンモニウム又はそれらの両方として回収
することを特徴とする液状有機性廃棄物の処理方法、並
びに液状有機性廃棄物の処理システム。
Description
泥,下水汚泥,および家畜糞尿などを広く含む液状有機
性廃棄物の処理方法に関し、さらに詳しくは、廃水を効
果的に処理することで、種々の化合物を有効に資源とし
て回収できる液状有機性廃棄物の処理方法およびそのシ
ステムに関する。
クルが行われてきており、液状有機性廃棄物の処理にお
いても、単に無害化して廃棄するのではなく、エネルギ
ー源として回収すること、あるいは、再生物として回収
して循環使用すること、などが推進されてきている。炭
素化合物に関しても、例えばメタン発酵やコンポスト処
理によって、エネルギー回収や再生物の循環利用が可能
となっている。
的処理により無害な窒素ガスとして除去されるものの、
資源としての回収は未だ十分に実施されているとは言え
ない状況である。例えば、硝化脱窒素処理を用いた有機
性廃水処理においては、有機性廃水の流れに対して、前
段に脱窒素槽を設け、後段に硝化槽を設けた装置を用
い、微生物の作用によって廃水中の汚濁成分を分解す
る。処理対象である液状有機性廃棄物には、炭素源であ
るBOD成分、アンモニアや有機性窒素を含む窒素成分
(T−N)などが含まれている。このような硝化脱窒処
理を用いる従来の有機性廃水処理では、窒素分を窒素ガ
ス(N2)として大気中に放出しており、よって、この
方法では窒素の再利用は考慮されていなかった。
中に高濃度に含まれる窒素化合物を資源(窒素肥料等)
として回収できる処理システムとして、通常の生物処理
の前段にアンモニアストリッピングを行い、高濃度に含
まれる窒素分をアンモニアとして回収する方法等が考え
られている。液状有機性物質を処理する方法において
は、通常のメタン発酵を行った際にはアンモニアが残留
しているので、その回収としてアンモニアストリッピン
グ法を用いることができる。これによって、メタン発酵
の阻害物質である窒素成分について、アンモニアとして
回収できる。しかしながら、アンモニアストリッピング
によって回収したアンモニアを含む溶液の利用価値は高
くないので、有効な廃棄物処理システムとは言えない。
物質を処理する方法として、炭素源の資源循環回収には
有効な技術である。ところが、メタン発酵した場合、得
られるガス中の成分にはメタンガス(CH4)50〜70%
とともに、通常は二酸化炭素(CO2)が30〜50%程度
含まれている。このことから、メタン発酵によって得ら
れるガスについては、都市ガス等に比べて用途が限定さ
れており、発電機等において都市ガス等と同様に用いる
ことができないという問題があった。
題点に鑑み、有機性廃水の処理において、得られるメタ
ンガスの濃度を高めることができるとともに、回収した
窒素分であるアンモニアを付加価値の高い有用な物質と
して固定化できる廃水の処理方法を開発すべく、鋭意検
討した。その結果、本発明者らは、アンモニアストリッ
ピング処理およびメタン発酵によって得られた回収物で
ある、バイオガスとアンモニア水とを反応させ、炭酸ア
ンモニウムもしくは炭酸水素アンモニウムとして回収す
ることによって、かかる問題点が解決されることを見い
出した。本発明は、かかる見地より完成されたものであ
る。
機性廃水に含まれる炭素分を回収除去するメタン発酵工
程、および、該廃棄物に含まれるアンモニア成分を回収
除去するアンモニアストリッピング工程、を含む有機性
廃水の処理方法であって、回収したアンモニア成分を含
むアンモニア水と、該メタン発酵工程で発生する二酸化
炭素とを反応させて、炭酸アンモニウムもしくは炭酸水
素アンモニウム又はそれらの両方として回収することを
特徴とする有機性廃水の処理方法を提供するものであ
る。本発明において、アンモニアストリッピング工程と
メタン発酵工程とはどのような順序で行われる場合にも
実施することが可能であり、何ら限定されるものではな
いが、アンモニアストリッピング工程の前段で、メタン
発酵工程を行う態様が好適に挙げられる。また、前記メ
タン発酵工程を経て得られた消化液については、直接、
前記アンモニアストリッピング工程を行うことができる
他、固液分離した後に該ストリッピング工程を行うこと
もできる。
により上記廃棄物からバイオガス(主成分はメタン、二
酸化炭素)が得られる。ここで、メタン発酵工程の直後
で得られるバイオガスには、メタン(CH4)約50〜70
%、および二酸化炭素(CO2)約30〜50%程度が含ま
れている。
は、アンモニアがアンモニア水として回収される。よっ
て、上記両工程で得られたアンモニア水とバイオガス
を、反応容器あるいは反応塔で接触させて、下式(1)
又は(2)の化学反応によって、有価物であり用途も広
い炭酸アンモニウム溶液を生成する。 2NH4OH + H2CO3 → (NH4)2CO3 + 2H2O ・・・(1) NH4OH + H2CO3 → (NH4)HCO3 + H2O ・・・(2) そして、このバイオガス中の二酸化炭素の上記反応によ
って、ガス中から二酸化炭素成分が減少し、一方のメタ
ン成分の濃度が上昇して、高濃度メタンを有するガスに
変換される。
れる炭素分を回収除去するメタン発酵手段と、有機性廃
水に含まれるアンモニア成分を回収除去するアンモニア
ストリッピング手段と、回収したアンモニア成分を含む
アンモニア水を該メタン発酵手段で得られた二酸化炭素
と反応させる反応塔と、を備えていることを特徴とする
液状有機性廃棄物の処理システムを提供するものであ
る。ここで反応塔としては、アンモニウムを含む溶液中
に、二酸化炭素を含むバイオガスを曝気することにより
炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウムを生成する
反応容器が好適に挙げられる。
槽汚泥、家畜糞尿等の高濃度窒素を含んだ液状有機性廃
棄物が挙げられる。本発明によれば、バイオガス回収と
ともに発生した二酸化炭素の大気への放出量を低減し、
有用な化学物質として固定化でき、資源の有効利用を図
ることができる。また、バイオガス中の二酸化炭素濃度
が低減し、メタン濃度が高くなるため、得られるガスの
単位容積当たりの発熱量が増加し、発電熱回収等の効率
が向上する。さらに、炭酸アンモニウム溶液は冷却等を
実施することにより、粒子として得ることもできる。
棄物の処理方法について、添付図面を参照しながら、そ
の具体的な実施形態を詳細に説明する。実施の形態(そ
の1)は廃棄物の処理システム全体に関するものであ
り、実施の形態(その2)(その3)(その4)は処理
システム中の反応塔に好適に用いられる装置に関するも
のである。
処理方法の一例について、説明する。本実施の形態で
は、最初に廃水をバイオガスと消化液にするために、メ
タン発酵(炭素分回収)の後、得られる液についてアン
モニアストリッピング(窒素分回収)処理を行う。この
ように本処理方法では、先ず、液状有機性廃棄物をメタ
ン発酵工程に送る。メタン発酵1では、廃水中に含まれ
る炭素分を処理する。得られるバイオガス(発酵ガス)
は、主成分のメタン(CH4)が約50〜70%、二酸化炭
素(CO2)が約30〜50%程度である。このメタン発酵
1で得られたバイオガスは、そのまま発電設備等5のエ
ネルギー利用設備に供給されてもよいが、本実施の形態
ではその一部あるいは全部が反応容器・反応塔4に送ら
れる。
は、固液分離2工程に送られて、アンモニアを含む溶液
と脱水汚泥とに分離される。メタン発酵後段の消化液処
理として、アンモニアを含む溶液は、アンモニア成分を
回収除去するアンモニアストリッピング3工程に送られ
る。アンモニアストリッピングにおいては、窒素化合物
をアンモニアの形態のままで回収する。アンモニア回収
は、通常10〜20%のアンモニア水として回収され
る。ここで、アンモニアストリッピング処理は例えば蒸
留塔によって実施可能であり、この蒸留塔(アンモニア
ストリッパ)では、複数段に亘る棚状の段に高温の水蒸
気を下部から通し、上部から導入される固液分離後の消
化液と接触させる。この接触により、塔の下部からは排
液が回収され、上部からはアンモニアを含む水蒸気が回
収できる。この水蒸気を凝縮させることによって、アン
モニア水が得られる。
したアンモニア成分を含むアンモニア水は、反応容器・
反応塔4に送られて、上記メタン発酵工程で発生したバ
イオガスを混合される。バイオガス中には二酸化炭素が
含まれているので、下記(1)又は(2)式に従い、炭
酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウムが生成する。 2NH4OH + H2CO3 → (NH4)2CO3 + 2H2O ・・・(1) NH4OH + H2CO3 → (NH4)HCO3 + H2O ・・・(2) このバイオガス中の二酸化炭素の反応によって、二酸化
炭素成分は減少する。そして、バイオガス中のメタン成
分の濃度が上昇して、高濃度メタンを有するガス(高メ
タンガス)が得られる。
ニウムは、通常、溶液の形態で取り出すことができる
が、反応塔の種類によっては沈殿後の粒子として取り出
すこともできる。このような炭酸アンモニウム、炭酸水
素アンモニウムは有価物であり、用途も広いので極めて
付加価値が高く、有用である。
れる二酸化炭素を除去することで、メタン濃度を高めた
高濃度メタンガスを得ることができる。また、アンモニ
ア水についても炭酸アンモニウムにすることで、利用価
値を高めることができる。なお、本実施の形態では、メ
タン発酵の後段でアンモニアストリッピング処理を行っ
たが、これ以外に、アンモニアストリッピングの後段で
メタン発酵を行う態様もあり得る。メタン発酵において
は、アンモニアがメタン発生の阻害物質となり得ること
から、アンモニアストリッピング後にメタン発酵処理す
ることによって、メタンの回収効率が向上を図れる。
と、二酸化炭素を含むバイオガスとを反応させるのに好
適な反応容器である、水槽吹き込み式反応塔4の一例を
示す。本実施の形態では、先ず、アンモニアストリッピ
ング工程によって得られたアンモニアと水蒸気を含む回
収分を、冷却装置6を経て冷却することによって、アン
モニア水にする。ここで、冷却装置6内における冷却管
には、例えば処理対象液等を循環させることが効率的で
ある。このアンモニア水は、反応塔4に供給される。
イオガスについては、反応塔4下部に設けられたガス導
入管7に導かれて、管に設けられた穴からバブリングガ
ス(メタンガスと二酸化炭素)として溶液中に放出され
る。本実施の形態では、ガスの供給は、原則として連続
的に行われる。ガス中にはメタンと二酸化炭素とが存在
するが、メタンは水に不溶解であるのに対して、二酸化
炭素は水に溶解するという特性から、回収したアンモニ
ア水を入れたタンクにバブリングさせることによって、
炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムを生成させ
る。上記反応塔4内には溶液が満たされており、この溶
液内でアンモニア成分と二酸化炭素が反応して、炭酸ア
ンモニウム、炭酸水素アンモニウムを生成する。炭酸ア
ンモニウムは水中に溶解するので、炭酸アンモニウム、
炭酸水素アンモニウム溶液として、反応塔から連続的あ
るいは不連続的に排出される。また、バイオガス中のメ
タンガスについては、溶液中で反応しないため、反応塔
4内上部の空間に貯まり、塔上部に設けられた排出管か
ら高濃度メタンガスとして系外に放出される。ここで、
高濃度メタンガスの濃度は、通常80vol%以上であ
る。このような本実施の形態の装置によれば、発電等の
原料として有用な高濃度メタンガスが得られるととも
に、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウムを水溶液
として得ることができる。
と、二酸化炭素を含むバイオガスとを反応させるのに好
適な反応容器である、気液接触式反応塔4の一例を示
す。本実施の形態では、上記本実施の形態(その2)と
同様に、冷却装置6を経てアンモニア成分をアンモニア
水にする。このアンモニア水を、反応塔4内上部に設け
られた液導入部8より、下部に向けて噴出する。
部の空間に、バイオガスの導入口が備えられており、さ
らに上部には必要に応じて、ラヒシリング等の充填材1
8を設けることができる。液導入部8より噴出したアン
モニア水は、塔下部から導入されて塔上部の排出口に至
るバイオガスの流れと反対に、充填材18を経て下部に
流れ、塔4最下部の溶液に溜まる。この間、充填材層等
においては、バイオガス中の二酸化炭素とアンモニアと
が反応して、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム
を生成する。生成した炭酸アンモニウム等は、塔4下部
の溶液内に溶解するので、ポンプなどを用いて系外に炭
酸アンモニウム溶液として、放出される。また、バイオ
ガスについては、二酸化炭素が炭酸アンモニウムを生成
して減少するため、反応しないメタンガスが反応塔4内
上部の空間に貯まり、塔上部に設けられた排出管から高
濃度メタンガスとして系外に放出される。ここで、高濃
度メタンガスの濃度は、通常80vol%である。
と、二酸化炭素を含むバイオガスとを反応させるのに好
適な反応容器である、粒子製造単一槽型反応塔4の一例
を示す。本実施の形態では、上記本実施の形態(その
2)と同様に、冷却装置6を経てアンモニア成分をアン
モニア水にする。このアンモニア水を、反応塔4内上部
から供給される。バイオガスについては、反応塔4下部
に設けられたガス導入管7に導かれて、管に設けられた
穴からバブリングガスとして溶液中に放出される。ここ
でのバイオガスの供給は、間欠的に行われ、曝気(バブ
リング)の際には溶液中で反応が行われて炭酸アンモニ
ウムが生成する。曝気停止の際には溶液中で炭酸アンモ
ニウムが粒子状となり、沈殿が行われる。
の溶液内でアンモニア成分と二酸化炭素が反応して、炭
酸アンモニウムを生成する。本実施の形態では、反応塔
4下部の構造が円錐状になっており、炭酸アンモニウム
粒子9からなる沈殿物を貯めやすいようになっている。
このような粒子状の炭酸アンモニウムは、反応塔から固
形物として抜出すことができる。一方、バイオガス中の
メタンガスについては、溶液中で反応しないため、反応
塔4内上部の空間に貯まり、塔上部に設けられた排出管
から高濃度メタンガスとして系外に放出される。ここ
で、高濃度メタンガスの濃度は、通常80vol%以上で
ある。このような本実施の形態の装置によれば、発電等
の原料として有用な高濃度メタンガスが得られるととも
に、炭酸アンモニウムを純度の高い粒子として得られる
ので有用である。
よれば、バイオガス回収とともに発生した二酸化炭素を
大気中に放出することなく、有用な化学物質として固定
化できる。また、バイオガス中の二酸化炭素濃度が低減
し、メタン濃度が高くなるため、ガスの単位容積当たり
の発熱量が増加し、発電熱回収等の効率が向上する。さ
らに、炭酸アンモニウム溶液は冷却等を実施することに
より、高純度の粒子として得ることができる。
程図である。
す図である。
に示す図である。
に示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 液状有機性廃棄物に含まれる炭素分を回
収除去するメタン発酵工程、および、該廃棄物に含まれ
るアンモニア成分を回収除去するアンモニアストリッピ
ング工程、を含む処理方法であって、 回収したアンモニア成分を含むアンモニア水と、該メタ
ン発酵工程で発生する二酸化炭素とを反応させて、炭酸
アンモニウムもしくは炭酸水素アンモニウム又はそれら
の両方として回収することを特徴とする液状有機性廃棄
物の処理方法。 - 【請求項2】 前記アンモニアストリッピング工程の前
段で、前記メタン発酵工程を行うことを特徴とする請求
項1に記載の液状有機性廃棄物の処理方法。 - 【請求項3】 前記アンモニアストリッピング工程の後
段で、前記メタン発酵工程を行うことを特徴とする請求
項1に記載の液状有機性廃棄物の処理方法。 - 【請求項4】 前記メタン発酵工程を経て得られた消化
液について、固液分離した後に、前記アンモニアストリ
ッピング工程を行うことを特徴とする請求項1又は2に
記載の液状有機性廃棄物の処理方法。 - 【請求項5】 液状有機性廃棄物に含まれる炭素分を回
収除去するメタン発酵手段と、有機性廃水に含まれるア
ンモニア成分を回収除去するアンモニアストリッピング
手段と、回収したアンモニア成分を含むアンモニア水を
該メタン発酵手段で得られた二酸化炭素と反応させる反
応塔と、を備えていることを特徴とする液状有機性廃棄
物の処理システム。 - 【請求項6】 前記反応塔が、アンモニウムを含む溶液
中に、二酸化炭素を含むバイオガスを曝気することによ
り炭酸アンモニウム又は炭酸水素アンモニウムを生成す
るものであることを特徴とする請求項4記載の液状有機
性廃棄物の処理システム。
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JP2001079886A JP4558231B2 (ja) | 2001-03-21 | 2001-03-21 | 液状有機性廃棄物の処理方法およびそのシステム |
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