JP2002273459A - 水熱酸化反応方法および装置 - Google Patents

水熱酸化反応方法および装置

Info

Publication number
JP2002273459A
JP2002273459A JP2001085663A JP2001085663A JP2002273459A JP 2002273459 A JP2002273459 A JP 2002273459A JP 2001085663 A JP2001085663 A JP 2001085663A JP 2001085663 A JP2001085663 A JP 2001085663A JP 2002273459 A JP2002273459 A JP 2002273459A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reactor
treated
liquid
oxidation reaction
neutralizing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001085663A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Obuse
洋 小布施
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Komatsu Ltd
Kurita Water Industries Ltd
General Atomics Corp
Original Assignee
Komatsu Ltd
Kurita Water Industries Ltd
General Atomics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Komatsu Ltd, Kurita Water Industries Ltd, General Atomics Corp filed Critical Komatsu Ltd
Priority to JP2001085663A priority Critical patent/JP2002273459A/ja
Publication of JP2002273459A publication Critical patent/JP2002273459A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 予熱器および反応器を含む水熱酸化反応器系
の腐食を可能なかぎり少なくして、効率よく水熱酸化反
応を行うことができる水熱酸化反応方法および装置を得
る。 【解決手段】 被処理液槽3から被処理液を供給して予
熱器4で予熱し、空気、助燃剤、水とともに供給装置2
から反応器1に供給して水熱反応を行う際、予熱後の被
処理液に中和剤槽8から供給する中和剤を混合して反応
器1に供給し、反応器で生成する酸性またはアルカリ性
成分を中和して腐食を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、予熱した被処理物
を反応器に供給し、水の超臨界または亜臨界状態で水熱
酸化反応を行う方法および装置、特に装置の腐食を少な
くすることが可能な水熱酸化反応方法および装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】超臨界または亜臨界水熱酸化に代表され
る水熱酸化処理は、廃液を短時間で完全に分解処理でき
る技術として注目されている。適用用途としてはダイオ
キシン、PCBのような有害有機塩素化合物の処理や、
各種工場廃水、下水汚泥処理等への適用が盛んに検討さ
れている。これらの処理を行う場合、目的とする分解性
能を得るためには、反応温度を最適化することが重要で
ある。そのため、反応器の反応温度を維持するために、
反応器内に被処理液とともに高温高圧流体(超臨界水
等)を供給する方法、反応器を外部加熱する方法、被処
理液を予熱してから反応器に供給する方法などが行われ
ている。これらの方法のうち、予熱する方法は被処理液
や酸化剤以外の液体を供給する必要がないこと、および
処理流体の有する熱エネルギーを熱交換器等を介して回
収できることなどから、経済的に有利である。
【0003】一方、水熱酸化反応では被処理液中のハロ
ゲン、リン、イオウ成分などはそれぞれ対応する酸に変
換され、有機物のアルカリ金属塩などはそれぞれ対応す
るアルカリ金属の炭酸塩になるため、反応器内の環境が
酸性あるいはアルカリ性になる。高温高圧下でこのよう
にpHが偏ると、水熱酸化反応器に激しい腐食が起るこ
とが知られており、実用上の大きな問題となっている。
従来は、この腐食を低減するために、被処理液中に生成
する酸やアルカリを中和するのに必要な量の中和剤を被
処理液に添加し、水熱酸化反応する方法が採られてき
た。この方法により、反応器内で酸やアルカリは中和さ
れて対応する塩になるため、反応器の腐食はかなり低減
できる。
【0004】しかし従来は反応器において水熱酸化反応
が完結したときのpHが中性付近となるように被処理液
を中和剤と混合して供給しているため、中和剤混合の段
階では被処理液は酸性またはアルカリ性になる場合があ
った。このような被処理液を予熱器を通して予熱する
と、予熱器で腐食が生じることがあった。さらに酸性ま
たはアルカリ性の状態で被処理液を予熱すると、加水分
解が起こることにより塩類濃度が高くなり、さらに予熱
器の腐食が促進されるという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、予熱
器および反応器を含む水熱酸化反応器系の腐食を可能な
かぎり少なくして、効率よく水熱酸化反応を行うことが
できる水熱酸化反応方法および装置を得ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次の水熱酸化反
応方法および装置である。 (1) 被処理物を予熱する予熱工程と、予熱後の被処
理物を中和剤と混合して反応器に供給する供給工程と、
反応器に供給された被処理物を酸化剤の存在下に、水の
超臨界または亜臨界状態で水熱酸化反応を行う反応工程
とを含む水熱酸化反応方法。 (2) 被処理物を予熱に適したpHに調整するpH調
整工程を含む上記(1)記載の方法。 (3) 水の超臨界または亜臨界状態で水熱酸化反応を
行う反応器と、被処理物を予熱する予熱器と、予熱され
た被処理物を中和剤と混合して反応器に供給する供給装
置とを含む水熱反応装置。 (4) 被処理物を予熱に適したpHに調整するpH調
整装置を含む上記(3)記載の装置。
【0007】本発明において処理の対象となる被処理物
は、水の超臨界または亜臨界状態で水熱酸化反応が可能
なものであれば制限はなく、ダイオキシン、PCB等の
有害有機物を含む廃液、各種工場廃液、し尿、下水処理
汚泥等の有機性廃液が例示できるが、無機物を含んでい
てもよい。このような被処理物としては中性付近のもの
が多いが、酸性またはアルカリ性のものでもよい。被処
理物はこのような液状のものが処理に適しているが、反
応器への供給が可能であれば固体を含んでいてもよい。
【0008】このような被処理物に含まれている有機物
は水熱酸化反応により炭酸ガスと水に分解する。ところ
がハロゲン、リン、イオウなどは塩化物、リン酸、硫酸
等の酸性成分となり、アルカリ金属、アルカリ土類金属
などは水酸化物等のアルカリ成分となる。これらは水熱
酸化反応の過程で一部は反応して塩となるが、過剰の成
分はそのまま残留し、反応器内の環境が酸性またはアル
カリ性になる。高温高圧の酸性またはアルカリ性物質が
器壁に接触すると激しい腐食が発生する。また臨界温度
以下になると水が生成するため、酸性またはアルカリ性
物質はこれに溶解して解離し、反応器および反応器より
下流の系路に激しい腐食が発生する。
【0009】本発明ではこれを防止するために、水熱酸
化反応が完結した状態において反応物が中性となり、腐
食が少なくなるように、被処理物を中和剤と混合して反
応器に供給して水熱酸化反応を行うが、中和剤は予熱後
の被処理物に混合して反応器に供給する。水熱酸化反応
が完結したときに酸性またはアルカリ性成分が過剰にな
る場合でも、これらの成分は水熱酸化反応前の被処理物
中では、有機物と結合することにより酸性またはアルカ
リ性を呈さない場合が多い。このような被処理物に中和
剤を混合すると酸性またはアルカリ性となるため、この
混合物を予熱すると予熱器で腐食が発生する。また酸性
またはアルカリ性状態で加熱すると、加水分解によりイ
オン濃度が高くなり、腐食が促進されるが、予熱後に中
和剤を混合することによりこのような腐食が防止され
る。
【0010】本発明では被処理物が予熱に適したpHで
あるとき、例えばpH3〜10の場合は、中和剤を混合
することなく、そのまま予熱器に供給して予熱を行うこ
とにより、予熱器の腐食を少なくすることができる。被
処理物のpHが上記予熱に適したpH範囲から外れる場
合には中和剤を混合して上記pH範囲に調整して予熱を
行うことができる。これにより予熱工程における予熱器
の腐食が防止される。予熱により被処理物が分解してp
Hが変動する場合には、予熱終了時点において適性pH
となるように中和剤を混合することができる。
【0011】このようにして予熱した後の被処理物に、
水熱酸化反応の完結時点において腐食の少ないpH範
囲、例えばpH3〜10となるように、中和剤を混合
し、混合物を供給装置から反応器に供給して酸化剤の存
在下に水熱酸化反応を行う。これにより生成する反応物
中の酸性またはアルカリ性成分の過不足がなくなり、反
応器およびその後の系路における腐食が少なくなる。
【0012】本発明で予熱後の被処理物と混合して使用
する中和剤としては、反応器で生成する酸やアルカリと
反応して中性に近い塩を生成する中和剤が使用できる。
酸としては硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸、アルカリと
しては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酸化カル
シウム等の無機アルカリ、ならびに有機酸のナトリウム
塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の有
機酸塩などがあげられる。予熱前の被処理物に混合して
使用する中和剤としては被処理物に含まれる酸やアルカ
リを中和し、または予熱により生成する酸やアルカリと
反応して中性に近い塩を生成する中和剤が使用できる。
このような中和剤としては上記に例示した中和剤のほか
に有機酸も使用できる。
【0013】予熱後の被処理物に中和剤を混合する場合
は、予熱された被処理物が反応器に供給される手前で中
和剤を合流させ、被処理物とともに反応器内に供給する
ことができる。水熱酸化反応に使用する酸化剤は被処理
物に対して予熱前に加えても予熱後に加えてもよいが、
予熱器の腐食を低減するためには予熱後の被処理物に混
合するか、反応器内で混合することが望ましい。酸化剤
としては、空気、酸素、液体酸素、過酸化水素水、硝
酸、亜硝酸、硝酸塩、亜硝酸塩等を用いることができ
る。
【0014】中和剤を高温高圧の被処理物中に添加する
ためには、中和剤も高圧ポンプを介して送る必要があ
る。この際、中和剤専用の高圧ポンプを用意してもよい
が、コストアップになるので、被処理物の希釈や系内の
洗浄に使用する水供給ラインの低圧部に中和剤との混合
手段を設け、水とともに送液するのが好ましい。添加す
る中和剤量の制御は、予め被処理物の分析値および流量
から算出した中和剤量を添加してもよいが、冷却、減圧
後の処理液等のpHをモニタリングし、そのpH値を最
適値に保つように中和剤添加手段をコントロールするの
が好ましい。中和剤供給手段は液体であれば定量送液ポ
ンプを、固体であれば粉末供給手段を用いることができ
る。中和剤と混合した被処理物が反応器へ供給されたと
き、反応器内への供給装置にはノズルや噴霧器など、酸
化剤と被処理物および中和剤が反応器内で十分に混合さ
れるものを用いるのが望ましい。反応器に供給したとき
に混合が十分に行われないと、酸化反応が十分進行しな
いばかりでなく、反応器内でpHのムラができてしま
い、腐食が生じる可能性もある。
【0015】反応器内では水熱酸化反応により被処理物
は酸化分解される。酸化剤としては、空気、酸素、液体
酸素、過酸化水素水、硝酸、亜硝酸、硝酸塩、亜硝酸塩
等を用いることができる。水熱酸化反応による有機物等
の分解により、被処理物中のハロゲン、リン、イオウな
どはそれぞれ対応する酸性成分になり、アルカリ金属ま
たはアルカリ土類金属はアルカリ性成分になると同時
に、中和剤と反応して塩を形成する。反応条件が臨界温
度以上である場合は、生成した塩が反応器内で析出し、
反応器内に堆積する恐れがある。そのため、析出した塩
類を反応器外へ移動させる手段を設置することが望まし
い。例えば特開平11−156186号に示されている
ようにスクレーパで塩を掻き取り、掻き取った塩を排出
するために冷却水を添加する方法などが適用できる。こ
のような反応器内の堆積塩排出方法としては、この他に
も特許第2726293号や特開平9−299966
号、特開平10−15566号などに示された方法が採
用できる。
【0016】反応後の流体は冷却、減圧、気液分離等を
経て処理水と処理ガスとに分けられて排出される。この
過程で、pHが酸性またはアルカリ性であると反応器以
降の系が腐食する可能性があるので、反応後の流体に中
和剤を添加する手段を設けても構わない。この場合も中
和剤の添加量は処理液のpH値が適正になるように調整
すればよい。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、予熱後の被処理物に中
和剤を混合して反応器に供給することにより、予熱器お
よび反応器を含む水熱酸化反応器系の腐食を可能なかぎ
り少なくして、効率よく水熱酸化反応を行うことができ
る。また被処理物を予熱に適したpHに調整して予熱す
ることにより、予熱器における腐食をさらに少なくする
ことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
より説明する。図1ないし図5はそれぞれ別の実施形態
の水熱酸化反応方法および装置を示すフロー図である。
【0019】図1において、1は反応器であって水の超
臨界または亜臨界状態で水熱酸化反応を行うように構成
されている。反応器1の上部には供給装置2が設けら
れ、被処理液槽3から高圧ポンプP1、予熱器4を有す
るラインL1が連結し、エアコンプレッサ5からライン
L2が連絡し、助燃剤槽6から高圧ポンプP2を有する
ラインL3が連絡し、水槽7から高圧ポンプP3を有す
るラインL4が連絡している。ラインL4の高圧ポンプ
P3の吸引側には中和剤槽8からポンプP4を有するラ
インL5が連絡している。反応器1の下部からラインL
6が予熱器4のシェル4aに連絡し、予熱器4のシェル
4aから冷却器9を有するラインL7が気液分離器10
に連絡している。気液分離器10の上部には減圧弁V1
を有するラインL8が連絡し、下部には減圧弁V2およ
びpH計pHaを有するラインL9が連絡している。
【0020】上記の装置による水熱酸化反応は次のよう
に行われる。まず被処理液槽3からラインL1を通して
被処理液を高圧ポンプP1により加圧し予熱器4で予熱
して供給装置2に送り、エアコンプレッサ5により酸化
剤としての空気を加圧してラインL2から供給装置2に
送り、助燃剤槽6からラインL3を通して助燃剤を高圧
ポンプP2により加圧して供給装置2に送り、水槽7か
らラインL4を通して高圧ポンプP3により水を加圧し
て送る際、中和剤槽8からラインL5を通してポンプP
4により中和剤を注入して供給装置2に供給する。供給
装置2では送入される被処理液、空気、助燃剤、水、中
和剤等を混合して反応器1に供給する。反応器1では超
臨界または亜臨界状態で被処理液中の被酸化性物質が酸
化剤としての空気で酸化分解される。
【0021】装置の運転開始の際は、空気と助燃剤のみ
を供給して燃焼を行い、反応器1が超臨界または亜臨界
状態になった段階で被処理液および水を供給して水熱酸
化反応を行う。被処理液の熱量が高い場合には助燃剤量
を減少させたり、希釈するための水を加えて反応を行う
ことができる。反応器1で生成する反応流体はラインL
6から取り出され、予熱器4に入って被処理液を予熱し
たのちラインL7から冷却器9に入って冷却され、気液
分離器10に入って気液分離される。分離した気体はラ
インL8から減圧弁V1で減圧され、処理ガスとして排
出される。分離した液体はラインL9から減圧弁V2で
減圧され、pH計pHaを通して処理液として排出され
る。pH計pHaでは処理液のpHを測定し、その検出
値が中性(pH3〜10)となるように、ポンプP4に
より中和剤の供給量を調整する。
【0022】図1の実施形態は被処理液が中性で腐食性
がないか、または予熱されたときに中性になって腐食性
がなくなる場合に適用され、中和剤を混合しないで予熱
器4で予熱されるが、予熱の段階では中性であるので腐
食は生じない。そして予熱後の被処理液に供給装置2に
おいて中和剤を混合して反応器1に供給することによ
り、水熱酸化反応で生成する酸性またはアルカリ性物質
を中和し、反応器1またはそれ以降の系内の腐食を防止
することができる。中和剤の注入量はpH計pHaで処
理液のpHを所定範囲に維持するようにポンプP4を制
御することにより、腐食の少ない値に維持することが可
能である。
【0023】図2の装置は図1とほぼ同様に構成されて
いるが、予熱器4には外部ヒータ11が設けられてお
り、反応器1の下部からラインL6が冷却器9を有する
ラインL7を介して気液分離器10に連絡している。他
の構成は図1と同様である。
【0024】上記装置による水熱酸化反応方法は図1の
場合とほぼ同様に行われるが、被処理液槽3から高圧ポ
ンプP1によりラインL1を通して供給される被処理液
は予熱器4において外部ヒータ11により加熱され、供
給装置2において空気、助燃剤、水、中和剤等と混合さ
れて反応器1に供給されて水熱酸化反応が行われる。反
応器1で生成する水熱酸化反応流体はラインL6から取
り出され、冷却器9で冷却されて気液分離器10で気液
分離される。中和剤の供給による腐食防止の点について
は図1の場合と同様である。
【0025】図3の装置は図1の装置において、熱回収
用の熱交換器12を有するラインL6が冷却器9を有す
るラインL7を介して気液分離器10に連絡しており、
熱交換器12のシェル12aと予熱器4のシェル4aの
間をラインL11、L12が連絡している。他の構成は
図1と同様である。
【0026】上記装置による水熱酸化反応方法は、図1
の場合とほぼ同様に行われるが、熱交換器12と予熱器
4のシェル12a、4a間をラインL11、L12を通
して熱媒が循環しており、被処理液槽3から供給される
被処理液は予熱器4においてこの熱媒により予熱され
る。また反応器1から取り出される反応流体は熱交換器
12で熱媒による冷却によって熱回収され、さらに冷却
器9で冷却されて気液分離器10に供給される。他の操
作は図1の場合と同様である。
【0027】図4の装置は図1の装置において、被処理
液槽3にはpH計pHbが設けられ、また中和剤槽13
からポンプP5を有するラインL13が被処理液槽3に
連絡している。ポンプP5はpH計pHbの測定値が所
定値となるように制御される。他の構成は図1と同様で
ある。
【0028】上記の装置による水熱酸化反応は図1の場
合とほぼ同様に行われるが、被処理液槽3における被処
理液のpHをpH計pHbで測定しながら、中和剤槽1
3からラインL13を通してポンプP5により中和剤を
注入し、被処理液が予熱に適したpH3〜10になるよ
うに調整する。この実施形態は被処理液が中性でなく腐
食性を有する場合、あるいは予熱の段階で腐食性のpH
になる場合に適しており、予熱前にpH調整して予熱器
1の腐食をさらに少なくすることができる。反応器1に
おける腐食防止は中和剤槽8から注入する中和剤により
行われることは図1の場合と同様である。
【0029】図5の装置では反応器1は外周部にセラミ
ックヒータ14を有し、予熱器4も外部ヒータ11を有
する。15は酸化剤槽で、高圧ポンプP6および予熱器
16を有するラインL14が供給装置2に連絡してい
る。予熱器16は外部ヒータ17を有する。中和剤槽8
から高圧ポンプP3を有するラインL5が供給装置2に
連絡している。反応器1の下部から冷却器9および減圧
弁V3を有するラインL6が気液分離器10に連絡して
いる。ラインL8の減圧弁Vは省略され、ラインL9で
は減圧弁V2の代りに低圧用の弁V4が設けられてい
る。他の構成は図1と同様である。
【0030】上記の装置による水熱酸化方法は、被処理
液槽3から被処理液を高圧ポンプP1で供給する際、予
熱器4において外部ヒータ11で予熱して供給し、酸化
剤槽15から高圧ポンプP6により過酸化水素水のよう
な酸化剤を供給する際、予熱器16において外部ヒータ
17で予熱して供給し、中和剤槽8からアルカリ水溶液
等の中和剤を高圧ポンプP3により供給し、供給装置2
においてこれらを混合して反応器1に供給する。反応器
1ではセラミックヒータ14を補助熱源として水熱酸化
反応を行う。反応器1の反応流体はラインL6から冷却
器9で冷却、減圧弁V3で減圧して気液分離器10に導
入して気液分離を行う。他の操作は図の場合と同様であ
る。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 図5に示した処理システムで本発明の効果を検証した。
試料(処理液)としてはトリクロロ酢酸水溶液(5wt
%)を用いた。この試料を高圧ポンプP1で送液し、予
熱器4でヒータ11により330℃まで予熱した(予熱
部分の材料はSUS316)。予熱した試料に供給装置
2で中和剤としてNaOH水溶液および酸化剤として予
熱した過酸化水素水を合流させ、反応器1内に導入し
た。反応器1には外部ヒータとしてのセラミックヒータ
14により反応温度が制御できるようになっている。反
応器内面はTiでライニングしてある。超臨界水条件
(600℃、23MPa)の反応器中で水熱酸化反応を
行った。処理流体は冷却、減圧後に気液分離して処理ガ
スおよび処理液を得た。このとき、処理液を適宜サンプ
リングし、総有機炭素量(TOC)、Na濃度、および
重金属濃度等を分析した。予熱後の廃液に中和剤を添加
して水熱酸化反応を行うことにより、処理液はpH4〜
8を維持し、重金属類もほとんど検出されなかった。試
験後予熱器の予熱管を切断して断面を観察したところ、
腐食はほとんど観察されなかった。
【0032】比較例1 実施例1において予熱前の試料に中和剤を添加し、予熱
後には添加しなかったところ、処理液はpH4〜8を維
持したが、処理液にはCrやNiがわずかに検出され
た。試験後予熱管を切断して断面を観察したところ、腐
食による肉厚減少がわずかに観察された。
【0033】実施例2 トリクロロ酢酸水溶液(5wt%)に硫酸を添加し、p
H2にした試料を用いた。この試料をさらにNaOHで
中和してpH7にした溶液を予熱した。予熱後の試料に
処理液のpHが中性付近になるように中和剤を添加し、
水熱酸化処理した。その結果、処理液はpH3〜8を維
持し、重金属類もほとんど検出されなかった。試験後予
熱管を切断して断面を観察したところ、腐食はほとんど
観察されなかった。
【0034】比較例2 トリクロロ酢酸水溶液(5wt%)に硫酸を添加し、p
H2にした試料を用いた。処理液のpHが中性付近にな
るように予熱後の試料に中和剤を添加して処理したが、
処理液にはCrやNiがわずかに検出された。試験後予
熱管を切断して断面を観察したところ、腐食による肉厚
減少がわずかに観察された。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の水熱酸化反応方法および装置のフロ
ー図である。
【図2】他の実施形態の水熱酸化反応方法および装置の
フロー図である。
【図3】さらに他の実施形態の水熱酸化反応方法および
装置のフロー図である。
【図4】さらに他の実施形態の水熱酸化反応方法および
装置のフロー図である。
【図5】さらに他の実施形態の水熱酸化反応方法および
装置のフロー図である。
【符号の説明】
1 反応器 2 供給装置 3 被処理液槽 4、16 予熱器 5 エアコンプレッサ 6 助燃剤槽 7 水槽 8、13 中和剤槽 9 冷却器 10 気液分離器 11、17 外部ヒータ 12 熱交換器 14 セラミックヒータ 15 酸化剤槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 598124412 ジェネラル アトミックス インコーポレ イテッド アメリカ合衆国 カリフォルニア州 サン ディエゴ ジェネラル アトミックス コ ート 3550 (72)発明者 小布施 洋 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗田 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D050 AA13 AA15 AA16 AB06 AB11 AB23 AB31 BB01 BB08 BB09 BC01 BC02 BD06 CA13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物を予熱する予熱工程と、 予熱後の被処理物を中和剤と混合して反応器に供給する
    供給工程と、 反応器に供給された被処理物を酸化剤の存在下に、水の
    超臨界または亜臨界状態で水熱酸化反応を行う反応工程
    とを含む水熱酸化反応方法。
  2. 【請求項2】 被処理物を予熱に適したpHに調整する
    pH調整工程を含む請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 水の超臨界または亜臨界状態で水熱酸化
    反応を行う反応器と、 被処理物を予熱する予熱器と、 予熱された被処理物を中和剤と混合して反応器に供給す
    る供給装置とを含む水熱反応装置。
  4. 【請求項4】 被処理物を予熱に適したpHに調整する
    pH調整装置を含む請求項3記載の装置。
JP2001085663A 2001-03-23 2001-03-23 水熱酸化反応方法および装置 Pending JP2002273459A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001085663A JP2002273459A (ja) 2001-03-23 2001-03-23 水熱酸化反応方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001085663A JP2002273459A (ja) 2001-03-23 2001-03-23 水熱酸化反応方法および装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002273459A true JP2002273459A (ja) 2002-09-24

Family

ID=18941142

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001085663A Pending JP2002273459A (ja) 2001-03-23 2001-03-23 水熱酸化反応方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002273459A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004313936A (ja) * 2003-04-16 2004-11-11 Ngk Insulators Ltd 高温高圧処理装置用予熱装置
WO2005007578A2 (ja) * 2003-06-19 2005-01-27 Kansai Paint Co., Ltd. 有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法
JP2005138099A (ja) * 2003-06-19 2005-06-02 Kansai Paint Co Ltd 有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法
JP2012193110A (ja) * 2008-03-28 2012-10-11 Hanwha Chemical Corp 炭素ナノチューブ、及び、炭素ナノチューブの連続的な表面処理装置
WO2020029684A1 (zh) * 2018-08-07 2020-02-13 中国科学院深圳先进技术研究院 一种处理高盐高有机废水并回收能量的***及方法
US10688464B2 (en) 2017-06-05 2020-06-23 General Atomics Corrosion inhibition in hydrothermal processing

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004313936A (ja) * 2003-04-16 2004-11-11 Ngk Insulators Ltd 高温高圧処理装置用予熱装置
WO2005007578A2 (ja) * 2003-06-19 2005-01-27 Kansai Paint Co., Ltd. 有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法
WO2005007578A3 (ja) * 2003-06-19 2005-05-12 Kansai Paint Co Ltd 有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法
JP2005138099A (ja) * 2003-06-19 2005-06-02 Kansai Paint Co Ltd 有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法
CN100339313C (zh) * 2003-06-19 2007-09-26 关西涂料株式会社 含有有机物的废水的净化处理方法
US7431850B2 (en) 2003-06-19 2008-10-07 Kansai Paint Co., Ltd. Process for purification treatment of wastewater containing organic substance
JP4541776B2 (ja) * 2003-06-19 2010-09-08 関西ペイント株式会社 有機性物質を含有する廃水の浄化処理方法
JP2012193110A (ja) * 2008-03-28 2012-10-11 Hanwha Chemical Corp 炭素ナノチューブ、及び、炭素ナノチューブの連続的な表面処理装置
US10688464B2 (en) 2017-06-05 2020-06-23 General Atomics Corrosion inhibition in hydrothermal processing
WO2020029684A1 (zh) * 2018-08-07 2020-02-13 中国科学院深圳先进技术研究院 一种处理高盐高有机废水并回收能量的***及方法
CN111417598A (zh) * 2018-08-07 2020-07-14 中国科学院深圳先进技术研究院 一种处理高盐高有机废水并回收能量的***及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2002085796A1 (en) Process for hydrothermal treatment of materials
AU2002338425A1 (en) Process for hydrothermal treatment of materials
JP2002273459A (ja) 水熱酸化反応方法および装置
JP2002102672A (ja) 水熱反応装置および方法
JP2003236569A (ja) 水熱酸化反応方法
EP0091015B1 (en) Method of operating pure oxygen wet oxidation systems
Gidner et al. Treatment of different wastes by supercritical water oxidation
JP2003299941A (ja) 水熱酸化反応処理装置および方法
EP1101812B1 (en) Method for converting chlorine-containing waste plastic to oil
JP3816218B2 (ja) ハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の分解処理方法およびその装置
JPH10279726A (ja) 廃棄イオン交換樹脂の減容化方法
JP2004105820A (ja) 水熱反応処理方法および装置
JP3836270B2 (ja) 超臨界水反応装置の運転停止方法
JP2003236594A (ja) 汚泥の処理装置
JP2003236568A (ja) 水熱反応処理方法
JP2003236363A (ja) 水熱酸化反応方法
JP2003236364A (ja) 水熱反応方法
JP2005152804A (ja) 超臨界水酸化処理方法および装置
Schmidt et al. The SCWO-destruction of organic compounds in the presence of salt in leachates from dump sites in the SUWOX-facility
JP2001120987A (ja) バッチ式超臨界水反応装置
JP2001120986A (ja) バッチ式超臨界水反応装置
JP2003181272A (ja) 水熱反応方法
JPH07275871A (ja) 有害物質の超臨界水酸化処理方法及び処理装置
JP3482306B2 (ja) 有機塩素化合物の超臨界水酸化処理法及び装置
JPH1119636A (ja) 超臨界水雰囲気の反応場に固形物を輸送する方法及び装置