JP2002270912A - 熱電半導体部材の製造方法 - Google Patents

熱電半導体部材の製造方法

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JP2002270912A
JP2002270912A JP2001072846A JP2001072846A JP2002270912A JP 2002270912 A JP2002270912 A JP 2002270912A JP 2001072846 A JP2001072846 A JP 2001072846A JP 2001072846 A JP2001072846 A JP 2001072846A JP 2002270912 A JP2002270912 A JP 2002270912A
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Hitoshi Tauchi
比登志 田内
Satoshi Hori
智 堀
Hirotane Sugiura
裕胤 杉浦
Hiroyasu Kojima
宏康 小島
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来よりも高性能な熱電半導体部材を低コスト
で提供できる熱電半導体部材の製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】熱電半導体粗材の熱間塑性加工を還元雰囲
気下で行うことにより、粗材表面への酸化物生成が防止
できるのみならず、すでに粗材表面に生成している酸化
物の除去をも行うことができる。つまり、あらかじめ加
工雰囲気中に還元性ガス等を混入し還元雰囲気とするこ
とでわずかに混入する酸化性物質の影響を排除できる。
また、機械的・電気的性質を向上させるために複数の粗
材を結晶面を揃えて束ねた後に加圧、一体化する方法を
還元雰囲気下で行うことにより、その粗材間の接合をよ
り強力に行うことができ、製造された熱電半導体部材の
強度が高いものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱電半導体部材の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ペルチエ素子等の熱電半導体はその結晶
構造の方向性に起因する異方性をもっており、その結晶
構造の方向性を一定の方向にできるだけ揃えることで性
能を向上させることができる。結晶構造の方向性を揃え
るための従来技術として特開平10−178218号公
報や特開平10−178219号公報に、熱電半導体を
熱間据え込み鍛造や圧延加工により加工することが開示
されている。熱電半導体は熱間据え込み鍛造等によりそ
の結晶構造(C面)が揃う。
【0003】また、特開2000−252530号公報
には押し出し成型により製造した棒状の熱電半導体粗材
を結晶面を揃えて束ねた後に加圧、一体化する方法が、
熱電半導体の電気的性能の向上に加え機械的強度の向上
を指向する熱電半導体部材の製造方法として開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
機器の高性能化、低コスト化への要求は留まるところを
知らず、その構成要素となる熱電半導体についてもさら
なる高性能化等が望まれている。
【0005】そこで、本発明では従来よりも高性能な熱
電半導体部材を低コストで提供できる熱電半導体部材の
製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する目的
で本発明者らは鋭意研究を行った結果、以下の発明に想
到した。すなわち、本発明の熱電半導体部材の製造方法
は、熱電半導体からなる粗材に熱間塑性加工を行う工程
を有する熱電半導体部材の製造方法であって、前記熱間
塑性加工を行う工程は、還元雰囲気で行うことを特徴と
する。
【0007】つまり、熱電半導体粗材の加工を還元雰囲
気下で行うことにより、粗材表面への酸化物生成が防止
できるのみならず、すでに粗材表面に生成している酸化
物の除去をも行うことができる。熱電半導体にとって酸
化物の存在はその性能低下につながることから、従来、
その加工雰囲気は不活性ガス雰囲気(非酸化雰囲気)で
行われていた。しかしながら、全行程を性能劣化の起こ
らない不活性ガス雰囲気へ調整することは困難であるこ
とを本発明者らは見いだした。つまり、熱電半導体の加
工時にはわずかに混入する酸化性物質(酸素等)の混入
によっても悪影響を受け、また、その混入を完全に防止
するためには多大なコストが必要である。本知見を見い
だした本発明者らはあらかじめ加工雰囲気中に還元性ガ
ス等を混入し還元雰囲気とすることでわずかに混入する
酸化性物質の影響を排除して、この問題を解決すること
に成功した。
【0008】本発明によると、実際上実現困難な、徹頭
徹尾完全な不活性ガス雰囲気下で製造した熱電半導体部
材と同等の熱電半導体部材が低コストで得られる。
【0009】また、機械的・電気的性質を向上させるた
めに複数の粗材を結晶面を揃えて束ねた後に加圧、一体
化する方法を還元雰囲気下で行うことにより、その粗材
間の接合をより強力に行うことができ、製造された熱電
半導体部材の強度が高いものとなることを見いだし、以
下の発明を行った。すなわち、本発明の熱電半導体部材
の製造方法は、熱電半導体からなる複数の粗材に熱間塑
性加工を行うと同時に複数の該粗材を一体化する工程を
有する熱電半導体部材の製造方法であって、前記一体化
する工程は、還元雰囲気で行うことを特徴とする。
【0010】つまり、還元雰囲気により粗材表面に生成
している酸化物を還元除去できること、および表面に新
たな酸化物が生成しないことにより粗材の接合面の状態
が良好となる結果、接合強度が上昇したと考えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)第1の実施形態
における熱電半導体部材の製造方法は、熱電半導体から
なる粗材を還元雰囲気下で熱間塑性加工を行う工程(熱
間塑性加工工程)をもつことを特徴とする。なお、本発
明においては、熱間塑性加工工程のみを還元雰囲気とす
るだけではなく熱電半導体からなる粗材を形成する工程
や、その後の工程も併せて還元雰囲気で行うことができ
る。
【0012】本実施形態が適用できる熱間半導体として
は特に限定されることはない。たとえば、ビスマス、ア
ンチモン、テルルおよびセレンと、必要に応じて選択さ
れるキャリアとして作用する元素等とを所定の混合比で
合金化したものが例示できる。
【0013】本実施形態が適用できる熱電半導体からな
る粗材としては製造方法等で特に限定されるものではな
い。たとえば、熱電半導体のインゴットを粉末化したも
のを圧粉体もしくは焼結させた圧粉体もしくは焼結体
や、熱電半導体を押し出し成形した成形体等が使用可能
である。このように熱電半導体粗材に前処理を行うこと
で熱電半導体の異方性を所望の方向に制御可能である。
そして、本実施形態の製造方法を適用して製造された熱
電半導体を粗材として再度、本実施形態の製造方法を適
用してもよい。繰り返し塑性加工を行うことで結晶面の
方向性を向上できるからである。
【0014】本製造方法における熱間塑性加工工程によ
って熱電半導体は必要方向に目的とする異方性をもち、
かつ目的とする形態とすることができる。熱間塑性加工
工程は、還元雰囲気で行われる。還元雰囲気を達成する
好ましい方法としては水素等の安価な還元剤を雰囲気中
に添加することである。添加する還元剤の量としては、
わずかな量であっても効果を発揮することができるが、
充分な効果を発揮させるためには熱間塑性加工時に混入
しうる酸化性物質を反応により除去できる量よりも多い
ことが好ましく、さらには熱電半導体に生成している酸
化物をすべて還元させるのに充分なだけの量を添加する
ことが好ましい。還元雰囲気とすることは酸化性物質の
混入を防止することよりも容易であるので、酸化物の量
が少なく高性能の熱電半導体を製造するコストは減少す
る。
【0015】熱間塑性加工工程は、据え込み鍛造する工
程又は圧延する工程又は押し出し成型する工程又は粉末
状の粗材を圧縮成型する工程等が例示できる。このよう
に、塑性加工を熱電半導体に加えることで熱電半導体内
部の組織が所定方向に配向し好ましい異方性が発生す
る。この熱間塑性加工工程において行われる塑性加工の
方法および加工の方向については必要な結晶の配向が達
成できるように適正に選択できる。
【0016】(第2実施形態)第2の実施形態における
熱電半導体部材の製造方法は、前述した第1実施形態に
おける熱間塑性加工を、同様な熱間組成加工を複数の粗
材に対して行うと同時にその複数の粗材を一体化する工
程(一体化工程)としていること以外は前述の第1実施
形態と同様である。
【0017】一体化工程は前述の熱間塑性加工工程を行
う際に複数の粗材間を接合し一体化させる工程である。
たとえば、粉末を圧縮成型する圧粉工程もしくは焼結工
程、そして複数の棒状の粗材を束ねた後に圧縮成型して
一体化させる工程等が例示できる。本工程時に粗材間を
一体化する際に還元雰囲気下で行うことで粗材表面に酸
化物が生成することを抑制できたり、生成している酸化
物の還元ができる。したがって、熱電半導体の性能を向
上できると同時に各粗材間の接合強度を向上させること
もできる。
【0018】
【実施例】(実施例1)P型およびN型の熱電半導体部
材を製造した。ビスマス、テルル、アンチモン、セレン
の純度3N(99.9%)の各原材料をP型:Bi0.5
Sb1.5Te3にAgを質量基準で0.01%加えたも
の、N型:Bi1.8Sb0.2Te2.85Se0. 15にAgBr
を質量基準で0.09%加えたものを秤量して石英管内
に投入した。その後、真空ポンプを用いて石英管内を
1.33x10-2Pa(10-4Torr)以下に減圧し
封管した。
【0019】次に、封管した石英管を700℃にて1時
間加熱しながら揺動させ、管内の原材料混合物を溶融攪
拌した。その後、冷却させて再結晶を行い、熱電半導体
結晶合金を作製した。
【0020】上記のように作製された熱電半導体結晶合
金を不活性ガス(Ar)雰囲気中でカッターミルにて粉
砕した。その後、分級し、90μm以下の粉末を採取し
た。
【0021】次に、粉末化された熱電半導体結晶合金を
型内に充填し、圧力40MPaで加圧した。このとき型
の外部に設けられたヒータにより型を400℃に30分
間加熱して焼結体A1とした。これにより、20×20
×30mmの長方体の焼結体を作製した。焼結体の形成
は不活性ガス(Ar)雰囲気にて行った。
【0022】得られた焼結体A1を図1に示す据え込み
鍛造装置1に設置して不活性ガス(Ar)に還元剤とし
ての水素を20%含有させた還元雰囲気下で熱間据え込
み鍛造を行い実施例1のインゴットを得た。
【0023】図1に示す据え込み鍛造装置1は、ダイス
11とパンチ12とを備える。ダイス11の外形は、上
端面11a、下端面11b及び側面11cを有する略直
方体形状を呈しており、その中心部分において、上端面
11aから下端面11bにかけて貫通する断面四角形の
貫通孔111が形成されている。
【0024】ダイス11の側面11cには角型ヒータ1
3が取り付けられている。この角型ヒータ13に通電し
てダイス11は約400℃に加熱されている。
【0025】パンチ12は、上側パンチ121と下側パ
ンチ122とからなる。両パンチ121及び122はい
ずれも貫通孔111内を摺動可能に断面四角形に形成さ
れており、上側パンチ121の先端面121aと下側パ
ンチ122の先端面122aとは対面して配置されてい
る。従って、上側パンチ121の先端面121aと、下
側パンチ122の先端面122aと、貫通孔111の内
側面111aとで囲まれた空間で、直方体形状を呈する
キャビティー14が形成される。このキャビティー14
の断面形状は、幅10mm、奥行き30mmである。
【0026】このようにして画成されたキャビティー1
4内に、上述の焼結体A1を投入する。そして、図1の
矢印A、Bで示すように上側パンチ121と下側パンチ
122とをそれぞれ駆動させて焼結体A1をL1軸に沿
った方向に加圧する。本例においてこの加圧力は40M
Paである。また、ダイス11は角型ヒータ13により
約400℃に加熱されている。これらの加圧及び加熱を
30分間保持することにより焼結体A1は熱変形を起こ
す。この場合において、加圧軸(L1軸)に対して垂直
な面における焼結体A1の最大径よりも大きな径をもつ
キャビティー14内に焼結体A1を入れているので、焼
結体A1とキャビティー14の壁面(貫通孔111の内
周面111a)との間には隙間Sが形成され、圧縮力を
受けた焼結体A1はこの隙間Sを埋めるべく、加圧軸で
あるL1軸線に対して垂直な方向に張り出す。この張り
出し時に材料流動がL1軸に対して垂直な方向に沿って
起こり、この流れに従って材料内の結晶面が配向する。
【0027】実施例1のインゴットは、10×40×3
0mmの長方体であった。
【0028】(比較例1)熱間据え込み鍛造を不活性雰
囲気中で行ったこと以外は、実施例1の操作と同様の操
作により熱電半導体のインゴットを製造し、比較例1の
インゴットとした。
【0029】(実施例2)P型およびN型の熱電半導体
部材を製造した。ビスマス、テルル、アンチモン、セレ
ンの純度3N(99.9%)の各原材料をP型:Bi
0.5Sb1.5Te3にAgを質量基準で0.01%加えた
もの、N型:Bi1.8Sb0.2Te2.85Se0. 15にAgB
rを質量基準で0.09%加えたものを秤量して石英管
内に投入した。その後、真空ポンプを用いて石英管内を
1.33x10-2Pa(10-4Torr)以下に減圧し
封管した。
【0030】次に、封管した石英管を700℃にて1時
間加熱しながら揺動させ、管内の原材料混合物を溶融攪
拌した。その後、冷却させて再結晶を行い、熱電半導体
結晶合金を作製した。
【0031】上記のように作製された熱電半導体結晶合
金を不活性ガス(Ar)雰囲気中でカッターミルにて粉
砕した。その後、分級し、90μm以下の粉末を採取し
た。
【0032】次に、粉末化された熱電半導体結晶合金を
型内に充填し、圧力7MPaで圧粉体化した。これによ
り、10×40×30mmの長方体の圧粉体を作製し
た。圧粉体の形成は不活性ガス(Ar)中にて行った。
得られた圧粉体を図2に示す押し出し型2から押し出し
焼結し径φ1.2mmの棒状体とした。
【0033】押し出し型2は、円筒形状のダイス21と
パンチ22とを備える。ダイス21は、その裏面(ダイ
ス21の図示上面)21bから表面(ダイス21の図示
下面)21aにかけてキャビティーを構成する貫通孔2
11が形成されている。この貫通孔211は、ダイス2
1の裏面21b側に開口した円筒形状を呈する円筒状空
間部211a、その円筒状空間部211aに連続した縮
径する円錐台形形状を呈する円錐台形状空間部211
b、円錐台形状空間部211bの先端部211cに連続
するとともにダイス21の表面21aに開口した円筒形
状の通路211dで形成されている。この通路211d
のダイス21の表面21aでの開口部が、吐出口21c
となる。なお、本例において、上記貫通孔211の円筒
状空間部211aの直径は、約15mmとされ、吐出口
21cの直径は約1.2mmとされている。
【0034】パンチ22は円筒形状に形成されており、
その直径はダイス21に形成された貫通孔211の円筒
状空間部211aの直径(約15mm)にほぼ等しくさ
れている。そして、図2に示すようにダイス21の裏面
21bから貫通孔211内に摺動可能に挿入されてい
る。
【0035】ダイス21の周側面21dにはリングヒー
タ24が巻回されている。このリングヒータ24は電源
(図略)に電気的に連結されており、この電源から通電
されることにより発熱しダイス21を所定温度に加熱す
るものである。
【0036】上記構成の押し出し型2において、まず、
リングヒータ24に通電してダイス21を470℃とな
るように加熱する(押出し温度470℃)。次に、上述
の圧粉体A2を貫通孔211の円筒状空間部211a内
に装填する。そして、パンチ22を図示矢印Y方向に前
進させる。このときのパンチ22のストローク速度は、
吐出口21cから吐出される成形体の吐出速度が4mm
/秒となるように制御される。
【0037】貫通孔211に装填された圧粉体A2は、
パンチ22が貫通孔211内を図示矢印Y方向に前進す
ることにより押圧力を受ける。この押圧力と、円錐台形
状空間部211bの壁面から受ける反力とによって圧粉
体は変形する。そして、ダイス温度が470℃であるの
で焼結化が進行する。そして、変形した圧粉体は吐出口
21cから棒状の成形体として押出される。このように
して押出された棒状形材は、押出し成形中に押出し方向
に沿って材料流れが起こるので、押出し方向、つまり棒
状形材の円筒軸線方向に沿って結晶格子中のC面が揃う
ように配向する。
【0038】得られた棒状体を長さ20mmに切断した
後に、軸方向を揃えて複数本束ね、不活性ガス(Ar)
に還元剤としての水素を20%含有させた雰囲気下で4
00℃に加熱し熱間据え込み鍛造を行い実施例2のイン
ゴットを得た。実施例2のインゴットは、20×20×
30mmの長方体であった。
【0039】据え込み鍛造装置1内への束ねた棒状体の
挿入方向は個々の棒状体の軸方向がL1軸に垂直方向
(図中水平方向)となるように配置した他は、実施例1
で説明したように熱間据え込み鍛造を行った。
【0040】(比較例2)熱間据え込み鍛造を不活性雰
囲気中で行ったこと以外は、実施例2の操作と同様の操
作により熱電半導体のインゴットを製造し、比較例2の
インゴットとした。
【0041】なお、各実施例および各比較例について、
不活性ガス中の酸素濃度は500ppm以下とした。
【0042】(評価)以上で得られた各実施例および各
比較例のインゴットを2mm x 3mmx 12mm
の柱状体で結晶面(C面)の方向が柱状体の長軸方向と
なるように切断して試験片とした。この試験片に対して
ゼーベック係数(α)および電気伝導度(σ)を常法に
従い測定した。そして得られた値から次式に基づき性能
指数(Z)を算出した。
【0043】 算出式:Z=α2 × σ / (熱伝導度) 結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】表1から明らかなように、熱間塑性加工工
程を還元雰囲気で行う各実施例の試験片の方が対応する
比較例の試験片と比べて性能指数が上昇していることが
明らかとなった。これは熱間塑性加工工程を還元雰囲気
で行う結果、酸化物が生成されなかった、もしくは生成
した酸化物が除去されたためと考えられる。N型熱電半
導体の性能上昇がP型よりも著しいのはN型の方がより
酸化の影響を受けやすいためと考えられる。
【0046】次に、同様に作成した各実施例および各比
較例の試験片について、三点曲げ(JIS R1601
に準ずる)の方法で曲げ強度を測定した。結果を表2に
示す。
【0047】
【表2】
【0048】表2より明らかなように、熱間塑性加工工
程を還元雰囲気で行う各実施例の試験片の方が対応する
比較例の試験片と比べて曲げ強度に優れることが明らか
となった。これは還元雰囲気により熱電半導体の酸化物
が生成しない乃至は生成した酸化物が除去できるために
各熱電半導体間の接合部に酸化物が存在せず接合強度が
上昇したものと考えられる。
【0049】
【発明の効果】本発明方法によれば、還元雰囲気で熱間
塑性加工工程を行うことで酸化物による性能低下が抑制
された熱電半導体からなる部材が製造できる。また、一
体化工程を還元雰囲気で行うことで各粗材間の接合強度
が向上できる。
【0050】したがって、従来よりも高性能な熱電半導
体部材を低コストで提供できる熱電半導体部材の製造方
法を提供することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた据え込み鍛造装置の断面を示し
た概略図である。
【図2】実施例で用いた押し出し型の断面を示した概略
図である。
【符号の説明】
A1…焼結体 1…据え込み鍛造装置 11…ダイス 11a…上端面 11b…下端面
11c…側面 111…貫通孔 111a…内側面 12…パンチ 121…上側パンチ 121a…先端面 122…下側パンチ 122a…先端面 13…角型ヒータ 14…キャビティー A2…圧粉体 2…押し出し型 21…ダイス 21a…表面 21b…裏面 2
1c…吐出口 21d…周側面 211…貫通孔 211a…円筒状空間部 211
b…円錐台形状空間部 211c…先端部 211
d…通路 22…パンチ 24…リングヒータ L1…加圧軸 S…隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 35/16 H01L 35/16 (72)発明者 杉浦 裕胤 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 小島 宏康 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 Fターム(参考) 4K018 AA40 EA27 EA31 EA44 FA01 JA07 JA09 JA12 KA32

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱電半導体からなる粗材に熱間塑性加工
    を行う工程を有する熱電半導体部材の製造方法であっ
    て、 前記熱間塑性加工を行う工程は、還元雰囲気で行うこと
    を特徴とする熱電半導体部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱電半導体からなる複数の粗材に熱間塑
    性加工を行うと同時に複数の該粗材を一体化する工程を
    有する熱電半導体部材の製造方法であって、 前記一体化する工程は、還元雰囲気で行うことを特徴と
    する熱電半導体部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記粗材は、前記熱電半導体の粉末を圧
    粉もしくは焼結させた圧粉体もしくは焼結体、又は該熱
    電半導体を押し出し成形した成形体である請求項1又は
    2に記載の熱電半導体部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記熱間塑性加工は、前記粗材を据え込
    み鍛造する工程又は該粗材を圧延する工程又は該粗材を
    押し出し成型する工程又は粉末状の該粗材を圧縮成型す
    る工程である請求項1〜3のいずれかに記載の熱電半導
    体部材の製造方法。
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JP2015518650A (ja) * 2012-03-29 2015-07-02 エボニック インダストリーズ アクチエンゲゼルシャフトEvonik Industries AG 熱電素子の粉末冶金製造
US11056633B2 (en) 2016-01-21 2021-07-06 Evonik Operations Gmbh Rational method for the powder metallurgical production of thermoelectric components

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015518650A (ja) * 2012-03-29 2015-07-02 エボニック インダストリーズ アクチエンゲゼルシャフトEvonik Industries AG 熱電素子の粉末冶金製造
US11056633B2 (en) 2016-01-21 2021-07-06 Evonik Operations Gmbh Rational method for the powder metallurgical production of thermoelectric components

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