JP2002267919A - 双眼レンズ鏡筒 - Google Patents

双眼レンズ鏡筒

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JP2002267919A
JP2002267919A JP2001070147A JP2001070147A JP2002267919A JP 2002267919 A JP2002267919 A JP 2002267919A JP 2001070147 A JP2001070147 A JP 2001070147A JP 2001070147 A JP2001070147 A JP 2001070147A JP 2002267919 A JP2002267919 A JP 2002267919A
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JP
Japan
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lens
cam
ring
fixed ring
optical axis
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP2001070147A
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English (en)
Inventor
Eiichi Ito
栄一 伊藤
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】左右の対物光学系中の移動レンズ群を同時に移
動させる双眼レンズ鏡筒であって、カム環の光軸方向の
ズレ及び光軸方向からの傾きを防止可能な双眼レンズ鏡
筒を、提供する。 【解決手段】ズーム鏡筒2は、直進溝3eが形成されて
いるとともに各ズーム光学系220,230の第1及び
第4レンズ群221,231,224,234を保持す
る固定環3と、この固定環3内に回転のみ自在に填めら
れているとともに2系統のカム溝4a,4bが形成され
たカム環4と、このカム環4内に填められているととも
に各ズーム光学系220,230の第2及び第3レンズ
群222,232,223,233を共に保持している
第2及び第3レンズ枠5,6と、各レンズ枠5,6の外
周面に植設されているとともに直進溝3eと何れか一方
のカム溝4a,4bとの交点に差し込まれたカムフォロ
ワ10,11と、第3レンズ枠6を固定環3の底3aへ
向けて付勢する引張バネ18とから、構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の基線長を隔
てて配置された一対の対物光学系中の移動レンズ群を保
持するための双眼レンズ鏡筒に、関する。
【0002】
【従来の技術】この種の対物光学系は、双眼鏡や立体顕
微鏡やステレオカメラのような双眼光学系の一部とし
て、用いられている。
【0003】これら一対の対物光学系に焦点調節用の合
焦レンズ(コンペンセータレンズ)や倍率変更用の変倍
レンズ(ズームレンズ)を組み込む場合には、これらの
レンズを光軸に沿って移動調整可能にしなければならな
いので、各対物光学系の移動レンズを、夫々、レンズ
枠,カム環及び固定環からなるレンズ鏡筒に収容する必
要が生じる。但し、左右一対の対物光学系の移動レンズ
群を互いに独立して移動させると、左右の像の倍率やピ
ントがズレる場合があるため、近年では、両対物光学系
の移動レンズ群を一つのレンズ枠に固定して、そのレン
ズ枠を光軸方向に向けて移動させることにより、左右の
対物光学系において同時に同量だけ拡大又は縮小を行え
るように、或いは合焦を行えるようにしたズーム鏡筒
が、提案されている。
【0004】なお、左右一対の対物光学系(ズーム光学
系)に移動レンズ群が複数ある場合のレンズ鏡筒(ズー
ム鏡筒)の例を、本出願人は、先に特願2000−38
5085号において提案した。この特願2000−38
5085号に係る発明を更に具体化した構成を、図11
乃至図13に示す。
【0005】これら各図に示される左右一対の対物光学
系は、第2レンズ群(変倍レンズ)412,422及び
第3レンズ群(合焦レンズ)413,423を含む4群
のレンズ群411〜414,421〜424からなり、
それらの光軸Ax’,Ax”が所定の基線長だけ離れた状態
で平行となるように、配置されている。これらのうち第
1及び第4レンズ群411,421,414,424が
固定されるとともに第2レンズ群412,422及び第
3レンズ群413,423を光軸方向へ移動可能にする
レンズ鏡筒400の構成は、要するに、有底の円筒形状
の固定環401の中に円筒形状のカム環402を回転の
み自在に填め込むとともに、このカム環402の中に扁
平な有底の円筒形状の第2及び第3レンズ枠403,4
04を中心軸方向に移動可能に填め込み、更に、固定環
401の開口端に円板形状の蓋401aを填め込んだも
のとなっている。また、カム環402の内周面の下端に
は、内周に歯が形成された環状ギア402aが填め込ま
れて固定されている。この環状ギア15には、固定環4
01の底401bに固定されたモーター406の駆動軸
に取り付けられたピニオン406aが噛合している。さ
らに、固定環401の円筒面には、その中心軸と平行な
直線状の貫通溝(直進溝)が穿たれ、カム環402の円
筒面には、その中心軸に対して斜めな一対のカム溝が穿
たれており、第2及び第3レンズ枠403,404の外
周面に植設されるカムピン403a,404aが、各カ
ム溝と直進溝との交点を夫々貫通している。
【0006】このような構成により、モーター406が
カム環駆動ギア402aを介してカム環402を任意の
回転方向に回転させると、各カム溝と直進溝との交点が
夫々光軸方向に移動し、これら交点の光軸方向への移動
に伴って第2及び第3レンズ枠403,404が光軸方
向へ移動される。この際、第2及び第3レンズ枠40
3,404は基線長方向の向きを維持したまま移動する
ので、第2及び第3レンズ群412,422,413,
423は、各々の光軸に沿って移動することになる。こ
のように第2レンズ枠403によって第2レンズ群41
2,422が同時に移動される結果、これら対物光学系
を介して最終的に結像される左右の像が同時に同量だけ
拡大又は縮小される。また、第3レンズ枠403によっ
て第3レンズ群413,423が同時に移動される結
果、これら対物光学系を介して最終的に結像される左右
の像は、同時に合焦し、これら左右の像に基づいて立体
視される像には、左右のピントズレが無いのである。
【0007】なお、両レンズ枠403,404の間に
は、互いをカム環402の中心軸周りに回転させるとと
もに光軸方向において互いを引き寄せる方向に付勢力が
加えられるように、引張バネ405が中心軸に対して斜
めに引っ掛けられている。従って、カムピン403a,
404aが常にカム溝の一方側縁及び直進溝の一方側縁
に押さえ付けられることとなるために、カム溝及び直進
溝の幅よりもカムピン403a,404aが細いことに
起因してクリアランスの範囲内でカムピン403a,4
04aの位置が定まらないいわゆるバックラッシの問題
が、解消されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したレンズ鏡筒4
00では、固定環401内でカム環402を回転可能と
するために、固定環401の蓋401aとカム環402
の上端との間,固定環401の底401bとカム環40
2の下端との間,固定環401の円筒の内周面とカム環
402の円筒の外周面との間には、夫々、ある程度クリ
アランスを持たさざるを得ない。
【0009】ところが、このようなクリアランスの量が
多くなると、被写体の観察時にレンズ鏡筒400を様々
な方向に傾けることによってカム環402に対して様々
な方向に重力が掛った時に、固定環401に対するカム
環402の相対位置が定まらない問題が生じる。
【0010】その場合、カム環402の中心軸が固定環
401の中心軸に対して傾いたりレンズ鏡筒400を向
けた方向に応じてカム環402が中心軸方向に移動する
ために、第2及び第3レンズ群412,422,41
3,423の光軸が対物光学系の光軸に対して傾いて左
右の像が移動したりピント位置がズレてしまうことがあ
った。特に、倍率が高いときには、この像の移動やピン
トズレが顕著になる。
【0011】また、その場合には、第2及び第3レンズ
枠403,404を光軸方向に移動させようとしてモー
ター406によってカム環402を回転させた時、モー
ター406の駆動力がカム環402の中心軸から離れた
周上の箇所に加わるために、駆動力が加わった方向に応
じてカム環402が傾いてしまう。
【0012】本発明は、上述したような問題点に鑑みて
なされたものであり、その課題は、左右一対の対物光学
系を構成する一部のレンズ群を互いに同期させて移動さ
せるために円筒形状の固定環に対して円筒形状のカム環
を回転させることによってレンズ枠を中心軸方向に移動
させる構成であるも拘わらず、固定環とカム環との間に
クリアランスを大きく取った場合でも、その範囲内でカ
ム環が光軸方向に移動することを規制することができる
とともにカム環が光軸方向に対して倒れることを抑制す
ることができる双眼レンズ鏡筒を、提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに構成された本発明は、同一の物体の像を所定の基線
長だけ隔てた位置から夫々結像させる一対の対物光学系
中の移動レンズ群を保持するための双眼レンズ鏡筒であ
って、前記各対物光学系の光軸と平行な中心軸を有する
筒状部材からなり、その中心軸と平行な直進溝が形成さ
れた固定環と、前記光軸と平行な中心軸を有する筒状部
材からなり、前記固定環に対して回転のみ自在に填め合
わされているとともに、その中心軸に対して傾いた部分
を有するカム溝が形成されたカム環と、前記固定環及び
カム環の内部において前記光軸と平行な方向にのみ移動
可能に保持されているとともに、前記両対物光学系中の
移動レンズ群を共に保持するレンズ枠と、このレンズ枠
に取り付けられているとともに前記直進溝と前記カム溝
との交点を貫通するカムフォロワと、前記レンズ枠を前
記固定環の端部に向けて付勢する付勢部材とを備えたこ
とを、特徴とする。
【0014】このように構成されると、付勢部材によっ
てレンズ枠が固定環の端部に付勢されるために、カム環
内にカムフォロワ及びカム溝を介して保持されるレンズ
枠が、カム環を固定環の端部に押し付ける。これによ
り、固定環の中に所定のクリアランスをもって内包され
るカム環は、固定環に対して常時一定の個所で接触する
ので、光軸方向に移動したり光軸方向に対して傾いたり
することがない。従って、カム環内にレンズ枠を介して
保持される一対の移動レンズ群は、カム環が光軸方向に
移動することによるピント位置のズレや、カム環が光軸
方向から傾くことによって移動レンズ群が倒れることに
よる像の移動を生じさせることがない。
【0015】本発明において、移動レンズ群は、合焦用
のレンズであっても良いし、変倍用のレンズであっても
良いし、要するに、左右において同時に同量だけ移動さ
れる必要のある移動レンズ群は、全て対象となる。な
お、付勢部材は、引張バネであってもゴムであっても良
い。
【0016】カム環及び固定環は、互いに填り合ってい
れば、どちらが内側であっても良い。この場合、内側に
なるものに形成される溝は、貫通溝でなければならない
が、外側になるものに形成される溝は、内側から穿たれ
た有底溝であっても貫通溝であっても良い。直進溝,カ
ム溝及びカムフォロワは、レンズ枠がガタ無く光軸方向
へガイドされているならば一組のみでも良いが、レンズ
枠の中心を囲んで複数組あれば、レンズ群の偏心を防止
する上で好ましい。特に、固定環及びカム環の周方向に
おいて等角度間隔に設けられていることが望ましい。
【0017】また、レンズ枠が複数ある場合には、レン
ズ枠同士の間に第2の付勢部材を備えて互いに引き合う
構成とすることが望ましい。なお、この第2の付勢部材
の数は、一つのみであっても良いし、複数であっても良
い。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。
【0019】
【実施形態1】以下に説明する第1実施形態による双眼
レンズ鏡筒は、例えば、脳神経外科手術の際に用いられ
る手術支援システムを構成するビデオ型立体顕微鏡に組
み込まれている。この手術支援システムは、立体顕微鏡
によって患者の組織をビデオ撮影して得られた立体映像
(ステレオ映像)を、手術者専用の立体視ビューワや他
のスタッフ用のモニター等に表示し、また、録画装置に
録画するシステムである。
【0020】(手術支援システムの全体構成)図1は、
この手術支援システムの概略を示すシステム構成図であ
る。この図1に示されるように、手術支援システムは、
立体顕微鏡101と、この立体顕微鏡101の背面の上
端近傍に取り付けられたハイビジョンCCDカメラ10
2と、立体顕微鏡101の上面に取り付けられたカウン
ターウェイト104と、このカウンターウェイト104
に開けられた貫通孔を貫通して立体顕微鏡101の内部
に導通されたライトガイドファイババンドル105と、
このライトガイドファイババンドル105を通じて立体
顕微鏡101に照明光を導入する光源装置106と、ハ
イビジョンCCDカメラ102に接続された分配器11
1と、この分配器111に接続された録画装置115,
モニター114及び立体視ビューワ113等から、構成
されている。
【0021】上述した立体顕微鏡101は、その背面に
取付られたマウントを介して、第1スタンド100のフ
リーアーム100aの先端に、着脱自在に固定されてい
る。従って、この立体顕微鏡101は、第1スタンド1
00のフリーアーム100aの先端が届く半径内で、移
動自在であるとともに、任意の向きに向くことができ
る。但し、ここでは、便宜上、立体顕微鏡101に対す
るその被写体の向きを「下」と定義し、逆向きを「上」
と定義するものとする。
【0022】この立体顕微鏡101内の光学構成につい
ては後で詳しく説明するが、その概略構成を述べると、
観察対象物は、単一の光軸を持つ大径のクローズアップ
光学系における互いに異なる箇所を透過した光を夫々収
束させる左右一対のズーム光学系及びリレー光学系によ
って、ハイビジョンCCDカメラ102内のCCD11
6上に結像される。
【0023】このような一対の撮影光学系によってCC
D116の撮像面上における左右の各撮像領域(撮像面
における基線長の方向において区分された二つの領域)
に形成された像は、所定の基線長を隔てた二箇所から夫
々撮影した画像を左右に並べたステレオ画像と等価であ
る。そして、このCCD116の出力信号は、画像プロ
セッサ117によってハイビジョン信号として生成され
て、ハイビジョンCCDカメラ102から分配器111
へ向けて出力される。なお、この立体顕微鏡101内に
は、観察対象物を照明する照明光学系300(図3参
照)が内蔵されている。そして、この照明光学系300
には、光源装置106からライトガイドファイババンド
ル105介して照明光が導入される。
【0024】ハイビジョンCCDカメラ102から出力
されたハイビジョン信号は、分配器111によって、主
術者D用の立体視ビューワ113,その他の手術スタッ
フ用又は遠隔地に居るアドバイザ用のモニター114,
及び、録画装置115へ、夫々供給される。
【0025】立体視ビューワ113は、第2スタンド1
12のフリーアーム112aの先端から垂下して取り付
けられている。従って、主術者Dが処置を施し易い姿勢
に合わせて、立体視ビューワ113を配置することが可
能になっている。この立体視ビューワ113は、図2に
示すようにハイビジョンサイズのLCDパネル120
を、モニターとして内蔵している。このLCDパネル1
20に分配器からのハイビジョン信号による映像が表示
された場合には、その左側領域120bには、CCD1
16における左側撮像領域にて撮影された映像が表示さ
れ、右側領域120aには、CCD116における右側
撮影領域にて撮影された映像が表示される。従って、こ
れら左右の各領域120a,120b毎に備えられた左
右の眼用の一対のルーペを介して、主術者Dがこれら左
右の各領域120a,120bに表示された左右の映像
を両眼で同時に観察することにより、観察対象物の拡大
映像を立体視することが可能になる。
【0026】(立体顕微鏡の構成)次に、上述した立体
顕微鏡101(ハイビジョンCCDカメラ102を含
む)の具体的な構成を、詳細に説明する。
【0027】<光学構成>図3は立体顕微鏡101の光
学系を示す斜視図である。
【0028】立体顕微鏡101内の光学系は、図3に示
すように、被写体の像を電子的に撮影する撮影光学系2
00と、ライトガイドファイババンドル105により光
源装置106から導かれた照明光により被写体を照明す
る照明用光学系300とから構成されている。
【0029】撮影光学系200は、全体として、前記の
ように、左右で共用される一つのクローズアップ光学系
210、及び左右一対のズーム光学系220,230か
ら構成される左右一対の対物光学系と、この対物光学系
により形成された被写体の一次像をリレーして被写体の
二次像を形成する左右一対のリレー光学系240,25
0と、これらのリレー光学系240,250からの被写
体光を互いに近接させる光軸間距離縮小素子としての輻
輳寄せプリズム260とを備えている。
【0030】また、各ズーム光学系220,230によ
る一次像の形成位置には、視野絞り270,271がそ
れぞれ配置されており、各リレー光学系240,250
内には、光路を直角に偏向するペンタプリズム272,
273がそれぞれ配置されている。
【0031】このような構成により、CCDカメラ10
2内に配置されたCCD116上の隣接した2つの領域
に、所定の視差を持つ左右の被写体像を形成することが
できる。なお、光学系の説明においては、「左右」はC
CD116上に投影された際にその撮像面の長手方向に
一致する方向、「上下」はCCD116上で左右方向に
直交する方向とする。以下、各光学系の構成を順に説明
する。
【0032】クローズアップ光学系210は、物体側か
ら順に負の第1レンズ211と正の第2レンズ212と
が配列されることによって構成される。第2レンズ21
2は、光軸方向に移動可能であり、その移動調整により
異なる距離の被写体に対して焦点を合わせることができ
る。すなわち、クローズアップ光学系210は、主要被
写体(観察対象物)がその物体側焦点位置に位置するよ
うに第2レンズ212が調整されるので、主要被写体
(観察対象物)からの発散光をほぼ平行光に変換するコ
リメート機能を有する。
【0033】クローズアップ光学系210を構成する第
1,第2レンズ211,212自体は、その光軸と平行
にこの光軸から若干外側にずれた位置を通る平面に沿っ
て、その平面よりも外側のコバが切り欠かれている。従
って、その光軸方向から見ると、その平面形状がいずれ
もDカットされた形状となっているので、その切欠面の
側方にはスペースが空いている。このスペースに、照明
光学系300が、その光軸Ax4をクローズアップ光学系
210の光軸Ax1と平行にして配置されている。
【0034】一対のズーム光学系220,230は、ク
ローズアップ光学系210からの無限遠結像の被写体光
を視野絞り270,271の位置にそれぞれ結像させる
結像光学系として、機能する。
【0035】一方のズーム光学系220は、クローズア
ップ光学系210側から順に、正、負、負、正のパワー
をそれぞれ有する第1〜第4レンズ群221,222,
223,224により構成され、第1,第4レンズ群2
21,224を固定し、第2,第3レンズ群222,2
23を光軸方向に移動させてズーミングを行う。主に、
変倍レンズである第2レンズ群222の移動により倍率
を変化させ、コンペンセータレンズである第3レンズ群
223の移動により焦点位置を一定に保つ。
【0036】他方のズーム光学系230も、上記のズー
ム光学系220と同一構成であり、第1〜第4レンズ群
231,232,233,234から構成される。これ
らのズーム光学系220,230は、後述するズーム鏡
筒2により連動し、左右の画像の撮影倍率を同時に変化
させることができる。
【0037】ズーム光学系220,230の光軸Ax2,
Ax3は、クローズアップ光学系210の光軸Ax1に対し
て平行にオフセットして配置されている。但し、ズーム
光学系220,230の光軸Ax2,Ax3は、クローズア
ップ光学系210の光軸Ax1に対して、互いに等距離と
なり且つ切欠面からの距離が互いに等しくなる位置に、
オフセットされている。そして、クローズアップ光学系
210の光軸Ax1方向から見ると、クローズアップ光学
系210の光軸Ax1と両ズーム光学系220,230の
光軸Ax2,Ax3とが、光軸Ax1の位置を鈍角な頂点とし
た二等辺三角形をなすように配置されている。
【0038】なお、クローズアップ光学系210の直径
は、ズーム光学系220,230の最大有効径と照明光
学系300の最大有効径を内包する円の直径より大きく
設定されている。従って、両ズーム光学系220,23
0の光軸は、このクローズアップ光学系210によって
偏向され、クローズアップ光学系210の物体側焦点位
置において互いに交わる。その結果、両ズーム光学系2
20,230の像側焦点位置には、所定の基線長を隔て
た二位置から夫々同一物体を撮像して得たのと等価な像
が、夫々形成される。
【0039】視野絞り270,271は、設計値通りに
作成されたズーム光学系220,230による一次像の
結像位置として予定された位置に配置されている。視野
絞り270,271は、外形が円形状で左右方向のそれ
ぞれ内側に半円形の開口を有している。各視野絞り27
0,271は、この開口の直線状のエッジがCCD11
6上での左右画像の境界線に相当する方向に一致し、そ
れより内側の光束のみを透過させるように配置されてい
る。
【0040】リレー光学系240,250は、上述のよ
うにズーム光学系220,230により形成された一次
像を再結像させる作用を持ち、いずれも3群の正レンズ
群により構成される。
【0041】一方のリレー光学系240は、単一の正メ
ニスカスレンズから構成される第1レンズ群241と、
負、正の貼合わせで構成され、全体として正のパワーを
持つ第2レンズ群242と、単一の両凸レンズから構成
される第3レンズ群243とから構成されている。この
うち第1レンズ群241及び第2レンズ群242は、そ
の全体としての物体側焦点をズーム光学系220による
一次像の結像面(視野絞り271と同じ平面)に一定さ
せている。また、第3レンズ群243は、第2レンズ群
242から射出された平行光をCCD116の撮像面上
に収束させる。そして、第1レンズ群241と第2レン
ズ群242との間には、光路を直角に偏向するペンタプ
リズム272が配置され、第2レンズ群242と第3レ
ンズ群243との間には光量調節用の明るさ絞り244
が設けられている。
【0042】他方のリレー光学系250も、上記のリレ
ー光学系240と同一構成であり、第1、第2、第3レ
ンズ群251,252,253から構成され、第1レン
ズ群251と第2レンズ群252との間には、ペンタプ
リズム273が配置され、第2レンズ群252と第3レ
ンズ群253との間には明るさ絞り254が設けられて
いる。
【0043】視野絞り270,271を通過した発散光
は、リレー光学系の第1レンズ群241,251及び第
2レンズ群242,252により再びほぼ平行光に変換
され、明るさ絞り244,254を通過した後、第3レ
ンズ群243,253により再度収束して二次像を形成
する。
【0044】リレー光学系240,250とCCDカメ
ラ102との間に配置された輻輳寄せプリズム260
は、それぞれのリレー光学系240,250からの被写
体光の左右の間隔を狭める機能を有する。立体視による
立体感を得るためには左右のズーム光学系220,23
0、リレー光学系240,250の間には所定の基線長
が必要である。他方、CCD116上の隣接した領域に
二次像を形成するためには光軸間の距離を基線長より小
さくする必要がある。そこで、輻輳寄せプリズム260
により、リレー光学系の光軸をそれぞれ内側にシフトさ
せることにより、所定の基線長を確保しつつ同一CCD
116上への結像を可能としている。
【0045】輻輳寄せプリズム260は、五角柱の左右
対称な光軸シフトプリズム261,262が(所定の隙
間を開けて)接合されることによって構成されている。
各光軸シフトプリズム261,262は、互いに平行な
入射端面と射出端面とを備え、かつ、内側と外側とに互
いに平行な第1,第2反射面を備えている。また、これ
らの光軸シフトプリズム261,262は、入射、射出
端面や反射面に対して垂直な方向で平面的に見ると、平
行四辺形の鋭角の頂角の一方を射出端面に直交する線で
切り取って形成された五角形状であり、切り取られて形
成された面が接合面となっている。
【0046】リレー光学系240,250からの被写体
光は、各光軸シフトプリズム261,262の入射端面
から入射し、外側の反射面で反射されて左右方向で内側
に向けられ、内側の反射面で再び入射時と同じ光軸方向
に反射され、射出端面から射出してCCDカメラ102
に入射する。この結果、左右の被写体光はその進行方向
を変えずに左右の間隔のみが狭められ、同一のCCD1
16上に二次像を形成する。
【0047】照明光学系300は、被写体に照明光を照
射する機能を有し、ライトガイドファイババンドル10
5から射出する発散光の発散度合いを調整する照明レン
ズ310と、照明範囲と撮影範囲とを一致させるための
楔プリズム320とから構成されている。照明レンズ3
10の光軸Ax4は、クローズアップ光学系210の光軸
Ax1と平行であり、かつ、所定量偏心しているため、こ
のままでは照明範囲の中心と撮影範囲の中心とが一致せ
ず、照明光量が無駄になる。楔プリズム310を設ける
ことにより、上記の不一致を解消でき、照明光量を有効
に利用することができる。
【0048】<光学系保持機構>次に、上述した撮影光
学系200のうち左右一対のズーム光学系220,23
0を立体顕微鏡101の筐体1内に保持する機構の機械
構成を、説明する。図4は、各ズーム光学系220,2
30の光軸Ax2,Ax3をともに含む面に沿った立体顕微
鏡101の概略縦断面図(部分)である。また、図5
は、図4におけるV−V線に沿った横断面を撮影光学系2
00の射出側(図4の上側)から見た平面図であり、図
6は、図5におけるVI−VI線に沿った概略縦断面図であ
り、図7及び図8は、ズーム光学系220,230の第
2及び第3レンズ222,223,232,233近傍
における立体顕微鏡101の部分断面正面図である。
【0049】これら各図に示されるように、両ズーム光
学系220,230は、共に、共通のズーム鏡筒2に保
持されている。このズーム鏡筒2は、筐体1の内部に固
定された円筒形状の固定環3と、この固定環3内におい
て回転のみ可能に填め込まれたカム環4と、このカム環
4内で直進のみ可能に填め込まれた二つのレンズ枠(第
2レンズ枠5,第3レンズ枠6)とを、主要な構成とし
ている。
【0050】固定環3は、概略有底円筒形状を有してお
り、その底3aには、各ズーム光学系220,230の
光軸Ax2,Ax3の通過位置を中心とした円形の貫通孔3
b,3cが形成されている。また、クローズアップ光学
系210を構成する各レンズ211,212におけるD
カットされた部分(略半月状の部分)にほぼ重なる照明
孔3dが形成されている。そして、両貫通孔3b,3c
の下側縁に、これらとほぼ同じ内径の筒状形状を有する
とともにその内部に第1レンズ群221,231を保持
する第1レンズ枠7,7が、夫々固着されている。
【0051】また、固定環3の周方向における等角度間
隔な3箇所(両光軸Ax2,Ax3を共に含む面と直交する
面であって固定環3の中心軸を含む面が照明孔3dとは
離れた側で固定環3と交わる箇所,及び、そこから周方
向に120度づつズレた2箇所)には、夫々、固定環3
の中心軸と平行な直線状の貫通溝(直進溝)3eが形成
されている。
【0052】また、固定環3の上側(リレー光学系側)
の開口端には、円盤状の蓋8が填め込まれている。この
蓋8にも、固定環3の各貫通孔3b、3c及び照明孔3
dに夫々対応して、両光軸Ax2,Ax3の通過位置を中心
とした貫通孔8b,8c及び照明孔3dと同形状且つ同
位置の照明孔8dが、形成されている。そして、各貫通
孔8b、8cには、各ズーム光学系220,230の第
4レンズ群224,234をその内部に保持した第4レ
ンズ枠9,9が、貫通した状態で固定されている。
【0053】カム環4は、固定環3の底3aから蓋8ま
での間隔よりも、軸方向において、若干のクリアランス
分だけ短く形成されている。このカム環4には、120
度づつの等角度間隔で、両レンズ枠5,6を駆動するた
めの2本一組のカム溝(第2レンズ枠5を駆動するため
の第1カム溝4a,第3レンズ枠6を駆動するための第
2カム溝4b)が貫通形成されている。これら両カム溝
4a,4bの夫々の端同士の位置は、周方向において互
いに一致している。また、両カム溝4a,4bが軸方向
において占める領域は、直進溝3eが軸方向において占
める領域と一致している。
【0054】各レンズ枠5,6は、共に、カム環4の内
径とほぼ同じ外径の扁平な有底円筒形状を、有してい
る。そして、第2レンズ枠5は、その開口端を上側(リ
レー光学系側)へ向けた状態でカム環4に填め込まれて
おり、第3レンズ枠6は、その開口端を下側(クローズ
アップ光学系側)へ向けた状態でカム環4に填め込まれ
ている。第2レンズ枠5の外周面には、カム環4に填め
込まれた状態において、各直進溝3eと各第1カム溝4
aとの3箇所の交点を夫々貫通する3本のカムフォロワ
10が植設されている。各カムフォロワ10は、レンズ
枠5に固定されたカムピンとこのカムピンを中心に回転
する円筒状のカラーとから構成されている。同様に、第
3レンズ枠6の外周面には、カム環4に填め込まれた状
態において、各直進溝3eと各第2カム溝4bとの3箇
所の交点を夫々貫通する3本のカムフォロワ11が植設
されている。各カムフォロワ11は、カムフォロワ10
と同じ構成である。従って、これら両レンズ枠5,6
は、固定環3に対して回転不能に規制されているととも
に、カム環4の回転位置に対応した軸方向の位置に位置
決めされている。
【0055】両レンズ枠5,6には、このように回転が
規制されている状態で固定環3の照明孔3d及び蓋8の
照明孔8dに重なる照明孔5d,6dが、夫々開けられ
ている。また、第2レンズ枠5には、両光軸Ax2,Ax3
と同軸に、円筒形状のレンズ固定筒部5b,5cが、下
側へ突出した状態で一体に形成されている。これら両レ
ンズ固定筒部5b,5cの内部のほぼ中央には、夫々、
第2レンズ群222,232が保持されている。また、
第3レンズ枠6にも、両光軸Ax2,Ax3と同軸に、円筒
形状のレンズ固定筒部6b,6cが、下側へ突出した状
態で一体に形成されている。これら両レンズ固定筒部6
b,6cの先端内部には、夫々、第3レンズ群223,
233が保持されている。なお、これら両レンズ固定筒
部6b,6cの内径は、第4レンズ枠9,9の下端がそ
の内部に進入して、第4レンズ群224,234に対し
て第3レンズ群223,233が近接できるように、第
4レンズ枠9,9の下端の外径よりも大きく形成されて
いる。
【0056】また、図4,図7及び図8に示されるよう
に、第3レンズ枠6の中心には、その中心軸と同軸な円
筒形状のバネ端固定筒部6eが、上側に突出した状態で
一体に形成されている。同様に、固定環3の底3aの中
心には、その中心軸と同軸な円筒形状のバネ端固定筒部
3fが、下側に突出した状態で一体に形成されている。
さらに、バネ端固定筒部6eの上側の開口端近傍、及
び、バネ端固定筒部3fの下側の開口端近傍には、夫
々、引張バネ18の端部を引っ掛けるための棒状部材3
g,6fが、中心軸に直交するように形成されている。
なお、第2レンズ枠5の中心には、引張バネ18を通過
させるための貫通孔5eが形成され、固定環3の蓋8の
中心には、バネ端固定筒部6eが進入する貫通孔8eが
形成されている。また、引張バネ18は、第3レンズ枠
6が最も固定環3の底3aに近づいたときの棒状部材3
g,6f間の長さよりも短い自由長を、有している。
【0057】従って、これらバネ端固定筒部3f,6e
及び貫通孔5eに引張バネ18が挿通されるとともに、
その引張バネ18の両端が各バネ端固定筒部3f,6e
の棒状部材3g,6fに引っ掛けられた状態では、第3
レンズ枠6は、固定環3の底3aに向けて付勢される。
第3レンズ枠6に掛かるこの付勢力は、第3レンズ枠6
のカムフォロワ11がカム環4の第2カム溝4bを下側
に押し付けるために、カム環4にも伝わる。従って、第
3レンズ枠6に掛かる付勢力が伝わったカム環4は、常
に、固定環3の底3aに押し付けられる。
【0058】上述したカム環4の内周面の下端には、内
周に歯が形成された環状ギア15が、填め込まれて固定
されている。この環状ギア15には、固定環3の底3a
に固定されたモーター16の駆動軸に取り付けられたピ
ニオン17が、噛合している。従って、このモーター1
6がピニオン17を適当な方向に適量回転させることに
より、カム環4が任意の方向へ任意の角度だけ回転す
る。その結果、各レンズ枠5,6によって保持された第
2レンズ群222,232及び第3レンズ群223,2
33が、両カム溝4a,4bの形状によって一義的に定
まる位置へ、夫々移動され、撮影光学系200による撮
影倍率が変化する。そして、この移動の間中も、第3レ
ンズ枠6に掛かる付勢力がカム環4に掛かっているの
で、カム環4は固定環3の底3aに押さえ付けられる。
【0059】以上に示したように、第1の実施形態のズ
ーム鏡筒2によれば、第3レンズ枠6を介して伝達され
る引張バネ18による付勢力がカム環4を常時固定環3
に押し付けているので、このズーム鏡筒2が様々な方向
に向けられた場合でも、カム環4が固定環3の底3aか
ら離れることがない。従って、カム環4が固定環3との
クリアランスの範囲で光軸方向に移動することがなくな
り、これによるピント位置のズレもなくなる。また、モ
ーター16が駆動することによりカム環4に対して任意
の回転方向の駆動力が加えられても、カム環4が常に固
定環3の底3aに押し付けられているために、カム環4
の中心軸が倒れることがなくなり、これによって第2及
び第3レンズ群222,232,223,233が各々
の対物光学系の光軸Ax2,Ax3に対して偏心することも
なくなる。
【0060】なお、図5の平面図に示されるように、第
2レンズ枠5の内周面における互いに等角度間隔となる
3箇所(上側から見て各カムフォロワ10よりも時計方
向へ若干ずれた位置)には、夫々、バネ掛け用のフック
12が固定されている。同様に、第3レンズ枠6の内周
面における互いに等角度間隔となる3箇所(上側から見
て各カムフォロワ11よりも反時計方向へ若干ずれた位
置)にも、夫々、バネ掛け用のフック13が固定されて
いる。そして、各カムフォロワ10,11によって回転
が規制された状態にある第2レンズ枠5の各フック12
と、夫々に対応する第3レンズ枠6の各フック13との
間には、固定環3の外側から見て、各直進溝3eを左下
から右上へ向けて斜めに横切るように、3本の引張バネ
14が、夫々掛けられている(図7及び図8における真
ん中の引張バネ14と直進溝3eとを参照)。なお、図
4乃至図8には、断面の手前側に存在する引張バネ14
やフック12,13もが、重ねて図示されている。そし
て、このような各引張バネ14の収縮力により、第2レ
ンズ枠5の各カムフォロワ10は、上側から見たときの
直進溝3eの反時計側の内縁と第1カム溝4aの上側の
内縁とに常時接触するとともに、第3レンズ枠6の各カ
ムフォロワ11は、上側から見たときの直進溝3eの時
計側の内縁と第2カム溝4bの下側の内縁とに常時接触
する。従って、カムフォロワ10,11が当て付くカム
溝4a,4bや直進溝3eの側縁がカム環3の回転の向
きに応じてスイッチすることや、各直進溝3eや第1及
び第2カム溝4a,4bとのクリアランスの範囲内でカ
ムフォロワ10,11がズレてしまうことが無い。
【0061】ところで、固定環3,第2レンズ枠5,第
3レンズ枠6及び蓋8の照明孔3d,5d,6d,8d
は、共に同形状であり、カム環4の回転位置如何に拘わ
らず、周方向にずれることはない。そして、照明光学系
300に照明光を導入するためののライトガイドファイ
ババンドル105が、これら照明孔3d,5d,6d,
8dに挿入されて固定されている。従って、ライトガイ
ドファイババンドル105の存在如何に拘わらず、両ズ
ーム光学系220,230を共通のズーム鏡筒2内に収
容することができる。
【0062】
【実施形態2】本発明の第2の実施形態は、第1の実施
形態のように第3レンズ枠6を固定環3の底3aに向け
て付勢する構成を、第2レンズ枠5を固定環3の蓋8に
向けて付勢する構成とした他は、全ての構成が同じであ
る。従って、以下、第2の実施形態における第1の実施
形態に対する相違点のみを説明する。なお、図9及び図
10は、各ズーム光学系220,230の光軸Ax2,Ax
3を共に含む面に沿った立体顕微鏡101の概略縦断面
図(部分)である。
【0063】これら両図に示されるように、蓋8の中心
には、その中心軸と同軸な円筒形状のバネ端固定筒部8
fが、上側に突出した状態で一体に形成されている。同
様に、第2レンズ枠5の中心には、その中心軸と同軸な
円筒形状のバネ端固定筒部5fが、下側に突出した状態
で一体に形成されている。バネ端固定筒部5fの下側の
開口端近傍,及び、バネ端固定筒部8fの上側の開口端
近傍には、夫々、引張バネ18の端部を引っ掛けるため
の棒状部材5g,8gが、中心軸に直交するように形成
されている。なお、第3レンズ枠6の中心には、引張バ
ネ18を通過させるための貫通孔6fが形成され、固定
環3の底3aの中心には、バネ端固定筒部5fが進入す
る貫通孔3hが形成されている。また、引張バネ18
は、第2レンズ枠5が最も固定環3の蓋8に近づいたと
きの棒状部材5g,8g間の長さよりも短い自由長を、
有している。
【0064】従って、これらバネ端固定筒部5f,8f
及び貫通孔6fに引張バネ18が挿通されるとともに、
その引張バネ18の両端がバネ端固定筒部5f,8fの
各棒状部材5g,8gに引っ掛けられた状態では、第2
レンズ枠5は、固定環3の蓋8に向けて付勢される。第
2レンズ枠5に掛かるこの付勢力は、第2レンズ枠5の
カムフォロワ10がカム環4の第1カム溝4aを上側に
押し付けるために、カム環4にも伝わる。従って、第2
レンズ枠5に掛かる付勢力が伝わったカム環4は、常
に、固定環3の蓋8に押し付けられる。
【0065】以上に示したように、第2の実施形態のズ
ーム鏡筒2’によっても、第1の実施形態のように、第
2レンズ枠5を介して伝達される引張バネ18による付
勢力がカム環4を常時固定環3に押し付けているので、
このズーム鏡筒2が様々な方向に向けられた場合でも、
カム環4が固定環3の蓋8から離れることがない。ま
た、このようにカム環4が常に固定環3の蓋8に押し付
けられているために、モーター16が駆動することによ
りカム環4に対して任意の回転方向の駆動力が加えられ
ても、カム環4の中心軸が倒れることがない。
【0066】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の双眼レ
ンズ鏡筒によると、左右一対の対物光学系を構成する一
部のレンズ群を互いに同期させて移動させるために円筒
形状の固定環に対して円筒形状のカム環を回転させるこ
とによってレンズ枠を中心軸方向に移動させる構成であ
るも拘わらず、固定環とカム環との間にクリアランスを
大きく取った場合でも、その範囲内でカム環が光軸方向
に移動することが規制され、また、カム環が光軸方向に
対して倒れることが抑制される。その結果、観察対象物
の拡大映像を違和感なく自然な状態で立体視することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態によるビデオ型立体
顕微鏡を組み込んだ手術支援システムの全体構成を示す
概略図
【図2】 図1の手術支援システムを構成する立体視ビ
ューワに内蔵されたLCDパネルの平面図
【図3】 ビデオ型立体顕微鏡の光学系を示す斜視図
【図4】 ビデオ型立体顕微鏡の基線長方向に沿った概
略縦断面図
【図5】 図4におけるV−V線に沿った概略横断面図
【図6】 図5におけるVI−VI線に沿った概略縦断面図
【図7】 ビデオ型立体顕微鏡を構成するズーム鏡筒の
一部分の部分断面正面図
【図8】 ビデオ型立体顕微鏡を構成するズーム鏡筒の
一部分の部分断面正面図
【図9】 本発明の第2の実施形態によるビデオ型立体
顕微鏡を構成するズーム鏡筒の基線長方向に沿った概略
縦断面図
【図10】 ズーム鏡筒の基線長方向に沿った概略縦断
面図
【図11】 従来のズーム鏡筒の基線長方向に沿った縦
断面図
【図12】 従来のズーム鏡筒の基線長方向に直交する
方向に沿った縦断面図
【図13】 従来のズーム鏡筒を構成する両レンズ枠及
び引張バネの組み付け状態を示す斜視図
【符号の説明】
1 筐体 2 ズーム鏡筒 3 固定環 4 カム環 4a 第1カム溝 4b 第2カム溝 5 第2レンズ枠 6 第3レンズ枠 10 カムフォロワ 11 カムフォロワ 12 フック 13 フック 14 引張バネ 18 引張バネ 220 ズーム光学系 222 第2レンズ群 223 第3レンズ群 230 ズーム光学系 232 第2レンズ群 233 第3レンズ群
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 7/10 G02B 21/22 21/22 7/04 D

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一の物体の像を所定の基線長だけ隔てた
    位置から夫々結像させる一対の対物光学系中の移動レン
    ズ群を保持するための双眼レンズ鏡筒であって、 前記各対物光学系の光軸と平行な中心軸を有する筒状部
    材からなり、その中心軸と平行な直進溝が形成された固
    定環と、 前記光軸と平行な中心軸を有する筒状部材からなり、前
    記固定環に対して回転のみ自在に填め合わされていると
    ともに、その中心軸に対して傾いた部分を有するカム溝
    が形成されたカム環と、 前記固定環及びカム環の内部において前記光軸と平行な
    方向にのみ移動可能に保持されているとともに、前記両
    対物光学系中の移動レンズ群を共に保持するレンズ枠
    と、 このレンズ枠に取り付けられているとともに前記直進溝
    と前記カム溝との交点を貫通するカムフォロワと、 前記レンズ枠を前記固定環の端部に向けて付勢する付勢
    部材とを備えたことを特徴とする双眼レンズ鏡筒。
  2. 【請求項2】前記各対物光学系は、二つの移動レンズ群
    を含んでおり、 前記カム溝,前記レンズ枠,及び前記カムフォロワは前
    記各移動レンズ群に対応して夫々備えられているととも
    に、 前記両レンズ枠同士を、前記光軸に対して斜めな方向へ
    相対的に付勢する第2の付勢部材を、更に備えたことを
    特徴とする請求項1記載の双眼レンズ鏡筒。
  3. 【請求項3】前記直進溝,前記カム溝,前記カムフォロ
    ワ及び前記第2の付勢部材は、前記固定環及び前記カム
    環の中心軸周りに等角度間隔で複数設けられていること
    を特徴とする請求項2記載の双眼レンズ鏡筒。
  4. 【請求項4】前記付勢部材は、引張バネであることを特
    徴とする請求項1,2又は3記載の双眼レンズ鏡筒。
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