JP2002265798A - 再生樹脂組成物 - Google Patents

再生樹脂組成物

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JP2002265798A JP2001066309A JP2001066309A JP2002265798A JP 2002265798 A JP2002265798 A JP 2002265798A JP 2001066309 A JP2001066309 A JP 2001066309A JP 2001066309 A JP2001066309 A JP 2001066309A JP 2002265798 A JP2002265798 A JP 2002265798A
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crushed
extruder
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Makoto Takagi
誠 高木
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Teijin Ltd
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、リサイクルされた材料にお
いて、特に耐衝撃性に代表される機械的特性の低下を抑
制することにある。すなわち樹脂成形品の破砕物とバー
ジン原料とを溶融混練してなる再生樹脂組成物であっ
て、その耐衝撃性の良好な樹脂組成物を達成し、それに
よりリサイクル効率の向上(再生すべき樹脂成形品の破
砕物の混入量の増加)を達成する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂成形品破砕物(A成分)と
バージン原料とを溶融混練してなる樹脂組成物であっ
て、該A成分は、そのカサ密度をax(g/cm3)およ
びその真密度をay(g/cm3)とした時、下記式
(1)を満足することを特徴とする再生樹脂組成物。 0.3≦(ax/ay)≦0.5 (1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂成形品の破砕
物とバージン原料とを溶融混練して得られた再生樹脂組
成物に関する。詳しくは、樹脂成形品の破砕物としてカ
サ密度に関する特性値が特定の範囲内であるものを使用
することにより、耐衝撃性などに代表される機械的特性
に優れた再生樹脂組成物に関する。更に詳しくはバージ
ン原料においてもカサ密度に関する特性値が特定の範囲
内であるものを使用し、更にその溶融混練方法について
も特定の方法で行うことにより得られた、より耐衝撃性
などの機械的特性に優れた再生樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は、優れた
機械的特性、熱的特性を有しているため、工業的に広く
利用されている。また芳香族ポリカーボネート樹脂と他
の熱可塑性樹脂とのポリマーアロイも数多く開発され、
OA機器分野、電気・電子機器分野、自動車分野、その
他雑貨などの分野に広く使用されている。特に近年は、
芳香族ポリカーボネート樹脂にABS樹脂に代表される
スチレン系樹脂を配合した樹脂組成物がOA機器、電子
電気機器の筐体などの部品において、著しく増加してい
る。かかる芳香族ポリカーボネート樹脂とスチレン系樹
脂からなる組成物は、その流動性、EMIシールドメッ
キ性、耐熱性、耐光性などの優れた特性からOA機器を
始めとする様々な分野に広く使用されている。また、芳
香族ポリカーボネート樹脂に芳香族ポリエステル樹脂を
配合した樹脂組成物においても、耐薬品性、耐熱性など
の特徴から電子電気機器、自動車などの分野に広く適用
されている。
【0003】一方近年は資源の再利用、環境保護の観点
から不用になった製品を回収し再利用する、いわゆるリ
サイクルの検討が盛んに行われ、上記の如く大量の樹脂
を使用するOA機器の分野においては重要課題の1つと
されている。
【0004】かかる樹脂のリサイクルに関しては、従来
は元々高度な機械的特性や難燃性などの特性を有する樹
脂成形品から回収された樹脂を、それらの特性が特に要
求されない分野に再使用する方法が主として取られてき
た。しかしながら近年は、「リサイクル」なる語が本来
有する概念、すなわち、再生前の樹脂組成物が本来有す
る特性とほぼ同等の特性を再生後の樹脂組成物において
も達成し、いわゆるクローズドリサイクルを達成するこ
とが求められている。このため廃棄された製品から回収
された樹脂に、いわゆるバージン樹脂などを適量混合
し、再生前の樹脂組成物が有する特性に近い再生樹脂組
成物を得る試みが盛んに為されているのが現状である。
【0005】さらには、特にコンピューター、プリン
タ、複写機などのOA機器の分野では、リサイクルされ
た材料を使用した製品設計が不可欠になってきている。
一方でリサイクルされた材料においては、バージン原料
を用いた樹脂組成物の場合と同じ特性を満足できない場
合がある。かかる不十分な特性は、特に高度な耐衝撃性
が要求されるノート型コンピューターの筐体成形品にお
いて生ずる場合があった。
【0006】従来より、再生された成形品の場合、塗膜
やその他の異物などが要因で特に耐衝撃性などが低下し
やすいことがしばしば報告されている。しかしながら耐
衝撃性の低下は無塗装の材料においても少なからず認め
られる場合がある。かかる場合バージン原料の割合を多
くする必要が生じリサイクルの効率が低下していた。
【0007】すなわち、不用になった成形品をリサイク
ル可能な原料として広く使用することができ、効率よく
再生樹脂組成物を得、かつ機械的物性、色相などのバラ
ツキの少ない再生樹脂を得る方法および該方法により得
られた再生樹脂組成物が強く要望されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、リサ
イクルされた材料において、機械的特性の低下、特に耐
衝撃性の低下を抑制することにある。すなわち樹脂成形
品の破砕物とバージン原料とを溶融混練してなる再生樹
脂組成物であって、その耐衝撃性の良好な樹脂組成物を
達成し、それによりリサイクル効率の向上(再生すべき
樹脂成形品の破砕物の混入量の増加)を達成することを
目的とする。
【0009】本発明者は、殊にノート型コンピューター
の筐体成形品から得られた成形品破砕物において、その
耐衝撃性が低下しやすいことを見出し、かかる点につい
て鋭意検討した。その中で、成形品破砕物の形態がその
耐衝撃性の低下に関係することを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0010】ノート型コンピューターなどの筐体成形品
は形状が複雑であり、また靭性が極めて高い。したがっ
てその破砕物は、形状が不均一なものとなりカサ密度が
小さくなりやすかった。かかる破砕物は、押出機への供
給性を不安定なものとしていた。かかる点に耐衝撃性の
低下の一因があると予想し検討を行った。
【0011】尚、例えば芳香族ポリカーボネート樹脂か
らなる成形品のリサイクルについては、従来からコンパ
クトディスク(CD)に代表される光記録媒体の分野で
各種の提案がなされている。例えば特開平8−3113
26号公報では、CD破砕物、芳香族ポリカーボネート
樹脂、およびABS樹脂などを押出機に供給して溶融混
練し、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を得る方法が
開示されている。しかしながら、かかる公報に提案され
たリサイクルにおいては、上記OA機器などの場合と以
下の点で事情が異なっている。
【0012】(i)CDなどは、円盤状の単一形状であ
り、かつ靭性の低い芳香族ポリカーボネート樹脂単体か
らなっており、その破砕物もほぼ形状の揃ったフレーク
状になり、押出機への破砕物の供給のバラツキの問題を
基本的に生じにくい。
【0013】(ii)CDの場合は、耐衝撃性が低い芳
香族ポリカーボネート樹脂単体が使用され、元来それ自
体から耐衝撃性を期待されていない。すなわち再生され
る樹脂組成物は、特に耐衝撃性が期待されないものか、
またはバージン原料中のゴムなどの成分により耐衝撃性
の向上を期待するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
成形品破砕物(A成分)とバージン原料とを溶融混練し
てなる樹脂組成物であって、該A成分は、そのカサ密度
をax(g/cm3)およびその真密度をay(g/c
3)とした時、下記式(1)を満足することを特徴と
する再生樹脂組成物にかかるものである。すなわち、樹
脂成形品破砕物の好適な形態にかかるものである。 0.3≦(ax/ay)≦0.5 (1)
【0015】本発明は、上記溶融混練が、押出機を用い
てなされたものである再生樹脂組成物にかかるものであ
る。すなわち、上記形態を有する成形品破砕物は押出機
を用いて溶融混練する場合に好適なものである。
【0016】本発明は、より好適には上記A成分と、バ
ージン原料から選択される少なくとも1種の原料とを、
押出機の同一の供給口から供給し溶融混練してなる上記
再生樹脂組成物にかかるものである。すなわち成形品破
砕物をバージン原料と同時に供給することで、より安定
な供給を可能とした特性低下の少ない再生樹脂組成物に
かかるものである。
【0017】本発明は、更に好適には上記A成分と同一
の供給口から供給されるバージン原料(B成分)が、そ
のカサ密度をbx(g/cm3)およびその真密度をby
(g/cm3)とした時、下記式(2)を満足すること
を特徴とする上記再生樹脂組成物にかかるものである。
すなわち、上記成形品破砕物と同時に供給するバージン
原料が特定の形態とし、より安定な供給を可能とした特
性低下の少ない再生樹脂組成物にかかるものである。 0.5≦(bx/by)≦0.8 (2)
【0018】特に好適には、上記A成分とB成分の混合
物におけるそのカサ密度をabx(g/cm3)およびそ
の真密度をaby(g/cm3)とした時、下記式(3)
を満足することを特徴とする上記再生樹脂組成物にかか
るものである。すなわち、上記成形品破砕物と同時に供
給するバージン原料とをあわせた形態を特定の形態と
し、より好適な再生樹脂組成物を達成するものである。 0.4≦(abx/aby)≦0.7 (3)
【0019】更に本発明は、上記A成分が押出機の途中
の供給口から供給されて得られた上記再生樹脂組成物に
かかるものである。すなわち本発明は、上記特定の形態
を有する成形品破砕物を押出機途中から供給して溶融混
練することで、より良好な特性を有する再生樹脂組成物
にかかるものである。
【0020】本発明は、殊に上記A成分が弾性重合体を
含んでなる熱可塑性樹脂組成物である再生樹脂組成物に
かかるものである。本発明はかかる樹脂組成物のような
靭性の高い樹脂組成物の課題を解決するものである。
【0021】より好適には本発明は、上記A成分が弾性
重合体を含んでなる非相溶性ポリマーブレンドからなる
熱可塑性樹脂組成物である再生樹脂組成物にかかるもの
である。
【0022】更に本発明は、上記A成分が芳香族ポリカ
ーボネート、スチレン系重合体、並びにゴム変性スチレ
ン系共重合体を含んでなり、A成分100重量%中、芳
香族ポリカーボネートを30重量%以上含有してなる熱
可塑性樹脂組成物である再生樹脂組成物にかかるもので
ある。かかる再生樹脂組成物は、本発明の好適な態様の
1つである。
【0023】また本発明は、上記A成分が、芳香族ポリ
カーボネート、芳香族ポリエステル、および弾性重合体
からなり、A成分100重量%中、芳香族ポリカーボネ
ートを30重量%以上含有してなる熱可塑性樹脂組成物
である再生樹脂組成物にかかるものである。かかる再生
樹脂組成物は、本発明の好適な態様の1つである。
【0024】更に本発明は、上記B成分がスチレン系樹
脂および芳香族ポリエステル樹脂から選択される少なく
とも1種の樹脂からなるペレットである上記再生樹脂組
成物にかかるものである。
【0025】本発明は、更に着色剤(D成分)を押出機
の第1供給口から供給して得られた上記再生樹脂組成物
にかかるものである。
【0026】更に本発明は好適には、A成分がノート型
コンピューターの筐体成形品の破砕物である上記再生樹
脂組成物にかかるものである。以下に本発明の詳細につ
いて説明する。
【0027】本発明におけるA成分の熱可塑性樹脂成形
品破砕物について説明する。本発明で使用する熱可塑性
樹脂成形品破砕物は、熱可塑性樹脂からなる成形品の破
砕物であればよく、特に成形品の用途、形状、色相など
その成形品が使用される製品において要求される特性
や、成形品の使用期間や使用される環境などを限定する
ものではない。さらに特定の成形品からなる成形品破砕
物に限らず、1種以上の成形品からなる破砕物を混合し
て使用することもできる。
【0028】本発明でいう「成形品破砕物」とは、成
形品が製品の一部として市場で使用され、消費者等にお
いてその製品の使用期間が終了し、回収された成形品の
破砕物、市場に出る前の成形の過程で発生する不良品
やスプルー、ランナーなどの成形工程で付随して発生す
る成形物、および製品化工程での不良品、在庫として不
用になった成形品などバージンペレットを少なくとも一
度加工した成形物の破砕物、を指し、これらおよび
を広く成形品の破砕物として本発明に使用することがで
きる。特に本発明の「成形品破砕物」は、との合計
100重量%中、が70重量%以上であることが本発
明の目的に適合し好ましい。
【0029】本発明におけるバージン原料について説明
する。本発明のバージン原料とは、未だ使用されてない
本発明の再生樹脂組成物を構成する原料成分である。し
たがって、一度市場において使用され回収された、ある
いは成形時に付随して発生した成形物の破砕物である本
発明のA成分とは明確に区別されるものである。
【0030】かかる原料は通常自社で生産した樹脂およ
び/または各種の添加剤、並びに市場から入手される樹
脂および/または各種の添加剤などであり、その形態は
通常粉状、粒状、液状などである。また通常は各成分が
独立した場合が多いが、一部が既に混合された状態のも
のも使用可能である。バージン原料のうち樹脂原料は粉
状、もしくはペレット状、チップ状または球状に造粒さ
れたものが通常使用される。ここでペレット状とは円形
状または楕円形状の断面を持つ円柱状の粒体であり、そ
の断面の長径は1〜4mm、長さは2〜6mmが好まし
い。
【0031】本発明は、上記A成分とバージン原料とを
溶融混練してなるものである。使用する溶融混練機とし
ては、例えばロールミル、インターナルミキサー(バン
バリーミキサーなど)、押出機などを挙げることができ
る。更に押出機としては、単軸スクリュー型押出機、2
軸スクリュー型押出機、多軸スクリュー押出機(2軸以
上の押出機)、および遊星ローラ型押出機などを挙げる
ことができる。
【0032】単軸スクリュー型押出機としては、フルフ
ライトとダルメージやトーピードなどとを組合せたタイ
プのものが代表的に挙げられる。その他フィード部分の
み2本のスクリューを有するタイプや、トランスファー
ミックスなど特殊なタイプも挙げることができる。
【0033】2軸スクリュー型押出機の代表的な例とし
ては、ZSK(Werner &Pfleiderer
社製、商品名)を挙げることができる。同様のタイプの
具体例としはてTEX((株)日本製鋼所製、商品
名)、TEM(東芝機械(株)製、商品名)、KTX
(神戸製鋼所(株)製、商品名)などを挙げることがで
きる。その他、FCM(Farrel社製、商品名)、
Ko−Kneader(Buss社製、商品名)、およ
びDSM(Krauss−Maffei社製、商品名)
などの溶融混練機も具体例として挙げることができる。
【0034】更に、上記のスクリュー型押出機として
は、円錐型スクリューのタイプや、可塑化工程とメータ
リング工程が独立したタイプなども挙げることができ
る。
【0035】上記の溶融混練機の中でも押出機が好まし
い。中でも2軸押出機が好ましく、更にZSKに代表さ
れるタイプがより好ましい。かかる2軸押出機の詳細に
ついては後述する。
【0036】本発明では、A成分がそのカサ密度および
真密度から算出される数値が特定範囲内の形態を有する
ことを特徴とするものである。次にかかるカサ密度およ
び真密度の算出について説明する。
【0037】カサ密度とは試料の形状に由来する容積占
有量を示す見掛けの密度であり、JIS K7365に
準拠する方法により求めることができる。一方真密度
は、その試料そのものの真の密度のことであり、試料の
形状に由来するカサ密度とは異なるものである。かかる
真密度は、JIS K7112に準拠する方法により、
成形品の形状に熱加工などした試料から求めることがで
きる。
【0038】本発明のA成分は、そのカサ密度をa
x(g/cm3)およびその真密度をay(g/cm3)と
した時、下記式(1)を満足するものである。 0.3≦(ax/ay)≦0.5 (1)
【0039】かかる(ax/ay)の下限としては0.3
3が好ましく、0.36がより好ましく、0.38が更
に好ましい。また(ax/ay)の上限としては、0.4
9が好ましい。
【0040】上記(ax/ay)が0.3未満であると、
殊にA成分が弾性重合体を含有する熱可塑性樹脂組成物
の場合、再生樹脂組成物において耐衝撃性が不十分とな
る場合がある。一方(ax/ay)が0.5を超える場合
は、再生樹脂組成物において耐衝撃性が不十分であった
り、A成分の混入割合が低下する。かかる値を超える場
合A成分の靭性は極めて低い場合が多いためである。
【0041】上記A成分を得るための破砕機としては、
公知の破砕機を使用することができる。例えば圧縮式破
砕機(ロールクラッシャーなど)、衝撃式破砕機(イン
パクトクラッシャー、ハンマーミルなど)、切断式また
はせん断式破砕機(カッターミル、往復動式破砕機、低
速回転式破砕機(二軸せん断破砕機など)など)、衝撃
せん断式破砕機(シュレッダーなど)、および各種微粉
砕機(ボールミル、ディスクミル、ピンミル、ハンマー
ミル、ターボミル、ジェットミルなど)などを挙げるこ
とができる。上記の中でも成形品を直接供給可能で、破
砕効率に優れ、かつ必要とされる粒径に対応するなどの
点から切断式またはせん断式破砕機が好ましい。その中
でも低速回転式破砕機が、靭性の高い筐体成形品などに
おいても本発明の形態条件を満足した破砕物が得られや
すく、好ましい態様である。かかる低速回転式破砕機と
しては一軸型、二軸型、三軸型などいずれのタイプも使
用可能である。
【0042】また粉砕機の回転刃や固定刃の状態を良好
に保つことが重要である。回転刃や固定刃などが摩耗し
ていると、靭性の高い材料では破断面の変形が大きくな
る傾向がある。かかる変形は上記(ax/ay)を小さく
する。
【0043】本発明のA成分である成形品破砕物の形状
は特に限定されるものではないが、押出機への供給性、
取り扱い性などの点から破砕物の粒径(最大の粒体長径
に相当する)は1〜30mmであるのが好ましい。すな
わち、破砕物の90重量%以上が粒径1〜30mmの範
囲であることが好ましく、粒径1〜15mmの範囲であ
ることがより好ましく、粒径1.5〜12mmの範囲で
あることがより好ましく、粒径2〜10mmの範囲であ
ることが更に好ましい。かかる範囲であれば各種の溶融
混練機に供給するのに適し、本発明の再生樹脂組成物の
より良好な耐衝撃性を得ることが可能となる。尚、かか
る破砕物の粒径は、標準篩法に準じて測定することが可
能である。また、上記粒径の粉砕物は、目的とする粒径
に近い目開きのスクリーンを破砕機に設置することによ
り得られる。
【0044】破砕物中の印刷塗膜、シール、ラベル、化
粧塗装膜、導電塗装、導電メッキ、金属蒸着などの成形
品の表面加工に由来する樹脂組成物以外の成分は破砕物
中で1重量%以下になるようにこれらの成分を除去した
のち成形品を破砕したものが好ましく、特により高い耐
衝撃性が要求される場合には必要である。
【0045】かかる印刷塗膜やメッキなどを除去する方
法としては、2本のロール間で圧延する方法、加熱・加
圧水、各種溶剤、酸・アルカリ水溶液などに接触させる
方法、かかる除去部分を機械的に削り取る方法、超音波
を照射する方法、およびブラスト処理する方法などを挙
げることができ、これらを組み合わせて使用することも
可能である。
【0046】また再生樹脂組成物中におけるA成分の割
合としては、再生樹脂組成物100重量%中5〜60重
量%が好ましい。更に好ましくは7〜40重量%、特に
好ましくは10〜35重量%である。A成分の割合が5
〜60重量%の場合には、良好なリサイクル効率と耐衝
撃性などの機械的特性との両立が可能となる。
【0047】本発明における溶融混練機としては、上述
のとおり押出機が好ましく、中でも2軸押出機が好まし
く、更にZSKに代表されるタイプがより好ましい。高
い混練性と優れた溶融樹脂の搬送能力を持ち、原料の粘
度、組成、フィラーの有無、種類、含有量などによらず
適用範囲が広いためである。
【0048】2軸押出機においては、スクリューの回転
方向も特に制限はなく同方向回転、異方向回転の二軸押
出機が好ましく使用できる。同方向回転は溶融樹脂の搬
送能力が小さくなる反面、混練能力は大きくなり、異方
向回転では溶融樹脂の搬送能力が大きくなる反面、混練
能力は小さくなる。これらは原料の特性や目的とする再
生樹脂組成物の特性、目的とする処理能力に応じて適宜
選択できる。本発明においては適切な混練により良好な
耐衝撃性を達成できる点から同方向回転のものがより好
ましく使用できる。
【0049】更に2軸押出機においては、そのスクリュ
ーも適宜選択できる。例えば、形状は1条、2条、3条
のネジスクリューを使用することができ、多条ネジスク
リューになるほどスクリュー1回転あたりの噛み合い回
数は増大し大きなせん断混練能力が得られる。その一方
多条になるほど押出機内での溶融樹脂の搬送能力は低下
してくるため、排出量は低下してくる。本発明において
は、特に溶融樹脂の搬送能力やせん断混練能力の両方の
適用範囲が広い2条ネジスクリューが好ましく使用でき
る。
【0050】2軸押出機におけるスクリューの長さ
(L)と直径(D)との比(L/D)は、20〜40が
好ましく、更に28〜40が好ましい。L/Dが大きい
方が供給口を増やすことが容易である一方、大きすぎる
場合には樹脂組成物、殊にA成分にかかる熱負荷が高く
なり過ぎるため、耐衝撃性が低下するようになる。
【0051】2軸押出機のスクリュー構成としては各種
の仕様が可能である。かかる仕様が任意に変更できる点
もZSKタイプの大きな利点である。スクリューには混
練性を上げるためのニーディングディスクセグメント
(またはそれに相当する混練セグメント)から構成され
た混練ゾーンを1個所以上有することが好ましい。更に
後述するように2個所以上の供給口からA成分やバージ
ン原料を押出機に供給する場合には、2個所以上の混練
ゾーンを設けることが好ましい。
【0052】更に押出機としては、原料中の水分や、溶
融混練樹脂から発生する揮発ガスを脱気できるベントを
有するものが好ましく使用できる。ベントからは発生水
分や揮発ガスを効率よく押出機外部へ排出するための真
空ポンプが好ましく設置される。また破砕物に付着した
金属、粘着シール等の異物を除去するためのスクリーン
を押出機ダイス部前のゾーンに設置し、異物を再生樹脂
から取り除くことも可能である。かかるスクリーンとし
ては金網、スクリーンチェンジャー、焼結金属プレート
(ディスクフィルターなど)などを挙げることができ
る。
【0053】本発明の押出機は、2個所以上の供給口を
有するものがより好ましい。以後押出機のダイス部に最
も遠い方を第1供給口といい、第1供給口から順にダイ
ス部方向へいくに従い、第2供給口、第3供給口とす
る。
【0054】各供給口には各原料を押出機に供給するた
めのフィーダー(供給装置)が設置されることが好適で
ある。かかるフィーダーは計量器上に設置され、所定の
割合で押出機に原料を供給する。フィーダーは振動式、
スクリュー式、翼回転式のものが好ましい。さらに供給
口にはフィーダーから排出された各原料を押出機内部へ
送り込むための装置であるサイドフィーダーが設置され
るものであってもよい。特に第1供給口以外の供給口で
は設置されることが好ましい。サイドフィーダーを使用
すれば、上流から送られる成分が強い圧縮を受けている
場合でも安定した材料の供給が可能となるためである。
かかるサイドフィーダーはせん断発熱することのない2
軸スクリュー式のものが好ましい。
【0055】本発明において、樹脂成形品破砕物が上記
式(1)を満足する場合に、得られた再生樹脂組成物が
良好な耐衝撃性を有する理由は明確ではない。本発明者
は再生樹脂組成物において見られる耐衝撃性の低下の理
由として、当初異物の混入、または熱劣化およびそれに
伴う異物の発生などを想定し、各種評価を行った。しか
し、異物混入がなくまたは熱劣化が実質的に認められな
い場合でも耐衝撃性の低下は認められた。一方、かかる
挙動が弾性重合体を有する樹脂組成物において認められ
る傾向にあり、更にマトリックス樹脂が非相溶性のポリ
マーブレンドであって弾性重合体を有する場合により認
められる傾向にあり、更に樹脂の溶融粘度が低くなるほ
どより明確に認められる傾向があった。これらの点から
本発明者は、特に弾性重合体を含有する樹脂成形品破砕
物を混入した再生樹脂組成物の耐衝撃性の低下の主因
は、A成分中の弾性重合体(より正確にはそのゴム成
分)の凝集の可能性が高いと予想している。また弾性重
合体を含有しない場合の耐衝撃性の低下は、樹脂の局所
的な劣化が全体に対して大きな影響を与えている可能性
が考えられる。
【0056】更にかかるゴム成分の凝集と上記式(1)
で表わされる形態との関係も明確ではないものの次のよ
うに予想している。(i)A成分の粒子が必要以上に多
くの空気を含んだ状態で押出機などに供給されると、A
成分内部の高温化またはA成分中の樹脂の局所的な熱劣
化などが生じゴム成分の凝集を招く、あるいは(ii)
かかる状態の供給は不安定な供給となり、A成分の分散
不良を招きある程度凝集したゴム成分が再分散されにく
い、などである。
【0057】樹脂成形品破砕物であるA成分を押出機に
供給する場合、A成分とバージン原料から選択される少
なくとも1種の原料とを押出機の同一の供給口から供給
し溶融混練することが、本発明の好ましい態様として挙
げられる。かかる供給方法により再生樹脂組成物におい
て、安定した耐衝撃性を達成することが可能となる。か
かる供給方法がより安定した耐衝撃性を達成する理由
も、A成分の押出機への安定した供給がゴム成分の凝集
を極力抑制し、およびかかる安定した供給がA成分の再
分散を良好にすると考えられる。
【0058】上記のA成分とバージン原料から選択され
る少なくとも1種の原料とを押出機の同一の供給口から
供給する場合、A成分と、バージン原料から選択される
少なくとも1種の原料とは、それぞれ独立に供給するこ
とも、予備混合して供給することも可能である。しかし
ながら本発明においては、それぞれ独立に供給すること
がより好ましい。
【0059】更にかかるA成分と同一の供給口に供給さ
れるバージン原料をB成分としたとき、かかるB成分の
カサ密度をbx(g/cm3)およびその真密度をb
y(g/cm3)とした時、下記式(2)を満足すること
がより好ましい。 0.5≦(bx/by)≦0.8 (2)
【0060】かかる(bx/by)の下限としては0.5
5が好ましく、0.58がより好ましく、0.6が更に
好ましい。また(bx/by)の上限としては、0.75
が好ましい。
【0061】上記(bx/by)が0.5〜0.8の範囲
内であると、殊にA成分に弾性重合体を含有する場合
に、良好な耐衝撃性が達成される。かかる耐衝撃性を達
成するためにはB成分として粒径の揃ったペレットを使
用することが好適である。またペレットの大きさとして
はその径が1〜5mmおよびその長さが1〜5mmであ
るものが好ましい。尚、B成分が2種以上の混合物であ
る場合、そのbxおよびbyの値は次のように算出する。
【0062】bxの値は、混合物を攪拌などにより均等
な混合物とした後、axの場合と同様JIS K736
5に準拠する方法により求める。一方byの値は、それ
ぞれの成分(i=1、2、…、n)とし、対応する成分
の真密度をそれぞれby1、by2、…、byn(g/c
3)、および対応する成分のB成分100重量%中の
割合をそれぞれX1、X2、…、Xn(重量%)とすると
き、下記式(4)より求められたものである。 by=(X1/by1+X2/by2+…+Xn/byn-1×100 (4)
【0063】また本発明のA成分を押出機に供給する際
における、A成分とB成分の更に好ましい態様として
は、A成分とB成分の混合物におけるそのカサ密度をa
x(g/cm3)およびその真密度をaby(g/c
3)とした時、下記式(3)を満足する場合が挙げら
れる。 0.4≦(abx/aby)≦0.7 (3)
【0064】かかる(abx/aby)の下限としては
0.42が好ましく、0.45がより好ましく、0.5
が更に好ましい。また(abx/aby)の上限として
は、0.65が好ましく、0.6がより好ましい。
【0065】上記(abx/aby)が0.4〜0.7の
範囲内であると、殊にA成分に弾性重合体を含有する場
合に、更に良好な耐衝撃性が達成される。かかる範囲に
含まれる場合は、A成分の適量がB成分と同一の供給口
に供給されることとなり、リサイクルの効率を維持して
良好な耐衝撃性の再生樹脂組成物が達成される。尚、上
記abxおよびabyの値は、それぞれ上記bxおよびby
の場合と同様の方法で算出する。
【0066】本発明の再生樹脂組成物は、押出機で溶融
混練されてなりA成分が押出機の第2供給口以降の供給
口から供給されて得られたものが好ましい。更にかかる
押出機の第2供給口以降の供給口から供給されるA成分
は、上記の如くA成分がバージン原料と同一の供給口か
ら供給されることが好ましく、B成分は上記式(2)を
満足する特定の形態がより好ましく、特にA成分とB成
分の混合物が上記式(3)を満足する形態および割合と
なることが好ましい。したがって、バージン原料の主成
分は第1供給口から、独立にあるいは一部または全部の
原料が予備混合された状態で供給され、次に第2供給口
でA成分およびB成分が供給される方法により得られた
再生樹脂組成物が好適である。
【0067】第2供給口以降に供給することで、本発明
の再生樹脂組成物はより良好な耐衝撃性を達成する。か
かる理由としては、A成分の熱負荷が減少することでA
成分中のゴム成分の凝集が減少している可能性が考えら
れる。このような供給を行う場合押出機におけるスクリ
ューの構成としては、次のものが好ましい。すなわち、
(i)A成分が供給される前にバージン原料はニーディ
ングディスクなどで構成される混練ゾーンで溶融混練さ
れ、(ii)その後A成分が、好ましくはA成分とB成
分とが供給され、(iii)その後それらの混合物が更
に混練ゾーンで比較的穏やかな条件で溶融混練されると
いうものである。好ましくはそれ以後にベント口が設け
られ、ベント吸引される構成である。
【0068】上記の如く溶融混練された再生樹脂組成物
は、直接押出成形などにより成形品とすること、溶融さ
れた状態または軟化された状態で各種成形機に供給して
形状を付与すること、およびペレットを得てその後各種
の成形機により成形品とすることのいずれの態様を取る
ことも可能である。ペレットを得る方法としては、押出
機等のダイス部の孔から排出された樹脂を直接カットし
て造粒化するホットカットによる方法、並びにダイス部
の孔から排出された樹脂をストランドとして、かかるス
トランドを冷却してペレタイザーなどにより切断する方
法のいずれも選択できる。
【0069】本発明においては、A成分が弾性重合体を
含んでなる熱可塑性樹脂組成物であることが好ましい。
上述したとおり、弾性重合体を含む樹脂組成物において
はその再生樹脂組成物においても高い耐衝撃性が要求さ
れる。すなわちバージン原料を加えてA成分が元来有す
る耐衝撃性に匹敵するものが求められる。したがって本
発明の効果がより発揮される。
【0070】ここで弾性重合体とは、ガラス転移温度が
10℃以下、好ましくは−10℃以下、より好ましくは
−30℃以下であるゴム成分と共重合した重合体をい
う。ゴム成分としては、ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、ジエン系共重合体(例えば、スチレン・ブタジエン
のランダム共重合体およびブロック共重合体、アクリロ
ニトリル・ブタジエン共重合体、並びにアクリル・ブタ
ジエンゴム(アクリル酸アルキルエステルまたはメタク
リル酸アルキルエステルおよびブタジエンの共重合体)
など)、エチレンとα−オレフィンとの共重合体(例え
ば、エチレン・プロピレンランダム共重合体およびブロ
ック共重合体、エチレン・ブテンのランダム共重合体お
よびブロック共重合体など)、エチレンと不飽和カルボ
ン酸エステルとの共重合体(例えばエチレン・メタクリ
レート共重合体、およびエチレン・ブチルアクリレート
共重合体など)、エチレンと脂肪族ビニルとの共重合体
(例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体など)、エチ
レンとプロピレンと非共役ジエンターポリマー(例え
ば、エチレン・プロピレン・ヘキサジエン共重合体な
ど)、アクリルゴム(例えば、ポリブチルアクリレー
ト、ポリ(2−エチルヘキシルアクリレート)、および
ブチルアクリレートと2−エチルヘキシルアクリレート
との共重合体など)、並びにシリコーン系ゴム(例え
ば、ポリオルガノシロキサンゴム、ポリオルガノシロキ
サンゴム成分とポリアルキル(メタ)アクリレートゴム
成分とからなるIPN型ゴム;すなわち2つのゴム成分
が分離できないように相互に絡み合った構造を有してい
るゴム、およびポリオルガノシロキサンゴム成分とポリ
イソブチレンゴム成分からなるIPN型ゴムなど)が挙
げられる。
【0071】かかるゴム成分に共重合される単量体成分
としては、芳香族ビニル化合物、シアン化ビニル化合
物、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アク
リル酸化合物などが好適に挙げられる。その他の単量体
成分としては、グリシジルメタクリレートなどのエポキ
シ基含有メタクリル酸エステル、マレイミド、N−メチ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミ
ド系単量体、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、フタル酸、イタコン酸などのα,β−
不飽和カルボン酸およびその無水物等を挙げることがで
きる。
【0072】より具体的には、SB(スチレン−ブタジ
エン)重合体、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン)重合体、MBS(メチルメタクリレート−
ブタジエン−スチレン)重合体、MABS(メチルメタ
クリレート−アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン)重合体、MB(メチルメタクリレート−ブタジエ
ン)重合体、ASA(アクリロニトリル−スチレン−ア
クリルゴム)重合体、AES(アクリロニトリル−エチ
レンプロピレンゴム−スチレン)重合体、MA(メチル
メタクリレート−アクリルゴム)重合体、MAS(メチ
ルメタクリレート−アクリルゴム−スチレン)重合体、
メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴム共重
合体、メチルメタクリレート−アクリル・ブタジエンゴ
ム−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−(アク
リル・シリコーンIPNゴム)重合体などを挙げること
ができる。
【0073】その他弾性重合体としては、スチレン系熱
可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマ
ー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステ
ル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラ
ストマーなど各種の熱可塑性エラストマーが挙げられ
る。
【0074】更に本発明においては、A成分が非相溶ポ
リマーブレンドと弾性重合体からなる樹脂組成物である
ことがより好ましい。かかる場合は更に本発明の効果が
発揮されるためである。ここで非相溶ポリマーブレンド
とは、2つ以上の分子運動性の異なる相が形成されるポ
リマーブレンドをいう。一部のポリマーブレンドを除き
その多くが2相以上からなるモルフォロジーを形成し、
かつそれぞれの相は異なる分子運動性を有する。電子顕
微鏡等の観察によれば2相以上からなるモルフォロジー
が観察され、または例えばガラス転移温度に相当するピ
ークが2つ以上観察されるなどの挙動を取るものであ
る。
【0075】本発明のA成分の熱可塑性樹脂組成物とし
ては、特に芳香族ポリカーボネートを30重量%以上含
有するものが好適である。芳香族ポリカーボネートは耐
衝撃性、強度、および難燃性などに優れるためこれらの
特性が要求されるOA機器分野、電子・電気機器分野、
および自動車分野などに既に多く利用されている。した
がってリサイクルの要求も強い。更に本発明はかかる耐
衝撃性の高い樹脂成形品から再度耐衝撃性の高い再生樹
脂組成物を得るための1つの方策を提供するものであ
る。芳香族ポリカーボネートはA成分100重量%中4
0重量%以上がより好ましく、45重量%以上が更に好
ましく、50重量%以上が特に好ましい。尚、芳香族ポ
リカーボネートの詳細については後述する。
【0076】したがって、より好ましくはA成分は、弾
性重合体を含有する芳香族ポリカーボネートと他の重合
体からなる非相溶のポリマーブレンドである。かかるポ
リマーブレンドを形成する他の重合体としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、およびポリ−4−メチルペン
テン−1、および環状ポリオレフィンなどのポリオレフ
ィン、ポリスチレン、MS共重合体、AS共重合体、水
添ポリスチレン、およびSMA共重合体などのスチレン
系重合体、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル重
合体などを挙げることができる。(ここでMS共重合体
はメチルメタクリートとスチレンから主としてなる共重
合体、AS共重合体はアクリロニトリルとスチレンから
主としてなる共重合体、SMA共重合体はスチレンと無
水マレイン酸(MA)から主としてなる共重合体を指
す。)
【0077】更にポリフェニレンエーテル、ポリアセタ
ール、芳香族ポリエステル、脂肪族ポリエステル、ポリ
アミド、ポリアリレート(非晶性ポリアリレート、液晶
性ポリアリレート)、ポリエーテルエーテルケトン、ポ
リエーテルイミド、ポリサルフォン、ポリエーテルサル
フォン、およびポリフェニレンサルファイドなどを挙げ
ることができる。
【0078】上記の中でも、芳香族ポリカーボネートに
比較して溶融粘度が低くなるものが本発明の効果がより
明確となり好ましい。中でも本発明において好ましいA
成分の態様は次のとおりである。
【0079】すなわち(1)A成分が芳香族ポリカーボ
ネート(a1成分)、スチレン系重合体(a1成
分)、並びに弾性重合体1(a1成分)からなり、A
成分100重量%中、芳香族ポリカーボネートを30重
量%以上含有してなる熱可塑性樹脂組成物(A1成
分)、または(2)A成分が、芳香族ポリカーボネート
(a2成分)、芳香族ポリエステル(a2成分)、
および弾性重合体2(a2成分)からなり、A成分1
00重量%中、芳香族ポリカーボネートを30重量%以
上含有してなる熱可塑性樹脂組成物(A2成分)であ
る。特に前者のA1成分が本発明において好適である。
【0080】弾性重合体1(a1成分)および弾性重
合体2(a2成分)としては、上記弾性重合体の具体
例のうち、ABS重合体、MBS重合体、MB重合体、
ASA重合体、MA重合体、メチルメタクリレート−ア
クリル・ブタジエンゴム共重合体、メチルメタクリレー
ト−アクリル・ブタジエンゴム−スチレン共重合体、メ
チルメタクリレート−(アクリル・シリコーンIPNゴ
ム)重合体、熱可塑性性スチレン系エラストマー(SB
S、水添SBS、SIS、水添SISなど)などが好適
に挙げられる。a1成分としては特にグラフト共重合
体が好ましく、コア−シェル構造など各種の構造形態を
取ることができる。
【0081】上記A1成分においては、更に有機リン化
合物からなる難燃剤(a1成分)を含むものが本発明
の効果を更に発揮するため好ましい。有機リン化合物か
らなる難燃剤としては有機リン酸エステル、ホスフィン
酸塩およびポリホスファゼンオリゴマーなどを挙げるこ
とができるが、中でも有機リン酸エステルが好ましい。
有機リン酸エステルの場合、再生樹脂組成物における耐
衝撃性の低下が認められやすい傾向にあり、本発明の効
果がより発揮されるためである。
【0082】したがってA1成分において以下の組成割
合が好ましい。すなわち、a1成分は30〜97重量
%が好ましく、40〜85重量%がより好ましく、45
〜80重量%が更に好ましい。a1成分およびa1
成分の合計は1〜65重量%が好ましく、5〜50重量
%がより好ましく、10〜40重量%が更に好ましい。
A1成分中ゴム成分は0.1〜30重量%の範囲が好ま
しく、0.5〜10重量%の範囲がより好ましく、1〜
7重量%の範囲が更に好ましい。a1成分は1〜30
重量%が好ましく、2〜15重量%がより好ましく、3
〜12重量%が更に好ましく、4〜10重量%が特に好
ましい。
【0083】尚、上記においてa1成分、a1成
分、およびa1成分の詳細については後述する。
【0084】上記A2成分においては、a2成分の組
成割合は30〜97重量%が好ましく、40〜85重量
%がより好ましく、45〜80重量%が更に好ましい。
a2成分の組成割合は1〜65重量%が好ましく、5
〜50重量%がより好ましく、10〜40重量%が更に
好ましい。A2成分中a2成分は0.1〜30重量%
の範囲が好ましく、0.5〜10重量%の範囲がより好
ましく、1〜5重量%の範囲が更に好ましい。A2成分
においても有機リン酸エステルに代表される各種の難燃
剤を含むものも使用できる。
【0085】A成分には通常熱可塑性樹脂組成物に含ま
れる各種の添加剤を含有してもよい。その成分は特に限
定するものではないが、例えば上記の如く他の熱可塑性
重合体、弾性重合体、難燃剤などの他、滴下防止剤、強
化フィラー、滑剤、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤、離型剤などを挙げることができる。
【0086】滴下防止剤としてはフィブリル形成能を有
するポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられ、殊に
ノート型コンピューターの筐体などの高い難燃性が要求
される製品では通常含まれるものである。
【0087】強化フィラーとしてはガラス繊維、ガラス
フレーク、ガラスビーズ、ガラスバルーン、炭素繊維、
カーボンフレーク、カーボンビーズ、タルク、クレイ、
ワラストナイト、マイカ、炭酸カルシウム、各種無機の
ウイスカー、金属繊維、金属フレーク、金属コートガラ
ス繊維、金属コートガラスフレーク、金属コート炭素繊
維、耐熱有機繊維、耐熱有機繊維粉などを挙げることが
できる。中でも再溶融混練においても形状変化の少な
い、タルク、クレイ、ワラストナイト、マイカ、各種無
機のウイスカーなどが含まれるものがよい。中でもタル
ク、マイカ、ワラストナイトがより好ましい。更にタル
クは特に好適である。またタルク、マイカ、ワラストナ
イトなどの珪酸塩鉱物の充填剤の場合、芳香族ポリカー
ボネートの加水分解性を高める効果を有する。したがっ
て経年による劣化が少なく、再生樹脂組成物において良
好な耐衝撃性を達成できる利点もあり、A成分として好
ましい態様である。
【0088】安定剤としては、各種ホスフェート化合
物、ホスファイト化合物、ホスホナイト化合物などのリ
ン化合物からなる安定剤が使用されることが多く、A成
分はこれらを含むものであってもよい。その他酸化防止
剤としてフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤
などが含まれるものであってよい。
【0089】また離型剤としては、オレフィン系ワック
ス、シリコーンオイル、オルガノポリシロキサン、一価
または多価アルコールの高級脂肪酸エステル、パラフィ
ンワックス、蜜蝋などが挙げられる。
【0090】尚、A成分における芳香族ポリカーボネー
ト樹脂の含有率はアルカリ分解処理、熱分解処理、溶媒
抽出処理などの分離手法とIR分析、NMR分析、熱分
解ガスクロマトグラフ分析、近赤外分析、UV分析、S
IMS分析、ESCA分析などの特定ピークを相対強度
比較する方法とを任意に組み合わせて分析することがで
き、簡便にかかる割合を知ることができる。
【0091】例えば、上記A1成分の構成を有する場合
には次に示す(1)〜(5)の方法よりそれぞれの成分
の割合をおよそ求めることができる。尚、A1成分の構
成を有するか否かについては、成形品破砕物の試料を直
接IR測定することにより知ることができ、更に詳細に
は成形品破砕物の試料をDSC測定や蛍光X線測定を行
うことにより知ることができる。DSC測定では特に芳
香族ポリエステルなどの結晶性樹脂の有無が、蛍光X線
について有機リン化合物(a1成分)の存在や無機充
填材のおよその種類についての情報が得られる。
【0092】(1)ヒドラジンなどの芳香族ポリカーボ
ネートを分解し得る薬剤を使用して、芳香族ポリカーボ
ネート(a1成分)などを分解して除去する。残分は
スチレン系重合体(a1成分)、および弾性重合体1
(a1成分)が主体となる。また無機充填材が含まれ
る場合にはそれらも含まれる。したがってa1成分、
a1成分、および無機充填材などの総量が求められ
る。
【0093】(2)A1成分全体を熱処理し、有機化合
物成分を完全に除去する。かかる処理は通常電気炉を使
用し、500〜600℃で2〜3時間行うことが適当で
ある。これにより無機充填材(無機顔料などを含む)の
量が算出される。
【0094】(3)得られた無機充填材の形態を観察す
る。観察には光学顕微鏡(それに類する観察装置を含
む)、および電子顕微鏡などを使用する。
【0095】(4)ジエンゴム成分量を特定する。a1
に使用されるゴムは通常ジエンゴム成分であることが
多いためである。かかる測定は一塩化ヨウ素法が好適で
ある。一塩化ヨウ素法では試料は凍結粉砕などによりで
きるだけ微細に粉砕し、かかる粉砕物にクロロホルムを
加えて分散液の状態とすることが好ましい。滴下防止剤
としてポリテトラフルオロエチレンが含まれる場合、十
分な分散液が得られない場合があるためである。4〜5
時間一塩化ヨウ素に浸漬し、その後一塩化ヨウ素残分の
定量を行う。これによりジエンゴム成分の量が算出され
る。尚、簡便には近赤外線の吸収ピークを利用した算出
方法も使用可能である。
【0096】(5)有機リン化合物の構造およびその割
合を特定する。有機リン化合物の定量は簡便には貧溶剤
抽出法が挙げられる。すなわちa1成分の良溶媒(塩
化メチレンなど)に試料を溶解し、その後ヘキサンなど
の貧溶媒を添加して溶解樹脂分を析出させる。その後溶
解分をろ過し濃縮して有機リン化合物を主体とする残分
を得、その量を測定しておよその定量を行うことができ
る。その他検量線に基づいて蛍光X線測定による算出を
行うことができる。一方その構造の特定は31P−NMR
を利用することが直接的かつ簡便である。一方で現実に
は市場で使用される有機リン化合物の種類は限られてい
るため、1H−NMRや13C−NMRなどによってもそ
の構造が特定可能な場合がある。
【0097】以上(1)〜(5)の手法を組合わせるこ
とで、(2)の結果からその無機充填材の量が求めら
れ、(3)の測定からその種類が求められる。更に
(1)の結果と組合わせることで、a1成分およびa
1成分の合計の量がほぼ求められる。また(5)の結
果からa1成分の割合と構造が求められ、したがって
a1とa1の合計割合、a1の割合、および無機
充填材の割合が判明するため、a1成分の割合をほぼ
特定することが可能となる。
【0098】更に詳細には、上記(1)の手法の残分を
スチレン系重合体(a1成分)を溶解する溶媒(例え
ばアセトンなど)に溶かして、不溶分の量を求めること
により、a1成分とa1成分との割合を求めること
ができる。また滴下防止剤として使用されるフィブリル
形成能を有するポリテトラフルオロエチレンの割合は、
燃焼イオンクロマトグラフィー法などにより求めること
ができる。
【0099】上記A1成分およびA2成分の場合に、こ
れらと同一の供給口に供給するB成分としては、スチレ
ン系樹脂および芳香族ポリエステル樹脂から選択される
少なくとも1種の樹脂からなるペレットが挙げられる。
【0100】中でもA1成分の場合にはスチレン系樹脂
からなるペレットがより好適である。一方A2成分の場
合には、芳香族ポリエステル樹脂からなるペレットが好
適である。
【0101】本発明の再生樹脂組成物としては、該組成
物100重量%中、芳香族ポリカーボネート30〜96
重量%、スチレン系重合体3〜40重量%、弾性重合体
0.5〜25重量%、および有機リン化合物1〜30重
量%を含んでなる樹脂組成物が好適な態様の1つとして
挙げることができる。かかる樹脂組成物は高い耐衝撃性
が期待され、上記A1成分などの成形品破砕物を混入し
た場合の耐衝撃性の改良要求が高いためである。
【0102】より好ましい再生樹脂組成物は、該組成物
100重量%中、芳香族ポリカーボネート45〜90重
量%、スチレン系重合体5〜35重量%、弾性重合体1
〜20重量%、および有機リン化合物5〜20重量%か
らなる樹脂組成物であり、更に好ましくは該組成物10
0重量%中、芳香族ポリカーボネート55〜90重量
%、スチレン系重合体5〜30重量%、弾性重合体2〜
15重量%、および有機リン化合物5〜15重量%から
なる樹脂組成物である。
【0103】上記においてゴム成分の割合は、再生樹脂
組成物100重量%中0.1〜30重量%が好ましく、
0.5〜15重量%がより好ましく、1〜10重量%が
更に好ましい。
【0104】更に、本発明の再生樹脂組成物における好
適な態様の1つとして、該組成物100重量%中、芳香
族ポリカーボネート30〜98重量%、芳香族ポリエス
テル1〜55重量%、弾性重合体1〜30重量%を含ん
でなる樹脂組成物が挙げられる。より好ましくは芳香族
ポリカーボネート30〜90重量%、芳香族ポリエステ
ル5〜50重量%、弾性重合体1〜20重量%であり、
更に好ましくは芳香族ポリカーボネート35〜80重量
%、芳香族ポリエステル10〜40重量%、弾性重合体
1〜15重量%である。
【0105】上記再生樹脂組成物が該組成物100重量
%中に芳香族ポリカーボネートx1重量%、スチレン系
重合体y1重量%、弾性重合体y1’重量%、および有
機リン化合物z1重量%を含んでなる樹脂組成物であ
り、そのゴム成分の割合をr1重量%としたとき、本発
明に使用するA1成分は次の条件を満足するものを選択
することがより好ましい。 0.7≦(x1/x1)≦1.5 (5) 0.7≦((y1+y1’)/(y1+y1))≦1.5 (6) 0.7≦(z1/z1)≦1.5 (7) 0.7≦(r1/R1)≦2.5 (8)
【0106】上記式(5)〜(8)において、x1は
A1成分中a1成分(芳香族ポリカーボネート)の割
合(重量%)、y1はA1成分中a1成分(スチレ
ン系重合体)の割合(重量%)、y1はA1成分中a
1成分(弾性重合体1)の割合(重量%)、z1は
A1成分中a1成分(有機リン化合物)の割合(重量
%)を示し、R1はA1成分中のゴム成分の重量割合で
ある。
【0107】上記式(5)〜(7)において、その下限
は0.75がより好ましく、0.8が更に好ましい。ま
たその上限は1.45がより好ましく、1.35が更に
好ましい。上記式(8)においてその下限は0.8がよ
り好ましく、0.9が更に好ましい。またその上限は
2.4がより好ましく、2.3が更に好ましい。
【0108】更に上記再生樹脂組成物が該組成物100
重量%中に芳香族ポリカーボネートx2重量%、芳香族
ポリエステルy2重量%、および弾性重合体z2重量%
を含んでなる樹脂組成物であるときも同様に、本発明に
使用するA2成分は次の条件を満足するものを選択する
ことがより好ましい。 0.7≦(x2/x2)≦1.5 (9) 0.7≦(y2/y2)≦1.5 (10) 0.7≦(z2/z2)≦1.5 (11)
【0109】上記式(9)〜(11)において、x2
はA2成分中a2成分(芳香族ポリカーボネート)の
割合(重量%)、y2はA2成分中a2成分(芳香
族ポリエステル)の割合(重量%)、z2はA2成分
中a2成分(弾性重合体)の割合(重量%)を示す。
【0110】上記式(9)〜(11)において、その下
限は0.8がより好ましく、0.9が更に好ましい。ま
たその上限は1.45がより好ましく、1.35が更に
好ましい。
【0111】更に本発明の再生樹脂組成物は、通常その
目的とする製品(成形品)に対応して適宜着色される。
かかる着色についても再生樹脂組成物特有の問題に対応
した、好適な態様について次に説明する。
【0112】発明のA成分である成形品破砕物は、バー
ジン原料とは異なりその色相が一定でないのが通常であ
る。その理由としては、(i)成形品を構成する樹脂組
成物の原色が異なるものが混合される、(ii)成形品
の塗装の異なるものが塗装を除去することなく混合され
る、(iii)成形品から塗装またはメッキなどを除去
する処理を行うことで成形品の一部に変色が生じるなど
が挙げられる。
【0113】一方で、上記のごとく、A成分にはあまり
高い熱負荷をかけないことが耐衝撃性など機械的特性を
良好に得るためには重要である。したがって十分な混練
により再生樹脂組成物の色相を安定とすることにも限界
がある。
【0114】本発明においては、バージン原料として使
用される着色剤(D成分)を、押出機の第1供給口から
供給することで、色相が一定でない成形品破砕物を使用
した場合にも良好な色相が達成できることを見出した。
殊に好ましい態様は着色剤(D成分)を第1供給口から
供給し、A成分およびB成分を第2供給口以降から供給
する場合である。更にかかるA成分はA1成分またはA
2成分であり、B成分がスチレン系樹脂および芳香族ポ
リエステル樹脂から選択される少なくとも1種の樹脂か
らなるペレットの場合である。
【0115】D成分を第1供給口から供給することで色
相が安定する理由は、その1つとしては十分な混練過程
を得ることで着色剤の分散がより均一になることが考え
られる。またA成分を第2供給口以降から供給する場合
であっても良好な色相が達成される理由は次のように考
えられる。すなわち着色剤が芳香族ポリカーボネート樹
脂と先に溶融混練されることで着色剤が芳香族ポリカー
ボネート中に比較的多く存在することになる。芳香族ポ
リカーボネートは粘度が高く一度含まれた化合物は他の
相に移りにくくなる可能性が考えられる。更に透明性に
優れているので着色剤の効果がより良好に発揮される。
このように添加された着色剤の発色がより有効に生かさ
れることで、A成分の色ムラが目立ちにくくなるのでは
ないかと考えられる。
【0116】尚、本発明においてD成分としては、例え
ばアゾ系、メチン系、アンスラキノン系、キノフタロン
系、ペリノン系、アンスラピリドン系、キサンテン系、
クマリン系、ペリレン系、チオインジゴ系、チオキサン
トン系、紺青等のフェロシアン化物、キノリン系、キナ
クリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、ア
ニリンブラック、モノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ
系、フタロシアニン系などの有機染料、酸化チタン、チ
タンイエロー、酸化鉄、コバルトブルー、カドミウムイ
エロー、カーボンブラックなどの無機顔料が使用でき
る。これらのD成分は2種以上を混合して使用してもよ
く、目的とする再生樹脂の色相に合わせて使用すればよ
い。
【0117】本発明の再生樹脂組成物は、押出成形、射
出成形、圧縮成形、回転成形、ブロ−成形、真空成形、
圧縮成形、中空成形、カレンダー成形などに適用でき
る。更に射出成形においては、通常のコールドランナー
方式の成形法だけでなく、ランナーレスを可能とするホ
ットランナーによって製造することも可能である。また
射出成形においても、通常の成形方法だけでなくガスア
シスト射出成形、2色成形、インサート成形、インモー
ルド成形、サンドイッチ成形、射出圧縮成形、射出プレ
ス成形、超高速射出成形、局所高温金型成形(断熱金型
成形を含む)などに使用することができる。
【0118】本発明の再生樹脂組成物は、電子・電気機
器、OA装置、機械装置、車両など幅広い用途に使用可
能である。特にノート型コンピューターや携帯型コンピ
ューター、プリンター、複写機、プロジェクター、カメ
ラ、携帯電話などの筐体、プリンター、複写機、プロジ
ェクター、DVDなどの光ディスクドライブのシャー
シ、並びに自動車のセンターパネル、ドアハンドル、モ
ール類、カバー類など、各種の樹脂成形品に好適であ
る。得られた成形品は、その目的に応じて印刷、塗装、
メッキなどの表面処理をなすことができる。例えばリサ
イクル性を考慮した熱可塑性樹脂のバインダーを使用し
たインクによる印刷や塗装なとが好適である。
【0119】本発明のA成分はノート型コンピューター
の筐体成形品の破砕物が特に好適である。かかる破砕物
はその樹脂組成物が耐衝撃性に優れ、一方で可塑化効果
の高い有機リン化合物を比較的多く含んでいるため再生
時の耐衝撃性の低下が認められ、本発明の効果をより発
揮するためである。したがってクローズドリサイクルの
目標に照らしてみると、本発明の再生樹脂組成物の用途
としても特にノート型コンピューターや携帯型コンピュ
ーターの筐体がそのより好適な用途として挙げられる。
以下に本発明の樹脂成分および有機リン化合物について
説明する。
【0120】本発明の芳香族ポリカーボネートは、二価
フェノールとカーボネート前駆体とを反応させて得られ
るものである。反応の方法としては界面重縮合法、溶融
エステル交換法、カーボネートプレポリマーの固相エス
テル交換法、および環状カーボネート化合物の開環重合
法などを挙げることができる。
【0121】二価フェノールの代表的な例としては、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通
称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキ
シ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、9,9−
ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フル
オレン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
3,3−ジメチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンおよびα,α’−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)−m−ジイソプロピルベンゼンなどを挙げること
ができる。特に、ビスフェノールAの単独重合体を挙げ
ることができる。
【0122】カーボネート前駆体としてはカルボニルハ
ライド、カーボネートエステルまたはハロホルメート等
が使用され、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネ
ートまたは二価フェノールのジハロホルメート等が挙げ
られる。
【0123】上記二価フェノールとカーボネート前駆体
を界面重縮合法または溶融エステル交換法によって反応
させて芳香族ポリカーボネートを製造するに当っては、
必要に応じて触媒、末端停止剤、二価フェノールの酸化
を防止するための酸化防止剤等を使用してもよい。また
芳香族ポリカーボネートは三官能以上の多官能性芳香族
化合物を共重合した分岐芳香族ポリカーボネートであっ
ても、芳香族または脂肪族の二官能性カルボン酸を共重
合したポリエステルカーボネート、ポリオルガノシロキ
サンを共重合したポリカーボネート−オルガノシロキサ
ン共重合体であってもよい。また、得られた芳香族ポリ
カーボネートの2種以上を混合した混合物であってもよ
い。三官能以上の多官能性芳香族化合物としては、1,
1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキ
シフェニル)エタンなどが使用できる。
【0124】かかる分岐芳香族ポリカーボネートを生ず
る多官能性芳香族化合物の割合は、好ましくは0.00
5〜0.5モル%、特に好ましくは0.01〜0.3モ
ル%である。また特に溶融エステル交換法の場合、副反
応として分岐構造が生ずる場合があるが、かかる分岐構
造量についても同様である。尚、かかる割合については
1H−NMR測定により算出することが可能である。
【0125】界面重縮合法による反応では通常末端停止
剤が使用される。かかる末端停止剤として単官能フェノ
ール類を使用することができる。単官能フェノール類の
具体例としては、例えばフェノール、p−tert−ブ
チルフェノール、p−クミルフェノールおよびイソオク
チルフェノールが挙げられる。また、末端停止剤は単独
でまたは2種以上混合して使用してもよい。
【0126】溶融エステル交換法による反応ではフェノ
ール性の末端基を減少するために、重縮反応の後期ある
いは終了後に、例えば2−クロロフェニルフェニルカー
ボネート、2−メトキシカルボニルフェニルフェニルカ
ーボネートおよび2−エトキシカルボニルフェニルフェ
ニルカーボネート等の化合物を加えることができる。
【0127】さらに溶融エステル交換法では触媒の活性
を中和する失活剤を用いることが好ましい。かかる失活
剤の量としては、残存する触媒1モルに対して0.5〜
50モルの割合で用いるのが好ましい。
【0128】芳香族ポリカーボネートの分子量は特定さ
れないが、分子量が10,000未満であると成形品と
して十分な強度が得られ難く、50,000を超えると
成形加工性が低下し、良好な艶消し状を有する成形品が
得られ難くなるので、粘度平均分子量で表して10,0
00〜50,000のものが好ましく、14,000〜
30,000のものがより好ましく、更に好ましくは1
4,000〜24,000である。また、芳香族ポリカ
ーボネートの2種以上を混合しても差し支えない。この
場合粘度平均分子量が上記範囲外である芳香族ポリカー
ボネートとを混合することも当然に可能である。
【0129】特に粘度平均分子量が50,000を超え
る芳香族ポリカーボネートとの混合物はエントロピー弾
性が高く、ジェッティングなどに代表されるレオロジー
挙動による成形品の外観不良が生じくい特徴がある。か
かる外観不良が生ずる場合には、適切な態様である。
【0130】より好ましくは粘度平均分子量が80,0
00以上の芳香族ポリカーボネートとの混合物であり、
更に好ましくは100,000以上の粘度平均分子量を
有する芳香族ポリカーボネートとの混合物である。すな
わちGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)などの測定法において2ピーク以上の分子量分布を
観察できるものが好ましく使用できる。
【0131】本発明でいう粘度平均分子量はまず次式に
て算出される比粘度を塩化メチレン100mlに芳香族
ポリカーボネート0.7gを20℃で溶解した溶液から
オストワルド粘度計を用いて求め、 比粘度(ηSP)=(t−t0)/t0 [t0は塩化メチレンの落下秒数、tは試料溶液の落下
秒数]求められた比粘度を次式にて挿入して粘度平均分
子量Mを求める。 ηSP/c=[η]+0.45×[η]2c(但し[η]
は極限粘度) [η]=1.23×10-40.83 c=0.7
【0132】次にスチレン系重合体について説明する。
本発明のスチレン系重合体とは、芳香族ビニル単量体成
分からなる重合体、並びに芳香族ビニル単量体成分およ
びそれと共重合可能な単量体成分からなる共重合体から
選択される少なくとも1種の重合体をいう。
【0133】芳香族ビニル単量体としては、スチレン、
α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、ビニルキシレン、エチルスチレン、ジメチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、ビニルナフ
タレン、メトキシスチレン、モノブロムスチレン、ジブ
ロムスチレン、フルオロスチレン、トリブロムスチレン
などが挙げられ、特にスチレンが好ましい。これらは単
独または2種以上用いることができる。
【0134】芳香族ビニル単量体と共重合可能な単量体
成分としては、エチレン、1−アルケン、α−オレフィ
ン、シアン化ビニル化合物、(メタ)アクリル酸エステ
ル化合物、(メタ)アクリル酸化合物、グリシジルメタ
クリレートなどのエポキシ基含有メタクリル酸エステ
ル、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニル
マレイミドなどのマレイミド系単量体、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、
イタコン酸などのα,β−不飽和カルボン酸およびその
無水物などを挙げることができる。
【0135】中でも好適には、シアン化ビニル化合物、
(メタ)アクリル酸エステル化合物、および(メタ)ア
クリル酸化合物を挙げることができる。
【0136】シアン化ビニル化合物としては、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられ、特にア
クリロニトリルが好ましい。これらは単独または2種以
上用いることができる。
【0137】(メタ)アクリル酸エステル化合物として
は、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、ヘキ
シル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)ア
クリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、フェ
ニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレ
ートなどを挙げることができる。尚(メタ)アクリレー
トの表記はメタクリレートおよびアクリレートのいずれ
をも含むことを示し、(メタ)アクリル酸エステルの表
記はメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルの
いずれをも含むことを示す。
【0138】本発明のスチレン系重合体の具体例として
は、好適にはポリスチレン、MS共重合体、AS共重合
体、水添ポリスチレン、およびSMA共重合体などを挙
げることができる。中でも好適であるのはAS共重合体
である。
【0139】尚、上記スチレン系重合体は、その製造時
にメタロセン触媒等の触媒使用により、シンジオタクチ
ックポリスチレン等の高い立体規則性を有するものであ
ってもよい。更に場合によっては、アニオンリビング重
合、ラジカルリビング重合等の方法により得られる、分
子量分布の狭い重合体及び共重合体、ブロック共重合
体、および立体規則性の高い重合体、共重合体であって
もよい。またポリカーボネート樹脂との相溶性改良等を
目的として、かかるスチレン系重合体などに無水マレイ
ン酸やN置換マレイミドといった官能基を持つ化合物が
共重合されたものであってもよい。
【0140】また本発明のスチレン系重合体は、弾性重
合体とは区別されるものである。したがってゴム変性さ
れたスチレン系重合体、すなわちゴム成分と芳香族ビニ
ル単量体成分からなる共重合体、並びにゴム成分、芳香
族ビニル単量体成分およびそれと共重合可能な単量体成
分からなる共重合体から選択される少なくとも1種の重
合体は、本発明では弾性重合体として扱う。ゴム成分、
芳香族ビニル、およびそれと共重合可能な成分としては
上述のものが使用できる。
【0141】ゴム変性されたスチレン系共重合体の具体
例としては、ABS共重合体、MBS共重合体、ASA
共重合体、AES共重合体、スチレン−(アクリル・シ
リコーンIPNゴム)共重合体、熱可塑性スチレン系エ
ラストマーなどを好ましく挙げることができる。
【0142】本発明の有機リン化合物の中でも好適な有
機リン酸エステルについて説明する。有機リン化合物の
具体例としては、特に下記一般式(1)で表される1種
または2種以上のリン酸エステル化合物を挙げることが
できる。
【0143】
【化1】
【0144】(但し上記式中のXは、ハイドロキノン、
レゾルシノール、ビス(4−ヒドロキシジフェニル)メ
タン、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニル、ジ
ヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイドから
誘導されるものが挙げられ、j、k、l、mはそれぞれ
独立して0または1であり、nは0〜5の整数であり、
またはn数の異なるリン酸エステルの混合物の場合は0
〜5の平均値であり、R1、R2、R3、およびR4はそれ
ぞれ独立して1個以上のハロゲン原子を置換したもしく
は置換していないフェノール、クレゾール、キシレノー
ル、イソプロピルフェノール、ブチルフェノール、p−
クミルフェノールから誘導されるものである。)
【0145】この中で好ましくは、上記式中のXは、ハ
イドロキノン、レゾルシノール、ビスフェノールAから
誘導されるものが挙げられ、j、k、l、mはそれぞれ
1であり、nは0〜3の整数であり、またはn数の異な
るリン酸エステルのブレンドの場合は0〜3の平均値で
あり、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立して1
個以上のハロゲン原子を置換したもしくは置換していな
いフェノール、クレゾール、キシレノールから誘導され
るものである。
【0146】更に、特に好ましくは、Xはレゾルシノー
ルから誘導されるものであり、j、k、l、mはそれぞ
れ1であり、nは0または1であり、R1、R2、R3
およびR4はそれぞれ独立してフェノールまたはキシレ
ノールから誘導されるものである。
【0147】かかる有機リン酸エステル系難燃剤の中で
も、ホスフェート化合物としてはトリフェニルホスフェ
ート、ホスフェートオリゴマーとしてはレゾルシノール
ビス(ジキシレニルホスフェート)およびビスフェノー
ルAビス(ジフェニルホスフェート)が耐加水分解性な
どにも優れるため好ましく使用できる。更に好ましいの
は、耐熱性などの点からレゾルシノールビス(ジキシレ
ニルホスフェート)およびビスフェノールAビス(ジフ
ェニルホスフェート)である。これらは耐熱性も良好で
あるため、繰り返しのリサイクル処理を行ってもそれら
が熱劣化したり、揮発するなどの弊害がないためであ
る。
【0148】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明を更
に説明する。なお、実施例における%は重量%であり、
評価は下記の方法によった。 (1)評価項目 (a)A成分およびB成分の真密度 A成分成形品、B成分成形品をそれぞれJIS K71
12によって測定した。A成分およびB成分が単独樹脂
の場合は、いずれも熱風乾燥機を用いて90℃で6時間
の乾燥を行った後、直接射出成形機に原料を供給するこ
とにより成形した。B成分が混合物の場合(実施例4)
の真密度は、前記(4)式に基づいて算出した。
【0149】(b)A成分とB成分の混合物の真密度 A成分とB成分のそれぞれの真密度、重量比率から以下
の式で求めた。 aby=(Xa/ay+Xb/by-1×100 (12) ay:A成分の真密度 by:B成分の真密度 Xa:A成分とB成分の合計100重量%に対するA成
分の重量% Xb:A成分とB成分の合計100重量%に対するB成
分の重量%
【0150】(c)カサ密度 JIS K7365に準拠する方法により測定した。
尚、A成分とB成分の混合物のカサ密度は、次の方法で
得られる混合物を使用して行った。すなわち、これらの
成分を押出機に供給される割合に応じて量り取り、ポリ
エチレン製の袋に入れて(袋の約1/5の体積となる割
合)、袋を十分に膨らませた状態で上下、左右に激しく
振動させ十分に混合した。
【0151】(d)排出量のバラツキ性 成形品破砕物であるA成分のフィーダーからの排出量に
ついて評価した。評価はフィーダーを実施例に示す排出
量に設定し、フィーダーを起動後連続排出させ、起動後
10分目からサンプルグを開始し、1分間に排出した成
形品破砕物をサンプリングしその重量(g)を測定し
た。以後、これを5分間おきに1分間のサンプリングを
計20回行い、20回のサンプリング重量(g)の最大
重量と最小重量の差を求め、排出量のバラツキ性を評価
した。尚、全ての原料を予備混合した実施例4について
は評価をしなかった。
【0152】(e)サイドフィーダーでのかみ込み性 押出中のサイドフィーダーへの原料のかみ込み性につい
て評価した。評価はサイドフィーダーの入口部に設けら
れた覗き窓から内部を観察して行った。下記の4段階の
評価基準で行った。 ◎:供給された原料がサイドフィーダーのスクリュー回
転に対して停滞することなくかみ込まれる ○:原料が停滞する場合もあるが、全体として良好なか
み込み性である △:原料が停滞する場合があり、全体としてやや不安定
なかみ込みとなる ×:原料が停滞する場合が多く、かみ込みが不安定であ
【0153】(f)機械的物性 フィーダー供給開始してから11分後から得られた再生
樹脂ペレットのサンプリングを開始し、10分間に得ら
れた再生樹脂ペレットを10分間おきに計5回サンプリ
ングした。1回につき約1.5kgをサンプリングし
た。各サンプリングされた再生樹脂ペレットを射出成形
し、ASTM D256の厚み3.2mmのアイゾット
ノッチ付衝撃試験片を得、アイゾット衝撃値を各サンプ
ルにつき10点測定した。アイゾット衝撃値の平均値お
よび全測定値の最大値と最小値の差を求めた。
【0154】(g)色相バラツキ 上記(f)のサンプリングされたペレットから、上記ア
イゾット衝撃試験片と同時に射出成形により1辺50m
m×厚み2mmの平板を各サンプルにつき10枚成形し
た。かかる平板をカラーアナライザー[日本電色(株)
製TC−1800MK−II]を用いて反射法によって
ハンター式色座標(L、a、b)で色相を測定した。全
測定サンプルの中で最大となる色差(ΔE)を求め色相
バラツキを評価した。
【0155】(2)組成分析法 市場から回収されたポリカーボネート樹脂を含有する成
形品については、以下の方法により組成分析を行った。
以下の組成分析結果を表3に示す。
【0156】(i)主たる樹脂成分の分析 FT−IR法、蛍光X線法およびDSC法により主たる
樹脂成分の分析を行った。
【0157】(ii)ヒドラジン分解による残渣量の分
析 成形品破砕物を130℃で2時間ヒドラジン浸漬処理を
行い、主としてポリカーボネートを分解し(ポリエステ
ルが含まれる場合には同時に分解される)、ABS重合
体など主としてスチレン系の重合体成分、顔料、無機フ
ィラーなどの無機成分、PTFE(ポリテトラフルオロ
エチレン)などの滴下防止剤などの総量を算出した。
【0158】(iii)灰化残渣量の分析 成形品を、電気炉を使用して600℃で3時間熱処理を
行って灰化残渣量を算出し、顔料、無機フィラーなどの
無機成分量を調べた。
【0159】(iv)ジエン系ゴム成分量の分析 成形品中にジエン系ゴム成分が認められた場合は、成形
品破砕物を更に凍結粉砕により粉砕した後、クロロホル
ムを加えて分散液の状態とし、一塩化ヨウ素法によりジ
エン系ゴム成分の量を算出した。
【0160】(v)ジエン系ゴム成分などのモノマーの
特定 上記(ii)におけるヒドラジン分解残渣を、更に59
0℃での熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析測定
し、ABS樹脂やMBS樹脂などに由来するモノマー成
分を特定した。
【0161】(vi)無機成分などの観察 上記(ii)または(iii)で得られた残渣より、無
機成分(顔料、無機フィラーなど)のおおよその内容を
FT−IR、顕微鏡観察などにより特定した。
【0162】(vii)リン酸エステルの特定および含
有量の特定 難燃剤としてリン酸エステル成分が含まれている場合に
は、31P−NMR測定および蛍光X線測定により、その
構造の特定、およびおよその含有量の特定を行った。
【0163】(viii)ハロゲン系化合物の有無の分
析 成形品についてバイルシュタイン法、蛍光X線測定によ
り臭素化合物の有無を確認した。
【0164】(ix)PTFE量の測定 成形品について燃焼イオンクロマトグラフィー法により
すべてが滴下防止剤のPTFEであると仮定してそのお
よその含有量を求めた。
【0165】(x)臭素化合物量の測定 成形品について燃焼イオンクロマトグラフィー法により
臭素の量を求めた。対応する臭素化合物の臭素含有率よ
り臭素化合物の量を求めた。
【0166】(xi)ポリカーボネートとポリエステル
との割合1 H−NMRの測定を行い対応するピーク強度面積比か
らそれらの比率を算出した。比較は、ポリカーボネート
樹脂のメチル基に由来するピークとポリエステル樹脂の
メチレン基に由来するピークで行った。
【0167】(xii)上記よりA1成分におけるx1
、y1+y1、z1、R1を次のように求め
た。すなわち、y1+y1はヒドラジンの分解残渣
の割合から灰化残渣の割合およびPTFEの割合を差し
引いた値とした。z1はリン酸エステルの割合、R1
はジエン系ゴム量の割合とした。更にx1は全体(1
00)からヒドラジン分解残渣の割合およびz1の割
合を差し引いた値とした。
【0168】(xiii)上記よりA2成分におけるx
2、y2、z2を次のように求めた。すなわち、
z2はヒドラジンの分解残渣の割合から灰化残渣の割
合およびPTFEの割合を差し引いた値とした。x2
およびy2の合計量として全体(100)からヒドラ
ジン分解残渣の割合および臭素化合物の割合を差し引い
た値とした。その合計量に対し、ポリカーボネートとポ
リエステルとの比率を乗じてx2、y2をそれぞれ
求めた。
【0169】[実施例1〜7、および比較例1]表1に
示す組成および供給方法で、成形品破砕物、芳香族ポリ
カーボネート樹脂、スチレン系樹脂ペレット、衝撃改質
剤、難燃剤、強化材、滴下防止剤、着色剤を押出機を用
いてストランド押出し、水槽で冷却した後、ストランド
カッターにより造粒してペレットを得た。得られたペレ
ットは100℃で5時間、熱風乾燥機を用いて乾燥後、
射出成形機[住友重機械工業(株)製SG−150U]
によりシリンダー温度250℃、金型温度60℃で所定
の評価用試験片を得た。
【0170】押出機に供給した材料の組成を表1に、成
形品破砕物の組成分析結果を表3に、再生樹脂組成物に
おける各成分の割合と成形品破砕物における各成分の割
合との比率について表4に、および評価結果を表6に示
した。
【0171】尚、押出機の混練条件は以下のとおりとし
た。押出機としてスクリュー直径30mのベント付2軸
押出機((株)日本製鋼所製TEX30XSST;完全
かみ合い、同方向回転、2条ネジスクリュー)を使用し
た。第1供給口上部に2軸スクリューを有する原料供給
装置であるカセットウェイングフィーダー(CWF−
1)(久保田鉄工(株)製CE−T−1 0S01)を
1台設置した。第2供給口には2軸スクリューを有する
サイドフィダーを接続し、さらにサイドフィーダー上部
には2軸スクリューを有する原料供給装置であるカセッ
トウェイングフィーダー(CWF−2、CWF−3、C
WF−4)(久保田鉄工(株)製CE−T−1 0S0
1)を3台設置した。各カセットウェイングフィーダー
には重量式定量供給制御装置(久保田鉄工(株)製KF
−Cコントローラー)に接続し、供給量を設定した。ま
た、CWF−1〜3の排出量の合計は20,000g/
hrに設定した。押出温度は第1供給口からサイドフィ
ーダーまでの区間を250℃、それ以降の区間を225
℃とした。またスクリュー回転数180rpm、ベント
の真空度3kPaで行った。
【0172】尚、各供給口、混練ゾーン、およびベント
口の配置は次のとおりであった(スクリューのL/Dで
表示。スクリュー根元部分を0とする。またスクリュー
のL/Dは31.5である)。第1供給口はL/D:約
1〜2、第2供給口(サイドフィーダー)はL/D:約
15〜16、混練ゾーンはL/D:約11〜14(第1
ゾーン)、およびL/D:約23〜24(第2ゾー
ン)、並びにベント口はL/D:約26〜27の位置で
あった。また混練ゾーンのニーディングディスクの構成
はすべて45°位相の5枚1組のセグメント(L/D=
1)を使用した。第1ゾーンは根元部からトーピードリ
ング、正方向、逆方向、および正方向の組合せとし、第
2ゾーンはトーピードリング、および正方向の組合せと
した。
【0173】[実施例8および9]表2に示す組成およ
び供給方法で、破砕物、ポリカーボネート樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂ペレット(120℃で5時間
熱風乾燥処理したもの)、衝撃改質剤、難燃剤、滴下防
止剤を、シリンダ温度を押出温度は第1供給口からサイ
ドフィーダーまでの区間を260℃、それ以降の区間を
245℃とした以外は実施例1と同様の条件で押出を行
い、ペレットを得た。得られたペレットを、120℃で
5時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥後、射出成形機[住
友重機械工業(株)製SG−150U]により、シリン
ダー温度260℃、金型温度60℃で評価用の試験片を
得た。押出機に供給した材料の組成を表2に、成形品破
砕物の組成分析結果を表3に、再生樹脂組成物における
各成分の割合と成形品破砕物における各成分の割合との
比率について表5に、および評価結果を表6に示した。
【0174】
【表1】
【0175】
【表2】
【0176】
【表3】
【0177】
【表4】
【0178】
【表5】
【0179】
【表6】
【0180】尚、実施例に使用した各原料の内容は以下
のとおりである。 成形品破砕物 −1 成形品 RE−1:市場でノートパソコンのハウジングに使用さ
れ、導電塗装膜および金属メッキ膜を有する成形品を、
硝酸水溶液に浸漬し、ついで成形品を水洗しこれらの金
属成分を除去したライトグレー色である成形品。RE−
1を組成分析した結果は表3に示す通りであった。ま
た、RE−1からおよそ1辺50mm×厚み1.9mm
のサンプルを切り出し、切り出し面を研磨し、JIS
K7112により真密度を測定した結果、RE−1の真
密度は1.19であった。RE−2:複写機のハウジン
グ成形品(アイボリー色)。RE−2を組成分析した結
果は表3に示す通りであった。また、RE−2からおよ
そ1辺50mm×厚み2.3mmのサンプルを切り出
し、切り出し面を研磨し、JIS K7112により真
密度を測定した結果、RE−2の真密度は1.18であ
った。RE−3:プリンター内部部品成形品(黒色)。
RE−3を組成分析した結果は表3に示す通りであっ
た。また、RE−3からおよそ長さ60mm×幅20m
m×厚み2.2mmのサンプルを切り出し、切り出し面
を研磨し、JIS K 7112により真密度を測定し
た結果、RE−3の真密度は1.25であった。
【0181】−2 再生すべき成形品の破砕物 (i)RE−1−1:RE−1を直径8mmの小孔を多
数有する金属製スクリーンを設置した破砕機((株)朋
来鉄工所製SB−210)にて、70kg/hの処理能
力で破砕し、V型ブレンダーにて均一にブレンドし破砕
物(RE−1−1)を得た。RE−1−1のカサ密度は
0.52g/cm3であった。またRE−1−1を10
0℃で5時間、熱風循環式乾燥機にて乾燥し、射出成形
機[住友重機械工業(株)製SG150U]によりシリ
ンダー温度260℃、金型温度60℃で1辺50mm×
厚み2mmの平板を成形し、平板の色相(L、a、b)
を測定した結果、L:37.30、a:0.37、b:
2.31であった。
【0182】(ii)RE−1−2:金属スクリーンを
小孔直径5mmのものに変更した以外は、RE−1を上
記RE−1−1の場合と同様に破砕し、均一にブレンド
して破砕物(RE−1−2)を得た。RE−1−2のカ
サ密度は0.45g/cm3であった。またRE−1−
1の場合と同様に平板を成形し、平板の色相(L、a、
b)を測定した結果、L:37.30、a:0.37、
b:2.31であった。
【0183】(iii)RE−2−1:RE−2を上記
RE−1−1の場合と同様の条件で破砕し均一にブレン
ドして破砕物(RE−2−1)を得た。RE−2−1の
カサ密度は0.48g/cm3であった。また上記RE
−1−1の場合と同様に平板を成形し、平板の色相
(L、a、b)を測定した結果、L:74.32、a:
0.56、b:7.67であった。
【0184】(iv)RE−2−2:金属製スクリーン
の小孔直径を18mmとし、粉砕機の固定刃を新品のも
のから使用年数が長く、刃先が摩耗したものに変更した
以外は、RE−1−1の場合と同様の条件で粉砕し、均
一にブレンドして破砕物(RE−2−2)を得た。RE
−2−2のカサ密度は0.31g/cm3であった。ま
た上記RE−1−1の場合と同様に平板を成形し、平板
の色相(L、a、b)を測定した結果、L:74.3
2、a:0.56、b:7.67であった。
【0185】(v)RE−3−1:RE−1−1の場合
と同様の条件で破砕し、均一にブレンドして破砕物(R
E−3−1)を得た。RE−3−1のカサ密度は0.4
3g/cm3であった。 バージン原料 −1(ポリカーボネート樹脂) PC−1:ポリカーボネート樹脂[帝人化成(株)製
「L−1225WP」、ポリカーボネート樹脂パウダ
ー、粘度平均分子量22,500] −2(スチレン系樹脂) ST−1:ABS樹脂ペレット[日本エイアンドエル
(株)製「サンタックUT−61」、カサ密度0.70
g/cm3、真密度1.02g/cm3] −3(熱可塑性ポリエステル樹脂) PEST−1:ポリエチレンテレフタレート樹脂ペレッ
ト[帝人(株)製「TR−8580H」、カサ密度0.
79g/cm3、真密度1.33g/cm3] −4(難燃剤) FR−1:レゾルシノールビス(ジキシレニルホスフェ
ート)[旭電化工業(株)製「アデカスタブFP−50
0」] FR−2:ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェ
ート)[大八化学工業(株)製「CR−741」] FR−3:テトラブロモビスフェノールAのカーボネー
トオリゴマー[帝人化成(株)製「ファイヤガードFG
−7000」] −5(弾性重合体) MD−1:メチルメタクリレート−エチルアクリレート
−ブタジエン共重合体[呉羽化学工業(株)製「パラロ
イドEXL−2602」] MD−2:ポリオルガノシロキサンゴム成分とポリアル
キル(メタ)アクリレートゴム成分との複合弾性体[三
菱レイヨン(株)製「メタブレンS−2001」] −6(強化剤) TD:タルク[林化成(株)製「HS−T0.8」] −7(滴下防止剤) PTFE:フィブリル形成能を有するポリテトラフルオ
ロエチレン[ダイキン工業(株)製「ポリフロンMPA
FA−500」] −8(着色剤マスター) DC−1:下記の〜の染料、顔料、およびPC−1
の混合物。尚、かかる着色剤マスターはスーパーミキサ
ーで均一に混合したドライカラーマスターとした後、他
の原料との混合を行った。またはかかるドライカラーマ
スター単独で押出機に供給した)。カッコ内の重量%
は、DC−1=100重量%に対する割合を示す。
【0186】PC−1(65.6067重量%) RTC30(33.3333重量%) [タイオキサイドジャパン社製酸化チタン] CB970(0.6933重量%) [三菱化成(株)製カーボンブラック、カーボンブラッ
ク#970] Y8010(0.2000重量%) [有本化学工業(株)製黄色染料、プラストイエロー8
010] R8360(0.1667重量%) [有本化学工業(株)製赤色染料、プラストレッド83
60] DC−2:下記の(i)〜(v)の染料、顔料およびP
C−1の混合物。尚、DC−1と同様の方法で混合し
た。カッコ内の重量%は、DC−2=100重量%に対
する割合を示す。
【0187】(i)PC−1(47.673重量%) (ii)RL−91(50.000重量%) [Millennium Inorganic Che
m.社製酸化チタン] (iii)CB970(0.111重量%) [三菱化成(株)製カーボンブラック、カーボンブラッ
ク#970] (iv)Y118S(2.171重量%) [日本フエロー(株)製チタンイエロー、フエローカラ
ー42−118S] (v)R8370(0.045重量%) [有本化学工業(株)製赤色染料、プラストレッド83
70]
【0188】
【発明の効果】本発明の再生樹脂組成物の製造方法は、
不用になった成形品をリサイクル可能な原料として有効
に使用することができる。さらには効率よく再生樹脂組
成物を得、かつ元来耐衝撃性の良好な樹脂組成物からな
る成形品破砕物を使用して、かかる耐衝撃性をできる限
り高く維持するものである。更には色相などのバラツキ
の少ない再生樹脂組成物を得ることが可能であり、環境
保護、資源の再利用の観点からも非常に有用であり、そ
の奏する工業的効果は格別なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67/00 C08L 67/00 69/00 69/00 // B29K 25:00 B29K 25:00 67:00 67:00 69:00 69:00 105:26 105:26 Fターム(参考) 4F070 AA18 AA47 AA50 AA71 AB08 AB26 AC76 AC88 FA01 FA17 FB06 FB07 FC01 4F201 AA13 AA27 AA28K AA45K AA50K AB12 AH25 AH42 AR15 BA01 BC02 BC12 BC17 BC25 BC37 BK02 BK13 BK27 4F301 AA26 AB02 AB03 BC13 BC16 BC25 BC26 BF12 BF16 BF26 BF32 4J002 AA00W AC03W AC06W AC07W AC08W BB00W BB03W BB05W BB07W BB12W BB15W BB17W BC02W BC02X BC05W BC06W BG04W BL01W BN07W BN12W BN15W BN16W CB00W CF00W CF04W CF04X CF16W CF16X CG00W CH07W CH09W CK00W CL00W CM04W CN01W CN03W CP03W FD010 FD030 FD090 FD130 FD160 GG00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂成形品破砕物(A成分)と
    バージン原料とを溶融混練してなる樹脂組成物であっ
    て、該A成分は、そのカサ密度をax(g/cm3)およ
    びその真密度をay(g/cm3)とした時、下記式
    (1)を満足することを特徴とする再生樹脂組成物。 0.3≦(ax/ay)≦0.5 (1)
  2. 【請求項2】 上記溶融混練が、押出機を用いてなされ
    たものである請求項1に記載の再生樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記A成分と、バージン原料から選択さ
    れる少なくとも1種の原料とを、押出機の同一の供給口
    から供給し溶融混練してなる請求項2に記載の再生樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 上記A成分と同一の供給口から供給され
    るバージン原料(B成分)が、そのカサ密度をbx(g
    /cm3)およびその真密度をby(g/cm3)とした
    時、下記式(2)を満足することを特徴とする請求項3
    に記載の再生樹脂組成物。 0.5≦(bx/by)≦0.8 (2)
  5. 【請求項5】 上記A成分とB成分の混合物におけるそ
    のカサ密度をabx(g/cm3)およびその真密度をa
    y(g/cm3)とした時、下記式(3)を満足するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の再生樹脂組成物。 0.4≦(abx/aby)≦0.7 (3)
  6. 【請求項6】 A成分が押出機の第2供給口以降の供給
    口から供給されて得られた請求項2〜5のいずれか1項
    に記載の再生樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 A成分が弾性重合体を含んでなる熱可塑
    性樹脂組成物である請求項1に記載の再生樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 A成分が非相溶性ポリマーブレンドと弾
    性重合体からなる熱可塑性樹脂組成物脂組成物である請
    求項7に記載の再生樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 A成分が芳香族ポリカーボネート(a1
    成分)、スチレン系重合体(a1成分)、並びに弾
    性重合体1(a1成分)からなり、A成分100重量
    %中、芳香族ポリカーボネートを30重量%以上含有し
    てなる熱可塑性樹脂組成物(A1成分)である請求項7
    に記載の再生樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 A成分が、芳香族ポリカーボネート
    (a2成分)、芳香族ポリエステル(a2成分)、
    および弾性重合体2(a2成分)からなり、A成分1
    00重量%中、芳香族ポリカーボネートを30重量%以
    上含有してなる熱可塑性樹脂組成物(A2成分)である
    請求項7に記載の再生樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 B成分が、スチレン系樹脂および芳香
    族ポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種の樹
    脂からなるペレットである請求項9または10のいずれ
    か1項に記載の再生樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 更に着色剤(D成分)を押出機の第1
    供給口から供給して得られた請求項6に記載の再生樹脂
    組成物。
  13. 【請求項13】 A成分がノート型コンピューターの筐
    体成形品の破砕物である請求項1〜12のいずれか1項
    に記載の再生樹脂組成物。
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