JP2002265573A - 官能基含有シクロオレフィン系重合体及びその製造方法 - Google Patents

官能基含有シクロオレフィン系重合体及びその製造方法

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JP2002265573A
JP2002265573A JP2001072296A JP2001072296A JP2002265573A JP 2002265573 A JP2002265573 A JP 2002265573A JP 2001072296 A JP2001072296 A JP 2001072296A JP 2001072296 A JP2001072296 A JP 2001072296A JP 2002265573 A JP2002265573 A JP 2002265573A
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carbon atoms
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polymer
functional group
same
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JP2001072296A
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Takeharu Morita
健晴 森田
Hiroyuki Hiraike
宏至 平池
Fumiyuki Ozawa
文幸 小澤
Hiroyuki Katayama
博之 片山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 官能基を有する連鎖移動剤の存在下でシクロ
オレフィン系モノマーをメタセシス重合してシクロオレ
フィン系ポリマーの片末端に官能基を有するポリマーの
提供及び該ポリマーを用いてMMAやスチレンとの共重
合化によるブロック共重合体の提供。 【解決手段】 メタセシス重合によるシクロオレフィン
系重合体であって、片末端のみに一般式:CH=CH
−Z−Q又はCH=CH−Z−(Q
(Q)に示す連鎖移動剤に由来する官能基を有するシ
クロオレフィン系重合体、該重合体を用いたブロック共
重合体、及びそれらの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な片末端のみ
に官能基を有するシクロオレフィン系重合体、該官能基
を有するシクロオレフィン系重合体と他の重合体とのブ
ロック共重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ノルボルネン系ポリマーは、特開平5ー
39403号公報に記載されているように光ディスク基
盤等の光学材料として優れた特徴を有する樹脂材料であ
ることが知られており、ノルボルネン系ポリマーで形成
された光学部品は、透明性、耐熱性、低吸湿性、低複屈
折性、成形性等に優れている。しかしながら、ノルボル
ネン系ポリマーは、骨格がポリオレフィン構造であるた
めに、汎用の極性ポリマー、例えば、アクリル系樹脂な
どとの親和性が低く、他の材料との複合化や接着が困難
であるなど問題があった。
【0003】この問題に対して、例えば、官能基を有す
る連鎖移動剤の存在下でシクロオクタジエンをメタセシ
ス重合して両末端に官能基を有するポリマーの合成が報
告されている(C.W.Bielawskiら、Mac
romolecules2000,33,678−68
0)。これを用いてMMAやスチレンとの共重合化を行
うことによってABA型のブロック共重合体が合成でき
る。
【0004】一般的にメタセシス重合系に連鎖移動剤を
添加すると、その添加量によって得られるポリマーの分
子量を制御することができる。上記文献に開示されてい
る連鎖移動剤に存在する官能基は同じ分子中に存在する
2重結合との間に少なくとも一つ以上炭素結合が存在す
る。このような連鎖移動剤は、メタセシス重合に悪影響
を及ぼさないが、一般的に反応性が重合性シクロオレフ
ィンと比較して低いため、加えた連鎖移動剤が有効に働
かない。そのため、特に分子量の低いオリゴマーの合成
については非効率的であるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の問題点に鑑み、官能基を有する連鎖移動剤の
存在下でシクロオレフィン系モノマーをメタセシス重合
してシクロオレフィン系ポリマーの片末端に官能基を有
するポリマーの合成し、これを用いてMMAやスチレン
との共重合化によるAB型のブロック共重合体を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来技術
の有する問題点を克服するために鋭意研究した結果、官
能基を有する特定の連鎖移動剤の存在下でシクロオレフ
ィン系モノマーをメタセシス重合することによって、片
末端のみに官能基を有するシクロオレフィン系ポリマー
を得ることができることを見出し、さらに得られたポリ
マーの片末端官能基を基点として他種ポリマーとのブロ
ック共重合体が容易に得られることを見出し、本発明を
完成させた。
【0007】すなわち、本発明の第1の発明によれば、
メタセシス重合によるシクロオレフィン系重合体であっ
て、片末端のみに一般式(1)又は(2)に示す連鎖移
動剤に由来する官能基を有するシクロオレフィン系重合
体が提供される。
【0008】
【化9】 (式中、ZはOまたはSを表し、Qは官能基末端ア
ルキル鎖を表す。)
【0009】
【化10】 (式中、ZはNを表し、Q及びQは官能基末端ア
ルキル鎖を表す。)
【0010】また、本発明の第2の発明によれば、シク
ロオレフィン系重合体がノルボルネン及びその誘導体の
重合体であることを特徴とする第1の発明に記載の片末
端のみに官能基を有するシクロオレフィン系重合体が提
供される。
【0011】また、本発明の第3の発明によれば、一般
式(1)又は(2)に示す少なくとも1種の連鎖移動剤
の存在下でシクロオレフィン系モノマーをメタセシス重
合によって片末端のみに官能基を有するシクロオレフィ
ン系重合体の製造方法が提供される。
【0012】
【化11】 (式中、YはOまたはSを表し、Qは官能基末端ア
ルキル鎖を表す。)
【0013】
【化12】 (式中、ZはNを表し、Q及びQは官能基末端ア
ルキル鎖を表す。)
【0014】また、本発明の第4の発明によれば、メタ
セシス重合を、一般式(3)〜(6)で表されるルテニ
ウム系錯体触媒のすくなくとも1種の存在下に行うこと
を特徴とする第3の発明に記載の片末端のみに官能基を
有するシクロオレフィン系重合体の製造方法が提供され
る。
【0015】
【化13】
【0016】(式(3)中、R、Rは同一または異
なって、水素、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、
炭素数2〜20のカルボキシル基、炭素数2〜20のア
ルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭
素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のア
ルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルチオ
基、またはフェロセン誘導体を表し、これらは、炭素数
1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜5のア
ルコキシ基によって置換されたフェニルによって必要に
応じて置換されていて良い。X及びXは同一または
異なって、アニオン性配位子を意味し、L 及び、L
は、同一または異なって中性電子供与体を意味し、そし
てX、X 、L及びLの2個または3個は、更に
また、一緒に多座キレート化配位子を形成しても良
い。)
【0017】
【化14】
【0018】(式(4)中、R、Rは同一または異
なって、水素、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、
炭素数2〜20のカルボキシル基、炭素数2〜20のア
ルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭
素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のア
ルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のアルキルチオ
基、炭素数2〜20のアルキルシリル基、炭素数2〜2
0のアリールシリル基、およびフェロセン誘導体を表
し、これらは、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原
子、炭素数1〜5のアルコキシ基によって置換されたフ
ェニルによって必要に応じて置換されていて良い。X
及びXは同一または異なって、アニオン性配位子を意
味し、L及び、Lは、同一または異なって中性電子
供与体を意味し、そしてX、X、L及びLの2
個または3個は、更にまた、一緒に多座キレート化配位
子を形成しても良い。)
【0019】
【化15】
【0020】
【化16】
【0021】(式(5)及び(6)中、R、R、R
及びRは同一または異なって、水素、炭素数2〜2
0のアルケニル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素
数6〜20のアリール基、炭素数2〜20のカルボキシ
ル基、炭素数2〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20
のアルケニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキ
シ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素
数2〜20のアルキルチオ基またはフェロセン誘導体を
表し、これらは、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン
原子、炭素数1〜5のアルコキシ基によって置換された
フェニルによって必要に応じて置換されていて良い。Y
、Y及びYは同一または異なって、硫黄、酸素、
セレン元素を表し、X、X、X及びXは同一ま
たは異なって、アニオン性配位子を意味し、L
、L及びLは、同一または異なって中性電子供
与体を意味し、そしてX、X、X、X、L
、L 及びLの2個または3個は、更にまた、一
緒に多座キレート化配位子を形成しても良い。)
【0022】また、本発明の第5の発明によれば、シク
ロオレフィン系モノマーがノルボルネン及びその誘導体
であることを特徴とする第3又は4の発明に記載の片末
端のみに官能基を有するシクロオレフィン系重合体の製
造方法が提供される。
【0023】また、本発明の第6の発明によれば、第1
又は2の発明に記載の片末端のみに官能基を有するシク
ロオレフィン系重合体と他種のポリマーとの共重合体で
あることを特徴とするブロック共重合体が提供される。
【0024】また、本発明の第7の発明によれば、第1
又は2の発明に記載の片末端のみに官能基を有するシク
ロオレフィン系重合体の片末端の官能基を基点として他
種のポリマーとを共重合させることを特徴とするブロッ
ク共重合体の製造方法が提供される。
【0025】また、本発明の第8の発明によれば、第7
の発明に記載のブロック共重合体の重合方法がリビング
重合であることを特徴とするブロック共重合体の製造方
法が提供される。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明は、特定の連鎖移動剤の存
在下でシクロオレフィン系モノマーをメタセシス重合す
ることによって、特定の連鎖移動剤に由来する官能基を
片末端のみに有する重合体を製造し、さらに該官能基を
片末端のみに有する重合体と他のポリマーとを重合して
AB型ブロック共重合体を製造する方法である。以下、
本発明について詳細に説明する。
【0027】1.官能基を片末端のみに有するシクロオ
レフィン系重合体 本発明では、特定の連鎖移動剤の存在下でシクロオレフ
ィン系モノマーをメタセシス重合することによって片末
端のみに官能基を有するシクロオレフィン系ポリマーを
製造することができる。
【0028】本発明で用いることのできる連鎖移動剤
は、一般式(1)又は一般式(2)に示す少なくとも1
種の連鎖移動剤である。
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【0031】一般式(1)中、ZはOまたはSを表
し、Qは官能基末端アルキル鎖を表し、一般式(2)
中、ZはNを表し、Q及びQは官能基末端アルキ
ル鎖を表し、同一であっても異なってもよい。
【0032】ここで、官能基としては、直接他の官能基
との反応性を有する置換基、またはそこを基点として重
合が開始する置換基、あるいは脱保護などにより反応性
を与えることができる置換基を含み、例えば、ハロゲン
基(塩素基、臭素基、フッ素基)、水酸基、カルボン酸
基、エステル基、アミノ基、無水酸基、シアノ基、シリ
ル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基等が例示
されるが、これに限定されない。脱保護により反応性を
与えることのできる置換基としてはエステル基や無水酸
基が好ましい。
【0033】一般式(1)及び(2)で示される具体的
な化合物としては、例えば、エチレングリコールモノビ
ニルエーテルと酸ハライドとのエステル化によって得ら
れるビニルエーテル骨格にα−ハロカルボニル基、α−
ハロベンジル基等を有する化合物が挙げられる。これら
の中では、特に、2−ビニロキシエチルジクロロアセテ
ート、2−ビニロキシエチル−2−ブロモイソブチレー
ト、2−ビニロキシエチル−4−クロロメチルベンゾエ
ートが好ましく用いることができる。
【0034】この連鎖移動剤の存在下でシクロオレフィ
ン系モノマーをメタセシス重合することによって片末端
のみに官能基を有するシクロオレフィン系ポリマーを得
ることができる。
【0035】上記シクロオレフィン系モノマーとして
は、環状の炭素−炭素結合からなるモノマーで、その環
状構造に2重結合が少なくとも一つ以上存在するもので
ある。また上記シクロオレフィン系モノマーとして、架
橋性のモノマーを用いると得られるポリマーが架橋体と
なり、片末端に官能基を有する反応性のポリマーとして
使用できないため好ましくない。ただし、重合時に架橋
しない程度に共重合成分として添加することはできる。
【0036】上記シクロオレフィン系モノマーとして
は、ノルボルネンおよびその誘導体、ジシクロペンタジ
エンおよびその誘導体などの多環状不飽和化合物で架橋
性を持たないモノマー、シクロブテン、シクロヘキセ
ン、シクロオクテン、シクロオクタジエン等挙げられ
る。重合性、コスト、得られるポリマーの有効性の面か
ら特にノルボルネン及びその誘導体、シクロオクタジエ
ンが好ましい。
【0037】本発明のメタセシス重合に用いる触媒とし
ては、メタセシス重合活性を有していれば特に制限はな
いが、官能基が存在しても分解せず活性を保つものであ
る必要がある。このようは触媒としては、空気中で単離
でき、しかも水に対してもさほど不安定でない、高活性
なルテニウム錯体触媒が好ましい。例えば、米国特許第
5,831,108号に記載されているルテニウム又は
オスミウムアルキリデン錯体触媒、さらには耐熱性、耐
酸素性および反応制御性に優れたルテニウム錯体触媒等
が挙げられる。このような性質の重合触媒としては、一
般式(3)〜(6)の構造のルテニウム系錯体が特に好
ましい。
【0038】
【化19】
【0039】一般式(3)において、R、Rは同一
または異なって、水素、炭素数2〜20のアルケニル
基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基、炭素数2〜20のカルボキシル基、炭素数2
〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオ
キシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2
〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のア
ルキルチオ基またはフェロセン誘導体を表し、これら
は、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数
1〜5のアルコキシ基によって置換されたフェニルによ
って必要に応じて置換されていても良い。X及びX
は同一または異なって、アニオン性配位子を意味し、L
及び、Lは、同一または異なって中性電子供与体を
意味し、そしてX、X、L及びLの2個または
3個は、更にまた、一緒に多座キレート化配位子を形成
しても良い。
【0040】
【化20】
【0041】一般式(4)において、R、Rは同一
または異なって、水素、炭素数2〜20のアルケニル
基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
リール基、炭素数2〜20のカルボキシル基、炭素数2
〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオ
キシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2
〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20のア
ルキルチオ基、炭素数2〜20のアルキルシリル基、炭
素数2〜20のアリールシリル基およびフェロセン誘導
体を表し、これらは、炭素数1〜5のアルキル基、ハロ
ゲン原子、炭素数1〜5のアルコキシ基によって置換さ
れたフェニルによって必要に応じて置換されていても良
い。X及びXは同一または異なって、アニオン性配
位子を意味し、L及び、Lは、同一または異なって
中性電子供与体を意味し、そしてX 、X、L及び
の2個または3個は、更にまた、一緒に多座キレー
ト化配位子を形成しても良い。
【0042】
【化21】
【0043】
【化22】
【0044】一般式(5)及び(6)において、R
、RおよびRは同一または異なって、水素、炭
素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜20のアルキ
ル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜20の
カルボキシル基、炭素数2〜20のアルコキシ基、炭素
数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数6〜20のア
リールオキシ基、炭素数2〜20のアルコキシカルボニ
ル基、炭素数2〜20のアルキルチオ基またはフェロセ
ン誘導体を表し、これらは、炭素数1〜5のアルキル
基、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルコキシ基によっ
て置換されたフェニル基によって必要に応じて置換され
ていても良い。Y、YおよびYは同一または異な
って硫黄、酸素、セレン元素を表し、X、X、X
及びXは同一または異なって、アニオン性配位子を意
味し、L、L、L及びLは、同一または異なっ
て中性電子供与体を意味し、そしてX、X、X
、L、L、L及びLの2個または3個は、
更にまた、一緒に多座キレート化配位子を形成しても良
い。
【0045】なお、一般式(3)〜(6)で表される錯
体は、種々の方法により製造することができるが、L
〜L等を有する配位子前駆体等の原料を公知の方法に
従って合成し、他方ルテニウム錯体前駆体原料を公知の
方法に従って合成し、最後に両者の原料を混合して配位
子交換反応行って製造することができる。
【0046】本発明で用いるシクロオレフィン系モノマ
ーをメタセシス重合によってポリマーを合成する際、用
いるメタセシス重合触媒は、全ノルボルネン系モノマー
に対しては、0.0001〜1モル%であることが好ま
しい。触媒量が0.0001モル%未満ではノルボルネ
ン系モノマーの重合速度が低く、好ましくない。触媒量
1モル%を上回るとコスト的に不利であるので好ましく
ない。より好ましくは0.001〜0.5モル%の範囲
である。さらにより好ましくは0.001〜0.05モ
ル%の範囲である。
【0047】本発明の重合方法における反応温度は、用
いる溶媒の融点、沸点によって異なってくるが、基本的
には−30〜150℃であることが好ましく、より好ま
しくは10〜150℃の範囲である。重合温度が−30
℃未満であると、モノマーの流動性が低く、有機金属化
合物触媒を配合する上で好ましくない。一方、150℃
を超える温度になると、メタセシス触媒が失活しやすく
なるため好ましくない。
【0048】また、本発明のメタセシス重合反応系は、
モノマーと相溶性または非相溶な溶媒で行うことがで
き、モノマーに対して相溶性のある、ペンタン、ヘキサ
ン等の飽和炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン等の芳
香族系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン
化溶媒、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン
等のエーテル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエス
テル系溶媒、モノマーと非相溶性の水、アルコール中で
反応させることができる。
【0049】本発明のメタセシス重合反応は、不活性気
体雰囲気下にて行うことが好ましいが、Ru系の安定な
触媒を用いた場合は、空気中で重合することができる。
一般に、メタセシス重合反応により得られるオリゴマー
は、2重結合を有し、特に本発明の重合方法で得られる
オリゴマーは、空気中の酸素などにより劣化することが
ある。この劣化を防止するため、重合系中に抗酸化剤を
添加させることも可能である。
【0050】添加できる抗酸化剤としては、重合反応に
関与しないものであれば特に限定されず、中でもペンタ
エリスリトール−テトラキス[3−(3−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,
3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6
−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、トリス−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−t−ブチ
ル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルジベンジル)イ
ソシアヌレートが好ましい。
【0051】本発明で得られた片末端に官能基を有する
ポリマーには、主鎖に2重結合が存在するが、水素添加
によって飽和結合にすることができる。また本発明の片
末端に官能基を有するポリマーから合成されたブロック
共重合体を水素添加によってオレフィン鎖を飽和化する
こともできる。
【0052】上記水素添加に際して使用される水素添加
触媒としては、例えば、ウィルキンソン錯体、酢酸コバ
ルト/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセ
テート/トリイソブチルアルミニウム、パラジウム−カ
ーボン、ルテニウム−カーボン、ニッケル−けいそう土
等を使用することにより製造される。なお、上記式
(3)〜(6)のルテニウム系錯体は水素添加触媒とし
ても好適に用いることができるので、上記ルテニウム系
錯体を用いてメタセシス重合を行う場合には、重合に引
き続いて水素添加のステップを連続で行うこともでき
る。
【0053】上記の水素添加は、触媒の種類により均一
系または不均一系で、通常1〜200気圧の水素圧下、
0〜250℃で行われる。
【0054】本発明の官能基を片末端のみに有するシク
ロオレフィン系重合体としては、例えば、シクロオレフ
ィン系モノマーとしてノルボルネンを用い、連鎖移動剤
として、上記の2−ビニロキシエチルジクロロアセテー
ト、2−ビニロキシエチル−2−ブロモイソブチレー
ト、2−ビニロキシエチル−4−クロロメチルベンゾエ
ートを用いると、構造式(7)に示す官能基を片末端の
みに含有するシクロオレフィン系重合体が得られる。
【0055】
【化23】 (式中、Rは、CHCl、C(Me)Br、C
CHClを表す。)
【0056】(2)ブロック共重合体 本発明におけるブロック共重合体とは、上記で得られる
官能基を片末端のみに有するシクロオレフィン系重合体
の官能基を基点とした他種ポリマーとのブロック共重合
体、すなわち、シクロオレフィン系ポリマー(A)と他
種ポリマー(B)のAB型ブロック共重合体をいう。具
体的には、官能基を利用した高分子反応による共重合
化、官能基を基点とした他のモノマー成分の重合による
共重合化などがあるが、高分子反応の場合、反応させる
ポリマーが高分子量になると相溶性が低下し均一系での
反応が困難となるため、官能基を基点とした他のモノマ
ー成分の重合による共重合化が好ましい。
【0057】末端官能基を基点とした他のモノマー成分
の重合には、ラジカル重合、イオン重合、その他配位重
合が用いられるが、工業的にはラジカル重合が重合環境
への制約の面から有利である。特に分子量、分子量分布
の制御にはリビングラジカル重合が好ましい。
【0058】リビングラジカル重合は、公知の重合法で
あり、最近精力的に研究が進められている原子移動型ラ
ジカル重合を用いることができる。例えば、Matyj
aszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1
995,117,5614、Macromolecul
es、1995,28,7901、 Science1
996,272,866、またはSawamotoら、
Macromolecules 1995,28,17
21などに開示されている方法が用いられる。この方法
によると一般的に非常に重合速度が高く、ラジカル同士
のカップリングなどの停止反応が起こりやすいラジカル
重合でありながら、重合がリビング的に進行し、分子量
分布の狭い重合体が得られ、分子量はモノマーと開始剤
の仕込み比によってコントロールすることができる。
【0059】得られるブロック共重合体は、例えば、上
記の構造式(7)で示す片末端のみに官能基を有するポ
リノルボルネンの官能基を基点として、メチルメタクリ
レートが重合したポリノルボルネン−ポリメチルメタク
リレートブロック共重合体、同様にスチレンが重合した
ポリノルボルネン−ポリスチレンブロック共重合体が挙
げられる。
【0060】
【実施例】本発明を、以下に実施例を挙げて詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもの
ではない。なお、実施例で用いた連鎖移動剤及び触媒
は、次ぎの様にして合成した。
【0061】1.連鎖移動剤の合成 エチレングリコールモノビニルエーテル5.5g(6
2.4mmol)をジクロロメタン120mlとピリジ
ン60mlに溶解させ、そこにジクロロアセチルクロリ
ド9.19g(62.4mmol)をジクロロメタン3
0mlに溶解させたものを滴下して、混合物を室温で3
時間攪拌した。その後50mlの水を加えて反応を停止
させた。有機層を分離し、水層を50mlエーテルで2
回抽出した。その後、先に分離した有機層とともに硫酸
マグネシウムで乾燥させた。この溶液を濃縮することに
より、茶色の液体を得た。これを減圧蒸留(0.2mm
Hg,52−55℃)して、無色の液状の構造式(8)
に示す連鎖移動剤−1(2−ビニロキシエチルジクロロ
アセテート)を6.37g(収率51%)得た。なお、
その構造式の確認は、NMR、元素分析等により行い、
それらの値を示す。また、酸ハライドを変更して、同様
の方法により、構造式(9)に示す連鎖移動剤−2(2
−ビニロキシエチル−2−ブロモイソブチレート)、及
び構造式(10)に示す連鎖移動剤−3(2−ビニロキ
シエチル−4−クロロメチルベンゾエート)を合成し、
連鎖移動剤−3については、NMR、元素分析等の値を
示す。
【0062】
【化24】
【0063】H−NMR(CDCl):δ=6.4
7(dd,J=14.3,6.8Hz, 1H,CH=
CH),5.98(s,1H,CHCl),4.5
1−4.48, 3.96−3.93(each m,
4H,OCH),4.21(dd,J=14.3,
2.4Hz,1H,CH=CH),4.07(dd,
J=6.8,2.4Hz,1H,CH=CH);13
C{H}−NMR(CDCl):δ=164.5
(s,C=O),151.1(s,CH=CH),8
7.4(s,CH=CH),65.4,65.0(e
ach s,OCH ),64.0(s,CHC
);MS,m/z(rel intensity,
%):198(M−H,1),157(31),15
5(48),87(11),85(64),83(10
0),76(21),57(13);elementa
ry analysis calcd for C
Cl:C,36.21;H,4.05;fou
nd:C,36.46;H,4.13。
【0064】
【化25】
【0065】
【化26】
【0066】H−NMR(CDCl):δ=8.0
7−8.04,7.48−7.45(each m,4
H,C),6.52(dd,J=14.5,6.
8Hz,1H,CH=CH),4.62(s,2H,
CHCl),4.58−4.55(m, 2H,OC
),4.24(dd,J=14.5,2.4Hz,
1H,CH=CH),4.07(dd,J=6.8,
2.4Hz,1H,CH=CH);13C{H}−
NMR(CDCl):δ=165.9(s,C=
O),151.5(s,CH=CH),142.4
(s,C of C ),130.2(s,C
2,3,5,6 of C),129.8(s,
of C),128.5(s,C
2,3,5,6 of C ),87.1(s,C
H=CH),65.8,63.3(each s,O
CH),45.3(s,CHCl);elemen
tary analysis calcd for C
1213ClO:C,59.88;H,5.44;
found:C,59.61;H,5.47。
【0067】触媒の合成例1 5.57g(9.1mmol)のRu(p−cymen
e)Clに対して、18.2mmolのPCy及び
9.1mmolのt−ブチルアセチレンを150mlの
トルエンとともに300mlのフラスコ中で窒素気流
下、7時間反応させた。反応終了後、トルエンを減圧除
去し、THF/エタノール系にて再結晶を行うことによ
り構造式(11)のルテニウム錯体化合物を合成した。
【0068】
【化27】
【0069】実施例1 ノルボルネン(471mg、5mmol)と連鎖移動剤
−1(99mg、0.50mmol)のジクロロメタン
溶液を構造式(11)で示すルテニウム系触媒80mg
(0.098mmol)に加えた。得られた薄紫色の溶
液を室温で52時間反応させ、反応後、150mlのメ
タノールに注いで、白色の固体を得た。得られた白色の
固体をメタノールで繰り返し洗って室温で乾燥させて、
構造式(12)で示す重合体(PNBE−1)を得た。
収率は92%であった。得られた重合体は、VPO法に
よるMnが2.9×10、NMR法によるMnが3.
3×10、GPC分析による分子量分布が2.17で
あった。以下にH−NMRにより各ピークの帰属を示
し、NMRのチャートを図1に示す。
【0070】
【化28】
【0071】H−NMR(CDCl):δ5.98
(s,CHCl),5.86(d,J =6.2H
z,Hi),5.80(ddd,J=17.2,9.
9,7.3Hz,Hc),5.40−5.29(m,H
d−g of trans−polymer),5.2
4−5.16(m,Hd−g of cis−poly
mer),4.96(ddd,J=17.2,1.3,
1.3Hz,Hb),4.87(ddd,J=9.9,
1.3,1.3Hz,Ha),4.45−4.42
(m,OCH),4.41(dd,J=9.0,6.
2Hz,Hh),3.98−3.95(m,OC
),2.82−2.72,2.50−2.35,
1.92−1.69,1.43−1.25,1.12−
0.96(each m,CH and CH)。
【0072】実施例2 連鎖移動剤−1の代わりに連鎖移動剤−2を0.50m
molを加えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行
って構造式(13)で示す重合体(PNBE−2)を得
た。収率は94%であった。得られた重合体は、VPO
法によるMnが2.7×10、NMR法によるMnが
3.0×10、GPC分析による分子量分布が2.4
9であった。以下にH−NMRにより各ピークの帰属
を示し、NMRのチャートを図2に示す。
【0073】
【化29】
【0074】H−NMR(CDCl):δ5.88
(dd,J=6.2,1.1Hz,Hi),5.80
(ddd,J=17.4,10.3,7.5Hz,H
c),5.39−5.28(m,Hd−g of tr
ans−polymer),5.22−5.19(m,
Hd−g of cis−polymer),4.96
(ddd,J=17.4,2.0,1.1Hz,H
b),4.86(ddd,J=10.3, 2.0,
0.9Hz,Ha),4.38(dd,J=9.0,
6.2Hz,Hh),4.36−4.32,3.96−
3.93(each m,OCH),2.84−2.
71,2.50−2.35,1.90−1.71,1.
45−1.28,1.12−0.970(m,CH a
nd CH),1.94(s,CH)。
【0075】実施例3 連鎖移動剤−1の代わりに連鎖移動剤−3を0.50m
mol加えたこと以外は、実施例1と同様の操作を行っ
て構造式(14)で示す重合体(PNBE−3)を得
た。収率は96%であった。得られた重合体は、VPO
法によるMnが4.0×10、NMR法によるMnが
4.0×10、GPC分析による分子量分布が2.5
3であった。以下にH−NMRにより各ピークの帰属
を示し、NMRのチャートを図3に示す。
【0076】
【化30】
【0077】H−NMR(CDCl):δ8.0
6,7.47(each d,J=1.8Hz,C
),5.92(dd,J=6.2,0.9Hz,H
i),5.80(ddd,J=17.4,10.3,
7.5Hz,Hc),5.39−5.28(m,Hd−
g of trans−polymer),5.22−
5.19(m,Hd−g of cis−polyme
r),4.96(ddd,J=17.4,2.0,1.
1Hz,Hb),4.87(ddd,J=10.3,
2.0,0.9Hz,Ha),4.62(s,CH
l),4.51−4.47(m,OCH),4.39
(dd,J=9.0,6.2Hz,Hh),4.05−
4.02(m,OCH),2.84−2.71,2.
50−2.34,1.90−1.68,1.45−1.
26,1.13−0.97(each m,CH an
d CH)。
【0078】実施例4 トルエン1.5mlにメチルメタクリレート198mg
(1.98mmol)と、実施例1で合成した片末端官
能基化ポリノルボルネン101mg(0.0348mm
ol)を溶解させ、構造式(11)で示すルテニウム系
触媒13mg(0.015mmol)とAl(OP
13mg(0.060mmol)を加え脱気し
た後、80℃で74時間窒素気流下で反応させた。その
後、粘性溶液を100mlのメタノールに注いで白色沈
殿物を得た。これをメタノールで繰り返し洗浄した後、
室温で真空乾燥し、構造式(15)に示すポリノルボル
ネン−ポリメチルメタクリレートブロック共重合体を得
た。収率は90%であった。得られた重合体は、VPO
法によるMnが6.7×10、計算式[Mn={(反
応率%モノマー×Mwモノマー)/(初期PNBE−1
濃度+MnPNBE−1)}]によるMnが7.8×1
、GPCによる分子量分布が1.74であった。N
MRのチャートを図4に示す。
【0079】
【化31】
【0080】実施例5 片末端官能基化ポリノルボルネンとして、実施例2で合
成した重合体を用いたこと以外は、実施例4と同様の操
作を行って構造式(16)に示すポリノルボルネン−ポ
リメチルメタクリレートブロック共重合体を得た。収率
は84%であった。得られた重合体は、VPO法による
Mnが5.9×10、計算式[Mn={(反応率%
モノマー×Mwモノマー)/(初期PNBE−2濃度+
MnPNB E−2)}]によるMnが6.5×10
GPCによる分子量分布が1.26であった。NMRの
チャートを図5に示す。
【0081】
【化32】
【0082】実施例6 スチレン289mg(2.78mmol)、トルエン
0.1ml、実施例3で合成した片末端官能基化ポリノ
ルボルネン101mg(0.025mmol)をCuB
r3.6mg(0.025mmol)と2,2’−ビピ
リジン7.9mg(0.051mmol)に加えた。そ
の混合物を90℃で26時間窒素気流下で反応させた。
反応後、2mlのTHFで希釈した後、メタノール10
0mlに注いで白色の沈殿物を得た。これをメタノール
で繰り返し洗浄した後、室温で真空乾燥し、構造式(1
7)に示すポリノルボルネン−ポリスチレンブロック共
重合体を得た。収率は79%であった。得られた重合体
は、VPO法によるMnが10.7×10、計算式
[Mn={(反応率%モノマー×Mwモノマー)/(初
期PNBE−3濃度+MnPNBE−3)}]によるM
nが12.3×10、GPCによる分子量分布が1.
80であった。NMRのチャートを図6に示す。
【0083】
【化33】
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、新規な
片末端のみに官能基を有するシクロオレフィン系ポリマ
ーに関するものであり、該片末端のみに官能基を有する
シクロオレフィン系ポリマーからは、その官能基を基点
にして他のポリマーを重合させた新規なブロック共重合
体を得ることができる。これらの新規な重合体は、種々
の用途に用いることができ、特に新規な光学材料として
その用途が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で製造したポリマーのNMRスペクト
ルのチャートである。
【図2】実施例2で製造したポリマーのNMRスペクト
ルのチャートである。
【図3】実施例3で製造したポリマーのNMRスペクト
ルのチャートである。
【図4】実施例4で製造したポリマーのNMRスペクト
ルのチャートである。
【図5】実施例5で製造したポリマーのNMRスペクト
ルのチャートである。
【図6】実施例6で製造したポリマーのNMRスペクト
ルのチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小澤 文幸 大阪府大阪市住吉区杉本3−3−138 大 阪市立大学内 (72)発明者 片山 博之 大阪府大阪市住吉区杉本3−3−138 大 阪市立大学内 Fターム(参考) 4J032 CA22 CA23 CA28 CA34 CA35 CA38 CA62 CA68 CB01 CB04 CB08 CC02 CC03 CD02 CE03 CE17 CE21 CE22 CF03 CG02 CG07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタセシス重合によるシクロオレフィン
    系重合体であって、片末端のみに一般式(1)又は
    (2)に示す連鎖移動剤に由来する官能基を有するシク
    ロオレフィン系重合体。 【化1】 (式中、ZはOまたはSを表し、Qは官能基末端ア
    ルキル鎖を表す。) 【化2】 (式中、ZはNを表し、Q及びQは官能基末端ア
    ルキル鎖を表す。)
  2. 【請求項2】 シクロオレフィン系重合体がノルボルネ
    ン及びその誘導体の重合体であることを特徴とする請求
    項1に記載の片末端のみに官能基を有するシクロオレフ
    ィン系重合体。
  3. 【請求項3】 一般式(1)又は(2)に示す少なくと
    も1種の連鎖移動剤の存在下でシクロオレフィン系モノ
    マーをメタセシス重合によって片末端のみに官能基を有
    するシクロオレフィン系重合体の製造方法。 【化3】 (式中、YはOまたはSを表し、Qは官能基末端ア
    ルキル鎖を表す。) 【化4】 (式中、ZはNを表し、Q及びQは官能基末端ア
    ルキル鎖を表す。)
  4. 【請求項4】 メタセシス重合を、一般式(3)〜
    (6)で表されるルテニウム系錯体触媒のすくなくとも
    1種の存在下に行うことを特徴とする請求項3に記載の
    片末端のみに官能基を有するシクロオレフィン系重合体
    の製造方法。 【化5】 (式(3)中、R、Rは同一または異なって、水
    素、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜20の
    アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜
    20のカルボキシル基、炭素数2〜20のアルコキシ
    基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数6〜
    20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアルコキシ
    カルボニル基、炭素数2〜20のアルキルチオ基、また
    はフェロセン誘導体を表し、これらは、炭素数1〜5の
    アルキル基、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルコキシ
    基によって置換されたフェニルによって必要に応じて置
    換されていて良い。X及びXは同一または異なっ
    て、アニオン性配位子を意味し、L 及び、Lは、同
    一または異なって中性電子供与体を意味し、そして
    、X 、L及びLの2個または3個は、更にま
    た、一緒に多座キレート化配位子を形成しても良い。) 【化6】 (式(4)中、R、Rは同一または異なって、水
    素、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数1〜20の
    アルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜
    20のカルボキシル基、炭素数2〜20のアルコキシ
    基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数6〜
    20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のアルコキシ
    カルボニル基、炭素数2〜20のアルキルチオ基、炭素
    数2〜20のアルキルシリル基、炭素数2〜20のアリ
    ールシリル基、およびフェロセン誘導体を表し、これら
    は、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数
    1〜5のアルコキシ基によって置換されたフェニルによ
    って必要に応じて置換されていて良い。X及びX
    同一または異なって、アニオン性配位子を意味し、L
    及び、Lは、同一または異なって中性電子供与体を意
    味し、そしてX、X、L及びLの2個または3
    個は、更にまた、一緒に多座キレート化配位子を形成し
    ても良い。) 【化7】 【化8】 (式(5)及び(6)中、R、R、R及びR
    同一または異なって、水素、炭素数2〜20のアルケニ
    ル基、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20の
    アリール基、炭素数2〜20のカルボキシル基、炭素数
    2〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニル
    オキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数
    2〜20のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜20の
    アルキルチオ基またはフェロセン誘導体を表し、これら
    は、炭素数1〜5のアルキル基、ハロゲン原子、炭素数
    1〜5のアルコキシ基によって置換されたフェニルによ
    って必要に応じて置換されていて良い。Y、Y及び
    は同一または異なって、硫黄、酸素、セレン元素を
    表し、X、X、X及びXは同一または異なっ
    て、アニオン性配位子を意味し、L、L、L及び
    は、同一または異なって中性電子供与体を意味し、
    そしてX、X、X、X、L、L、L 及び
    の2個または3個は、更にまた、一緒に多座キレー
    ト化配位子を形成しても良い。)
  5. 【請求項5】 シクロオレフィン系モノマーがノルボル
    ネン及びその誘導体であることを特徴とする請求項3又
    は4に記載の片末端のみに官能基を有するシクロオレフ
    ィン系重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2に記載の片末端のみに官
    能基を有するシクロオレフィン系重合体と他種のポリマ
    ーとの共重合体であることを特徴とするブロック共重合
    体。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2に記載の片末端のみに官
    能基を有するシクロオレフィン系重合体の片末端の官能
    基を基点として他種のポリマーとを共重合させることを
    特徴とするブロック共重合体の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のブロック共重合体の重
    合方法がリビング重合であることを特徴とするブロック
    共重合体の製造方法。
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