JP2002263182A - イオン発生装置を備えた電気機器 - Google Patents

イオン発生装置を備えた電気機器

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JP2002263182A
JP2002263182A JP2001062924A JP2001062924A JP2002263182A JP 2002263182 A JP2002263182 A JP 2002263182A JP 2001062924 A JP2001062924 A JP 2001062924A JP 2001062924 A JP2001062924 A JP 2001062924A JP 2002263182 A JP2002263182 A JP 2002263182A
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Tomohisa Ito
智久 伊藤
Hiroyasu Yamashita
裕康 山下
Yoshinori Sekoguchi
美徳 世古口
Mamoru Morikawa
守 守川
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Sharp Corp
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Direct Air Heating By Heater Or Combustion Gas (AREA)
  • Electric Ovens (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイナスイオンとプラスイオンを同時に発生
させ空気中に送出させて、室内の浮遊細菌を除去する電
気機器において、送出させるイオンのバランスを良好に
保つことを目的とするものである。 【解決手段】 プラスイオンとマイナスイオンを交互に
発生するイオン発生装置を搭載した電気機器において、
イオンが通過する経路を構成する経路構成部材および又
はイオンが通過する経路内に配置される部材に、帯電防
止手段を備えることによって、送出するプラスイオン量
とマイナスイオン量のバランスを保ち、安定した浮遊細
菌の殺菌効果を保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イオン発生装置を
搭載した電気機器に関するものである。ここでいう電気
機器に該当するものの例としては、空気調和機、除湿
機、加湿器、空気清浄機、冷蔵庫、ファンヒーター、電
子レンジ、洗濯乾燥機、掃除機、殺菌装置等があり主
に、家屋の室内、ビル内の一室、病院の病室若しくは手
術室、車内、飛行機内、船内、倉庫内、冷蔵庫の庫内等
の有限な空間内で使用される電気機器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅環境の高密度化、密閉化に伴
い、人体に有害な空気中の浮遊細菌の除去が求められて
いる。それらのニーズに応えるべく、該誘電体を挟んで
対向する第1電極と第2電極との間に交流電圧を印加す
ることによりプラスイオンとマイナスイオンとを発生さ
せて、両イオンが浮遊細菌の表面に付着して化学反応
し、そのとき生成される活性種の作用により、浮遊細菌
の殺菌を行う空気清浄気が出願人により実用化されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記した空気中の浮遊
細菌の殺菌を効率良く行うためには、殺菌しようとする
空間に、所定の濃度以上のプラスイオン量とマイナスイ
オン量とをバランスよく放出することが望ましいが、所
定の場合には、一方のイオンが他方のイオンに比べて多
く空間に放出される現象が起きることがあった。
【0004】その原因を追求したところ、イオンが通過
する経路を構成する経路構成部材及び/又はイオンが通
過する経路内に配置される部材に、絶縁性の高いABS
樹脂やPP樹脂などの熱可塑性樹脂を用いた場合は、材
料の性質上一方の極性に帯電し易く、そのため他方の極
性を有するイオンが吸引されることから、送出されるイ
オンのうち吸引された側のイオンが減少し、プラスイオ
ン量とマイナスイオン量のバランスが崩れることが原因
であることが分かった。このような場合には、浮遊細菌
の殺菌効果が、少量となったイオンの発生量に拘束され
減殺してしまうという問題が発生する。
【0005】なお、電気機器の筐体等の帯電を防止する
技術に関する先行技術としては、特開平5−16341
1号公報があり、かかる公報には、熱可塑性樹脂に帯電
防止を施した技術が開示されているが、上記公報は、樹
脂表面にほこりが付着したり電子機器関係に静電気障害
が発生するのを防止し、樹脂自身の汚れ防止や相手側電
子機器の保護を目的としたものであって、本発明のよう
に、プラスイオン及びマイナスイオンを発生させる構成
を有するイオン発生装置から送出するプラスイオン量と
マイナスイオン量のバランスを保つ目的とは明白に相違
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、電極に交流電圧を印加することによりプラ
スイオンとマイナスイオンとを発生させるイオン発生装
置を備えた電気機器において、前記イオン発生装置から
発生したイオンが通過する経路を構成する経路構成部材
又は前記イオン発生装置から発生したイオンが通過する
経路中に配置される部材に、帯電防止手段を施すもので
ある。それにより、電気機器から送出されるプラスイオ
ン及びマイナスイオンの発生量のバランスを良好に保つ
ことができる。
【0007】また、本発明は、電極に交流電圧を印加す
ることによりプラスイオンとマイナスイオンとを発生さ
せ、プラスイオンとマイナスイオンが細菌の表面で化学
反応したときに発生する活性種の作用により、該細菌を
殺菌するイオン発生装置を備えた電気機器において、前
記イオン発生装置から発生したイオンが通過する経路を
構成する経路構成部材又は前記イオン発生装置から発生
したイオンが通過する経路中に配置される部材に、帯電
防止手段を施すものである。それにより、電気機器から
送出されるプラスイオン及びマイナスイオンの発生量の
バランスを良好に保つことができ、そのため浮遊殺菌の
効率よい殺菌が可能である。
【0008】そして、本発明は、電極に交流電圧を印加
することによりプラスイオンとマイナスイオンとを発生
させるイオン発生装置を備えた電気機器において、前記
イオン発生装置から発生したイオンが通過する経路を構
成する経路構成部材及び前記イオン発生装置から発生し
たイオンが通過する経路中に配置される部材に、帯電防
止手段を施すものである。それにより、電気機器から送
出されるプラスイオン及びマイナスイオンの発生量のバ
ランスを良好に保つことができる。
【0009】またさらに、本発明は、電極に交流電圧を
印加することによりプラスイオンとマイナスイオンとを
発生させ、プラスイオンとマイナスイオンが細菌の表面
で化学反応したときに発生する活性種の作用により、該
細菌を殺菌するイオン発生装置を備えた電気機器におい
て、前記イオン発生装置から発生したイオンが通過する
経路を構成する経路構成部材及び前記イオン発生装置か
ら発生したイオンが通過する経路中に配置される部材
に、帯電防止手段を施すものである。それにより、電気
機器から送出されるプラスイオン及びマイナスイオンの
発生量のバランスを良好に保つことができ、そのため浮
遊殺菌の効率よい殺菌が可能である。
【0010】そしてまた、本発明は、前記帯電防止手段
は、前記イオン発生装置から発生したイオンが通過する
経路を構成する経路構成部材又は前記イオン発生装置か
ら発生したイオンが通過する経路中に配置される部材を
形成する材料を、表面固有抵抗値が4×109Ω以下の
材料からなることとしている。それにより、電気機器か
ら送出されるプラスイオン及びマイナスイオンの発生量
のバランスを良好に保つ作用を好適に発揮することが可
能である。
【0011】また、本発明は、前記帯電防止手段は、前
記イオン発生装置から発生したイオンが通過する経路を
構成する経路構成部材又は前記イオン発生装置から発生
したイオンが通過する経路中に配置される部材を形成す
る材料を、金属材料、樹脂材料の表面に金属メッキを施
した材料又は帯電防止剤を添加した樹脂材料の何れかの
材料とするものである。それにより、電気機器から送出
されるプラスイオン及びマイナスイオンの発生量のバラ
ンスを良好に保つ作用を好適に発揮することが可能であ
る。
【0012】そして、前記電気機器は除湿機能を備え、
除湿後の空気をイオン発生装置に供給する構成とするこ
とが好適である。イオン発生装置に供給する空気を除湿
後の空気とすることによって、イオンの発生量が低下す
ることもなく、さらに良好な両イオンの発生量を得るこ
とができ、浮遊細菌の殺菌効果をいっそう良好にするこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態にかかるイオ
ン発生装置の一例について説明する。図1はイオン発生
装置16の詳細を示す断面図である。イオン発生装置1
6は、筒状の誘電体50の内周面に沿って内電極51
(内電極51は、第1電極の一例である)が配され、外
周面に沿って外電極52(外電極52は、第2電極の一
例である)が配され、外電極52はバンド57により誘
電体50に固定されている。それによって、内電極51
と外電極52が誘電体を挟んで所定の距離を有して対向
する構成となる。
【0014】上記の構成を備えるイオン発生装置の具体
例としては、誘電体50としては外形が20mm、厚み
が2.4mmの円筒形のガラス管を用いる。このガラス
管の軸方向の長さは例えば約80mmを用いる。また、
内電極51としてはSUS304の平板をロール加工し
て用い、外電極52としてはSUS304またはSUS
316の線材を16メッシュで平織りしたものをロール
加工して用いている。(以下、具体例として述べるとき
は本段落に記載した例の誘電体50、内電極51及び外
電極52を用いるものとする。) 誘電体50の両端には、絶縁パッキン53、54が取り
付けられ、イオン発生装置の筐体との絶縁性を良好に担
保している。絶縁パッキン53、54には溝部53a、
54aが形成され、該溝部53a、54aが誘電体50
と嵌合し絶縁パッキン53、54は固定される。内電極
51にはリード線55が溶着され、高圧回路から成る電
源部(不図示)に接続される。また、外電極52にはリ
ード線56が溶着され、接地されている。尚、リード線
55は絶縁パッキン53の略中央に形成された挿通孔5
3cに挿通して保持されている。これは、高圧が印加さ
れるリード線55の絶縁性を好適に保つためである。ま
た、リード線55の外周には絶縁性を高めるため高絶縁
性の材料からなるチューブが被せられている。
【0015】絶縁パッキン53、54の周面には溝部5
3d、54dが形成されている。溝部53d、54dに
ケーシング41の内壁に設けられたリブ(不図示)が嵌
合してイオン発生装置16が支持されている。
【0016】内電極51、外電極52間に高圧の交流電
圧が印加されると、プラズマ放電によって印加電圧が正
電圧の場合は主としてH+(H2O)nから成るプラスイオ
ンが生成され、負電圧の場合は主としてO2 -(H2O)m
ら成るマイナスイオンが生成される。
【0017】このとき、印加する交流電圧の具体例とし
ては、電圧を約1.8kV(半波のピーク値)、周波数
を20kHz〜22kHzとすると、好適にプラスイオ
ンとマイナスイオンを発生させることがでるとともに、
両イオンと同時に発生する有害なオゾンの発生量を微量
とすることができる。
【0018】なお、上記した印加電圧及び周波数はあく
まで一例であり、イオン発生装置の誘電体及び又は電極
の形状、厚み、大きさ等から決定される静電容量等によ
って最適値は変化する。したがって、プラスイオン及び
マイナスイオンの発生量とオゾンの発生量の双方を測定
し夫々の値を比較し、プラスイオン及びマイナスイオン
の発生量が多くオゾンの発生量が少ない場合を最適な値
として設計される。
【0019】プラスイオンとマイナスイオンが浮遊細菌
の殺菌に寄与するメカニズムについて説明する。上記し
たイオン発生装置を運転し、マイナスイオンとプラスイ
オンとを発生させ所定の空間に同時に混在させると、当
該空間の空気中に存在する微生物等の浮遊細菌の表面
に、H+(H2O)n及びO2 -(H2O)mが接触して凝集し、
当該微生物等の浮遊細菌を取り囲み、両イオンが化学反
応して活性種である[・OH](水酸基ラジカル)やH
22(過酸化水素)を発生する。発生した活性主は強力
な酸化力をもつことから、細菌の表面が酸化され殺菌さ
れることになる。かかる作用効果は、浮遊細菌が小さい
ことによって、その表面でH+(H2O)n及びO2 -(H2O)
mが凝集可能なことから起こるものであり、そのため、
人体のごとく浮遊細菌などに比べて極めて大きい物質に
対しては、当該作用効果が発揮されることはなく、従っ
て、人体の健康を害するような悪影響はない。
【0020】なお、浮遊細菌を殺菌するという作用効果
を奏するためには、所定のプラスイオン濃度及びマイナ
スイオン濃度が好適であることが実験的に分かってい
る。
【0021】両イオンの濃度と殺菌効果に関する実験方
法について説明すると、大腸菌又は真菌を噴霧した約3
畳程度の広さの部屋に上記の具体例に示したイオン発生
装置を配置し、当該イオン発生装置から発生する両イオ
ンを送風機にて風量1(m3/秒)で送出する。イオン
発生装置及び送風機を運転する前の部屋の空気(以下、
運転前の条件と称する。)と、1時間経過後の部屋の空
気(以下、1時間運転後の条件と称する。)をエアーサ
ンプラーで捕集し、捕集した空気を培地に噴霧して細菌
を培地に付着させる。その後、細菌を培養し、成長させ
た真菌又は大腸菌のコロニー数を数えて比較し、殺菌率
を計算するというものである。なお、イオン発生装置か
ら発生するイオンの量は、送風機の吹出口からイオンを
含んだ空気が吹出される方向に約10cmの位置にイオ
ンカウンター(例えば、ダン科学社製83‐1001
B)を配置して測定している。
【0022】上記の実験方法による結果は、プラスイオ
ン濃度及びマイナスイオン濃度が約3万個/ccのと
き、1時間経過後の条件でのコロニー数は運転前の条件
でのコロニー数よりも70%以上少なく、殺菌効果が十
分に得られていることがわかる。
【0023】更に、プラスイオン濃度及びマイナスイオ
ン濃度が約30万個/ccのとき、1時間経過後の条件
でのコロニー数は運転前の条件でのコロニー数よりも9
3%少なく、更に、殺菌効果が大きいことがわかる。
【0024】なお、イオン発生装置16の構成は上記の
例に限られるものではなく、その変形例としては、誘電
体50を平板状に形成して第1電極及び第2電極を密着
させて対向し当該第1電極及び第2電極に交流電圧を印
加してプラスイオン及びマイナスイオンを発生させる
構、電圧を印加する第1電極を線端の尖った形状(例え
ば、針状)に形成して第2電極を設けず第1電極に交流
電圧を印加してプラスイオンとマイナスイオンを発生さ
せる構成、第1電極を線状に形成し第2電極を設けず第
1電極に交流電圧を印加してプラスイオンとマイナスイ
オンを発生させる構成等があり、様々な変形が可能であ
る。これらの変形例の構成であってもプラスイオンとマ
イナスイオンの両イオンを発生させ、上記実験条件にお
ける両イオンの濃度が3万個/cc以上となるように構
成すれば、浮遊細菌の殺菌を良好に行うことができる。
また、両イオンの濃度が3万個/cc以上のときはイオ
ン濃度が上昇すれば殺菌効果も向上する。
【0025】以下に、上記したイオン発生装置を電気機
器に備えた実施形態の例として、除湿機にイオン発生装
置を備えた場合について図2から図9を参照して説明す
る。
【0026】図2は本発明の実施形態の除湿機を示す正
面斜視図であり、図3は本発明の実施形態の除湿機を示
す背面斜視図である。なお、図2乃至図3において、背
面から正面に向かう方向を前方とし、正面から背面に向
かう方向を後方として説明する。また、除湿機1は、図
2乃至図3に示す向きで床面等に設置して使用され、図
に向かって上下の方向が使用時の上下方向に一致するも
のである。
【0027】まず、除湿機1の構成について説明する。
除湿機1は、側面の前側、底面の前側及び前面が前枠2
により覆われ、側面の後側、底面の後側及び背面が後枠
3により覆われている。
【0028】そして、前枠2及び後枠3の側面や底面の
周縁に形成された係合爪(不図示)により両者を係合
し、上面の一部に開口を形成するように組み立てられて
いる。該開口には空気を送出する排気部12が取付けら
れている。排気部12には、上方及び後方にそれぞれ乾
燥空気を上方に向かって吹き出す吹出口4及び後方に向
かって吹出す吹出口18が形成されている。詳細は後述
するが、排気部12の吹出口4には、風向板(不図示)
の駆動により吹出口4の遮蔽や風向を可変にする風向可
変装置17が取付けられている。
【0029】さらに、後枠3の背面には室内の空気を除
湿機内に取り込むための吸込口15が形成されている。
後枠3の背面の内部側には吸込口15に対向する位置
に、吸込口15から吸込まれた空気から塵埃等を除去す
るためのフィルター7が取付けられるようになってい
る。
【0030】また、フィルター7は、アパタイト等によ
り抗菌された抗菌仕様になっており、吸込口15から除
湿機1内に流入する空気に含まれる塵挨、花粉、ウイル
ス、窒素酸化物等を捕集する。フィルター7は後枠3の
上面に形成された開口部61を挿通して着脱可能になっ
ている。
【0031】そして、排気部12の後方には把手10が
枢支され、除湿機1を持ち運びできるょうになってい
る。また、前枠2には、除湿機1の内部を視認できる視
認窓14が前面上部の一方に設けられるとともに、除湿
機1の運転操作及び表示を行う操作パネル13が前面上
部の略中央に設けられている。
【0032】ここで、操作パネル13の一例について説
明する。図4(a)は操作パネル13の詳細を示す上面
図であり、図4(b)は操作パネル13の詳細を示す正
面図である。操作パネル13の上面側には、空清ボタン
21、除湿ボタン22、衣類乾燥ボタン23が設けられ
ている。
【0033】そして、除湿ボタン22を押圧すると、後
述する圧縮機を通常の出力で駆動して室内の空気の除湿
が行われる。衣類乾燥ボタン23を押下すると、圧縮機
を通常の出力よりも出力が大きい出力で駆動して、室内
の空気を除湿するとともに室内に干した衣類の乾燥が行
えるようになっている。前記したイオン発生装置は、空
清運転、除湿運転、衣類乾燥運転と併用して駆動され
る。
【0034】また、操作パネル13の前面側には、室内
温度や運転状態を表示する表示パネル29が設けられて
いる。表示パネル29の下方には、除湿切替ボタン2
4、風量切替ボタン25、スイングボタン27、タイマ
ー切替ボタン28が配置されている。除湿切替ボタン2
4を押下すると、「自動除湿」、「連続除湿」、「結露
防止」などの運転モードを切り替える。
【0035】さらに、風量切替ボタン25を押下する
と、室内に送出される空気の風量が「中」、「静音」、
「強」の順に切り替えられる。スイングボタン27を押
下すると、風向板が「切」、「上方」、「後方」、「広
角」の順に切り替えられ、室内に送出される空気の風向
を切り替えることができる。タイマー切替ボタン28を
押下すると、タイマーのオンオフが切り替えられ、1〜
9時間のタイマー時間の設定ができるようになってい
る。
【0036】図5は図2乃至図3に示した除湿機1の内
部を示す概略断面図であり、側面と平行な面で断面視し
たものである。図5において方向に関する記載は図1を
準拠する。除湿機1の背面側の下部には圧縮機5が配さ
れ、前面側の下部にはドレンパン19を介して凝縮水を
回収するタンク6が配されている。タンク6は前枠2の
一部を開くことにより取り出して、貯溜された凝縮水を
排水できるようになっている。圧縮機5の上方には、吸
込口15に対向して配されるフィルター7の配置側から
順に蒸発器8、凝縮器9、送風機11が配されている。
送風機11の吐出口から吹出口に向かう間には、上記し
たイオン発生装置16が配置されている。
【0037】また、送風機11は、モータ11aの駆動
によってモータ11aの外周に設けられたインペラ11
bを回転し、除湿機1の背面側の吸込口15から吸引し
た空気を周方向に吐出するシロッコファンから成ってい
る。これにより、イオン発生装置16及び吹出口4、1
8の配置方向に空気が導かれるようになっている。
【0038】そして、蒸発器8の一端と凝縮器9の一端
とは圧縮機5を介して第1連結管(不図示)により連結
され、蒸発器8の他端と凝縮器9の他端とは膨張弁(不
図示)を介して第2連結管(不図示)により連結されて
いる。圧縮機5の駆動により第1、第2連結管内の冷媒
が流通して冷凍サイクルが運転される。即ち、圧縮機5
により圧縮された高温の冷媒は、凝縮器9で熱を放出し
て凝縮し、そして凝縮により液化された冷媒は膨張弁で
減圧された後、気化する際に蒸発器8で気化熱を奪って
圧縮機5に戻るという運転が行われる。
【0039】そして、圧縮機5と送風機11とを同時に
運転すると、吸込口15から吸引される室内の空気は、
先ず、フィルター7を通過する際に塵挨、花粉、ウイル
ス、窒素酸化物等が除去される。つぎに、吸引された空
気は低温となった蒸発器8で熱交換することによって冷
却される。このとき、蒸発器8の表面及び表面近傍で当
該空気が露点温度以下となると、空気中に含まれる水分
は凝縮して蒸発器8の表面に付着する。熱交換器に付着
した水分は、蒸発器8を伝って落下して凝縮水としてタ
ンク6に回収される。
【0040】その後、吸引された空気は高温となった凝
縮器9に導かれて、当該凝縮機と熱交換して除湿前と同
程度の温度に加熱される。このようにして、除湿機1内
に吸込む前の空気と同程度の温度を有しつつ、当該空気
が含有する水分量が低下した乾燥した空気(以下、乾燥
空気と称する)が生成される。
【0041】さらにその後、乾燥空気は送風機11内を
通って、その一部がイオン発生装置16に導かれ、その
他の乾燥空気は吹出口4、18(図3参照)に導かれ
る。イオン発生装置16を通過しプラスイオンとマイナ
スイオンとを含んだ乾燥空気は、その他の乾燥空気と合
流して室内に送出される。これにより、上述した通り室
内の空気の除湿及び殺菌が行われる。
【0042】送風機11から室内に吹出される経路に関
する構成について詳述する。図6は除湿機1の上部の概
略構造を示す側面断面図であり、図7は除湿機1の上部
の概略構造を示す背面断面図であり、図8は除湿機1の
上部の概略構造を示す上面断面図である。除湿機1の前
面側の上部には、視認窓14に対向してイオン発生装置
16が配置されている。イオン発生装置16の下面及び
側面はケーシング41により覆われている。また、ケー
シング41は送風機11を覆うファンケース44にネジ
等の締結手段又は爪嵌合等の係止手段により取付け固定
されている。ケーシング41の上面及び背面は、ケーシ
ング41の背面の一部を開口するように上部カバー43
で覆われている。
【0043】そして、ケーシング41の背面の一部に設
けられた開口は、仕切り部42に取り付けられた仕切板
41hにより上下に仕切られ、仕切り板41hの下方に
配置された開口が送風機11からの空気をイオン発生装
置16に流入させるための流入口41bとなり、仕切り
板41hの上方に配置された開口がイオン発生装置16
で発生したプラスイオン及びマイナスイオンをケーシン
グ41から流出させるための流出口41aとなる。
【0044】また、上部カバー43にはイオン発生装置
16を照明する発光ダイオード等から成るランプ49
(例えば、青色)が取付けられている。また、ケーシン
グ41の前面には視認窓14に対向する位置に透明板4
6が取付けられている。このように構成してイオン発生
装置16の運転に連動させてランプ49を発光させる
と、視認窓14からイオン発生装置16の稼働状態を視
認できる。
【0045】さらに、送風機11のインペラ11bの周
囲はファンケース44で覆われている。ファンケース4
4の上部には乾操空気を室内に吐出する開口部44bが
形成されている。開口部44bには異物侵入を防止する
金網等から成る防護板45が設けられている。
【0046】また、ファンケース44には、ファンケー
ス44の開口部44b側の端部から略水平方向に延設さ
れたバイパス通路下部44aが形成されている。バイパ
ス通路下部44aの上方には、イオン発生装置16の流
出口41aとイオン発生装置16へのバイパス通路48
とを隔離するための仕切り部42が設けられている。開
口部44bから吐出される乾燥空気が流出口41aから
流出する空気の流れを妨げないようにするための仕切り
部42が設けられている。このとき、仕切り部42の端
部に可動する風量調整板(図示せず)を設けるとバイパ
ス通路48に流入する乾燥空気の量を調整できる。
【0047】流入口41bからケーシング41内に流入
した空気は、透明板46と仕切板41hの間に形成され
た開口部41cを経てイオン発生装置16に導かれる。
このときイオン発生装置16に電圧が印加されていた場
合は、プラスイオンとマイナスイオンとがその周波数に
応じて交互に発生しており、両イオンが通過する空気に
混入される。イオン発生装置16を通過した空気は流出
口41aから流出する。
【0048】仕切り部42には、段部42aが形成され
ており、段部42aの上面には、流出口41bから流出
する空気をスムーズに流通させるための仕切リブ42b
が形成されている。この仕切りリブ42bは段部42a
の上面に配置する場合に限られず、吹出口に導かれる乾
燥空気の流れに応じて適宜設計されるものである。
【0049】流出口41aから流出した空気は排気部1
2に導かれる。そして、排気部12内で、イオン発生装
置16を通過しない空気と合流した空気が風向可変装置
17によって風向が定められ室内の所定の方向へ送出さ
れる。
【0050】風向可変装置17は、例えば図6に示すよ
うに、使用者の所望する風の向のうち上下方向の風向を
変化させるための第1、第2縦風向板30、31と、除
湿機の正面から見て左右方向へ風向を変化させるための
複数枚の横風向板33とを有している。
【0051】第1縦風向板30は排気部12の上部の外
形に沿って湾曲し、筐体に対して水平軸に枢支されて、
第1縦風向板30に略平行に取付けられた第2縦風向板
31とともに図示しないステッピングモータ等の回動手
段により回動して前後方向の風向を可変する。横風向板
33は第1、第2縦風向板30、31に回動自在に枢支
され、回動により左右方向の風向を可変する。
【0052】また、横風向板33には第2縦風向板31
と対向する面の一部を切欠いた切欠き部33gが設けら
れ、切欠き部33gに断面円形のボス33dが突設され
ている。2枚の横風向板33の各ボス部33dは連結板
35に設けられた孔部(不図示)に遊嵌されている。こ
れにより、2枚の横風向板33が連結板35により連結
され、連動して回動するようになっている。横風向板3
3の例としては、この2枚の横風向板33を一組とし、
左右方向に2組配設するものがある。
【0053】使用者が操作パネル13に配置されたスイ
ングボタン27(図4参照)を操作すると、前述の図示
しない回動手段が駆動され、第1、第2縦風向板30、
31が回動する。除湿機1を使用しない時には図6に示
すように第1縦風向板30により吹出口4が閉じられた
状態になる。これにより、吹出口4からの塵挨等の侵入
が防止されるようになっている。
【0054】第1、第2縦風向板30、31を約100
°回動すると図9に示すようになる。この時、吹出口4
が開放され、横風向板33の突出部33cを手指で可動
することにより横風向板33の向きを可変できる。
【0055】上記構成の除湿機1の動作の一例を以下に
説明する。除湿機1の電源を入れると、空清ボタン2
1、除湿ボタン22、衣類乾焼ボタン23のいずれかが
押下されるまで待機する。ここで、除湿ボタン22が押
下されると、圧縮機5が通常の出力で駆動され、送風機
11が風量「中」で駆動される。また、風向可変装置1
7のステッピングモータが駆動され、風向が「上方」に
設定される。風量切替ボタン25を押下することによ
り、風量を切り替えることができる。
【0056】また、前述したように、風向切換装置17
はスイングボタン27(図4参照)を押下することによ
り順に「切」、「広角」、「上方」、「後方」に切り換
わる。例えば「広角」にすると、第1、第2縦風向板3
0、31が前述の図5に示す略水平な状態と図9に示す
略垂直な状態との間の約100°の揺動角度で揺動す
る。「切」にすると、揺動中の第1、第2縦風向板3
0、31を任意の位置で停止することができる。また、
除湿器1の運転を停止すると、図6に示すように吹出口
4が閉じられるようになっている。
【0057】除湿運転の運転モードは当初「自動除湿」
に設定されており、室温28℃よりも低い場合は湿度が
60%以下になると圧縮機5が停止し、室温28℃以上
の場合は湿度が55%以下になると圧縮機5が停止する
ようになっている。
【0058】運転モードを「連続除湿」に切り替える
と、圧縮機5が連続で運転される。圧縮機5の駆動によ
り冷凍サイクルが運転され、送風機11が駆動される
と、吸込口15から室内の空気が除湿機1内に取り入れ
られる。水分を含んだ室内の空気は低温側の蒸発器8に
より冷却され、水分が凝縮して乾燥空気となる。その
後、高温側の凝縮器9により元の温度に昇温されてファ
ンケース44の開口部44bから送出される。
【0059】一部の乾燥空気はファンケース44からバ
イパス通路48を通り、流入口41bを介してイオン発
生装置16に導かれる。イオン発生装置16を通る乾燥
空気はイオン発生装置16により発生したイオンを運ん
で吹出口4から室内に送出される。
【0060】これにより、イオン発生装置16に導かれ
た一部の乾燥空気によってイオンが運ばれ、流出口41
aを介してケーシング41から流出する。そして、ファ
ンケース44の開口部44bから送出される残りの乾燥
空気と合流して、吹出口4または吹出口18から室内に
プラスイオンとマイナスイオンが放出される。このよう
に、上記した実験結果と同様の効果が得られ、室内の空
気を除湿するとともに、人体に有害な室内の浮遊細菌を
過酸化水素や水酸基ラジカルにより死滅させ、快適な住
環境を得ることができる。
【0061】ところが、イオン発生装置16から発生す
るプラスイオンとマイナスイオンの吹出通路を構成する
排気部12、仕切り部42及び上部カバー43、及び/
又は吹出通路中に設けられ吹出し方向を可変する風向可
変装置17を、帯電防止剤を添加していないABS樹
脂、PS樹脂又はAS樹脂を使用すると下記問題点があ
る。
【0062】即ち、ABS樹脂、PS樹脂又はAS樹脂
等の成形材料は、成形加工性、物理的・機械的性質に優
れており、しかも比較的安価なことから電気機器などに
幅広く使用されているが、材料の表面固有抵抗値が10
15Ω以上と大きくいことから帯電しやすく、帯電した極
と相対する極のイオンが材料に引きつけられ、それによ
って室内に送出されるイオンのバランスが崩れるという
問題がおきる。
【0063】かかる問題が起きた場合は、送出されるプ
ラスイオン及びマイナスイオンの内少ない側のイオンに
見合った殺菌能力しか発揮し得ず、殺菌能力が減退する
ことになる。
【0064】このような場合は、その吸着量を見込んで
設計すれば良いようにも思われるが、帯電する電気の種
類(プラスまたはマイナス)や量は、使用条件、機器の
構成等によって異なり一定ではないため、設計当初から
イオンの吸着量を見込んでイオン発生装置への印加電圧
を調整する等して両イオンを生成し、両イオンのバラン
スを保つことは困難である。
【0065】そこで、本発明においては、イオン発生装
置から発生したイオンが通過する経路を構成する経路構
成部材及び又は前記イオン発生装置から発生したイオン
が通過する経路中に配置される部材に帯電防止手段を施
して、イオンが各部材に吸着されるのを防止しようとい
うのである。
【0066】帯電防止手段を施した部材は帯電し難くな
り、一方のイオンが吸着されて両イオンのバランスが崩
れることを防ぐことができ、それによって両イオンの良
好なバランスを保て、浮遊細菌の殺菌効果を減殺するこ
とがないのである。
【0067】なお、最も良好なバランスとはプラスイオ
ン量とマイナスイオン量が同量のときである。
【0068】以下の表1には、イオンが通過する経路内
に風向可変装置等の部材を配置する構成の場合におい
て、各条件を変化させた場合のプラスイオン量とマイナ
スイオン量の発生比率(バランス)を測定した結果を示
す。各条件には、条件1としてイオンが通過する経路を
構成する経路構成部材及びイオンが通過する経路内に配
置される部材の双方に帯電防止手段を施さない場合、条
件2としてイオンが通過する経路を構成する経路構成部
材にのみ帯電防止手段を施した場合、条件3としてイオ
ンが通過する経路内に配置される部材にのみ帯電防止手
段を施した場合、条件4としてイオンが通過する経路を
構成する経路構成部材及びイオンが通過する経路内に配
置される部材の双方に帯電防止手段を施した場合の測定
結果である。
【0069】なお、この測定のための試験機としては上
述した除湿機1を用い、イオンが通過する経路を構成す
る経路構成部材として排気部12を用い、イオンが通過
する経路内に配置される部材として第1縦風向板30及
び第2縦風向板31を用いたものである。
【0070】更に、帯電防止手段としては、ABS樹脂
に対して帯電防止剤(例えば、大日精化工業株式会社の
商品名エレコン)を重量比1.4%添加したものであ
る。また、本測定における測定位置は当該電気機器に設
けられる吹出口からイオンを含んだ空気が吹出される方
向に約10cmの位置にイオンカウンター(例えば、ダ
ン科学社製83‐1001B)を配置して測定するもの
である。
【0071】
【表1】
【0072】上記の表1に示す通り、条件1に比べて、
条件2、条件3、条件4の順でプラスイオン量とマイナ
スイオン量のバランスが好適なバランスに近づき、条件
4においては最適なバランスにできることが分かる。
【0073】また、条件2及び条件3の場合でも両イオ
ンのバランスを好適に保つ効果があることから、前記イ
オン発生装置から発生したイオンが通過する経路を構成
する経路構成部材又は前記イオン発生装置から発生した
イオンが通過する経路中に配置される部材の何れか一方
に帯電防止手段を施した場合でも効果を奏することがわ
かり、更には、条件4が最も両イオンのバランスを好適
に保つ効果があることから、前記イオン発生装置から発
生したイオンが通過する経路を構成する経路構成部材及
び前記イオン発生装置から発生したイオンが通過する経
路中に配置される部材の双方に帯電防止手段を施した場
合が最も効果的に両イオンのバランスを保つ効果がある
ことがわかる。
【0074】さらに、上記した帯電防止剤の添加量につ
いては、その添加量ごとのプラスイオン量とマイナスイ
オン量の比率を測定し決定したものである。この添加量
の変化をパラメータとした場合の両イオンの比率を求め
た測定試験の結果を下記の表2に示す。なお、試験条件
は上記の条件4を使用している。
【0075】
【表2】
【0076】上記の表2に示すように、帯電防止剤(エ
レコン)の添加量が重量比で1.4%以上の場合は良好
にプラスイオン量とマイナスイオン量のバランスを保つ
効果を奏することがわかる。
【0077】ここで、帯電防止剤は上記の例に限られな
いものであるため、一般的に測定可能な指標として表面
固有抵抗を用いて説明する。上記の帯電防止剤(エレコ
ン)の添加量を重量比1.4%とした場合の材料の表面
固有抵抗値は、図10から求めることができる。図10
は、エレコンをABS樹脂に混入した場合の、エレコン
の重量比と表面固有抵抗値の関係を示すグラフである。
図10によると、帯電防止剤(エレコン)の重量比が
1.4%のときの表面固有抵抗値は約4×109Ωであ
ることがわかる。
【0078】以上の試験結果から、イオンが通過する経
路を構成する経路構成部材及び/又はイオンが通過する
経路内に配置される部材に帯電防止手段を施すことによ
って、イオン発生装置を備えた電気機器から送出される
プラスイオン及びマイナスイオンのバランスを保つ効果
があり、更に、イオンが通過する経路を構成する経路構
成部材及び/又はイオンが通過する経路内に配置される
部材を構成する材料を、4×109Ω以下の表面固有抵
抗を有する材料とすると、送出されるプラスイオン及び
マイナスイオンのバランスを好適に保てることがわか
る。
【0079】従って、イオンが通過する経路を構成する
経路構成部材及び又はイオンが通過する経路内に配置さ
れる部材を、例えばアルミニウム、ステンレスなどの導
電性の高い金属製のものであっても、ABS樹脂の樹脂
材料で成形し表面にニッケルメッキやクロムメッキなど
の金属メッキを施す構成としても、帯電を防止すること
ができることから同様の作用効果を奏することになる。
【0080】また、上記のようにABS樹脂、PS樹
脂、AS樹脂等の熱可塑性樹脂に帯電防止剤を添加する
構成は、金属製のものを使用する場合や樹脂材料の表面
に金属メッキを施す場合と比較して成形が容易であるこ
とから、安価で、カラフルで、また複雑な形状のものを
得ることができる。
【0081】なお、上記の試験結果には、イオンが通過
する経路を構成する経路構成部材および又はイオンが通
過する経路内に配置される部材の材料を変更して、帯電
防止を行う例について試験結果を示したが、帯電防止手
段の具体的方法は、上記のものに限られるものではな
い。例えば、イオンが通過する経路を構成する経路構成
部材および又はイオンが通過する経路内に配置される部
材に対して、部分的に帯電防止手段を施した場合であっ
ても、プラスイオンとマイナスイオンとのバランスを保
つ効果を奏すると考えられる。具体的には、材料全体を
変更せずイオンの通過経路と観念される個所のみを当該
材料で構成する場合、イオンの通過経路の一部のみに金
属などの部材を施して帯電を防止する場合等が該当す
る。
【0082】さらに、上記の試験結果は除湿機1を使用
して測定したものであるが、空気調和機、除湿機、加湿
器、空気清浄機、冷蔵庫、ファンヒーター、電子レン
ジ、洗濯乾燥機、掃除機、殺菌装置等があり主に、家屋
の室内、ビル内の一室、病院の病室若しくは手術室、車
内、飛行機内、船内、倉庫内、冷蔵庫の庫内等の有限な
空間内で使用される電気機器に上記したイオン発生装置
を併設する場合でも、本発明のように構成することによ
って、同様の作用効果を得ることができるのは当然であ
る。
【0083】なお、プラスイオン及びマイナスイオンに
は寿命があり、約3秒から5秒程度で消滅する。従っ
て、所定の空間を殺菌する場合には、その空間の大き
さ、形状等を勘案して、当該イオンを送出する風速、風
量等を適宜決定することが望まれる。
【0084】また、電気機器が除湿機能を備えている場
合は、除湿後の空気をイオン発生装置に供給するように
形成することがより好適である。他の試験結果によると
イオン発生装置で発生されるイオン発生量は湿度の影響
を受けることが分かっており、乾燥した空気をイオン発
生装置に供給することが望ましい。しかしながら、乾燥
した空気は静電気が発生しやすいという問題があるため
プラスイオンとマイナスイオンの送出バランスを崩す一
因となる。
【0085】そこで、本発明のように、除湿後の空気を
イオン発生装置に供給する構成とし、更に、イオンが通
過する経路を構成する経路構成部材および又はイオンが
通過する経路内に配置される部材に帯電防止手段を施す
よう構成すると、イオン発生装置におけるイオンの発生
量が減少することがないとともに、プラスイオン及びマ
イナスイオンのバランスも良好に保つことができ、最適
な両イオンの送出環境を提供することができるという特
別な効果を奏するのである。
【0086】
【発明の効果】上述のように、電極に交流電圧を印加す
ることによりプラスイオンとマイナスイオンとを発生さ
せるイオン発生装置を備えた電気機器において、前記イ
オン発生装置から発生したイオンが通過する経路を構成
する経路構成部材及び/又は前記イオン発生装置から発
生したイオンが通過する経路中に配置される部材に、帯
電防止手段を施したので、一方のイオンが吸引されるこ
とがなく、プラスイオン量とマイナスイオン量のバラン
スが崩れず、浮遊細菌の殺菌効果を好適に保つことがで
きる。
【0087】特に、電気機器に除湿機能を備え、除湿後
の空気をイオン発生装置に供給する構成とし、更に、イ
オンが通過する経路を構成する経路構成部材および又は
イオンが通過する経路内に配置される部材に帯電防止手
段を施すよう構成すると、イオン発生装置におけるイオ
ンの発生量が減少することがないとともに、プラスイオ
ン及びマイナスイオンのバランスも良好に保つことがで
き最適な両イオンの送出環境を提供することができるの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の電気機器に用いられるイ
オン発生装置を示す断面図である。
【図2】 本発明の実施形態の除湿機の前面を示す正面
斜視図である。
【図3】 本発明の実施形態の除湿機の背面を示す背面
斜視図である。
【図4】 本発明の実施形態の除湿機の操作パネルを示
す図である。
【図5】 本発明の実施形態の除湿機の内部構造を示す
側面図である。
【図6】 本発明の実施の形態の除湿機の上部の概略構
造を示す側面断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態の除湿機の上部の概略構
造を示す背面断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態の除湿機の上部の概略構
造を示す上面断面図である。
【図9】 本発明の実施形態の除湿機の上部を示す側面
断面図である。
【図10】 帯電防止剤(エレコン)をABS樹脂に混
入した場合の重量比と表面固有抵抗値の関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
16 除湿機 50 誘電体 51 内電極(第1電極) 52 外電極(第2電極) 53、54 絶縁パッキン 53a、54a 溝部 53c 挿通孔 53d、 54d 溝部 55、56 リード線 57 バンド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 世古口 美徳 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 守川 守 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 3L028 FB05 3L086 AA01 BA05 BA10 DA14 DA30 4C058 AA12 AA19 BB02 CC02 EE26 EE30 4C080 AA09 BB05 QQ11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極に交流電圧を印加することによりプ
    ラスイオンとマイナスイオンとを発生させるイオン発生
    装置を備えた電気機器において、 前記イオン発生装置から発生したイオンが通過する経路
    を構成する経路構成部材又は前記イオン発生装置から発
    生したイオンが通過する経路中に配置される部材に、帯
    電防止手段を施したことを特徴とする電気機器。
  2. 【請求項2】 電極に交流電圧を印加することによりプ
    ラスイオンとマイナスイオンとを発生させ、プラスイオ
    ンとマイナスイオンが細菌の表面で化学反応したときに
    発生する活性種の作用により該細菌を殺菌するイオン発
    生装置を備えた電気機器において、 前記イオン発生装置から発生したイオンが通過する経路
    を構成する経路構成部材又は前記イオン発生装置から発
    生したイオンが通過する経路中に配置される部材に、帯
    電防止手段を施したことを特徴とする電気機器。
  3. 【請求項3】 電極に交流電圧を印加することによりプ
    ラスイオンとマイナスイオンとを発生させるイオン発生
    装置を備えた電気機器において、 前記イオン発生装置から発生したイオンが通過する経路
    を構成する経路構成部材及び前記イオン発生装置から発
    生したイオンが通過する経路中に配置される部材に、帯
    電防止手段を施したことを特徴とする電気機器。
  4. 【請求項4】 電極に交流電圧を印加することによりプ
    ラスイオンとマイナスイオンとを発生させ、プラスイオ
    ンとマイナスイオンが細菌の表面で化学反応したときに
    発生する活性種の作用により該細菌を殺菌するイオン発
    生装置を備えた電気機器において、 前記イオン発生装置から発生したイオンが通過する経路
    を構成する経路構成部材及び前記イオン発生装置から発
    生したイオンが通過する経路中に配置される部材に、帯
    電防止手段を施したことを特徴とする電気機器。
  5. 【請求項5】 前記帯電防止手段は、前記イオン発生装
    置から発生したイオンが通過する経路を構成する経路構
    成部材又は前記イオン発生装置から発生したイオンが通
    過する経路中に配置される部材を形成する材料を、表面
    固有抵抗値が4×109Ω以下の材料からなることを特
    徴とした請求項1から請求項4の何れか一項に記載の電
    気機器。
  6. 【請求項6】 前記帯電防止手段は、前記イオン発生装
    置から発生したイオンが通過する経路を構成する経路構
    成部材又は前記イオン発生装置から発生したイオンが通
    過する経路中に配置される部材を形成する材料を、金属
    材料、樹脂材料の表面に金属メッキを施した材料又は帯
    電防止剤を添加した樹脂材料の何れかの材料とすること
    を特徴とする請求項1から請求項4の何れか一項に記載
    の電気機器。
  7. 【請求項7】 前記電気機器は除湿機能を備え、除湿後
    の空気をイオン発生装置に供給することを特徴とする請
    求項1から請求項6に記載の電気機器。
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