JP2003007426A - イオン送り装置及び空間殺菌装置 - Google Patents
イオン送り装置及び空間殺菌装置Info
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Abstract
て大量に供給できるイオン送り装置を提供する 【解決手段】 吸込口2aと吹出口2bとを有するケー
シング2の内部には、針状の第3電極7とメッシュ状の
第4電極8が配設されている。第4電極8は、イオン発
生装置101側に配設されている。ケーシング2の外部
に配された直流電極9は、第3電極7を電圧印加用電極
とし、第4電極8を接地用電極として接続されている。
この構成で、第3電極7に負の直流電圧を印加すると、
第3,第4電極間7,8に起こした電界によってイオン
風が生じる。この風は、イオン発生装置101の動作に
よって空間に生成した正・負のイオンを吹出口2bから
ケーシング2の外部へ送る。
Description
たイオンを空間に送るイオン送り装置及びその構成を有
した空気清浄機等の空間殺菌装置に関するものである。
有害な空気中の浮遊細菌を取り除き、健康で快適な生活
を送りたいという要望が強くなっている。この要望に応
えるため、各種のフィルタを備えた空気清浄機が開発さ
れている。
うな空気清浄機は、空間内の空気をファンにより吸引し
てフィルタにより汚染物質を吸着又は分解する方式であ
るため、長期にわたる使用によって寿命のあるフィルタ
の交換等のメンテナンスが不可欠であり、しかも、フィ
ルタの特性が充分でないため、必ずしも満足のいく性能
が得られていない。
気中のイオン濃度を増加させる空気清浄機も開発されて
いるが、現在、市販されているものは、負イオンのみを
発生させるものであったため、負イオンによる人間をリ
ラックスさせる作用はある程度期待できるものの、空気
中の浮遊細菌の積極的な除去についてはほとんど効果が
認められていない。
以前、誘電体を挟んで対向する電極間に高周波の交流電
圧を印加することにより、誘電体の表面で放電等の電離
現象が起こり、正イオン及び負イオンが同時に発生する
イオン発生装置を開発した。正イオンとしてはH+(H2
O)n、負イオンとしてはO2 -(H2O)nが最も安定に
生成する。
単独では、空気中の浮遊細菌に対し、格別な効果はな
い。しかし、これらのイオンが同時に生成すると、化学
反応を起こして活性種である過酸化水素(H2O2)又は
水酸化ラジカル(・OH)が生成する。このH2O2又は
・OHは極めて強力な活性を示すため、これらが空間内
に放出されると空気中の浮遊細菌が分解・除去される。
は誘電体の極近傍に集中して停滞するため、大部分がク
ーロン的な相互作用により再結合し、せっかく発生した
イオンの濃度が減少してしまう。そのため、所望の滅菌
性能が得られないという不具合があった。
たものであり、発生させた正イオン及び負イオンを安定
して大量に供給できるイオン送り装置を提供することを
目的とする。また本発明の他の目的は、そのようなイオ
ン送り装置の構成を有した空間殺菌装置を提供すること
にある。
め、本発明のイオン送り装置は、正イオンと負イオンと
を発生させるイオン発生装置と、空間に正又は負の電界
を起こす電界印加手段とを備え、該電界印加手段により
空間に電界を起こすことによって発生する風により、前
記正イオン及び負イオンを送ることを特徴とする。
圧印加用電極、他方を接地用電極とした一対の電極から
なり、前記接地用電極を前記イオン発生装置側に配置し
てなるものである。これによると、接地用電極をイオン
発生装置の近くに配しているため、電界印加手段により
発生させた電解ががイオン発生装置のイオンの発生状態
に悪い影響を与えることがなく、安定して正イオンと負
イオンを発生させることができるとともに、送風時に送
風機のような騒音が発生せず、好適である。
9〜24メッシュの範囲の網状電極を好適に使用でき
る。この構成によると、空気抵抗は大きくないが、均一
に電解を発生させることができることから、良好な送風
状態を得ることができる。
圧を、負の直流電圧とすれば、空間に負の電界が起こ
り、電圧印加用電極から空気分子に電子が移動して負イ
オンが生成する。この負イオンは接地用電極側に加速さ
れながら移動するため、風が起こる。この風によって正
・負のイオンが送られる。
なくとも吸込口と吹出口とを有するケーシングを有し、
正イオンと負イオンとを発生するイオン発生装置と、一
方を電圧印加用電極、他方を接地用電極とした一対の電
極からなり前記接地用電極を前記イオン発生装置側に配
置した電界印加手段とを、前記吸込口と前記吹出口とを
連通する前記ケーシング内部の空間に備え、前記電界印
加手段により前記電圧印加用電極と前記接地用電極との
間に電界を起こすことによって発生する風により、前記
正イオン及び負イオンを送ることを特徴とする。
ン発生装置により発生させるイオンの極性と逆の極性の
電界を印加されるようにすると、イオン発生装置の動作
によって空間に生成した負イオン又は正イオンは、電界
印加手段が起こす電界によって起こる風に運ばれ、正・
負のイオンが混合された状態で送られることになる。
体を挟んで対向する第1,第2電極と、前記第2電極と
所定の距離を有して隔離され対向する第3電極と、を有
し前記第2電極は接地用電極とし、前記第1電極に接続
され前記第1電極に交流電圧を印加する第1の交流電圧
印加手段と、前記第3電極に接続され前記第3電極に交
流電圧を印加する第2の交流電圧印加手段と、を備え、
前記第1の交流電圧印加手段が前記第1電極に印加する
交流電圧と、前記第2の交流電圧印加手段が前記第3電
極に印加する交流電圧との位相を逆位相とする構成を有
することを特徴とする。
印加されると、絶縁体の表面で放電が起こり、電子の移
動を伴って正・負のイオンが空間に生成する。このと
き、第3電極に印加される交流電圧の位相は、第1の交
流電圧の位相と逆位相であるので、第3電極は生成した
正・負のイオンとは逆の極性となる。従って、第3電極
側に正・負のイオンが加速されながら移動し、送られ
る。
なくとも吸込口と吹出口とを有するケーシングを有し、
絶縁体を挟んで対向する第1,第2電極と、前記第2電
極と所定の距離を有して隔離され対向する第3電極と、
前記第1電極を電圧印加用電極とし前記第2電極を接地
用電極として接続され、前記第1電極に第1の交流電圧
を印加する第1の交流電圧印加手段と、接地電位に接続
されるとともに、前記第3電極を電圧印加用電極として
接続され、前記第3電極に第2の交流電圧を印加する第
2の交流電圧印加手段とを前記ケーシングの内部であっ
て前記吸込口と前記吹出口とを連通する前記ケーシング
内部の空間に備え、前記第1の交流電圧と、前記第2の
交流電圧との位相を逆位相として印加することにより、
前記吹出口から正イオン及び負イオンを送出する機構を
有することを特徴とする。
電圧が印加されると、絶縁体の表面で放電が起こり、電
子の移動を伴って正・負のイオンが空間に生成する。こ
のとき、第3電極に印加される第2の交流電圧の位相
は、第1の交流電圧の位相と逆位相であるので、第3電
極は生成した正・負のイオンとは逆の極性となる。従っ
て、第3電極側に正・負のイオンが加速されながら移動
し、吹出口からケーシングの外部へ送られる。
が印加される第1電極と、前記第1電極と対向する接地
電極である第2電極とからなる第1のイオン送り装置
と、前記第1電極に印加された電圧とは逆の極性の電圧
が印加される第3電極と、前記第3電極と対向する接地
用電極である第4電極とからなる第2のイオン送り装置
とを有し、前記第1のイオン送り装置から送られるイオ
ンと、前記第2のイオン送り装置とから送られるイオン
とを混合して送出する構成を有することを特徴とする。
くとも吸込口と吹出口を有するケーシングと、正の直流
電圧が印加される第1電極と、前記第1電極と対向して
設けられる接地用電極である第2電極とからなる第1の
イオン送り装置と、前記第1のイオン送り装置とは絶縁
され、かつ、負の直流電圧が印加される第3電極と、前
記第3電極と対向して設けられる接地用電極である第4
電極からなる第2のイオン送り装置とを、前記ケーシン
グの内部であって前記吸込口と前記吹出口とを連通する
空間に配置する構成を有することを特徴とする。
送られる正イオンと、第2のイオン送り装置から送られ
る負イオンとが混合され、吹出口からケーシングの外部
へ送られる。
の少なくとも一方の電極に印加する電圧を調整可能な構
成とすることにより、送られてくる正・負のイオンの比
率が種々に可変される。従って、正イオン又は負イオン
の一方を多量に得たい場合に、相互の切り替えが容易に
行える。
菌装置によると、正イオンと負イオンとが細菌の表面で
結合するときに発生する活性種の作用により空間中の細
菌が殺菌除去される。
の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、
本実施形態に係るイオン送り装置1の概略的な側面断面
図である。図2は、そのイオン送り装置1におけるイオ
ン発生装置101の一部を破砕して示す斜視図である。
図1において、2は少なくとも吸込口2aと吹出口2b
とを有するイオン送り装置1のケーシングであり、例え
ば、両端が吸込口2aと吹出口2bとして開放された直
方体状に形成されている。3はケーシング2内の吹出口
2b側に設けられ、後述する第1,第2電極4,5間を
隔離させるための誘電体であり、例えば、内径10m
m、厚さ1.3mm、長さ150mmの円筒型パイレッ
クス(R)製ガラス管を好適に使用できる。
第1電極4が誘電体3の内周面と密接するように配設さ
れており、本実施形態ではその一例として、厚さ0.8
mm、長さ80mmのステンレスSUS304製の円筒
形電極を用いている。誘電体3の外側には、第2電極5
が誘電体3の外周面と密接するように配設されており、
本実施形態ではその一例として、線径0.40mm、目
開き数40メッシュ、長さ80mmの網状の円筒形電極
を用いている。これにより、一対の第1,第2電極4,
5は、図示の如く、誘電体3を挟んで対向している。
は、第1電極4を電圧印加用電極とし、第2電極5を接
地用電極として接続されており、第2電極5を接地電位
として第1,第2電極4,5間に交流電源6から実効値
0.44〜2.0kVの交流電圧が印加されるようにな
っている。そして、このような誘電体3、第1,第2電
極4,5及び交流電源6から本実施形態で言うイオン発
生装置101が構成されている。
01よりも吸込口2a側には、空間に正又は負の電界を
起こす電界印加手段としての一対の第3,第4電極7,
8が配設されている。第3電極7としては、例えば、直
径1mm、長さ20mm、先端曲率0.1mm以下の針
状に形成された6本の針状部7aが20mmの間隔で一
列に突設されたステンレスSUS304製の板状部7b
を有した針状電極を使用できる。尚、第3電極7は針状
である必要はなく、線形やメッシュ状としてもよい。但
し、有効に気流を発生するために必要な印加電圧は、針
状、線形、メッシュ状の順に増大するため、省エネルギ
ーの観点から針状の電極を使用するのが理想的である。
0.8mm、目開き数9〜24メッシュ、大きさ30m
m×150mmのステンレスSUS304製の網状電極
を好適に使用でき、本実施形態では、第1電極7の針状
部7aの先端から10mmの距離を有して第1電極7と
対向するようにケーシング2の内壁に装着されている。
ここで、目開き数9〜24メッシュの範囲とした理由
は、9メッシュより小さいと、目が粗すぎて放電の精度
にバラツキが生じやすく、また、24メッシュより大き
いと、圧力損失が大きくなって送風に支障を来すからで
ある。
一箇所で固定できればよく、ケーシング2の内部空間の
断面全部をカバーしていなくてもよいが、ケーシング2
を吸込口2a側から見たとき、少なくとも第3電極7と
重なって対向している必要がある。また、本実施形態で
は第4電極8をイオン発生装置101側に設けている。
そのため、第2電極5と第4電極8はともに接地電位に
ある。従って、隣接する第2,第4電極5,8間に電位
差が存在せず、電界も生じないので、第3,第4電極
7,8間で電界を起こすことによって発生する風をスム
ーズにイオン発生装置101に送ることができるのであ
る。
9は、負極が第3電極7を電圧印加用電極とし、正極が
第4電極8を接地用電極として接続されており、第4電
極8を接地電位として第3,第4電極7,8間に直流電
源9から所定の直流電圧が印加されるようになってい
る。
装置1の動作の一例を説明する。交流電源6を用いて第
2電極5を接地電位として第1電極4に実効値1.5k
V、周波数20kHzの交流電圧を印加するとともに、
直流電源9を用いて第2気流発生電極8を接地電位とし
て第3電極7に−15kVの負の直流電圧を印加した。
する誘電体3の表面で放電が起こり、正イオン及び負イ
オンが生成するとともに、第3,第4電極7,8間に電
界が生じ、針状部7aの先端から空気分子に電子が移動
し、空気分子が負に帯電する。これにより、相対的に正
の電位にある第4電極8側へ帯電した空気分子が加速さ
れながら移動することになる。従って、ケーシング2内
で空気の流れが起こり、吸込口2aから吹出口2bへと
抜ける風が生ずる。この風に乗って、イオン発生装置1
01の動作によって空間に生成した正イオンと負イオン
が吹出口2bからケーシング2の外部へ送出される。
オン及び負イオンの濃度を、誘電体3から吹出口2b方
向に10cmだけ離れた位置に配した空気イオンカウン
タによって測定したところ、正イオン濃度は250,0
00個/cm3、負イオン濃度は500,000個/c
m3であり、第3電極7に電圧を印加しなかった場合
(正・負イオンともに25,000個/cm3 )に比べ
て一桁も上昇させることができた。
よると、空間に生成した正・負のイオンが中和して消滅
してしまう前に、風によってイオンを送ることができ
る。これにより、正・負のイオンは空気中の浮遊細菌の
表面に付着され、化学反応によって生成した活性種の作
用で細菌を効率よく殺菌除去できる。また、負イオンを
リッチな状態で送風できるので、人間の気分をリラック
スさせる効果も相乗効果として得られる。
態について図面を参照して説明する。図3は本実施形態
に係るイオン送り装置の概略的な側面断面図である。図
3において、21は少なくとも吸込口21aと吹出口2
1bとを有するイオン送り装置11のケーシングであ
り、例えば、一端が吹出口21bとして開放されるとと
もに、側面の周方向に複数の吸込口21bが設けられた
直方体状に形成されている。31はケーシング2内の吸
込口21aより下方に略水平に配設され、後述する第
1、第2電極41,51を隔離させるための誘電体であ
り、例えば、厚さ1.3mmの平板型パイレックス
(R)製ガラス板を好適に使用できる。
電体31の底面31aと部分的に接触するように配設さ
れており、本実施形態ではその一例として、直径1m
m、長さ20mm、先端曲率0.1mm以下の針状に形
成された5本の針状部41aが20mmの間隔で一列に
突設されたステンレスSUS304製の板状部41bを
有した針状電極を用いている。この第1電極41は、針
状部41aの先端でもって誘電体31の底面31aに接
するように板状部41bを介してケーシング21内の底
面に装着されている。尚、第1電極41は針状である必
要はなく、線形やメッシュ状としてもよい。但し、有効
にイオンを発生するために必要な印加電圧は、針状、線
形、メッシュ状の順に増大するため、省エネルギーの観
点から針状の電極を使用するのが理想的である。
電体31の上面31bと接触するように配設されてお
り、本実施形態ではその一例として、線径0.8mm、
目開き数9メッシュ、大きさ30mm×150mmのス
テンレスSUS304製の網状電極を用いている。この
第2電極51は誘電体31の上面31bに密着してい
る。これにより、一対の第1,第2電極41,51は、
図示の如く、誘電体31を挟んで対向している。
電源61aは、第1電極41を電圧印加用電極とし、第
2電極51を接地用電極として接続されており、第2電
極51を接地電位として第1,第2電極41,51間に
第1交流電源61aから所定の第1の交流電圧が印加さ
れるようになっている。そして、このような誘電体3
1、第1,第2電極41,51及び第1交流電源61a
から本実施形態で言うイオン発生装置111が構成され
ている。
り上方には、電界印加手段としての第3電極71が第2
電極51と所定の距離を有して配設されている。第3電
極71としては、例えば、線径0.8mm、目開き数9
メッシュ、大きさ30mm×150mmのステンレスS
US304製の網状電極を使用できる。従って、図示の
如く、第3電極71に対してイオン発生装置111側に
吸込口21aが存在し、イオン発生装置111と反対側
に吹出口21bが存在するという位置関係が成立してい
る。
電源61bは、接地電位に接続されるとともに、第3電
極71を電圧印加用電極として接続されており、第3電
極71に第2交流電源61bから前記第1の交流電圧と
逆位相の所定の第2の交流電圧が印加されるようになっ
ている。
装置11の動作の一例を説明する。第1交流電源61a
を用いて第2電極51を接地電位として第1電極41に
実効値1.5kV、周波数20kHzの第1の交流電圧
を印加するとともに、第3電極71に第1の交流電圧の
位相と逆位相の実効値1.5kV、周波数20kHzの
第2の交流電圧を印加した。
離間する誘電体31の表面で放電が起こり、第1電極4
1の極性が反転するごとに、正イオンと負イオンが交互
に生成するとともに、第2,第3電極51,71間に交
互に極性の変化する電界が生じる。このとき、第1の交
流電圧と第2の交流電圧は互いに逆位相なので、第3電
極71は、イオン発生装置111の動作によって空間に
生成したイオンが帯びている電荷とは反対の極性を有す
ることになる。そのため、正・負イオンともに加速され
ながら速やかに第3電極71側に移動する。これによ
り、ケーシング21内で吸込口21aから吹出口21b
へと抜けるイオンの流れが起こり、正イオンと負イオン
が吹出口21bからケーシング21の外部へ送出され
る。
イオン及び負イオンの濃度を、誘電体31の表面から吹
出口21b方向に10cmだけ離れた位置に配した空気
イオンカウンタによって測定したところ、正イオン濃度
は250,000個/cm3、負イオン濃度は500,
000個/cm3であり、第3電極7に電圧を印加しな
かった場合(正・負イオンともに25,000個/cm
3 )に比べて一桁も上昇させることができた。
によると、空間に生成した正・負のイオンが中和して消
滅してしまう前に、電界によってイオンを送ることがで
きる。これにより、正・負のイオンは空気中の浮遊細菌
の表面に付着し、化学反応によって生成した活性種の作
用で細菌を効率よく殺菌除去できる。また、負イオンを
リッチな状態で送風できるので、人間の気分をリラック
スさせる効果も相乗効果として得られる。
態について図面を参照して説明する。図4は本実施形態
に係るイオン送り装置の概略的な断面図である。図4に
おいて、22は少なくとも吸込口22aと吹出口22b
とを有するイオン送り装置12のケーシングであり、例
えば、両端が吸込口22aと吹出口22bとして開放さ
れた直方体状に形成されている。ケーシング22内部の
吸込口22aから吹出口22bに至る空間は、アクリル
等の樹脂から成る仕切板32によって第1空間22cと
第2空間22dとに仕切られている。
第1電極42が配設されている。本実施形態ではその一
例として、直径1mm、長さ20mm、先端曲率0.1
mm以下の針状に形成された3本の針状部42aが20
mmの間隔で一列に突設されたステンレスSUS304
製の板状部42bを有した針状電極を用いており、針状
部42aが吹出口22b側に向くようにケーシング22
内の側面に板状部42bを介して装着されている。尚、
第1電極42は針状である必要はなく、線形やメッシュ
状としてもよい。但し、有効にイオンを発生するために
必要な印加電圧は、針状、線形、メッシュ状の順に増大
するため、省エネルギーの観点から針状の電極を使用す
るのが理想的である。
第2電極52が配設されている。本実施形態ではその一
例として、線径0.8mm、目開き数9メッシュ、大き
さ30mm×150mmのステンレスSUS304製の
網状電極を用いており、第1電極42の針状部42aの
先端から10mmの間隔を有して第1電極42と対向す
るようにケーシング22の内壁に装着されている。
電源92aは、正極が第1電極42を電圧印加用電極と
し、負極が第2電極52を接地用電極として接続されて
おり、第2電極52を接地電位として第1,第2電極4
2,52間に第1直流電源92aから正の直流電圧が印
加されるようになっている。そして、このような第1,
第2電極42,52及び第1直流電源92aから本実施
形態で言う第1のイオン送り装置121が構成されてい
る。
には、第3電極72が配設されておいる。本実施形態で
はその一例として、直径1mm、長さ20mm、先端曲
率0.1mm以下の針状に形成された3本の針状部72
aが20mmの間隔で一列に突設されたステンレスSU
S304製の板状部72bを有した針状電極を用いてお
り、針状部72aが吹出口72b側に向くようにケーシ
ング22内の側面に板状部72bを介して装着されてい
る。尚、第3電極72は針状である必要はなく、線形や
メッシュ状としてもよい。但し、有効にイオンを発生す
るために必要な印加電圧は、針状、線形、メッシュ状の
順に増大するため、省エネルギーの観点から針状の電極
を使用するのが理想的である。
第4電極82が配設されている。本実施形態ではその一
例として、線径0.8mm、目開き数9メッシュ、大き
さ30mm×150mmのステンレスSUS304製の
網状電極を用いており、第3電極72の針状部42aの
先端から10mmの間隔を有して第1電極72と対向す
るようにケーシング22の内壁に装着されている。
電源92bは、負極が第3電極72を電圧印加用電極と
し、正極が第4電極82を接地用電極として接続されて
おり、第4電極82を接地電位として第3,第4電極7
2,82間に第1直流電源92aから負の直流電圧が印
加されるようになっている。そして、このような第3,
第4電極72,82及び第2直流電源92bから本実施
形態で言う第2のイオン送り装置122が構成されてい
る。
装置12の動作の一例を説明する。まず、第1直流電源
92aを用いて第2電極52を接地電位として第1電極
42に+15kVの正の直流電圧を印加するとともに、
第2直流電源92bを用いて第4電極82を接地電位と
して第3電極72に−15kVの負の直流電圧を印加し
た。
2c内の空気分子に正電荷が移動して正イオンが生成
し、第3電極72から第2空間22d内の空気分子に負
電荷が移動して負イオンが生成するとともに、第1,第
2電極42,52間に正から負への電界が生じ、第3,
第4電極72,82間に負から正への電界が生じる。こ
のとき、第2電極52と第4電極82は、第1のイオン
送り装置121,第2のイオン送り装置122の動作に
よって空間に生成したと正又は負イオンの電荷とは反対
の極性を有することになる。そのため、第1空間22c
内で正イオンが加速されなら速やかに第2電極52側に
移動するとともに、第2空間22d内で負イオンが加速
されながら速やかに第4電極72側に移動する。これに
より、ケーシング22内の第1空間22c及び第2空間
22dで吸込口22aから吹出口22bへと抜けるイオ
ンの流れが起こり、正イオンと負イオンが混合されて吹
出口22bからケーシング22の外部へ送出される。
イオン及び負イオンの濃度を、誘電体31から吹出口2
1b方向に10cmだけ離れた位置に配した空気イオン
カウンタによって測定したところ、正イオン濃度は30
0,000個/cm3、負イオン濃度は300,000
個/cm3であった。
極52を接地電位として第1電極42に+10kVの正
の直流電圧を印加するとともに、第2直流電源92bを
用いて第4電極82を接地電位として第3電極72に−
15kVの負の直流電圧を印加した。
イオン及び負イオンの濃度を、誘電体31から吹出口2
1b方向に10cmだけ離れた位置に配した空気イオン
カウンタによって測定したところ、正イオン濃度は20
0,000個/cm3、負イオン濃度は300,000
個/cm3であった。
によると、空間に生成した正・負のイオンが中和して消
滅してしまう前に、電界によってイオンを送ることがで
きる。これにより、正・負のイオンは空気中の浮遊細菌
の表面に付着され、化学反応によって生成した活性種の
作用で細菌を効率よく殺菌除去できる。また、第1電極
42又は第3電極72の少なくとも一方の電極に印加す
る電圧を調整することにより、送られる正・負イオンの
比率を様々に可変することができる。
態について図面を参照して説明する。図5は本実施形態
に係る空気清浄機の概略的な側面断面図である。この空
気清浄機には、上記第1の実施形態によるイオン送り装
置(図1参照)の構成が備えられている。尚、図5にお
いて図1に示すイオン送り装置と共通の部材には同一の
符号を附し、その詳細な説明を省略する。
シング14の下方には、スリット状の空気の吸込口14
aが開口形成されている。また、ケーシング14の天板
にも同じくスリット状の空気の吹出口14bが開口形成
されている。15は吸込口14aにケーシング14の内
部から装着された除塵フィルタである。16は第4電極
8とイオン発生装置との間の空気の流通路に装着された
脱臭フィルタである。
13の動作の一例について説明する。交流電源6を用い
て第2電極5を接地電位として第1電極4に実効値1.
5kV、周波数20kHzの交流電圧を印加するととも
に、直流電源9を用いて第4電極8を接地電位として第
3電極7に−15kVの直流電圧を印加した。
する誘電体3の表面で放電が起こり、正イオン及び負イ
オンが生成するとともに、第3,第4電極7,8間に電
界が生じ、針状部7aの先端から空気分子に電子が移動
し、空気分子が負に帯電する。これにより、相対的に正
の電位にある第4電極8側へ帯電した空気分子が加速さ
れながら移動することになる。従って、ケーシング14
内で空気の流れが起こり、吸込口14aから吹出口14
bへと抜ける風が生ずる。この風に乗って、イオン発生
装置の動作によって空間に生成した正イオンと負イオン
が吹出口14bからケーシング14の外部へ送出され
る。
イオン及び負イオンの濃度を、吹出口14bから10c
mだけ離れた位置に配した空気イオンカウンタによって
測定したところ、正イオン濃度は150,000個/c
m3、負イオン濃度は150,000個/cm3であっ
た。
を評価するため、空気清浄機13を縦2m×横2.5m
×高さ2.7mの対象区域に設置し、大腸菌をミスト状
に散布し、空気清浄機13の運転を開始して、時間の経
過とともに対象区域内の大腸菌数の変化をBiotest Hyto
n RCSエアサンプラーで追跡したところ、約1時間の運
転で菌数は51%減少した。従って、本発明に係るイオ
ン送り装置を搭載した空気清浄機13の運転によって、
空気中の浮遊細菌を適度に殺菌除去できる。
態について図面を参照して説明する。図6は本実施形態
に係る空気調和機の概略的な側面断面図である。この空
気清浄機には、上記第1の実施形態によるイオン送り装
置1(図1参照)の構成が備えられている。尚、図6に
おいて図1に示すイオン送り装置と共通の部材には同一
の符号を附し、その詳細な説明を省略する。
シング24の前面及び天面には、スリット状の空気の吸
込口24aが開口形成されている。また、ケーシング2
4の吸込口24aの下方には風向き調整用のルーバ25
を有した空気の吹出口24bが形成されている。26は
吸込口24aにケーシング24の内部から装着された除
塵フィルタである。27は熱交換器であり、28はファ
ンである。
23の動作の一例について説明する。交流電源6(図1
参照)を用いて第2電極5(図1参照)を接地電位とし
て第1電極4(図1参照)に実効値1.5kV、周波数
20kHzの交流電圧を印加するとともに、直流電源9
(図1参照)を用いて第4電極8(図1参照)を接地電
位として第3電極7(図1参照)に−15kVの直流電
圧を印加した。同時に、ファン28を回転動作させて空
気調和機23の運転を開始した。
参照)を離間する誘電体3の表面で放電が起こり、正イ
オン及び負イオンが生成するとともに、第3,第4電極
7,8間に電界が生じ、針状部7aの先端から空気分子
に電子が移動し、空気分子が負に帯電する。これによ
り、相対的に正の電位にある第4電極8側へ帯電した空
気分子が加速されながら移動することになる。従って、
ケーシング24内で空気の流れが起こり、吸込口24a
から吹出口24bへと抜ける風が生ずる。
よって吸込口24aからケーシング24内に吸い込ま
れ、熱交換器27を通過する際に熱交換された後、吹出
口24bからルーバ25に風向きを調整されて吹き出さ
れる。この風によっても、上記の正イオンと負イオンが
吹出口24bからケーシング24の外部へ送出される。
イオン及び負イオンの濃度を、吹出口24bから10c
mだけ離れた位置に配した空気イオンカウンタによって
測定したところ、正イオン濃度は150,000個/c
m3、負イオン濃度は150,000個/cm3であっ
た。
を評価するため、空気調和機23を縦2m×横2.5m
×高さ2.7mの対象区域に設置し、大腸菌をミスト状
に散布し、空気調和機23の運転を開始して、時間の経
過とともに対象区域内の大腸菌数の変化をBiotest Hyto
n RCSエアサンプラーで追跡したところ、約1時間の運
転で菌数は51%減少した。従って、本発明に係るイオ
ン送り装置1を搭載した空気調和機23の運転によっ
て、空気中の浮遊細菌を適度に除菌できる。
転を停止した場合でも、イオン送り装置1のみを動作さ
せることによって正・負のイオンの送風が可能であり、
この場合は、省エネルギーに空気中の浮遊細菌の殺菌除
去効果を得ることができる。
れる空間殺菌装置は、上記の空気清浄機や空気調和機に
限定されない。その他として、例えば、除湿器、加湿
器、冷蔵庫、電気ファンヒータ、石油ファンヒータ、ガ
スファンヒータ、電気ストーブ等に搭載することによっ
て、同様な空気浄化機能の得られる空間殺菌装置を提供
できる。
送り装置によると、イオン発生装置の動作によって空間
に生成した正イオン及び負イオンが中和して消滅する前
に、遠くへ送ることができ、安定した正イオン及び負イ
オンの供給を確保できる。
備えた空気清浄機や空気調和機等の装置は空間殺菌装置
として機能し、居住空間に正・負のイオンを送って空気
中の浮遊細菌の表面で結合させ、これらが反応して生ず
る活性種によって、効率的に空気中の浮遊細菌を殺菌除
去することができる。
装置の概略的な側面断面図である。
の一部を破砕して示す斜視図である。
装置の概略的な斜視側面断面図である。
装置の概略的な斜視側面断面図である。
の概略的な斜視側面断面図である。
の概略的な斜視側面断面図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 正イオンと負イオンとを発生させるイオ
ン発生装置と、空間に正又は負の電界を起こす電界印加
手段とを備え、 該電界印加手段により空間に電界を起こすことによって
発生する風により、前記正イオン及び負イオンを送るこ
とを特徴とするイオン送り装置。 - 【請求項2】 前記電界印加手段は、一方を電圧印加用
電極、他方を接地用電極とした一対の電極からなり、前
記接地用電極を前記イオン発生装置側に配置してなるこ
とを特徴とする請求項1に記載のイオン送り装置。 - 【請求項3】 前記接地用電極は、目開き数9〜24メ
ッシュの範囲の網状電極であることを特徴とする請求項
2に記載のイオン送り装置。 - 【請求項4】 前記電圧印加用電極に印加する電圧は、
負の直流電圧であることを特徴とする請求項2又は請求
項3に記載のイオン送り装置。 - 【請求項5】 少なくとも吸込口と吹出口とを有するケ
ーシングを有し、正イオンと負イオンとを発生するイオ
ン発生装置と、一方を電圧印加用電極、他方を接地用電
極とした一対の電極からなり前記接地用電極を前記イオ
ン発生装置側に配置した電界印加手段とを、前記吸込口
と前記吹出口とを連通する前記ケーシング内部の空間に
備え、 前記電界印加手段により前記電圧印加用電極と前記接地
用電極との間に電界を起こすことによって発生する風に
より、前記正イオン及び負イオンを送ることを特徴とす
るイオン送り装置。 - 【請求項6】 前記電界印加手段は、前記イオン発生装
置により発生させるイオンの極性と逆の極性の電界を印
加されることを特徴とする請求項5に記載のイオン送り
装置。 - 【請求項7】 絶縁体を挟んで対向する第1,第2電極
と、 前記第2電極と所定の距離を有して隔離され対向する第
3電極と、を有し前記第2電極は接地用電極とし、 前記第1電極に接続され前記第1電極に交流電圧を印加
する第1の交流電圧印加手段と、前記第3電極に接続さ
れ前記第3電極に交流電圧を印加する第2の交流電圧印
加手段と、を備え、 前記第1の交流電圧印加手段が前記第1電極に印加する
交流電圧と、前記第2の交流電圧印加手段が前記第3電
極に印加する交流電圧との位相を逆位相とする構成を有
することを特徴とするイオン送り装置。 - 【請求項8】 少なくとも吸込口と吹出口とを有するケ
ーシングを有し、 絶縁体を挟んで対向する第1,第2電極と、前記第2電
極と所定の距離を有して隔離され対向する第3電極と、
前記第1電極を電圧印加用電極とし前記第2電極を接地
用電極として接続され、前記第1電極に第1の交流電圧
を印加する第1の交流電圧印加手段と、接地電位に接続
されるとともに、前記第3電極を電圧印加用電極として
接続され、前記第3電極に第2の交流電圧を印加する第
2の交流電圧印加手段とを前記ケーシングの内部であっ
て前記吸込口と前記吹出口とを連通する前記ケーシング
内部の空間に備え、 前記第1の交流電圧と、前記第2の交流電圧との位相を
逆位相として印加することにより、前記吹出口から正イ
オン及び負イオンを送出する機構を有することを特徴と
するイオン送り装置。 - 【請求項9】 電圧が印加される第1電極と、前記第1
電極と対向する接地電極である第2電極とからなる第1
のイオン送り装置と、 前記第1電極に印加された電圧とは逆の極性の電圧が印
加される第3電極と、前記第3電極と対向する接地用電
極である第4電極とからなる第2のイオン送り装置とを
有し、 前記第1のイオン送り装置から送られるイオンと、前記
第2のイオン送り装置とから送られるイオンとを混合し
て送出する構成を有することを特徴とするイオン送り装
置。 - 【請求項10】 少なくとも吸込口と吹出口を有するケ
ーシングと、 正の直流電圧が印加される第1電極と、前記第1電極と
対向して設けられる接地用電極である第2電極とからな
る第1のイオン送り装置と、 前記第1のイオン送り装置とは絶縁され、かつ、負の直
流電圧が印加される第3電極と、前記第3電極と対向し
て設けられる接地用電極である第4電極からなる第2の
イオン送り装置とを、 前記ケーシングの内部であって前記吸込口と前記吹出口
とを連通する空間に配置する構成を有することを特徴と
するイオン送り装置。 - 【請求項11】 前記第1電極又は前記第3電極の少な
くとも一方の電極に印加する電圧を調整可能な構成とし
たことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のイ
オン送り装置。 - 【請求項12】 請求項1〜請求項11のいずれかに記
載した構成を有し、正イオンと負イオンとが細菌の表面
で結合するときに発生する活性種の作用により空間中の
細菌を殺菌することを特徴とする空間殺菌装置。
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