JP2002260596A - 白熱電球および照明装置 - Google Patents

白熱電球および照明装置

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JP2002260596A
JP2002260596A JP2001054590A JP2001054590A JP2002260596A JP 2002260596 A JP2002260596 A JP 2002260596A JP 2001054590 A JP2001054590 A JP 2001054590A JP 2001054590 A JP2001054590 A JP 2001054590A JP 2002260596 A JP2002260596 A JP 2002260596A
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light
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filament
film
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Kazue Shikama
一栄 志釜
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィラメントからの入射光量が多い部分は被
膜を厚く、入射光量の少ない部分は被膜を薄く形成する
ことによって、電球の点灯時にバルブ表面に生じる輝度
分布のむらを低減してグレア(眩しさ)の小さい、外観
品位の向上した白熱電球およびこの電球を装着した照明
装置を実現することを課題とする。 【解決手段】 ガラスバルブ1と、このガラスバルブ1
端部の封止部3に封着されたステム2と、このステム2
のリード線4,4に継線されたコイル状のフィラメント
5と、上記バルブ1内表面において膜厚が、このフィラ
メント5の中心部Cと対応する部分を最大膜厚とし、こ
の最大膜厚部からバルブ1の頂部12および封止部3に
向かうにしたがい薄く形成された金属酸化物からなる散
光被膜7とを備えている白熱電球Lおよびこの電球Lを
装着した照明装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般照明や装飾照明
などに多用されている、ガラスバルブに光拡散用の散光
被膜を形成した白熱電球およびこの電球を光源として装
着した照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】白熱電球はガラスバルブの形態として、
用途に応じて透明なもの、散光処理したものや着色処理
したものなどがある。
【0003】これら電球のうち散光形の電球は、バルブ
の内表面に微細な凹凸面を形成しておき、バルブ内に封
装したフィラメントからの光を拡散させ、点灯時の眩し
さ(グレア)を軽減できるものである。
【0004】このバルブ内表面の凹凸面の形成は、過去
にはガラスバルブの内表面をフッ酸などで浸蝕させて微
細な凹凸面を得るようにしていたが、強酸を用いるのは
環境問題などがあり、近年はバルブに酸化けい素SiO
2 などの金属酸化物の微粉末を静電塗装により被着させ
て散光被膜を得るようにしている。
【0005】そして、この金属酸化物の微粉末からなる
散光被膜に関しては種々の出願がなされていて、たとえ
ば特公昭58−28709号公報には、形成する散光被
膜の膜厚をバルブの頂部から基部(封止部)に向かうに
したがって順次厚くすることが開示されている。
【0006】また、特公昭56−54658号公報に
は、二重コイル状フィラメントの継線長さとバルブの最
大外径との比率およびフィラメントの点灯温度に応じて
散光被膜材料の被着量を規制することが開示されてい
る。
【0007】この前者の公報に示された電球は、ガラス
バルブに形成する散光被膜を口金が接合される封止部寄
りを厚膜とし頂部をこれより薄膜としたことにより、透
過率が小さく反射率が高まった厚膜部分からの反射光
を、反射率が小さく透過率が高まった頂部寄りの薄膜部
分から多くの光束を放射できるものである。
【0008】すなわち、口金が接合され無効光となる分
が多い封止部寄りよりも、口金と反対側のバルブ頂部側
からの光放射を増加するようにした、前方への照度向上
がはかれた電球である。
【0009】また、後者の公報に示された電球は、従来
の湿式による散光被膜の形成では膜厚が厚いとともにそ
の厚さにばらつきが多く、バルブ表面の輝度むら(グレ
ア)が大きいことを解消するためなされたものである。
【0010】すなわち、散光被膜の形成を静電塗装によ
り行うとともに二重コイル状フィラメントの点灯温度に
応じて散光被膜材料の被着量を限定して、薄膜化をはか
るとともにバルブ全面における輝度分布の均一化をはか
ったものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そして、近時、白熱電
球においても小形高効率化や多様化がすすめられ、たと
えばバルブが小形化されると、このバルブの壁面とコイ
ル状フィラメントとの離間距離が小さくなって、両者は
全体または部分的に近付き、従来の散光被膜の状態であ
ると電球の点灯時にバルブ表面での輝度分布のむらに起
因するグレア(眩しさ)が大きく、外観品位の低下を招
いていた。
【0012】また、上記後者の公報中にはバルブに形成
する膜厚の具体的数値についての記載はないが、膜厚の
差あるいはバルブとフィラメントとの離間距離によっ
て、バルブ面に輝度差を生じていた。
【0013】本発明は上述したような事情に鑑みなされ
たもので、フィラメントからの入射光量が多い部分は被
膜を厚く、入射光量の少ない部分は被膜を薄く形成する
ことによって、電球の点灯時にバルブ表面に生じる輝度
分布のむらを低減してグレア(眩しさ)の小さい、外観
品位の向上した白熱電球およびこの電球を装着した照明
装置を実現することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の白熱電球は、ガラスバルブと、このガラスバルブ端部
の封止部に封着されたステムと、このステムのリード線
に継線されたコイル状のフィラメントと、上記バルブ内
表面において膜厚が、このフィラメントの中心部と対応
する部分を最大膜厚とし、この最大膜厚部からバルブの
頂部および封止部に向かうにしたがい薄く形成された金
属酸化物からなる散光被膜とを具備していることを特徴
とする。
【0015】本発明および以下の各発明において、とく
に指定しない限り白熱電球および照明装置の用語の定義
および技術的意味はつぎによる。
【0016】電球を形成するガラスバルブの材質はソー
ダライムガラスなどの軟質ガラス、硼珪酸ガラスなどの
硬質ガラスからなるものが用いられ、バルブの形状はT
(管)形やT(管)形との複合形などその形状は問わな
い。
【0017】また、散光被膜を形成する金属酸化物とし
ては、既知の酸化けい素SiO2 、酸化アルミニウムA
2 3 、酸化チタンTiO2 、酸化マグネシウムMg
O、酸化ジルコニウムZrO2 、酸化亜鉛ZnOやけい
酸ジルコニウムZrSiO4などの微粉末があり、これ
らのうちから選ばれた少なくとも一種の材料で被膜が形
成される。
【0018】また、上記の微粉末材料にたとえば酸化第
二鉄Fe2 3 の微粉末を顔料として添加し、着色散光
被膜を形成すれば赤色発光する着色電球が得られる。
【0019】そして、これら金属酸化物の微粉末の平均
粒径としては、たとえば酸化けい素SiO2 の場合は1
〜50mμ程度、酸化アルミニウムAl2 3 の場合は
1〜50mμ程度、酸化チタンTiO2 の場合は1〜1
00mμ程度のものが使用される。
【0020】そして、上記散光被膜材料の場合の配合比
率は、SiO2 70〜99質量%、Al2 3 1〜30
質量%、TiO2 0〜30質量%の範囲であるのがよ
く、この配合比率を外すと微粉末が帯電してしまい、流
動性に悪影響をおよぼし濃度ばらつきの不具合があって
好ましくない。
【0021】また、本発明でいう最大膜厚部からバルブ
の頂部および封止部に向かうにしたがい薄く形成された
散光被膜とは、被膜が厚膜部から薄膜部へ直線的に変化
しているものに限らず、階段的な変化や多少の凹凸(厚
薄)を繰り返しながら変化していくものであってもよ
い。
【0022】また、最大膜厚(厚膜)部に対する薄膜部
とはバルブ頂部および封止加工により変形していない封
止部の変形境界より約5mm以上離れた部分の膜厚を指
す。
【0023】また、その被膜の膜厚は形成方法にもよる
が、最大膜厚部の膜厚は静電塗装の場合で30〜300
μ程度、同じ膜厚でも形成手段によって膜内の嵩密度が
異なるため発光特性に差があり、乾式の静電塗装の場合
に比べて湿式塗装の場合は膜厚を50μ程度厚くするこ
とを要する。
【0024】また、形成する被膜厚さに変化をつける手
段としては、静電塗装の場合は粉体噴射ノズルに形成す
る噴射孔の分布、数、方向などを部分的に変えたり、部
分的な多重塗装などにより、また、湿式塗装の場合は部
分的な多重塗装などにより容易に行うことができる。
【0025】また、バルブ内に配設されるコイル状のフ
ィラメントは、単コイル状であっても二重コイルなどの
多重コイル状であってもよい。また、その継線形状は、
C−2形、C−6形、C−7形、C−8形やC−9形
(CCでもよい)など各種の形状に対応できる。
【0026】また、リード線を保持するステムとして
は、フレアステム、ボタンステムやビードステムなどを
用いることができる。
【0027】さらに、白熱電球としては、ガス入り電
球、真空電球に適用でき、電球の種別としては、一般照
明用はもちろんシャンデリアやスタンドの装飾用などの
各種用途の電球に適用が可能である。
【0028】請求項1に記載の発明によれば、フィラメ
ント中心部と対応し入射光量が最も多いバルブの最大径
部付近の散光被膜の膜厚を最も厚く形成してあるので、
この最大径部付近への入射光は拡散度が大きく透過効率
が低下して、バルブ面に生じる発光するフィラメントの
陰影が薄らぎ、この部分に高輝度発光部が生じない。
【0029】また、フィラメントから離れ入射光量が低
減していく、バルブの最大径部から頂部および封止部に
向かい散光被膜の膜厚を薄膜としているので、この薄膜
部での拡散は少なく透過効率が高まって発光量の低下が
小さい。したがって、バルブ全体に亘りほほ均一な輝度
を得ることができる。
【0030】本発明の請求項2に記載の白熱電球は、膨
出部を有するガラスバルブと、このガラスバルブ端部の
封止部に封着されたステムと、このステムのリード線に
継線され、その中心部が膨出部の最大径部と対応して配
設されたコイル状のフィラメントと、上記バルブ内表面
において膜厚が、最大径部を最大膜厚とし、この最大膜
厚部からバルブの頂部および封止部に向かうにしたがい
薄く形成された金属酸化物からなる散光被膜とを具備し
ていることを特徴とする。
【0031】ガラスバルブの形状がA形、C形、PS
形、S形やこれらの複合形など中間部に張り出した膨出
部を有するバルブで、この膨出部が最大径部になるとと
もにこの最大径部内に位置してフィラメントを配設した
電球に適用して、上記請求項1に記載したと同様な作用
を奏する。
【0032】本発明の請求項3に記載の白熱電球は、散
光被膜の最大膜厚部の膜厚が、30〜300μであるこ
とを特徴とする。
【0033】上記膜厚とすることにより、バルブ面に生
じる発光するフィラメントの陰影が薄らぎ、この部分に
高輝度発光部が発生せず、上記請求項1に記載したと同
様な作用を奏する。
【0034】なお、上記最大膜厚部の膜厚規制値は静電
塗装により塗布した場合で、この膜厚は乾式の静電塗装
と湿式塗装とでは嵩密度が異なるため差が生じ、同じ発
光特性を得るためには静電塗装に対し湿式塗装の場合は
50μ程度厚くする必要がある。
【0035】この最大膜厚部の膜厚が静電塗装の場合で
300μ(湿式塗装の場合で350μ)を越えると、可
視域での光透過率が下がって発光特性の低下を来す不具
合があり、また、この最大膜厚部の膜厚が30μ未満
(湿式塗装の場合で80μ未満)であると、発光するフ
ィラメントの影が高輝度発光部として視認され、外観品
位上の不具合があり、ばらつきなどを考慮すると実用上
は80〜250μ(湿式塗装の場合で130〜300
μ)程度の範囲が好ましい。
【0036】本発明の請求項4に記載の白熱電球は、散
光被膜の膜厚比率が、最大膜厚部に対し薄膜部が50〜
95%であることを特徴とする。
【0037】この膜厚比率(薄膜部/最大膜厚部の膜厚
×100%)が、50%未満であると、発光時バルブの
薄膜部での輝度が最大膜厚部より高くなり、バルブ表面
での輝度の明暗差、すなわち輝度のばらつきが大きく外
観が低下する不具合があり、逆に、95%を越えると、
薄膜部での輝度が最大膜厚部より大きく下がって、バル
ブ表面での輝度の明暗差が大きく外観が低下する不具合
があり、ばらつきなどを考慮した実用上は65〜85%
程度の範囲が好ましい。
【0038】本発明の請求項5に記載の照明装置は、ソ
ケットに上記請求項1ないし請求項4のいずれか一に記
載の白熱電球を光源として装着したことを特徴とする。
【0039】上記請求項1ないし請求項4に記載の白熱
電球を照明装置の本体に光源として装着して、点灯時バ
ルブ面に生じる発光するフィラメントの陰影が薄らぎ、
輝度分布のばらつきを低減できる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1(a)は散光形の白熱電球を
示す一部切欠正面図、図1(b)は図1(a)のバルブ
部分に対応した散光被膜の膜厚分布を示すグラフであ
る。
【0041】この白熱電球Lは、たとえばシャンデリア
などに用いられる100/110V40Wで、ソーダラ
イムガラスからなる最大径部約32mm、長さ約90m
mのC形(炎形)のバルブ1の端部に鉛ガラスからなる
フレアステム2が封止された封止部3を有する。
【0042】また、このステム2には一対のリード線
4,4が気密に封着されていて、両リード線4,4の先
端部にはバルブ1軸と斜行したV字形に張架された二重
コイル状のフィラメント5が継線(マウント形式 CC
−2形)されている。この継線は、二重コイル状のフィ
ラメント5先端の単コイル部がリード線4,4の先端部
を折曲げ形成したフック部に挟圧されたり、溶接される
ことによって支持されている。
【0043】なお、この二重コイル状のフィラメント5
の中心部Cが、バルブ1の最大径部11内にあるよう配
設されている。因みに、このフィラメント5の中心部C
から最も近接したバルブ1の内表面までの距離は約13
mm、フィラメント5のリード線4との継線部から最も
近接したバルブ1の内表面までの距離は約9mmであ
る。また、6はこのステム2に植設され、先端側のルー
プ状部で上記フィラメント5の中間部を保持したアンカ
である。
【0044】このガラスバルブ1の内面には、たとえば
静電塗装によって下記の金属酸化物の微粉末からなる後
述する散光被膜7が形成されている。
【0045】また、8はバルブ1端部の封止部を覆うよ
うにして取付けられた口金で、上記のリード線4,4と
それぞれ電気的に接続している。また、バルブ1内には
アルゴンと窒素とからなる不活性ガスが充填されてい
る。
【0046】上記散光被膜7は、平均粒径が約5mμの
酸化けい素SiO2 を約89質量%と、平均粒径が約5
mμの酸化アルミニウムAl2 3 を約6質量%と、平
均粒径が約10mμの酸化チタンTiO2 を約5質量%
との微粉末を混合した材料を、静電塗装により形成した
ものである。
【0047】その膜厚は図1(b)に示すような分布を
なし、フィラメント5の中心部Cがほぼ対応位置するバ
ルブ1の最大径部11の膜厚が最も厚く約150μで、
バルブ1の頂部12および封止部3に行くにしたがい薄
膜な最小膜厚が約100μ(約67%)となるよう形成
してある。この図1(b)は、図1(a)に対応して、
縦軸はバルブ長さ方向位置、横軸は膜厚(μ)を対比さ
せてある。
【0048】このような構成の白熱電球Lは、図示しな
いシャンデリア照明器具のソケットに口金8を装着して
点灯される。
【0049】そして、上記白熱電球Lはフィラメント5
中心部と対応し入射光量が最も多いバルブ1の最大径部
11付近の散光被膜7の膜厚を最も厚く形成してあるの
で、この最大径部11付近への入射光は拡散度が大きく
透過効率が低下して、バルブ1面に生じる発光するフィ
ラメント5の影が薄らぎ、この部分に高輝度発光部の発
生がない。
【0050】また、フィラメント5から離れ入射光量が
低減していく、バルブ1の最大径部11から頂部12お
よび封止部3に向かい散光被膜7の膜厚を薄膜としてい
るので、この薄膜部での拡散は小さく透過効率が高まっ
て発光量の低下が小さい。
【0051】したがって、バルブ1面の散光被膜7の膜
厚を、フィラメント5に近く入射光量の多い部分を厚
く、フィラメント5から遠のく入射光量の少ない部分を
薄く形成したことにより、バルブ1の各表面部分におけ
る輝度の明暗差が小さく輝度分布のばらつきを低減でき
た。
【0052】そして、シャンデリア用などのバルブ1外
径が小径で、バルブ1内表面とフィラメント5とが近接
している小形電球において、バルブ1の全面での輝度を
ほぼ均等化でき、点灯時にグレア(眩しさ)の少ない視
覚的に見栄えのよい、外観品質の向上した白熱電球Lを
提供することができる。
【0053】なお、この白熱電球において、散光被膜7
を形成する材料のSiO2 は眩しさを和らげる光拡散の
役割をなしその配合比率は70〜99質量%の範囲に、
また、Al2 3 はSiO2 と同様に光拡散と微粉末の
帯電低減の役割をなしその配合比率は1〜30質量%の
範囲に、さらに、TiO2 は被膜の白色化を高める役割
をなしその配合比率は0〜30質量%の範囲がよかっ
た。
【0054】また、上記SiO2 の配合比率が70質量
%未満であると光拡散性が悪くグレア発生の不具合があ
り、また、99質量%を越えると微粉末の帯電が増し濃
度むらを生じる不具合があり、ばらつきなどを考慮する
と好ましくは85〜95質量%程度の範囲がよかった。
【0055】また、上記Al2 3 の配合比率が1質量
%未満であると微粉末が帯電する不具合があり、また、
30質量%を越えるとコスト的な不具合があり、ばらつ
きなどを考慮すると好ましくは5〜15質量%程度の範
囲がよかった。
【0056】さらに、上記TiO2 の配合は外観品位お
よび演色性を問はない電球では不要で、30質量%を越
えると光透過率が低下し効率が悪くなるほかバルブ温度
が上昇するなどの不具合があり、ばらつきなどを考慮す
ると好ましくは3〜10質量%程度の範囲がよかった。
【0057】そして、本発明では上記散光被膜7を形成
する材料、粒径、配合比率、膜厚などの具体的な種類や
数値については、対象のバルブ1形状やその寸法、フィ
ラメント5の形状や点灯温度などに応じ適宜選べること
はいうまでもない。
【0058】また、本発明者の考察によると、特にバル
ブとフィラメントとが接近している小形のバルブを用い
た、フィラメントの中心部から最も接近したバルブの内
表面までの距離が18mm以下、フィラメントとバルブ
の内表面との最も接近した距離が13mm以下の電球に
適用して効果が著しかった。
【0059】また、本発明で示す最大膜厚部からバルブ
1の頂部12および封止部3に向かうにしたがい薄く形
成された散光被膜7とは、膜厚が図1(b)に示すよう
に緩やかに連続的に変化する曲線状に限らず、図2中の
グラフ中にS線で示す被膜が厚膜部から薄膜部へほぼ直
線的に変化しているもの、またはA線で示す階段的に変
化していくもの、あるいはW線で示す多少の凹凸(厚
薄)を繰り返しながら変化していくものなどであっても
よい。図2は図1(a)に対応して、縦軸はバルブ長さ
方向位置、横軸は膜厚(このS線、A線、W線の最大膜
厚は同厚でグラフは膜厚の変化の状況)を対比させてあ
る。
【0060】また、最大膜厚(厚膜)部11に対する薄
膜部とはバルブ頂部12および封止加工により変形して
いない封止部3の変形境界13より約5mm以上離れた
部分の膜厚を指す。これは、バルブ1の被封止部側に形
成した散光被膜7の端部寄りは、膜厚が安定していない
ことと熱加工時などに一部が溶融や脱落により消失して
しまうことに対処するためである。
【0061】また、バルブ内に配設されるコイル状のフ
ィラメントは、単コイル状であっても二重コイルなどの
多重コイル状であってもよい。また、その継線形状は、
上記のCC−2形に限らずC−6形、C−7形、C−8
形やC−9形(CCでもよい)など各種の形状に対応で
きる。
【0062】そして、C−7形、C−8形やC−9形の
継線形状では、フィラメントがバルブの最大径部の全周
に亘りほぼ同形態で対向配設されているので、バルブの
最大径部表面に現れるフィラメントの陰影は全周どこで
もほぼ同じである。
【0063】また、C−6形の継線形状では、フィラメ
ントの延在方向と対向する側のバルブ面に対し、フィラ
メントの端部と対向する側のバルブ面はフィラメントの
有効発光部に面せず、また、フィラメントの端部を支持
しているリード線が遮蔽体となってもともと入射光量は
少ないが、フィラメントに近いため輝度の低下は思った
より小さくバルブを全体的に見て輝度分布のばらつきは
小さかった。
【0064】なお、本発明は上記実施の形態に限定され
ない。たとえば、白熱電球としてはシャンデリア用に限
らず、一般照明用やスタンドの装飾用などの各種用途の
電球に適用が可能である。
【0065】また、本発明の照明装置は一般的な照明器
具の他、表示装置や装飾装置など、各種の照明装置とし
てひろく使用できることはいうまでもない。
【0066】
【発明の効果】本発明の請求項1の発明によれば、バル
ブ面の散光被膜の膜厚を、フィラメントに近く入射光量
の多い部分を厚く、フィラメントから遠のき入射光量の
少ない部分を薄く形成したことにより、バルブの各表面
部分における輝度分布のばらつきが小さくほぼ均等化で
きる、点灯時にグレアの少ない視覚的に見栄えのよい、
特にバルブとフィラメントとが近接している小形のバル
ブを用いた電球に適用して効果のある、外観品位の向上
した白熱電球を提供することができる。
【0067】本発明の請求項2の発明によれば、膨出部
に最大径部を有するバルブ面の散光被膜の膜厚を、フィ
ラメントに近く入射光量の多い最大径部付近を厚く、フ
ィラメントから遠のき入射光量の少ない頂部および封止
部に向かい薄く形成したことにより、上記請求項1に記
載したと同様な効果を奏する外観品位の向上した白熱電
球を提供することができる。
【0068】本発明の請求項3の発明によれば、散光被
膜の最大膜厚部の膜厚を30〜300μと規制すること
により、バルブ面に生じる発光するフィラメントの陰影
が薄らぎ、この部分に高輝度発光部が発生せず、上記請
求項1および請求項2に記載したと同様な効果を奏す
る。
【0069】本発明の請求項4の発明によれば、散光被
膜の最大膜厚部に対する薄膜部の膜厚比率を規制するこ
とにより、上記請求項3に記載したと同様な効果を奏す
る。
【0070】本発明の請求項5の発明によれば、光源と
して請求項1ないし請求項4に記載の効果を奏する白熱
電球を用いているので、視覚的に見栄えのよい品位の向
上した照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の散光形白熱電球の実施の形態を示し、
(a)図は白熱電球の一部切欠正面図、(b)図は
(a)図のバルブ部分に対応した散光被膜の膜厚分布を
示すグラフである。
【図2】本発明白熱電球のバルブに形成される散光被膜
の他の実施の形態を示し、図1(a)のバルブ部分に対
応した散光被膜の膜厚分布を示すグラフである。
【符号の説明】
L:白熱電球 1:ガラスバルブ 2:ステム 3:封止部 4:リード線 5:フィラメント C:中心部 7;散光被膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラスバルブと;このガラスバルブ端部
    の封止部に封着されたステムと;このステムのリード線
    に継線されたコイル状のフィラメントと;上記バルブ内
    表面において膜厚が、このフィラメントの中心と対応す
    る部分を最大膜厚とし、この最大膜厚部からバルブの頂
    部および封止部に向かうにしたがい薄く形成された金属
    酸化物からなる散光被膜と;を具備していることを特徴
    とする白熱電球。
  2. 【請求項2】 膨出部を有するガラスバルブと;このガ
    ラスバルブ端部の封止部に封着されたステムと;このス
    テムのリード線に継線され、その中心が膨出部の最大径
    部と対応して配設されたコイル状のフィラメントと;上
    記バルブ内表面において膜厚が、最大径部を最大膜厚と
    し、この最大膜厚部からバルブの頂部および封止部に向
    かうにしたがい薄く形成された金属酸化物からなる散光
    被膜と;を具備していることを特徴とする白熱電球。
  3. 【請求項3】 散光被膜の最大膜厚部の膜厚が、30〜
    300μであることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の白熱電球。
  4. 【請求項4】 散光被膜の膜厚比率は、最大膜厚部に対
    し薄膜部が50〜95%であることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の白熱電球。
  5. 【請求項5】 ソケットに上記請求項1ないし請求項4
    のいずれか一に記載の白熱電球を光源として装着したこ
    とを特徴とする照明装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008511099A (ja) * 2004-08-20 2008-04-10 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 光吸収媒体を有する電気ランプ
JP2008300082A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Toshiba Lighting & Technology Corp 高圧放電ランプ及び照明装置
CN100449681C (zh) * 2004-06-29 2009-01-07 东芝照明技术株式会社 白炽灯泡及照明装置

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