JP2002254231A - 切削加工方法 - Google Patents

切削加工方法

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JP2002254231A
JP2002254231A JP2001047908A JP2001047908A JP2002254231A JP 2002254231 A JP2002254231 A JP 2002254231A JP 2001047908 A JP2001047908 A JP 2001047908A JP 2001047908 A JP2001047908 A JP 2001047908A JP 2002254231 A JP2002254231 A JP 2002254231A
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cutting
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groove
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JP2001047908A
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English (en)
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Shinjiro Yamada
眞次郎 山田
Seiki Sato
声喜 佐藤
Shinichi Abe
新一 安部
Takashi Inomata
孝 猪俣
Naoki Horiguchi
直樹 堀口
Kazuyasu Suda
一泰 須田
Jun Nishijima
潤 西嶋
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INCS Inc
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INCS Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C3/00Milling particular work; Special milling operations; Machines therefor
    • B23C3/28Grooving workpieces
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23CMILLING
    • B23C5/00Milling-cutters
    • B23C5/02Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
    • B23C5/10Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Milling Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 深い溝などの加工形状を所望位置に正確に形
成することができる切削加工方法を提供すること。 【解決手段】 深さFと幅Wとの比率F/Wが10以
上の深溝を材料に形成する切削加工方法であって、先端
と側面とに切削刃を備え直径Dが1mm以下であり且つ
有効長Lと直径Dとの比率L/Dが10以上の細長い円
筒状の切削部を有する切削工具を毎分30000回転以
上で高速回転させながら、前記深溝が形成されることに
なる切削加工線に沿った案内溝を、該切削部の先端部分
を用いて形成し、前記案内溝に沿って前記切削部の先端
と側面の切削刃による切削加工を行い前記深溝を形成す
る切削加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削加工方法に関
し、詳細には、長さ方向に延びる細長い切削部を有する
切削工具を用いて深溝を材料に形成する切削加工方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】金属材料等の材料に凹部、溝などを形成
する場合には、所謂スピンドルユニットでドリル、エン
ドミル等の切削工具を回転駆動させて材料を切削し、凹
部、溝などの所望形状を形成していく切削加工が行われ
ている。
【0003】また、成型用金型のように特に細かい凹
部、細い溝などの微細加工が必要となる場合には、放電
加工による加工も行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したようなスピン
ドルユニットを用いて深い溝等を切削加工により形成す
る場合には細長い切削工具が必要となる。細長い切削工
具で金属材料等の被加工物(ワーク)を切削加工しよう
とすると、回転する切削工具の切削刃の先端がワークに
食い込むときに被加工物からの反力が切削工具に作用す
るため、切削工具が本来通るべき線(加工が行われるべ
き線)から回転方向にずれた状態で進み、所望の位置に
加工を行うことができなくなることがある。この傾向
は、金属材料に、微細な加工等を施したり、深い溝等を
形成する際に、特に顕著である。また、側面に長さ方向
に延びる切削刃を備えた回転工具を用いて溝を切削加工
する場合、工具の有効長Lと直径Dとの比L/Dは、工
具の剛性を十分に保つことができる程度の小さい値にす
ることが必要であると考えられてきた。そのために、深
さFと幅Wの比F/Wが大きい溝、即ち、幅Wに比して
深さFが非常に大きい溝は、機械的な切削加工により形
成することはできないと考えられてきた。同様に、幅W
が例えば1mm以下といった非常に狭い溝も切削加工に
よって形成することはできないと考えられていた。
【0005】一方、放電加工は、幅の狭い溝や、幅に比
して深さの大きい溝の加工を可能にするものではある
が、放電加工では、放電加工用の電極を作成するために
時間、および、費用がかかり、また、深い溝、凹部の奥
に位置する加工部位などを加工することが困難である。
【0006】本発明は、以上の点に着目し、深い溝など
の加工形状を所望位置に正確に形成することができる切
削加工方法を提供することを、基本的な課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、深さFと幅Wとの比率F/Wが10以上
の深溝を材料に形成する切削加工方法を提供する。この
方法では、先端と側面とに切削刃を備え直径Dが1mm
以下であり且つ有効長Lと直径Dとの比率L/Dが10
以上の細長い円筒状の切削部を有する切削工具を毎分3
0000回転以上で高速回転させながら、前記深溝が形
成されることになる切削加工線に沿った案内溝を、該切
削部の先端部分を用いて形成し、前記案内溝に沿って前
記切削部の先端と側面の切削刃による切削加工を行い、
前記深溝を形成する。
【0008】又、直径Dが0.5mm以下であり且つ有
効長Lと直径Dとの比率L/Dが15以上の細長い円筒
状の切削部を有する切削工具を毎分50000回転以上
で高速回転させながら案内溝を形成してもよい。
【0009】前記切削工具は、前記切削部の先端が略半
球凸状のボールエンドミルであり、前記案内溝の横断面
形状が、半円の底部と該半円の上端から上方に向かって
延びる垂直壁部とを有し、該垂直壁部が前記半円の直径
以上の高さを有するように構成できる。
【0010】ここで、「先端が略半球凸状」であると
は、回転状態で切削部の先端が略半球凸状であること、
即ち、回転する先端が描く軌跡が略半球凸状であること
を意味している。
【0011】また、前記切削工具は、前記切削部の先端
を平坦なフラットエンドミルとすることができ、前記案
内溝は、横断面が矩形であり、該案内溝び深さがその幅
以下であるように構成できる。又、案内溝び深さが、そ
の幅の50%以下であるようにしてもよい。
【0012】本発明は、一態様において、深さFと幅W
の比率F/Wが10以上の深溝を材料に形成する切削加
工方法であって、前記溝が形成されることになる切削加
工線に沿った案内溝を形成し、先端部と側面とに切削刃
を備え直径Dが1mm以下であり且つ有効長Lと直径D
との比率L/Dが10以上の細長い切削部を備えた切削
工具を、毎分30000回転以上で高速回転させなが
ら、前記案内溝に沿って、前記切削部の先端と側面との
切削刃による切削加工を行って前記深溝を形成する。
【0013】又、直径Dが0.5mm以下であり且つ有
効長Lと直径Dとの比率L/Dが15以上の細長い円筒
状の切削部を有する切削工具を毎分50000回転以上
で高速回転させながら深溝を形成してもよい。
【0014】前記切削工具は、前記切削部の先端が略半
球凸状のボールエンドミルであり、前記案内溝がV字形
の断面形状を有し、該案内溝の上端の幅は、前記ボール
エンドミルの先端部の直径より広くなるように構成する
ことができる。
【0015】前記案内溝は、前記ボールエンドミルの先
端が、該案内溝の上下方向中間位置より下方で該案内溝
の底に接するような寸法形状を有するよう構成できる。
【0016】また、前記切削工具は、先端が略半球凸状
のボールエンドミルであり、前記案内溝が略矩形の断面
形状を有し、該案内溝の幅は、前記ボールエンドミルの
先端部の直径より広くなるように構成できる。
【0017】さらに、案内溝は、前記深溝を切削する切
削工具より大きなL/Dを有する切削工具によって形成
される。このような構成によれば、案内溝形成時には、
深溝形成時より早い送り速度で、切削工具を送ることが
できる。
【0018】本発明は、もう一つの態様において、先端
と側面とに切削刃を備えた細長い切削部を有する回転工
具で加工材料を切削する切削加工方法を提供する。この
方法では、前記回転工具による切削加工が行われること
になる切削加工線に沿った案内溝を、前記切削部の先端
部分を用いて形成し、前記案内溝に沿って前記切削刃に
よる切削加工を行う。
【0019】また、前記回転工具が前記切削加工線に沿
って複数回移動することにより、前記案内溝を形成する
ように構成できる。
【0020】さらに、前記案内溝の深さが、その幅以
下、または、その幅の50%以下であるように構成でき
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
沿って説明する。まず、本発明の一実施形態の切削加工
方法を実施する切削加工機(マシニングセンタ)の概略
構成を説明する。
【0022】図1は、マシニングセンタ1の概略的な斜
視図である。図1に示されているように、マシニングセ
ンタ1は、床面に設置される基部2と、この基部2の上
方に配置された加工部4とを備えている。加工部4の下
方位置には、切削加工される被加工物(ワーク)6が載
置される加工台8が設けられている。加工台8は、公知
の機構によって、切削加工に関する数値データに基づい
て、上下および水平方向に移動できるように構成されて
いる。
【0023】加工台8の上方には、ヘッド10が設けら
れており、このヘッド10の下方には、スピンドルユニ
ット12が着脱自在に装着されるユニット装着部14が
設けられている。スピンドルユニット12は、先端に取
付けられた切削工具16が加工台8に対向し、加工台8
上のワーク6を切削加工できるように、ユニット装着部
12に取付けられている。ヘッド10は、公知の機構に
より、切削加工に関する数値データに基づいて、加工台
8に対して上下方向及び水平方向に移動可能である。
【0024】ユニット装着部14にはチャックが内蔵さ
れ、スピンドルユニット12の後端のカプラ(図示せ
ず)をこのチャックに結合させることによって、スピン
ドルユニット12をユニット装着部14に着脱自在に装
着固定することができる。このスピンドルユニット12
は、回転可能な主軸の先端に取付けられた切削工具16
を内蔵モータによって最高毎分50000回転以上で高
速回転させ、ワーク6を切削加工することができるもの
である。切削工具16の回転速度は可変である。
【0025】従って、マシニングセンタ1では、ワーク
6が載置された加工台8とスピンドルユニット12とを
切削加工に関する数値データに基づいて相対的に移動さ
せることにより、ワーク6を所望のように切削加工する
ことができる。
【0026】マシニングセンタ1は、スピンドルユニッ
ト12を自動的に交換することができる所謂ATC(自
動工具交換装置)を備えている。図1に示されているよ
うに、ヘッド10の側方には、交換用のスピンドルユニ
ットが装着される交換用スピンドルユニット装着部18
が設けられ、この交換用スピンドルユニット装着部18
には、異なった寸法形状の切削工具が取付けられた複数
の交換用スピンドルユニット20が装着されている。
【0027】また、ヘッド10の下方には、ユニット装
着部14に取付けられたスピンドルユニット12を交換
用スピンドルユニット装着部18に装着された交換用ス
ピンドルユニット20と交換するための交換用アーム2
2が設けられている。本実施形態では、交換用スピンド
ルユニット装着部18は、図示しない駆動機構によっ
て、交換用スピンドルユニット20を交換用アーム22
方向に順次移動させ、所望の交換用スピンドルユニット
20を交換用アーム22に把持させ、ユニット装着部1
4に装着されているスピンドルユニット12と交換する
ことができるように構成されている。従って、マシンセ
ンタ1では、ユニット装着部14に装着されるスピンド
ルユニット12を交換することにより、ワーク6に種々
の加工を施すことができる。
【0028】本実施形態では、ユニット装着部14に装
着されているスピンドルユニット12に取付けられた切
削工具16、または、複数の交換用スピンドルユニット
20に取付けられている切削工具16は、内蔵モータ出
力軸に連結された主軸と一体化された切削工具であり、
切削部の先端が略半球凸状の所謂ボールエンドミル24
(図2)、切削部の先端が平坦な所謂フラットエンドミ
ル26(図3)、切削部の先端が略円錐状のミル28
(図4)等の種類がある。これらのミル24、26、2
8は、いずれも、先端24a、26a、28aと側面2
4b、26b、28bとに切削刃を備え、本実施形態で
は、直径Dが1mm以下、例えば、0.4mmであり且
つ有効長Lと直径Dとの比率L/Dが10以上、例え
ば、20乃至40の細長い円筒状の切削部24c、26
c、28cを備えている。有効長Lとは、図面に示され
ているように、切削刃が形成されているシャフト部分の
長さと、切削部が形成されていないシャフトフト部分の
長さとを加えた長さである。なお、図面では、明確化の
ため、切削部24c、26c、28cを太く描いている
ので、図面上のL/Dは正確ではない。
【0029】次に、金型用の金属材料(ワーク6)に幅
0.4mm、深さ5mm、即ち、深さFと幅Wとの比率
F/Wが12.5の深溝を形成する本発明の第1実施形
態の切削加工を説明する。金型用の金属材料としては、
例えば、一般構造用圧延鋼材(SS)、機械構造用炭素
鋼(SC、SCK)、炭素工具鋼(SK)、合金工具鋼
(SKS、SKD)、高速度鋼(SNC)、高炭素クロ
ム、軸受鋼(SNJ)、ニッケルクロムモリブデン鋼
(SNCM)、クロムモリブデン鋼(SCM)、アルミ
ニウムクロムモリブデン鋼(SACM)、プリハードン
鋼、高張力アルミ合金及びジュラルミン(A7075)
等のアルミ合金、銅合金等がある。
【0030】切削部の直径Dが0.4mm、有効長Lが
12mm、従ってL/Dが30のボールエンドミル24
が取付けられたスピンドルユニット12をユニット装着
部14に装着させ、切削加工を施すアルミ合金(A70
75)ワーク6を加工台4に載置・固定する。次いで、
スピンドルユニット12の内蔵モータによってボールエ
ンドミル24を例えば毎分30000回転で回転させな
がら、形成する深溝に関するNCデータに基づいて、ワ
ーク6が載置された加工台4とスピンドルユニット12
とを相対的に移動させ、ワーク6に加工を施す。ボール
エンドミル24の回転数は、毎分50000回転以上で
もよい。
【0031】図5は、ワークに案内溝を形成する工程を
示す斜視図であり、図6は案内溝の断面図である。
【0032】図5に示されているように、本実施形態で
は、深溝30が形成されることになる切削加工線32
(一点鎖線)に沿ってスピンドルユニット12を移動さ
せ、切削部24cの先端と側部とを用いて、案内溝34
を切削により形成していく。本実施形態では、案内溝形
成には、ボールエンドミル24による切り込み深さは
2.5μmであり、送り速度は毎分400mmである。
【0033】切削部24cは、先端24aが略半球凸状
の細長い円筒形状を有しているので、形成された案内溝
34の断面形状は、図6に示されているように、半円の
底部34aとこの半円の上端から上方に向かって垂直壁
部34bとを有する。本実施形態では、案内溝34は、
垂直壁部分34bの高さHが、底部を構成する半円の直
径以上の高さを有するように形成される。尚、本実施形
態では、切削部24cが円筒形状であり且つ切削部24
cの先端24aが略半球凸状であるので、案内溝34の
底部34aを構成する半円の直径は、切削部24cの直
径Dおよび案内溝34ならびに深溝30の幅W1と略同
一とである。
【0034】本実施形態では、ボールエンドミル24を
切削加工線32に沿って複数回往復動させることによっ
て、案内溝34を切削形成している。しかしながら、ボ
ールエンドミル24を切削加工線32に沿って同一方向
に複数回移動させて案内溝34を切削してもよい。また
は、案内溝の深さはこの深さに限定されるものではない
ので、案内溝の深さによっては、ボールエンドミル24
を切削加工線32に沿って一回移動させることによって
案内溝を形成してもよい。
【0035】次いで、スピンドルユニットを交換するこ
となく、ボールエンドミル24の切削部24cを案内溝
34に沿わせながら、スピンドルユニット12が切削加
工線32に沿って移動するように、スピンドルユニット
12とワーク6とを相対移動させ、切削部24cの先端
と側部の切削刃を用いて、深さFの深溝30をワーク6
に切削形成していく。
【0036】本実施形態では、ボールエンドミル24を
切削加工線32に沿って往復動させて深溝を形成してい
る。しかしながら、ボールエンドミル24を切削加工線
32に沿って同一方向に複数回移動させて案内溝34を
切削してもよい。また、本実施形態では、案内溝形成に
は、ボールエンドミル24による切り込み深さは5μm
であり、送り速度は毎分4000mmである。
【0037】使用する回転切削工具は、切削部の直径が
1mm以下と非常に細く、有効長Lと直径Dの比L/D
が10以上と非常に大きい値である。従って、案内溝3
4の切削に際しては、切削工具に撓みが生じ、先端が切
削加工線32から横方向にはずれるおそれがある。この
問題を回避するために、切削工具を極めて高い回転数で
回転させ、工具を安定させることが必要である。また、
工具の送り速度は、工具の撓みや折損が生じないように
考慮しながら、比較的遅い速度とすることが必要であ
る。この方法により、幅が1mm以下、例えば、0.2
〜0.8mmの溝を切削加工により形成することが可能
となる。工具の回転速度は、毎分30000回転以上、
好ましくは毎分50000回転以上とすることが必要
で、送り速度は、例えば、Dが0.2mmのミルを使用
する場合の毎分0.2mからDが0.8mmのミルを使
用する場合の毎分4mの範囲で、種々の条件に応じて、
設定される。
【0038】このような切削加工では、深溝30の切削
加工を行う際には、予め形成された案内溝34に沿って
ボールエンドミル24が移動させられるので、ボールエ
ンドミル24が本来通るべき線(切削加工線32)から
ずれにくくなり、所望の位置に深溝を形成することが可
能となる。また、スピンドルユニット12を交換する必
要がないので、作業時間が短縮される。さらに、この切
削加工方法は、スピンドルユニットの交換、または、切
削工具16の交換を行うことができない加工機にも適用
可能である。
【0039】また、切削部の直径が異なるミルを使用す
ることにより、種々の幅、たとえば、1mm、0.8m
mの深溝を形成することができる。
【0040】上記第1実施形態では、同一の切削工具
で、案内溝と深溝を形成したが、深溝を切削する工具よ
りL/Dが小さい別な切削工具で、案内溝を形成しても
よい。上記第1実施形態の条件による深溝の切削加工に
先立って、例えば、有効長Lが10mm、直径Dが0.
4mm、即ち、L/Dが2.5のボールエンドミルで案
内溝を切削形成してもよい。このときの切り込み深さは
例えば10μmであり、送り速度は毎分4000mmで
ある。
【0041】次に、本発明の第2実施態様の切削加工を
説明する。図7は、第2実施態様の案内溝の断面図であ
る。使用する切削工具16が切削部の先端が平坦な所謂
フラットエンドミル26(図3)である点が上記第1実
施形態と異なるので、この相違点を中心に説明する。
【0042】第2実施態様では、使用する切削工具が切
削部の先端が平坦な所謂フラットエンドミル26である
ため、図7に示されているように、案内溝36は断面形
状が矩形となる。本実施形態では、案内溝36は、その
深さf2が幅W2と略同じとなるように設定されてい
る。また、案内溝の深さf2は、幅W2より小さく、例
えば、幅W2の50%、又は、それより小さいくなるよ
うに設定されていてもよい。尚、案内溝36の幅W2
は、切削部26cの直径Dおよび形成される深溝の幅と
略同一である。本実施形態においても、スピンドルユニ
ットを交換することなく、フラットエンドミル26の切
削部26cを案内溝36に沿わせながら、スピンドルユ
ニット12が切削加工線に沿って移動するようにスピン
ドルユニット12とワーク6とを相対移動させ、切削部
26cの先端26aと側部26bの切削刃を用いて、深
さFの深溝をワーク6に切削形成する。このとき、フラ
ットエンドミル26を切削加工線に沿って往復動させた
り或いは同一方向に複数回移動させたりして深溝を切削
してもよい。
【0043】このような切削加工では、深溝の切削加工
を行う際には、予め形成された案内溝36に沿ってフラ
ットエンドミル26が移動させられるので、フラットエ
ンドミル26が本来通るべき線(切削加工線)からずれ
にくくなり、所望の位置に深溝を形成することが可能と
なる。また、案内溝形成後にスピンドルユニット12を
交換する必要がないので、作業時間が短縮される。さら
に、この切削加工方法は、スピンドルユニットの交換、
または、切削工具16の交換を行うことができない切削
加工機にも適用可能である。
【0044】次に、本発明の第3実施形態の切削加工を
説明する。図8は、第3実施形態の案内溝38の断面図
である。深溝の条件、加工材料等は上記実施形態と同じ
であるが、本実施形態は、深溝を案内溝とは異なった種
類の切削工具で切削加工する点が、上記実施形態と異な
る。
【0045】まず、切削部の先端28aが略三角形のミ
ル28が取付けられたスピンドルユニット12をユニッ
ト装着部14に装着させ、切削加工を施すワーク6を加
工台4に載置・固定する。次いで、スピンドルユニット
12の内蔵モータによってミル28を例えば毎分300
00回転以上で回転させながら、ワーク6が載置された
加工台4とスピンドルユニット12とを切削加工に関す
る数値データに基づいて相対的に移動させることによ
り、切削部28cの先端28aでワーク6に断面V字形
の案内溝38を形成していく。ミルの回転数を毎分50
000回転以上としてもよい。本実施形態でも、ミル2
8を切削加工線に沿って往復動させたり、或いは、同一
方向に複数回移動させて案内溝38を切削するのがよ
い。また、案内溝の深さによっては、ミル28を切削加
工線に沿って一度だけ移動させることによって、案内溝
38を切削しもよい。
【0046】図8に示されているように、案内溝38
は、その上端の幅W3が、深溝の切削で用いるボールエ
ンドミル24の先端部の幅より広くなるよう、さらに、
ボールエンドミル24の略半球状の先端が、案内溝38
の上下方向中間位置Mより下方の位置xで案内溝38の
底に接するような寸法形状に形成されている。ここで、
案内溝38の上下方向中間位置Mとは、ワーク6の表面
から案内溝の深さf3の半分だけ下方の高さ位置にある
案内溝38の底面上の点を指す。
【0047】次に、交換アーム22を用いて、装着部1
4に装着されているスピンドルユニット12を、切削部
の先端が略半球凸状の所謂ボールエンドミル24が取付
けられたスピンドルユニット12と交換する。
【0048】次いで、ボールエンドミル24の切削部2
4cを案内溝38に沿わせながら、スピンドルユニット
12が切削加工線32に沿って移動するように、スピン
ドルユニット12とワーク6とを相対移動させ、切削部
24cの先端と側部の切削刃を用いて、深さFの深溝を
ワーク6に切削形成する。このとき、ボールエンドミル
24を切削加工線に沿って一度だけ移動させることによ
って深溝を切削しても、または、ボールエンドミル24
を切削加工線に沿って往復動させたり或いは同一方向に
複数回移動させたりして深溝を切削してもよい。
【0049】このような切削加工では、深溝の切削加工
を行う際には、予め形成された案内溝38に沿ってボー
ルエンドミル24が移動させられるので、ボールエンド
ミル24が本来通るべき線(切削加工線)からずれにく
くなり、所望の位置に深溝を形成することが可能とな
る。
【0050】上記第3実施形態では、断面V字型の案内
溝38を形成した後、この案内溝38に沿ってボールエ
ンドミル24で深溝を形成したが、ボールエンドミルで
底部が半円の案内溝を形成し、その後、この案内溝に沿
ってフラットエンドミルで深溝を形成しても、あるい
は、フラットエンドミルで矩形の案内溝を形成し、その
後、この案内溝に沿ってボールエンドミルで深溝を形成
してもよい。これらの場合には、案内溝は、その幅が深
溝形成で用いられるミルの先端部分の径より若干広くな
るように形成される。
【0051】上記実施形態では、ミルの切削部は略円筒
形状であるが、先端に向かって先細りする切削部を有す
る切削工具を用いても良い。
【0052】また、上記実施形態では、スピンドルユニ
ットを自動的に交換可能なマシニングセンタ1が用いら
れたが、本発明は、スピンドルユニットを交換できない
或いは自動的には交換できない切削加工機でも実施可能
である。このような切削加工機で、案内溝加工と深溝加
工とを異なった切削工具で行う場合には、オペレータ
が、ピンドルユニット全体あるいは切削工具(ミル)
を、手動で交換することになる。
【0053】さらに、上記実施形態では、切削部が直径
Dが1mm以下であり且つ有効長Lと直径Dとの比率L
/Dが10以上の細長い円筒状の切削工具を使用した
が、本発明はこのような工具に限定されるものではな
い。
【0054】また、上記実施形態は、切削工具を毎分3
0000回転以上で回転させて案内溝、および、深溝を
形成しているが、本発明は、この回転数に限定されるも
のではない。
【0055】さらに、上記実施形態は金属材料に深溝を
形成する切削加工であるが、本発明は他の種類の材料に
切削加工する場合にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の切削加工を行うマシニン
グセンタの概略的な斜視図である。
【図2】 本発明の実施形態の切削加工に用いられるボ
ールエンドミルの側面図である。
【図3】 本発明の実施形態の切削加工に用いられるフ
ラットエンドミルの側面図である。
【図4】 本発明の実施形態の切削加工に用いられる切
削部の先端が略三角形状のミルの側面図である。
【図5】 本発明の第1実施形態においてワークに案内
溝を形成する工程を示す斜視図である。
【図6】 本発明の第1実施形態の案内溝の断面図であ
る。
【図7】 本発明の第2実施形態の案内溝の断面図であ
る。
【図8】 本発明の第3実施形態の案内溝の断面図であ
る。
【符号の説明】
6:ワーク(加工物) 24:ボールエンドミル 30:深溝 32:切削加工線 34:案内溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安部 新一 神奈川県川崎市高津区坂戸3−2−1 株 式会社インクス内 (72)発明者 猪俣 孝 神奈川県川崎市高津区坂戸3−2−1 株 式会社インクス内 (72)発明者 堀口 直樹 神奈川県川崎市高津区坂戸3−2−1 株 式会社インクス内 (72)発明者 須田 一泰 神奈川県川崎市高津区坂戸3−2−1 株 式会社インクス内 (72)発明者 西嶋 潤 神奈川県川崎市高津区坂戸3−2−1 株 式会社インクス内 Fターム(参考) 3C022 EE17 KK02 KK03

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 深さFと幅Wとの比率F/Wが10以上
    の深溝を材料に形成する切削加工方法であって、 先端と側面とに切削刃を備え直径Dが1mm以下であり
    且つ有効長Lと直径Dとの比率L/Dが10以上の細長
    い円筒状の切削部を有する切削工具を毎分30000回
    転以上で高速回転させながら、前記深溝が形成されるこ
    とになる切削加工線に沿った案内溝を、該切削部の先端
    部分を用いて形成し、 前記案内溝に沿って前記切削部の先端と側面の切削刃に
    よる切削加工を行い、前記深溝を形成することを特徴と
    する切削加工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の切削加工方法であっ
    て、 前記切削工具は、前記切削部の先端が略半球凸状のボー
    ルエンドミルであり、 前記案内溝の横断面形状が、半円の底部と該半円の上端
    から上方に向かって延びる垂直壁部とを有し、 該垂直壁部が前記半円の直径以上の高さを有することを
    特徴とする切削加工方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の切削加工方法であっ
    て、 前記切削工具は、前記切削部の先端が平坦なフラットエ
    ンドミルであり、 前記案内溝は、横断面が矩形であり、 該案内溝の深さがその幅以下であることを特徴とする切
    削加工方法。
  4. 【請求項4】 深さFと幅Wの比率F/Wが10以上の
    深溝を材料に形成する切削加工方法であって、 前記溝が形成されることになる切削加工線に沿った案内
    溝を形成し、 先端部と側面とに切削刃を備え直径Dが1mm以下であ
    り且つ有効長Lと直径Dとの比率L/Dが10以上の細
    長い切削部を備えた切削工具を、毎分30000回転以
    上で高速回転させながら、前記案内溝に沿って、前記切
    削部の先端と側面との切削刃による切削加工を行って前
    記深溝を形成することを特徴とする切削加工方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の切削加工方法であっ
    て、 前記切削工具は、前記切削部の先端が略半球凸状のボー
    ルエンドミルであり前記案内溝がV字形の断面形状を有
    し、該案内溝の上端の幅は、前記ボールエンドミルの先
    端部の直径より広いことを特徴とする切削加工方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の切削加工方法であっ
    て、 前記案内溝は、前記ボールエンドミルの先端が、該案内
    溝の上下方向中間位置より下方で該案内溝の底に接する
    ような寸法形状を有していることを特徴とする切削加工
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の切削加工方法であっ
    て、 前記切削工具は、先端が略半球凸状のボールエンドミル
    であり 前記案内溝が略矩形の断面形状を有し、該案内溝の幅
    は、前記ボールエンドミルの先端部の直径より広いこと
    を特徴とする切削加工方法。
  8. 【請求項8】 請求項4ないし7のいずれか1項に記載
    の切削加工方法であって、 前記案内溝は、前記深溝を切削する切削工具より大きな
    L/Dを有する切削工具によって、形成されることを特
    徴とする切削加工方法。
  9. 【請求項9】 先端と側面とに切削刃を備えた細長い切
    削部を有する回転工具で加工材料を切削する切削加工方
    法であって、 前記回転工具による切削加工が行われることになる切削
    加工線に沿った案内溝を、前記切削部の先端部分を用い
    て形成し、 前記案内溝に沿って前記切削刃による切削加工を行うこ
    と、を特徴とする切削加工方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の切削加工方法であっ
    て、 前記回転工具が前記切削加工線に沿って複数回移動する
    ことにより、前記案内溝を形成することを特徴とする切
    削加工方法。
  11. 【請求項11】 請求項4ないし10のいずれか1項に
    記載の切削加工方法であって、 前記案内溝の深さが、その幅以下であることを特徴とす
    る切削加工方法。
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