JP2002243683A - ガス検出方法とその装置 - Google Patents

ガス検出方法とその装置

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JP2002243683A
JP2002243683A JP2001037934A JP2001037934A JP2002243683A JP 2002243683 A JP2002243683 A JP 2002243683A JP 2001037934 A JP2001037934 A JP 2001037934A JP 2001037934 A JP2001037934 A JP 2001037934A JP 2002243683 A JP2002243683 A JP 2002243683A
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gas
sensor
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JP2001037934A
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Hironori Machida
博宣 町田
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Figaro Engineering Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属酸化物半導体ガスセンサ2を高温域と低
温域とに交互に加熱し、高温域で可燃性ガスを、低温域
でCOを検出する。高温域の末期でセンサ出力が増加も
しくはほぼ一定であり、センサ出力からガスが存在する
ことが推定される場合に、高温域を延長する。延長時に
は高頻度でセンサ出力をサンプリングし、アラームレベ
ル以上の可燃性ガス濃度を検出、あるいは所定時間経過
後に延長を解除し、低温域にセンサ温度を変化させる。 【効果】 高濃度の可燃性ガスの急激な発生に対する検
知遅れを軽減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明は、金属酸化物半導体ガス
センサを用いたガスの検出に関する。
【0002】
【従来技術】金属酸化物半導体ガスセンサを高温域と低
温域とに所定の周期で交互に温度変化させ、低温域でC
Oを、高温域でメタン、イソブタン等の可燃性ガスを検
出するガス検出方法では、可燃性ガスの存在時に高温域
を所定の期間から延長して、可燃性ガスの検出を続行す
る方法が提案されている(実公平5−32760)。この
方法では、一定の予備検出レベルを設けて、センサ出力
がこの所定レベル以上になった場合に延長を行うので、
高濃度の水素やエタノール、CO等の存在によって出力
が増加した時にも延長が行われる。このように不必要に
高温域が延長されると、COの不感時間が増す。また高
温域を延長すると、ヒステリシスが生じて、例えばCO
の検出精度が低下する。
【0003】
【発明の課題】この発明の課題は可燃性ガスへの検知遅
れを防止することにある。請求項2,3,6〜8の発明
での追加の課題は、高温域の延長による、COへの不感
時間やセンサ特性へのヒステリシスを小さくすることに
ある。請求項5の発明での追加の課題は、高温域の延長
がCOへのアラームレベルの設定精度を低下させないよ
うにすることにある。
【0004】
【発明の構成】この発明は、金属酸化物半導体ガスセン
サを高温域と低温域とに交互に温度変化させ、低温域で
COを高温域で可燃性ガスを検出し、可燃性ガスの存在
時に高温域にガスセンサを保持する時間を延長するよう
にしたガス検出方法において、高温域末期でセンサ出力
が増加もしくはほぼ一定値であるかどうかを検出し、増
加もしくはほぼ一定値である際に、可燃性ガスの検出を
続行するため高温域を所定時間内の範囲で延長するよう
にしたことを特徴とする。
【0005】好ましくは、低温域と高温域との組み合わ
せを1サイクルとして、延長を行った後は、以降の所定
サイクルもしくは所定時間の間、次の延長を行わないよ
うにする。また好ましくは、低温域でCOを検出した場
合に、前記延長を行わないようにする。
【0006】またこの発明は、金属酸化物半導体ガスセ
ンサのヒータへの供給電力をサイクリックに変化させ
て、高温域と低温域とからなるサイクルでガスセンサの
温度を変化させ、低温域でのガスセンサの出力からCO
を検出し、高温域でのガスセンサの出力から可燃性ガス
を検出するようにしたガス検出装置において、高温域の
末期でのセンサ出力が増加もしくはほぼ一定であること
を検出するための増加検出手段と、出力が増加もしくは
ほぼ一定であることを検出した際に、可燃性ガスの検出
を続行するため、高温域を所定時間内の範囲で延長する
ための延長手段とを設けたことを特徴とする。
【0007】好ましくは、ガス検出装置に、ガスの検出
と、アラームレベルの設定との少なくとも2つの動作モ
ードを設けて、アラームレベルの設定モードでは、前記
高温域の延長を行わないようにする。
【0008】また好ましくは、延長を行った後は、所定
サイクルもしくは所定時間の間、次の延長を行わないよ
うにする。また好ましくは、延長時間の前記の所定時間
の間に、複数回ガスセンサの出力をサンプリングして可
燃性ガスを検出し、かつ可燃性ガス濃度がアラームレベ
ル以上で、可燃性ガスのアラームを行い、かつ次の延長
を禁止すると共に、ガスセンサを低温域へ移行させるよ
うにする。また好ましくは、アラームレベル以下の濃度
のCOを予備的に検出するための手段を設けて、COを
予備検出した際に、前記の延長を行わないようにする。
【0009】
【発明の作用と効果】この発明では、高温域の末期にセ
ンサ出力が増加もしくはほぼ一定であるか否かを判断
し、増加もしくはほぼ一定である場合に、所定の時間内
の範囲で高温域を延長し、可燃性ガスの検出を続行す
る。なお以下では、センサ出力が増加しもしくはほぼ一
定であることを増加傾向にあるという。このため急激に
高濃度の可燃性ガスにさらされた場合などに、本来の高
温域の時間内では可燃性ガスへのセンサ出力の応答が不
十分でも、高温域を延長して検出でき、高濃度の可燃性
ガスへの検知遅れを防止できる。高濃度の水素やエタノ
ール、CO等が存在する場合、高温域でもセンサ出力が
増加するので、高温域の末期のセンサ出力が所定レベル
以上か否かを判別して延長すると、水素やCO中などで
高温域を延長することがある。これに対してこの発明で
は、高温域の末期でのセンサ出力が増加もしくはほぼ一
定であることを検出するので、CO中や水素中などで高
温域が延長されることを防止できる(請求項1,4)。
高温域を延長すると、延長している間はCOの検出がで
きずCOへの不感時間が生じ、またその後のセンサ出力
にヒステリシスが生じ、特に低温域でのCOの検出に影
響するとの副次的な問題が生じる。これに対して、この
発明では高温域の末期でのセンサ出力傾向を用いるの
で、不必要に高温域の延長が行われることを防止できる
(請求項1,4)。
【0010】ガス検出装置の設定、即ちCOや可燃性ガ
スへのアラームレベルを設定する作業では、COと可燃
性ガスがセンサ出力に別々に現れることを利用して、ア
ラームレベルの可燃性ガスとCOとを混合して、1つの
混合ガス中で可燃性ガスとCOとを同時に設定すること
が行われている。この場合に高温域を延長すると、例え
ば設定槽中でガス検出装置が高温域を経験して、設定中
に高温域の延長が行われる可能性がある。すると高温域
を経験する時間が変動して、センサ出力にヒステリシス
が生じ、COへの設定が困難になる。請求項5の発明で
は、設定モードで高温域の延長を禁止するので、設定中
に高温域が延長されてCOの設定の妨げとなることがな
い。
【0011】高温域を延長するのは、急激に可燃性ガス
濃度が増加した際に、検知遅れが生じるのを防止するた
めである。そこで高温域を延長すると、以降は所定サイ
クルもしくは所定時間の間、高温域の次の延長を行わな
い。このようにすると、不必要に高温域が延長されるこ
とを防止できる(請求項2,6)。
【0012】高温域を延長し、可燃性ガス濃度がアラー
ムレベル以上であることを検出してアラームすると、延
長を停止して低温域へセンサ温度を低下させ、次の延長
を禁止する。このようにすると、不必要に高温域を延長
し、COへの不感時間が増し、またセンサ出力にヒステ
リシスができるのを最小にできる(請求項7)。
【0013】低温域でCOを検出すると、あるいはCO
の存在を予備的に検出すると、高温域の延長を禁止す
る。するとCOへの不感時間を増して、可燃性ガスの検
出を優先するように、高温域を延長することを防止でき
る(請求項3,8)。
【0014】
【実施例】図1に、実施例のガス検出装置の回路を示
す。2は金属酸化物半導体ガスセンサで、4は金属酸化
物半導体、6はヒータである。実施例のガス検出装置
は、100V等の商用電源等にトランス60,整流回路
62,安定化電源64を接続して電源とし、また、安定
化電源64から直流電源VDDを取り出し、マイクロコン
ピュータ20等の電源とする。マイクロコンピュータ2
0は、ガス検出に関する種々の処理を行う。8はトラン
ジスタ等のスイッチ、10は負荷抵抗、12はサーミス
タ、14は抵抗である。
【0015】マイクロコンピュータ20へは、A/Dコ
ンバータ22を介してガスセンサ2の信号を入力する。
マイクロコンピュータ20に、温度補正処理部24と、
ヒータ制御部26と、延長処理部27と、ガス検出処理
部28と、微分処理部29と、設定処理部36とを設け
る。温度補正処理部24は、サーミスタ12の信号を用
いて周囲温度を求め、温度補正表のデータを読み、セン
サ2の出力を温度補正する。ヒータ制御部26は、スイ
ッチ8のON/OFFのデューティ比を制御してヒータ
6の温度を制御する。微分処理部29はセンサ信号を微
分して出力傾向を検出し、設定処理部36は設定モード
での、ガスセンサ2のアラームレベル、および予備検出
レベルの設定を行う。またセンサ信号に対する種々の学
習を行う学習部30を設けてもよい。
【0016】I/O31にディップスイッチ33を接続
し、設定モードであるか否かを判別する。ここでは、例
えばディップスイッチがONのとき、設定モードとす
る。また、I/O32にEEPROM34を接続し、設
定モードで設定したアラームレベルを書き込む。EEP
ROM34には、他に、学習部30での学習値、また、
COまたは可燃性ガスのいずれに対してアラームが発生
したか等の検出装置の履歴等を書き込む。
【0017】38はタイマ群で、ここでは、時定数30
秒のタイマと、延長タイマ、延長禁止タイマを備える。
30秒のタイマはガス検出モードでの、高温域10秒、
低温域20秒の1周期30秒の時間をカウントするタイ
マである。延長タイマは、延長モードでの時間をカウン
トし、タイムアウト時に出力し、またカウント中は例え
ば1秒ごとにセンサ信号のサンプリングのタイミング用
の信号を出力する。延長する時間はセンサ2のメタンへ
の応答が完了するまでの時間程度とし、例えば1周期程
度で、最長で例えば10〜30秒間、実施例では最長で
20秒間延長する。延長禁止タイマは、延長禁止がスタ
ートしてからの時間をカウントする。延長の禁止時間
は、例えば2〜10分間とし、ここでは5分間とする。
延長禁止の時間内には、延長処理部27は延長処理を行
わない。
【0018】40は内部状態記憶部で、設定モードか否
か、COが予備検出されたか否か、COがアラームされ
たか否か、メタンが予備検出されたか否か、メタンの高
温域末期での出力傾向が増加または一定か或いは減少
か、メタンがアラームされたか否かを記憶する。またI
/O42にドライバ44,48を介して、ブザー46
と,LED50,51を接続し、センサ出力がメタンや
COのアラームレベル以上となった時にブザー46を鳴
らし、同時にLED50,51をONして報知する。L
ED50,51はON、OFF、ブリンクを組み合わせ
ることで種々の情報を表示できる。
【0019】図2に用いた金属酸化物半導体ガスセンサ
2を示すと、4はSnO2,ZnO等の金属酸化物半導体
で、ここではSnO2とする。特性の測定に用いたセン
サは、内層72と外層73からなり、内層72と外層7
3の厚みはそれぞれ約20μmとし、スクリーン印刷等
の厚膜プロセスにより、アルミナ等の基板70上に設け
る。内層72は、SnO2に、SnO2が100重量部当
たりPt1.5重量部、Pd0.2重量部、さらにSbを
Sb/Snの原子比で1%添加したものである。外層7
3は、SnO2に、SnO2が100重量部当たりPt
1.5重量部を添加したものである。
【0020】金属酸化物半導体には外層やフィルタを設
けなくても良く、PtやPd、Sb等の添加量も任意
で、添加しなくても良い。このガスセンサ2で高温域を
20秒間延長した場合、センサ2の温度は、延長開始時
より10〜20℃程度上昇する。ここでガスセンサの構
造や材料は任意であり、例えば図3に示すガスセンサ8
0のように、金属酸化物半導体84内にコイル状のヒー
タ86と中心電極88とを設けたものでもよい。なお8
7はフィルタである。
【0021】図4〜8に、実施例のガスセンサ2の各種
ガスへの応答を示す。各図の縦軸はセンサ抵抗を表し、
横軸は時間で、高温域がスタートした時点をゼロとして
1周期30秒間を示す。ここでは0〜10秒が高温域、
10〜30秒が低温域である。破線は空気中での抵抗
で、高温域では急激にセンサ抵抗が低下するが、5秒ほ
ど経過後からは緩やかに減少する。そして低温域にはい
ると、抵抗は急激に増加し、その後は徐々に増加する。
【0022】図4に、メタン1000ppm中、3500p
pm中でのセンサ抵抗を示すと、高温域の最初の0〜5秒
で抵抗が急激に減少する。その後5〜10秒でセンサ抵
抗は徐々に減少し、高温域末期でもメタンへの応答は完
全には完了していない。ここで高温域を延長してメタン
への応答を完了させると、センサの電気伝導度はさらに
10%程度アップする。そして高温域末期の抵抗は、空
気中のそれと比べて2桁程度小さくなる。続く低温域で
は、抵抗は急激に増加したのち徐々に増加して、高温域
と比べ2桁程度高い値となる。メタンへの応答波形は1
000ppmと3500ppmでほぼ同じで、空気中での波形
と良く似ている。メタン中では抵抗が1桁程度小さいの
で、空気中と明確に区別できる。
【0023】図5に、ガスセンサ2のCO30ppm,10
0ppm,300ppm,1000ppmへの応答を示す。COが
存在すると高温域での抵抗は一旦大きく低下するが、す
ぐに増加して5〜10秒での抵抗は空気中とほとんど同
じになる。高温域末期では抵抗が増加するので、出力は
減少傾向となる。この傾向はメタン中や空気中とは逆で
あり、COの濃度によらず高濃度のCO中でも同様であ
る。続く低温域では抵抗が一旦増加した後、低温域末期
での抵抗は空気中と比べ1桁以上低い値となる。低温域
末期ではCO中で抵抗が減少傾向を示す。
【0024】図6に、ガスセンサ2の水素100ppm,3
00ppm,1000ppm,3500ppmへの応答を示す。水
素中では、高温域でセンサ抵抗は一旦大きく減少し、そ
の後抵抗は増加し、5〜10秒後の高温域末期では出力
は減少傾向となる。低温域末期の抵抗は、空気中の抵抗
に比べ1〜2桁ほど小さくなる。
【0025】図7に、ガスセンサ2の空気と、メタン3
500ppm、CO300ppm、水素3500ppmへの応答
を示す。高温域末期では、メタン中と水素中で抵抗値が
ほぼ等しくなることがあるが、高温域末期の出力傾向は
メタン中では増加で、水素中では減少と異なるので、メ
タンと水素を区別できる。
【0026】図8a,bに、ガスセンサ2のメタンと他
のガスとの混合ガスへの応答を示す。図8aは、メタン
1000ppmと水素との混合ガスへの応答を示し、高温
域の初期では、水素が1000ppm、3500ppmのいず
れの濃度でも、抵抗は0〜5秒後に一旦小さくなったの
ちに上昇する。そして高温域末期の抵抗はほぼ一定で、
メタン単独の時と同程度の値となる。図8bに、メタン
1000ppmと、CO100ppmまたはCO1000ppm
との混合ガスへの応答を示す。高温域末期ではメタン単
独の時と同様のパターンを示し、出力は増加傾向とな
る。
【0027】図9に、実施例での動作タイミングを示
す。1)は、ガスセンサ2のヒータ電力のサイクルを示
し、Lは低温域、Hは高温域を示す。実施例のガス検出
方法では、金属酸化物半導体ガスセンサ2を高温域と低
温域とに交互に周期的に変化させ、高温域のセンサ2の
出力からメタン、イソブタン等の可燃性ガス、ここでは
メタンを、そして低温域のセンサ2の出力からCOを検
出する。実施例では、1周期を高温域が400〜450
℃で10秒間、低温域が80℃で20秒間とするが、そ
れぞれの温度及び時間はこれに限らず、例えば低温域で
は加熱せずにセンサ2は室温でも良い。
【0028】実施例のガス検出方法には、設定モードと
ガス検出モードの2つのモードがあり、ガス検出モード
で高温域を延長する。実施例では高温域末期の出力が予
備検出レベル以上で、かつ高温域末期の出力が増加また
は一定の場合に高温域を延長し、メタン検出を続行す
る。これはメタンの急激な発生に対する検知遅れを軽減
するためである。延長する時間は、センサ2のメタンへ
の応答が完了する時間程度を上限とし、1サイクル程度
以下で、最長で例えば10〜30秒間、実施例では最長
で20秒間延長する。高温域を延長すると、その間CO
の検出が犠牲になる他に、ヒステリシスを生じる等の影
響があるのでできるだけ短くする。
【0029】2)に、センサ抵抗値の変化を模式的に示
し、メタンとCOのアラームレベルと予備検出レベルを
鎖線で示す。実施例では、高温域と低温域でのガス検出
は、低温域の末期等や高温域の末期等の少なくとも1点
で行い、この出力を予備検出レベルやアラームレベルと
比較する。高温域末期の出力の傾き検出では、数秒間の
複数の点、ここでは高温域開始から8,9,10秒後の
3点のセンサ出力を用いる。傾き検出でのセンサ出力は
2点以上で行えば良く、また8〜10秒等の信号をアナ
ログ微分してもよい。またメタンの予備検出では、例え
ば過去10周期での高温域末期のセンサ出力を記憶し、
その平均値を学習値として、今回の高温域末期のセンサ
出力と比較して行ってもよい。
【0030】3)に検出動作を示すと、CO検出側では
低温域末期の出力を用い、その値がCO予備検出レベル
未満の場合は高温域の延長を禁止せず、低温域末期の出
力がCO予備検出レベル以上の場合は、COが存在する
可能性があると判断し、高温域の延長を好ましくは2〜
10分間、ここでは5分間禁止する。これは、COとメ
タンが同時に発生した場合に、COの検知漏れをなくす
ためである。COの予備検出は、低温域末期の出力がC
O予備検出レベル以上か否かの他に、低温域末期の出力
が増加するかどうかでも検出できる。またCOの予備検
出レベルを設定せず、学習によってもCOの存在を予備
的に検出できる。例えば、過去10回の低温域末期と高
温域末期との出力の比を記憶し、その比の平均値を学習
値として記憶し、これとの比較でCOを予備検出しても
よい。
【0031】メタンの検出では、高温域の末期、ここで
は8,9,10秒目の出力を用い、出力傾向を検出する。
また高温期末期の出力がメタン予備検出レベル以上で、
かつ高温期末期の出力が増加または一定で、COが予備
検出されず、さらにメタンのアラームをしていない場合
に、高温域を例えば10〜30秒、ここでは最大限20
秒間延長する。
【0032】延長中は、通常時よりも短い間隔で、ここ
では例えば1秒毎にセンサ出力をサンプリングし、出力
がメタンアラームレベル以上となった場合には、メタン
をアラームすると同時に延長を解除し、低温域に移行す
る。また延長を終了すると、以降好ましくは2〜10分
間、ここでは5分間、延長禁止タイマで次の延長を禁止
する。
【0033】高濃度の水素が存在すると、高温域末期の
出力がメタン予備検出レベル以上となる場合があるが、
出力が減少傾向となるので、メタンとは区別され高温域
の延長は行わない。水素とメタンが共存する場合には、
高温域末期の出力傾向が一定となるので、高温域を延長
する。メタンとCOが共存する場合には、低温域でのC
Oの予備検出により、高温域の延長を禁止する。
【0034】次に図10と図11とに従って、メタンと
COの検出手順を説明する。メタン検出のサブルーチン
では、ヒータ制御部26でヒータ6を制御して、ガスセ
ンサ2を高温域に加熱する。そしてガス検出部28で高
温域末期の8,9,10秒後のセンサの出力をサンプリン
グし、微分処理部29で出力傾向が増加または一定か、
減少しているかを判断し、内部状態記憶部40に記憶す
る。
【0035】高温域末期のセンサ出力が、メタンアラー
ムレベル以上か、メタンアラームレベル以下でメタン予
備検出レベル以上か、またはメタン予備検出レベル未満
かを判断し、内部状態記憶部40に記憶する。メタンア
ラームレベル以上であれば、ブザー46やLED50,
51でアラームし、延長禁止タイマがONかOFFかを
確認し、ONであればそのまま、OFFであれば延長禁
止タイマをスタートさせて、結合子DからCO検出サブ
ルーチンへ進む。高温域末期のセンサ出力がメタン予備
検出レベル未満であれば、結合子Cへ進み、メタンがア
ラームされているときは解除して、CO検出サブルーチ
ンへ進む。
【0036】高温域末期のセンサ出力が、メタン予備検
出レベル以上でメタンアラームレベル未満の場合、高温
域末期の出力傾向が増加または一定か、減少かを判断す
る。高温域末期の出力傾向が減少の場合は、結合子Cへ
分岐し、メタンがアラームされているときは解除して、
CO検出サブルーチンへ進む。
【0037】高温域末期の出力傾向が増加または一定
で、COの予備検出がされていない場合、延長禁止タイ
マがOFFで、20秒間でタイムアウトする延長タイマ
をONし、高温域を延長する。そしてガス検出処理部2
8で、所定の時間T(例えば1秒)毎にセンサ出力をサ
ンプリングし、メタンアラームレベル以下か否かを判断
する。
【0038】センサ出力がメタンアラームレベル以上に
なれば結合子Aへ進み、メタンをアラームし、延長禁止
タイマをスタートし、結合子DからCO検出サブルーチ
ンへ移行する。センサ出力がメタンアラームレベル未満
の場合は1秒ごとのガス検出を続け、延長タイマが20
秒になると、延長禁止タイマをスタートし、結合子Cへ
進んでメタンがアラームされていれば解除し、CO検出
サブルーチンへ移行する。
【0039】高温域末期で、センサ出力がメタン予備検
出レベル未満、高温域末期で出力が減少、低温域末期の
センサ出力がCO予備検出レベル以上、または延長禁止
タイマがON、のいずれかに該当すれば、結合子Cから
CO検出サブルーチンへ移行し、メタンがアラームされ
ているときは解除する。
【0040】CO検出サブルーチンでは、ヒータ制御部
26でセンサ2を低温域にし、低温域末期のセンサの出
力を求める。このセンサ出力がCO予備検出レベル未満
でCOがアラームされていれば解除し、CO予備検出レ
ベル以上でCOアラームレベル未満であればCOを予備
検出したことを記憶し、COアラームレベル以上でCO
アラームをONして、COがアラームされたことを記憶
し、ブザー46やLED50,51を作動して、COを
アラームする。そしてメタン検出サブルーチンへ移行す
る。
【0041】実施例では、1. 設定モードでない、2.
高温域末期のセンサ出力がメタンアラームレベル未満
でメタン予備検出レベル以上、3. 高温域末期のセン
サの出力傾向が増加または一定、4. 低温域末期のセ
ンサ出力がCO予備検出レベル未満、5. 延長禁止タ
イマがOFF、の5つの条件が全て満たされたときのみ
に、高温域でのメタン検出を延長する。
【0042】実施例では、延長するか否かの判断に、高
温域末期でのセンサの出力傾向を用いるため、水素、エ
タノール、CO等の他のガスによる延長を防止できる。
また延長中は通常のサイクルよりも短い時間間隔でガス
検出し、出力がメタンアラームレベル以上となると、延
長を解除して低温域へ移行する。このためCOへの不感
時間を最小にでき、高温域の延長によってヒステリシス
が生じる等の悪影響を最小限にできる。
【0043】なお、検出装置の設定では、ガスセンサ2
を例えばアラーム濃度のメタンとCOとの混合ガスに曝
し、このときの高温域での出力をメタンの、低温域での
出力をCOのアラームレベルとしてEEPROMに記憶
する。設定精度を高めるため、設定モードでは延長は行
わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のガス検出装置の回路図である。
【図2】 実施例のガス検出装置に用いる、金属酸化物
半導体ガスセンサ2の断面図である。
【図3】 実施例のガス検出装置に用いる、別のガスセ
ンサ80の断面図である。
【図4】 実施例のガス検出装置での、金属酸化物半導
体ガスセンサ2のメタンへの応答を示す特性図である。
【図5】 実施例のガス検出装置での、金属酸化物半導
体ガスセンサ2のCOへの応答を示す特性図である。
【図6】 実施例のガス検出装置での、金属酸化物半導
体ガスセンサ2の水素への応答を示す特性図である。
【図7】 実施例のガス検出装置での、金属酸化物半導
体ガスセンサ2のメタン,CO,水素への応答を示す特性
図である。
【図8】 a.実施例のガス検出装置での、金属酸化物
半導体ガスセンサ2のメタンと水素との混合ガスへの応
答を示す特性図である。b.実施例のガス検出装置で
の、金属酸化物半導体ガスセンサ2のメタンとCOとの
混合ガスへの応答を示す特性図である。
【図9】 実施例のガス検出方法での動作を表すタイミ
ングチャートである。
【図10】 実施例のガス検出方法の動作を示すフロー
チャートである。
【図11】 図10に続く、実施例のガス検出方法の動
作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 金属酸化物半導体ガスセンサ 4 金属酸化物半導体 6 ヒータ 8 スイッチ 10 負荷抵抗 12 サーミスタ 14 抵抗 20 マイクロコンピュータ 22 ADコンバータ 24 温度補正処理部 26 ヒータ制御部 27 延長処理部 28 ガス検出処理部 29 微分処理部 30 学習部 31,32,42 I/O 33 ディップスイッチ 34 EEPROM 36 設定処理部 38 タイマ群 40 内部状態記憶部 44,48 ドライバ 46 ブザー 50,51 LED 60 トランス 62 整流回路 64 安定化電源 70 基板 72 内層 73 外層 80 ガスセンサ 84 金属酸化物半導体 86 ヒータ 87 フィルタ 88 中心電極

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属酸化物半導体ガスセンサを高温域と
    低温域とに交互に温度変化させ、低温域でCOを高温域
    で可燃性ガスを検出し、可燃性ガスの存在時に高温域に
    ガスセンサを保持する時間を延長するようにしたガス検
    出方法において、 高温域末期でセンサ出力が増加もしくはほぼ一定値であ
    るかどうかを検出し、増加もしくはほぼ一定値である際
    に、可燃性ガスの検出を続行するため高温域を所定時間
    内の範囲で延長するようにしたことを特徴とする、ガス
    検出方法。
  2. 【請求項2】 低温域と高温域との組み合わせを1サイ
    クルとして、延長を行った後は、以降の所定サイクルも
    しくは所定時間の間、次の延長を行わないようにしたこ
    とを特徴とする、請求項1のガス検出方法。
  3. 【請求項3】 低温域でCOを検出した場合に、前記延
    長を行わないようにしたことを特徴とする、請求項1ま
    たは2のガス検出方法。
  4. 【請求項4】 金属酸化物半導体ガスセンサのヒータへ
    の供給電力をサイクリックに変化させて、高温域と低温
    域とからなるサイクルでガスセンサの温度を変化させ、
    低温域でのガスセンサの出力からCOを検出し、高温域
    でのガスセンサの出力から可燃性ガスを検出するように
    したガス検出装置において、 高温域の末期でのセンサ出力が増加もしくはほぼ一定で
    あることを検出するための増加検出手段と、 出力が増加もしくはほぼ一定であることを検出した際
    に、可燃性ガスの検出を続行するため、高温域を所定時
    間内の範囲で延長するための延長手段とを設けたことを
    特徴とする、ガス検出装置。
  5. 【請求項5】 ガス検出装置に、ガスの検出と、アラー
    ムレベルの設定との少なくとも2つの動作モードを設け
    て、アラームレベルの設定モードでは、前記高温域の延
    長を行わないようにしたことを特徴とする、請求項4の
    ガス検出装置。
  6. 【請求項6】 前記延長を行った後は、所定サイクルも
    しくは所定時間の間、次の延長を行わないようにしたこ
    とを特徴とする、請求項4のガス検出装置。
  7. 【請求項7】 前記の所定時間の間に、複数回ガスセン
    サの出力をサンプリングして可燃性ガスを検出し、かつ
    可燃性ガス濃度がアラームレベル以上で、可燃性ガスの
    アラームを行い、かつ次の延長を禁止すると共に、ガス
    センサを低温域へ移行させるようにしたことを特徴とす
    る、請求項4〜6のいずれかのガス検出装置。
  8. 【請求項8】 アラームレベル以下の濃度のCOを予備
    的に検出するための手段を設けて、COを予備検出した
    際に、前記の延長を行わないようにしたことを特徴とす
    る、請求項4〜7のいずれかのガス検出装置。
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Cited By (6)

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