JP2002242939A - スラスト軸受 - Google Patents

スラスト軸受

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JP2002242939A
JP2002242939A JP2001040584A JP2001040584A JP2002242939A JP 2002242939 A JP2002242939 A JP 2002242939A JP 2001040584 A JP2001040584 A JP 2001040584A JP 2001040584 A JP2001040584 A JP 2001040584A JP 2002242939 A JP2002242939 A JP 2002242939A
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rollers
retainer
thrust bearing
intermediate wheel
roller
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Application number
JP2001040584A
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Takeshi Sakai
猛 酒井
Haruo Kamiya
治雄 神谷
Tetsuya Hayashi
林  哲也
Yoshiyasu Nakano
賀泰 中野
Masaru Kitagawa
勝 北川
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NTN Corp
Denso Corp
Original Assignee
NTN Corp
Denso Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2360/00Engines or pumps
    • F16C2360/42Pumps with cylinders or pistons

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  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 相互間で偏心回転運動を行う部材間に介在し
てスラスト荷重を支持するスラスト軸受の負荷容量を大
きくする。 【解決手段】 直動運動をするようにころ14;24を配列
した二組の保持器16;26付きころ群を、ころ14;24の転
動軸心を直交させて、中間輪30の両側に配置し、さらに
その両側から二枚の軌道輪12;22で挟み込んでスラスト
軸受を構成し、二枚の軌道輪12;22の偏心回転運動を可
能とした。スクロール圧縮機用等の場合、たとえば、第
一の軌道輪12を旋回スクロール部材10に固定し、第二の
軌道輪22をハウジング20に固定する。各保持器16;26は
鋼板プレス成型により断面コの字状に成形した内蓋と外
蓋とで構成され、入れ子状に重ね合わせた内蓋と外蓋が
箱型断面を呈している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスラスト軸受に関
し、より詳しくは、スクロール圧縮機における旋回スク
ロール部材とハウジングのように、相互間で偏心回転運
動を行う二つの部材間でスラスト荷重を支持するスラス
ト軸受に関する。
【0002】本発明は、スクロール圧縮機用に限らず、
相互間で偏心回転運動を行う二つの部材間に介在してス
ラスト荷重を支持するスラスト軸受として各種用途に利
用することができる。
【0003】
【従来の技術】特開平9−324816号公報にはスク
ロール圧縮機用のスラスト玉軸受が記載されている。図
10および図11に従って説明すると、旋回スクロール
部材1およびハウジング2の螺旋状隔壁1b,2bを組
み合わせて両螺旋状隔壁1b,2b間に圧縮室Pを形成
し、旋回スクロール部材1のハウジング2に対する偏心
回転運動に伴って圧縮室Pの容積を順次変化させること
により、圧縮室P内の流体を圧縮するようにしたもので
ある。
【0004】旋回スクロール部材1の軸心と駆動モータ
5の軸心とは偏心しており(偏心量を符号eで示す)、
駆動モータ5の出力軸5aが回転すると、旋回スクロー
ル部材1が偏心量eに等しい旋回半径で偏心回転する。
このとき、旋回スクロール部材1にはこれを自転させよ
うとする力が働き、また、流体圧縮動作に伴うスラスト
荷重が負荷される。そこで、旋回スクロール部材1とハ
ウジング2(図8に示す構成では、ハウジング2に固定
された静止フレーム3)との間にスラスト玉軸受4を介
在させてある。
【0005】図12に示すように、スラスト玉軸受4
は、一対の軌道輪4a,4bと、これら軌道輪4a,4
bの軌道面4a1,4b1間に介在する複数のボール4c
とで構成される。軌道輪4a,4bは、それぞれ、旋回
スクロール部材1と静止フレーム3の、軸方向に対向し
た装着部1a,3aに固定される。
【0006】図13に示すように、軌道輪4a,4bは
同形状・同寸法のリングであり、その一方の端面には複
数の軌道面4a1,4b1が同一円周上に形成されてい
る。各軌道面4a1,4b1は環状で、断面形状は円弧状
である。各軌道面4a1,4b1に配されたボール4c
は、旋回スクロール部材1の偏心回転に伴って、軌道面
4a1,4b1のピッチ円上を転動する。軌道面4a1,
4b1のピッチ円直径PCDは偏心量eに等しい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】転動体にボールを使用
した玉軸受では、点接触であることから負荷容量を大き
くとることができず、高負荷荷重に要求に対し、軸受負
荷容量の不足という問題がある。
【0008】本発明の目的は、相互間で偏心回転運動を
行う二つの部材間に介在してスラスト荷重を支持する、
高負荷容量のスラスト軸受を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のスラスト軸受は、相互間で偏心回転運動を行う第一の
部材10と第二の部材20との間に介在してスラスト荷
重を支持するスラスト軸受であって、第一の部材10に
固定した第一の軌道輪12と、第二の部材20に固定し
た第二の軌道輪22と、第一の軌道輪12と第二の軌道
輪22との間に配置した中間輪30と、第一の軌道輪1
2と中間輪30との間に配置した複数の第一のころ14
と、第一のころ14を転動軸心が互いに平行になるよう
に保持する第一の保持器16と、第二の軌道輪22と中
間輪30との間に配置した複数の第二のころ24と、第
二のころ24を転動軸心が互いに平行になるように保持
する第二の保持器26とを具備し、第一のころ14の転
動軸心と第二のころ24の転動軸心とが直交してなり、
上記各保持器16;26が、鋼板プレス成型により断面
コの字状に成形するとともに軟窒化処理を施した内蓋1
5aと外蓋15bとで構成されて入れ子状に重ね合わせ
た内蓋15aと外蓋15bが箱型断面を呈し、かつ、上
記ころ14;24により案内されることを特徴とする。
【0010】転動体としてころを採用することにより、
線接触となるため、ボールを使用した玉軸受に比べて負
荷容量を格段に大きくすることができ、長寿命化が図れ
る。ここで、ころの転動は一方向を指向することから、
ボールを転動体とする場合とは異なる偏心回転運動を許
容するための構成が必要である。本発明では、中間輪3
0の両側に第一のころ14と第二のころ24を配置し、
第一のころ14の転動軸心と第二のころ24の転動軸心
とを直交させることによって、オルダムカップリング
(Oldham coupling)と類似の作用で第一の部材10と
第二の部材20との間における偏心回転運動を許容する
ようにしている。
【0011】転動体としてころ14;24を採用したこ
とに伴ない、ころ14;24を保持するための保持器1
6;26を使用する。そして、鋼板プレス成型により成
形した内蓋15aと外蓋15bとで保持器16;26を
構成することで、強度を保持しつつ軽量化を達成したも
のである。また、保持器16;26の軽量化に伴ってそ
の慣性力が低減するため、保持器の、ひいてはスラスト
軸受の耐久性が向上する。さらに、保持器16;26を
箱型とすることで、直動運動するように配列したころ1
4;24を容易に保持することが可能となった。たとえ
ば、ポケット18;28は内蓋15aと外蓋15bに形
成した開口で画成され、内蓋15aと外蓋15bの間は
中空のスペースとなる。したがって、上記開口の幅をこ
ろ14;24の直径よりも小さく設定することにより、
ころ案内形式の保持器構造が容易に実現する。
【0012】保持器16;26の案内形式をころ案内と
することで、保持器16;26と各軌道輪12;22と
の間にすきまを確保し、内方から侵入するCO2冷媒+
PAGオイル(ポリアルキレングリコール)が外方に通
過しやすい構造である。加えて、保持器16;26の案
内形式をころ案内として軌道輪12;22との間および
中間輪30との間にすきまを確保することで、軌道輪1
2;22と保持器16;26とのPAGオイルによる密
着状態(リンギング)を回避し、運転トルクを抑えるこ
とが可能となる。
【0013】保持器の軟窒化処理は、保持器の強度や耐
摩耗性を向上させるため、表面も硬化することが目的で
あり、たとえば浸炭焼入れ等他の表面硬化処理や表面処
理でもかまわないが、処理後の反りを抑えることが困難
であるなどの問題があるため、最も安価で安定した製造
が可能な軟窒化処理が好適である。
【0014】請求項2の発明は、請求項1に記載のスラ
スト軸受において、保持器16;26を構成する内蓋1
5aと外蓋15bのうちのどちらか一方をかしめること
により両者を一体に結合したことを特徴とする。
【0015】請求項3の発明は、請求項1に記載のスラ
スト軸受において、第一の部材10から第一の軌道輪1
2および第一の保持器16を貫通して中間輪30まで延
在する第一のガイドピン11a,11b、ならびに、第
二の部材20から第二の軌道輪22および第二の保持器
26を貫通して中間輪30まで延在する第二のガイドピ
ン21a,21bを具備し、第一のガイドピン11a,
11bが第一のころ14の転動軸線と直交する方向に、
第一の保持器16および中間輪30と干渉することなく
移動可能で、第二のガイドピン21a,21bが第二の
ころ24の転動軸線と直交する方向に、第二の保持器2
6および中間輪30と干渉することなく移動可能とした
ことを特徴とする。
【0016】請求項4の発明は、請求項1ないし3に記
載のスラスト軸受において、軟窒化処理における窒素化
合物を形成する層が、表面から10μm以下であること
を特徴とする。窒素化合物を形成する層の数値の意義を
説明すると、層の厚さが10μmを越えても保持器の摩
耗に対する効果は格段に増加せず、逆に処理時間の増加
により安定して安価に製造することができない。
【0017】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれかに記載のスラスト軸受において、保持器16;2
6の表面硬さが少なくともHV345であることを特徴
とする。表面硬さの数値の意義は、ころ14;24との
接触による保持器の摩耗が表面硬さHV345未満では
大きくなり、短寿命となりやすいためである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図11に関連して既述した
ようなスクロール圧縮機用スラスト軸受に適用した場合
を例にとって、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】図1は、スクロール圧縮機の旋回スクロー
ル部材10とハウジング20との間に設けたスラスト軸
受の断面を示す。図2は図1のII−II線から見た図であ
り、図1はこの図2のA〜F線に沿った段目を示してい
る。スラスト軸受は、二枚の軌道輪12;22と、二組
の保持器付きころ14;24と、中間輪30と、四本の
ガイドピン11a,11b;21a,21b(図6参
照)を有している。
【0020】第一および第二の軌道輪12;22は、旋
回スクロール部材10とハウジング20の、軸方向に対
向した面にそれぞれ固定されている。すなわち、第一の
軌道輪12は旋回スクロール部材10の端面に接し、旋
回スクロール部材10に植え込んだガイドピン11a,
11bによって位置決めと回り止めがなされている。同
様に、第二の軌道輪22は、ハウジング20の端面と接
し、ハウジング20に植え込んだガイドピン21a,2
1bによって位置決めと回り止めがなされている。
【0021】第一の軌道輪12と中間輪30との間に第
一のころ14が介在し、第二の軌道輪22と中間輪30
との間に第二のころ24が介在している。第一のころ1
4は第一の保持器16によって保持され、転動軸心が互
いに平行になっている。また、第二のころ24は第二の
保持器26によって保持され、転動軸心が互いに平行に
なっている。そして、第一のころ14の転動軸心と第二
のころ24の転動軸心とは直交している。
【0022】旋回スクロール部材10が、ハウジング2
0に対して偏心量e(図11)に等しい旋回半径で偏心
回転することにより、両者の螺旋状隔壁1b,2b間に
形成される圧縮室Pが容積変化して、流体の圧縮動作が
行われる。スラスト軸受は、そのような圧縮動作が行わ
れる際の、旋回スクロール部材10の自転を防止すると
ともに、スラスト荷重を支持する役割を果たす。
【0023】第一の軌道輪12と第二の軌道輪22は同
一の形状・寸法である。すなわち、図3に示すように、
これらの軌道輪12;22はたとえば鋼板素材からプレ
ス加工等によってリング状に成形し、円周方向に等間隔
で四つのピン孔12a〜12d;22a〜22dを設け
てある。各ピン孔12a〜12d;22a〜22dはガ
イドピン11a,11b;21a,21bとほぼ同径
で、軌道輪12;22を軸方向に貫通している。軌道輪
12;22は熱処理によってHRC60〜64程度の表
面硬さを備えている。
【0024】中間輪30は、図4に示すようにリング状
で、円周方向に等間隔で四つのピン孔30a〜30dを
設けてある。各ピン孔30a〜30dは中間輪30を軸
方向に貫通するとともに、中間輪30の半径方向に延び
た長孔の形態をしている。中間輪30は熱処理によって
HRC60〜64程度の表面硬さを備えている。
【0025】第一の保持器16と第二の保持器26は同
一の形状・寸法である。すなわち、これらの保持器1
6;26は図5に示すようにリング状である。各保持器
16;26は円周方向に配列した多数のポケット18;
28を有する。図示する実施の形態の場合、ポケット数
は28である。ポケット18;28はころ14;24を
収容するためのもので、保持器16;26を軸方向に貫
通するとともに、互いに平行である。したがって、各保
持器16または26に保持されたころ14または24の
転動軸線が平行となる。各保持器16;26は直径方向
で対向する位置に一対のピン孔16a,16b;26
a,26bを有する。各ピン孔16a,16b;26
a,26bは保持器16;26を軸方向に貫通するとと
もに、保持器16;26の半径方向に延びた長孔の形態
をしている。
【0026】第一および第二の保持器16;26と中間
輪30に設けたピン孔16a,16b;26a,26
b;30a〜30dの長手方向の寸法は、第一および第
二のガイドピン11a,11b;21a,21bがピン
孔の長手方向の一端から他端まで移動し得る距離が旋回
スクロール部材10とハウジング20との偏心量eに相
当するように設定する。これにより、旋回スクロール部
材10とハウジング20との間の旋回回転運動の規制が
なされる。また、ピン孔16a,16b;26a,26
b;30a〜30dの幅寸法は、第一および第二のガイ
ドピン11a,11b;21a,21bがピン孔の長手
方向に円滑に移動できる程度に、第一および第二のガイ
ドピン11a,11b;21a,21bの外径よりも僅
かに大きく設定する。
【0027】上述のとおり第一の保持器16と第二の保
持器26は同一の形状・寸法であるが、図1および図6
から理解できるように、第一および第二のころ14;2
4の転動軸線が直交する向きに組み合わせて使用され
る。なお、図6ではころの図示を省略してある。そし
て、第一のガイドピン11a,11bはその一端を旋回
スクロール部材10に植え込んであり、他端は第一の軌
道輪12のピン孔12a,12cと第一の保持器16の
ピン孔16a,16bを貫通して中間輪30のピン孔3
0a,30cに進入している。また、第二のガイドピン
21a,21bはその一端をハウジング20に植え込ん
であり、他端は第二の軌道輪22のピン孔22d,22
bと第二の保持器26のピン孔26a,26bを貫通し
て中間輪30のピン孔30d,30bに進入している。
【0028】図7〜図9は保持器16;26の詳細を示
す。この保持器は、図7(A)に示すように平面形状は
図5と変わりがないが、図7(B)から分かるように内
蓋15aと外蓋15bとで構成されている。内蓋15a
と外蓋15bは鋼板プレス成型により図示するような所
定形状、すなわち、内周と外周に軸方向に立ち上がった
同心状のリムをもつコの字状断面(図8(C)および図
9(C)参照)を有する。そして、図7(C)に示すよ
うに、内蓋15aのリムの外側に外蓋15bのリムを被
せて内蓋15aと外蓋15bを入れ子状に重ね合わせ
て、内蓋15aに被さった外蓋15bの端縁をかしめる
ことにより両者を一体に結合してある。
【0029】ころ14;24を収容するためのポケット
18;28は内蓋15aと外蓋15bに形成した矩形の
開口で画成され、内蓋15aと外蓋15bとの間は中空
のスペースとなる。したがって、上記開口の長辺間の距
離をころ14;24の直径よりも小さく設定すること
で、上記開口(ポケット)の長辺がころ案内部となるこ
ろ案内形式の保持器構造が得られる。図7(C)から理
解できるとおり、内蓋15aおよび外蓋15bから突出
したころ16;26の突出量が、保持器16;26と軌
道輪12a;12bおよび中間輪30との間に形成され
るすきまに相当する。ころ案内形式とすることにより、
保持器が軌道輪と摺動する軌道輪案内形式の場合に比べ
て、保持器16;26と軌道輪12;22および中間輪
30との間に十分なすきまを確保することができるの
で、CO2+PAGオイルのような流体の通過を容易に
するばかりでなく、PAGオイルの介在による密着状態
(リンギング)を回避することができる。
【0030】また、この実施の形態では、内蓋15aと
外蓋15bにバーリングを施すことによってピン孔16
a;16bが加工されている。バーリングによってピン
孔16a,16bの加工と同時に筒部15c,15dが
形成される。この筒部15c,15dは、ピン孔16
a;16bの周壁を提供するとともに、内蓋15aの筒
部15cと外蓋15bの筒部15dとが嵌合することに
より内蓋15aと外蓋15bとの位置決めおよび回り止
めの役割を果たす。内蓋15aと外蓋15bにそれぞれ
設けた開口の対でもってポケット18;28が構成され
るため、内蓋15aと外蓋15bの周方向の位相を正確
に一致させる必要があるところ、筒部どうしを嵌合させ
ることによって、組立の際の位置決めが容易となり、か
つ、使用中の確実な回り止め、ずれ防止が図られる。
【0031】保持器16;26は、表面硬さを少なくと
もHV345とするために軟窒化処理を施す。軟窒化処
理における窒素化合物を形成する層は表面から10μm
以下とする。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、転動軸心を直交させた
一対のころ群14;24を使用することによって第一の
部材10と第二の部材20との間における偏心回転運動
を許容するようにしたので、ボールを使用した従来のス
ラスト玉軸受に比べて負荷容量が格段に大きく、長寿命
のスラスト軸受を提供することができる。また、ころを
用いた転がり接触であるため、運転トルクを抑えること
ができ、出力損失低減が図れる。かくしてスクロール圧
縮機用をはじめとする高負荷容量のスラスト軸受の構成
が実現する。
【0033】鋼板プレス成型により成形した内蓋15a
と外蓋15bとで保持器16;26を構成することで、
強度を保持しつつ軽量化を達成したものである。保持器
16;26の軽量化に伴ってその慣性力が低減するた
め、保持器の、ひいてはスラスト軸受の耐久性も向上す
る。また、保持器16;26を箱型とすることで、直動
運動するように配列したころ14;24を保持するため
の、ころ案内形式の保持器構造が容易に実現する。さら
に、保持器16;26の案内形式をころ案内とすること
で、保持器16;26と各軌道輪12;22との間およ
び保持器16;26と中間輪30との間にすきまを確保
することができるため、スラスト軸受に侵入するCO2
冷媒+PAGオイルが通過しやすくなるばかりでなく、
保持器16;26と軌道輪12;22、および、保持器
16;26と中間輪30とが密着状態(リンギング)と
なる不具合を回避して運転トルクを抑えることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スクロール圧縮機におけるスラスト軸受部分を
示す断面図である。
【図2】図1のII−II線矢視図である。
【図3】図1における軌道輪の平面図である。
【図4】図1における保持器の平面図である。
【図5】図1における中間輪の平面図である。
【図6】図1に示すスラスト軸受の分解斜視図である。
【図7】(A)は保持器の平面図、(B)は図7(A)
におけるB−B線断面図、(C)は図7(B)における
C部の拡大図である。
【図8】(A)は内蓋の平面図、(B)は図8(A)に
おけるB−B線断面図、(C)は図8(B)におけるC
部拡大図である。
【図9】(A)は外蓋の平面図、(B)は図9(A)に
おけるB−B線断面図、(C)は図9(B)におけるC
部拡大図である。
【図10】スクロール圧縮機の原理を説明する概念図で
ある。
【図11】従来の技術を示すスクロール圧縮機の概略断
面図である。
【図12】図11のスラスト玉軸受部分の拡大図であ
る。
【図13】図11における装着部の平面図である。
【符号の説明】
10 旋回スクロール部材 12 第一の軌道輪 12a〜12d 第一のピン孔 14 第一のころ 15a 内蓋 15b 外蓋 15c 筒部 15d 筒部 16 第一の保持器 16a,16b ピン孔 18 ポケット 20 ハウジング 22 第二の軌道輪 22a〜22d ピン孔 24 第二のころ 25a 内蓋 25b 外蓋 25c 筒部 25d 筒部 26 第二の保持器 26a,26b ピン孔 28 ポケット 30 中間輪 30a〜30d ピン孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 治雄 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 林 哲也 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内 (72)発明者 中野 賀泰 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内 (72)発明者 北川 勝 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA21 AB03 BB44 CC18 3H039 AA03 AA12 BB05 CC04 CC22 3J101 AA13 AA27 AA32 AA42 AA53 AA63 AA71 BA35 BA46 BA47 DA02 DA09 EA02 FA15 GA29

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互間で偏心回転運動を行う第一の部材
    と第二の部材との間に介在してスラスト荷重を支持する
    スラスト軸受であって、 第一の部材に固定した第一の軌道輪と、 第二の部材に固定した第二の軌道輪と、 第一の軌道輪と第二の軌道輪との間に配置した中間輪
    と、 第一の軌道輪と中間輪との間に配置した複数の第一のこ
    ろと、 第一のころを転動軸心が互いに平行になるように保持す
    る第一の保持器と、 第二の軌道輪と中間輪との間に配置した複数の第二のこ
    ろと、 第二のころを転動軸心が互いに平行になるように保持す
    る第二の保持器とを具備し、第一のころの転動軸心と第
    二のころの転動軸心とが直交してなり、上記各保持器
    が、鋼板プレス成型により断面コの字状に成形するとと
    もに軟窒化処理を施した内蓋と外蓋とで構成されて入れ
    子状に重ね合わせた内蓋と外蓋が箱型断面を呈し、か
    つ、上記ころにより案内されることを特徴とするスラス
    ト軸受。
  2. 【請求項2】 保持器を構成する内蓋と外蓋のうちのど
    ちらか一方をかしめることにより両者を一体に結合した
    ことを特徴とする請求項1に記載のスラスト軸受。
  3. 【請求項3】 第一の部材から第一の軌道輪および第一
    の保持器を貫通して中間輪まで延在する第一のガイドピ
    ン、ならびに、第二の部材から第二の軌道輪および第二
    の保持器を貫通して中間輪まで延在する第二のガイドピ
    ンを具備し、第一のガイドピンが第一のころの転動軸線
    と直交する方向に、第一の保持器および中間輪と干渉す
    ることなく移動可能で、第二のガイドピンが第二のころ
    の転動軸線と直交する方向に、第二の保持器および中間
    輪と干渉することなく移動可能としたことを特徴とする
    請求項1に記載のスラスト軸受。
  4. 【請求項4】 軟窒化処理における窒素化合物を形成す
    る層が、表面から10μm以下であることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載のスラスト軸受。
  5. 【請求項5】 保持器の表面硬さが少なくともHV34
    5であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    に記載のスラスト軸受。
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