JP2002229165A - 写真要素 - Google Patents

写真要素

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JP2002229165A
JP2002229165A JP2001382701A JP2001382701A JP2002229165A JP 2002229165 A JP2002229165 A JP 2002229165A JP 2001382701 A JP2001382701 A JP 2001382701A JP 2001382701 A JP2001382701 A JP 2001382701A JP 2002229165 A JP2002229165 A JP 2002229165A
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coupler
photographic element
couplers
photographic
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JP2001382701A
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Janet N Younathan
ナディア ユナサン ジャネット
Daniel Lawrence Kapp
ローレンス カップ ダニエル
Stephen P Singer
ポール シンガー スティーブン
David R Foster
ロバート フォスター デビッド
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Eastman Kodak Co
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Eastman Kodak Co
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    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
    • G03C7/30Colour processes using colour-coupling substances; Materials therefor; Preparing or processing such materials
    • G03C7/32Colour coupling substances
    • G03C7/333Coloured coupling substances, e.g. for the correction of the coloured image
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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    • G03C7/00Multicolour photographic processes or agents therefor; Regeneration of such processing agents; Photosensitive materials for multicolour processes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真製品の性能の顕著な低下を招かずにハロ
ゲン化銀乳剤の存在下で加熱できるアゾピラゾロンマス
キングカプラーを含む写真要素を提供すること。 【解決手段】 アゾピラゾロンマスキングカプラーと式
I: 【化1】 (式中、Rはアシル基、アルキル基、アリール基、アル
コキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモ
イル基、ハロゲン基、シアノ基、チオール基、ヒドロキ
シ基、ニトロ基、アシルオキシ基、スルホニルオキシ
基、複素環式基、カルボン酸基、カルボキシレート基、
カルバモイル基、アミノ基、カルボンアミド基およびス
ルホンアミド基からなる群から選ばれる)により表され
る一置換キノンとを含む感光性ハロゲン化銀乳剤層を含
んで成る写真要素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アゾピラゾロンマ
スキングカプラーと一置換キノンとを含む感光性ハロゲ
ン化銀乳剤層を含んで成るハロゲン化銀写真要素に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カラー写真画像を生成させるための材料
を製造するため、不活性な支持体上に少なくとも3つの
層をコートする。各層は、発色現像主薬酸化体と反応し
た場合にイエロー、マゼンタまたはシアン色素を形成す
ることのできる写真カプラーと感光性ハロゲン化銀乳剤
とを含む。写真カプラーと感光性ハロゲン化銀乳剤は、
ゼラチン中に懸濁され、均一ではあるが室温で固体であ
り塗布できない混合物をもたらす。塗布に先立って、こ
の混合物は、製造デリバリーラインをスムーズに流れて
不活性な支持体上に塗布されるように45℃で溶融する
ものでなくてはならない。
【0003】大規模製造工程で、ゼラチン乳剤−カプラ
ー混合物は、往々にして45℃に最大16時間保たれ
る。都合の悪いことに、混合物のスムーズな流れにとっ
て必要なこの長時間の加熱は、得られる写真製品の性能
にカブリの増加、コントラストの減少およびスピードの
低下等の悪影響を及ぼすことがある。この欠点を克服す
るため、溶融した感光性ハロゲン化銀乳剤と溶融した写
真カプラーとを別々にしておき、もっぱらコーティング
の直前でそれらを混合することが通常行われている。
【0004】溶融したハロゲン化銀乳剤と溶融した写真
カプラーとを別々にしておくことによって混合物を有効
に安定化し、得られる製品におけるカブリの増加、コン
トラストの減少およびスピードの低下は抑えられるが、
製造の容易さの観点からハロゲン化銀乳剤とカプラーの
両方が1つの容器中に存在することが好ましい。フィル
ム製品の製造において、混合物の数が少ないほど取り扱
いがより単純になり、デリバリーラインがより少なくて
済む。使用しないデリバリーラインを、今度は、写真性
能を高めるための追加の層に振り向けることができる。
従って、所定のカラー層のための感光性ハロゲン化銀乳
剤と写真カプラーとが単一の混合物として熱的に安定で
あることが好ましい。
【0005】任意のカラー層のための溶融したカプラー
−乳剤混合物は、ハロゲン化銀乳剤とカプラーとが組み
合わされコーティングに先立って加熱される場合に、熱
不安定性を潜在的に示す。しかしながら、我々の経験か
ら、アゾピラゾロンマゼンタマスキングカプラーとハロ
ゲン化銀乳剤を含む混合物が、特に、この傾向にあるこ
とが判っている。アゾピラゾロンマスキングカプラーは
当該技術分野でよく知られている。例えば、米国特許第
2,428,034号、第2,434,272号、第
2,455,170号、第2,688,539号、第
2,704,711号、第2,808,329号、第
3,476,560号、第3,796,574号、第
4,427,763号および第4,777,123号明
細書並びにヨーロッパ特許第213,490号明細書を
参照されたい。マスキングカプラーは、ほとんどのマゼ
ンタ写真色素に典型的な望ましくない青吸収を補正する
ことに有用であることが判っている。黄色のマゼンタマ
スキングカプラーは、フィルムの非露光領域で青吸収を
示す。露光された領域では、マスキングカプラーが発色
現像主薬酸化体と反応してマゼンタ色素を生成させるた
め、この青吸収は消失する。マスキング色素に由来する
青濃度のこの消失は、マゼンタ画像形成色素に由来する
青濃度の増加によって同時に相殺される。従って、マゼ
ンタ画像形成色素と未反応のマスキング色素の組み合わ
せは画像形成スケール全体にわたって低レベルの青色光
を一様に吸収し、マゼンタ画像形成色素だけに固有の望
ましくない青吸収を有効に打ち消す。
【0006】黄色を呈するアゾピラゾロンマスキングカ
プラーは、マゼンタ写真色素の望ましくない青吸収を補
正する手段として使用されてきたが、感光性ハロゲン化
銀乳剤とアゾピラゾロンマスキングカプラーの両方を含
む1つの溶融混合物から優れた製品を製造することは特
に困難である。この溶融混合物の熱不安定性は得られる
写真製品に引き継がれ、乳剤とカプラーとを別々に調製
して製造される製品と比較して、高いカブリ、低いコン
トラストおよびスピードの低下を示し、特にカブリの増
大が顕著である。アゾピラゾロンマスキングカプラーに
よりもたらされるカブリを軽減するために幾つかの添加
剤がこれまで提案されており、その中には、低インパク
ト現像抑制剤放出カプラー(米国特許第5,641,6
13号明細書)およびバラスト化ニトロ芳香族化合物
(米国特許第5,466,568号明細書)がある。し
かしながら、これらの発明は、現像工程の間に発生する
カブリを主に低減し、塗布に先立って溶融した乳剤−カ
プラー混合物を安定化することに関してはほとんどまた
は全く有効でない。
【0007】得られる写真製品に劣った性能をもたらす
ことなく、アゾピラゾロンマスキングカプラーを含むゼ
ラチン混合物をハロゲン化銀乳剤と同時に加熱できる写
真要素を製造することが望ましい。我々は、特定のキノ
ン類が、得られる製品の性能に顕著な影響を及ぼさずに
アゾピラゾロンマスキングカプラーとハロゲン化銀乳剤
とを含む混合物を1つの容器中で16時間加熱および保
持できるように熱により誘発される分解に対抗して安定
化し、そしてさらに、露光および現像前の長期間貯蔵中
のカブリの望ましくない増加を制御することを促進する
ことを発見した。当該技術分野では、写真性能を向上さ
せるために特定のキノン類およびヒドロキノン類を使用
することが知られている。例えば、米国特許第4,94
5,031号、第5,082,764号、第5,10
4,774号および第5,264,332号を参照され
たい。これらの特許では、シアンカプラーの処理時間を
減少させるために耐拡散性キノンが使用されている。し
かしながら、これらの発明では、キノンとアゾピラゾロ
ンマゼンタマスキングカプラーを組み合わせることのの
有利な効果は示唆されておらず、実際に、あるキノンも
しくはあるヒドロキノンまたは両方の組み合わせが特許
に係る目的に有効であると開示されている。また、当該
技術分野では、写真カブリの形成を低減するためにキノ
ン類およびヒドロキノン類を使用することが知られてい
る。例えば、米国特許第4,277,558号は、特定
のイエロー色素形成カプラーとの組み合わせで、カブリ
を低減するために耐拡散性のキノンおよびヒドロキノン
に頼っている。本発明者は、この特許に教示されている
二置換キノンは、特定のイエロー色素形成カプラーに由
来するカブリを抑制することに有効ではあるが、アゾピ
ラゾロンマスキングカプラーにより形成されるカブリを
有効に妨げないことを確認した。従って、先に言及した
発明のいずれも、本発明の目的を満足しない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】解決すべき課題は、得
られる写真製品の性能の顕著な低下を招くことなくハロ
ゲン化銀乳剤の存在下で加熱できるアゾピラゾロンマス
キングカプラーを含む写真要素を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、アゾピラゾロ
ンマスキングカプラーと式I:
【0010】
【化2】
【0011】(式中、Rはアシル基、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、スルフィニル基、スルホニル
基、スルファモイル基、ハロゲン基、シアノ基、チオー
ル基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アシルオキシ基、スル
ホニルオキシ基、複素環式基、カルボン酸基、カルボキ
シレート基、カルバモイル基、アミノ基、カルボンアミ
ド基およびスルホンアミド基からなる群から選ばれる)
により表される一置換キノンとを含む感光性ハロゲン化
銀乳剤層を含んで成る写真要素を提供する。本発明は、
本発明の写真要素を使用する改良された画像形成方法も
提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、概して、以下に説明す
るとおりである。本発明において有用なキノンは、式
I:
【0013】
【化3】
【0014】[式中、Rは、アルキル(直鎖アルキル、
分枝アルキルおよびシクロアルキルを包含)、アリー
ル、アルコキシまたはアリールオキシ、アルキルチオも
しくはアリールチオ、スルホキシル、スルホニル、
【0015】
【化4】
【0016】ハロゲン、例えばフルオロ、クロロ、ブロ
モもしくはヨード、−O−CO−、−O−SO2−、複
素環式基、例えばフラニルもしくはモルホリノ、カルボ
ニル基、例えばケト、カルボン酸(−CO2H)、カル
ボン酸エステル(−CO2−)もしくは
【0017】
【化5】
【0018】またはアミノ基、例えば第1級、第2級も
しくは第3級置換窒素、カルボンアミド(>NCO−)
もしくはスルホンアミド(>NSO2-)からなる群から
選ばれる置換基であるのが適切である]により表され
る。どんな場合でも、キノン核の代わりの互変異性構造
体を書くことができ、それらは化学的に等価であると見
なせ、本発明の構成要素であることに注意されたい。
【0019】本発明の利点は、その後にコーティングさ
れる写真層の最終的なセンシトメトリー特性に顕著な影
響を及ぼさずに、感光性乳剤およびカプラー(アゾピラ
ゾロンマスキングカプラーを含む)を製造中に1つの容
器中で45℃で最大16時間加熱できることにある。さ
らに、一置換キノンの存在は、露光および貯蔵に先立つ
長期間貯蔵中のフィルムのカブリの望ましくない増加を
制御するのを助ける。フィルム要素中での移動性および
拡散を制限するために、キノンのR置換基が十分な大き
さを有するものであるとともに分子に十分な油溶性を付
与することが好ましい。Rが最低6個、より好ましくは
少なくとも8個、最も好ましくは少なくとも10個の炭
素原子を含むことが望ましい。Rがアルキル(直鎖アル
キル、シクロアルキルおよび分枝アルキルを包含)、ア
リール、アミノ、アルコキシまたはアリールオキシ基が
好ましく、Rがアルキル、アリールまたはアミノ基であ
るものが特に好ましい。本発明において使用するのに適
するキノンの例を以下に示す。
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】本発明において有用なキノンおよびマスキ
ングカプラーは、製造中にフィルム要素に直接加えら
れ、いずれの現像液の構成要素でもない。本発明のキノ
ンは、コーティング前にハロゲン化銀を含む混合物に加
えられることが好ましいが、コーティングの直前もしく
はコーティングの間にハロゲン化銀と混合してもよい。
いずれの場合でも、カプラー、ドクター、界面活性剤、
硬膜剤およびそのような溶液中に典型的に存在する他の
物質のような追加成分が同時に存在していてもよい。本
発明において有用なキノンは、メタノール、アセトン等
の水混和性有機溶液中に溶解させた場合に、またはより
好ましくは分散体として、直接加えることができる。分
散体は、通常はバインダーまたはゼラチン等のマトリッ
クスとの組み合わせで適切な界面活性剤または界面活性
作用のある薬剤により安定化された安定な微細に分割さ
れた状態で疎水性有機溶剤(往々にして、カプラー溶剤
または持久性溶剤(permanent solvent)と呼ばれる)
中に当該物質を含む。分散体は、当該物質を溶解しそれ
を液体状態にとどめておく1種以上の持久性溶剤を含ん
でよい。適切な持久性溶剤の幾つかの例には、トリクレ
シルホスフェート、N,N−ジエチルラウラミド、N,
N−ジブチルラウラミド、p−ドデシルフェノール、ジ
ブチルフタレート、ジ−n−ブチルセバケート、N−n
−ブチルアセトアニリド、9−オクタデセン−1−オー
ル、ortho−メチルフェニルベンゾエート、トリオクチ
ルアミンおよび2−エチルヘキシルホスフェートがあ
る。好ましい種類の溶剤は、カルボンアミド類、ホスフ
ェート類、アルコール類およびエステル類である。溶剤
が存在する場合に、溶剤に対する全化合物の質量比は好
ましくは少なくとも1:0.5、最も好ましくは少なく
とも1:1である。この分散体は、成分を最初に溶解さ
せるための補助的なカプラー溶剤を必要とすることがあ
るが、この補助的なカプラー溶剤は、通常、蒸発または
追加の水を用いる洗浄によって、その後除去される。適
切な補助的なカプラー溶剤の幾つかの例には、エチルア
セテート、シクロヘキサノンおよび2−(2−ブトキシ
エトキシ)エチルアセテートがある。分散体は、安定な
ラテックスを形成するようにポリマー物質の添加により
安定化することもできる。この用途に適するポリマーの
例は、概して、水可溶化基を含むか、または高親水性の
領域を有する。好適な分散助剤または界面活性剤の幾つ
かの例にはAlkanol(商標)XCまたはサポニンがある。
全ての成分が同じ油滴中に存在するように、画像カプラ
ーまたは現像主薬酸化体スカベンジャー等の系の別の成
分をさらに添加できる。本発明の物質を、固体粒子分散
体として、すなわち微粉砕(機械的手段を通じて)され
た化合物のスラリーまたは懸濁液として組み込むことも
できる。これらの固体粒子分散体は、当該技術分野で知
られているような界面活性剤および/またはポリマー物
質によりさらに安定化できる。また、活性(activity)
を高めるのを助けるために、さらなる持久性溶剤を固体
粒子分散体に添加することができる。
【0026】本発明のキノンは、アゾピラゾロンマスキ
ングカプラーとの均質混合物として分散させるのが好ま
しい。マスキングカプラーに対するキノンのモル比は
1:100〜100:1、より好ましくは1:5〜5:
1、最も好ましくは1:2〜2:1である。先に述べた
ように、本発明において有用なアゾピラゾロンマスキン
グカプラーは当該技術分野でよく知られている。有用な
アゾピラゾロンは、例えば米国特許第5,641,61
3号および第5,466,568号明細書(それらの内
容は全てここに含まれていることにする)に記載されて
いる。そのような物質の一般構造は次式:CP−N=N
−ARで表される。この式において、CPは5−ピラゾ
ロンマゼンタカプラー残基(ただし、アゾ基がピラゾロ
ンの活性部位に4位で結合している)を表し、ARはア
リールまたは芳香族複素環式基を表す。CPにより表さ
れるマゼンタカプラー残基は、式:
【0027】
【化11】
【0028】(式中、R1は置換されたまたは未置換の
アリールもしくは芳香族複素環式基を表し、R2は置換
されたまたは未置換のアシルアミノ基、アニリノ基、ウ
レイド基もしくはカルバモイル基を表し、点線はアゾ結
合を表す)により表される。R1およびR2は典型的には
1〜42個の炭素原子を含む。R1として好ましい基
は、1〜5個のハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル
基、スルファモイル、スルホニル、カルバモイルもしく
はカルボン酸エステルまたはこれらの組み合わせにより
置換されていてもよいフェニル基である。R2として好
ましい基は置換アニリノ基またはアシルアミノ基であ
る。
【0029】ARにより表されるアリールまたは芳香族
複素環式基は、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル
基、ヒドロキシル基、カルボンアミド基、スルホンアミ
ド基等により置換されているのが適切である。これらの
置換基のいかなる組み合わせが存在していてもよく、ア
リール環の場合には5個以下の置換基が、ナフチル基の
場合には9個以下の置換基が存在することができる。特
に好ましいAR基は、少なくとも1個のアルキル、アル
キルオキシ、ヒドロキシもしくはアシルアミド基または
これらの組み合わせにより置換されたフェニル基であ
る。上記式により表されるアゾピラゾロンマスキングカ
プラーの例を以下に示すが、決してこれらに限定されな
い。
【0030】
【化12】
【0031】
【化13】
【0032】
【化14】
【0033】
【化15】
【0034】本発明において有用なキノンおよびアゾピ
ラゾロンカプラーは、いかなる既知の種類のマゼンタ画
像カプラーまたはいかなる他の種類のマゼンタ色素形成
カプラー(例えばマゼンタ現像抑制剤放出カプラー)と
も併用できる。本発明において使用することに特に有用
なマゼンタカプラーは、マゼンタピラゾロンカプラーま
たは二環式アゾールカプラー、例えばピラゾロトリアゾ
ール類である。好適なマゼンタピラゾロンカプラーは、
式:
【0035】
【化16】
【0036】(式中、Xは水素またはカップリング離脱
基であり、R3はフェニル環またはカルボニルであり、
4はハロゲン原子であり、nは1〜5である)により
表される。好適な二環式アゾールカプラーは式:
【0037】
【化17】
【0038】(式中、Xは水素またはカップリング離脱
基であり、R5およびR6はアルキル基、アリール基、ア
ルキルオキシ基、アリールオキシ基またはアミノ基から
独立に選ばれる)により表される。これらの式により表
される具体的なマゼンタ画像カプラーの例を以下に示す
が、決してこれらに限定されない。
【0039】
【化18】
【0040】
【化19】
【0041】
【化20】
【0042】特に断らない限り、「置換された」または
「置換基」なる用語は、任意の基または水素以外の原子
を意味する。さらに、「基」という用語を使用する場
合、置換基が置換可能な水素を含むときに、その用語
は、その置換基の未置換の形態のみならず、本明細書に
挙げるいずれかの基(複数であってもよい)でさらに置
換された形態をも包含することも意図する。ただし、そ
の置換基が、写真用途に必要な性質を損なわないことを
条件とする。好適には、置換基はハロゲンであってもよ
く、または炭素、ケイ素、酸素、窒素、リンまたは硫黄
の原子によって分子の残りの部分に結合されていてもよ
い。この置換基は、例えば、ハロゲン、例えば塩素、臭
素もしくはフッ素;ニトロ;ヒドロキシル;シアノ;カ
ルボキシル;アルキル(直鎖もしくは分枝または環状ア
ルキルを包含する)、例えばメチル、トリフルオロメチ
ル、エチル、t−ブチル、3−(2,4−ジ−t−ペン
チルフェノキシ)プロピルおよびテトラデシル;アルケ
ニル、例えばエチレン、2−ブテン;アルコキシ、例え
ばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、2−メ
トキシエトキシ、sec−ブトキシ、ヘキシルオキシ、2
−エチルヘキシルオキシ、テトラデシルオキシ、2−
(2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)エトキシおよ
び2−ドデシルオキシエトキシ;アリール、例えばフェ
ニル、4−t−ブチルフェニル、2,4,6−トリメチ
ルフェニル、ナフチル;アリールオキシ、例えばフェノ
キシ、2−メチルフェノキシ、α−もしくはβ−ナフチ
ルオキシ、および4−トリルオキシ;カルボンアミド、
例えばアセトアミド、ベンズアミド、ブチルアミド、テ
トラデカンアミド、α−(2,4−ジ−t−ペンチルフ
ェノキシ)アセトアミド、α−(2,4−ジ−t−ペン
チルフェノキシ)ブチルアミド、α−(3−ペンタデシ
ルフェノキシ)−ヘキサンアミド、α−(4−ヒドロキ
シ−3−t−ブチルフェノキシ)−テトラデカンアミ
ド、2−オキソ−ピロリジン−1−イル、2−オキソ−
5−テトラデシルピロリン−1−イル、N−メチルテト
ラデカンアミド、N−スクシンイミド、N−フタルイミ
ド、2,5−ジオキソ−1−オキサゾリジニル、3−ド
デシル−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリルおよびN
−アセチル−N−ドデシルアミノ、エトキシカルボニル
アミノ、フェノキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシ
カルボニルアミノ、ヘキサデシルオキシカルボニルアミ
ノ、2,4−ジ−t−ブチルフェノキシカルボニルアミ
ノ、フェニルカルボニルアミノ、2,5−(ジ−t−ペ
ンチルフェニル)カルボニルアミノ、p−ドデシルフェ
ニルカルボニルアミノ、p−トリルカルボニルアミノ、
N−メチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N−
メチル−N−ドデシルウレイド、N−ヘキサデシルウレ
イド、N,N−ジオクタデシルウレイド、N,N−ジオ
クチル−N’−エチルウレイド、N−フェニルウレイ
ド、N,N−ジフェニルウレイド、N−フェニル−N−
p−トリルウレイド、N−(m−ヘキサデシルフェニ
ル)ウレイド、N,N−(2,5−ジ−t−ペンチルフ
ェニル)−N’−エチルウレイドおよびt−ブチルカル
ボンアミド;スルホンアミド、例えばメチルスルホンア
ミド、ベンゼンスルホンアミド、p−トリルスルホンア
ミド、p−ドデシルベンゼンスルホンアミド、N−メチ
ルテトラデシルスルホンアミド、N,N−ジプロピル−
スルファモイルアミノおよびヘキサデシルスルホンアミ
ド;スルファモイル、例えばN−メチルスルファモイ
ル、N−エチルスルファモイル、N,N−ジプロピルス
ルファモイル、N−ヘキサデシルスルファモイル、N,
N−ジメチルスルファモイル、N−[3−(ドデシルオ
キシ)プロピル]スルファモイル、N−[4−(2,4
−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチル]スルファモイ
ル、N−メチル−N−テトラデシルスルファモイルおよ
びN−ドデシルスルファモイル;カルバモイル、例えば
N−メチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイ
ル、N−オクタデシルカルバモイル、N−[4−(2,
4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチル]カルバモイ
ル、N−メチル−N−テトラデシルカルバモイルおよび
N,N−ジオクチルカルバモイル;アシル、例えばアセ
チル、(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)アセチ
ル、フェノキシカルボニル、p−ドデシルオキシフェノ
キシカルボニル、メトキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、テトラデシルオキシカルボニル、エトキシカルボ
ニル、ベンジルオキシカルボニル、3−ペンタデシルオ
キシカルボニルおよびドデシルオキシカルボニル;スル
ホニル、例えばメトキシスルホニル、オクチルオキシス
ルホニル、テトラデシルオキシスルホニル、2−エチル
ヘキシルオキシスルホニル、フェノキシスルホニル、
2,4−ジ−t−ペンチルフェノキシスルホニル、メチ
ルスルホニル、オクチルスルホニル、2−エチルヘキシ
ルスルホニル、ドデシルスルホニル、ヘキサデシルスル
ホニル、フェニルスルホニル、4−ノニルフェニルスル
ホニルおよびp−トリルスルホニル;スルホニルオキ
シ、例えばドデシルスルホニルオキシおよびヘキサデシ
ルスルホニルオキシ;スルフィニル、例えばメチルスル
フィニル、オクチルスルフィニル、2−エチルヘキシル
スルフィニル、ドデシルスルフィニル、ヘキサデシルス
ルフィニル、フェニルスルフィニル、4−ノニルフェニ
ルスルフィニルおよびp−トリルスルフィニル;チオ、
例えばエチルチオ、オクチルチオ、ベンジルチオ、テト
ラデシルチオ、2−(2,4−ジ−t−ペンチルフェノ
キシ)エチルチオ、フェニルチオ、2−ブトキシ−5−
t−オクチルフェニルチオおよびp−トリルチオ;アシ
ルオキシ、例えばアセチルオキシ、ベンゾイルオキシ、
オクタデカノイルオキシ、p−ドデシルアミドベンゾイ
ルオキシ、N−フェニルカルバモイルオキシ、N−エチ
ルカルバモイルオキシおよびシクロヘキシルカルボニル
オキシ;アミノ、例えばフェニルアニリノ、2−クロロ
アニリノ、ジエチルアミン、ドデシルアミン;イミノ、
例えば1−(N−フェニルイミド)エチル、N−スクシ
ンイミドまたは3−ベンジルヒダントイニル;ホスフェ
ート、例えばジメチルホスフェートおよびエチルブチル
ホスフェート;ホスフィット、例えばジエチルホスフィ
ットおよびジヘキシルホスフィット;複素環式基、複素
環式オキシ基または複素環式チオ基(これらの各々は置
換されていてもよく、酸素、窒素および硫黄からなる群
より選ばれる少なくとも1つのヘテロ原子と炭素原子と
を含んでなる3〜7員複素環を含む)、例えば2−フリ
ル、2−チエニル、2−ベンゾイミダゾリルオキシまた
は2−ベンゾチアゾリル;第四級アンモニウム、例えば
トリエチルアンモニウム;およびシリルオキシ、例えば
トリメチルシリルオキシなどの基(さらに置換されてい
てもよい)であってもよい。
【0043】所望であれば、これらの置換基は、それら
自体が、上記の置換基でさらに1回以上置換されていて
もよい。使用される個々の置換基は、個々の用途に望ま
れる写真特性を達成するように当業者が選ぶことがで
き、例えば疎水性基、可溶化基、ブロッキング基、放出
性のまたは放出可能な基等を含むことができる。1つの
分子が2個以上の置換基を含む場合に、特に断らない限
り、置換基が結合し合って縮合環等の環を形成していて
もよい。一般的に、上記の基およびそれらの置換基は、
48個以下の炭素原子、典型的には1〜36個の炭素原
子、通常は24個未満の炭素原子を有するものを含んで
いるけれども、選択される個々の置換基に応じて、より
大きい数も可能である。
【0044】本発明の物質は、当該技術分野で知られて
いるいかなる方式でいかなる組み合わせでも使用でき
る。典型的には、本発明の物質は、溶融体中に添合さ
れ、本明細書で述べるように支持体上にコートされ、写
真要素の構成要素を形成する。「関連する」なる用語を
使用する場合、この用語は、反応性化合物が、特定の層
中または特定の層に近接して存在し、そこで処理中に他
の成分と反応できることを意味する。
【0045】様々な成分の移行を制御するために、高分
子量疎水性基または「バラスト」基を分子中に含めるこ
とが望ましい場合がある。代表的なバラスト基として
は、8〜42個の炭素原子を含む置換されたまたは未置
換のアルキルもしくはアリール基が挙げられる。そのよ
うな基の代表的な置換基としては、アルキル基、アリー
ル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
基、ヒドロキシ基、ハロゲン基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、カルボキシ基、アシ
ル基、アシルオキシ基、アミノ基、アニリノ基、カルボ
ンアミド基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、スルホンアミド基およびスルフ
ァモイル基が挙げられ、これらの置換基は典型的には1
〜42個の炭素原子を含む。そのような置換基はさらに
置換されていてもよい。
【0046】写真要素は、単色要素または多色要素であ
ることができる。多色要素は、スペクトルの三つの主領
域の各々に感受性の画像色素形成ユニットを含む。各々
のユニットは、スペクトルの所定の領域に感受性の単一
の乳剤層または複数の乳剤層を含むことができる。要素
を構成する層(画像形成ユニットを構成する層を含む)
は、当該技術分野において知られている種々の順序で配
列することができる。代替的なフォーマットでは、スペ
クトルの三つの主領域の各々に感受性の乳剤を単一のセ
グメント化された層として配置することができる。
【0047】典型的な多色写真要素は、少なくとも1種
のシアン色素形成カプラーを関連して有する少なくとも
1つの赤感性ハロゲン化銀乳剤層を含んで成るシアン色
素画像形成ユニットと、少なくとも1種のマゼンタ色素
形成カプラーを関連して有する少なくとも1つの緑感性
ハロゲン化銀乳剤層を含んで成るマゼンタ色素画像形成
ユニットと、少なくとも1種のイエロー色素形成カプラ
ーを関連して有する少なくとも1つの青感性ハロゲン化
銀乳剤層を含んで成るイエロー色素画像形成ユニットと
を有する支持体を含んで成る。この要素は追加の層、例
えばフィルター層、中間層、オーバーコート層、および
下引き層等を含んでよい。
【0048】所望であれば、写真要素は、Kenneth Maso
n Publications, Ltd.(Dudley Annex, 12a North Stre
et, Emsworth, Hampshire PO10 7DQ, England所在)に
より刊行されたResearch Disclosure, Item 34390(1
992年11月)および日本国特許庁から入手可能な発
明協会公開技報第94-6023号(1994年3月15日発
行)に記載されているような塗布された磁性層と組み合
わせて使用できる。小型フォーマットフィルムに本発明
の材料を使用することが望ましい場合は、Research Dis
closure, Item 36230(1994年6月)に適切な実施
態様が記載されている。
【0049】本発明の乳剤および要素で使用するのに適
する材料についての以下の議論で、上記のように入手可
能なResearch Disclosure, Item 38957(1996年9
月)を参照する。本明細書では、この文献を、以後「Re
search Disclosure」と略記する。Research Disclosure
の内容(そこで引用されている特許および文献も含む)
は引用により本明細書中に含まれていることにし、以下
で引用する「節」は、Research Disclosureの「節(Sec
tion)」である。
【0050】特に断らない限り、本発明で使用されるハ
ロゲン化銀乳剤含有要素は、要素に備え付けられる処理
指示書のタイプ(すなわち、カラーネガ、反転または直
接ポジ処理)により示されるようにネガ型であってもま
たはポジ型であってもよい。好適な乳剤およびそれらの
調製並びに化学増感および分光増感の方法は第I〜V節
に記載されている。各種の添加剤、例えばUV色素、蛍
光増白剤、カブリ防止剤、安定化剤、光吸収性材料およ
び光散乱性材料、並びに物理的特性調節作用のある添加
剤、例えば硬膜剤、コーティング助剤、可塑剤、滑剤お
よびマット剤は、例えば第II節および第VI〜VIII節に記
載されている。色材は第X〜XIII節に記載されている。
有機溶剤への分散を含むカプラーおよび色素を組み込む
ための好適な方法は、第X(E)節に記載されている。走査
促進は第XIV節に記載されている。支持体、露光、現像
システム並びに処理方法および処理剤は第XV〜XX節に記
載されている。特定の望ましい写真要素および処理工程
が、Research Disclosure,Item 37038(1995年2
月)に記載されている。
【0051】カップリング離脱基は当該技術分野におい
て周知である。そのような基は、カプラーの化学当量、
すなわちカプラーが2当量カプラーであるか4当量カプ
ラーであるかを決定するか、またはカプラーの反応性を
変更することができる。そのような基は、カプラーがコ
ートされた層、または写真記録材料中の他の層に、カプ
ラーからの放出後、色素形成、色素色相調節、現像促進
または抑制、漂白促進または抑制、電子伝達促進、色補
正等の機能を発揮することにより有利な効果を与えるこ
とができる。
【0052】カップリング部位に水素が存在すると、4
当量カプラーが提供され、別のカップリング離脱基が存
在すると通常2当量カプラーが提供される。そのような
カップリング離脱基の代表的なものとしては、例えばク
ロロ、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロオキシ、ス
ルホニルオキシ、アシルオキシ、アシル、ヘテロシクリ
ル、例えばオキサゾリジニルもしくはヒダントイニル、
スルホンアミド、メルカプトテトラゾール、ベンゾチア
ゾール、メルカプトプロピオン酸、ホスホニルオキシ、
アリールチオおよびアリールアゾが挙げられる。これら
のカップリング離脱基は、例えば米国特許第2,45
5,169号、第3,227,551号、第3,43
2,521号、第3,476,563号、第3,61
7,291号、第3,880,661号、第4,05
2,212号および第4,134,766号明細書、並
びに英国特許公報第1,466,728号、第1,53
1,927号および第1,533,039号、および英
国特許公開公報第2,006,755A号および第2,
017,704A号に記載されている。
【0053】発色現像主薬酸化体との反応によりシアン
色素を形成するカプラー等の画像色素形成カプラーを要
素に含めることができる。そのようなカプラーは、米国
特許第2,367,531号、第2,423,730
号、第2,474,293号、第2,772,162
号、第2,895,826号、第3,002,836
号、第3,034,892号、第3,041,236
号、第4,333,999号および第4,883,74
6号、並びに“Farbkuppler-eine Literature Ubersich
t”, Agfa Mitteilungen, Band III, pp.156-175 (196
1) のような代表的な特許明細書および文献に記載され
ている。好ましくは、そのようなカプラーは発色現像主
薬酸化体との反応によりシアン色素を形成するフェノー
ル類およびナフトール類である。
【0054】発色現像主薬酸化体との反応によりマゼン
タ色素を形成するカプラーは、米国特許第2,311,
082号、第2,343,703号、第2,369,4
89号、第2,600,788号、第2,908,57
3号、第3,062,653号、第3,152,896
号、第3,519,429号、第3,758,309号
および第4,540,654号、並びに“Farbkuppler-
eine Literature Ubersicht”, Agfa Mitteilungen, Ba
nd III, pp. 126-156 (1961)のような代表的な特許明細
書および文献に記載されている。好ましくは、そのよう
なカプラーは、発色現像主薬酸化体との反応によりマゼ
ンタ色素を形成するピラゾロン類、ピラゾロトリアゾー
ル類またはピラゾロベンゾイミダゾール類である。
【0055】発色現像主薬酸化体との反応によりイエロ
ー色素を形成するカプラーは、米国特許第2,298,
443号、第2,407,210号、第2,875,0
57号、第3,048,194号、第3,265,50
6号、第3,447,928号、第4,022,620
号および第4,443,536号、並びに“Farbkupple
r-eine Literature Ubersicht”, Agfa Mitteilungen,
Band III, pp. 112-126 (1961)のような代表的な特許明
細書および文献に記載されている。そのようなカプラー
は、典型的には、開鎖ケトメチレン化合物である。発色
現像主薬酸化体との反応により無色生成物を形成するカ
プラーは、英国特許第861,138号、米国特許第
3,632,345号、第3,928,041号、第
3,958,993号および第3,961,959号明
細書のような代表的な特許明細書に記載されている。典
型的には、そのようなカプラーは、発色現像主薬酸化体
との反応により無色生成物を形成する環状カルボニル含
有化合物である。
【0056】発色現像主薬酸化体との反応により黒色色
素を形成するカプラーは、米国特許第1,939,23
1号、第2,181,944号、第2,333,106
号および第4,126,461号明細書、並びにドイツ
特許公開公報第2,644,194号およびドイツ特許
公開公報第2,650,764号のような代表的な特許
明細書に記載されている。典型的には、そのようなカプ
ラーは、発色現像主薬酸化体との反応により黒色または
中性の生成物を形成するレゾルシノール類またはm−ア
ミノフェノール類である。前述のものの他に、いわゆる
「ユニバーサル(universal)」または「ウォッシュア
ウト(washout)」カプラーを用いてもよい。これらの
カプラーは画像色素形成には寄与しない。従って、例え
ば未置換カルバモイルを有するナフトールまたは2−位
もしくは3−位で低分子量置換基により置換されたもの
を使用してもよい。このタイプのカプラーは、例えば米
国特許第5,026,628号、第5,151,343
号および第5,234,800号明細書に記載されてい
る。
【0057】米国特許第4,301,235号、第4,
853,319号および第4,351,897号明細書
に記載されているもののような、カプラーの組み合わせ
であって、それらのカプラーのいずれかに周知のバラス
トまたはカップリング離脱基を含んでいてもよいものを
使用することが有用な場合がある。カプラーは、米国特
許第4,482,629号明細書に記載されているよう
に可溶化基を含有してもよい。カプラーは、「ロング
(wrong)」カラードカプラー(例えば層間補正のレベ
ルを調整するため)と組み合わせて用いてもよく、カラ
ーネガ用途では、ヨーロッパ特許第213,490号;
特開昭58−172647号;米国特許第2,983,
608号、第4,070,191号および第4,27
3,861号明細書;ドイツ特許第2,706,117
号および第2,643,965号;英国特許第1,53
0,272号;並びに特開昭63−064044号公報
に記載されているもののようにマスキングカプラーと組
み合わせて使用してもよい。マスキングカプラーは、必
要に応じてシフトまたはブロックされたものであっても
よい。
【0058】典型的には、カプラーは、銀に対するモル
比が0.05〜1.0、一般的には0.1〜0.5でハ
ロゲン化銀乳剤層中に組み込まれる。通常、カプラー
は、カプラーに対する溶剤の質量比が0.1〜10.
0、典型的には0.1〜2.0で高沸点有機溶剤中に分
散されるが、持久性カプラー溶剤を使用しない分散体も
往々にして使用される。本発明の物質は、画像の品質を
改良するために、処理工程、例えば漂白または定着の工
程を促進さもなければ変更する材料と組み合わせて使用
してもよい。漂白促進剤放出カプラー、例えばヨーロッ
パ特許第193,389号、ヨーロッパ特許第301,
477号;米国特許第4,163,669号、第4,8
65,956号および第4,923,784号明細書に
記載されているものが有用なことがある。造核剤、現像
促進剤またはそれらの前駆体(英国特許第2,097,
140号、英国特許第2,131,188号);電子伝
達剤(米国特許第4,859,578号、米国特許第
4,912,025号);カブリ防止剤および混色防止
剤、例えばヒドロキノン類、アミノフェノール類、アミ
ン類、没食子酸の誘導体;カテコール;アスコルビン
酸;ヒドラジド類;スルホンアミドフェノール類;並び
に非色形成カプラーと組み合わせて組成物を使用するこ
とも考えられる。
【0059】また、本発明の物質を、イエロー、シアン
および/もしくはマゼンタフィルター色素を水中油型分
散体、ラテックス分散体または固体粒子分散体として含
んでなるフィルター色素層と組み合わせて使用してもよ
い。さらに、本発明の物質は「スミアリング(smearin
g)」カプラー(例えば米国特許第4,366,237
号;ヨーロッパ特許第96,570号;米国特許第4,
420,556号および第4,543,323号明細書
に記載されているようなもの)と共に使用してもよい。
また、組成物は、例えば特開昭61−258249号公
報または米国特許第5,019,492号明細書に記載
されているように保護された形態で覆われるかまたはコ
ートされてもよい。本発明の物質は、さらに、例えば
「現像抑制剤放出」化合物(DIR)等の画像調節作用
のある化合物と組み合わせて使用してもよい。本発明の
組成物との組み合わせで有用なDIRは、当該技術分野
において知られており、その例は、米国特許第3,13
7,578号、第3,148,022号、第3,14
8,062号、第3,227,554号、第3,38
4,657号、第3,379,529号、第3,61
5,506号、第3,617,291号、第3,62
0,746号、第3,701,783号、第3,73
3,201号、第4,049,455号、第4,09
5,984号、第4,126,459号、第4,14
9,886号、第4,150,228号、第4,21
1,562号、第4,248,962号、第4,25
9,437号、第4,362,878号、第4,40
9,323号、第4,477,563号、第4,78
2,012号、第4,962,018号、第4,50
0,634号、第4,579,816号、第4,60
7,004号、第4,618,571号、第4,67
8,739号、第4,746,600号、第4,74
6,601号、第4,791,049号、第4,85
7,447号、第4,865,959号、第4,88
0,342号、第4,886,736号、第4,93
7,179号、第4,946,767号、第4,94
8,716号、第4,952,485号、第4,95
6,269号、第4,959,299号、第4,96
6,835号および第4,985,336号明細書、英
国特許公報第1,560,240号、第2,007,6
62号、第2,032,914号および第2,099,
167号、ドイツ特許第2,842,063号、第2,
937,127号、第3,636,824号および第
3,644,416号、並びにヨーロッパ特許公報第2
72,573号、第335,319号、第336,41
1号、第346,899号、第362,870号、第3
65,252号、第365,346号、第373,38
2号、第376,212号、第377,463号、第3
78,236号、第384,670号、第396,48
6号、第401,612号および第401,613号に
記載されている。
【0060】そのような化合物は、Photographic Scien
ce and Engineering, Vol. 13, p.174 (1969)のC.R. Ba
rr, J.R. ThirtleおよびP.W. Vittumによる“Developer
-Inhibitor-Releasing (DIR) Couplers for Color Phot
ography”にも開示されている。一般的に、現像抑制剤
放出(DIR)カプラーは、カプラー部分および抑制剤
カップリング離脱部分(IN)を含む。抑制剤放出カプ
ラーは、抑制剤の遅延放出をもたらすタイミング部分ま
たは化学的スイッチも含む時間遅延型のもの(DIAR
カプラー)であってよい。典型的な抑制剤部分の例とし
ては、オキサゾール類、チアゾール類、ジアゾール類、
トリアゾール類、オキサジアゾール類、チアジアゾール
類、オキサチアゾール類、チアトリアゾール類、ベンゾ
トリアゾール類、テトラゾール類、ベンゾイミダゾール
類、インダゾール類、イソインダゾール類、メルカプト
テトラゾール類、セレノテトラゾール類、メルカプトベ
ンゾチアゾール類、セレノベンゾチアゾール類、メルカ
プトベンゾオキサゾール類、セレノベンゾオキサゾール
類、メルカプトベンゾイミダゾール類、セレノベンゾイ
ミダゾール類、ベンゾジアゾール類、メルカプトオキサ
ゾール類、メルカプトチアジアゾール類、メルカプトチ
アゾール類、メルカプトトリアゾール類、メルカプトオ
キサジアゾール類、メルカプトジアゾール類、メルカプ
トオキサチアゾール類、テレウロテトラゾール類または
ベンゾイソジアゾール類が挙げられる。好ましい実施態
様において、抑制剤部分または基は、以下の式のものか
ら選ばれる:
【0061】
【化21】
【0062】[式中、RIは、1〜8個の炭素原子を有
する直鎖および分枝アルキル、ベンジル、フェニルおよ
びアルコキシ基、並びにこれらの置換基を全く含まない
か1個以上含有する基からなる群より選ばれ、RIIは、
Iおよび−SRIから選ばれ、RIIIは、1〜5個の炭
素原子を有する直鎖もしくは分枝アルキル基であり、m
は1〜3であり、そして、RIVは、水素、ハロゲン、ア
ルコキシ、フェニル、カルボンアミド基、−COORV
および−NHCOORV(式中、RVは置換されたおよび
未置換のアルキル基およびアリール基から選ばれる)か
らなる群より選ばれる]。
【0063】現像抑制剤放出カプラー中に含まれるカプ
ラー部分は、カプラーが配置されている層に対応する画
像色素を形成するのが典型的であるが、異なるフィルム
層と関連する場合は異なる色を形成してもよい。現像抑
制剤放出カプラー中に含まれるカプラー部分が無色生成
物および/または処理中に写真材料から洗い出される生
成物(いわゆる「ユニバーサル」カプラー)を形成する
ことも有用であろう。
【0064】カプラー等の化合物は、処理中に化合物と
の反応の際に直接的に、またはタイミング基もしくは連
結基を介して間接的にPUGを放出することができる。
タイミング基は、分子内求核置換反応を用いる基(米国
特許第4,248,962号明細書);共役系に沿った
電子伝達反応を用いる基(米国特許第4,409,32
3号、第4,421,845号および第4,861,7
01号明細書;特開昭57−188035号、特開昭5
8−98728号、特開昭58−209736号および
特開昭58−209738号公報);カプラー反応後に
カプラーまたは還元剤として機能する基(米国特許第
4,438,193号および第4,618,571号明
細書);および前記特徴を併せ持つ基のように、PUG
の時間的遅延放出をもたらす。典型的には、タイミング
基は下記式のうちの1つにより表される:
【0065】
【化22】
【0066】(式中、INは抑制剤部分であり、RVII
はニトロ、シアノ、アルキルスルホニル、スルファモイ
ルおよびスルホンアミド基からなる群から選ばれ;nは
0または1であり;そして、RVIは置換されたおよび未
置換のアルキル基およびフェニル基からなる群から選ば
れる)。各タイミング基の酸素原子は、DIARの各カ
プラー部分のカップリング離脱位置に結合している。タ
イミング基または連結基は非共役鎖に沿う電子伝達によ
っても機能を発揮することもある。連結基は当該技術分
野で様々な名称で知られている。ヘミアセタールもしく
はイミノケタールの開裂反応を利用できる基またはエス
テル加水分解による開裂反応を利用できる基(例えば米
国特許第4,546,073号明細書)としばしば言及
されている。非共役鎖に沿うこの電子伝達は、典型的に
は、比較的速い分解と二酸化炭素、ホルムアルデヒドま
たは他の低分子量副生成物の生成をもたらす。これらの
基はヨーロッパ特許第464,612号および第52
3,451号、米国特許第4,146,396号明細
書、並びに特開昭60−249148号および第60−
249149号公報に例示されている。本発明で使用す
るのに好適な現像抑制剤放出カプラーとしては以下のも
のが挙げられるが、これらに限定されない:
【0067】
【化23】
【0068】
【化24】
【0069】本発明において特に有用なものは平板状粒
子ハロゲン化銀乳剤である。平板状粒子は、2つの平行
な主結晶面を有し、少なくとも2のアスペクト比を有す
るものである。「アスペクト比」なる用語は、粒子主平
面の等価円直径(ECD)をその厚さ(t)で割った比
である。平板状粒子乳剤は、平板状粒子が全粒子投影面
積の50%超(好ましくは少なくとも70%、最適には
少なくとも90%)を占めるものである。好ましい平板
状粒子乳剤は、平板状粒子の平均厚みが0.3マイクロ
メートル(好ましくは薄い、すなわち0.2マイクロメ
ートル未満、最も好ましくは超薄い、すなわち0.07
マイクロメートル未満)であるものである。平板状粒子
の主平面は、{111}または{100}結晶面にある
ことができる。平板状粒子乳剤の平均ECDはめったに
10マイクロメートルを超えることはなく、より典型的
には5マイクロメートル未満である。
【0070】最も広く使用されている形態の平板状粒子
乳剤は高臭化物{111}平板状粒子乳剤である。その
ような乳剤は、Kofron等の米国特許第4,439,52
0号明細書、Wilgus等の米国特許第4,434,226
号明細書、Solberg等の米国特許第4,433,048
号明細書、Maskaskyの米国特許第4,435,501
号、第4,463,087号および第4,173,32
0号明細書、Daubendiek等の米国特許第4,414,3
10号および第4,914,014号明細書、Sowinski
等の米国特許第4,656,122号明細書、Piggin等
の米国特許第5,061,616号および第5,06
1,609号明細書、Tsaur 等の米国特許第5,14
7,771号、第5,147,772号、第5,14
7,773号、第5,171,659号および第5,2
52,453号明細書、Black等の米国特許第5,21
9,720号および第5,334,495号明細書、De
ltonの米国特許第5,310,644号、第5,37
2,927号および第5,460,934号明細書、We
nの米国特許第5,470,698号明細書、Fenton等
の米国特許第5,476,760号明細書、Eshelman等
の米国特許第5,612,175号および第5,61
4,359号明細書、並びにIrving等の米国特許第5,
667,954号明細書に示されている。
【0071】超薄高臭化物{111}平板状粒子乳剤
は、Daubendiek等の米国特許第4,672,027号、
第4,693,964号、第5,494,789号、第
5,503,971号および第5,576,168号明
細書、Antoniades等の米国特許第5,250,403号
明細書、Olm等の米国特許第5,503,970号明細
書、Deaton等の米国特許第5,582,965号明細
書、並びにMaskaskyの米国特許第5,667,955号
明細書に示されている。高臭化物{100}平板状粒子
乳剤は、Mignotの米国特許第4,386,156号およ
び第5,386,156号明細書に示されている。高塩
化物{111}平板状粒子乳剤は、Weyの米国特許第
4,399,215号明細書、Wey等の米国特許第4,
414,306号明細書、Maskaskyの米国特許第4,4
00,463号、第4,713,323号、第5,06
1,617号、第5,178,997号、第5,18
3,732号、第5,185,239号、第5,39
9,478号および第5,411,852号明細書、並
びにMaskasky等の米国特許第5,176,992号およ
び第5,178,998号明細書に示されている。超薄
高塩化物{111}平板状粒子乳剤は、Maskaskyの米国
特許第5,271,858号および第5,389,50
9号明細書に示されている。
【0072】高塩化物{100}平板状粒子乳剤は、Ma
skaskyの米国特許第5,264,337号、第5,29
2,632号、第5,275,930号および第5,3
99,477号明細書、House等の米国特許第5,32
0,938号明細書、Brust等の米国特許第5,31
4,798号明細書、Szajewski等の米国特許第5,3
56,764号明細書、Chang等の米国特許第5,41
3,904号および第5,663,041号明細書、Oy
amadaの米国特許第5,593,821号明細書、Yamas
hita等の米国特許第5,641,620号および第5,
652,088号明細書、Saitou等の米国特許第5,6
52,089号明細書、並びにOyamada等の米国特許第
5,665,530号明細書に示されている。超薄高塩
化物{100}平板状粒子乳剤は、先に引用したHouse
等およびChang等の教示に従って、ヨウ化物の存在下で
の造核により調製される。
【0073】これらの乳剤は、表面感光性乳剤、すなわ
ち、主にハロゲン化銀粒子の表面上に潜像を形成する乳
剤であってよく、またはこれらの乳剤は、主にハロゲン
化銀粒子の内部に内部潜像を形成することができる乳剤
であってよい。これらの乳剤は、ネガ型乳剤、例えば表
面感光性乳剤またはカブらせていない内部潜像形成型乳
剤、またはカブらせていない内部潜像形成型の直接ポジ
乳剤であって、現像を均一露光を使用してまたは造核剤
の存在下で行った場合にポジ型であるものであってよ
い。後者のタイプの平板状粒子乳剤はEvans等の米国特
許第4,504,570号明細書に示されている。
【0074】写真要素は、典型的にはスペクトルの可視
領域の化学線に露光されると潜像を形成し、次に処理さ
れると可視色素画像を形成することができる。可視色素
画像を形成する工程には、要素を発色現像主薬と接触さ
せて、現像可能なハロゲン化銀を還元するとともに発色
現像主薬を酸化させる工程が含まれる。発色現像主薬酸
化体は、次に、カプラーと反応して色素を生成する。
【0075】ネガ型ハロゲン化銀を使用する場合に、上
記処理工程によりネガ画像が得られる。カラーネガフィ
ルムと称されるそのような要素の1つのタイプは画像捕
捉に合うように設計されている。そのような要素におい
て十分な画像を得るには、通常、スピード(低光条件に
対する要素の感度)が重要である。そのような要素は、
典型的には、透明支持体上にコートされた臭ヨウ化銀乳
剤であり、周知のカラーネガ処理方法、例えばThe Brit
ish Journal of Photography Annual of 1988,pages 19
1-198に記載のコダックC−41処理で処理するように
指示した使用説明書を添えて販売されている。カラーネ
ガフィルム要素を、続いて映画用のものとして観察可能
な投影プリントを形成するのに使用する場合に、Eastma
n KodakCo.から入手可能なH−24マニュアルに記載さ
れているコダックECN−2処理のような処理を用いて
カラーネガ画像を透明支持体上に得ることができる。カ
ラーネガ現像時間は典型的には3分15秒以下であり、
望ましくは90秒以下であり、60秒以下の場合もあ
る。
【0076】本発明の写真要素は、「使い捨てカメ
ラ」、「フィルム付レンズ」または「感光材料パッケー
ジユニット」と種々に呼ばれている、反復使用を意図し
た露光構造体または限定使用を意図した露光構造体中に
装填することができる。好ましい発色現像主薬はp−フ
ェニレンジアミン類、例えば4−アミノ−N,N−ジエ
チルアニリン塩酸塩、4−アミノ−3−メチル−N,N
−ジエチルアニリン塩酸塩、4−アミノ−3−メチル−
N−エチル−N−(2−メタンスルホンアミドエチル)
アニリンセスキ硫酸塩水和物、4−アミノ−3−メチル
−N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アニリン
硫酸塩、4−アミノ−3−(2−メタンスルホンアミド
エチル)−N,N−ジエチルアニリン塩酸塩および4−
アミノ−N−エチル−N−(2−メトキシエチル)−m
−トルイジン ジ−p−トルエンスルホン酸である。現
像に続いて、通常、漂白、定着または漂白定着の常用の
工程を行って、銀またはハロゲン化銀を除去し、洗浄
し、そして乾燥させる。
【0077】
【実施例】合成例 キノンQ−1の合成:
【0078】
【化25】
【0079】12リットルフラスコにスターラーおよび
温度計を備え付け、そして2−(2−オクタデシル)ヒ
ドロキノン(700g,1.93モル)を加え、続いて
8000mlの氷酢酸、2000mlの水、五酸化バナ
ジウム(5.62g,0.03モル)および85ml濃
硫酸を加えた。混合物を、固形物が完全に溶解するまで
蒸気浴により60℃に温めた。次に蒸気浴を除去し、塩
素酸ナトリウム(205g,1.93モル)をゆっくり
と加えると、発熱し、75℃となった。さらに加熱せず
に一晩攪拌した後、黄色固形物が分離し、それを集め、
水で洗浄し、そして小型のLapp漏斗内で押し固めた。湿
り気のある生成物をエタノールから2回再結晶化する
と、514g(74%)のQ−1が黄色固形物として得
られた。マススペクトル(m/e):360(M−H)
+
【0080】写真例 例1 単層写真評価:常用の下引き層を有するセルロースアセ
テート支持体上に以下の層を記載されている順序でコー
トすることにより写真要素101を作製した。 層1: 4.89g/m2のゼラチン 層2: 2.15g/m2のゼラチン; 0.75g/m2の銀(臭ヨウ化銀として); 0.43g/m2のMC−1; リン酸トリトリル中に共分散された0.108g/m2
のアゾピラゾロンマスキングカプラーYM−1および
0.025g/m2のQ−1; 0.012g/m2の(1,2,4)トリアゾール
(1,5−a)ピリミジン−7−オール,5−メチル,
ナトリウム塩; 層3: ビス−(ビニルスルホニルメチル)エーテル、全ゼラチ
ンの1.75%; 2.69g/m2のゼラチン
【0081】キノンQ−1を等モル量の表Iに示すキノ
ン類のうちの1つに置き換えて写真要素102〜110
を作製した。写真要素111は、キノンを完全に省いて
作製した。各フィルムをコーティングするのに先立っ
て、層2の乳剤−カプラー混合物を2つの等量の部分に
分け、そのうちの1つを0℃に16時間保ち、もう1つ
を45℃で16時間加熱した。結果として得られた処理
されたコーティングの写真データを表Iに示す。表Iの
中で、「C」は比較用キノンを示し、「I」は本発明の
キノンを示す。Dminは、露光がない場合の画像濃度
(望ましくないカブリの尺度)、または画像形成のため
の露光の作用なしで生じた濃度である。Dminの変化
(表I中でΔDmin)は、45℃で16時間加熱された
カプラー−乳剤混合物から作製したコーティングのDmi
nから同じ時間0℃に保たれたカプラー−乳剤混合物か
ら作製されたコーティングのDminを引いた差である。
写真材料のコントラストを評価するためにガンマが使用
される。ガンマは、画像濃度の増分変化量のそれに対応
したlog(露光量)の増分変化量に対する比であり、
最低濃度よりも濃度が0.15高い点とその第1の基準
点から0.9logE離れている第2の点との間におよ
ぶ露光域で求められる最大増分変化量である。ガンマの
変化(表I中でΔガンマ)は、45℃で16時間加熱さ
れたカプラー−乳剤混合物から作製されたコーティング
の最大ガンマから同じ時間0℃に保たれたカプラー−乳
剤混合物から作製されたコーティングの最大ガンマを引
いた差である。写真材料の感度を評価するスピードは、
Dminよりも濃度が0.15高い点での露光量の対数に
反比例する。露光スケールは、スピードの各単位変化量
が露光量の対数値で0.01単位の変化となるように規
格化される。スピードの変化(表I中でΔスピード)
は、45℃で16時間加熱されたカプラー−乳剤混合物
から作製されたコーティングのスピードから同じ時間0
℃に保たれたカプラー−乳剤混合物から作製されたコー
ティングのスピードを引いた差である。表I中の結果か
ら、本発明の例示化合物の添加が、キノンを含まないも
のまたはキノンCQ−1〜CQ−7と比較して、カブリ
を著しく低減するとともにスピードおよびコントラスト
を改良することに役に立つことが判る。キノンCQ−1
〜CQ−7は殆ど効果がない。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】表のデータから、一置換キノンQ−1〜Q
−3が、比較用のキノンまたはキノンを全く含まない場
合と比較して著しく改良された写真要素を与えることが
判る。高温に維持する溶融に起因する望ましくないカブ
リの平均的な影響は、一置換キノンを使用した場合には
わずか(実際には0.008改善された)であったが、
比較用キノンでは望ましくないことに0.164増加し
た。同様に、本発明のキノンを使用した場合のスピード
はたった2単位だけ減少したが、比較用キノンの平均で
は22単位減少した。さらに、本発明のキノンの場合に
ガンマは0.06単位減少したが、比較用キノンの場合
では0.71単位減少した。キノンを全く使用しなかっ
た試料111では、比較用キノンを用いた場合と同様な
結果が生じた。
【0085】本発明は、以下の態様を含む:写真要素が
層中に4−アシルアミノ置換ピラゾロンマゼンタ画像色
素形成カプラーを含む態様;写真要素が層中にマゼンタ
色素形成二環式アゾール画像色素形成カプラーを含む態
様;および本発明の写真要素を発色現像主薬に接触させ
ることを含む、本発明の写真要素要素を像様露光した後
に本発明の写真要素において画像を形成する方法。
【0086】本発明の態様を請求項の記載と関連して以
下に示す。 [態様1] アゾピラゾロンマスキングカプラーと式
I:
【0087】
【化26】
【0088】(式中、Rはアシル基、アルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチ
オ基、アリールチオ基、スルフィニル基、スルホニル
基、スルファモイル基、ハロゲン基、シアノ基、チオー
ル基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アシルオキシ基、スル
ホニルオキシ基、複素環式基、カルボン酸基、カルボキ
シレート基、カルバモイル基、アミノ基、カルボンアミ
ド基およびスルホンアミド基からなる群から選ばれる)
により表される一置換キノンとを含む感光性ハロゲン化
銀乳剤層を含んで成る写真要素。 [態様2] Rがアシル基、アルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、スルフ
ァモイル基、アシルオキシ基、スルホニルオキシ基、複
素環式基、カルボキシレート基、カルバモイル基、アミ
ノ基、カルボンアミド基およびスルホンアミド基からな
る群から選ばれる上記態様1記載の写真要素。 [態様3] Rが少なくとも8個の炭素原子を含む上記
態様2記載の写真要素。 [態様4] Rがアルキル基、アリール基、アミノ基、
アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群から選
ばれる上記態様2または3記載の写真要素。 [態様5] Rがアルキル基、アリール基およびアミノ
基からなる群から選ばれる上記態様4記載の写真要素。 [態様6] Rがシクロアルキル基および直鎖または分
枝アルキル基から選ばれる上記態様5記載の写真要素。 [態様7] Rがアミノ基である上記態様5記載の写真
要素。 [態様8] マスキングカプラーに対する式Iにより表
されるキノンのモル比が1:5〜5:1である上記態様
1〜3のいずれか1つに記載の写真要素。 [態様9] 前記層中に4−アニリノ置換ピラゾロンマ
ゼンタ画像色素形成カプラーも含む上記態様8記載の写
真要素。 [態様10] 前記キノンが、
【0089】
【化27】
【0090】
【化28】
【0091】
【化29】
【0092】
【化30】
【0093】からなる群から選ばれる上記態様1記載の
写真要素。 [態様11] 前記キノンが
【0094】
【化31】
【0095】からなる群から選ばれる上記態様10記載
の写真要素。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 スティーブン ポール シンガー アメリカ合衆国,ニューヨーク 14559, スペンサーポート,ウォールナット ヒル ドライブ 22 (72)発明者 デビッド ロバート フォスター アメリカ合衆国,ニューヨーク 14625, ロチェスター,デール ロード 27 Fターム(参考) 2H016 BD00 BH01 2H023 CD00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アゾピラゾロンマスキングカプラーと式
    I: 【化1】 (式中、Rはアシル基、アルキル基、アリール基、アル
    コキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリー
    ルチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、スルファモ
    イル基、ハロゲン基、シアノ基、チオール基、ヒドロキ
    シ基、ニトロ基、アシルオキシ基、スルホニルオキシ
    基、複素環式基、カルボン酸基、カルボキシレート基、
    カルバモイル基、アミノ基、カルボンアミド基およびス
    ルホンアミド基からなる群から選ばれる)により表され
    る一置換キノンとを含む感光性ハロゲン化銀乳剤層を含
    んで成る写真要素。
  2. 【請求項2】 Rがアシル基、アルキル基、アリール
    基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ
    基、アリールチオ基、スルフィニル基、スルホニル基、
    スルファモイル基、アシルオキシ基、スルホニルオキシ
    基、複素環式基、カルボキシレート基、カルバモイル
    基、アミノ基、カルボンアミド基およびスルホンアミド
    基からなる群から選ばれる請求項1記載の写真要素。
  3. 【請求項3】 Rが少なくとも8個の炭素原子を含む請
    求項2記載の写真要素。
  4. 【請求項4】 Rがアルキル基、アリール基、アミノ
    基、アルコキシ基およびアリールオキシ基からなる群か
    ら選ばれる請求項2または3記載の写真要素。
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