JP2002228675A - エンコーダ及びエンコーダ付転がり軸受ユニット - Google Patents

エンコーダ及びエンコーダ付転がり軸受ユニット

Info

Publication number
JP2002228675A
JP2002228675A JP2001026363A JP2001026363A JP2002228675A JP 2002228675 A JP2002228675 A JP 2002228675A JP 2001026363 A JP2001026363 A JP 2001026363A JP 2001026363 A JP2001026363 A JP 2001026363A JP 2002228675 A JP2002228675 A JP 2002228675A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
encoder
mandrel
slinger
permanent magnet
rolling bearing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001026363A
Other languages
English (en)
Inventor
Kaoru Katano
薫 片野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2001026363A priority Critical patent/JP2002228675A/ja
Publication of JP2002228675A publication Critical patent/JP2002228675A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 心金として機能するスリンガ17aのうち、
水分が付着する可能性のある部分の面積を確保する。
又、放電し易いエッジ部分と接着面との距離を大きくす
る。 【解決手段】 上記スリンガ17aを構成する円輪部2
3aの外径を、永久磁石であるエンコーダ本体22の外
径よりも大きくすると共に、上記円輪部23aの外周縁
部に折り曲げ縁部32を形成する。この構成により、上
記面積並びに距離の確保を図り、上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るエンコーダ
は、自動車の車輪を懸架装置に対し回転自在に支持する
為の転がり軸受ユニットに組み込んだ状態で使用する。
そして、このエンコーダを組み込んだエンコーダ付転が
り軸受ユニットとセンサとを組み合わせる事により、転
がり軸受ユニットにより支持された車輪の回転速度を検
出する。
【0002】
【従来の技術】自動車の車輪を懸架装置に対して回転自
在に支持すると共に、アンチロックブレーキシステム
(ABS)やトラクションコントロールシステム(TC
S)を制御すべく、この車輪の回転速度を検出する為に
従来から、各種構造のエンコーダ付転がり軸受ユニット
が知られている。車輪の回転速度検出を磁気的に行なう
場合、上記エンコーダとして、円周方向に関して磁気特
性が交互に(一般的には等間隔に)変化するものを使用
する。この様に円周方向に関して磁気特性が交互に変化
するエンコーダとして、円周方向に関してS極とN極と
を交互に配置した永久磁石を使用するエンコーダは、セ
ンサ側の構造を簡単にし、しかも低速時の検出精度を確
保する面から、近年使用される場合が増大している。
【0003】上述の様な用途に使用する永久磁石製のエ
ンコーダは、炭素鋼、ステンレス鋼等の磁性金属板によ
り全体を円環状(円輪状、円筒状等を含み、全体を円形
の環状に形成した形状を言う。本明細書全体で同じ。)
に形成された心金の一部に、ゴム磁石、プラスチック磁
石等の永久磁石を、全周に亙り接着(プライマを介在さ
せてゴム磁石を心金に焼き付けする場合を含む。本明細
書全体で同じ。)する事により構成している。即ち、円
環状の心金の一部に、ゴム或は合成樹脂中にフェライト
等の強磁性粉末を混入したゴム磁石或はプラスチック磁
石等の永久磁石を接着固定している。そして、この永久
磁石の表面にS極とN極とを、円周方向に関して交互に
配置している。この為に、この永久磁石の着磁方向を、
円周方向に関して交互に変化させている。
【0004】図5は、この様なエンコーダを組み込んだ
車輪支持用の転がり軸受ユニット1の従来構造の第1例
を示している。この第1例の場合には回転輪を、ハブ2
の軸方向中間部乃至は内端部(軸方向に関して内とは、
車両への組み付け状態で幅方向中央側を言い、図5、8
の右。反対に、車両への組み付け状態で幅方向外側とな
る、図5、8の左側を外と言う。)に1対の内輪3、3
を外嵌する事により構成している。このうちのハブ2に
は、外周面の外端部に車輪を支持固定する為のフランジ
4を、中心部にスプライン孔5を、又、上記各内輪3、
3の外周面には内輪軌道6、6を、それぞれ設けてい
る。上記スプライン孔5には、等速ジョイント7に設け
たスプライン軸34を挿入している。そして、このスプ
ライン軸34の外端部に設けた雄ねじ部8にナット9を
螺合し更に緊締した状態で、このスプライン軸34の内
端部に設けたハウジング部10の外端面により、内側の
内輪3の内端面を抑え付け、上記1対の内輪3、3を上
記ハブ2に対し固定している。
【0005】一方、上記ハブ2と内輪3、3とから成る
回転輪の周囲には、静止輪である外輪11を配置してい
る。この外輪11は、円筒状の軸受ケース12内に内嵌
固定し、この軸受ケース12を、図示しない懸架装置に
対し支持固定自在としている。又、上記外輪11の内周
面で、上記各内輪3、3の外周面に設けた内輪軌道6、
6に対向する部分に、それぞれ外輪軌道13、13を設
けている。そして、これら両外輪軌道13、13と、上
記各内輪軌道6、6との間に、それぞれ複数個ずつの転
動体14、14を、それぞれ保持器15、15により保
持した状態で転動自在に設けている。又、上記外輪11
の両端部内周面と上記各内輪3、3の端部外周面との間
に密封装置16、16aをそれぞれ装着して、上記各転
動体14、14を設置した内部空間と外部とを遮断し、
この内部空間内に存在するグリースの漏洩防止とこの内
部空間内への異物の侵入防止とを図っている。
【0006】上記各密封装置16、16aは、図6に詳
示する様に、それぞれスリンガ17とシールリング18
とを組み合わせて成る、組み合わせシールリングを使用
している。このうちのスリンガ17は、SPCCの如き
炭素鋼板等の磁性金属板を断面L字形で全体を円環状と
したもので、上記各内輪3、3の端部に、締り嵌めで外
嵌固定している。又、上記シールリング18は、金属板
を断面L字形で全体を円環状に形成して成る心金19に
弾性材20を、全周に亙って添着支持したもので、この
うちの心金19を上記外輪11の両端部に締り嵌めで内
嵌する事により、この外輪11の両端部に内嵌固定して
いる。この状態で、上記弾性材20に設けた複数本のシ
ールリップ21、21の先端縁を上記スリンガ17に、
それぞれ全周に亙り摺接させている。
【0007】上述の様な各密封装置16、16aのう
ち、内側の密封装置16aを構成するスリンガ17の内
側面に、エンコーダ本体22を全周に亙って添設する事
により、エンコーダを構成している。従って、このスリ
ンガ17が、請求項に記載した心金に相当する。上記エ
ンコーダ本体22は、ゴム或は合成樹脂中にフェライト
等の強磁性粉末を混入したゴム磁石或はプラスチック磁
石等の永久磁石であって、軸方向に着磁している。着磁
方向は、円周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させ
ている。従って、上記エンコーダ本体22の側面には、
S極とN極とが、円周方向に関して交互に配置されてい
る。この様なエンコーダ本体22は、上記スリンガ17
に設けた円輪部23の内側面に、接着により支持固定さ
れている。上記エンコーダ本体22の自由状態での内径
は、図7に示す様に、上記スリンガ17に設けた円筒部
24の内径よりも小さくしている。従って、この円筒部
24を前記内輪3の端部に外嵌固定した状態で、上記エ
ンコーダ本体22の内周縁がこの内輪3の端部外周面
に、全周に亙って弾性的に当接し、この部分をシールす
る。従って、上記円筒部24と上記内輪3との嵌合部
に、雨水等の異物が入り込む事はない。
【0008】一方、前記軸受ケース12の一部で、上記
外輪11の内端面よりも内方に突出した部分に取付孔2
5を、この軸受ケース12を径方向に貫通する状態で形
成している。この取付孔25には、回転速度検出用のセ
ンサ26(後述する図8参照。図5には省略。)を組み
付け自在としている。そして、このセンサ26の先端部
に設けた検出面を、上記エンコーダ本体22に微小隙間
を介して、アキシアル方向に対向自在としている。
【0009】上述の様に構成する、エンコーダ本体22
を組み込んだ転がり軸受ユニット1は、前記軸受ケース
12により上記外輪11を懸架装置に結合固定すると共
に、前記フランジ4により前記ハブ2に車輪を支持固定
する。この状態で、この車輪が上記懸架装置に対し回転
自在に支持される。車輪が回転すると、上記センサ26
の検出面の近傍を、上記エンコーダ本体22の外周面に
存在するS極とN極とが交互に通過し、上記センサ26
の出力信号が変化する。この様にセンサ26の出力信号
が変化する周波数は、上記車輪の回転速度に比例するの
で、この出力信号を図示しない制御器に送れば、この車
輪の回転速度を求め、ABSやTCSを適切に制御でき
る。
【0010】次に、図8は、エンコーダを組み込んだ車
輪支持用の転がり軸受ユニット1aの従来構造の第2例
を示している。この第2例の場合には、外側の内輪軌道
6をハブ2aの中間部外周面に、直接形成している。そ
して、このハブ2aの内端部に形成した小径段部27に
内輪3を外嵌固定している。又、外輪11aの外周面に
外向フランジ状の取付部28を設け、この取付部28に
よりこの外輪11aを、懸架装置を構成するナックル2
9に(軸受ケース12等の他の部材を介する事なく)直
接結合固定している。又、上記外輪11aの両端部内周
面に設ける1対の密封装置16、16bのうち、内側の
密封装置16は、上述した第1例の場合と同様の組み合
わせシールリングとしているのに対し、外側の密封装置
16bは、スリンガを持たない、単体のシールリングと
している。
【0011】又、本例の場合には、等速ジョイント7の
ハウジング部10の外端部に形成した円筒面部30に、
エンコーダを外嵌固定している。このエンコーダは、図
9に詳示する様に、磁性金属板製で円環状(短円筒状)
の心金31の外周面に、ゴム磁石製のエンコーダ本体2
2aを、全周に亙って接着している。このエンコーダ本
体22aは、直径方向に着磁しており、着磁方向は、円
周方向に関して交互に且つ等間隔で変化させている。従
って、上記エンコーダ本体22aの外周面には、S極と
N極とが、円周方向に関して交互に配置されている。そ
して、上記ナックル29の一部に形成した取付孔25a
に挿通したセンサ26の検出面を、上記エンコーダ本体
22aの外周面に、近接対向させている。この様な本例
の場合も、車輪を懸架装置に対し回転自在に支持すると
共に、この車輪の回転速度を求める事ができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図5、8に示した様
に、エンコーダを外部空間に露出する状態で設ける構造
の場合、このエンコーダを構成するエンコーダ本体2
2、22aとスリンガ17或は心金31との接着部の耐
久性を確保する事が難しい事が、本発明者の研究により
分かった。そして、この様な耐久性の低下が、上記スリ
ンガ17或は心金31部分での放電に基づく接着剤(焼
き付けの為のプライマを含む。本明細書全体で同じ。)
の劣化若しくは溶出によるものである事も、本発明者の
研究により分かった。この様な接着剤の劣化若しくは溶
出の機構に就いて、次に説明する。
【0013】泥水や塩水等、電解質を含む水分がエンコ
ーダに付着すると、材質が異なるエンコーダ本体22と
スリンガ17との間(或はエンコーダ本体22aと心金
31との間)に局部電池が形成される。又、スリンガ1
7(或は心金31)と材質が異なる軸受装置の他の部品
或は軸受装置の周辺部品との間に局部電池が形成される
事もある。そして、上記エンコーダ本体22とスリンガ
17との間の電位差に基づく、或はスリンガ17と上記
他の部品或は周辺部品との間の電位差に基づく放電が発
生する場合がある。この様な放電により、上記エンコー
ダ本体22とスリンガ17とを(或はエンコーダ本体2
2aと心金31とを)接着している接着剤が劣化若しく
は溶出し、上記エンコーダ本体22とスリンガ17とが
(或はエンコーダ本体22aと心金31とが)剥離する
ものである。
【0014】更に本発明者が研究したところ、上記放電
の程度は、上記スリンガ17(或は心金31)のうちで
エンコーダ本体22(22a)に覆われず、しかも上記
水分が付着する部分の表面積に対し大略逆比例する、言
い換えれば、この表面積が狭いほど放電が著しくなる事
が分かった。又、上記放電は、上記スリンガ17(或は
心金31)のうちで、尖ったエッジ部分で著しくなる事
も確認できた。
【0015】この様な、本発明者の研究により分かった
事を前提として、図7、9に示した従来のエンコーダを
見ると、上記スリンガ17(或は心金31)のうちでエ
ンコーダ本体22(22a)に覆われずに水分が付着す
る可能性がある部分の表面積が狭い。しかも、上記スリ
ンガ17(或は心金31)の一部に存在するエッジ部分
が、このスリンガ17(或は心金31)と上記エンコー
ダ本体22(22a)との接着面の端部に隣接(接着面
の端縁にエッジが位置)している。この為、上記放電に
伴って上記接着面の剥離が、端縁から中心部に向けて進
行する可能性がある。
【0016】上述の様な原因によるスリンガ17(或は
心金31)と上記エンコーダ本体22(22a)との接
着面の剥離を防止し、エンコーダの耐久性を向上させる
為には、上記スリンガ17(或は心金31)のうちでエ
ンコーダ本体22(22a)に覆われずに水分が付着す
る可能性がある部分の表面積を広くし、上記スリンガ1
7(或は心金31)の一部に存在するエッジ部分と接着
面との距離を大きくする事が効果があると考えられる。
本発明のエンコーダ及びエンコーダ付転がり軸受ユニッ
トは、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明のエンコーダ及び
エンコーダ付転がり軸受ユニットのうち、請求項1に記
載したエンコーダは、前述した従来から知られているエ
ンコーダと同様に、円環状に形成された心金の片面に、
円環状で着磁方向を円周方向に関して交互に変化させた
永久磁石を接着して成る。特に、請求項1に記載したエ
ンコーダに於いては、上記永久磁石の幅よりも上記心金
の幅を大きくする事により、少なくともこの心金の一端
縁を、上記永久磁石の一端縁よりも突出させている。
【0018】又、請求項2に記載したエンコーダ付転が
り軸受ユニットは、やはり前述したエンコーダ付転がり
軸受ユニットと同様に、静止側軌道を有する静止輪と、
回転側軌道を有する回転輪と、これら静止側軌道と回転
側軌道との間に転動自在に設けられた複数の転動体と、
上記回転輪の一部で外部空間に露出した部分に、この回
転輪と同心に支持されたエンコーダとから成る。そし
て、このエンコーダを請求項1に記載したエンコーダと
している。
【0019】
【作用】上述の様に構成する本発明のエンコーダの場合
には、心金の一端縁を、上記永久磁石の一端縁よりも突
出させた分、この心金の一部で永久磁石に覆われずに水
分が付着する可能性がある部分の表面積が広くなり、し
かも、上記心金の一部に存在するエッジ部分と接着面と
の距離が大きくなる。この為、この心金の一部に電解質
を含む水分が付着しても放電が起こりにくくなり、又、
仮にエッジ部分で放電が起こっても、この放電が上記心
金と永久磁石との接着面に存在する接着剤を劣化させに
くくなる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。本例の場合には、請求項に記載
した心金であるスリンガ17aを、SPCCの如き炭素
鋼板、或はステンレス鋼板等の磁性金属板を曲げ形成す
る事により、円輪部23aと円筒部24とから成る、断
面L字形で全体を円環状に形成している。特に、本例の
場合には、上記円輪部23aの外径を、前述の図6〜7
に示した従来構造の第1例の場合よりも、且つ、この円
輪部23aの内側面に接着固定した、永久磁石であるエ
ンコーダ本体22の外径よりも、例えばこのエンコーダ
本体22の径方向に関する幅寸法の1/10以上大きく
している。そして、上記円輪部23aの外径寄り部分
を、このエンコーダ本体22の外周縁よりも径方向外方
に突出させている。更に、本例の場合には、上記円輪部
23aの外周縁部を、全周に亙り外方に向け折り曲げる
事により折り曲げ縁部32を形成している。尚、上記エ
ンコーダ本体22は、上記従来構造の第1例の場合と同
様に、軸方向に着磁すると共に、着磁方向を円周方向に
関して交互に且つ等間隔で異ならせている。
【0021】上述の様なスリンガ17aとエンコーダ本
体22とは、図2に示す様に、シールリング18と組み
合わせる事により、組み合わせシールリングである密封
装置16cを構成し、前述の図5に示した構造を有する
転がり軸受ユニット1の内端開口部を密封する。即ち、
上記スリンガ17aの円筒部24を、この転がり軸受ユ
ニット1を構成する内側の内輪3の内端部に外嵌固定す
ると共に、上記シールリング18を構成する心金19
を、外輪11の内端部に内嵌固定する。そして、このシ
ールリング18を構成する弾性材20のシールリップ2
1、21の先端縁を、上記スリンガ17aを構成する円
筒部24の外周面及び上記円輪部23aの内側面に、全
周に亙って摺接させる。又、上記折り曲げ縁部32の外
周面乃至先端縁は、上記シールリング18を構成する心
金19乃至弾性材20の内周面に近接対向して、当該部
分にラビリンスシールを構成する。
【0022】上述の様に構成する本例のエンコーダ及び
エンコーダ付転がり軸受ユニットは、前述の図5〜7に
示した従来構造の第1例の場合と同様に、センサとの組
み合わせによりハブ2のフランジ4に固定した車輪の回
転速度検出を行なう。特に、本例のエンコーダの場合に
は、心金である上記スリンガ17aの外周縁を、永久磁
石である上記エンコーダ本体22の外周縁よりも径方向
外方に突出させた分、上記スリンガ17aの外径寄り部
分で上記エンコーダ本体22に覆われずに水分が付着す
る可能性がある部分の表面積が広くなる。しかも、上記
スリンガ17aの外周縁部に存在するエッジ部分と接着
面との距離が大きくなる。
【0023】特に本例の場合には、上記スリンガ17a
を構成する円輪部23aの外周縁部に前記折り曲げ縁部
32を形成している為、上記エッジ部分と接着面との距
離を十分に大きくできる。即ち、単に上記円輪部23a
の外径を大きくした場合には、この円輪部23aの外周
縁と上記シールリング18を構成する心金19の内周面
が干渉する。上記折り曲げ縁部32を形成せずに上記エ
ッジ部分と接着面との距離を大きくしようとすると、上
記エンコーダ本体22の外径を小さくしなければならな
い。これに対して、上記折り曲げ縁部32を曲げ形成す
る事により、上記エンコーダ本体22の外径寸法を確保
し、しかも、上記円輪部23aと上記心金19との干渉
防止を図りつつ、上記エッジ部分と上記接着面との距離
を大きくできる。上記エンコーダ本体22の外径寸法を
確保する事は、このエンコーダ本体22からでる磁束の
強度を確保し、回転速度検出装置の性能向上に寄与でき
る。尚、上記円輪部23aと上記折り曲げ縁部32とを
連続させている曲げ部は上記エッジ部分ほど尖っていな
い為、この曲げ部の外周部分では放電は発生しにくい。
【0024】上述の様に、水分が付着する可能性がある
部分の表面積を広くしている為、この心金の一部に電解
質を含む水分が付着しても放電が起こりにくくなる。
又、エッジ部分と接着面との距離を大きくしている為、
仮にエッジ部分で放電が起こっても、この放電が上記円
輪部23aの内側面と上記エンコーダ本体22との接着
面に存在する接着剤を劣化させにくくなる。
【0025】次に、図3は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、前述の図8に示した
従来構造の第2例の様に、等速ジョイント7のハウジン
グ部10の外端部に形成した円筒面部30に外嵌固定す
るエンコーダに、本発明を適用する場合に就いて示して
いる。この様な部分に組み付ける本例のエンコーダは、
磁性金属板製で円環状(短円筒状)の心金31aの外周
面に、ゴム磁石製のエンコーダ本体22aを、全周に亙
って接着している。このエンコーダ本体22aは、直径
方向に着磁しており、着磁方向は、円周方向に関して交
互に且つ等間隔で変化させている。
【0026】特に、本例のエンコーダの場合には、上記
心金31aの軸方向に関する幅寸法W31を、上記エンコ
ーダ本体22aの軸方向に関する幅寸法W22よりも十分
に(例えば1.5倍以上に)大きく(W31≧1.5
22)している。そして、上記エンコーダ本体22a
を、上記心金31aの幅方向(軸方向)中央部外周面に
接着している。従って、この心金31aの中間部外周面
と上記エンコーダ本体22aの内周面との接着面は、こ
の心金31aの両端縁部に存在するエッジ部分から、十
分に(エンコーダ本体22aの幅寸法W22の1/4以
上)離れる。
【0027】上述の様な本例のエンコーダは、例えば前
述の図8に示した従来構造の第2例の構造に組み付け
て、ハブ2aと共に回転する車輪の回転速度を検出自在
とする。本例のエンコーダの場合には、上記心金31a
を幅広にして、この心金31aの両端部外周面及び両端
縁部で上記エンコーダ本体22aに覆われずに水分が付
着する可能性がある部分の表面積が広くしている為、上
記心金31aの一部に電解質を含む水分が付着しても放
電が起こりにくくなる。しかも、上記心金31aの両端
縁部に存在するエッジ部分と接着面との距離が大きい
為、仮にこのエッジ部分で放電が起こっても、この放電
が上記心金31aの中間部外周面と上記エンコーダ本体
22aの内周面との接着面に存在する接着剤を劣化させ
にくくなる。
【0028】次に、図4は、本発明の実施の形態の第3
例を示している。本例の場合には、円筒状の心金31b
の両端部を径方向外方に折り曲げて、外向フランジ状の
折り曲げ縁部33、33を形成している。そして、この
構成により、上記心金31bの軸方向に関する幅寸法W
31´を大きくする事なく、水分が付着する可能性のある
部分の表面積、並びにエッジ部分と接着面との距離の確
保とを図っている。この為、エンコーダの取付部分の幅
寸法を小さくできる。尚、上記両折り曲げ縁部33、3
3同士の間隔D31は、上記心金31bの中間部外周面に
接着固定したエンコーダ本体22aの軸方向に関する幅
寸法W22よりも十分に(例えば1.2倍以上に)大きく
(W31≧1.2W22)している。従って、上記心金31
bの中間部外周面と上記エンコーダ本体22aの内周面
との接着面は、上記各折り曲げ縁部33、33の内側面
から、十分に(エンコーダ本体22aの幅寸法W22の1
/10以上)離れる。又、上記各折り曲げ縁部33、3
3の高さH33は、上記エンコーダ本体22aの厚さT22
未満(H33<T22)としている。この理由は、このエン
コーダ本体22aの外周面を上記各折り曲げ縁部33、
33の外周縁よりも径方向外方に突出させて、このエン
コーダ本体22aの着磁作業を容易に行なえる様にする
為である。転がり軸受ユニット1aへの組み付け状態
等、他の構成及び作用は、前述した第2例の場合と同様
である。
【0029】
【発明の効果】本発明のエンコーダ及びエンコーダ付転
がり軸受ユニットは、以上に述べた通り構成され作用す
るので、エンコーダが外部空間に露出する構造でも、十
分な耐久性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、エンコー
ダの部分断面図。
【図2】このエンコーダをシールリングと組み合わせて
密封装置を構成した状態を示す部分断面図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す部分断面
図。
【図4】同第3例を示す部分断面図。
【図5】従来から知られているエンコーダ付転がり軸受
ユニットの第1例を示す断面図。
【図6】一部を省略して示す、図5のA部拡大図。
【図7】エンコーダのみを取り出して示す部分断面図。
【図8】従来から知られているエンコーダ付転がり軸受
ユニットの第2例を示す断面図。
【図9】エンコーダのみを取り出して示す部分断面図。
【符号の説明】
1、1a 転がり軸受ユニット 2、2a ハブ 3 内輪 4 フランジ 5 スプライン孔 6 内輪軌道 7 等速ジョイント 8 雄ねじ部 9 ナット 10 ハウジング部 11、11a 外輪 12 軸受ケース 13 外輪軌道 14 転動体 15 保持器 16、16a、16b、16c 密封装置 17、17a スリンガ 18 シールリング 19 心金 20 弾性材 21 シールリップ 22、22a エンコーダ本体 23、23a 円輪部 24 円筒部 25、25a 取付孔 26 センサ 27 小径段部 28 取付部 29 ナックル 30 円筒面部 31、31a、31b 心金 32 折り曲げ縁部 33 折り曲げ縁部 34 スプライン軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 33/76 F16C 33/76 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円環状に形成された心金の片面に、円環
    状で着磁方向を円周方向に関して交互に変化させた永久
    磁石を接着して成るエンコーダに於いて、この永久磁石
    の幅よりも上記心金の幅を大きくする事により、少なく
    ともこの心金の一端縁を、上記永久磁石の一端縁よりも
    突出させた事を特徴とするエンコーダ。
  2. 【請求項2】 静止側軌道を有する静止輪と、回転側軌
    道を有する回転輪と、これら静止側軌道と回転側軌道と
    の間に転動自在に設けられた複数の転動体と、上記回転
    輪の一部で外部空間に露出した部分に、この回転輪と同
    心に支持されたエンコーダとから成り、このエンコーダ
    が請求項1に記載したエンコーダであるエンコーダ付転
    がり軸受ユニット。
JP2001026363A 2001-02-02 2001-02-02 エンコーダ及びエンコーダ付転がり軸受ユニット Pending JP2002228675A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001026363A JP2002228675A (ja) 2001-02-02 2001-02-02 エンコーダ及びエンコーダ付転がり軸受ユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001026363A JP2002228675A (ja) 2001-02-02 2001-02-02 エンコーダ及びエンコーダ付転がり軸受ユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002228675A true JP2002228675A (ja) 2002-08-14

Family

ID=18891194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001026363A Pending JP2002228675A (ja) 2001-02-02 2001-02-02 エンコーダ及びエンコーダ付転がり軸受ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002228675A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006057813A (ja) * 2004-08-24 2006-03-02 Ntn Corp 車輪用軸受装置
JP2008024051A (ja) * 2006-07-18 2008-02-07 Ntn Corp 駆動車輪用軸受装置
US7374343B2 (en) 2003-02-25 2008-05-20 Ntn Corporation Magnetic encoder and wheel support bearing assembly using the same
JP2013079901A (ja) * 2011-10-05 2013-05-02 Nsk Ltd エンコーダ及び組み合わせシールリング付ハブユニット
USRE48526E1 (en) 2004-01-22 2021-04-20 Nsk Ltd. Magnetic encoder and bearing

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7374343B2 (en) 2003-02-25 2008-05-20 Ntn Corporation Magnetic encoder and wheel support bearing assembly using the same
USRE48526E1 (en) 2004-01-22 2021-04-20 Nsk Ltd. Magnetic encoder and bearing
JP2006057813A (ja) * 2004-08-24 2006-03-02 Ntn Corp 車輪用軸受装置
JP4498064B2 (ja) * 2004-08-24 2010-07-07 Ntn株式会社 車輪用軸受装置
JP2008024051A (ja) * 2006-07-18 2008-02-07 Ntn Corp 駆動車輪用軸受装置
JP2013079901A (ja) * 2011-10-05 2013-05-02 Nsk Ltd エンコーダ及び組み合わせシールリング付ハブユニット

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3968857B2 (ja) 回転速度検出部のシール構造
JP2000289405A (ja) エンコーダ付組み合わせシールリング
JP4206550B2 (ja) 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
JP3580002B2 (ja) 回転速度検出装置付転がり軸受ユニット
EP1653096A1 (en) Rolling bearing unit with rotating speed-detecting device
JP2001241435A (ja) 自動車用エンコーダ付転がり軸受ユニット
JP3656530B2 (ja) エンコーダ付組み合わせシールリングとこれを組み込んだ車輪支持用転がり軸受ユニット
JP2002333033A (ja) 車輪用軸受
KR20050033002A (ko) 밀봉 장치 및 회전 검출기
JP2001323942A (ja) 密封装置
JP2012107753A (ja) 転がり軸受装置の組立て方法
JP2002228675A (ja) エンコーダ及びエンコーダ付転がり軸受ユニット
JP2005098761A (ja) 回転検出器
JP2003294048A (ja) 密封装置
JP4239669B2 (ja) 車輪支持用転がり軸受ユニット
JP2005098332A (ja) シール装置
JP5061652B2 (ja) 着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置
JPH09133698A (ja) トーンホイール付転がり軸受ユニット
JP2002328133A (ja) 回転速度検出装置付き車輪用軸受
JP2006064180A (ja) 自動車用エンコーダ付転がり軸受ユニット
JP2006064180A5 (ja)
JP2005140334A (ja) 磁気エンコーダ付き軸受
JPH09196059A (ja) トーンホイール付転がり軸受ユニット
JP2002122445A (ja) エンコーダ及びエンコーダ付転がり軸受ユニット
JP2010091374A (ja) 着磁パルサリング、及びこれを用いたセンサ付き転がり軸受装置