JP2002226330A - 毛髪化粧料 - Google Patents

毛髪化粧料

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JP2002226330A
JP2002226330A JP2001030348A JP2001030348A JP2002226330A JP 2002226330 A JP2002226330 A JP 2002226330A JP 2001030348 A JP2001030348 A JP 2001030348A JP 2001030348 A JP2001030348 A JP 2001030348A JP 2002226330 A JP2002226330 A JP 2002226330A
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hair
collagen
hydrolyzed
derivative
fish collagen
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JP2001030348A
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Masato Yoshioka
正人 吉岡
Takashi Adachi
敬 安達
Sueko Omi
須恵子 大海
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Seiwa Kasei Co Ltd
Original Assignee
Seiwa Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毛髪に優れた艶、潤い感を付与し、毛髪の櫛
通り性を改善し、かつ毛髪をなめらかな感触に仕上げる
ことができ、しかも従来の牛や豚由来のコラーゲン加水
分解物配合毛髪化粧料ような動物臭をほとんど感じるこ
とがないコラーゲン加水分解物またはその誘導体を含有
する毛髪化粧料を提供する。 【解決手段】 魚類由来のコラーゲンの加水分解物およ
び/またはその誘導体を含有させて毛髪化粧料を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャンプー、ヘア
ーリンス、ヘアコンディショナー、毛髪セット剤、整髪
料、ヘアクリーム、パーマネントウェーブ用剤、染毛
剤、染毛料などの毛髪化粧料に関し、さらに詳しくは、
毛髪への収着性に優れ、毛髪に優れた艶、潤い、はりを
付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、かつ毛髪をなめらか
な感触に仕上げることができる整髪性に優れた毛髪化粧
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、コラーゲン、ケラチン、絹、
大豆、小麦などの天然物由来の蛋白質を加水分解するこ
とによって得られる加水分解ペプチドやその誘導体を化
粧品に配合することは行われている。これは、それらの
加水分解ペプチドやその誘導体が毛髪や皮膚への収着性
がよく、毛髪の損傷を防止し、損傷した毛髪を回復させ
たり、毛髪や皮膚に保湿性を付与する作用を有し、しか
も、それらの加水分解ペプチドやその誘導体が天然蛋白
質由来であって、毛髪や皮膚に対する刺激が少なく、安
全性が高いという理由によるものである。
【0003】上記のタンパク源の中でも、コラーゲンは
構成アミノ酸にヒドロキシプロリンを多量に含み、その
加水分解ペプチドは毛髪や皮膚に保湿性を付与する作用
に優れ、しかも優れた造膜作用を有するため毛髪や皮膚
の保護効果や艶の付与効果が高く、各種の化粧品に広く
用いられてきた。
【0004】しかしながら、従来用いられているコラー
ゲンは、牛や豚の皮や骨を原料としたものであるため、
動物由来蛋白質加水分解物特有の動物臭があり、加水分
解ペプチドが有する効果を充分に発揮させる量を化粧品
に配合しにくいという問題があった。
【0005】ヒドロキシプロリンを多く含む蛋白質や加
水分解ペプチドとして、特開2000−53696号公
報で海綿動物タンパク質加水分解物の利用が試みられて
いるが、この海綿蛋白では原料源に限りが有る上に、牛
や豚の皮や骨を原料として用いた場合に比べると、加水
分解物の着色度が大きく精製がより煩雑であるという問
題があった。また、魚鱗や魚皮由来のコラーゲンの化粧
品への利用も提案されているが(例えば、特開平5−1
25100号公報、特開平9−278639号公報、特
開2000−256398号公報など)、これらはいず
れもコラーゲンあるいはアテロコラーゲンで分子量が大
きく、毛髪への収着性や浸透性に乏しいという問題があ
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、上記
のような従来技術における問題点を解決するとともに、
毛髪への収着性に優れ、毛髪に優れた艶、潤い、はりを
付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、かつ毛髪をなめらか
な感触に仕上げることができ、しかも従来のコラーゲン
加水分解物配合毛髪化粧料のような動物臭をほとんど感
じることがない化粧料を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため研究を重ねた結果、魚類由来のコラーゲ
ン加水分解物およびその誘導体は、従来の牛や豚の皮や
骨を由来とするコラーゲン加水分解物およびその誘導体
と同様に毛髪に優れた艶、潤い、はりを付与し、毛髪の
櫛通り性を改善し、かつ毛髪をなめらかな感触に仕上げ
ることができ、しかも従来のコラーゲン加水分解物配合
毛髪化粧料のような動物臭をほとんど感じることがない
ことを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用する魚類コラーゲン
加水分解物(加水分解魚類コラーゲン)およびその誘導
体の原料となる魚類コラーゲンは、魚類より得られるも
ので、コラーゲンを含有する魚類であれば魚種や部位を
問わず、硬骨魚類、軟骨魚類のいずれも使用でき、魚鱗
より得られるコラーゲンもこの範疇に含まれる。
【0009】魚類コラーゲンは公知の方法〔例えば、我
孫子義弘編「にかわとゼラチン」、日本にかわ・ゼラチ
ン工業組合(1987年)など〕により製造でき、ま
た、魚類よりコラーゲンを製造する方法に関する特許も
出願されているが(例えば、特開平3−209395号
公報、特開平5−202097号公報、特表平6−51
1269号公報、特開2000−256398号公報、
特許第2931814号公報など)、魚類コラーゲンよ
り製造した魚類由来ゼラチンが市販されているのでこれ
を利用するのが有利である〔例えば、宮城化学(株)製
MMM−1(商品名)、井原水産(株)製マリンゼラチ
ン(商品名)など〕。
【0010】表1に魚類コラーゲンのアミノ酸組成の一
例を示すが、牛や豚などの皮や骨より得られるコラーゲ
ンと比べると、ヒドロキシプロリンがやや少ないもの
の、牛や豚由来のコラーゲンとほぼ同じアミノ酸組成を
有していて、牛や豚などの皮や骨より得られるコラーゲ
ンと同様の性質を有していると考えられる。
【0011】
【表1】
【0012】本発明で使用する魚類コラーゲン加水分解
物およびその誘導体としては、魚類コラーゲンを部分的
に加水分解して得られる加水分解魚類コラーゲン、加水
分解魚類コラーゲンのN−第4級アンモニウム誘導体、
加水分解魚類コラーゲンのN−アシル化誘導体またはそ
の塩、加水分解魚類コラーゲンのN−シリル化誘導体、
加水分解魚類コラーゲンのエステルなどが挙げられる。
【0013】加水分解魚類コラーゲンは、魚類コラーゲ
ンを酸、アルカリ、酵素またはそれらの併用により加水
分解したもので、加水分解の方法は、動植物由来の蛋白
質加水分解物を得る際の方法がそのまま適用できる。分
解時の酸、アルカリ、酵素の量や加熱温度、分解時間な
どを変化させることにより、生成する加水分解ペプチド
の分子量をコントロールすることができるが、本発明の
毛髪化粧料に含有させる加水分解魚類コラーゲンとして
は、数平均分子量が約200〜約5,000のものが好
ましく、約250〜約3,000のものがより好まし
い。
【0014】これは、加水分解魚類コラーゲンの数平均
分子量が上記範囲以下では毛髪への収着性が低くなる
上、加水分解ペプチドの有する毛髪への造膜作用、艶、
はり、なめらかさの付与作用が充分に発揮できないおそ
れがあり、加水分解魚類コラーゲンの分子量が上記範囲
以上になると、毛髪がゴワついたり、高湿度下では毛髪
がべたついたりするおそれがあるからである。
【0015】上記加水分解魚類コラーゲンのN−第4級
アンモニウム誘導体としては、例えば、下記の一般式
(I)
【0016】
【化1】
【0017】〔式中、R1 、R2 、R3 は炭素数1〜2
2のアルキル基または炭素数1〜22のアルケニル基、
あるいはR1 〜R3 のうち1個または2個が炭素数1〜
22のアルキル基または炭素数1〜22のアルケニル基
で、残りが炭素数1〜3のアルキル基、炭素数1〜3の
ヒドロキシアルキル基またはベンジル基である。Aは炭
素数2〜3のアルキレン基または炭素数2〜3のヒドロ
キシアルキレン基で、R 4 は魚類コラーゲン由来のペプ
チドのアミノ酸側鎖を示し、aは2〜50である〕で表
されるものが挙げられ、加水分解魚類コラーゲンのN−
第4級アンモニウム塩は、アルカリ条件下で加水分解魚
類コラーゲンと第4級アンモニウム化合物を反応させる
ことによって得られる。
【0018】第4級アンモニウム化合物の具体例として
は、例えば、グリシジルステアリルジメチルアンモニウ
ムクロリド、グリシジルヤシ油アルキルジメチルアンモ
ニウムクロリド、グリシジルラウリルジメチルアンモニ
ウムクロリド、グリシジルトリメチルアンモニウムクロ
リドなどのグリシジルアンモニウム塩、3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピルステアリルジメチルアンモニウム
クロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルヤシ油
アルキルジメチルアンモにウムクロリド、3−クロロ−
2−ヒドロキシプロピルラウリルジメチルアンモニウム
クロリド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルエチル
ジメチルアンモニウムクロリド、3−クロロ−2−ヒド
ロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドなどの
3−ハロ−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩、2
−クロロエチルトリメチルアンモニウムクロリドなどの
2−ハロゲンエチルアモニウム塩、3−クロロプロピル
トリメチルアンモニウムクロリドなどの3−ハロゲンプ
ロピルアンモニウム塩などが挙げられる。
【0019】そして、この加水分解魚類コラーゲンのN
−第4級アンモニウム誘導体でも、そのペプチド部分の
数平均分子量が、上記加水分解魚類コラーゲンと同様の
理由で、約200〜約5,000であることが好まし
く、約250〜約3,000のものがより好ましい。
【0020】上記加水分解魚類コラーゲンのN−アシル
化誘導体またはその塩としては、例えば、加水分解魚類
コラーゲンのN末端アミノ基または塩基性アミノ酸の側
鎖のアミノ基に、炭素数8〜32の直鎖または分岐鎖の
飽和または不飽和の脂肪酸や樹脂酸などを縮合させたN
−アシル化加水分解魚類コラーゲンまたはその塩が挙げ
られる。
【0021】このようなN−アシル化加水分解魚類コラ
ーゲンまたはその塩としては、例えば、加水分解魚類コ
ラーゲンのラウリン酸縮合物、ミリスチン酸縮合物、ヤ
シ油脂肪酸縮合物、イソステアリン酸縮合物、ウンデシ
レン酸縮合物、ラノリン脂肪酸縮合物、樹脂酸縮合物、
水素添加樹脂酸縮合物などや、それら酸縮合物のカリウ
ム塩、ナトリウム塩、トリエタノールアミン塩、2−ア
ミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩などが
挙げられる。
【0022】そして、この加水分解魚類コラーゲンのN
−アシル化誘導体またはその塩でも、そのペプチド部分
の数平均分子量が、上記加水分解魚類コラーゲンと同様
の理由で、約200〜約5,000であることが好まし
く、約250〜約3,000のものがより好ましい。
【0023】上記加水分解魚類コラーゲンのシリル化誘
導体としては、例えば、下記一般式(II)
【0024】
【化2】
【0025】〔式中、R5 、R6 、R7 のうち少なくと
も一つは水酸基を示し、残りは炭素数1〜3のアルキル
基を示す。R8 は側鎖の末端にアミノ基を有する魚類コ
ラーゲン由来の塩基性アミノ酸の末端アミノ基を除く残
基を示し、R9 はR8 以外の魚類コラーゲン由来のアミ
ノ酸側鎖を示す。Bは結合手で、メチレン、プロピレ
ン、−CH2 OCH2 CH(OH)CH2 −または−
(CH2 3 OCH2 CH(OH)CH2 −で示される
基であり、bは0〜20、cは1〜50、b+cは2〜
50である(ただし、bおよびcはアミノ酸の数を示す
のみで、アミノ酸配列の順序を示すものではない)〕で
表される加水分解魚類コラーゲンのアミノ酸側鎖のアミ
ノ基を含むアミノ基にケイ素原子をただ一つ含む官能基
が結合したシリル化加水分解魚類コラーゲンが挙げら
れ、このようなシリル化加水分解魚類由来コラーゲン
は、例えば、特開平8−59424号公報、特開平8−
607608号公報、特開平7−228505号公報な
どに記載の方法によって製造できる。
【0026】そして、この加水分解魚類コラーゲンのシ
リル化誘導体でも、そのペプチド部分の数平均分子量
が、上記加水分解魚類コラーゲンと同様の理由で、約2
00〜約5,000であることが好ましく、約250〜
約3,000のものがより好ましい。
【0027】上記加水分解魚類コラーゲンのエステルと
しては、上記加水分解魚類コラーゲンのカルボキシル基
における炭素数1〜22のアルコール類とのエステル、
例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエ
ステル、イソプロピルエステル、ラウリルエステル、セ
チルエステル、2−エチルヘキシルエステル、2−ヘキ
シルデシルエステル、ステアリルエステル、イソステア
リルエステルなどが挙げられる。
【0028】本発明の毛髪化粧料は、魚類コラーゲン加
水分解物およびその誘導体からなる群から選ばれる少な
くとも1種を各種の毛髪化粧料に含有させることによっ
て構成されるが、対象となる毛髪化粧料としては、例え
ば、ヘアーリンス、ヘアトリートメント、シャンプー、
毛髪セット剤、整髪料、ヘアクリーム、パーマネントウ
ェーブ用剤、染毛剤、染毛料などが挙げられる。
【0029】そして、魚類コラーゲン加水分解物および
その誘導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の毛
髪化粧料中での含有量(毛髪化粧料中への配合量)とし
ては、毛髪化粧料の種類によって含有量は変化するが、
毛髪化粧料中0.05〜30重量%が好ましく、0.5
〜20重量%にするのがより好ましい。ただし、パーマ
ネントウェーブ処理や染毛処理などの化学処理を毛髪に
施す際の中間処理剤や後処理処理剤として使用されるP
PTトリートメント(ポリペプチドトリートメント)で
は、加水分解ペプチドやその誘導体は高濃度に配合さ
れ、含有量が20%を超えるものもある。
【0030】魚類コラーゲン加水分解物およびその誘導
体からなる群から選ばれる少なくとも1種の毛髪化粧料
中での含有量を上記のように規定しているのは、魚類コ
ラーゲン加水分解物およびその誘導体からなる群から選
ばれる少なくとも1種の毛髪化粧料中での含有量が上記
範囲より少ない場合は、毛髪に優れた艶、潤い、はりを
付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、かつ毛髪をなめらか
感触に仕上げる効果が充分に発揮されないおそれがあ
り、また逆に、魚類コラーゲン加水分解物およびその誘
導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の毛髪化粧
料中での含有量が上記範囲より多くなると、毛髪にゴワ
ツキ感やべたつき感を与えるおそれがあるためである。
【0031】本発明の毛髪化粧料は、魚類コラーゲン加
水分解物およびその誘導体からなる群から選ばれる少な
くとも1種を毛髪化粧料に含有させることによって構成
されるが、魚類コラーゲン加水分解物およびその誘導体
を2種以上含有させる場合は、異なった種類の誘導体を
2種以上含有させてもよいし、ペプチド分子量が異なる
同一の誘導体を2種以上含有させてもよい。
【0032】そして、本発明の毛髪化粧料中に、魚類コ
ラーゲン加水分解物およびその誘導体からなる群から選
ばれる少なくとも1種と併用して配合できる成分として
は、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸モ
ノエタノールアミンなどのアルキル硫酸塩、ポリオキシ
エチレン(2EO)ラウリルエーテル硫酸トリエタノー
ルアミン(なお、EOはエチレンオキサイドで、EOの
前の数値はエチレンオキサイドの付加モル数を示す)、
ポリオキシエチレン(3EO)アルキル(炭素数11〜
15のいずれかまたは2種以上の混合物)エーテル硫酸
ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸塩、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウ
リルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミンなどのア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレン(3
EO)トリデシルエーテル酢酸塩などのポリオキシエチ
レンアルキルエーテル酢酸塩、ヤシ油脂肪酸−L−グル
タミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸ザルコシンナトリウ
ムなどのN−アシルアミノ酸塩、魚類以外の動物由来コ
ラーゲン、ケラチン、フィブロイン、セリシン、カゼイ
ン、大豆、小麦、トウモロコシなどの動植物由来のタン
パク加水分解物や酵母、キノコ類などの微生物由来のタ
ンパク加水分解物を炭素数8〜20の脂肪酸でアシル化
したアシル化加水分解タンパクまたはその塩、硬化ヤシ
油脂肪酸グリセリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレ
ンアルキル(炭素数12〜18)エーテルリン酸塩(1
〜10EO)、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン
酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシ
エチレンアルキル(炭素数12〜22)エーテル(7E
O)、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキ
シエチレンオレイン酸グリセリル、ポリオキシエチレン
ステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルステア
リルジエーテル、ポリオキシエチレンソルビトールラノ
リン(40EO)、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセ
チルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンデシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレンラ
ノリンアルコール、ポリオキシプロピレンステアリルエ
ーテル、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシド
などのノニオン性界面活性剤、2−アルキル−N−カル
ボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム
ベタイン、ウンデシル−N−ヒドロキシエチル−N−カ
ルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、N−ヤシ油
脂肪酸アシル−L−アルギニンエチル−DL−ピロリド
ンカルボン酸塩、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイ
ン、N−アルキル(炭素数12〜18)ジメチルアミノ
酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化ステアリルト
リメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニ
ウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、
塩化オレイルベンジルジメチルアンモニウム、塩化ミン
ク油アルキルアミドプロピルジメチルヒドロキシエチル
アンモニウム、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチ
ルヒドロキシアンモニウム、アルキルピリジニウム塩な
どのカチオン性界面活性剤、カチオン化セルロース、カ
チオン化ヒドロキシエチルセルロース、ポリ塩化ジアリ
ルジメチルアンモニウム、ポリビニルピロリドンなどの
カチオン性ポリマー、両性ポリマー、アニオン性ポリマ
ーなどの合成ポリマー、イソステアリン酸ジエタノール
アミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラノリン脂肪
酸ジエタノールアミドなどの増粘剤、動植物抽出物、ポ
リサッカライドまたはその誘導体、動植物および微生物
由来のタンパク質の加水分解ペプチドやそのペプチドエ
ステル誘導体、動植物および微生物由来のタンパク質の
加水分解ペプチドのN−第4級アンモニウム誘導体、プ
ロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グ
リセリンなどの保湿剤、エタノール、プロパノールなど
の低級アルコール類、L−アスパラギン酸ナトリウム、
DL−アラニン、グリシン、L−アルギニン、L−シス
テインなどのアミノ酸、ワックス、パラフィン、脂肪酸
エステル、グリセライド、動植物油などの油脂類、鎖状
または環状のメチルポリシロキサン、メチルフェニルポ
リシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変
性シリコーンなどのシリコーン類、などが挙げられる
が、これら以外にも本発明の毛髪化粧料の特性を損なわ
ない範囲で、適宜他の成分を添加することができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の毛髪化粧料は、魚類コラーゲン
加水分解物およびその誘導体からなる群から選ばれる少
なくとも1種を含有し、毛髪に優れた艶、潤い、はりを
付与し、毛髪の櫛通り性を改善し、かつ毛髪をなめらか
な感触に仕上げることができ、しかも従来の牛や豚由来
のコラーゲン加水分解物配合毛髪化粧料のような動物臭
をほとんど感じることがない。
【0034】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例な
どにおいて、溶液や分散液などの濃度を示す%はいずれ
も重量%である。
【0035】実施例1および比較例1〜2 表2に示す組成の3種類のヘアリンスを調製し、それぞ
れのヘアリンスをシャンプーで洗浄した毛髪に使用し
て、毛髪の艶、潤い感、なめらかさ、櫛通り性および処
理後の毛髪の残り香の強さを評価した。なお、表2中の
各成分の配合量はいずれも重量部によるものであり、配
合量が固形分量でないものについては、成分名のあとに
括弧書きで固形分濃度を示している。これらは、以降の
組成を示す表4、表6、表8、表10、表11、表1
3、表15などにおいても同様である。また、比較例で
使用する牛や豚の皮を原料とするコラーゲン加水分解物
またはその誘導体については、成分名の後ろに括弧書き
で(牛皮)または(豚皮)と記してそのコラーゲンの由
来を記す。
【0036】実施例1おいては、数平均分子量約200
0の加水分解魚類コラーゲンのN−トリメチルアンモニ
オ−2−ヒドロキシプロピル誘導体を用い、比較例1で
は加水分解魚類コラーゲンのN−トリメチルアンモニオ
−2−ヒドロキシプロピル誘導体に代えて数平均分子量
約2000の加水分解コラーゲン(豚皮)のN−トリメ
チルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピル誘導体を用
い、比較例2は加水分解コラーゲンのN−第4級アンモ
ニウム誘導体などは用いていないブランク試験である。
【0037】
【表2】
【0038】上記ヘアリンスによる処理に先立ち、長さ
15cmで重さ1gの毛束を3本用意し、加水分解ペプ
チドやその誘導体を含まない市販のシャンプーで洗浄
し、お湯でゆすいだ。この洗浄後の毛束に対して、上記
実施例1および比較例1〜2のヘアリンスをそれぞれ2
gずつ用いて処理し、お湯でゆすいだ。このシャンプー
洗浄とヘアリンス処理を5回繰り返した後、毛髪の艶、
潤い感、なめらかさおよび櫛通り性を10人の女性パネ
ラーに評価させた。評価基準は、最も良いものを〔2
点〕とし、2番目に良いものを〔1点〕とし、悪いもの
を〔0点〕として評価させた。
【0039】また、処理後の毛髪の残り香の強さを比較
例2(ブランク試験)と比較評価させた。評価基準は下
記の通りであり、評価値0(ゼロ)はブランク試験と同
程度のにおいを意味し、数値が大きくなるほどにおいが
強い(悪い)ことを表す。
【0040】残り香の評価基準 ブランク試験とほぼ同じ ;0 ブランク試験と比べてやや強い ;1 ブランク試験と比べて強い ;2 ブランク試験と比べて非常に強い;3
【0041】これらの評価試験の結果を表3に10人の
平均値で示す。
【0042】
【表3】
【0043】表3に示すように、加水分解魚類コラーゲ
ンのN−トリメチルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピ
ル誘導体を含有する実施例1のヘアリンスで処理した毛
髪は、加水分解コラーゲン(豚皮)のN−トリメチルア
ンモニオ−2−ヒドロキシプロピル誘導体を含有する比
較例1のヘアリンスで処理した毛髪に比べて、毛髪のな
めらかさおよび櫛通り性については比較例1より評価値
が高く、毛髪の艶や潤い感についても比較例1とほぼ同
じ評価値であり、加水分解魚類コラーゲンのN−トリメ
チルアンモニオ−2−ヒドロキシプロピル誘導体は従来
の加水分解コラーゲン(豚皮)のN−トリメチルアンモ
ニオ−2−ヒドロキシプロピル誘導体と遜色のない効果
を毛髪に付与することが明らかであった。しかも、処理
後の毛髪の残り香については、実施例1のヘアリンスで
処理した毛髪は比較例1のヘアリンスで処理した毛髪に
比べ評価値が高く(すなわち、実施例1は比較例1より
数値が小さく)、パネラーの大多数が、実施例1のヘア
リンスで処理した毛髪は、比較例1のヘアリンスで処理
した毛髪に比べ、動物臭が少ないと答えていた。
【0044】実施例2および比較例3〜4 表4に示す組成の3種類の毛髪スタイリングジェルを調
製し、それぞれの毛髪スタイリングジェルを洗浄した毛
束に使用して、処理後の毛髪の艶、潤い感、なめらか
さ、櫛通り性、ウェーブの感触および残り香の強さを評
価した。
【0045】実施例2では加水分解魚類コラーゲン(ペ
プチドの数分子量約1000)のN−(3−ヤシ油アル
キルジメチルアンモニオ)−2−ヒドロキシプロピル誘
導体を用い、比較例3では加水分解魚類コラーゲンのN
−(3−ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)−2−ヒ
ドロキシプロピル誘導体に代えてペプチドの数分子量が
約1000のコラーゲン加水分解物(豚皮)のN−(3
−ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)−2−ヒドロキ
シプロピル誘導体を用い、比較例4は加水分解コラーゲ
ンのN−第4級アンモニウム誘導体を用いていないブラ
ンク試験である。
【0046】
【表4】
【0047】上記毛髪スタイリングジェルによる処理に
先立ち、長さ30cmで重さ2.5gの毛束を3本用意
し、あらかじめ2%ポリオキシエチレン(3)ラウリル
エーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、水道水流水中
でゆすいで室温で風乾した。この毛束を直径25mmの
カール用ロッドに巻き付け、そのロッドに巻き付けた毛
束に実施例2および比較例3〜4の毛髪スタイリングジ
ェルをそれぞれ2gずつ塗布し、ヘアードライヤーで乾
燥した。乾燥後毛束をロッドから外し、毛髪の艶、潤い
感、なめらかさ、櫛通り性、ウェーブの感触および残り
香の強さを10人の女性パネラーに実施例1と同様の評
価基準で評価させた。その結果を表5に10人の平均値
で示す。
【0048】
【表5】
【0049】表5に示すように、加水分解魚類コラーゲ
ンのN−(3−ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)−
2−ヒドロキシプロピル誘導体を含有する実施例2の毛
髪スタイリングジェルで処理した毛髪は、コラーゲン加
水分解物(豚皮)のN−(3−ヤシ油アルキルジメチル
アンモニオ)−2−ヒドロキシプロピル誘導体を含有す
る比較例3の毛髪スタイリングジェルで処理した毛髪に
比べて、毛髪の艶、潤い感については評価値は同じであ
るが、なめらかさ、櫛通り性およびウェーブの感触につ
いては評価値が高く、さらに、残り香の強さについて
は、実施例2の毛髪スタイリングジェルで処理した毛髪
は、比較例3の毛髪スタイリングジェルで処理した毛髪
に比べて評価値が高く(すなわち、実施例2は比較例3
より数値が小さく)、加水分解魚類コラーゲンのN−
(3−ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)−2−ヒド
ロキシプロピル誘導体はコラーゲン加水分解物(豚皮)
のN−(3−ヤシ油アルキルジメチルアンモニオ)−2
−ヒドロキシプロピル誘導体よりにおいが少ないことが
明らかであった。
【0050】実施例3および比較例5〜6 表6に示す組成の3種類のシャンプーを調製し、毛髪に
適用したときの毛髪の艶、潤い感、なめらかさ、櫛通り
性および残り香の強さについて評価した。
【0051】実施例3では加水分解魚類コラーゲン(ペ
プチドの数平均分子量約400)のN−ヤシ油脂肪酸誘
導体のカリウム塩(ヤシ油脂肪酸加水分解魚類コラーゲ
ンカリウム)を用い、比較例5では加水分解魚類コラー
ゲンのN−ヤシ油脂肪酸誘導体のカリウム塩に代えてペ
プチドの数平均分子量が約400のコラーゲン加水分解
物(牛皮)のN−ヤシ油脂肪酸誘導体のカリウム塩(ヤ
シ油脂肪酸加水分解コラーゲンカリウム)を用い、比較
例6は加水分解コラーゲンのN−アシル化誘導体などを
用いていないブランク試験である。
【0052】
【表6】
【0053】上記シャンプーによる処理は次のようにし
て行った。すなわち、長さ15cmで重さ1gの毛束を
3本用意し、上記実施例3および比較例5〜6のシャン
プーをそれぞれ2gずつ用いて毛束を1分間洗浄し、お
湯の流水中で30秒間ゆすいだ。このシャンプー洗浄と
ゆすぎ処理を5回繰り返した後、毛髪の艶、潤い感、な
めらかさ、櫛通り性および残り香の強さを10人の女性
パネラーに、実施例1と同様の評価基準で評価させた。
表7にその結果を10人の平均値で示す。
【0054】
【表7】
【0055】表7に示すように、加水分解魚類コラーゲ
ンのN−ヤシ油脂肪酸誘導体のカリウム塩を含有する実
施例3のシャンプーで処理すると、加水分解コラーゲン
(牛皮)のN−ヤシ油脂肪酸誘導体のカリウム塩を含有
する比較例5のシャンプーで処理した場合と比べて、毛
髪に艶、潤い感、なめらかさおよび櫛通り性のいずれの
評価項目についても同等かそれ以上の効果を付与するこ
とが明らかであり、毛髪の残り香については、加水分解
魚類コラーゲンのN−ヤシ油脂肪酸誘導体のカリウム塩
を含有する実施例3のシャンプーで処理した毛髪は、加
水分解コラーゲン(牛皮)のN−ヤシ油脂肪酸誘導体の
カリウム塩を含有する比較例5のシャンプーした毛髪に
比べて評価値が高く(すなわち、実施例3は比較例5よ
り数値が小さく)、加水分解魚類コラーゲンのN−ヤシ
油脂肪酸誘導体のカリウム塩は加水分解コラーゲン(牛
皮)のN−ヤシ油脂肪酸誘導体のカリウム塩より残り香
の少ないシャンプーを調製できることが明らかであっ
た。
【0056】実施例4および比較例7〜8 表8に示す組成の3種類のパーマネントウェーブ用第1
剤を調製し、それぞれのパーマネントウェーブ用第1剤
と、6%臭素酸ナトリウム水溶液からなるパーマネント
ウェーブ第2剤を用いて毛束にパーマネントウェーブ処
理を施し、毛髪の艶、潤い感、はりおよびなめらかさを
評価した。
【0057】実施例4では数平均分子量約1000の加
水分解魚類コラーゲンを用い、比較例7では加水分解魚
類コラーゲンに代えて数平均分子量約1000の加水分
解コラーゲン(豚皮)を用い、比較例8は加水分解コラ
ーゲンなどを用いていないブランク試験である。
【0058】
【表8】
【0059】上記パーマネントウェーブ用第1剤による
毛髪の処理は下記のように行った。すなわち、長さ15
cmに揃えた毛髪をあらかじめ2%ポリオキシエチレン
(10EO)ノニルフェニルエーテル水溶液で洗浄し、
水道水流水中でゆすいで室温で風乾し、これらの毛髪4
0本からなる毛束を3本作製し、それらをそれぞれ長さ
10cmで直径1cmのロッドに巻き付けた。そのロッ
ドに巻き付けた毛束に、実施例4および比較例7〜8の
パーマネントウェーブ用第1剤をそれぞれ2mlずつ塗
布し、それらの毛束をラップで覆い、15分間放置後、
流水で静かに10秒間洗浄し、ついでパーマネントウェ
ーブ用第2剤を2mlずつ塗布し、ラップで覆い、15
分間放置した後、流水中で30秒間静かに洗浄した。各
ロッドは60℃の熱風乾燥機中で乾燥し、乾燥後、毛束
をロッドからはずし、毛髪の艶、潤い感、はりおよびな
めらかさを10人のパネラーに実施例1と同じ評価基準
で評価させた。その結果を表9に10人の平均値で示
す。
【0060】
【表9】
【0061】表9に示すように、加水分解魚類コラーゲ
ンを含有する実施例4のパーマネントウェーブ用第1剤
で処理した毛髪は、加水分解コラーゲン(豚皮)を含有
する比較例7のパーマネントウェーブ用第1剤で処理し
た毛髪に比べて、毛髪の艶、潤い感、はり、なめらかさ
のいずれの評価項目においても評価値がやや高く、加水
分解魚類コラーゲンは毛髪に艶、潤い感、はり、なめら
かさを付与する効果に優れていることが明らかであっ
た。
【0062】実施例5および比較例9〜10 表10に示す組成の3種類の酸化型染毛剤第1剤を調製
し、それぞれの酸化型染毛剤第1剤と下記表11に示す
酸化型染毛剤第2剤とを混合し、毛髪を染毛後、毛髪の
艶、潤い感、はり、なめらかさおよび櫛通り性を評価し
た。
【0063】実施例5では、数平均分子量約450の加
水分解魚類コラーゲンを用い、比較例9では加水分解魚
類コラーゲンに代えて数平均分子量約450の加水分解
コラーゲン(牛皮)を用い、比較例10では加水分解コ
ラーゲンなどを用いていないブランク試験である。
【0064】
【表10】
【0065】酸化型染毛剤第2剤は、実施例5および比
較例9〜10に共通で、表11に示す通りである。
【0066】
【表11】
【0067】上記酸化型染毛剤による毛髪の処理は下記
のように行った。すなわち、長さ15cmで重さ1gの
毛束を3本用意し、それらの毛束を2%ポリオキシエチ
レン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液で洗
浄し、水道水の流水中でゆすいだ後、風乾した。これら
の毛束に、実施例5の酸化型染毛剤第1剤と上記第2剤
を同量ずつ混合した酸化型染毛剤および比較例9〜10
の酸化型染毛剤第1剤と上記第2剤を同量ずつ混合した
酸化型染毛剤をそれぞれ2gずつを均一に塗布した後、
30分間放置し、お湯でゆすぎ、ついで2%ポリオキシ
エチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液
で洗浄し、さらに水道水の流水中でゆすぎ、ヘアドライ
ヤーで熱風乾燥した。乾燥後の毛束の艶、潤い感、は
り、なめらかさおよび櫛通り性を10人のパネラーに実
施例1と同様の評価基準で評価させた。その結果を表1
2に平均値で示す。
【0068】
【表12】
【0069】表12に示すように、加水分解魚類コラー
ゲンを含有する実施例5の酸化型染毛剤で染毛処理した
毛髪は、加水分解コラーゲン(牛皮)を含有する比較例
9の酸化型染毛剤で染毛処理した毛髪に比べて、毛髪の
艶、潤い感、はり、なめらかさおよび櫛通り性のいずれ
の評価項目においても評価値がやや高く、加水分解魚類
コラーゲンは毛髪に対して優れた艶、潤い感、はり、な
めらかさ、良好な櫛通り性を付与する効果を有すること
が明らかであった。
【0070】実施例6および比較例11〜12 表13に示す組成の3種類の毛髪セット剤を調製し、毛
髪に適用したときの毛髪の艶、潤い感、はり、なめらか
さ、櫛通り性および残り香の強さについて評価した。
【0071】実施例6ではペプチドの数平均分子量約2
000の加水分解魚類コラーゲンのN−シリル化誘導体
(N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−トリヒドロキシ
シリル)プロポキシ〕プロピル加水分解魚類コラーゲ
ン)を用い、比較例11では加水分解魚類コラーゲンの
シリル化誘導体に代えてペプチドの数平均分子量が約2
000のコラーゲン加水分解物(豚皮)のN−シリル化
誘導体(N−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−トリヒド
ロキシシリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲ
ン(豚皮))を用い、比較例12は加水分解コラーゲン
のN−シリル化誘導体などを用いていないブランク試験
である。なお、実施例6および比較例11で使用したシ
リル化誘導体の物質名は上記括弧内に記した通り、N−
〔2−ヒドロキシ−3−(3’−トリヒドロキシシリ
ル)プロポキシ〕プロピル加水分解魚類コラーゲンおよ
びN−〔2−ヒドロキシ−3−(3’−トリヒドロキシ
シリル)プロポキシ〕プロピル加水分解コラーゲン(豚
皮)であるが、下記の表13およびそれ以降の説明では
簡略して、加水分解魚類コラーゲンのN−シリル化誘導
体および加水分解コラーゲン(豚皮)のN−シリル化誘
導体と記す。
【0072】
【表13】
【0073】上記毛髪セット剤による毛髪の処理は下記
のように行った。すなわち、長さ15cmで重さ1gの
毛束を3本用意し、2%ポリオキシエチレン(10E
O)ノニルフェニルエーテル水溶液で洗浄し、水でゆす
いで室温で風乾し、それらをそれぞれ直径1cmのロッ
ドに巻き付けた。そのロッドに巻き付けた毛束に、実施
例6および比較例11〜12の毛髪セット剤をそれぞれ
2mlずつ塗布し、90℃の熱風乾燥機中で乾燥した。
乾燥後の毛髪をロッドよりはずし、毛髪の艶、潤い感、
はり、なめらかさ、櫛通り性および残り香の強さを10
人の女性パネラーに、実施例1と同様の評価基準で評価
させた。表14にその結果を10人の平均値で示す。
【0074】
【表14】
【0075】表14に示すように、加水分解魚類コラー
ゲンのN−シリル化誘導体を含有する実施例6の毛髪セ
ット剤で処理すると、加水分解コラーゲン(豚皮)のN
−シリル化誘導体を含有する比較例11の毛髪セット剤
で処理した場合と比べて、毛髪の潤い感、なめらかさに
ついてはほぼ同程度であるが、艶、はり、櫛通り性につ
いてはやや評価値が高かった。さらに、毛髪の残り香に
ついては、加水分解魚類コラーゲンのN−シリル化誘導
体を含有する実施例6の毛髪セット剤で処理した毛髪
は、加水分解コラーゲン(豚皮)のN−シリル化誘導体
を含有する比較例11の毛髪セット剤で処理した毛髪に
比べて評価値が高く(すなわち、数値が小さく)、加水
分解魚類コラーゲンのN−シリル化誘導体は加水分解コ
ラーゲン(豚皮)のN−シリル化誘導体に比べて処理後
の毛髪に残り香をほとんど残さないことが明らかであっ
た。
【0076】実施例7および比較例13〜14 表15に示す組成の3種類の整髪料(ヘアリキッド)を
調製し、毛髪に適用したときの毛髪の艶、潤い感、なめ
らかさ、櫛通り性および残り香の強さについて評価し
た。
【0077】実施例7ではペプチドの数平均分子量約4
00の加水分解魚類コラーゲンのエチルエステルを用
い、比較例13では加水分解魚類コラーゲンのエチルエ
ステルに代えてペプチドの数平均分子量が約400のコ
ラーゲン加水分解物(牛皮)のエチルエステルを用い、
比較例14は加水分解コラーゲンのエステル誘導体など
を用いていないブランク試験である。
【0078】
【表15】
【0079】上記整髪料による処理に先立ち、長さ15
cmで重さ1gの毛束を3本用意し、加水分解ペプチド
やその誘導体を含まない市販のシャンプーで洗浄し、お
湯でゆすぎ、ヘアドライヤーで乾燥した。この洗浄・乾
燥後の毛束に対して、上記実施例7および比較例13〜
14の整髪料をそれぞれ2gずつ用いて処理し、ヘアド
ライヤーで乾燥後、室温で1時間放置した。1時間放置
後各毛束は、上記の市販のシャンプーで洗浄した。この
シャンプー洗浄と整髪料処理を3回繰り返した後、毛髪
の艶、潤い感、なめらかさ、櫛通り性および残り香の強
さを10人の女性パネラーに実施例1と同様の評価基準
で評価させた。表16にそれらの結果を10人の平均値
で示す。
【0080】
【表16】
【0081】表16に示すように、加水分解魚類コラー
ゲンのエチルエステルを含有する実施例7の整髪料で処
理した毛髪は、加水分解コラーゲン(牛皮)のエチルエ
ステルを含有する比較例13の整髪料で処理した毛髪と
比べて、毛髪の潤い感および櫛通り性がやや優れ、毛髪
の艶およびなめらかさについては同等という評価であっ
た。しかし、毛髪の残り香については、加水分解魚類コ
ラーゲンのエチルエステルを含有する実施例7の整髪料
で処理した毛髪は、加水分解コラーゲン(牛皮)のエチ
ルエステルを含有する比較例13の整髪料で処理した毛
髪に比べて評価値が高く(すなわち、数値が小さく)、
しかも、パネラーの全員が実施例7の整髪料で処理した
毛髪には動物臭がほとんど感じられないと答えていて、
加水分解魚類コラーゲンのエチルエステルは、加水分解
コラーゲン(牛皮)のエチルエステルに比べて処理後の
毛髪に残り香をほとんど残さないことが明らかであっ
た。
【0082】化粧品のにおい比較試験 実施例1、2、3、6の毛髪化粧料およびそれぞれに対
応する比較例1、3、5、11の毛髪化粧料を40℃の
恒温槽に1週間保存し、保存後のにおいの強弱を10人
のパネラーに比較させた。試験した実施例1、2、3、
6の毛髪化粧料に含まれる魚類コラーゲン加水分解物ま
たはその誘導体とそれに対応する比較例1、3、5、1
1の毛髪化粧料中に含まれる加水分解コラーゲンまたは
その誘導体は表17に示す通りである。なお、実施例4
のパーマネントウェーブ用第1剤と実施例5の酸化型染
毛剤は、配合成分中にアンモニア水が含まれていてペプ
チド臭の比較が難しく、また、実施例7の整髪料には多
量のエタノールが含まれていてアルコール臭が強いた
め、においの比較試験は行わなかった。
【0083】
【表17】
【0084】試験では、それぞれの毛髪化粧料100g
を容量100mlのガラス瓶に入れ、密封して40℃の
恒温槽に1週間保存した。1週間の保存終了後、各試料
のにおいを、実施例と比較例を比較してどちらがにおい
が弱いかを10人のパネラー(女性5人、男性5人)に
評価させた。評価方法は、実施例および比較例それぞれ
の試料を0.5gずつ左右の手の甲に取り、指で広げて
そのにおいを嗅ぎ比べることによって行った。その結果
を表18に、実施例の方がにおいが弱いと答えた人数、
比較例の方がにおいが弱いと答えた人数、どちらとも言
えないと答えた人数で示す。
【0085】
【表18】
【0086】表18に示すように、パネラー全員が実施
例の方がにおいが弱いと答えていて、実施例1、2、
3、6の魚類コラーゲン加水分解物またはその誘導体を
含有する毛髪化粧料はいずれも、それぞれに対応する比
較例1、3、5、11の加水分解コラーゲンまたはその
誘導体を含有する毛髪化粧料に比べて、においが弱いと
の評価であり、パネラー全員が比較例1、3、5、11
の毛髪化粧料は実施例1、2、3、6の毛髪化粧料より
動物臭が強いと答えていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AB082 AB412 AC092 AC102 AC122 AC152 AC182 AC242 AC302 AC352 AC422 AC472 AC482 AC532 AC542 AC552 AC642 AC692 AC772 AC782 AC792 AD092 AD132 AD162 AD412 AD431 AD432 AD442 AD452 CC31 CC32 CC36 CC38 CC39 DD23 DD41 EE06 EE07 EE12 EE26

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚類コラーゲン加水分解物およびその誘
    導体からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する
    ことを特徴とする毛髪化粧料。
  2. 【請求項2】 魚類コラーゲン加水分解物およびその誘
    導体からなる群から選ばれる少なくとも1種の含有量が
    0.05〜30重量%である請求項1に記載の毛髪化粧
    料。
  3. 【請求項3】 魚類コラーゲン加水分解物およびその誘
    導体からなる群が、加水分解魚類コラーゲン、加水分解
    魚類コラーゲンのN−第4級アンモニウム塩、加水分解
    魚類コラーゲンのN−アシル化誘導体またはその塩、加
    水分解魚類コラーゲンのN−シリル化誘導体、加水分解
    魚類コラーゲンのエステルからなる群である請求項1ま
    たは2に記載の毛髪化粧料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003183119A (ja) * 2001-12-21 2003-07-03 Pola Chem Ind Inc なめらかさを付与する化粧料
JP2013079213A (ja) * 2011-10-04 2013-05-02 Arimino Kagaku Kk 毛髪化粧料

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