JP2002226227A - 光ファイバの線引き方法 - Google Patents

光ファイバの線引き方法

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JP2002226227A JP2001022149A JP2001022149A JP2002226227A JP 2002226227 A JP2002226227 A JP 2002226227A JP 2001022149 A JP2001022149 A JP 2001022149A JP 2001022149 A JP2001022149 A JP 2001022149A JP 2002226227 A JP2002226227 A JP 2002226227A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比屈折率差が大きい光ファイバを線引きする
場合であっても、光ファイバ内の格子欠陥の残留量を十
分に低減することができ、水素雰囲気下での特性劣化が
十分に抑制された光ファイバを効率よく且つ安価に得る
ことが可能な光ファイバの線引き方法を提供すること。 【解決手段】 本発明の光ファイバの線引き方法は、線
引き炉3を用い、炉心管4の入口から光ファイバ母材1
を挿入して、ヒータ6a、6bにより光ファイバ母材1
を加熱軟化させて、炉心管4の出口に向かって所定の引
張張力で線引きする方法であって、線引き方向に沿った
炉心管4の表面の温度分布が、中央部aよりも入口に近
い部分bで最高温度となり、最高温度となる部分bから
出口に向かって実質的に単調減少し、且つ最高温度が1
700〜2300℃の範囲内であるという条件を満たす
ことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの線引
き方法に関するものであり、詳しくは、線引き炉内で光
ファイバ母材を加熱軟化させながら線引きして光ファイ
バを得る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバは、銅線ケーブルに比べて小
型、軽量、低伝送損失、高帯域伝送等の利点を有してい
ることから、広く通信路線に取り入れられてきている。
【0003】従来の光ファイバの製造工程においては、
通常、図10に示すような線引き炉が用いられる。すな
わち、光ファイバ母材(プリフォーム)1を線引き炉3
の炉心管4内に挿入し、炉体5内において炉心管4の外
周に配置されたヒータ6により光ファイバ母材1の先端
を加熱軟化させて、キャプスタン(図示せず)等により
所定の張力を加えながら線引きすることによって、所望
の線径を有する光ファイバ2が得られる。
【0004】光ファイバを製造するに際して、様々な製
造方法及び製造装置が提案されている。例えば、特開平
4−198036号公報には上部にアニール用ヒータを
備える加熱炉、実開昭61−147233号公報にはコ
イル状のヒータを備える加熱炉がそれぞれ開示されてい
る。また、特公平6−2603号公報には、線引き炉と
コーティングユニットとの間に熱処理炉を備える光ファ
イバ製造装置及びそれを用いる製造方法が開示されてお
り、熱処理炉の温度分布を光ファイバ母材側ほど高温と
することによって光ファイバ中の欠陥を減少できること
が記載されている。さらに、特公平8−9490号公報
には、光ファイバ母材の長さと線速との関係が所定の条
件を満たすように線引きする方法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、分散
補償ファイバ等の、クラッドに対する中心コアの比屈折
率差(Δ+)が1%を超える光ファイバの需要が高まっ
てきている。光ファイバの比屈折率差を高める手段とし
ては、コア部に酸化ゲルマニウム(GeO2)等のゲル
マニウム化合物を添加する方法が挙げられ、このように
して得られる光ファイバのコア部にはケイ素原子(S
i)とゲルマニウム原子とが酸素原子を介して結合した
骨格が形成される。
【0006】しかしながら、コア部にゲルマニウム化合
物を高濃度で含有する光ファイバを上記従来の方法によ
り製造すると、その線引き工程においてSi−O−Ge
結合の熱解離により非架橋酸素ホールセンター等の欠陥
が発現し、その結果、水素雰囲気下で光ファイバの1.
38μmの波長を有する光の伝送損失が増加しないとい
う特性(以下、「水素特性」という)が不十分となる。
この非架橋酸素ホールセンターの発現は光ファイバ母材
を大型化したり高線速化した場合に顕著に見られるもの
であり、中心コアの比屈折率差が大きい光ファイバを効
率よく且つ確実に量産することは非常に困難であった。
【0007】例えば、上記の特開平4−198036号
公報、実開昭61−147233号公報、特公平8−9
490号公報等に記載されている加熱炉を用いた場合で
あっても、線引きされた光ファイバ内におけるSi−O
−Ge結合の熱解離を防止することはできず、得られる
光ファイバは水素特性の点で実用に供し得るものではな
かった。また、特公平6−2603号公報に記載されて
いる方法によれば、光ファイバ内に残留する欠陥は減少
するが、十分に高い水素特性を有する光ファイバを得る
ためには、熱処理炉内における光ファイバの滞在時間や
熱処理炉の線引き方向の長さを非常に長くする必要があ
り、生産効率の点で未だ十分なものではなかった。
【0008】本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑
みてなされたものであり、クラッドに対する中心コアの
比屈折率差が大きい光ファイバを線引きする場合であっ
ても、水素分子に対して反応活性を示す種の格子欠陥の
残留量が十分に低減されており、水素雰囲気下での特性
劣化が十分に抑制された光ファイバを効率よく且つ安価
に得ることを可能とする光ファイバの線引き方法を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、線引き炉内で光フ
ァイバ母材を加熱軟化させて線引きするに際し、炉心管
の表面温度が特定の条件を満たす場合に上記課題が解決
されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の光ファイバの線引き方
法は、光ファイバ母材を挿入するための炉心管と、前記
炉心管を包囲する炉体と、前記炉体内において前記炉心
管の外周に配置されたヒータとを備える線引き炉を用
い、前記炉心管の入口から前記光ファイバ母材を挿入し
て、前記ヒータにより前記光ファイバ母材を加熱軟化さ
せて、前記炉心管の出口に向かって所定の引張張力で線
引きする方法であって、線引き方向に沿った前記炉心管
の表面の温度分布が、前記炉心管の中央部よりも前記入
口に近い部分で最高温度となり、前記最高温度となる部
分から前記出口に向かって実質的に単調減少し、且つ前
記最高温度が1700〜2300℃の範囲内であるとい
う条件を満たすことを特徴とするものである。
【0011】本発明の光ファイバの線引き方法において
は、炉心管の表面の温度分布が上記の条件を満たすよう
に制御することによって、クラッドに対する中心コアの
比屈折率差が大きい光ファイバを線引きする場合であっ
ても、水素分子に対する反応活性を示す種の格子欠陥の
残留量を十分に低減することができる。したがって、水
素雰囲気下での特性劣化が十分に抑制された光ファイバ
を効率よく且つ安価に得ることが可能となる。
【0012】ここで、本発明においては、前記線引き炉
として、前記炉心管の中央部よりも前記入口に近い側に
配置された第一のヒータと、前記出口に最も近い側に配
置された第二のヒータとを含む、発熱量を別個に制御す
ることが可能な複数個のヒータを備えるものを用い、前
記第一のヒータの発熱量が最大であり、且つ前記第一の
ヒータから前記第二のヒータに向かって発熱量が実質的
に単調減少するように制御することが好ましい。
【0013】また、本発明においては、前記ヒータとし
て、前記入口に近い側から前記出口に近い側に向かって
実質的に単調減少する発熱量分布を有するものを用いる
ことが好ましい。
【0014】さらに、本発明においては、前記線引き炉
として、前記炉心管と前記ヒータとの間の前記出口に近
い側に遮熱部材が配置されたものを用いることが好まし
い。
【0015】さらにまた、本発明においては、前記引張
張力が80MPa以上であることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、場合により図面を参照しつ
つ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付する
こととする。
【0017】図1は本発明において好適に用いられる光
ファイバの線引き炉を示す概略構成図である。図1にお
いて、線引き炉3は、光ファイバ母材1を挿入するため
の炉心管4、炉心管4を包囲する炉体5、並びに炉体5
内において炉心管4の外周に配置た2個のヒータ6a、
6bを備えている。ヒータ6a、6bはそれぞれ制御手
段(図示せず)と電気的に接続されており、ヒータ6
a、6bの発熱量をそれぞれ別個に制御することが可能
となっている。また、炉心管4と炉体5との間の空隙に
は断熱材8が充填されている。
【0018】上記の構成を有する線引き炉を用いた光フ
ァイバの線引き工程においては、炉心管4に挿入された
光ファイバ母材1をヒータ6a、6bによって加熱軟化
させて、軟化した光ファイバ母材1の先端をキャプスタ
ン(図示せず)等により所定の引張張力を加えながら線
引きすることによって、所望の線径を有する光ファイバ
2が得られる。このようにして得られる光ファイバ2
は、その外周面に樹脂が被覆されて光ファイバ素線とし
て巻き取られる。
【0019】本発明の線引き方法においては、線引き方
向における炉心管4の表面の温度分布が、炉心管の中央
部aよりも入口に近い部分(例えばb)で最高温度とな
り、最高温度となる部分から出口に向かって実質的に単
調減少し、且つその最高温度が1700〜2300℃の
範囲内であるという条件を満たすことが必要である。
【0020】なお、本発明でいう、最高温度となる部分
から出口に向かって実質的に単調減少する温度分布と
は、炉心管の出口における温度が当該最高温度よりも低
く、且つ最高温度となる部分と出口との間の所定の部分
における温度勾配が0又は負である温度分布をいう。例
えば、図2に示すような、炉心管の入口と中央部との間
の所定の部分において最高温度(Tmax)となり、最高
温度となる部分から出口に向かう温度勾配が負となる温
度分布;図3に示すような、炉心管の入口と中央部との
間の所定の部分において最高温度(Tmax)となり、最
高温度となる部分から出口に向かう温度勾配が0又は負
となる(階層的に単調減少する)温度分布、はいずれも
上記の条件を満たすものである。なお、図2〜3中、T
maxは1700〜2300℃の範囲内の温度である。
【0021】また、本発明にかかる炉心管の表面の最高
温度は、前述の通り1700〜2300℃であり、好ま
しくは1850〜2150℃である。炉心管の表面の最
高温度が1700℃未満であると、光ファイバ母材を効
率よく且つ確実に加熱軟化させることができなくなり、
他方、最高温度が2300℃を超えると、光ファイバ母
材が過剰に軟化してしまい、いずれの場合も所望の線径
を有する光ファイバを効率よく且つ確実に得ることがで
きなくなる。
【0022】図1に示す線引き炉を用いる際には、炉心
管4の中央部aよりも入口に近い側に配置されたヒータ
6aの発熱量を、出口に近い側に配置されたヒータ6b
の発熱量よりも大きくすることによって、炉心管4の表
面の温度分布が上記の条件を満たすように制御すること
ができる。
【0023】なお、図1には2個のヒータを備える線引
き炉を示したが、炉心管の表面の温度分布が上記の条件
を満たす限りにおいて、線引き炉が有するヒータの個数
は特に制限されるものではない。例えば、線引き方向に
沿って配置された3個以上のヒータを備える線引き炉を
用いる場合には、炉心管の中央部よりも入口に近い側に
配置されたヒータのうちの一つ(第一のヒータ)の発熱
量を最大とし、第一のヒータから炉心管の出口側に最も
近い側に配置された第二のヒータに向かって発熱量が実
質的に単調減少するように制御することによって、炉心
管の表面の温度分布が上記の条件を満たすように制御す
ることができる。
【0024】また、複数個のヒータを備える加熱炉とし
て、実開昭57−44145号公報には火炎研磨用ヒー
タを備えるもの、特開平4−198036号公報にはア
ニール用ヒータを備えるものがそれぞれ記載されている
が、これらの加熱炉は、それぞれ光ファイバ母材の火炎
研磨処理(処理温度:1650℃程度)又はアニール処
理(処理温度:1100〜1300℃)を行う工程と、
光ファイバの線引き工程とを一つの加熱炉内で連続的に
行うことを目的とするものであり、上記公報には、炉心
管の表面の温度分布が上記の条件を満たすように制御す
ることによって、比屈折率差の大きい光ファイバにおけ
る欠陥の残留量を十分に低減できることについては何ら
開示も示唆もされていない。また、上記従来の加熱炉に
おける線引き用ヒータは実質的に1個であり、本発明者
らの検討によれば、このような加熱炉において炉心管の
表面の温度分布が上記の条件を満たすように制御するこ
とは非常に困難であり、得られる光ファイバの水素特性
は必ずしも十分なものではない。
【0025】本発明においては、ヒータの個数が1個の
場合であっても、図4〜8に示す構成を有する線引き炉
を用いることによって、炉心管の表面の温度分布が上記
の条件を満たすように制御しながら光ファイバの線引き
を行うことができる。
【0026】図4、5に示す線引き炉3は、それぞれ炉
心管4とヒータ5の間の出口に近い側に遮熱部材7を備
えており、遮熱部材7によってヒータ6から炉心管4の
下部(出口に近い部分)に伝達される熱量を低減するこ
とが可能となっている。さらに、図5に示す線引き炉3
においては、特定の形状を有する炉心管4を用い、周方
向の対称性を維持したまま炉心管4とヒータ6との間の
距離を炉心管4の中央部aよりも入口に近い側で短くす
ることによって、炉心管4の中央部aよりも入口に近い
部分に伝達される熱量をより高めることが可能となって
いる。
【0027】また、図6に示す線引き炉3においては、
特定の形状を有するヒータ6を用い、炉心管4とヒータ
6との間の距離を炉心管4の中央部aよりも入口に近い
側で短することによって、炉心管4の中央部aよりも入
口に近い部分に伝達される熱量をより高めることが可能
となっている。
【0028】さらに、図7、8に示す線引き炉3におい
ては、それぞれ炉心管4の中央部aよりも入口側におけ
る電流密度が出口側における電流密度よりも高いヒータ
6を用いることによって、炉心管4の中央部aよりも入
口に近い部分に伝達される熱量をより高めることが可能
となっている。
【0029】上記の構成を有する線引き炉を用いて光フ
ァイバの線引きを行うに際し、炉心管内の雰囲気は特に
制限されないが、ヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性
ガス雰囲気下で線引きを行うことが好ましく、炉心管の
入口から出口へと不活性ガスを流しながら線引きを行う
ことがより好ましい。
【0030】また、光ファイバを線引きする際に光ファ
イバに加えられる引張張力は、光ファイバ母材の外径
や、目的とする光ファイバの線径等に応じて適宜選定さ
れるものであるが、好ましくは80MPa以上であり、
より好ましくは90〜400MPaである。引張張力が
前記下限値未満であると、得られる光ファイバの水素雰
囲気下での伝送損失が増加する傾向にある。他方、引張
張力が前記上限値を超えると、ネックダウン下部におい
てガラス溶融状態が不安定となり、安定に線引きするこ
とが困難となる傾向にある。
【0031】さらに、光ファイバの線引き速度(線速)
は、光ファイバ母材の外径や、目的とする光ファイバの
線径等に応じて適宜選定されるものであるが、好ましく
は200〜800m/minである。
【0032】本発明の光ファイバの線引き方法は、シン
グルモード光ファイバ、マルチモード光ファイバのいず
れにも適用することができる。中でも、コア部にゲルマ
ニウム化合物を含有する石英系光ファイバのように比屈
折率差が大きい光ファイバを製造する際には、従来の方
法では達成が非常に困難であった、十分に大きい比屈折
率差と十分に高い水素特性とを達成することが可能とな
る。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を
より具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら
限定されるものではない。
【0034】実施例1 コアに酸化ゲルマニウム、第一クラッドにフッ素が添加
されており且つコア、第一クラッド及び第二クラッドに
おける屈折率が図9に示す分布を有する光ファイバ母材
(外径:36mm)を、以下の手順に従って線引きし
た。
【0035】本実施例においては、図1に示す構成、す
なわち、線引き方向の長さ360mm、内径45mmの
炉心管と、相互の間隔が20mmとなるように配置され
ており線引き方向の長さが120mmである2個のヒー
タとを備える線引き炉を用いた。
【0036】この線引き炉の炉心管に光ファイバ母材を
挿入し、ヒータにより加熱軟化させながら線速300m
/分で線引きして線径125μmの光ファイバを得た。
なお、線引きの際には、炉心管の入口側のヒータ温度を
1970℃、出口側のヒータの温度を1920℃とし
て、炉心管の入口から110mmmの部分で最高温度
(1970℃)となり、その部分から出口に向かって単
調減少する温度分布となるように制御した。また、線引
きする際の引張張力は120MPa又は160MPaの
2条件で行った。
【0037】実施例2 入口側のヒータの温度を1990℃、出口側のヒータの
温度を1890℃として、炉心管の入口から110mm
の部分で最高温度(1990℃)となり、その部分から
出口に向かって単調減少する温度分布となるように制御
したこと以外は実施例1と同様にして、線径125μm
の光ファイバを得た。
【0038】実施例3 入口側のヒータの温度を2010℃、出口側のヒータの
温度を1860℃として、炉心管の入口から110mm
の部分で最高温度(2010℃)となり、その部分から
出口に向かって単調減少する温度分布となるように制御
したこと以外は実施例1と同様にして、線径125μm
の光ファイバを得た。
【0039】比較例1 2個のヒータの温度を共に1950℃としたこと以外は
実施例1と同様にして、線径125μmの光ファイバを
得た。
【0040】(水素特性評価試験)実施例1〜3及び比
較例1において得られた光ファイバを、1容量%の水素
と99容量%の窒素との混合ガス雰囲気中、20℃で4
日間放置したときの、波長1.38μmの光の損失量を
測定した。得られた結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1に示す結果からも明らかなように、実
施例1〜3において得られた光ファイバはいずれも水素
雰囲気下での伝送損失の増大が十分に抑制されており、
本発明にかかる実施例1〜3の方法により十分に高い水
素特性を有する光ファイバが得られることが確認され
た。また、実施例1〜3のいずれにおいても、引張張力
を160MPaとして線引きした場合に、得られた光フ
ァイバがより高い水素特性を示した。
【0043】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の光ファイバ
の線引き方法によれば、中心コアの比屈折率差が大きい
光ファイバを線引きする場合であっても、水素分子に対
して反応活性を示す種の格子欠陥の残留量が十分に低減
されており、水素雰囲気下での特性劣化が十分に抑制さ
れた光ファイバを効率よく且つ安価に得ることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において用いられる線引き炉の一例を示
す概略構成図である。
【図2】本発明にかかる炉心管の表面の温度分布の一例
を示すグラフである。
【図3】本発明にかかる炉心管の表面の温度分布の他の
例を示すグラフである。
【図4】本発明において用いられる線引き炉の他の例を
示す概略構成図である。
【図5】本発明において用いられる線引き炉の他の例を
示す概略構成図である。
【図6】本発明において用いられる線引き炉の他の例を
示す概略構成図である。
【図7】本発明において用いられる線引き炉の他の例を
示す概略構成図である。
【図8】本発明において用いられる線引き炉の他の例を
示す概略構成図である。
【図9】実施例で用いた光ファイバ母材の屈折率分布を
示す説明図である。
【図10】従来の線引き炉の一例を示す概略構成図であ
る。
【符号の説明】
1…光ファイバ母材、2…光ファイバ、3…線引き炉、
4…炉心管、5…炉体、6、6a、6b…ヒータ、7…
遮熱部材、8…断熱材。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ母材を挿入するための炉心管
    と、前記炉心管を包囲する炉体と、前記炉体内において
    前記炉心管の外周に配置されたヒータとを備える線引き
    炉を用い、前記炉心管の入口から前記光ファイバ母材を
    挿入して、前記ヒータにより前記光ファイバ母材を加熱
    軟化させて、前記炉心管の出口に向かって所定の引張張
    力で線引きする方法であって、 線引き方向に沿った前記炉心管の表面の温度分布が、前
    記炉心管の中央部よりも前記入口に近い部分で最高温度
    となり、前記最高温度となる部分から前記出口に向かっ
    て実質的に単調減少し、且つ前記最高温度が1700〜
    2300℃の範囲内であるという条件を満たすことを特
    徴とする光ファイバの線引き方法。
  2. 【請求項2】 前記線引き炉として、前記炉心管の中央
    部よりも前記入口に近い側に配置された第一のヒータ
    と、前記出口に最も近い側に配置された第二のヒータと
    を含む、発熱量を別個に制御することが可能な複数個の
    ヒータを備えるものを用い、 前記第一のヒータの発熱量が最大であり、且つ前記第一
    のヒータから前記第二のヒータに向かって発熱量が実質
    的に単調減少するように制御することを特徴とする、請
    求項1に記載の光ファイバの線引き方法。
  3. 【請求項3】 前記ヒータとして、前記入口に近い側か
    ら前記出口に近い側に向かって実質的に単調減少する発
    熱量分布を有するものを用いることを特徴とする、請求
    項1又は2に記載の光ファイバの線引き方法。
  4. 【請求項4】 前記線引き炉として、前記炉心管と前記
    ヒータとの間の前記出口に近い側に遮熱部材が配置され
    たものを用いることを特徴とする、請求項1〜3のうち
    のいずれか一項に記載の光ファイバの線引き方法。
  5. 【請求項5】 前記引張張力が80MPa以上であるこ
    とを特徴とする、請求項1〜4のうちのいずれか一項に
    記載の光ファイバの線引き方法。
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