JP2002223230A - 移動データ通信システム、該システム内に設けられるネットワーク・アドレス・トランスファー装置及びフォーリン・エージェント装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数のＦＡが存在する場合にも、Agent Adve
rtisement メッセージのメッセージ長が長くなることを
防止して、通信帯域の浪費を防止することができる移動
データ通信システムをえる。 【解決手段】 システム内にネットワーク・アドレス・
トランスファー（ＮＡＴ）装置を設け、ＮＡＴ装置は、
ＮＡＴ装置宛て移動端末の位置を管理しているホームエ
ージェント（ＨＡ）から送信されてきたカプセル化され
たパケットの外側のヘッダの受信先アドレスを実際にデ
カプセル化処理を行っているフォーリン・エージェント
（ＦＡ）装置のアドレスに書き換えて中継する。ＦＡ装
置は、このＮＡＴ装置からのパケットを宛先の移動端末
に中継する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、移動データ通信シ
ステム、及び、該システム内に設けられるネットワーク
・アドレス・トランスファー（ＮＡＴ）装置、フォーリ
ン・エージェント（ＦＡ）装置に係り、特に、移動端
末、該端末の移動支援装置及びネットワークを含み、Mo
bileＩＰを使用することにより、端末がネットワーク間
を移動している間にもネットワークコネクションを引き
続いて保つことが可能な移動データ通信システム、及
び、該システム内に設けられるＮＡＴ装置、ＦＡ装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】ノート型パソコンやＰＤＡに見られるよ
うに小型、軽量の移動端末の普及や、インターネットの
爆発的にな普及により、端末を、自宅やオフィス以外の
外出中に使用したいという要求が高まっている。また、
携帯電話を利用したデータ通信や、インターネットアク
セス、あるいは、メールサービスの利用等も一般化して
きている。インターネットの通信プロトコルとして使用
されているＩＰ(Internet Protocol）を使用したネット
ワークにおいて、端末がネットワーク間を移動した場合
にもコネクションを引き続いて保つことが可能な技術と
してMobileＩＰと呼ばれる技術が提案されている。

【０００３】MobileＩＰは、インターネット標準化委員
会ＩＥＴＦ(Internet EngineeringTask Force）の標準
勧告書ＲＦＣ(Request for Comments)2002に規定されて
おり、移動透過なＩＰ通信の実現を目的として提案され
ている。そして、MobileＩＰは、サブネットワーク毎に
ＨＡ（ホーム・エージェント）とＦＡ（フォーリン・エ
ージェント）とを置き、端末が普段属しているネットワ
ークであるホームネットワークのＩＰアドレスとしての
ホームアドレスを有して構成される。ＦＡは、配下の自
ネットワークに対して定期的にAgent Advertisement(エ
ージェント広告）メッセージと呼ばれる制御信号を流し
ている。このメッセージ中には、ＦＡのＩＰアドレス、
移動端末宛てのＩＰパケットをカプセル化して転送する
相手先のアドレスを示す気づけアドレス（Care of Addr
ess）が含まれている。移動端末は、このメッセージを
受信することにより、自端末が現在どのサブネットワー
クに属しているかを知り、気付アドレスをＦＡを通じて
ＨＡにレジストレーション（位置登録）する。以後、Ｈ
Ａは、移動端宛てに届いたＩＰパケットをカプセル化し
て気付アドレス宛てに転送することにより、エンドツー
エンドのＩＰ通信を実現している。

【０００４】一方、携帯電話や無線パケット通信等の移
動体通信システムは、外部のネットワークから非常に多
くの利用者が加入してきてMobileＩＰのサービスを利用
すると考えられる。さらに、移動体通信システムの利用
者の多くは、移動して利用するために、移動端末の移動
の度に発生する位置登録処理等によりＦＡ装置への負荷
が非常に高くなる。このため、１つのサブネットワーク
内に複数のＦＡ装置を配置することにより、負荷を分散
することが考えられる。

【０００５】図１は MobileＩＰのAgent Advertisement
メッセージの構成例を示す図であり、以下、本発明に必
要な部分のみを説明する。なお、このAgent Advertisem
entメッセージの構成は、ＲＦＣ2002に規定されたもの
であり、その詳細についての説明を省略する。

【０００６】前述したＲＦＣ2002に規定されたMobileＩ
Ｐの技術は、ＦＡが、配下の自ネットワークに対して定
期的に流すメッセージである図１に示すAgent Advertis
ement メッセージに、レジストレーション処理を中継す
るＦＡ機能を持つ複数のルータアドレスと端末がルータ
を選択する指標となるPreference Level１０１、及び、
複数の気付アドレス（Care of Address)１０２を含めて
流すことが可能である。移動端末は、受信した Agent A
dvertisementメッセージに含まれる複数のルータアドレ
ス中から１つのＦＡ装置のアドレスを選び、これを通じ
て複数のCare Of Address の中から任意の１つのを選択
してＨＡ装置に位置登録処理を行うことができる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】前述したＲＦＣ2002に
規定されたMobileＩＰの従来技術は、前述から判るよう
に、１つのサブネットワークの中に複数のＦＡ装置が存
在する場合、図１に示すように、Agent Advertisement
メッセージのメッセージ長がサブネットワーク中に含ま
れるＦＡ装置の数が増加するに従って長くなってしま
う。このため、前述の従来技術は、ＦＡ装置の存在する
サブネットワークが無線による移動体通信のように比較
的低速な場合、定期的に流されるAgent Advertisement
メッセージによって通信帯域が浪費されてしまうという
問題点を生じる。また、前述の従来技術は、ＬＡＮ環境
に適用されて、複数の各ＦＡ装置が定期的にAgent Adve
rtisement メッセージを送信した場合にも、ＦＡ装置の
台数に応じて送信されるAgentAdvertisement メッセー
ジ数が増加して帯域を浪費してしまうという問題点を生
じさせてしまう。

【０００８】本発明の目的は、前述した従来技術の問題
点を解決し、複数のＦＡが存在する場合にも、Agent Ad
vertisement メッセージのメッセージ長が長くなること
を防止して、通信帯域の浪費を防止することができる移
動データ通信システム、及び、該システム内に設けられ
るＮＡＴ装置、ＦＡ装置を提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、複数のＦＡ装置が存在するサブネットワークに受信
したパケットのヘッダの受信先アドレスを書き換えて、
書き換えた受信先アドレスのＦＡ装置にパケットを転送
する機能を持つＮＡＴ装置を設けることにより達成され
る。

【００１０】そして、本発明は次のように動作する。す
なわち、前記複数のＦＡ装置は、ＦＡ装置が存在するの
ネットワークのAgent Advertisementメッセージ中のCar
e ofAddressとして代表気付アドレスを含めて移動端末
に向けて送信し、移動端末がこの代表気付アドレスでＨ
Ａ装置に対して位置登録処理を行う。ＦＡ装置が属する
ネットワーク中の前記ＮＡＴ装置は、この代表Care of
Addressを持ったインターフェースを持ち、代表Care of
Address宛てのパケットを受信する機能を持つ。移動端
末からの位置登録処理を中継したＦＡ装置は、ＨＡ装置
からのリプライを移動端末に返すとともに、ＨＡ装置か
らリプライが位置登録の成功を示すものである場合、前
記ＮＡＴ装置に対して移動端末のホームアドレスとデカ
プセル化処理に使用する気付アドレス、あるいは、移動
端末のホームアドレスとＨＡ装置のＩＰアドレスとデカ
プセル化処理に使用する気付アドレスを通知する。通知
を受けた前記ＮＡＴ装置は前記ＩＰアドレスの組み合わ
せをＮＡＴ装置中のテーブルに記憶する。移動端末の位
置登録が成功した後、ＨＡ装置から代表気付アドレスを
持つＮＡＴ装置に、カプセル化された移動端末宛てのＩ
Ｐパケットが送られくるので、外側のＩＰパケットのヘ
ッダに含まれる受信先フィールドの代表気付アドレス
を、ＮＡＴ装置の前記テーブルを参照して、デカプセル
化処理用の気付アドレスに書き換えて、ＦＡ装置に送信
する。ＩＰヘッダを書き換えたカプセル化したＩＰパケ
ットを受信したＦＡ装置は、カプセル化したＩＰパケッ
ト中から元のＩＰパケットを取り出す処理を行い、元の
パケットを移動端末に送信する。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明による移動データ通
信システムの実施形態を図面により詳細に説明する。

【００１２】図２は本発明の一実施形態による移動デー
タ通信システムの構成を示すブロック図である。図２に
おいて、２０１はＨＡ装置、２０２〜２０４はＦＡ装
置、２０５はＮＡＴ(Network Address Transfer)装置、
２０６、２０７はルータ、２０８はインターネット、２
０９、２１０は移動端末、２１１〜２１４はネットワー
クである。

【００１３】図２に示すシステムは、複数のサブネット
ワーク２１２〜２１４と、これらのサブネットワークを
相互に接続するネットワーク２１１とを有し、移動端末
がサブネットワーク間を移動して通信を行うことが可能
に構成されている。図示例において、移動端末２０９が
普段属するサブネットワーク２１２をホームネットワー
クであるとし、移動端末２０９が他のサブネットワーク
２１３、２１４等に移動して通信を行うとしている。ま
た、ネットワーク２１１２１４は、無線によるネットワ
ークであってよい。

【００１４】図２において、ＨＡ装置２０１は、移動端
末２０９の移動をサポートするために移動端末２０９か
らの位置登録要求を受け取って端末の位置管理を行い、
移動端末が移動して他のネットワークに存在している場
合に、移動端末宛てのＩＰパケットを受け取ってカプセ
ル化して位置登録要求に含まれている気付アドレス宛て
に転送する機能を有する。ＦＡ装置２０２〜２０４は、
移動先のサブネットワーク２１３、２１４に配置されて
おり、移動端末に対して在圏先ネットワークでＦＡサー
ビスを行っているＦＡ装置のアドレス、カプセル化した
パケットの転送を示す気付アドレスをネットワーク内の
端末に広告する機能を有している。また、ＦＡ装置は、
移動端末からＨＡ宛てへの位置登録処理を中継する機能
と、ＨＡから送られてきたカプセル化されたパケットか
ら元のパケットを取り出して、移動端末に送信する機能
を有する。さらに、前記ＦＡ装置は、位置登録が成功し
た場合に、移動端末のホームアドレスとデカプセル化処
理用の気付アドレス、あるいは、端末のホームアドレス
とホーム・エージェントのアドレスとデカプセル化処理
用の気付アドレスをＮＡＴ装置２０５に通知する。

【００１５】ＮＡＴ装置２０５は、移動端末の位置登録
を中継した前述のＦＡ装置から送られてきた移動端末の
ホームアドレス、あるいは、ホームアドレスとホーム・
エージェントとの組み合わせから、カプセル化されたＩ
Ｐパケットから元のパケットを取り出すデカプセル化処
理用の気付アドレスを検索する機能と、代表気付アドレ
スに宛てにＨＡ装置から送られてきたカプセル化したＩ
Ｐパケットを受信して、この中の受信先ＩＰアドレスを
示すフィールドを前述のデカプセル化処理用の気付アド
レスに書き換えて、該当するＦＡ装置に向けて送信する
機能とを有する。ルータ２０６、２０７は、それぞれＦ
Ａ装置が存在するサブネットワークとＨＡ装置が存在す
るネットワークとの間をインターネット２０８を通じて
接続し、ＩＰパケットの授受を行う機能を有している。

【００１６】端末２０９は、ホームネットワークとして
のサブネットワーク２１２にいた移動端末であり、図２
にはこの移動端末がＦＡ装置２０３、２０４が存在する
サブネットワーク２１３に移動してきている様子を示し
ている。さらに、図２では、移動端末２１０がサブネッ
トワーク２１４を介して通信可能になっている。図２に
示す例は、図の簡略化のため、サブネットワーク２１２
にはＦＡ装置が設けられていないが、他の移動端末が移
動してきたときのために、サブネットワーク２１２に１
または複数のＦＡ装置が接続されていてよい。また、サ
ブネットワーク２１３、２１４をホームネットワークと
する端末のために、これらのサブネットワーク２１３、
２１４にＨＡ装置が接続されていてよい。

【００１７】移動端末は、ホームネットワークから移動
した場合、移動先のネットワークのＦＡ装置からのアド
バタイズメント（Advertisement)メッセージを受信し、
このメッセージ中から気付アドレスを得てＨＡ装置に位
置登録をＦＡ装置を通じて行い、以後、自移動端末宛て
のパケットをデカプセル化処理を行うＦＡ装置を経由で
受け取る。

【００１８】図３は複数のＦＡ装置が存在するサブネッ
トワークに移動端末が移動した場合に、ＨＡ装置に位置
登録を行うシーケンスを示す図であり、以下、これにつ
いて説明する。ここでは、移動端末２０９がサブネット
ワーク２１３に移動したものとして説明する。

【００１９】（１）サブネットワーク２１３に移動した
移動端末２０９は、サブネットワーク２１３に収容され
るMobileＩＰのＦＡ装置２０３、２０４から送信された
AgentAdvertisement メッセージを受信する。ＦＡ装置
は、定期的にこのメッセージを送信し、移動端末にＦＡ
装置の存在の有無、ＦＡ装置の能力を広告する。複数の
ＦＡ装置がネットワーク内に存在する場合、ＦＡ装置が
１台しか存在しない場合より、１台あたりの送信時間間
隔を長くしたり、あるいは、一定時間内の送信回数を減
らしてもよい（シーケンス３０１、３０２）。

【００２０】（２）移動端末２０９は、Agent Advertis
ement メッセージを受信してＦＡ装置に対して位置登録
（Registration）要求を行う。その際、端末装置２０９
は、Agent Advertisement メッセージを最初に受信した
ＦＡ装置に対して位置登録要求を行ってもよいし、一定
時間内に受信したAgent Advertisement メッセージの中
からＦＡ装置を選択して位置登録要求を行ってもよい
（シーケンス３０３）。

【００２１】（３）移動端末２０９からの位置登録要求
を受信したＦＡ装置、説明している例の場合、ＦＡ装置
２０３は、ＨＡ装置２０１に位置登録を行う。これに対
して、ＨＡ装置２０１は、位置登録の結果の情報を返送
してくる。この位置登録の確認情報は、ＦＡ装置２０３
を通じて移動端末２０９に返送される（シーケンス３０
４〜３０６）。

【００２２】（４）位置登録を中継したＦＡ装置２０３
は、ＮＡＴ装置２０５に対して、位置登録が成功した移
動端末に関する情報を送り、端末−気付アドレスの登録
要求を行う。ＮＡＴ装置２０５は、これに対する応答と
して、端末−気付アドレスの登録確認の情報をＦＡ装置
に送信してくる（シーケンス３０７、３０８）。

【００２３】図４は本発明により代表気付アドレスを使
用する場合のAgent Advertisementメッセージのフォー
マットを説明する図であり、以下、これについて説明す
る。

【００２４】図示Agent Advertisement メッセージは、
ＩＰヘッダ４０１と、ＩＣＭＰ(Internet Control Mess
age Protocol）ルータ広告部４０２と、Mobile Agent広
告拡張部４０３と、プリフィクス長拡張部４１１とによ
り構成される。

【００２５】ＩＰヘッダ４０１内の４０４は、ＩＰの上
位層のプロトコル示すフィールドであり、MobileＩＰの
Agent Advertisement は、ＩＣＭＰルータ広告を拡張し
たものであるので、１となる。また、４０５は、このパ
ケットの送信元であるＦＡ装置のアドレス、４０６は、
パケットの受信先アドレスであり、ブロードキャストア
ドレス(255.255.255.255)、または、マルチキャストア
ドレス(224.0.0.1)となる。

【００２６】ＩＣＭＰルータ広告部４０２内の４０７
は、ＦＡ装置のＩＰアドレス、すなわち、ＨＡ装置に位
置登録を行う場合にそれを中継するＦＡ装置のアドレス
であり、４０８は、ルータの選択レベルである。また、
４０９は、有効時間であり、ＦＡ装置はこのフィールド
で設定されている時間内に次回のAgent Advertisement
メッセージを送信しなければならないことを示す。

【００２７】Mobile Agent広告拡張部４０３内の４１３
は、Agent Advertisement が送信される毎にインクリメ
ントされるシーケンスナンバーのフィールドであり、こ
のフィールドが０になった場合、ＦＡ装置が再起動され
たことを示す。４１４は、ビジービットを示し、このビ
ットが立っている場合、ＦＡ装置が忙しくて、登録サー
ビスを受け付けていないことを示す。また、４１０は、
代表気付アドレスであり、移動端末はこのアドレスに対
してパケットを転送するようにＨＡ装置に位置登録を行
う。

【００２８】プリフィクス長拡張部４１１内の４１２
は、このアドレスのネットワークのアドレス部が上位の
マスク部のビット長を示すプレフィクス長を表してい
る。

【００２９】前述したようなAgent Advertisement メッ
セージを受信した移動端末は、前述したＦＡ装置アドレ
ス４０７と、プレフィクス長を示すフィールド４１２と
を見てネットワークプリフィクスを計算し、自端末がホ
ームネットワークから移動したか否か、あるいは、前に
いたネットワークから移動したか否かを判断し、ＨＡ装
置に位置登録を行うか否かを決定する。

【００３０】本発明の実施形態は、前述したようなフォ
ーマットを有するAgent Advertisement メッセージを使
用しているので、ＦＡ装置は、代表気付アドレスのみを
入れただけのAgent Advertisement メッセージを送信す
ればよく、従来技術の場合のように、ＦＡ装置が複数あ
る場合に、複数のＦＡ装置のアドレスと気付アドレスと
をAgent Advertisement メッセージに入れる必要がな
く、Agent Advertisement メッセージ長を短くすること
ができる。

【００３１】図５は図３により説明したシーケンス３０
７、３０８での移動端末とデカプセル化処理用の気付ア
ドレスとをＮＡＴ装置に通知するパケットの構成例を説
明する図であり、以下、これについて説明する。

【００３２】図示パケットは、ＩＰヘッダ５０１と、Ｕ
ＤＰ(User Datagram Protocol)ヘッダ５０２と、移動端
末−デカプセル化用の気付アドレスに関する情報を格納
した領域５０３と、各登録要求に対して一意な値を与え
ることにより登録要求と確認とを対応付ける識別子５１
３と、必要な場合に他の情報を付加するためのオプショ
ン部５１４とにより構成される。

【００３３】ＩＰヘッダ５０１内の５０４は、ＩＰヘッ
ダの中の上位のプロトコルを表すフィールドであり、Ｕ
ＤＰの場合、１７とされる。５０５は、パケットの送信
元のＩＰアドレスであり、ＦＡ装置からＮＡＴ装置に移
動端末と、デカプセル化処理用の気付アドレスとを登録
する場合、ＦＡ装置のアドレスになり、確認時にはＮＡ
Ｔ装置のアドレスになる。また、５０６は、受信先のア
ドレスであり、ＦＡ装置からＮＡＴ装置に移動端末と、
デカプセル化処理用の気付アドレスとを登録する場合、
ＮＡＴ装置のアドレスになり、確認時にはＦＡ装置のア
ドレスになる。ＵＤＰヘッダ５０２内の５１５は、送信
元のポート番号であり、５１６は、受信先のポート番号
である。

【００３４】また、領域５０３内の５０７は、このパケ
ットの処理内容を表すフィールドあり、例えば、このフ
ィールドの値が“１”の場合には要求を、“２”の場合
には要求の確認を、“３”の場合には登録の失敗等を意
味する。５０８は、パケットのデータ部分の長さを示
し、５０９は、登録の有効時間を示す。また、５１０は
は、移動端末のホームアドレスを示し、５１１は、ＨＡ
装置のアドレスを示し、５１２は、実際にデカプセル化
処理を行う気付アドレスを意味する。

【００３５】図６はＮＡＴ装置の構成例を示すブロック
図であり、次に、これについて説明する。図６におい
て、６０２はＭＰＵ、６０３はメモリ、６０４はネット
ワークインタフェース（Ｉ／Ｆ）、６０５パケットバッ
ファ、６０６はパケット用バス、６０７は制御用バスで
ある。

【００３６】ＮＡＴ装置２０５は、ネットワークＩ／Ｆ
６０４と、ネットワークＩ／Ｆ６０４との送受信パケッ
トを一時的に格納するためのパケットバッファ６０５
と、ＭＰＵ６０２と、メモリ６０３と、これらを接続す
るパケット用バス６０６と、制御用バス６０７とにより
構成される。メモリ６０３には、移動端末−デカプセル
化処理用の気付アドレスを格納するテーブルが存在し、
ネットワークＩ／Ｆ６０４から受信したパケットの中に
カプセル化したパケットがある場合、メモリ６０３の中
の前述のテーブルを参照して、カプセル化したパケット
の受信先アドレスをデカプセル化処理用の気付アドレス
に書き換える。

【００３７】図７は移動端末−デカプセル化処理用気付
アドレスを格納したテーブルの例を説明する図であり、
以下、これについて説明する。

【００３８】図示テーブルは、移動端末のホームアドレ
ス７０１と、ホーム・エージェントのアドレス７０２
と、デカプセル化用の気付アドレス７０３と、このエン
トリの有効時間を示すライフタイム７０４とを１つのレ
コードとして、複数のレコードを格納している。ライフ
タイム７０４は、ＦＡ装置よりライフタイム７０４で示
される有効時間内に再通知が無く、タイムアウトした場
合、該当するエントリをこのテーブルから削除してもよ
いことを示す。

【００３９】図８はＨＡ装置２０１から送信されるＩＰ
in ＩＰによってカプセル化したパケットのフォーマッ
ト例を示す図であり、以下、これについて説明する。

【００４０】図示パケットは、ＩＰ in ＩＰによってカ
プセル化したパケットのＩＰヘッダ８０１と、元のパケ
ットのＩＰヘッダ８０２と、元のＩＰパケットのペイロ
ード部分に相当するデータ部８０３とにより構成され
る。

【００４１】ＩＰヘッダ８０１内の８０４は、上位層の
プロトコルを示すフィールドであり、ＩＰ in ＩＰパケ
ットの場合、“４”に設定されている。８０５は、この
パケットの送信元のＩＰアドレスを示し、ＨＡ装置２０
１のＩＰアドレスが設定される。また、８０６は、この
ＩＰパケットの受信先のＩＰアドレスを示し、ＨＡ装置
で代表気付アドレスに設定されてＮＡＴ装置２０５に送
られてくる。

【００４２】元のパケットのＩＰヘッダ８０２内の８０
７は、元のパケットの送信元アドレスであり、８０８
は、受信先のＩＰアドレスであり、移動端末のホームア
ドレスが設定されている。

【００４３】前述のように構成されるパケットは、その
ＩＰヘッダ８０１がデカプセル化処理を行うＦＡ装置２
０５によって取り除かれ、元のパケットのＩＰヘッダ８
０２と、元のＩＰパケットのペイロードであるデータ部
８０３とからなるパケットに再構成され、ＮＡＴ装置２
０５から移動端末に向けて送信される。また、ＮＡＴ装
置２０５は、図７により説明したテーブルの移動端末の
ホームアドレス７０１と、図８に示したパケット内のＩ
Ｐパケットの受信先のＩＰアドレスである移動端末ホー
ムアドレス８０８、あるいは、図７に示すテーブルの移
動端末ホームアドレス７０１とホーム・エージェントア
ドレス７０２と図８に示すパケットのホーム・エージェ
ントアドレス８０５と移動端末ホームアドレス８０８と
のフィールドからデカプセル化処理用の気付アドレスを
決定し、この気付アドレスを図８に示すパケットの代表
気付アドレス８０６のフィールド設定して、デカプセル
化処理を行っているＦＡ装置に送信する。

【００４４】図９はＮＡＴ装置がＮＡＴ装置向けのＩＰ
パケットを受信したときの処理動作を説明するフローチ
ャートであり、以下、これについて説明する。

【００４５】（１）ＮＡＴ装置２０５は、ＩＰパケット
を受信するとその受信処理を行い、受信したＩＰパケッ
トがカプセル化したパケットであるＩＰ in ＩＰパケッ
トか否かを、受信したＩＰパケットのプロトコルフィー
ルドをみて判断する（ステップ９０１、９０２）。

【００４６】（２）ステップ９０２で、受信したパケッ
トがＩＰ in ＩＰパケットであると判断した場合、図７
に示した移動端末−デカプセル化処理用気付アドレスの
テーブルを検索し、カプセル化された元のパケットの受
信先アドレス（ホーム・エージェントアドレス）８０５
とカプセル化パケットの送信元アドレス（ホーム・エー
ジェントアドレス）と一致するものがあるか否かを検索
する（ステップ９０３、９０４）。

【００４７】（３）ステップ９０４で一致するものが見
つかった場合、カプセル化したパケットの受信先アドレ
ス８０６を検索されたデカプセル化処理用の気付アドレ
スに書き換えて、そのパケットをデカプセル化処理を行
うＦＡ装置に送信する処理を行って処理を終了し、見つ
からなかった場合、受信したパケットを破棄して処理を
終了する（ステップ９０５、９０７、９０６）。

【００４８】（４）ステップ９０２で、受信したＩＰパ
ケットがＩＰ in ＩＰパケットでないと判断した場合、
そのパケットが移動端末−デカプセル化処理用気付アド
レスの登録要求のパケットであるか否かを判断し、移動
端末−デカプセル化処理用気付アドレスの登録要求のパ
ケットでなかった場合、その他のパケット用の処理を行
ってここでの処理を終了する（ステップ９０８、９１
４）。

【００４９】（５）ステップ９０８で、パケットが移動
端末−デカプセル化処理用気付アドレスの登録要求のパ
ケットであると判断した場合、受信パケット中のデータ
のホームアドレスとホーム・エージェントアドレスとが
図７に示したテーブル中のエントリーと一致するものな
いかを検索する（ステップ９０９）。

【００５０】（６）ステップ９０９での検索の結果、一
致したものが見つかったか否かをチェックし、見つかっ
た場合、パケットの中のデカプセル化処理用の気付アド
レスとライフタイムとの項目を更新し、見つからなかっ
た場合、新規のエントリーとして図７に示したテーブル
に追加する（ステップ９１０、９１１、９１３）。

【００５１】（７）ステップ９１１またはステップ９１
３の処理後、登録用のパケットを送ってきたＦＡ装置
に、登録が成功したことを確認するパケットを送信し
て、処理を終了する（ステップ９１２）。

【００５２】図１０は移動端末が移動して移動前と異な
るＦＡ装置経由でＨＡ装置に位置登録を行い、しかも、
移動前と同一のＮＡＴ装置を使用し、同一の気付アドレ
スを使用する場合の位置登録のシーケンスを示す図であ
り、以下、これについて説明する。なお、図１０には、
移動前のサブネットワークのＦＡ装置をＦＡ−Ｓ装置、
移動後のサブネットワークのＦＡ装置をＦＡ−Ｔ装置と
して示している。

【００５３】（１）移動端末は、最初、ＦＡ−Ｓ装置経
由でＨＡ装置に位置登録を行っていて、サブネットワー
クを移動してＦＡ−Ｔ装置がサービスを行っているサブ
ネットワークに移動したとする。ＦＡ−Ｓ装置とＦＡ−
Ｔ装置とは、両方とも共通のＮＡＴ装置を使用し、Agen
t Advertisement メッセージ中のCare of Address フィ
ールドには、ＮＡＴ装置の代表気付アドレスを設定して
流している。移動端末は、ＦＡ−Ｔ装置からのAgent Ad
vertisement メッセージを受信し、この中のルータアド
レス４０７とプリフィクス長４１２とを調べ、ＦＡ−Ｓ
装置が所属するサブネットワークからＦＡ−Ｔ装置が所
属するサブネットワークへ移動したことを検出する（シ
ーケンス１００１）。

【００５４】（２）移動端末は、図３のシーケンス３０
２〜３０６と同様に、ＦＡ−Ｔ装置を介してＨＡ装置に
位置登録を行って、その確認の情報を受領する（シーケ
ンス１００２〜１００５）。

【００５５】（３）ＦＡ−Ｔ装置は、ＮＡＴ装置に対し
て、新しい移動端末が移動してきたので、端末−気付ア
ドレス登録要求を送信する（シーケンス１００６）。

【００５６】（４）ＮＡＴ装置は、図７に示したテーブ
ルを検索して、登録要求を行った端末に該当するエント
リが存在するか否かをチェックし、存在しない場合、新
規としてテーブルに追加するが、エントリが見つかった
場合、デカプセル化処理用の気付アドレスをＦＡ−Ｓ装
置のアドレスからＦＡ−Ｔ装置のアドレスに変更するか
新規のテーブルとして追加し、ＦＡ−Ｔ装置に端末−気
付アドレス登録確認の情報を返送する（シーケンス１０
０７）。

【００５７】（５）シーケンス１００７の後、ＮＡＴ装
置は、元のＦＡ装置であるＦＡ−Ｓ装置に対して、該当
移動端末がＦＡ−Ｔ装置に移動したことを通知してもよ
い（シーケンス１０１１）。

【００５８】（６）ＦＡ−Ｓ装置は、シーケンス１０１
１でＮＡＴ装置からの移動端末の移動が通知された後、
あるいは、通知が行われず、移動端末が他に移動してし
まって定期的な位置登録要求がこないために、端末の位
置登録の有効時間がタイムアウトしたとき、ＮＡＴ装置
に対して、該当端末がいなくなったことを、端末−気付
アドレス削除要求として通知しする。これを受け取った
ＮＡＴ装置は、それに対する端末−気付アドレス削除確
認の情報をＦＡ−Ｓ装置に返送する（シーケンス１００
８〜１０１０）。

【００５９】前述したシーケンスにおいて、ＮＡＴ装置
は、ＦＡ−Ｓ装置から該当端末の登録の削除要求がくる
まで、ＦＡ−Ｓ装置とＦＡ−Ｔ装置との両方に移動端末
宛てのパケットをコピーして転送するようにしてもよ
い。

【００６０】図１１は２台のＦＡ−１装置とＦＡ−２装
置とが同一のサブネットワーク内の移動端末に対してサ
ービスが可能な場合で、移動端末が最初ＦＡ−１装置経
由でMobileＩＰのサービスを受けていてＦＡ−１装置に
障害が発生した場合の処理シーケンスを示す図であり、
以下、これについて説明する。

【００６１】（１）ＮＡＴ装置は、ＦＡ−１装置に対し
て定期的に稼動中か否かの状態の報告を要求するパケッ
トを送信し、ＦＡ−１装置よりこのパケットの応答パケ
ットを受信することにより、ＦＡ−１装置の動作の確認
を行っている（シーケンス１１０１、１１０２）。

【００６２】（２）また、ＦＡ−２装置とＦＡ−１装置
とは、これらもお互いにパケットを送信して、相手が動
作しているか否かを確認しあっている（シーケンス１１
０３、１１０４）。

【００６３】（３）いま、前述の状態からＦＡ−１装置
に障害が発生したものとする（シーケンス１００５）。

【００６４】（４）ＮＡＴ装置とＦＡ−２装置とからの
状態の報告要求に対してＦＡ−１装置からの応答が無い
状態がしばらく続くと、ＮＡＴ装置とＦＡ−２装置と
は、それぞれＦＡ−１装置の障害を検知する（シーケン
ス１１０６、１１０７）。

【００６５】（５）この場合、ＦＡ−２装置は、ＦＡ−
１装置でサービスを受けていた移動端末をＦＡ−２経由
でMobileＩＰのサービスを受けるようにＦＡ−２に対し
て登録要求を促すために、ＦＡ−１装置が再起動しサー
ビス受け付けられない状態にいることを知らせる。この
ためにＦＡ−２装置は、ＦＡ−１装置の代わりにＦＡ−
１装置が送信すべきAgent Advertisement メッセージを
代行して一定時間送信する。このメッセージは、図４の
送信元ＩＰアドレス４０５をＦＡ−１装置のＩＰアドレ
スに、ＦＡ装置のアドレス４０７をＦＡ−１装置のＩＰ
アドレスに、シーケンス番号４１３を“０”にリセット
し、ビジービット４１４を設定したものである。ＦＡ−
２装置は、これにより移動端末がＦＡ−１に登録要求を
行うように促す（シーケンス１１０８）。

【００６６】（６）移動端末は、シーケンス１１０８の
パケットを受信するとシーケンス番号が“０”にリセッ
トされているために、今までサービスを受けていたＦＡ
装置が再起動したことを検出し、再度位置登録を試みる
が、ビジービットが立っているため、他のＦＡ装置を経
由して位置登録を行う必要があることを認識する。

【００６７】（７）このため、移動端末は、ＦＡ−２装
置を経由してＨＡ装置に位置登録を行うこととして、Ｆ
Ａ−２装置からのAgent Advertisement メッセージを受
信し、ＦＡ−２装置を経由してＨＡ装置に位置登録の要
求を行う（シーケンス１１０９〜１１１１）。

【００６８】なお、前述において、ＮＡＴ装置は、ＦＡ
−１装置の障害を検出した時点で、転送情報のテーブル
からＦＡ−１装置を通じてサービスを受けていた端末に
関する情報を削除する。

【００６９】図１２はＦＡ装置が２台のＮＡＴ装置を経
由してサービスを受けることが可能な場合で、ＦＡ装置
がサービスを受けていたＮＡＴ−１装置が障害となった
ためにＮＡＴ−２装置を経由してサービスを受ける場合
の処理シーケンスを示す図であり、以下、これについて
説明する。

【００７０】（１）ＦＡ装置は、定期的にＮＡＴ−１装
置に対して動作しているか否かの状態の報告を要求する
パケットを送信し、ＮＡＴ−１装置よりこのパケットに
対する応答パケットを受信することによりＮＡＴ−１装
置の動作を確認している（シーケンス１２０１、１２０
２）。

【００７１】（２）この状態で、いま、ＮＡＴ−１装置
に障害が発生すると、ＮＡＴ−１装置はＦＡ装置からの
状態報告の要求パケットに応答しなくなる（シーケンス
１２０３、１２０４）。

【００７２】（３）ＦＡ装置は、ＮＡＴ−１装置からの
応答がない場合に、ＮＡＴ−１装置に障害が発生したと
検知し、移動端末に送信していたMobileＩＰのAgent Ad
vertisement メッセージの中のシーケンス番号４１３を
“０”にリセットし、代表Careof Address ４１０に新
たなＮＡＴ装置であるＮＡＴ−２装置の代表Care of Ad
dress を設定したものを送信する（１２０５）。

【００７３】（４）移動端末は、同じＦＡ装置から受信
したAgent Advertisement 中のシーケンス番号が“０”
にリセットされているために、ＦＡ装置が再起動された
ものとして、再度ＦＡ装置経由で位置登録を行う。この
場合のCare of Address には、ＮＡＴ−２装置の代表Ca
re of address が設定されているものが使用されるの
で、位置登録の要求は、ＦＡ装置、ＮＡＴ−２装置を介
してＨＡ装置に送信される（シーケンス１２０６、１２
０７）。

【００７４】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、Ｎ
ＡＴ装置をシステムに含ませることによりＨＡ装置にMo
bileＩＰの気付アドレスを１つに見せておいてＦＡ装置
を複数配置することができ、ＦＡ装置の負荷を分散する
ことが可能となる。また、Agent Advertisement メッセ
ージにCare of Address をＦＡの台数分でなく、１台分
に抑えることが可能となり比較的遅い回線を使用してい
る場合にも帯域の浪費を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】MobileＩＰのAgent Advertisementメッセージ
の構成例を示す図である。

【図２】本発明の一実施形態による移動データ通信シス
テムの構成を示すブロック図である。

【図３】複数のＦＡ装置が存在するサブネットワークに
移動端末が移動した場合に、ＨＡ装置に位置登録を行う
シーケンスを示す図である。

【図４】本発明により代表気付アドレスを使用する場合
のAgent Advertisement メッセージのフォーマットを説
明する図である。

【図５】移動端末とデカプセル化処理用の気付アドレス
とをＮＡＴ装置に通知するパケットの構成例を説明する
図である。

【図６】ＮＡＴ装置の構成例を示すブロック図である。

【図７】移動端末−デカプセル化処理用気付アドレスを
格納したテーブルの例を説明する図である。

【図８】ＨＡ装置から送信されるＩＰ in ＩＰによって
カプセル化したパケットのフォーマット例を示す図であ
る。

【図９】ＮＡＴ装置がＮＡＴ装置向けのＩＰパケットを
受信したときの処理動作を説明するフローチャートであ
る。

【図１０】移動端末が移動して移動前と異なるＦＡ装置
経由でＨＡ装置に位置登録を行い、しかも、移動前と同
一のＮＡＴ装置を使用し、同一の気付アドレスを使用す
る場合の位置登録のシーケンスを示す図である。

【図１１】２台のＦＡ装置が同一のサブネットワーク内
の移動端末に対してサービスが可能な場合で、１台のＦ
Ａ装置に障害が発生した場合の処理シーケンスを示す図
である。

【図１２】ＦＡ装置が２台のＮＡＴ装置を経由してサー
ビスを受けることが可能な場合で、ＦＡ装置がサービス
を受けていたＮＡＴ装置が障害となったときの処理シー
ケンスを示す図である。

【符号の説明】

２０１ ＨＡ装置 ２０２〜２０４ ＦＡ装置 ２０５ ＮＡＴ(Network Address Transfer)装置 ２０６、２０７ ルータ ２０８ インターネット ２０９、２１０ 移動端末 ２１１〜２１４ ネットワーク ６０２ ＭＰＵ ６０３ メモリ ６０４ ネットワークインタフェース（Ｉ／Ｆ） ６０５パケットバッファ ６０６ パケット用バス ６０７ 制御用バス

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 謙尚 神奈川県川崎市麻生区王禅寺1099番地 株 式会社日立製作所システム開発研究所内 (72)発明者 福沢 尚司 神奈川県川崎市麻生区王禅寺1099番地 株 式会社日立製作所システム開発研究所内 Ｆターム(参考） 5K030 GA03 GA10 HA08 HC01 HC09 HD03 JA11 JT09 LB05 MA07 MB01 5K033 AA01 CB09 DA06 DA19 DB18 5K067 AA13 BB21 CC08 DD11 EE02 EE10 EE16 HH17 HH22 JJ66

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数のサブネットワークと、前記サブネ
   ットワーク間を移動可能な移動端末と、移動端末が所属
   するサブネットワークに接続され、自ネットワークに所
   属する移動端末の位置情報を管理し、前記移動端末宛て
   のパケットを捕捉し、そのパケットをカプセル化して移
   動端末が移動している移動先のサブネットワークに転送
   する機能を有するホーム・エージェント装置と、前記サ
   ブネットワークに接続され、他のネットワークから移動
   している移動端末に対して、前記ホーム・エージェント
   装置が移動端末に転送すべきパケットの転送先アドレス
   を示す気付アドレスを広告する広告機能、移動端末がホ
   ーム・エージェント装置に対して移動先のネットワーク
   の気付アドレスを位置登録する処理を中継する登録中継
   機能、ホーム・エージェント装置から転送されてきたカ
   プセル化された移動端末宛てのパケットを受信し、その
   パケットを他のサブネットワークから移動してきた移動
   端末に対して中継する機能を有するフォーリン・エージ
   ェント装置とを備えて構成される移動データ通信システ
   ムにおいて、 前記移動端末がホーム・エージェント装置に登録した気
   付アドレス宛てに送られてきたカプセル化したパケット
   の受信先アドレスを、前記移動端末に対するパケットの
   中継を行うフォーリン・エージェント装置の気付アドレ
   スに書き換えて、そのパケットを中継するネットワーク
   ・アドレス・トランスファー装置を備えることを特徴と
   する移動データ通信システム。
2. 【請求項２】 前記フォーリン・エージェント装置の複
   数が前記サブネットワークに接続されており、前記複数
   のフォーリン・エージェント装置のそれぞれは、前記気
   付アドレスとして、前記ネットワーク・アドレス・トラ
   ンスファー装置の代表気付アドレスを前記広告に設定す
   る機能と、移動端末のホームアドレスとフォーリン・エ
   ージェント装置の気付アドレスとの組み合わせを転送情
   報として前記ネットワーク・アドレス・トランスファー
   装置に対して通知する機能と、ホーム・エージェントに
   対する位置登録の気付アドレスとして前記代表気付アド
   レスを設定する機能とを有し、前記ネットワーク・アド
   レス・トランスファー装置は、前記組み合わによる転送
   情報をテーブルに記憶する機能を有することを特徴とす
   る請求項１記載の移動データ通信システム。
3. 【請求項３】 前記移動端末がサブネットワークを移動
   して、移動前のサブネットワークのフォーリン・エージ
   ェント装置が使用していたネットワーク・アドレス・ト
   ランスファー装置の代表気付アドレスと同じ代表気付ア
   ドレスを使用しているフォーリン・エージェント装置経
   由でホーム・エージェント装置に位置登録を行った場
   合、移動後の移動端末が使用するフォーリン・エージェ
   ント装置は、ネットワーク・アドレス・トランスファー
   装置に、自フォーリン・エージェント装置の気付アドレ
   ス、移動端末のホームアドレスの組み合わせ、あるい
   は、自フォーリン・エージェント装置の気付アドレス、
   移動端末のホームアドレス、ホーム・エージェントのア
   ドレスの組み合わせを転送情報としてネットワーク・ア
   ドレス・トランスファー装置に通知し、前記ネットワー
   ク・アドレス・トランスファー装置は、現在登録されて
   いる移動端末に関して記憶されているテーブルの中に移
   動端末のホームアドレス、あるいは、移動端末のホーム
   アドレスとホーム・エージェント装置のアドレスとの組
   み合わせと一致しているものがあるか否かを検索し、見
   つかった場合、テーブル中の古い気付アドレスを持つフ
   ォーリン・エージェント装置に対して該当する移動端末
   が移動したことを通知し、前記テーブル中の古い気付ア
   ドレスを移動先のサブネットワークのフォーリン・エー
   ジェント装置の気付アドレスに書き換えることを特徴と
   する請求項２記載の移動データ通信システム。
4. 【請求項４】 前記ネットワーク・アドレス・トランス
   ファー装置は、定期的に各フォーリン・エージェント装
   置が動作しているか否かを監視する手段を有し、同一の
   サブネットワーク内の複数のフォーリン・エージェント
   装置は、相互に相手フォーリン・エージェント装置が動
   作しているか否かを定期的に監視する手段有し、前記ネ
   ットワーク・アドレス・トランスファー装置がフォーリ
   ン・エージェント装置の障害を検出した場合、ネットワ
   ーク・アドレス・トランスファー装置内の転送情報のテ
   ーブルを検索して故障を検出したフォーリン・エージェ
   ント装置経由でパケットを受信している移動端末が存在
   していれば、前記テーブルから障害を検出したフォーリ
   ン・エージェント経由でパケットを受信している移動端
   末のエントリを削除し、前記フォーリン・エージェント
   装置が同一のサブネットワークに属する他のフォーリン
   ・エージェント装置の障害を検出した場合、障害を検出
   したフォーリン・エージェント装置は、広告メッセージ
   中の送信元アドレスを故障したフォーリン・エージェン
   ト装置のアドレスとし、ビジービットを立てて一定時間
   送信し、これを受信した障害が検出されたフォーリン・
   エージェント装置を利用していた移動端末は、他のフォ
   ーリン・エージェント装置を経由して位置登録を行うこ
   とを特徴とする請求項２または３記載の移動データ通信
   システム。
5. 【請求項５】 フォーリン・エージェント装置が利用可
   能な複数のネットワーク・アドレス・トランスファー装
   置を備え、フォーリン・エージェント装置は、定期的に
   利用しているネットワーク・アドレス・トランスファー
   装置が動作しているか否かを監視する手段を有し、ネッ
   トワーク・アドレス・トランスファー装置の障害を検出
   した場合、広告メッセージ中の気付アドレスとして他の
   ネットワーク・アドレス・トランスファー装置の代表気
   付アドレスを設定して送信することを特徴とする請求項
   ２、３または４記載の移動データ通信システム。
6. 【請求項６】 複数のサブネットワークと、前記サブネ
   ットワーク間を移動可能な移動端末と、移動端末が所属
   するサブネットワークに接続され、前記移動端末宛ての
   パケットを捕捉し、そのパケットをカプセル化して移動
   端末が移動している移動先のサブネットワークに転送す
   る機能を有するホーム・エージェント装置と、前記サブ
   ネットワークに接続され、前記ホーム・エージェント装
   置から転送されてきたカプセル化された移動端末宛ての
   パケットを他のサブネットワークから移動してきた移動
   端末に対して中継する機能を有するフォーリン・エージ
   ェント装置と、前記ホーム・エージェント装置から転送
   されてきたカプセル化された移動端末宛てのパケットを
   前記フォーリン・エージェント装置に中継するネットワ
   ーク・アドレス・トランスファー装置とを備えて構成さ
   れる移動データ通信システム内に設けられるネットワー
   ク・アドレス・トランスファー装置において、 前記移動端末がホーム・エージェント装置に登録した気
   付アドレス宛てに送られてきたカプセル化したパケット
   の受信先アドレスを、前記移動端末に対するパケットの
   中継を行うフォーリン・エージェント装置の気付アドレ
   スに書き換えて、そのパケットを中継する機能と、前記
   フォーリン・エージェント装置から転送されてくる移動
   端末のホームアドレスとフォーリン・エージェント装置
   の気付アドレスとの組み合わせ情報をテーブルに記憶す
   る機能とを有することを特徴とするネットワーク・アド
   レス・トランスファー装置。
7. 【請求項７】 複数のサブネットワークと、前記サブネ
   ットワーク間を移動可能な移動端末と、移動端末が所属
   するサブネットワークに接続され、前記移動端末宛ての
   パケットを捕捉し、そのパケットをカプセル化して移動
   端末が移動している移動先のサブネットワークに転送す
   る機能を有するホーム・エージェント装置と、前記サブ
   ネットワークに接続され、前記ホーム・エージェント装
   置から転送されてきたカプセル化された移動端末宛ての
   パケットを他のサブネットワークから移動してきた移動
   端末に対して中継する機能を有するフォーリン・エージ
   ェント装置と、前記ホーム・エージェント装置から転送
   されてきたカプセル化された移動端末宛てのパケットを
   前記フォーリン・エージェント装置に中継するネットワ
   ーク・アドレス・トランスファー装置とを備えて構成さ
   れる移動データ通信システム内に設けられるフォーリン
   ・エージェント装置において、 他のネットワークから移動している移動端末に対して、
   前記ホーム・エージェント装置が移動端末に転送すべき
   パケットの転送先アドレスを示す気付アドレスを広告す
   る広告機能と、移動端末がホーム・エージェント装置に
   対して移動先のネットワークの気付アドレスを位置登録
   する処理を中継する登録中継機能と、前記気付アドレス
   として、前記ネットワーク・アドレス・トランスファー
   装置の代表気付アドレスを前記広告に設定する機能と、
   移動端末のホームアドレスとフォーリン・エージェント
   装置の気付アドレスとの組み合わせを転送情報として前
   記ネットワーク・アドレス・トランスファー装置に対し
   て通知する機能と、ホーム・エージェントに対する位置
   登録の気付アドレスとして前記代表気付アドレスを設定
   する機能とを有することを特徴とするフォーリン・エー
   ジェント装置。