JP2002220339A - 抗痴呆薬 - Google Patents
抗痴呆薬Info
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 次の一般式(1)
【化1】
〔式中、R1、R2は、H又はハロゲン原子を示し、R3
は、H、アルキル基又はアシル基を示し、R4はH、ア
ルキル基、アシル基、アルキルスルホニル基又はエステ
ル化されていてもよいカルボキシル基を示し、Arは、
置換基を有していてもよいフェニル又は複素芳香環基を
示し、mは1〜5の数を、nは0〜5の数を示す〕で表
わされる化合物又はその塩を有効成分とする脳脂質過酸
化抑制作用に基づく抗痴呆薬。 【効果】 選択的に脳に移行し、脳脂質の過酸化を抑制
するので痴呆とりわけ、脳血管性痴呆の治療に有益であ
る。
は、H、アルキル基又はアシル基を示し、R4はH、ア
ルキル基、アシル基、アルキルスルホニル基又はエステ
ル化されていてもよいカルボキシル基を示し、Arは、
置換基を有していてもよいフェニル又は複素芳香環基を
示し、mは1〜5の数を、nは0〜5の数を示す〕で表
わされる化合物又はその塩を有効成分とする脳脂質過酸
化抑制作用に基づく抗痴呆薬。 【効果】 選択的に脳に移行し、脳脂質の過酸化を抑制
するので痴呆とりわけ、脳血管性痴呆の治療に有益であ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脳脂質過酸化抑制
作用に基づく老人性痴呆や脳血管性痴呆等の治療に有用
な抗痴呆剤に関する。
作用に基づく老人性痴呆や脳血管性痴呆等の治療に有用
な抗痴呆剤に関する。
【0002】
【従来の技術】現代は高齢化の時代であり、医療の発展
とともに平均寿命が延び、社会全体が高齢化している。
これとともに疾病の分布も大きく移り変わり、感染症に
代わって循環器の疾患、とりわけ脳循環に関わる疾患が
大きな社会問題となってきている。ことに老人性痴呆や
脳血管性痴呆は社会の高齢化に伴ってその出現率は著し
く増加しており、人類が解決すべき重要な問題の1つに
なっている。
とともに平均寿命が延び、社会全体が高齢化している。
これとともに疾病の分布も大きく移り変わり、感染症に
代わって循環器の疾患、とりわけ脳循環に関わる疾患が
大きな社会問題となってきている。ことに老人性痴呆や
脳血管性痴呆は社会の高齢化に伴ってその出現率は著し
く増加しており、人類が解決すべき重要な問題の1つに
なっている。
【0003】現在この痴呆の治療法には、フルナリジン
の様なカルシウム拮抗剤により脳循環の改善をする方法
とホパテン酸カルシウムなどの脳代謝賦活剤により脳代
謝を改善する方法があるが、脳循環の改善においては脳
循環にのみ特異的に作用する薬物は見出されておらず、
循環器全体に影響を及ぼしてしまう上、カルシウム拮抗
剤には、長期連続投与においてパーキンソン氏病様症状
を副作用として発現してしまうため実用的とは言えな
い。一方、脳代謝賦活剤は肝障害や意識障害の様な時と
して死に到る重篤な副作用があるためその効果を充分に
得るには至っていない。
の様なカルシウム拮抗剤により脳循環の改善をする方法
とホパテン酸カルシウムなどの脳代謝賦活剤により脳代
謝を改善する方法があるが、脳循環の改善においては脳
循環にのみ特異的に作用する薬物は見出されておらず、
循環器全体に影響を及ぼしてしまう上、カルシウム拮抗
剤には、長期連続投与においてパーキンソン氏病様症状
を副作用として発現してしまうため実用的とは言えな
い。一方、脳代謝賦活剤は肝障害や意識障害の様な時と
して死に到る重篤な副作用があるためその効果を充分に
得るには至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は選択的に脳循環を改善し、かつ脳代謝を賦活せしめて
痴呆を改善する安全な医薬を提供することにある。
は選択的に脳循環を改善し、かつ脳代謝を賦活せしめて
痴呆を改善する安全な医薬を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは斯かる実情
に鑑み鋭意研究を重ねた結果、カルシウム拮抗作用及び
血流量増加作用を有していることが知られており、循環
器用薬として高血圧症、狭心症及び脳循環障害の予防又
は治療薬としての可能性が示唆されている下記一般式
(1)で表わされる化合物が、脳に特異的に集積し、脳
循環を改善し、かつ脳脂質に対する抗酸化作用を有し、
脳代謝を改善し、かつ安全性が高いことから老人性痴呆
や脳血管性痴呆の治療に有用であることを見出し本発明
を完成させた。
に鑑み鋭意研究を重ねた結果、カルシウム拮抗作用及び
血流量増加作用を有していることが知られており、循環
器用薬として高血圧症、狭心症及び脳循環障害の予防又
は治療薬としての可能性が示唆されている下記一般式
(1)で表わされる化合物が、脳に特異的に集積し、脳
循環を改善し、かつ脳脂質に対する抗酸化作用を有し、
脳代謝を改善し、かつ安全性が高いことから老人性痴呆
や脳血管性痴呆の治療に有用であることを見出し本発明
を完成させた。
【0006】即ち本発明は、次の一般式(1)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1及びR2は、同一でも異なって
いてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子を示し、
R3は水素原子、アルキル基又はアシル基を示し、R4は
水素原子、アルキル基、アシル基、アルキルスルホニル
基又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示
し、Arはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基及び水酸基から
選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいフェニル
又は窒素を含有する単環の複素芳香環基を示し、mは1
〜5の数を示し、nは0〜5の数を示す)で表わされる
化合物又はこの生理的に許容される塩を有効成分とする
脳脂質過酸化抑制作用に基づく抗痴呆薬を提供するもの
である。
いてもよく、それぞれ水素原子、ハロゲン原子を示し、
R3は水素原子、アルキル基又はアシル基を示し、R4は
水素原子、アルキル基、アシル基、アルキルスルホニル
基又はエステル化されていてもよいカルボキシル基を示
し、Arはハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、
ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基及び水酸基から
選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいフェニル
又は窒素を含有する単環の複素芳香環基を示し、mは1
〜5の数を示し、nは0〜5の数を示す)で表わされる
化合物又はこの生理的に許容される塩を有効成分とする
脳脂質過酸化抑制作用に基づく抗痴呆薬を提供するもの
である。
【0009】本発明の脳脂質過酸化抑制作用に基づく抗
痴呆薬の有効成分である化合物は、上記一般式(1)で
表わされるものであるが、式中、R3、R4及びArの置
換基であるアルキル基としては、炭素数1〜5のものが
好ましく、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げら
れ、R3、R4のアシル基としては、ホルミル基及び炭素
数2〜5のアルカノイル基が好ましく、具体的には、ア
セチル基、プロピオニル基、ブチリル基が挙げられる。
またR4のアルキルスルホニル基のアルキル基として
は、前記した炭素数1〜5のものが好ましい。Arで示
されるフェニル基等の置換基であるアルコキシ基及びア
ルキルアミノ基のアルキル基としては前記した炭素数1
〜5のものが好ましく、ハロゲン原子としては、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
Arで示される窒素原子を有する単環の複素芳香環とし
ては、例えばピリジル基、ピリミジル基、イミダゾリル
基、ピロリル基が好ましいものとして挙げられる。
痴呆薬の有効成分である化合物は、上記一般式(1)で
表わされるものであるが、式中、R3、R4及びArの置
換基であるアルキル基としては、炭素数1〜5のものが
好ましく、具体的には例えば、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げら
れ、R3、R4のアシル基としては、ホルミル基及び炭素
数2〜5のアルカノイル基が好ましく、具体的には、ア
セチル基、プロピオニル基、ブチリル基が挙げられる。
またR4のアルキルスルホニル基のアルキル基として
は、前記した炭素数1〜5のものが好ましい。Arで示
されるフェニル基等の置換基であるアルコキシ基及びア
ルキルアミノ基のアルキル基としては前記した炭素数1
〜5のものが好ましく、ハロゲン原子としては、フッ素
原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
Arで示される窒素原子を有する単環の複素芳香環とし
ては、例えばピリジル基、ピリミジル基、イミダゾリル
基、ピロリル基が好ましいものとして挙げられる。
【0010】本発明の有効成分である一般式(1)で表
わされる化合物は既知の化合物であり、カルシウム拮抗
作用を有していることは既に知られている。(WO92
/05165)。これらの化合物は、例えば次の反応式
に従い容易に製造できることが知られている(WO92
/05165)。
わされる化合物は既知の化合物であり、カルシウム拮抗
作用を有していることは既に知られている。(WO92
/05165)。これらの化合物は、例えば次の反応式
に従い容易に製造できることが知られている(WO92
/05165)。
【0011】
【化3】
【0012】(ここで、R1、R2、R4、m、nは前記
に同じで、R3はアルキル基若しくはアシル基を示す)
に同じで、R3はアルキル基若しくはアシル基を示す)
【0013】即ち、ジフェニルピペラジン誘導体(2)
とエピクロロヒドリンとをアルカリ触媒の存在下反応さ
せエポキシ体(3)となし、このエポキシ基をアミン
(4)で開環すれば化合物(1)の内R3が水素原子で
ある化合物(1−1)が得られる。また、アルカリ触媒
の存在下化合物(4)とエピクロロヒドリンとを反応さ
せエポキシ体(5)となし、この化合物(5)のエポキ
シ基を化合物(2)で開環させることによっても同様に
化合物(1−1)が得られる。更に、化合物(1−1)
をアルカリ触媒の存在下アルキルハライドあるいはアシ
ルハライド又は酸無水物と反応させれば一般式(1)で
表わされる化合物の内R3が水素原子でない化合物(1
−2)を得ることができる。これらの化合物の性状は置
換基の種類と数により異なるが、無色から淡黄色の液体
又はアモルファス又は固体であり、その溶解性は概ね水
に溶けにくく、メタノール、クロロホルム、ベンゼンな
どの有機溶媒に溶けやすい。これらの化合物はシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーや再結晶等の常法に従って
精製できる。
とエピクロロヒドリンとをアルカリ触媒の存在下反応さ
せエポキシ体(3)となし、このエポキシ基をアミン
(4)で開環すれば化合物(1)の内R3が水素原子で
ある化合物(1−1)が得られる。また、アルカリ触媒
の存在下化合物(4)とエピクロロヒドリンとを反応さ
せエポキシ体(5)となし、この化合物(5)のエポキ
シ基を化合物(2)で開環させることによっても同様に
化合物(1−1)が得られる。更に、化合物(1−1)
をアルカリ触媒の存在下アルキルハライドあるいはアシ
ルハライド又は酸無水物と反応させれば一般式(1)で
表わされる化合物の内R3が水素原子でない化合物(1
−2)を得ることができる。これらの化合物の性状は置
換基の種類と数により異なるが、無色から淡黄色の液体
又はアモルファス又は固体であり、その溶解性は概ね水
に溶けにくく、メタノール、クロロホルム、ベンゼンな
どの有機溶媒に溶けやすい。これらの化合物はシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーや再結晶等の常法に従って
精製できる。
【0014】この様にして得られる化合物(1)は有機
溶媒中、酸と混合する等の常法により塩とすることがで
きる。この場合の酸としては、生理的に許容されるもの
であれば特に限定はされず、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸
などの鉱酸、クエン酸、シュウ酸、酢酸、フマル酸、マ
レイン酸、マロン酸、メタンスルホン酸などの有機酸等
が例示されるが、取扱い、経済性、物性の点からマレイ
ン酸、塩酸が好ましい。
溶媒中、酸と混合する等の常法により塩とすることがで
きる。この場合の酸としては、生理的に許容されるもの
であれば特に限定はされず、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸
などの鉱酸、クエン酸、シュウ酸、酢酸、フマル酸、マ
レイン酸、マロン酸、メタンスルホン酸などの有機酸等
が例示されるが、取扱い、経済性、物性の点からマレイ
ン酸、塩酸が好ましい。
【0015】かくして得られる化合物(1)の塩の性状
は概ね白色の固体で、上述した酸との塩を形成していな
い化合物(1)に比して水溶性、安定性も向上する傾向
がある。
は概ね白色の固体で、上述した酸との塩を形成していな
い化合物(1)に比して水溶性、安定性も向上する傾向
がある。
【0016】また化合物(1)には光学異性体が存在す
るが、本発明の目的のためには光学活性体、ラセミ体の
いずれも用いることができる。また、化合物(1)には
水和物や溶媒和物も含まれる。
るが、本発明の目的のためには光学活性体、ラセミ体の
いずれも用いることができる。また、化合物(1)には
水和物や溶媒和物も含まれる。
【0017】本発明の有効成分である化合物(1)の具
体的な化合物を表1〜5に例示する。
体的な化合物を表1〜5に例示する。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】
【表4】
【0022】
【表5】
【0023】これら表1〜5に示す化合物又はその塩は
いずれもマウスにおけるLD50値1000mg/kg以上と
高く安全性に優れている(WO92/05165)。
いずれもマウスにおけるLD50値1000mg/kg以上と
高く安全性に優れている(WO92/05165)。
【0024】これらの化合物を脳脂質過酸化抑制作用に
基づく抗痴呆薬として用いる場合、これらの化合物のう
ちの1種又は2種以上と液体又は固体の製剤上の補助成
分、例えば賦形剤、結合剤、希釈剤、可溶化分散剤など
と混合して、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、液剤、注
射剤等の任意の剤型として経口的あるいは非経口的に投
与できる。投与量は年齢、体重、性別、症状により異な
るが経口投与では1日成人あたり、化合物(1)として
10〜1000mgが適当であり、非経口投与では1〜5
00mgが適当である。1日あたりの投与量を1回ないし
数回に分けて投与しても良い。また、必要に応じて他の
薬剤を調合して投与することもできる。
基づく抗痴呆薬として用いる場合、これらの化合物のう
ちの1種又は2種以上と液体又は固体の製剤上の補助成
分、例えば賦形剤、結合剤、希釈剤、可溶化分散剤など
と混合して、粉末、顆粒、錠剤、カプセル剤、液剤、注
射剤等の任意の剤型として経口的あるいは非経口的に投
与できる。投与量は年齢、体重、性別、症状により異な
るが経口投与では1日成人あたり、化合物(1)として
10〜1000mgが適当であり、非経口投与では1〜5
00mgが適当である。1日あたりの投与量を1回ないし
数回に分けて投与しても良い。また、必要に応じて他の
薬剤を調合して投与することもできる。
【0025】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明について更に詳
しく述べるが、本発明がこれら実施例に限定されるもの
ではないことは言うまでもない。
しく述べるが、本発明がこれら実施例に限定されるもの
ではないことは言うまでもない。
【0026】実施例1 ラットにおける化合物(1)の塩酸塩の体内動態 7週齢のウイスター系ラット(雄性)を用いて、化合物
1の体内動態を求めた。検討した臓器は血液と脳であっ
た。
1の体内動態を求めた。検討した臓器は血液と脳であっ
た。
【0027】即ち、30mg/kgの表1中の化合物1の塩
酸塩を生理食塩水に溶解し経口投与し、一定時間ごとに
採血して、屠殺し脳を取り出し臓器内における化合物1
の濃度をHPLCを用いて絶対検量線法により測定し
た。臓器の処理は血液は4倍量のメタノールを加え、よ
く攪拌した後6000rpm、10分で遠心分離し上清を
サンプルとした。脳は同量の生理食塩水を加え、ホモジ
ナイズしたのち、4倍量のメタノールを加え、よく攪拌
したのち、6000rpm、10分で遠心分離し上清をサ
ンプルとした。HPLCの測定条件は、移動相:30%
アセトニトリル15mMリン酸バッファー溶液(pH6.
0)、流速:1mL/min、検知:230nm、カラム温
度:40℃、カラム:アサヒパックODP(6×150
mm)であった。測定結果を表6に示す。これより、化合
物1の塩酸塩が脳内に選択的に取り込まれていることが
あきらかである。
酸塩を生理食塩水に溶解し経口投与し、一定時間ごとに
採血して、屠殺し脳を取り出し臓器内における化合物1
の濃度をHPLCを用いて絶対検量線法により測定し
た。臓器の処理は血液は4倍量のメタノールを加え、よ
く攪拌した後6000rpm、10分で遠心分離し上清を
サンプルとした。脳は同量の生理食塩水を加え、ホモジ
ナイズしたのち、4倍量のメタノールを加え、よく攪拌
したのち、6000rpm、10分で遠心分離し上清をサ
ンプルとした。HPLCの測定条件は、移動相:30%
アセトニトリル15mMリン酸バッファー溶液(pH6.
0)、流速:1mL/min、検知:230nm、カラム温
度:40℃、カラム:アサヒパックODP(6×150
mm)であった。測定結果を表6に示す。これより、化合
物1の塩酸塩が脳内に選択的に取り込まれていることが
あきらかである。
【0028】
【表6】
【0029】実施例2 犬の脳脂質に対する過酸化抑制作用 ビーグル犬(雄性)をネンブタールで麻酔した後、放血
致死させ直ちに脳を摘出し、リン酸緩衝液(50mMカリ
ウム−リン酸と142mM塩化ナトリウム)で洗浄し、小
脳及び血管等の余分な組織を除去した後、3cm立方のブ
ロックに切りわけた。このブロックに4倍量前記のリン
酸緩衝液を加えて氷冷下ホモジナイズした。このホモジ
ネートを直ちに遠心分離(1300G,10分間)して
上清を得た。この上清を前記緩衝液で3倍希釈した。こ
の希釈溶液に薬物の各種濃度の溶液を加え、37℃で3
0分間振とうしたのち、35%過塩素酸を加えて反応を
停止させ、氷冷後遠心分離し上清を得た。この上清中の
過酸化物価をチオバルビツール酸(TBA)法により測
定した。即ち、上清1.5mLに1.2%TBA Na溶
液0.5mLを加え100℃で10分間加熱後冷却して、
532nmと600nmの吸光度を測定し、この差より過酸
化物価を求めた。濃度対過酸化物価のプロットを行な
い、非線形最小自乗法プログラムによりIC50値を求
めた。対照薬としては脳循環改善剤であるフルナリジン
を用いた。結果を表7に示す。本発明の脳脂質過酸化抑
制剤はフルナリジンより著しい過酸化抑制作用を有して
いることが明らかである。
致死させ直ちに脳を摘出し、リン酸緩衝液(50mMカリ
ウム−リン酸と142mM塩化ナトリウム)で洗浄し、小
脳及び血管等の余分な組織を除去した後、3cm立方のブ
ロックに切りわけた。このブロックに4倍量前記のリン
酸緩衝液を加えて氷冷下ホモジナイズした。このホモジ
ネートを直ちに遠心分離(1300G,10分間)して
上清を得た。この上清を前記緩衝液で3倍希釈した。こ
の希釈溶液に薬物の各種濃度の溶液を加え、37℃で3
0分間振とうしたのち、35%過塩素酸を加えて反応を
停止させ、氷冷後遠心分離し上清を得た。この上清中の
過酸化物価をチオバルビツール酸(TBA)法により測
定した。即ち、上清1.5mLに1.2%TBA Na溶
液0.5mLを加え100℃で10分間加熱後冷却して、
532nmと600nmの吸光度を測定し、この差より過酸
化物価を求めた。濃度対過酸化物価のプロットを行な
い、非線形最小自乗法プログラムによりIC50値を求
めた。対照薬としては脳循環改善剤であるフルナリジン
を用いた。結果を表7に示す。本発明の脳脂質過酸化抑
制剤はフルナリジンより著しい過酸化抑制作用を有して
いることが明らかである。
【0030】
【表7】
【0031】実施例3 ラットの脳脂質に対する過酸化抑制作用 ラット(SDラット雄性)を断頭後直ちに脳を摘出し生
理食塩水中で洗浄し小脳及び血管等の余分な組織を除去
した。これに、5倍量のリン酸緩衝液(50mMカリウム
−リン酸)を加えて氷冷下にホモジナイズを行った。こ
のホモジネート250μlに薬物の各種濃度の溶液50
μlを加え、37℃で60分間振とうさせた後、35%
過塩素酸400μlを加えて反応を停止させた。
理食塩水中で洗浄し小脳及び血管等の余分な組織を除去
した。これに、5倍量のリン酸緩衝液(50mMカリウム
−リン酸)を加えて氷冷下にホモジナイズを行った。こ
のホモジネート250μlに薬物の各種濃度の溶液50
μlを加え、37℃で60分間振とうさせた後、35%
過塩素酸400μlを加えて反応を停止させた。
【0032】この反応液について、実施例2と同様にT
BA法で過酸化物価を求め、この値よりIC50を算出
した。結果を表8に示す。これより本発明の脳脂質酸化
抑制剤はいずれも優れた過酸化抑制作用を有することが
明らかである。
BA法で過酸化物価を求め、この値よりIC50を算出
した。結果を表8に示す。これより本発明の脳脂質酸化
抑制剤はいずれも優れた過酸化抑制作用を有することが
明らかである。
【0033】
【表8】
【0034】
【発明の効果】痴呆に現れるせん妄などの症状は、多発
性梗塞などにより脳内の血液循環が阻害され、これによ
って組織が低酸素状態になり、この時発生する酸素ラジ
カルにより組織が損傷を受けることによって引き起こさ
れるとされている。本発明の医薬は、選択的に脳に移行
し、脳循環を改善し、血流量により組織を再酸素化し、
かつ、組織内の酸素ラジカルを還元し、脳脂質過酸化抑
制作用を有するので痴呆とりわけ、脳血管性痴呆の治療
に有益である。
性梗塞などにより脳内の血液循環が阻害され、これによ
って組織が低酸素状態になり、この時発生する酸素ラジ
カルにより組織が損傷を受けることによって引き起こさ
れるとされている。本発明の医薬は、選択的に脳に移行
し、脳循環を改善し、血流量により組織を再酸素化し、
かつ、組織内の酸素ラジカルを還元し、脳脂質過酸化抑
制作用を有するので痴呆とりわけ、脳血管性痴呆の治療
に有益である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 213/74 C07D 213/74 295/08 295/08 A (72)発明者 岸井 謙一 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 川勝 庸行 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 木村 誠 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 山崎 恭子 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 原田 真理子 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 吉子 裕二 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 原田 一徳 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 柳 正行 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 山本 毅 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 稲津 正人 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社中央研究所内 (72)発明者 三谷 昌幹 神奈川県横浜市戸塚区柏尾町560 ポーラ 化成工業株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4C055 AA01 BA01 CA01 DA52 DB04 DB14 4C086 AA01 AA02 AA03 BC17 BC50 MA01 MA04 NA14 ZA15 ZA36 ZA42
Claims (2)
- 【請求項1】 次の一般式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は、同一でも異なっていてもよく、
それぞれ水素原子、ハロゲン原子を示し、R3は水素原
子、アルキル基又はアシル基を示し、R4は水素原子、
アルキル基、アシル基、アルキルスルホニル基又はエス
テル化されていてもよいカルボキシル基を示し、Arは
ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ニトロ基、
アミノ基、アルキルアミノ基及び水酸基から選ばれる1
〜3個の置換基を有していてもよいフェニル又は窒素を
含有する単環の複素芳香環基を示し、mは1〜5の数を
示し、nは0〜5の数を示す)で表わされる化合物又は
この生理的に許容される塩を有効成分とする脳脂質過酸
化抑制作用に基づく抗痴呆薬。 - 【請求項2】 一般式(1)で表わされる化合物が、1
−〔4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル〕−
4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)
ピペラジン、1−〔ビス(4−フルオロフェニル)メチ
ル〕−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロ
ピル)ピペラジン、1−〔4,4−ビス(4−フルオロ
フェニル)ブチル〕−4−(2−ヒドロキシ−3−フェ
ニルメチルアミノプロピル)ピペラジン、1−〔3−
(N−アセチル−N−フェニルアミノ)−2−ヒドロキ
シプロピル〕−4−〔4,4−ビス(4−フルオロフェ
ニル)ブチル〕ピペラジン、1−〔4,4−ビス(4−
フルオロフェニル)ブチル〕−4−〔2−ヒドロキシ−
3−(N−メチルスルホニル−N−フェニルアミノ)プ
ロピル〕ピペラジン、1−〔4,4−ビス(4−フルオ
ロフェニル)ブチル〕−4−〔2−ヒドロキシ−3−
(N−メチル−N−フェニルアミノ)プロピル〕ピペラ
ジン、1−(2−アセトキシ−3−フェニルアミノプロ
ピル)−4−〔4,4−ビス(4−フルオロフェニル)
ブチル〕ピペラジン、1−〔4,4−ビス(4−フルオ
ロフェニル)ブチル〕−4−(2−メトキシ−3−フェ
ニルアミノプロピル)ピペラジン、1−〔4,4−ビス
(4−フルオロフェニル)ブチル〕−4−〔3−(4−
フルオロフェニルアミノ)−2−ヒドロキシプロピル〕
ピペラジン、1−〔4,4−ビス(4−フルオロフェニ
ル)ブチル〕−4−〔3−(4−クロロフェニルアミ
ノ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン、1−
〔4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル〕−4
−〔2−ヒドロキシ−3−(3,4,5−トリメトキシ
フェニルアミノ)プロピル〕ピペラジン、1−〔4,4
−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル〕−4−〔3−
(3,4−ジクロロフェニルアミノ)−2−ヒドロキシ
プロピル〕ピペラジン、1−〔4,4−ビス(4−フル
オロフェニル)ブチル〕−4−〔2−ヒドロキシ−3−
(4−メトキシフェニルアミノ)プロピル〕ピペラジ
ン、1−〔4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチ
ル〕−4−〔2−ヒドロキシ−3−(4−メチルフェニ
ルアミノ)プロピル〕ピペラジン、1−〔4,4−ビス
(4−フルオロフェニル)ブチル〕−4−〔2−ヒドロ
キシ−3−(4−ピリジルアミノ)プロピル〕ピペラジ
ン、1−〔3,3−ビス(4−フルオロフェニル)プロ
ピル〕−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプ
ロピル)ピペラジン、1−(2,2−ジフェニルエチ
ル)−4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロ
ピル)ピペラジン、1−〔4,4−ビス(4−フルオロ
フェニル)ブチル〕−4−〔2−ヒドロキシ−3−(4
−ニトロフェニルアミノ)プロピル〕ピペラジン、1−
〔5,5−ビス(4−フルオロフェニル)ペンチル〕−
4−(2−ヒドロキシ−3−フェニルアミノプロピル)
ピペラジン、1−〔4,4−ビス(4−フルオロフェニ
ル)ブチル〕−4−〔2−ヒドロキシ−3−(3,5−
ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルアミ
ノ)プロピル〕ピペラジン、1−〔3−(4−アミノフ
ェニルアミノ)−2−ヒドロキシプロピル〕−4−
〔4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル〕ピペ
ラジン、1−〔4,4−ビス(4−フルオロフェニル)
ブチル〕−4−〔3−(4−ジメチルアミノフェニルア
ミノ)−2−ヒドロキシプロピル〕ピペラジン及び1−
〔4,4−ビス(4−フルオロフェニル)ブチル〕−4
−〔2−ヒドロキシ−3−(4−ヒドロキシフェニルア
ミノ)プロピル〕ピペラジンから選ばれるものである請
求項1記載の抗痴呆薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002016787A JP2002220339A (ja) | 1993-06-25 | 2002-01-25 | 抗痴呆薬 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5-155563 | 1993-06-25 | ||
JP15556393 | 1993-06-25 | ||
JP2002016787A JP2002220339A (ja) | 1993-06-25 | 2002-01-25 | 抗痴呆薬 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13542094A Division JP3331046B2 (ja) | 1993-06-25 | 1994-06-17 | 脳脂質過酸化抑制剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002220339A true JP2002220339A (ja) | 2002-08-09 |
Family
ID=26483527
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002016787A Pending JP2002220339A (ja) | 1993-06-25 | 2002-01-25 | 抗痴呆薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002220339A (ja) |
-
2002
- 2002-01-25 JP JP2002016787A patent/JP2002220339A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060124 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060530 |