JP2002220215A - ナノカーボンの製造方法及びその方法を用いて製造されたナノカーボン、ナノカーボンの製造装置、ナノカーボンのパターン化方法及びその方法を用いてパターン化されたナノカーボン基材及びそのパターン化されたナノカーボン基材を用いた電子放出源 - Google Patents

ナノカーボンの製造方法及びその方法を用いて製造されたナノカーボン、ナノカーボンの製造装置、ナノカーボンのパターン化方法及びその方法を用いてパターン化されたナノカーボン基材及びそのパターン化されたナノカーボン基材を用いた電子放出源

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JP2002220215A
JP2002220215A JP2001353793A JP2001353793A JP2002220215A JP 2002220215 A JP2002220215 A JP 2002220215A JP 2001353793 A JP2001353793 A JP 2001353793A JP 2001353793 A JP2001353793 A JP 2001353793A JP 2002220215 A JP2002220215 A JP 2002220215A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プロセス容器等を必ずしも必要とせず、溶接用
アークトーチ若しくは類似した構造を持つ装置を用いた
アーク放電によって、黒鉛を主成分とした被アーク材の
表面を瞬時にしてナノカーボンに変形させ、電子放出源
を作成するための方法を提供し、その製造装置を提供す
る。更に、被アーク材表面の一部若しくは部分的にナノ
カーボンに変形させ、パターンニングされた電子放出源
を製造する方法を提供し、その製造装置を提供する。 【解決手段】第1電極であるアークトーチ1のトーチ電
極10と、第2電極である黒鉛板を用いた被アーク材2
を、大気中で対向配置する。トーチ電極10と被アーク
材2との間に電位を印加してアーク放電を発生させる。
被アーク材2の所定領域の黒鉛をアーク放電により、ナ
ノカーボンに変える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ナノカーボンの製
造方法及びその方法を用いて製造されたナノカーボン、
ナノカーボンの製造装置、ナノカーボンのパターン化方
法及びその方法を用いてパターン化されたナノカーボン
基材及びそのパターン化されたナノカーボン基材を用い
た電子放出源に関する。
【0002】
【従来の技術】電界電子放出源は、加熱を必要とした熱
電子放出源と比べて、省エネルギーで長寿命である。現
在、電界電子放出源の材料には、シリコン等の半導体,
Mo,Wのような金属の他、ナノチューブがある。中で
も、ナノチューブは、それ自体が電界を集中させるのに
十分なサイズと鋭利さを持ち、化学的に安定で、機械的
強度も優れているという特徴を呈するため、電界電子放
出源として有望である。
【0003】従来のナノチューブの製造方法には、レー
ザアブレーション法,不活性ガス中の黒鉛電極間のアー
ク放電法,炭化水素ガスを用いたCVD法(Chemi
cal Vapor Deposition)などがあ
る。中でも、アーク放電法で製造したナノチューブは、
原子配列の欠陥が少なく、電界電子放出源には好適であ
る。
【0004】従来のアーク放電法のプロセスは以下のと
おりである。二つの黒鉛電極を容器内に対向して配置し
た後、容器を一旦排気し、その後不活性ガスを導入し、
アークを発生させる。アークの陽極は激しく蒸発し、す
すを発生させ、また陰極表面に堆積する。数分以上アー
クを持続させ、その後装置を大気解放して、陰極堆積物
を取り出す、若しくは陰極堆積物を回収する。
【0005】陰極堆積物は、ナノチューブを含むソフト
コアとナノチューブを含まないハードシェルとで構成さ
れている。なお、陽極に触媒金属を含有した黒鉛を用い
た場合、すす中にナノチューブが存在する。ソフトコア
若しくはすすからナノチューブを取り出し、そのナノチ
ューブを基板に坦持して電子放出源とする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のアーク放電法に
おけるナノチューブ等のナノカーボンの製造及び該ナノ
カーボンからなる電子放出源製造の課題点は以下のとお
りである。
【0007】真空容器,真空排気装置,不活性ガス導入
装置が必要であり、装置コストが比較的高い。排気,大
気解放を繰り返さなければならず、工程が長い。プロセ
ス終了後、陰極堆積物の回収若しくはすすの回収、及び
装置の清掃をしなければならないため、連続大量生産に
は不向きである。また、この方法で生成したナノカーボ
ンを用いた電子放出素子を作成するためには、ソフトコ
アとハードシェルとの分離、すすからの単離,精製,基
板への坦持など更に多くの工程が必要であるという問題
もある。
【0008】本発明は、プロセス容器等を必ずしも必要
とせず、溶接用アークトーチ若しくは類似した構造を持
つ装置を用いたアーク放電によって、黒鉛を主成分とし
た被アーク材の表面を瞬時にしてナノカーボン(ナノチ
ューブも含む)に変形させ、電子放出源を作成するため
の方法を提供し、その製造装置を提供するものである。
更に、被アーク材表面の一部若しくは部分的にナノカー
ボンに変形させ、パターンニングされた電子放出源を製
造する方法を提供し、その製造装置を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載されたナ
ノカーボンの製造方法は、第1電極と、炭素材料を主成
分とする第2電極を、大気中で対向配置する工程と、前
記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してアー
ク放電を発生させる工程と、前記第2電極の所定領域の
炭素材料を前記アーク放電によりナノカーボンに変える
工程を備えたことを特徴としている。
【0010】請求項2に記載されたナノカーボンの製造
方法は、前記第1電極が、アークトーチに設けられたト
ーチ電極であり、該トーチ電極と前記第2電極を相対移
動させながら、前記第2電極の所定領域の炭素材料を前
記アーク放電によりナノカーボンに変える工程を備えた
ことを特徴としている。
【0011】請求項3に記載されたナノカーボンの製造
方法は、請求項1又は2記載のナノカーボンの製造方法
において、前記第2電極が、基材表面に設けられてお
り、該基材を冷却部材により保持して、前記基材を該冷
却部材により冷却しながら、前記第2電極の所定領域の
炭素材料を前記アーク放電によりナノカーボンに変える
ことを特徴としている。
【0012】請求項4に記載されたナノカーボンの製造
方法は、請求項1又は2記載のナノカーボンの製造方法
において、少なくとも、前記第1電極と前記第2電極と
両電極間で発生したアーク放電領域を被包部材で覆いな
がら、前記第2電極の所定領域の炭素材料を前記アーク
放電によりナノカーボンに変えることを特徴としてい
る。
【0013】請求項5に記載されたナノカーボンの製造
方法は、請求項1又は2記載のナノカーボンの製造方法
において、前記第2電極の炭素材料が、黒鉛,活性炭,
アモルファスカーボンの何れかであることを特徴として
いる。
【0014】請求項6に記載されたナノカーボンの製造
方法は、請求項1又は2記載のナノカーボンの製造方法
において、前記第2電極が、触媒金属を含有している炭
素材料,触媒金属が表面に形成されている炭素材料,B
及び触媒金属を含有している炭素材料,Bが表面に形成
されている炭素材料,若しくはB及び触媒金属が表面に
形成されている炭素材料の何れかであることを特徴とし
ている。
【0015】請求項7に記載されたナノカーボンの製造
方法は、請求項6記載のナノカーボンの製造方法におい
て、前記触媒金属が、Li,B,Mg,Al,Si,
P,S,K,Ca,Ti,V,Cr,Mn,Fe,C
o,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,As,Y,Zr,
Nb,Mo,Rh,Pd,In,Sn,Sb,La,H
f,Ta,W,Os,Pt、若しくはこれらの酸化物,
窒化物,炭化物,硫化物,塩化物、硫酸化合物,硝酸化
合物、或いはそれらの混合物であることを特徴としてい
る。
【0016】請求項8に記載されたナノカーボンの製造
方法は、請求項1又は2又は4記載のナノカーボンの製
造方法において、前記アーク放電の発生領域に特定ガス
を供給しながら、前記アーク放電を行うことを特徴とし
ている。
【0017】請求項9に記載されたナノカーボンの製造
方法は、請求項8記載のナノカーボンの製造方法におい
て、前記特定ガスが、Ar,Heなどの希ガス,空気,
窒素ガス,炭酸ガス,酸素ガス,水素ガス若しくはこれ
らの混合ガスであることを特徴としている。
【0018】請求項10に記載されたナノカーボンの製
造方法は、請求項1又は2記載のナノカーボンの製造方
法において、前記第1電極が、黒鉛若しくはW(タング
ステン)を主成分とすることを特徴としている。
【0019】請求項11に記載されたナノカーボンの製
造方法は、請求項1又は2記載のナノカーボンの製造方
法において、前記アーク放電を直流若しくは直流パルス
で運転し、前記第2電極をアーク放電の陽極とすること
を特徴としている。
【0020】請求項12に記載されたナノカーボンの製
造方法は、請求項1又は2記載のナノカーボンの製造方
法において、前記アーク放電を交流若しくは交流パルス
で運転することを特徴としている。
【0021】請求項13に記載されたナノカーボンは、
請求項1乃至12の何れか一項記載の方法を用いて製造
されたことを特徴としている。
【0022】請求項14に記載されたナノカーボンの製
造装置は、第1電極と、炭素材料又は触媒金属を含有し
ている炭素材料又は触媒金属が表面に形成されている炭
素材料を主成分とする第2電極が、大気中で所定間隔に
保持されてなる電極と、前記第1電極と前記第2電極と
の間に電圧を印加して、前記第2電極の所定領域にアー
ク放電を発生させて、該アーク放電により該所定領域の
炭素材料をナノカーボンに変えるための電源からなるア
ーク発生手段と、前記アーク放電の発生領域に特定ガス
を供給する特定ガス供給手段を備えたことを特徴として
いる。
【0023】請求項15に記載されたナノカーボンの製
造装置は、請求項14記載のナノカーボンの製造装置に
おいて、第1電極が、アークトーチに設けられたトーチ
電極であり、該トーチ電極と前記第2電極を相対移動さ
せる移動手段を更に有し、前記トーチ電極と前記第2電
極を相対移動させながら、前記トーチ電極と前記第2電
極との間に電圧を印加して、前記第2電極の所定領域に
アーク放電を発生させて、該アーク放電により該所定領
域の炭素材料をナノカーボンに変えることを特徴として
いる。
【0024】請求項16に記載されたナノカーボンの製
造装置は、請求項14又は15記載のナノカーボンの製
造装置において、前記第2電極が、基材表面に設けられ
ており、前記第1電極と前記第2電極を所定間隔で保持
する保持手段が、前記基材を冷却するための冷却手段を
有することを特徴としている。
【0025】請求項17に記載されたナノカーボンの製
造装置は、請求項14又は15記載のナノカーボンの製
造装置において、少なくとも、前記第1電極と前記第2
電極と両電極間で発生したアーク放電領域を覆う被包手
段を有することを特徴としている。
【0026】請求項18に記載されたナノカーボンのパ
ターン化方法は、第1電極と、炭素材料を主成分とする
第2電極を、大気中で対向配置する工程と、前記第1電
極と前記第2電極との間に電圧を印加してアーク放電を
発生させる工程と、前記第1電極と前記第2電極を相対
移動させながら、前記第2電極の所定領域の炭素材料を
前記アーク放電によりナノカーボンに変える工程を備え
たことを特徴としている。
【0027】請求項19に記載されたナノカーボンのパ
ターン化方法は、第1電極と、任意のパターン状に形成
された炭素材料又は任意のパターン状に形成された触媒
金属を含有している炭素材料又は任意のパターン状に形
成された触媒金属が表面に形成されている炭素材料を主
成分とする第2電極を、大気中で対向配置する工程と、
前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してア
ーク放電を発生させる工程と、前記第2電極の所定領域
の炭素材料を前記アーク放電によりナノカーボンに変え
る工程を備えたことを特徴としている。
【0028】請求項20に記載されたナノカーボンのパ
ターン化方法は、第1電極と、炭素材料を主成分とする
第2電極を、大気中で対向配置する工程と、前記第2電
極の表面に任意の開口パターンを持ったマスクを配置す
る工程と、前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を
印加してアーク放電を発生させる工程と、前記マスクの
開口部分に対応する前記第2電極の所定領域の炭素材料
を前記アーク放電によりナノカーボンに変える工程を備
えたことを特徴としている。
【0029】請求項21に記載されたナノカーボンのパ
ターン化方法は、請求項18乃至20の何れか一項記載
のナノカーボンのパターン化方法において、前記第1電
極が、アークトーチに設けられたトーチ電極であること
を特徴としている。
【0030】請求項22に記載されたナノカーボン基材
は、請求項18乃至21の何れか一項記載の方法を用い
てパターン化されたことを特徴としている。
【0031】請求項23に記載された電子放出源は、請
求項22記載のパターン化されたナノカーボン基材を用
いることを特徴としている。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は図示の構成
に限定されるわけではなく、様々な設計変更が可能であ
ることは勿論である。
【0033】また、本発明では、カーボンナノチュー
ブ,カーボンナノファイバ,カーボンナノ粒子,ナノホ
ーン,CNナノチューブ,CN(ナノ)ファイバ,CN
ナノ粒子,BCNナノチューブ,BCN(ナノ)ファイ
バ,BCNナノ粒子,若しくはこれらの混合物などをま
とめて、ナノカーボンと呼ぶことにする。
【0034】図1は、本発明の一実施形態であるナノカ
ーボンパターン化法,ナノカーボン製造法,ナノカーボ
ンとナノカーボン基材及び電子放出源製造法に使用する
製造(パターン化)装置の概略モデルである。本実施形
態は、大気中又は大気圧中又は所定ガス雰囲気中におい
て、汎用のTIG等の溶接用アークトーチ(不活性ガス
アーク溶接)及び電源(溶接電源)を用い、被アーク材
に対し、アーク放電を短時間発生させるものである。T
IGアークトーチの代わりに、MIG(metal−e
lectrode−inert−gas)トーチ等を利
用しても良い。また、TIGアークトーチに類似した構
造を持つ装置を利用しても良い。
【0035】TIG溶接は、通常不活性ガス被包中で非
消耗のW(タングステン)電極と母材との間にアーク放
電を発生させ、必要な場合には別に充填金属を加えて行
う溶接法である。
【0036】図1に示すように、本発明の装置は、第1
電極とするトーチ電極10を有する溶接用のアークトー
チ1と、前記アークトーチ1に対向して配置された第2
電極とする被アーク材2と、前記被アーク材2を保持し
た水冷ベンチ3と、前記アークトーチ1と前記被アーク
材2との間に電圧を印加(例えば、接触点弧,高電圧印
加,高周波印加等があげられる)してアーク4を発生さ
せる溶接用の電源5と、前記アークトーチ1に所定のガ
スを供給するガス供給源であるガスボンベ6と、前記ガ
スボンベ6からの所定ガスの流量を調整するガス調整器
及び流量計7から構成される。また、8はアークトーチ
1の先端部を示す。
【0037】図2は、図1に示したナノカーボンの製造
(パターン化)装置におけるアークトーチ1の先端部8
の拡大断面図である。図2に示すように、アークトーチ
1の先端部8は、アークトーチ1のノズル9と、タング
ステン等からなる第1電極とするトーチ電極10と、前
記トーチ電極10を保持する電極ホルダ11と、前記ノ
ズル9と前記電極ホルダ11の間の空間であって、前記
アークトーチ1と前記被アーク材2との間で発生したア
ーク4に供給される被包ガス12の流路から構成され
る。
【0038】汎用のTIG溶接用電源5は、アークトー
チ1にガス12を流す仕組みになっており、通常、アル
ゴン(Ar)ガスを供給する。ナノカーボンの製造にお
いては、使用するガスの種類は特に限定されず、アルゴ
ン(Ar),ヘリウム(He)などの希ガス,空気,窒
素(N)ガス,二酸化炭素(CO)等の炭酸ガス,
酸素(O)ガス,水素(H)ガス,若しくはこれら
の混合ガスなどを流して差し支えない。また、何も流さ
なくても良い。但し、アークトーチ1にはガス12を流
した方がより好ましい。特に、希ガスを使用した場合に
は、ナノカーボンと希ガスとが化学反応を生じないこと
から、生成されたナノカーボンが破壊される可能性が少
ないため、希ガスを使用するのが最も好ましい。即ち、
大気中では、ナノカーボンと大気中の酸素などが化学反
応を生じる可能性、即ち、生成されたナノカーボンがガ
ス化又は変質する可能性が高いことから、希ガスを使用
して、この反応を防ぐことは非常に効果的である。
【0039】従って、基本的に容器は必要ないが、作業
場所の清浄や雰囲気を安定に保つため、不活性ガス中で
行いたい場合、あるいは風などに起因される対流の影響
を防ぎたい場合などには、被包手段である簡単な容器内
(真空容器や加圧容器でも良い。また、密閉型の容器で
も開放型の容器でも良い。)に作業部を含む装置全体を
入れても良い。容器(外囲器)内の圧力は特に限定され
ないが、操作性の面からは大気圧前後が良い。
【0040】通常のTIG溶接では、トーチ電極10に
トリウム入りW電極あるいはセリウム入りW電極が利用
される。ナノカーボンの製造においては、それらの電極
を利用しても良いが、Wの溶融微粒子が被アーク材2に
ドロップレットとして付着するのをさけるため、純黒鉛
をトーチ電極10に用いた方がよい。トーチ電極10の
径は特に限定されないが、汎用のトーチを利用するに
は、1〜7mm程度が良い。
【0041】更に、汎用のTIG溶接トーチのように、
金属製電極ホルダ11は水冷されることが望ましい。大
面積のナノカーボンの合成或いは連続的大量生産のた
め、アーク4を連続的(或いは間欠的に長時間)発生さ
せた場合、第1電極であるトーチ電極10および電極ホ
ルダ11が加熱され過ぎてしまう。その結果、トーチ電
極10の消耗が激しくなり、また、電極ホルダ11自体
が破損する可能性が生じる。アークトーチ1にガス12
(特定ガス)を流す等により電極ホルダ11が冷却され
れば、電極ホルダ11自体が加熱によって破損すること
は無くなり、更に、トーチ電極10も電極ホルダ11で
冷却されるため、電極の消耗が抑制される。
【0042】ナノカーボン化加工をされるべき黒鉛を主
成分とする(即ち、炭素材料を大量に含んだ)被アーク
材2は、トーチ電極10の対向電極である。この炭素材
料としては、黒鉛,活性炭,アモルファスカーボンなど
が使用可能である。被アーク材2のサイズは限定されな
いが、厚さは0.1〜5mmが適当である。また、アー
ク4の熱から被アーク材2を保護する(即ち、アーク4
の熱による被アーク材2の破壊される可能性を低減す
る)ために、被アーク材2を冷却するため、水冷された
電極台である水冷ベンチ3の上で加工する方がよい。
【0043】被アーク材2はよく乾燥しても良いが、水
分を含んでいても差し支えない。但し、被アーク材2が
水分を含んでいると、アーク4のエネルギーが水分の蒸
発に吸収されてしまい、蒸発箇所の温度を上げ難くなる
ため、乾燥している方がより好ましい。逆に、被アーク
材2が濡れていたり、湿っていたり、水分を含んでいた
り、水中にあったりする場合、アーク4による被アーク
材2の加熱を防ぐことができる。同様に被アーク材2の
加熱を防ぐためには、被アーク材2を直接水冷したり、
油冷したりすることができる。また、水や炭酸ガスなど
の冷却媒体を、被アーク材2に吹き付けたり、スプレイ
したりすることができる。
【0044】アーク4の放電期間は、3秒程度若しくは
それ以下で十分である。特に、同一の所定領域に対する
場合は、これで問題はない。それ以上、放電を続けて
も、ナノカーボンは製造できるが、被アーク材料が蒸発
し、平坦性が失われるため、電子放出源には不適当とな
る。また、アーク電流は5A〜500Aの広い範囲で利
用できるが、被アーク材2を破壊しないためには、30
A〜300Aが適当である。アーク4をパルス電流で運
転する場合、その周波数は限定されないが、汎用電源の
実情から見て、1Hz〜500Hzが適当である。アー
クトーチ1と被アーク材2との距離は0.1〜10mm
が適当である。更に、アークトーチ1と被アーク材2と
を相対的にかつ連続的に移動させる場合、即ち、被アー
ク材2の異なる個所をトレースするようにアーク4を連
続的に発生させる場合、アーク4の放電期間は限定され
ない。アーク4の放電を持続的に行わせ、連続移動す
る、又は放電を断続的間欠的に行わせ、ナノカーボンの
製造に最適な距離を保った放電領域が不連続線状に形成
されてもよい。
【0045】アーク4を直流若しくは直流パルスで運転
する場合、純黒鉛の表面にナノカーボンを製造する条件
は極めて狭い。しかし、被アーク材2として、触媒金属
等を含む材料を含有した黒鉛を用いると、大量のナノカ
ーボンがその表面に製造できる。該触媒金属等には、L
i,B,Mg,Al,Si,P,S,K,Ca,Ti,
V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,G
a,Ge,As,Y,Zr,Nb,Mo,Rh,Pd,
In,Sn,Sb,La,Hf,Ta,W,Os,P
t,若しくはこれらの混合物が利用できる。
【0046】黒鉛に含有させるには、これらの金属自体
若しくは酸化物,窒化物,炭化物,硫化物,塩化物,硫
酸化合物,硝酸化合物などなどが利用できる。また、触
媒金属等を黒鉛に含有させる代わりに、それらの触媒金
属等,若しくは酸化物,窒化物,炭化物,硫化物,塩化
物,硫酸化合物,硝酸化合物を、黒鉛の表面に散布,塗
布,メッキ,コート(蒸着)若しくは注入しても良い。
つまり、被アーク材は、黒鉛と触媒金属とが同時にアー
ク4によって加熱されるような構造をしていれば良い。
【0047】アーク4を交流若しくは交流パルスで運転
する場合、純黒鉛を用いても大量のナノカーボンがその
表面に製造できる。また、前記触媒入り黒鉛電極や触媒
で表面を覆った黒鉛電極を用いても大量のナノカーボン
が製造できる。どちらかというと、純黒鉛の方が単位平
面当たりのナノカーボンの密度が高い。
【0048】図3及び図4は、所望の一箇所若しくは複
数箇所の表面だけを一度にナノカーボンに変形させる方
法の一例を示している。ナノカーボンに変形させたい表
面のパターンを呈したマスク13(ハードマスク)を介
して、被アーク材2とトーチ電極10との間でアーク4
を放電させる方法である。
【0049】図3は、被アーク材2とトーチ電極10と
の間でアーク4を放電させた状態を示す。図4は、図3
の方法により成長したナノカーボンを示している。図4
中、14はナノカーボンの成長箇所を示している。な
お、図3及び図4において、図1及び図2と同じ構成要
素については、同一番号を付して説明を省略する。
【0050】被アーク材2において、アーク4が接触し
た表面にのみナノカーボンが形成される。マスク13
は、高融点金属,セラミックス,黒鉛などアークの高温
および熱衝撃に耐えるものであれば良い。また、マスク
13は被アーク材2の上に直接載せても良いし、スペー
サを介してわずかに浮かせても良い。
【0051】交流アーク若しくは交流パルスアークの場
合、被アーク材2として純黒鉛,金属触媒等を含む材料
を含有させた黒鉛,又は、金属触媒等を含む材料を散
布,塗布,メッキ,コート(蒸着)若しくは注入した黒
鉛を用いることができる。一方、直流アーク若しくは直
流パルスアークの場合、純黒鉛は利用できないが、金属
触媒等を含む材料を含有させた黒鉛,又は、金属触媒等
を含む材料を散布,塗布,メッキ,コート(蒸着)若し
くは注入した黒鉛を用いることができる。
【0052】図5乃至図7は、所望の一箇所若しくは複
数箇所の表面だけを一度にナノカーボンに変形させる方
法の別例を示している。この方法は、ナノカーボンに変
形させたい黒鉛表面の箇所に、金属触媒15等を含む材
料を散布,塗布,メッキ,コート(蒸着)若しくは注入
した被アーク材を利用する方法である。
【0053】図5は、被アーク材2とトーチ電極10と
の間でアーク4を放電させた状態を示す。図6は、図5
の方法により成長したナノカーボンを示している。図6
中、14はナノカーボンの成長箇所を示している。図7
は、図6の点線部分の拡大図である。なお、図5乃至図
7において、図1及び図2と同じ構成要素については、
同一番号を付して説明を省略する。
【0054】図7に示すように、触媒金属15は、アー
ク放電4を利用した加工によって、被アーク材2の表面
からは、ほぼ消失する。更に詳細に述べると、実際には
被アーク材2の表面がわずかにくぼみ、このくぼんだ部
分にナノカーボンが形成される。
【0055】直流アーク若しくは直流パルスアークを用
いれば、金属触媒15等で覆われた表面にはナノカーボ
ンが形成されるが、金属触媒15等で覆われていない表
面にはナノカーボンがほとんど形成されない。この方法
の場合、交流アーク若しくは交流パルスアークを用いる
ことは好ましくない。なぜなら、金属触媒15等で覆わ
れていない箇所にもナノカーボンが形成されるためであ
る。なお、この方法では図3で示した方法と異なり、ア
ーク放電加工時にマスク13を利用しないため、より簡
便である。
【0056】本発明による製造方法によれば、被アーク
材2を順次取り替えることにより、連続生産が可能であ
る。或いはまた、被アーク材2を並べておき、アークト
ーチ1を移動させることでも、連続生産が可能である。
【0057】即ち、アークトーチ1を固定しておいて被
アーク材2を移動させてもよいし、被アーク材2を固定
しておいてアークトーチ1を移動させてもよい。更に、
アークトーチ1及び被アーク材2の双方を移動させるこ
とも可能である。
【0058】また、アークトーチ1と被アーク材2との
相対移動については、手動(人間の手)で行ってもよい
し、アークトーチ1を3方向(即ち、被アーク材2に平
行な面(X方向及びY方向)及びその面に垂直な方向
(Z方向))に移動させる移動手段を有する装置を使用
して自動で行っても良い。特に、NC装置(数値制御装
置)等を使用すれば、ナノカーボンに変形させたい領域
のみをアーク4にさらしたり、触媒金属15のパターン
部分のみをアーク4にさらすことも可能である。
【0059】以上の製造方法において、アークトーチ1
に流す気体として空気や窒素を利用すると、Nを含んだ
ナノカーボン、いわゆるCNナノチューブが形成でき
る。また、被アーク電極として、Bを含む材料を含有し
た黒鉛若しくは金属触媒等入り黒鉛,若しくはBを含む
材料を散布,塗布,メッキ,コート(蒸着)又は注入し
た黒鉛,若しくはBを含む材料及び触媒金属を含む材料
を散布,塗布,メッキ,コート(蒸着)又は注入した黒
鉛を用いると、BCNのネットワークを含んだナノカー
ボン、いわゆるBCNナノチューブが形成できる。同様
にして、雰囲気ガスや添加物を変えることにより、種々
のナノカーボンが形成できる。ここで、Bはホウ素、C
は炭素、Nは窒素をそれぞれ示す。
【0060】また、以上の方法によって製造したナノカ
ーボンを含む電子放出源において、電子放出を阻害する
ナノ粒子を、酸化除去すると電子放出源の性能が向上す
る。
【0061】本発明の製造方法によって生成したナノカ
ーボンの電子放出源としての利用法としては、従来の二
極管方式若しくは三極管方式が利用できる。特に、表示
管,表示パネル,発光素子,発光管,発光パネル等に好
適である。更には、特定の箇所に生成したナノカーボン
から電子放出を行うことで、複雑なパターンの表示装置
への応用も可能である。
【0062】具体的実験結果の一例を以下に示す。図8
は、Ni/Yを含有した黒鉛板(Ni及びY含有量:
4.2及び1.0mole%、板厚:2mm)の表面を
汎用の溶接用アークトーチ1(トーチ電極10:黒鉛)
で解放大気中(大気圧下)において加工し、その表面を
走査型電子顕微鏡で観察した写真である。アーク電流は
直流100Aとした場合の結果である。同図において、
大量のナノカーボン、特に多層カーボンナノチューブが
表面を覆っていることがわかる。ここで、黒鉛板の代わ
りに、活性炭又はアモルファスカーボン又は触媒金属を
含有した黒鉛などを用いた場合にも、ほぼ同様の結果が
でた。また、特定ガス、特に、希ガスを使用した場合に
は、生成されたナノカーボンの収量が増加した。ここか
ら、希ガスを使用することが、非常に効果的であること
を確認した。
【0063】図9は、純黒鉛表面を100Aの交流アー
クで加工し、その表面を電子顕微鏡で観測した例であ
る。同図においても、大量のナノカーボン、特に多層カ
ーボンナノチューブが表面に形成されていることがわか
る。この堆積物中には、カーボンナノ粒子なども含まれ
ていた。同試料を用い二極管構造の蛍光発光管で電子を
放出させ、蛍光面に照射したところ、蛍光面が発光する
ことを目視で観測した。ここで、黒鉛板の代わりに、活
性炭又はアモルファスカーボン又は触媒金属を含有した
黒鉛などを用いた場合の結果や、特定ガスを使用した場
合の効果は、図8の場合と同様であった。
【0064】上記の実施例では、黒鉛(第2電極)を表
面に形成した被アーク材2として黒鉛板を使用した(即
ち、基材が第2電極を兼用している)例を示したが、金
属板の上にベタパターン又はパターン化した黒鉛層を設
けた(即ち、基材と第2電極が別体に形成される)もの
を使用することも可能である。
【0065】また、ガラス基板やセラミック基板等の絶
縁板の上にベタパターン又はパターン化した黒鉛層を設
けたものを使用することも可能である。この絶縁板を使
用する場合には、更に、絶縁板と黒鉛層の間に、ベタパ
ターン又はパターン化した金属(アルミニウム等のアー
ク放電時に蒸発しない金属)層を設けてもよい。絶縁板
を使用すれば、黒鉛板等を使用するよりも、製造が容易
であり、コスト面でも低廉である。
【0066】更に、金属層は、例えば、スクリーン印刷
法等により厚膜で形成したり、CVD法やマスク蒸着法
等により薄膜で形成することが可能である。この金属層
は、電子放出源としてナノカーボンを使用する際に、ナ
ノカーボンに電位を印加して電子放出を行わせるための
配線層として利用できる。
【0067】更にまた、触媒金属15は、ベタパターン
又はパターン化したものを使用することが可能である。
黒鉛層及び金属層については、ベタパターンでもよい
が、触媒金属15のパターンに準じてパターン化したも
のを使用することも可能である。この触媒金属15は、
例えば、CVD法やマスク蒸着法等により薄膜で形成す
ることが可能である。
【0068】上記の実施例では、基材(被アーク材2)
上のナノカーボンをそのまま利用する例を示したが、基
材(被アーク材2)から分離・精製して、単体のナノカ
ーボンとして使用することも勿論可能である。上記の実
施例では、被アーク材2とトーチ電極10との角度は、
直角の例を示したが、直角に限定されず、ナノカーボン
の製造に支障のない任意の角度でよい。
【0069】本発明の製造方法によって製造したナノカ
ーボンは、水素等の吸蔵体に利用できる。本発明の製造
方法によって製造したナノカーボンは、二次電池電極へ
の混合物,二次電池電極,燃料電池電極への混合物,二
次電池電極に利用できる。本発明の製造方法によって製
造したナノカーボンは、ゴム,プラスチック,樹脂,セ
ラミックス,鉄鋼,コンクリートなどへの混合物として
利用できる。該ナノカーボンをこれらの材料に混合する
ことにより、強度,熱伝導性,電気導電性などを改善で
きる。
【0070】本発明の製造方法によって製造したナノカ
ーボンは、すすの中に多量のナノチューブ、特に多層カ
ーボンナノチューブが含まれているという特徴がある。
また、すすの中に多層ナノチューブと同時に、ナノホー
ンも含まれているという特徴がある。同様に、カーボン
ナノ粒子なども含まれているという特徴がある。
【0071】ここで、ナノホーンとは、グラファイトシ
ートを円錐状に丸めた形状を持ち、先端も円錐状に閉じ
ているカーボンナノ粒子を示す(文献「Pore structure
ofsingle-wall carbon nanohorn aggregates/K.Murat
a, K.Kaneko, F.Kokai, K.Takahashi, M.Yudasaka, S.I
ijima/Chem. Phys. Lett., vol. 331, pp.14-20(200
0)」参照)。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、ナノカーボンの極めて
容易な製造方法及び製造装置を提供することができる。
また、製造が容易で、かつ、連続大量生産が可能なナノ
カーボン及びそれを用いた電子放出源(電子放出源用基
板)の製造(パターン化)方法及び製造(パターン化)
装置を提供することができる。更にまた、任意の一箇所
又は複数箇所に任意のパターン状にナノカーボン群を容
易に製造する方法及び装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ナノカーボンの製造(パターン化)装置の概略
を示す図である。
【図2】図1のナノカーボンの製造(パターン化)装置
の部分拡大断面図である。
【図3】特定の箇所にナノカーボンを形成(パターン
化)する方法の一例を示す図である。
【図4】図3の方法により成長したナノカーボンを示す
図である。
【図5】特定の箇所にナノカーボンを形成(パターン
化)する方法の他の例を示す図である。
【図6】図5の方法により成長したナノカーボンを示す
図である。
【図7】図6の点線部分の拡大図である。
【図8】直流アーク運転でNi/Y金属を含有した黒鉛
表面に加工形成したナノカーボンを示す図である。
【図9】交流アーク運転で純黒鉛表面に加工形成したナ
ノカーボンを示す図である。
【符号の説明】
1…アークトーチ、 2…被アーク材、 3…水冷ベンチ、 4…アーク、 5…電源、 6…ガスボンベ、 7…ガス調整器及び流量計、 8…アークトーチの先端部、 9…アークトーチのノズル、 10…トーチ電極、 11…電極ホルダ、 12…被包ガス、 13…マスク、 14…ナノカーボンの成長箇所、 15…触媒金属。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 茂生 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株式 会社内 Fターム(参考) 4G046 CA00 CB01 CC09 CC10 5C031 DD17 DD19 (54)【発明の名称】 ナノカーボンの製造方法及びその方法を用いて製造されたナノカーボン、ナノカーボンの製造装 置、ナノカーボンのパターン化方法及びその方法を用いてパターン化されたナノカーボン基材及 びそのパターン化されたナノカーボン基材を用いた電子放出源

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1電極と、炭素材料を主成分とする第2
    電極を、大気中で対向配置する工程と、 前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してア
    ーク放電を発生させる工程と、 前記第2電極の所定領域の炭素材料を前記アーク放電に
    よりナノカーボンに変える工程を備えたことを特徴とす
    るナノカーボンの製造方法。
  2. 【請求項2】前記第1電極が、アークトーチに設けられ
    たトーチ電極であり、該トーチ電極と前記第2電極を相
    対移動させながら、前記第2電極の所定領域の炭素材料
    を前記アーク放電によりナノカーボンに変える工程を備
    えたことを特徴とする請求項1記載のナノカーボンの製
    造方法。
  3. 【請求項3】前記第2電極が、基材表面に設けられてお
    り、該基材を冷却部材により保持して、前記基材を該冷
    却部材により冷却しながら、前記第2電極の所定領域の
    炭素材料を前記アーク放電によりナノカーボンに変える
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のナノカーボンの
    製造方法。
  4. 【請求項4】少なくとも、前記第1電極と前記第2電極
    と両電極間で発生したアーク放電領域を被包部材で覆い
    ながら、前記第2電極の所定領域の炭素材料を前記アー
    ク放電によりナノカーボンに変えることを特徴とする請
    求項1又は2記載のナノカーボンの製造方法。
  5. 【請求項5】前記第2電極の炭素材料が、黒鉛,活性
    炭,アモルファスカーボンの何れかであることを特徴と
    する請求項1又は2記載のナノカーボンの製造方法。
  6. 【請求項6】前記第2電極が、触媒金属を含有している
    炭素材料,触媒金属が表面に形成されている炭素材料,
    B及び触媒金属を含有している炭素材料,Bが表面に形
    成されている炭素材料,若しくはB及び触媒金属が表面
    に形成されている炭素材料の何れかであることを特徴と
    する請求項1又は2記載のナノカーボンの製造方法。
  7. 【請求項7】前記触媒金属が、Li,B,Mg,Al,
    Si,P,S,K,Ca,Ti,V,Cr,Mn,F
    e,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,As,Y,
    Zr,Nb,Mo,Rh,Pd,In,Sn,Sb,L
    a,Hf,Ta,W,Os,Pt、若しくはこれらの酸
    化物,窒化物,炭化物,硫化物,塩化物、硫酸化合物,
    硝酸化合物、或いはそれらの混合物であることを特徴と
    する請求項6記載のナノカーボンの製造方法。
  8. 【請求項8】前記アーク放電の発生領域に特定ガスを供
    給しながら、前記アーク放電を行うことを特徴とする請
    求項1又は2又は4記載のナノカーボンの製造方法。
  9. 【請求項9】前記特定ガスが、Ar,Heなどの希ガ
    ス,空気,窒素ガス,炭酸ガス,酸素ガス,水素ガス若
    しくはこれらの混合ガスであることを特徴とする請求項
    8記載のナノカーボンの製造方法。
  10. 【請求項10】前記第1電極が、黒鉛若しくはW(タン
    グステン)を主成分とすることを特徴とする請求項1又
    は2記載のナノカーボンの製造方法。
  11. 【請求項11】前記アーク放電を直流若しくは直流パル
    スで運転し、前記第2電極をアーク放電の陽極とするこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のナノカーボンの製
    造方法。
  12. 【請求項12】前記アーク放電を交流若しくは交流パル
    スで運転することを特徴とする請求項1又は2記載のナ
    ノカーボンの製造方法。
  13. 【請求項13】請求項1乃至12の何れか一項記載の方
    法を用いて製造されたナノカーボン。
  14. 【請求項14】第1電極と、炭素材料又は触媒金属を含
    有している炭素材料又は触媒金属が表面に形成されてい
    る炭素材料を主成分とする第2電極が、大気中で所定間
    隔に保持されてなる電極と、 前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加して、
    前記第2電極の所定領域にアーク放電を発生させて、該
    アーク放電により該所定領域の炭素材料をナノカーボン
    に変えるための電源からなるアーク発生手段と、 前記アーク放電の発生領域に特定ガスを供給する特定ガ
    ス供給手段を備えたことを特徴とするナノカーボンの製
    造装置。
  15. 【請求項15】第1電極が、アークトーチに設けられた
    トーチ電極であり、該トーチ電極と前記第2電極を相対
    移動させる移動手段を更に有し、前記トーチ電極と前記
    第2電極を相対移動させながら、前記トーチ電極と前記
    第2電極との間に電圧を印加して、前記第2電極の所定
    領域にアーク放電を発生させて、該アーク放電により該
    所定領域の炭素材料をナノカーボンに変えることを特徴
    とする請求項14記載のナノカーボンの製造装置。
  16. 【請求項16】前記第2電極が、基材表面に設けられて
    おり、前記第1電極と前記第2電極を所定間隔で保持す
    る保持手段が、前記基材を冷却するための冷却手段を有
    することを特徴とする請求項14又は15記載のナノカ
    ーボンの製造装置。
  17. 【請求項17】少なくとも、前記第1電極と前記第2電
    極と両電極間で発生したアーク放電領域を覆う被包手段
    を有することを特徴とする請求項14又は15記載のナ
    ノカーボンの製造装置。
  18. 【請求項18】第1電極と、炭素材料を主成分とする第
    2電極を、大気中で対向配置する工程と、 前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してア
    ーク放電を発生させる工程と、 前記第1電極と前記第2電極を相対移動させながら、前
    記第2電極の所定領域の炭素材料を前記アーク放電によ
    りナノカーボンに変える工程を備えたことを特徴とする
    ナノカーボンのパターン化方法。
  19. 【請求項19】第1電極と、任意のパターン状に形成さ
    れた炭素材料又は任意のパターン状に形成された触媒金
    属を含有している炭素材料又は任意のパターン状に形成
    された触媒金属が表面に形成されている炭素材料を主成
    分とする第2電極を、大気中で対向配置する工程と、 前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加してア
    ーク放電を発生させる工程と、 前記第2電極の所定領域の炭素材料を前記アーク放電に
    よりナノカーボンに変える工程を備えたことを特徴とす
    るナノカーボンのパターン化方法。
  20. 【請求項20】第1電極と、炭素材料を主成分とする第
    2電極を、大気中で対向配置する工程と、 前記第2電極の表面に任意の開口パターンを持ったマス
    クを配置する工程と、前記第1電極と前記第2電極との
    間に電圧を印加してアーク放電を発生させる工程と、 前記マスクの開口部分に対応する前記第2電極の所定領
    域の炭素材料を前記アーク放電によりナノカーボンに変
    える工程を備えたことを特徴とするナノカーボンのパタ
    ーン化方法。
  21. 【請求項21】前記第1電極が、アークトーチに設けら
    れたトーチ電極であることを特徴とする請求項18乃至
    20の何れか一項記載のナノカーボンのパターン化方
    法。
  22. 【請求項22】請求項18乃至21の何れか一項記載の
    方法を用いてパターン化されたナノカーボン基材。
  23. 【請求項23】請求項22記載のパターン化されたナノ
    カーボン基材を用いることを特徴とする電子放出源。
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