JP2002218980A - 新規フェリチン - Google Patents

新規フェリチン

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新規なフェリチン遺伝子の提供 【解決手段】 TP(Transit Peptide )切断後のアミ
ノ末端からの6残基の配列がAla-Ser-Asn-Ala-Pro-Ala
である分子量28kDaのサブユニットをコードする植
物由来のまたは遺伝子組換えによるフェリチン遺伝子。 【効果】 従来の28kDaサブユニットと異なり容易
に切断されないため鉄の含有が持続できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規フェリチンに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】フェリチンは人間を含む高等動物から植
物、細菌等の微生物まで生物界に広く存在する鉄貯蔵タ
ンパク質であり、貯蔵している鉄を他の鉄結合酵素など
に供給すること、および生体に障害を及ぼすような過剰
な無機鉄を取り込み、解毒して細胞を保護することを主
要な生理的役割としている。このタンパク質は非常に巨
大であり(分子量540kDa)、外径が約13nmも
あり、24個のサブユニットが対称性を持って積み重な
り、あたかも袋のような構造をしている。この袋状構造
の中に鉄を最大で4500原子も貯蔵すると推定されて
いる。本発明者らはこのような大量の鉄を貯蔵できるフ
ェリチンの遺伝子を外来遺伝子として植物に導入するこ
とにより、植物の鉄含量を増加させ得ることを見出し、
先に特許出願を行った(特開平9−201190号公報
参照)。従来の植物フェリチンは1つの遺伝子由来のサ
ブユニット(28kDa)から形成されていると考えら
れていた。そして、この28kDaのサブユニットは鉄
放出時に延長ペプチド(EP:Extension Peptide )が
切断されることにより26.5kDaサブユニットに容
易に転化するとされていた。28kDaサブユニットが
鉄含有形態であることは報告されているが、26.5k
Daサブユニットの鉄含有については知られていない。
したがって、鉄を放出してのこの転化がなければより効
率的に植物体に鉄分を貯蔵させることができるものと考
えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、より多くの
鉄分を植物に貯蔵させることができるフェリチンを求め
て種々研究した結果、従来のものとは異なるサブユニッ
トを有するフェリチンを見いだして本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、容
易に切断されない分子量28kDaのサブユニットを含
むフェリチン及びフェリチン遺伝子に関する。より具体
的には、植物、特にダイズ由来のフェリチンである。本
発明において「容易に切断されない」とは、従来知られ
ている植物由来のフェリチンの28kDaサブユニット
が26.5kDaサブユニットに転化する条件下では切
断されない意味で用いられる。本発明のフェリチン遺伝
子は、トランジット・ペプチド(TP:Transit Peptid
e )を除くアミノ末端からの6残基の配列がAla-Ser-As
n-Ala-Pro-Ala である分子量28kDaのサブユニット
をコードすることを特徴とするものである。また、従来
の大豆フェリチンの28kDaのサブユニットではカル
ボキシル(C−)末端残基の234番目がアルギニンで
あるのに対して、本発明のフェリチン遺伝子ではロイシ
ンで置換されていることを特徴とする。この相違によ
り、本発明の28kDaサブユニットは容易に切断され
ない。これら本発明の特定の配列は、遺伝子組換え手法
によって得ることができる。従って本発明は、植物由来
の及び遺伝子組換えによるフェリチン及びフェリチン遺
伝子を包含する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の「容易に切断されない」
フェリチンの28kDaサブユニットの確認のために以
下の各実験を行った。 A.実験方法 1.自然の大豆フェリチンの精製 乾燥大豆種子(Kitano−shiki 変種)500gを粉砕機によ
り細粉化した。大豆種子粉は、1mM EDTA(エチレ
ンジアミン四酢酸)と10mM 2−ME(2−メルカプ
トエタノール)含有の50mM Tris-HCl バッファーに懸
濁し、均質化し、10,000×gで10分間遠心分離した。上
清を20%飽和の硫酸アンモニュウムで分画した。琥珀色
の沈殿物を遠心分離により集め、50mM Tris-HCl (pH
7.5)バッファー中で透析した。透析後の試料は、前もっ
て1mM EDTA含有の50mMTris-HClバッファーで平
衡化したDEAE−トヨパール(Toyopearl )(TOS
OH社)コラムに付加した。コラムは0.15M塩化ナ
トリウム含有のバッファーで洗浄され、琥珀色のフェリ
チンが溶離された。大豆フェリチンを含有する該溶液
は、再度20%飽和の硫酸アンモニュウムで分画した。
遠心分離により集められた上清は、ブチルトヨパール
(TOSOH社)コラムに付加し、20−0%飽和密度
勾配の硫酸アンモニウムにより溶離された。大豆フェリ
チンを含有する画分はプールされ、1 mM EDTA含有
の50mM Tris-HCl バッファー(pH 7.5)中で透析さ
れ、Q−セファロースコラム(Amersham-Pharmacia社)
に付加された。蛋白は0から0.7M密度勾配の塩化ナ
トリウムにより溶離された。大豆フェリチン含有の画分
はプールされ、濃縮され、最終的には20mM Tris-HC
l (pH 7.5)バッファーで平衡化したスーパーデックス
75pgゲル濾過コラム(Amersham-Pharmacia社)に付
加された。
【0006】アポ・フェリチンは従来知られている方法
により得た。精製されたフェリチンは、1%チオグリコ
ール酸含有の50mM ヒープス(Hepes )/NaOH・バ
ッファー(pH 7.0)中で透析され、続いて連続的に0.1
%と0%チオグリコレート含有ヒープス・バッファーに
て透析した。その後蛋白は13g/リッターのChilex-100
(Bio-Rad 社)及び0.2M塩化ナトリウム含有のヒー
プス・バッファー中で透析し、最後に脱イオン水中で透
析した。精製された蛋白濃度は蛋白アッセイキット(Bi
o-Rad 社)とデンシトメーター(Pharmacia 社)により
決定した。
【0007】2.アミノ酸配列分析 大豆フェリチン・サブユニットは、12.5%ポリアク
リルアミドゲルを使ったSDS−PAGEにより分離さ
れ、PVDF膜に転移された。膜は2%(V/V)酢酸
に溶解した0.1%のポンソー−S(Sigma 社)により
染色された。膜上の2個所の特徴的なバンドが各々膜か
ら切り取られた。両蛋白のアミノ末端アミノ酸配列は、
アプライド・バイオシステムのモデル477Aパルス−
液体アミノ酸配列分析器(シークエンサー)による自動
化エドマン分解した。26.5kDaサブユニットのカ
ルボキシル(C−)末端アミノ酸配列は、このサブユニ
ットをリジルエンドペプチダーゼにより消化し、C−末
端を含有するペプチド断片はDITC−ガラス(SIG
MA)により単離した。その後、C−末端断片の配列を
自動化エドマン分解により決定した。
【0008】3.大豆からの新規フェリチン遺伝子cD
NA(相補的DNA)のクローニング ジーンバンク(遺伝子銀行)に登録済みの大豆EST
(発現配列タグ:Expressed Sequence Tag )配列(AW185
525, AI966037, AW397605, AI443722, AI900240)をプラ
イマーの設計に使用した。5’race (rapid amplificat
ion of cDNA ends) と3’raceは、発芽後1週間の種苗
から抽出した総RNAを鋳型(テンプレート)とする製
造方法にて実施した。Lサブユニットをコードする標的
配列に関する10個の候補配列を決定した。
【0009】4.組換え体大豆フェリチンの準備 大豆フェリチンの成熟部分をコードするDNA配列は、 (a) プライマー−TP(5'-GCGCATATGTCAACGGTGCCTCTCAC-3')と (b) C(5'-GCGGGATCCTAATCASAGAAGTCTTTG-3' ) を使用するPCR(ポリメレースチェーン反応)で増幅
した。−TP及びCは各々NdeIサイト(位置)及び
BamHIサイトを含んでいた。そこで得られたTP配
列を含有しない断片をNdeIとBamHIにより消化
し、発現ベクターpET3a(Novagen )上のNdeI
とBamHI間に挿入して、プラスミドpESFを得
た。発現プラスミドpESFは Escherichia coli (大
腸菌)BL21(DE3)pLys株に形質転換され
た。発現プラスミドを含むE.coli株は、37℃で
アンピシリン(50 μg/ml) 補助LB(Luria-Bertani )
培地で培養した。A600 (吸光度)=0.6まで増殖し
た時に、最終濃度が1mMになるようにイソプロピル−
β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加し
た。細菌は遠心により収穫し、蛋白はバッグバスター
(BugBuster )蛋白抽出試薬(Novagen) により抽出し
た。完全な成熟領域を含む組換え体フェリチンの精製過
程も自然フェリチンと同様である。
【0010】5.大豆フェリチンのデグラデーション
(減成)実験 大豆の葉200mgを抽出バッファー[50mM K2PO
4 、10mM 2−ME、0.1 %TritonX-100、0.1 %サ
ルコシン)1mLと海砂で均質化し、12000 rpmで遠
心分離して可溶性蛋白質を抽出した。上清を大豆フェリ
チンの減成実験に使用した。組換えフェリチンと自然の
フェリチンの各150ngを葉抽出液20μlに加え、
室温でインキュベートした。SDS−PAGE及びPV
DF膜に電気ブロットした後、蛋白質の免疫検出を行っ
た。大豆フェリチン(%)サブユニットに対して抗血清
が上昇した。大豆フェリチン抗体でのブロットの検出を
ビオニチル化ホースラディシュ・パーオキシダーゼと結
合したアンチ−ラビットIgGシープ・イムノグロブリ
ンを用いて行った。シグナルの視認化にはイムノステイ
ン(Immunostain )HRP−1000(コニカ社)を用い
た。
【0011】6.鉄の取り込み及び放出の測定 自然の大豆フェリチン及び組換え体フェリチンによる鉄
取り込み反応は、室温でFe2+/ フェリチン・モル比 1,0
00(1mM硫酸第一鉄と0.1μMフェリチン) により
100mM Hepes /NaOH・バッファー(pH 7.0)
で実施した。フェリチンへの鉄取り込みは吸光度310
nmで測定した。鉄遊離実験では、自然大豆及び組換え
体のアポ・フェリチン( 各々2μM)は、0.2M塩化
ナトリウムを含有する0.1M MOPSに溶解された
新鮮な硫酸第一鉄(1 mM)を添加することにより鉱化し、
続いて室温で2時間培養し、その後に一晩4℃で放置し
た。鉄遊離はナトリウムアスコルビン酸塩とフェロジン
(ferrozine )を各々最終濃度1mMと4mMになるよ
うに添加することにより反応を開始した。アスコルビン
酸塩はフェリチン殻からの鉄の還元型遊離を促進すると
報告されている。外来性Fe2+は、日立紫外線分光光度計
(Hitachi, Tokyo, Japan) を用いて、波長560nmで
のFe2+/ferrozine 複合体の吸光度により測定した。
【0012】上記各実験により下記の結果が得られた。 B.結果 1.乾燥種子からの大豆フェリチンの単離 大豆フェリチンは、乾燥種子から二段階の陰イオン交換
クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー,及び
ゲル濾過により精製した。大豆フェリチンは、各々のク
ロマトグラフ段階で単一ピークとして溶離した。しかし
ながら精製されたフェリチンには、SDS−PAGE
(ドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミド・ゲル
電気泳動)分析によると、分子量が28kDaと26.
5kDaだと推定される二つのバンドを認めた(図1
A)。これ等のバンドの密度分析によると、精製された
フェリチンは28kDaと26.5kDaのサブユニッ
トを殆ど等量(28kDa/26.5kDa比が1/
1.09と推定された)含んでいることを示した。精製
された大豆フェリチンからは、分子量が約550−56
0kDa(図1B)だと推定される単一バンドのみが検
出された。
【0013】図1Aにおいて、精製された大豆フェリチ
ンは、SDS−PAGEにより分析され、CBB( クー
マシー・ブリリアント・ブルー : Coomassie Brilliant
Blue)により染色された(レーン1)。図1Bは大豆フ
ェリチンの非変性PAGE分析結果を示す図で、レーン
1は、大豆種子から精製された自然の大豆フェリチン、
レーン2は、大腸菌にて発現された組換え体大豆フェリ
チンを示し、蛋白マーカー(M)は分子質量を表す。
【0014】2.両サブユニットのアミノ酸配列分析 両方のサブユニットのアミノ(N−)末端からの6残基
を決定した。28kDaサブユニットの配列はAla-Ser-
Asn-Ala-Pro-Ala であり、26.5kDaサブユニット
はAla-Ser-Thr-Val-Pro-Leu であった。両方のサブユニ
ットの決定済みN−末端配列は互いに異なっており、ま
た28kDaサブユニットは今迄報告されていない新規
な配列であった。更に6残基目以降のN−末端配列もま
た、28kDaサブユニットは新規なサブユニットであ
ることを示唆していた(図2)。28kDaと26.5
kDaのバンドは完全に分離可能で、両方のサブユニッ
トの配列プロフィールには汚染ピークは検出されなかっ
た。他方、26.5kDaサブユニットのN−末端配列
は、既知配列のEP領域の配列と同一であった。26.
5kDaサブユニットのN−末端配列分析から、移送ペ
プチドは既知報告によるカルボキシル側49番目残基の
アラニンでは無くて、カルボキシル側の48番目残基の
システインで開裂されていた(図2参照)。ここでは、
28kDaと26.5kDaとを各々L(大)サブユニ
ットとS(小)サブユニットと定義する。
【0015】図2の大豆フェリチンのサブユニットの演
繹されたアミノ酸配列を示す図において、上の配列は、
既に知られている配列と同じであるSサブユニットのア
ミノ酸配列を示し、。下の配列は、本発明によるLサブ
ユニットのアミノ酸配列を示す。矢印はSサブユニット
の開裂サイト(Proteolytic cleavage)を示す。また、
実線で囲まれた部分はN−末端配列解析により決定され
たLサブユニットのN−末端32残基を示し、破線で囲
まれた部分はリジルエンドペプチダーゼによる消化によ
り形成された第17番断片を示す。この断片はSサブユ
ニットのカルボキシル末端に位置している。
【0016】次いで、開裂サイトを検知するために、S
サブユニットのカルボキシル(C−)末端アミノ酸配列
を分析した。C−末端残基を含むペプチド断片の配列
は、Ser-Glu-Tyr-Val-Ala-Gln-Leu-Arg-Arg であった
(図2)。この配列は既に知られている大豆フェリチン
配列にも認められるが、C−末端残基は234番目のア
ルギニンだと決定したが、これは大豆フェリチン配列の
C−末端に関する既存の報告からは18残基上流に位置
していた。これ等のデータは、大豆種子フェリチン中の
Sサブユニットは、C−末端17残基の蛋白質分解性の
開裂を伴うことを示した。
【0017】3.新規フェリチン・サブユニットのアミ
ノ酸配列 新しく同定された大豆フェリチンのLサブユニットに対
するcDNAは、PCRを基本とする戦略によりクロー
ン化した。cDNA配列から演繹されたアミノ酸配列
を、既存の報告例と一緒に図2に示す。前駆体からTP
が解離したLサブユニットの成熟領域は、209残基か
ら構成されており、これはSサブユニット(202残基
から成る)に比較して7残基長かった。Lサブユニット
の成熟領域のアミノ酸配列は、Sサブユニットと82%
の相同性を示した。成熟領域の高い相同性に反して、T
P配列はL及びS間で配列の低い相同性(41%)しか
示さなかった。成熟領域の配列では、演繹されたヘリカ
ル領域(AからEヘリックス(Helix ))では、BとC
へリックスを結合するループ領域では比較的に変異して
いたが、L及びSサブユニット間では高い相同性が保た
れていた;即ちヘリカル、ループ及びEP領域のアミノ
酸配列の相同性は、各々90%、81%及び63%であ
った。結果を表1に示す。
【0018】 注)両方のサブユニットのアミノ酸配列は8部分を互いに比較した。 TP: 移送ペプチド EP:延長ペプチド
【0019】Lサブユニットは、C−末端に5残基(そ
の内の4残基は塩基性又は酸性アミノ酸である電荷残
基)からなる延長部を持っていた。フェロオキシダーゼ
・サイトだと考えられる全ての残基は、両方のサブユニ
ットに保存されていた。鉄(III)-チロシン(tyrosinate)
複合体を形成すると考えられているチロシン残基もま
た、保存されていた。しかしながら、Sサブユニットの
配列では、カルボキシル側が開裂される231番目のア
ルギニン残基は、Lタイプのサブユニットではロイシン
により置換されていた。この置換により、Lサブユニッ
トはカルボキシル末端開裂を受けなくなっていると考え
られる。上記したように、大豆Sサブユニットの場合に
カルボキシル側が開裂されるアルギニン残基が、CP3
配列にも認められた。
【0020】4.大豆フェリチンSサブユニットのデグ
ラデーション 大豆フェリチンSサブユニットの成熟全領域を E. col
i で発現した。非変性PAGE( ポリアクリルアミド・
ゲル電気泳動)(図1B参照)及びゲル濾過分析による
と、組換え体大豆フェリチンも自然蛋白と同様に24量
体に集合できることを示していた。組換え体Sサブユニ
ットのホモポリマーを大豆の葉抽出物と培養したものの
結果を図3に示す。Sサブユニットの約半分は10分以
内に26.5kDa型へと開裂された。しかしながら1
時間の培養の後には、28kDa型は消失し、少量の2
6.5kDa型のみ検出できた。2時間後には、26.
5kDa型は完全に分解していて検出できなかった。他
方、S及びLサブユニットを殆ど等量含有する自然の大
豆フェリチンでは、28kDa型は存在しなかったが、
培養2時間後にも26.5kDa型を検出することがで
きた。この実験では抗Sサブユニット抗体を使用してい
るので、自然のフェリチンのLサブユニットは完全には
検出できなかった。
【0021】図3の組換え体及び自然の大豆フェリチン
のデグラデーションを示す図において、上記のとおり組
換え体及び自然の大豆フェリチンは、大豆の葉抽出物中
で培養されたもので、フェリチン・サブユニットは抗S
サブユニット抗体により検出された。図中、レーン1は
大豆の葉抽出物、レーン2は150ngの組換え体Sサ
ブユニット、レーン2からレーン8は150ngの組換
え体Sサブユニットを葉抽出物とそれぞれ0、1、1
0、30、60及び120分間培養した後のSサブユニ
ット、レーン9は150ngの自然の大豆フェリチン、
レーン10及び11は、150ngの自然のフェリチン
を葉抽出物と各々60及び120分間培養したもの結果
を示す。
【0022】5.鉄取り込み及び遊離 C−末端欠失の鉄取り込み及び遊離に及ぼす影響を研究
するために、自然の大豆フェリチン(50%L)と、組
換え体フェリチンの鉄取り込み及び遊離を試験した。自
然の大豆フェリチンは、28kDaと26.5kDaと
の両方のサブユニットを等量持っていたが、組換え体
は、C−末端の配列を含むサブユニットの成熟領域全域
から成っていた。C−末端が欠失しているSサブユニッ
トの26.5kDa型は、24量体には集合しなかっ
た。組換え体及び自然の大豆フェリチンの両方とも鉄取
り込み活性を示した(図4A)。連続曲線(プログレッ
ション・プロット)によると、自然の大豆フェリチンの
取り込み率は、全ての構成サブユニットはフェロオキシ
ダーゼ・サイトを保有しているにも係らず、組換え体よ
り取り込み率が低かった。両方の取り込み率はFe(II)自
動酸化率(コントロール)よりも高かった。
【0023】フェリチンからの還元的遊離率も評価した
(図4B)。自然及び組換え体フェリチンの鉄核形成反
応は、一晩4℃でフェリチン/鉄モル比1/500で、
硫酸第一鉄をFe(II)源として培養して実施した。フェリ
チン外殻の外側の第一鉄(Fe(II))原子はフェロジンに
結合されるので、この複合体の吸光度を測定した。Fe(I
I)/ferrozine複合体の量は、どの時間コースを見ても組
換え体よりも、自然の大豆フェリチンの方が多かった。
両方のサブユニット間の鉄遊離率の差は、計算上はt検
定でp=0.05により統計的に有意であり、C−末端
16残基の開裂が蛋白外殻からの鉄遊離を促進している
ことが示された。
【0024】図4Aは、大豆フェリチンの鉄取り込み反
応の連続曲線プロットを示すグラフで、0.1Mフェリ
チン・サブユニット及び0.1mM硫酸第一鉄含有の
0.1Mヒープス−Na、pH7.0中で実施した各フ
ェリチンの結果を示す。コントロールは自動酸化率を示
す。図4Bは、集合されたフェリチンでのサブユニット
の共存の影響を示すグラフである。自然(Native)及び
組換え体(Recombinant )フェリチン(2μM)は、
0.1M MOPS(pH7.0)と0.2M塩化ナト
リウム中に溶解した1mM硫酸第一鉄と混合することに
より試験管中で鉱化した。鉱化されたフェリチンからの
鉄遊離は、内部の鉄からの還元的遊離を促進するため
に、1mMフェロジンと4mMナトリウム・アスコルビ
ン酸塩の添加により開始された。遊離された鉄は、Fe2+
/ferrozine 複合体の吸光度を560nmにてモニター
することにより検出した。結果は3回の実験から得た。
【0025】本発明において、本発明者らは、大豆フェ
リチンの2つの異なったポリペプチド鎖を検出し、新規
なサブユニットをコードするcDNAを単離した。本発
明によって大豆種子では二種類の違ったフェリチンが殆
ど等量共存することが証明された。片方のサブユニット
は分子量28kDaの既知のアミノ酸配列だったが、C
−末端17残基の開裂により26.5kDa(Sサブユ
ニット)に簡単に転化された。他のサブユニットは新規
なアミノ酸配列を持ち、28kDa型(Lサブユニッ
ト)として残存していた。アミノ酸配列プロフィールに
よると、Sサブユニットは完全に26.5kDa型に転
化された。これ等のデータは、26.5kDaサブユニ
ットは、28kDaサブユニットのアミノ末端延長ペプ
チド(EP)の蛋白質分解性の開裂により生成し、28
kDaと26.5kDaサブユニットは原則的には同一
であると考えられている既存の仮説には反することであ
った。
【0026】大豆の葉抽出物を使用したデグラデーショ
ン実験では、Sサブユニットのホモ24量体は、自然の
大豆フェリチンに比較して不安定であった(図3)。S
サブユニットの不安定さは、SサブユニットのC−末端
17残基を欠失している変異株ではオリゴマーに集合で
きないことから、C−末端17残基の開裂に起因すると
思われる。他方、Lサブユニットは、C−末端領域の開
裂には影響を受けず、また葉抽出物では安定であった。
これ等のデータは、Lサブユニットは大豆種子ではフェ
リチンの24量体を安定化することを示した。
【0027】本発明は、28kDaから26.5kDa
型への転化は、C−末端17アミノ酸残基の開裂に起因
することを示した。アミノ酸配列の整合データ、及び演
繹された植物フェリチンの三次元構造から、開裂された
17残基は“E−へリックス”に相当すると考えられ
る。この“E−へリックス”は動物などのフェリチン2
4量体において4回対称軸付近でのサブユニット間相互
作用に関与し、狭いチャンネルを形成している。E−ヘ
リックスの開裂により作られた大きな孔は、鉄が自由に
動き回れるだけの十分な孔径を持っていると期待され
る。自然の大豆フェリチンからの鉄遊離率は、組換え体
の遊離率よりも高い(図4B)。これ等のデータは、鉄
遊離率はE−へリックスの開裂により促進されたことを
示唆した。E−へリックスの開裂の結果として形成され
る大きな孔は、フェリチンからの鉄遊離の新しい機作を
提供する。
【0028】植物フェリチンでは、幾つかの機能的な遺
伝子が発見されている。本発明者らは、成熟過程が既存
のフェリチンとは異なる新規な大豆フェリチンのサブユ
ニットを見出し、この新規なサブユニットは、大豆種子
フェリチンの主要なサブユニットの一つであることを示
した。新規なフェリチンのサブユニットの一次構造は、
既に報告されているサブユニットに近似していた(82
%の相同性)。しかしながら、成熟過程における違いが
“鉄遊離”の新しい機能の根拠になると認められる。大
豆種子フェリチンは、鉄分子を積極的に取り込んだり遊
離したりすることにより、細胞内での鉄の緩衝装置とし
て機能していると思われるている。28kDa及び部分
的に開裂された26.5kDaサブユニットは、エンド
ウや他のマメ科植物のフェリチンでも検出可能である。
本発明の知見に基づくアミノ酸置換により、大豆のLサ
ブユニットがC−末端残基の蛋白質分解性開裂に影響さ
れなくなるが、この現象は他のマメ科植物のフェリチン
にも適用できる。
【0029】本発明を要約すると、フェリチンは大豆で
は少なくともSとLの二つのタイプのサブユニットから
構成されている。28kDaの分子として存在するLサ
ブユニットは、蛋白外殻の安定性に関与しており、他
方、Sサブユニットは、E−へリックスの開裂により2
6.5kDa型に転化される。開裂はフェリチンからの
鉄遊離の作用機作に関係する可能性がある。異なった機
能を持つ多種のサブユニットの存在は、大豆以外のマメ
科植物でも発現すると推測される。
【0030】
【発明の効果】本発明の遺伝子由来のサブユニットから
形成されるフェリチンは鉄の放出が少なくなり、フェリ
チン分子中により多くの鉄を蓄積できると容易に推測で
きる。従って、本発明のフェリチン遺伝子を植物に導入
すれば、本発明者らが先に提案した高鉄含量植物の作成
に多大な効果をもたらすことが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】大豆フェリチンのSDS−PAGE及び非変性
PAG分析の結果を示す図である。 (A)精製された大豆フェリチンは、SDS−PAGE
により分析され、CBB( クーマシー・ブリリアント・
ブルー : Coomassie Brilliant Blue)により染色され
た。(レーン1) (B)大豆フェリチンの非変性PAGE分析。 レーン1:大豆種子から精製された自然の大豆フェリチ
ン、 レーン2:E.coliにて発現された組換え体大豆フ
ェリチン。 蛋白マーカー(M)は分子質量を表す。
【図2】大豆フェリチンのサブユニットの演繹されたア
ミノ酸配列を示す図である。 上:既に知られている配列と同じであるSサブユニット
のアミノ酸配列。 下:本発明によるLサブユニットのアミノ酸配列。 Sサブユニットの開裂サイトは矢印で表示。 実線で囲まれた部分:N−末端配列解析により決定され
たLサブユニットのN−末端32残基。 破線で囲まれた部分:リジルエンドペプチダーゼによる
消化により形成された第17番断片。この断片はSサブ
ユニットのカルボキシル末端に位置する。
【図3】組換え体及び自然の大豆フェリチンのデグラデ
ーションを示す図である。組換え体及び自然の大豆フェ
リチンは、大豆の葉抽出物中で培養された。フェリチン
・サブユニットは抗Sサブユニット抗体により検出され
た。 レーン1:大豆の葉抽出物、レーン2:150ngの組
換え体Sサブユニット、レーン2から8:150ngの
組換え体Sサブユニットを葉抽出物とそれぞれ0、1、
10、30、60及び120分間培養した後のSサブユ
ニット。レーン9:150ngの自然の大豆フェリチ
ン、レーン10及び11:150ngの自然のフェリチ
ンを葉抽出物と各々60及び120分間培養したもの。
【図4】(A)大豆フェリチンの鉄取り込み反応の連続
曲線プロットを示すグラフである。 (B)集合されたフェリチンでのサブユニットの共存の
影響を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 吉原 利一 千葉県我孫子市我孫子1646 財団法人電力 中央研究所 我孫子研究所内 Fターム(参考) 4B024 AA08 BA80 DA01 EA04 GA11 4H045 AA10 BA10 CA33 EA05 FA72 FA74

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容易に切断されない分子量28kDaの
    サブユニットを含むフェリチン。
  2. 【請求項2】 植物由来の容易に切断されない28kD
    aのサブユニットを含む請求項1記載のフェリチン。
  3. 【請求項3】 植物が大豆である請求項2記載のフェリ
    チン。
  4. 【請求項4】 TP(Transit Peptide )切断後のアミ
    ノ末端からの6残基の配列がAla-Ser-Asn-Ala-Pro-Ala
    である分子量28kDaのサブユニットをコードするフ
    ェリチン遺伝子。
  5. 【請求項5】 植物由来の請求項4記載のフェリチン遺
    伝子。
  6. 【請求項6】 遺伝子組換えによる請求項4記載のフェ
    リチン遺伝子。
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