JP2002214923A - 画像形成装置用エンドレスベルト - Google Patents

画像形成装置用エンドレスベルト

Info

Publication number
JP2002214923A
JP2002214923A JP2001008661A JP2001008661A JP2002214923A JP 2002214923 A JP2002214923 A JP 2002214923A JP 2001008661 A JP2001008661 A JP 2001008661A JP 2001008661 A JP2001008661 A JP 2001008661A JP 2002214923 A JP2002214923 A JP 2002214923A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
endless belt
image forming
carbon black
belt
forming apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001008661A
Other languages
English (en)
Inventor
Kouichi Sakogawa
佐子川  広一
Makoto Morikoshi
誠 森越
Norihiro Otsu
紀宏 大津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2001008661A priority Critical patent/JP2002214923A/ja
Publication of JP2002214923A publication Critical patent/JP2002214923A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Discharging, Photosensitive Material Shape In Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、電子写真式複写機及びレーザプリン
タ等に組み込まれる感光体装置、中間転写装置、紙搬送
転写装置、転写分離装置、帯電装置、現像装置、転写装
置等に用いるのに好適な画像形成装置用エンドレスベル
トであって、機械強度、寸法精度、抵抗値制御、難燃
性、外観、加工性の総合のバランスに優れるエンドレス
ベルトを提供することを目的とする。 【解決手段】下記の成分A、成分Bを少なくとも含有す
ることを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。 成分A:ポリアリレート 成分B:揮発分1%未満のカーボンブラック

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、電子写真式複写
機及びレーザプリンタ等に組み込まれる感光体装置、中
間転写装置、紙搬送転写装置、転写分離装置、帯電装
置、現像装置、転写装置等に用いるのに好適な画像形成
装置用エンドレスベルトに関する。本発明のエンドレス
ベルトは、機械強度、寸法精度、抵抗値制御、難燃性、
外観、加工性の総合のバランスに優れる。
【0002】
【従来の技術】 従来から電子写真式複写機等の、中間
転写装置、転写分離装置、帯電装置等においては、シー
ムレスベルト(エンドレスベルト)が多用されている。
図1は従来の中間転写装置の側面図である。図中、1は
感光ドラム、6は画像形成装置用エンドレスベルトであ
る。感光ドラム1の周囲には、帯電器2、半導体レーザ
ー等を光源とする露光光学系3、トナーが収納されてい
る現像器4及び残留トナーを除去するためのクリーナー
5よりなる電子写真プロセスユニットが配置されてい
る。
【0003】導電性シームレスベルト6は、搬送ローラ
7,8,9に掛け渡されて、矢印方向に回転する感光ド
ラムと同調して矢印方向に移動するようになっている。
次に、動作について説明する。まず矢印A方向に回転す
る感光ドラム1の表面を帯電器2により一様に帯電す
る。
【0004】次に、光学系3により図示しない画像読み
取り装置等で得られた画像に対応する静電潜像を感光ド
ラム1上に形成する。静電潜像は現像器4でトナー像に
現像される。このトナー像を、静電転写機10により導
電性シームレスベルト6へ静電転写し、搬送ローラ9と
押圧ローラ12の間で記録紙11に転写する。
【0005】前述の中間転写ベルトを用いた画像形成装
置を有するカラー電子写真装置は、従来の技術である転
写ドラム上に張り付け又は吸着せしめ、そこへ第1の画
像担持体上から画像を転写する画像形成装置を有したカ
ラー電子写真装置、例えば特開昭63−301960号
公報中で述べられたごとくの転写装置と比較すると、第
2の画像担持体である転写材になんら加工、制御(例え
ばグリッパーに把持する、吸着する、曲率をもたせる
等)を必要とせずに中間転写ベルトから画像を転写する
ことができるため、封筒、ハガキ、ラベル紙等、40g
/m2程度の薄い紙から200g/m2程度の厚い紙ま
で、幅の広狭や、長さの長短によらず転写可能であると
いう利点を有している。
【0006】以上が中間転写ベルトを用いた画像形成装
置の概略であるが、上記の中間転写ベルトや転写搬送ベ
ルト(以後、中間転写ベルトと転写搬送ベルト等を総称
してベルト状転写部材と呼ぶ)は、画像形成装置の画
質、耐久性、コストを左右する重要な部品であることか
ら、フルカラー電子写真装置の普及に伴って、より高機
能で低コストなベルト状転写部材が求められるようにな
ってきている。
【0007】これに対して、ベルト状転写部材の材質の
観点から、以下のような提案がなされている。 (1)フッ素系材料を用いる方法。例えば、特開平5−
40417号公報、特開平7−92825号公報、特開
平8−267605号公報等にフッ素系の樹脂、エラス
トマー、ゴムを用いた中間転写体が開示されている。
【0008】(2)オレフィン系材料を用いる方法。例
えば、特開平5−311016号公報、特開平7−24
912号公報等にオレフィン系材料を用いたフィルムが
開示されている。 (3)ポリカーボネートやポリアルキレンテレフタレー
トを用いる方法。例えば、特開平3−89375号公
報、特開平4−313757号公報、特開平6−149
081号公報等で開示されている。
【0009】(4)ポリアリレートを用いる方法。例え
ば、特開2000−137389号公報。また、製造方
法の観点からは、以下のような提案がなされている。 (1)溶剤を用いて樹脂を溶解し、成膜した後に溶剤を
蒸発させる方法。例えば、特開平5−77252号公報
では、遠心成形によるシームレスベルトの製造方法が開
示されている。また、特開平9−269674号公報で
は、円筒基体上に多層コーティングを行い、最終的に円
筒状基体を除去することによってシームレスベルトを得
る方法が開示されている。
【0010】(2)熱可塑性樹脂を加熱溶融し、押出し
機を用いてこれを押出す方法。例えば、特開平3−89
357号公報、特開平5−345368号公報等で、押
出し成形による半導電性ベルト(シームレスベルト)の
製造方法が開示されている。先に述べたように、ベルト
状転写部材には、より高機能で低コストものが求められ
るようになってきているのであるが、これを具体的に述
べると、次のようになる。
【0011】(A)耐クリープ性に優れていること (B)靱性が高く、容易にヒビ割れたり亀裂が生じたり
しないこと (C)降伏伸度が大きく、バネ回復性に優れていること (D)使用環境(温度/湿度)による寸法変化が小さい
こと (E)難燃性に優れていること (F)低コストであること (G)表面にブツや傷が無く、平滑で、外観が良好であ
ること このような要求がある中で、上記の従来技術について見
てみると、上記A〜Gの全ての要求を満たす材質や製造
方法は、未だ提案されていないことが分かる。
【0012】すなわち、まずフッ素系の樹脂は、上記A
の条件を満たしていない。つまり、耐クリープ性が悪い
ために、繰り返し使用する間にベルトの張力が低下し
て、色ずれ(複数色のトナーを重ねて転写する時に、色
間での転写位置がずれて、所望のようにトナーが重なら
ないこと)の原因となったり、ついには駆動ローラとの
間でスリップを起こして駆動不能となる場合がある。ま
た、フッ素系の材料は、成形温度が高く、成形し難い上
に、原料コストも高いため、上記Fの条件も満たしてい
ない。
【0013】これに対してオレフィン系の材料では、上
記Fの条件は満たすものの、フッ素系の材料と同様にA
の条件を満たしていない。また、オレフィン系の材料で
は上記Eの条件も満たしていない。これに対して、ポリ
カーボネートやポリアルキレンテレフタレート(例え
ば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート)等のポリエステルは、上記A〜Gの項目全て
をある程度満たしており、優れた材料である。しかし、
ポリカーボネートやポリアルキレンテレフタレートは、
耐候性が不足しているため、転写バイアス等の印加時の
放電によって発生するオゾンや紫外線による劣化を起こ
し、繰り返し使用によって脆くなり、ついにはヒビ割れ
や亀裂を生じてしまうという恐れがある。
【0014】つまり、ポリカーボネートやポリアルキレ
ンテレフタレートは、初期はA〜Gの項目をバランスよ
く満たすことができても、繰り返し使用によって機械特
性が低下して、Bの項目を満たすことができなくなって
しまうという問題があった。更に付け加えると、特に繰
り返し使用による分子量低下を起こし易く、やはりBの
項目を満たすことができなくなるという問題もある。ポ
リカーボネートやポリアルキレンテレフタレートが、繰
り返し使用によって分子量低下が起こるのは、転写バイ
アス等の放電の結果発生する硝酸によって、加水分解が
促進されるためと推定される。
【0015】また、ポリアリレートはA〜Fをバランス
良く満たす事が出来ると、提案されているが、ポリアリ
レートとカーボンブラックを押出機等による加熱溶融加
工すると、成形体表面に発泡による傷が発生してしま
い、これを中間転写ベルトとして使用すると、出力画像
に発泡傷に対応した画像不良を発生してしまう問題点が
あることからこれまで実用化されてこなかった。つま
り、上記Gを満たすことが出来なかった。
【0016】次に、成形方法について述べる。先に述べ
た溶媒を用いて成形する方法は、 (1)溶媒に溶解する樹脂にしか適用できない。 (2)乾燥(溶媒の除去)工程が必須であり、製造に多
くの時間とエネルギーが必要である。 (3)樹脂の配向(延伸)による機械特性の向上が困難
である。 (4)乾燥工程で多量の溶媒(特に有機溶媒)が発生
し、環境への影響が懸念される。 等の問題点がある。
【0017】これに対して、樹脂を加熱溶融して押出す
方法は、最も効率良く、かつ排出物を極小に抑えてエン
ドレスベルト状転写部材を製造する方法として好まし
い。しかしながら、上記特開平3−89357号公報、
特開平5−345368号公報等では、材料がポリカー
ボネートやフッ素系樹脂に限定されており、そのため上
記A〜Gの条件を満たすエンドレスベルト状転写部材を
得ることはできなかった。
【0018】このように、従来技術には一長一短があ
り、前記A〜Gの全ての条件を、繰り返し使用後も満足
できるような、エンドレスベルト状転写部材が望まれて
いた。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐ク
リープ性に優れ、靱性や降伏伸度等の機械特性が高く、
使用環境による寸法変化が小さく、難燃性に優れて低コ
ストで、外観も良好である画像形成装置用エンドレスベ
ルトを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、 ポリアリレートの成形温度が一般的な熱可塑性樹脂の
中でも特に高いこと カーボンブラックは一般的に、表面に多くの官能基と
して炭素骨格以外の不純物を備えていること に着目し、鋭意検討した結果、カーボンブラックを配合
したポリアリレートからなるエンドレスベルトの表面に
発泡起因の外観不良現象において、発生ガスの主成分
が、 高温に晒されることによるカーボンブラック表面の官
能基の分解物 高温でカーボンブラック表面の官能基と接触すること
により発生したポリアリレートの分解物 等であることを見い出し、さらに、表面の官能基の特に
少ないカーボンブラックを選択すれば、加工時に高い温
度を必要とするポリアリレートと配合しても、成形加工
時に発泡などの不具合をほとんど生じないことを見い出
し、本発明に到達した。
【0021】すなわち、本発明の要旨は、(1) 下記
の成分A、成分Bを少なくとも含有することを特徴とす
る画像形成装置用エンドレスベルトに存する。 成分A:ポリアリレート 成分B:揮発分1%未満のカーボンブラック また、以下の態様も本発明の要旨に含む。 (2) 成分AのポリアリレートがビスフェノールAと
芳香族ジカルボン酸からなるポリアリレートであること
を特徴とする上記(1)に記載の画像形成装置用エンド
レスベルト。 (3) 各成分の重量比が、成分B/成分A=3/97
〜30/70であることを特徴とする上記(1)又は
(2)に記載の画像形成装置用エンドレスベルト。 (4) 体積固有抵抗率が1〜1015Ω・cmの範囲
で、かつ、1本のベルト中の体積固有抵抗率の最大値/
最小値が1〜100であることを特徴とする上記(1)
〜(3)のいずれかに記載の画像形成装置用エンドレス
ベルト。 (5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成
装置用エンドレスベルトを具備してなることを特徴とす
る画像形成装置。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。 ○成分A:ポリアリレート 本発明において、ポリアリレート樹脂とは、下記構造式
(1)で表わされる化合物の総称である。
【0023】
【化1】
【0024】(式中、R1及びR2は置換基を有してもよ
い2価のフェニレン基、ナフチレン基のアリーレン基で
ある。置換基としては、フッ素原子、塩素原子等のハロ
ゲン原子、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキ
シ基、エトキシ基等のアルコキシ基、又は1,2−エチ
レン基、1,3−プロピレン基等のアルキレン基であ
る。) 更に、ポリアリレート樹脂を用いた場合には、ポリカー
ボネートやポリアルキレンテレフタレートと比較して以
下のような利点もあることも判明した。 (1)高温環境に曝されても、クリープが小さい。従っ
て、画像形成装置、又はベルトユニットを輸送(特にコ
ンテナ輸送)する際や、画像形成装置の使用時における
装置内の昇温によって、ベルトの周長が伸びて長くなっ
てしまったり、ベルトが伸びてローラ間に掛け渡された
張力が低下してベルトが弛んだりすることが少ない。
【0025】この利点は、特に転写同時定着方式(中間
転写ベルト方式の画像形成装置において、加熱部材を用
いることによって2次転写と定着を同時に行う方式)の
画像形成装置において最も大きくなる。このように、ポ
リアリレート樹脂のクリープが小さいのは、芳香環の密
度が大きいために、分子鎖が剛直になることによる効果
であると考えられる。
【0026】(2)難燃性が高い。例えば限界酸素指数
(LOI)で比較してみても、ポリアリレート樹脂のL
OIは36.8であるのに対して、ポリカーボネート樹
脂のLOIは24.9、ポリエチレンテレフタレート樹
脂のLOIは26.3と、ポリアリレート樹脂の優位性
は明らかである。難燃性の差も芳香環の密度の差による
ものと考えられる。そして、難燃性が高いということ
は、高電圧(100V〜数kV程度)を印加されるエン
ドレスベルト状転写部材の安全性の観点から非常に好ま
しい。
【0027】本発明において、ポリアリレート樹脂とは
上記構造式(1)で示される化合物の総称であるが、例
えば本発明に至る過程で検討したポリアリレート樹脂の
具体例を挙げると、下記構造式(2)〜(4)の化合物
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】
【化4】
【0031】これらの中でも、合成のし易さ(原料入手
の容易さ)、強靱性の観点から、特に上記構造式(2)
で表される化合物が好ましい。ポリアリレートは構成単
位に芳香環を多く有するので、例えばポリカーボネート
やポリアルキレンテレフタレートなどの樹脂に比し、樹
脂の耐候性や耐熱性が改善されるが、一方、芳香環を多
く有する樹脂は、溶融成形加工に必要な温度が高くな
る。
【0032】例えば、ポリカーボネート、ポリアルキレ
ンテレフタレートの代表例としてのポリブチレンテレフ
タレート(PBT)と、ポリアリレートの代表的な最適な
加工温度を示すと以下のようになる。 ポリカーボネート;260〜300℃ PBT ;230〜250℃ ポリアリレート ;300〜360℃ (出典;三菱エンジニアリングプラスチックス(株)社
の「ポリカーボネート樹脂ユーピロンカタログ」中のユ
ーピロンと他樹脂との物性比較一覧表) ポリアリレート樹脂を成形するために、例えば市販のポ
リアリレートとして上記構造式(4)に相当するユニチ
カ(株)製のUポリマー;U100(商品名)をダイ押
出成形機で成形すると360℃程度の温度で加工しても
良好な外観のフィルムを得ることができるが、エンドレ
スベルトとして用いるために導電性付与を目的としてカ
ーボンブラックと混練してペレットを得、同様にTダイ
押出成形機にて360℃で成形してフィルムを得ようと
すると、フィルム表面に発泡による傷が発生してしま
い、良好なフィルムを得ることが出来ない。
【0033】成形温度を低く設定したり、成形機内での
滞留時間を短くすると発泡は減少するが、成形温度を低
くすると、今度はメルトフラクチャーが発生し易くなり
発泡とは別の外観不良が発生するし、樹脂温度が低いと
粘度が高くなるので、能力の高い押出成形機でないと良
好に押し出せないなどの問題点が発生する。 ○成分B:カーボンブラック 本発明では、画像形成装置用エンドレスベルトとすべ
く、導電性を付与するためにカーボンブラックを配合す
る。
【0034】しかし、一般に、ポリアリレートとカーボ
ンブラックを組み合わせた材料を溶融加工した成形体は
上で記したように発泡などの劣化を伴う。本発明では組
み合わせるカーボンブラックを限定することにより、ポ
リアリレートの一般的な成形加工温度である300〜3
60℃程度で加工しても、発泡による問題を大幅に抑制
することが出来る。
【0035】・カーボンブラックの官能基 カーボンブラックは表面に一般に水酸基、アミノ基、カ
ルボン酸などの官能基を有する。カーボンブラックと樹
脂を配合させた場合、この官能基が樹脂との間に親和性
を発揮して、カーボンブラックが樹脂に良好に分散する
が、このカーボンブラックの官能基の特徴として「加熱
により水酸基、アミノ基、カルボン酸などはそれぞれ
水、アンモニア、炭酸などとして分解ガスを発生する。
特に300℃程度から顕著に分解を始める。」 「カーボンブラックの表面の官能基は基材となっている
カーボンブラックの構造上のπ電子の影響で、ラジカル
発生源となりやすく、そのためカーボンブラックの表面
の官能基と樹脂が高温で接すると樹脂が分解劣化をしや
すくなる」ことが挙げられる。
【0036】カーボンブラックの表面の官能基の量は揮
発分としてとらえることが出来、揮発分は、JIS K
6221の揮発分同定手法により定量化することが出来
る。簡単な説明を加えると、Xgのカーボンブラックを
秤量し、JIS K6221の方法で蒸し焼きにし、残
査(残りかす)がYgであれば、揮発分は{(X−Y)
×100}/Xで算出される。
【0037】本発明では、この揮発分が1重量%(対カ
ーボンブラック重量)未満であれば、ポリアリレートの
成形加工温度である300〜360℃程度に達してもカ
ーボンブラックの表面の官能基の絶対量が少ないので、
分解ガスの絶対量も少なく、また、樹脂と接する量も少
ないので、樹脂の劣化も少なく済み、結果として、ポリ
アリレートに配合して溶融加工成形しても発泡などの不
具合のないエンドレスベルトを得ることができる。
【0038】また、揮発分が0.5重量%以下であれば
さらに劣化が少なくなるのでさらに好ましく、0.3重
量%以下であれば実質、官能基に起因する劣化現象はほ
とんど抑制されるので特に好ましい。これにより、ポリ
アリレートの樹脂としての特長を活かしつつ、導電性を
付与して画像形成装置用エンドレスベルトを得ることが
できる。
【0039】また、カーボンブラックの官能基以外の物
性には本発明においては特に制限はないが、好ましい例
などを下に列記する。 ・カーボンブラックの種類 本発明に用いるカーボンブラックの種類に特に制限はな
く、例えば、チャンネルブラック、アセチレンブラッ
ク、ファーネスブラックなどが挙げられ、これらを単独
または混合して使用することが出来る。
【0040】・比表面積 本発明に用いるカーボンブラックは導電性発現を目的と
するものである。一般にカーボンブラックは比表面積が
大きいほど粉体抵抗は低く、導電性を発現しやすいと云
われているので少量のカーボンブラック添加で導電性を
発現させるには比表面積は大きい方が好ましい。
【0041】具体的にはBET法による測定値で比表面
積は10m2/g以上が好ましく、50m2/g以上であ
るとさらに好ましい。一方、比表面積が大きすぎると、
樹脂中でのカーボンブラックの分散不良が発生したり、
カーボンブラック単位重量あたりの樹脂との接触面積も
大きくなることに起因するカーボンブラックの触媒作用
による樹脂の分解反応が生じるなどの問題点を有する。
具体的には1000m2/g以下が好ましく、500m2
/以下であると特に好ましい。
【0042】比表面積の測定はASTM D3037に
よる。 ・粒径 カーボンブラックの粒径(一次粒径を意味し、粒子が集
まって形成するストラクチャアーの径ではない)にも特
に制限はないが、一般に粒径の小さいカーボンブラック
の方が比表面積が大きく、導電性が高く、樹脂の分解反
応をさせやすいので、本発明の効果がもっとも有効に発
現できる範囲として粒径は15〜40nmを例示するこ
とが出来る。
【0043】一次粒径は電子顕微鏡観察により粒径を測
定し、場合によるが10個以上の測定値の算術平均値を
云う。 ・DBP吸油量 DBP吸油量にも特に制限はないが、本発明に用いるカ
ーボンブラックは導電性発現を目的とするものであり、
一般にカーボンブラックはDBP吸油量が大きいほど粉
体抵抗は低く、導電性を発現しやすいので少量のカーボ
ンブラック添加で導電性を発現させるにはDBP吸油量
は大きい方が好ましい。
【0044】具体的にはJIS K6221により35
mL/100g以上が好ましく、45mL/100g以
上であるとさらに好ましい。また、DBP吸油量が大き
すぎるカーボンブラックは経験的に樹脂中で分散不良を
起こすことがあるので、ある程度は小さい方が好まし
く、具体的には500mL/100g以下が好ましく、
300mL/100g以下であるとさらに好ましく、2
00mL/100g以下であると特に好ましい。
【0045】・カーボンブラックの商品例 これらの物性を満足するカーボンブラックとして三菱化
学(株)社製 SCF#4000、SCF #401
0、#4350(商品名)や電気化学(株)製デンカブ
ラック(商品名)などを例示することが出来る。 ○付加的配合材;任意成分 本発明には、各種目的に応じて任意の配合成分を配合す
ることができる。
【0046】具体的には例えば添加剤として、イルガノ
ックス1010(商品名)などのフェノール系酸化防止
剤、イルガホス168(商品名)、PEPQ(商品名)など
のリン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などの酸化防止
剤、各種可塑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑
剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、有機
・無機の各種顔料、架橋剤、架橋助剤、着色剤、発泡
剤、分散剤、銅害防止剤、帯電防止剤、流れ性改良剤等
の各種を添加することができる。
【0047】また、各種フィラーとしては、例えば炭酸
カルシウム(重質、軽質)、タルク、マイカ、シリカ、
アルミナ、水酸化アルミニウム、ゼオライト、ウオラス
トナイト、けいそう土、ガラス繊維、ガラスビーズ、ベ
ントナイト、アスベスト、中空ガラス玉、黒鉛、二硫化
モリブデン、酸化チタン、炭素繊維、アルミニウム繊
維、スチレンスチール繊維、黄銅繊維、アルミニウム粉
末、木粉、もみ殻、金属粉、導電性金属酸化物、有機金
属化合物、有機金属塩等をあげることができる。
【0048】更に、本発明の効果を著しく損なわない範
囲内で、第2,第3成分として各種熱可塑性樹脂、各種
エラストマー等の配合材を配合することができる。付加
成分熱可塑性樹脂としてはポリプロピレン、ポリエチレ
ン(高密度,中密度,低密度,直鎖状低密度)、プロピ
レンエチレンブロックまたはランダム共重合体、ゴムま
たはラテックス成分、例えばエチレン・プロピレン共重
合体ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタ
ジエン・スチレンスチレンブロック共重合体または、そ
の水素添加誘導体、ポリブタジエン、ポリイソブチレ
ン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、
ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、液晶
性ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレンサル
ファイド、ポリビスアミドトリアゾール、ポリエーテル
イミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル、ポリ
フッ素化ビニリデン、ポリフッ素化ビニル、ポリクロロ
トリフルオロエチレン、エチレンテトラフロオロエチレ
ン共重合体、、テトラフルオロエチレンヘキサフルオロ
プロピレン共重合体、パーフルオロアルキルビニルエー
テル共重合体、アクリル酸アルキルエステル共重合体、
ポリエステルエステル共重合体、ポリエーテルエステル
共重合体、ポリエーテルアミド共重合体、ポリウレタン
共重合体等の1種またはこれらの混合物からなるものが
使用できる。
【0049】付加的熱硬化性樹脂としては、例えばエポ
キシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂等の1種またはこれらの混合物からなるも
のが使用できる。 ○各成分の配合比率 本発明においては各成分の配合比率に制限はないが、よ
り、有効に効果を発現する配合比率例としては、カーボ
ンブラック濃度が低すぎると導電性が発現しないことが
あるので、カーボンブラックはポリアリレートとカーボ
ンブラックとの合計量に対し3重量%以上が好ましく、
5重量%以上であると更に好ましく、10重量%以上で
あればより好ましい。
【0050】また、カーボンブラック濃度が高すぎると
エンドレスベルトが脆くなることがあるので、カーボン
ブラックはポリアリレートとカーボンブラックとの合計
量に対し30重量%以下が好ましく、20重量%以下で
あればさらに好ましく、15重量%以下であると特に好
ましい。しかしながら、現実的には、後述する望ましい
抵抗レベルが得られるようにカーボンブラックの導電性
の程度と兼ねあわせて設定することが必要である。 ○画像形成装置用エンドレスベルトに必要な物性 本発明では各成分からなる樹脂組成物を成形して、画像
形成装置用エンドレスベルトとして使用する。
【0051】また、本発明で目指すエンドレスベルト
は、一度平面状のフィルムに成形し、後に筒状に継ぎ合
わせても良く、初めから継ぎ目の無いチューブ状に成形
し、これを輪切りにするなどしてシームレスベルトとし
て成形しても良いが、継ぎ目のないシームレスベルトと
して成形する方が、画像形成装置に使用したときに継ぎ
目が画像に影響を与えることがないのでより好ましい。
【0052】画像形成装置用エンドレスベルトは例え
ば、中間転写ベルト、搬送転写ベルト、感光体ベルト、
トナージェット用ベルトなどを例示することが出来る。
画像形成装置用エンドレスベルトに要求される物性とし
ては、抵抗値、膜厚などが挙げられる。 ・抵抗値 本発明のエンドレスベルトは画像形成装置に用いること
を想定しているので、ある程度の導電性を有する必要が
ある。
【0053】カーボンブラックの適量の配合により導電
性が発現し、導電性は例えば体積固有抵抗率の測定で定
量的に評価することが出来る。好適な測定器として以下
の機器を例示することが出来る。 抵抗計;超高抵抗計R8340A(商品名)(アドバン
テスト(株)社製) 電極 ;超高抵抗測定用試料箱TR42(商品名)(ア
ドバンテスト(株)社製) 画像形成装置用としては、体積固有抵抗率が1〜1015
Ω・cmの範囲であることが好ましいが、画像形成装置
内での用途により好適な抵抗力はさらに細分される。
【0054】感光体基体用エンドレスベルト、定着用エ
ンドレスベルト等に使用する場合には、体積固有抵抗率
は、1〜106Ω・cmが特に好ましい。中間転写用エ
ンドレスベルト、現像用エンドレスチューブ、帯電用エ
ンドレスチューブに使用する場合には、体積固有抵抗率
は107〜1013Ω・cmが特に好ましい。
【0055】搬送転写用エンドレスベルト等に使用する
場合には体積固有抵抗率は、108〜1015Ω・cmが
特に好ましい。また、エンドレスベルトが多層構造にな
っている場合には、いずれかの層或いは複数の層のトー
タルとしてこれらの抵抗領域に相当することが望まし
い。それぞれ、好ましい抵抗領域でエンドレスベルト1
本中の抵抗値の分布は小さい方が好ましく、1本のベル
ト中の抵抗値の最大値/抵抗値の最小値(比)が1〜1
00が好ましく、1〜10であればなお好ましい。 ・膜厚 シームレスベルトの厚みは、50μm以上1000μm
以下が好ましく、100μm以上700μm以下が更に
好ましい。50μm未満になるとシームレスベルトが伸
び易くなるため、画像の色むら等の問題が生じる恐れが
ある。
【0056】また、耐電圧が不足し、転写に必要な電荷
を付与するのに十分な電圧を印加することができなくな
る。また、1000μmを超えると柔軟な変形が困難に
なるため、小径ロールによる均一な速度の駆動ができ
ず、画像の転写ズレが生じる。更に、静電容量が小さく
なるため、高電圧を印加しないと転写に必要な電荷を付
与することができず、電源装置の高コスト化、大型化の
みならず、周辺機器部品間での放電等の問題が生ずる。 ○エンドレスベルトの製造方法 一般に押出し成形法が採用されている。
【0057】押出成形法としては、各成分を、一軸押出
機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベ
ンダー、プラストグラフ、ニーダー等の通常の混練機を
用いて混練して一度ペレット状にした後、押出成形加工
に供するのが一般的であるが、特殊な場合は各成分を直
接成形機に供給し、成形機で本組成物を混練しながら成
形することもできるが、本発明に用いるカーボンブラッ
クは揮発分1%未満と官能基が少ないので樹脂への分散
性が悪く、凝集体を作ったり、抵抗値の分布が悪くなっ
たりすることがあるので、強力に分散させることの出来
る二軸混練押出機を用いることが好ましい。混練条件
も、回転数を上げるなど十分に分散できる条件を選択す
ることが好ましい。
【0058】また、各成分を混練するにおいて全成分を
一度に混練しても良く、一部の成分を先に混練してマス
ターバッチとしても良い。マスターバッチを製造する時
には分散性を均一にさせることが目的であることが多い
ので凝集体を分散させるように混練条件を強化して混練
することが好ましい。
【0059】上記のペレットを用いてTダイ成形機など
で押出成形にてフィルム状に成形し、必要な形状に切り
開いた後、筒状に継ぎ合わせてエンドレスベルトを得る
事が出来る。シームレスベルトとして成形する場合に
は、上記ペレットを環状ダイなどを用いて筒状のシーム
レスチューブを成形し、次いでこのシームレスチューブ
を輪切り状に切断することによりシームレスベルトが製
造される。
【0060】押出成形にてシームレスチューブを作製す
る場合、内部応力を均一化する方法として、内部冷却マ
ンドレル法やアウトサイジング法が提案されているが、
いずれの場合でも、溶融押出しされてから冷却固化され
るまでの間に、ある特定の方向にテンションが加えられ
引き取られながら成形される。なお、ベルトの直径が3
0mm以上の場合には、連続溶融押出成形法の中でも、
押し出したチューブの内径を高精度で制御可能な重力に
影響を受けない下方押出方式の内部冷却マンドレル方式
が好適であり、直径30mm未満の場合には、内部冷却
マンドレル方式に加えて、バキュームサイジング方式が
好適である。
【0061】押し出されたシームレスベルトは必要な導
電性、厚みの均一性、機械的強度を有していなければな
らないため、無延伸状態(実質的に延伸を加えない状
態)で引き取られることが望ましい。これは、延伸操作
により、機械的強度の向上は期待できるが、導電性の均
一性が損なわれること、延伸方向に裂け易くなるため耐
久性も損なわれてしまう等の問題が生じるからである。
【0062】成形されたシームレスチューブを輪切り状
に切断してシームレスベルトを製造するには、所要幅の
シームレスチューブを1対の平行なロール間に張り渡
し、ロールを回転させながらシームレスチューブにカッ
ターの刃を当てシームレスチューブを正確にその周方向
に沿って切断する方法を採用するのが簡便であるが、他
の方法によっても良い。
【0063】
【実施例】本発明について実施例および比較例を示して
より具体的に説明するが、これらに、何ら制限されるも
のではない。 実施例1 表1に示す割合で各成分を配合し、ベント式二軸混練押
出機PMT32(商品名)(IKG(株)社製)にてペ
レット化した。回転数は250rpmとした。混練温度
は340℃設定とした。
【0064】得たペレットを、130℃で8時間乾燥し
た後、環状スリットの内径180mm、リップ幅1mm
の環状ダイ付き40mmφの押出機により、環状ダイ下
方に溶融チューブ状態で押し出した。成形機中での樹脂
温度は全ての実施例、比較例においてポリアリレート樹
脂の一般的な加工温度である330〜360℃範囲内に
なるように調整しつつ成形した。
【0065】押し出した溶融チューブを環状ダイと同一
軸線上に支持棒を介して装着した外径170mmの冷却
マンドレルの外表面に接しめて冷却固化させつつシーム
レス形のエンドレスベルトを成形した。次にシームレス
ベルトの中に設置されている中子と外側に設置されてい
るロールにより、シームレスベルトを円筒形を保持した
状態で引き取りつつ、340mmの長さで輪切りにし
た。
【0066】目標の厚みとできるよう、滞留時間と押出
量と引取速度を調整して、直径約169mmのシームレ
スベルト形のエンドレスベルトを得た。フィルム厚は1
30μm設定とし、出来る限り分布が均一になるように
調整しながら成形した。得られたシームレスベルトを用
いて各種試験によって性能を評価し、その結果を表1に
示した。
【0067】なお、用いた成形材料および性能評価方法
を次に示す。 (A)ポリアリレート(PAr) Uポリマー U100(商品名;ユニチカ(株)社製) (ビスフェノールAと芳香族ジカルボン酸からなるポリ
アリレート樹脂。
【0068】説明中の構造式(2)の樹脂に該当す
る。) (B)カーボンブラック ・カーボンブラック SFC #4350 (商品名;三菱化学(株)製)
揮発分 0.3%比表面積 38m2/g、 粒径5
0nm、 DBP吸油量169cm3/100g LFF MA100 (商品名;三菱化学(株)製)
揮発分 1.5%比表面積 110m2/g、 粒径2
4nm、 DBP吸油量100cm3/100g LFF MA200RB(商品名;三菱化学(株)製)
揮発分 5.5%比表面積 78m2/g、 粒径3
0nm、 DBP吸油量 91cm3/100g 〔性能評価方法] ○厚み 東京精密(株)製イクロメータを用いてエンドレスベル
トの円周方向20mmピッチで測定した。 ○体積固有抵抗率 抵抗計 ;超高抵抗計R8340A(商品名)(アドバ
ンテスト(株)社製) 電極 ;超高抵抗測定用試料箱TR42(商品名)
(アドバンテスト(株)社製) 印加電圧100V、電圧印加後10秒後の値を代表値と
した。
【0069】但し、測定器の測定可能領域の都合上、1
00Vで測定できないサンプル(実質的に3×107Ω・
cm以下に相当)は、印加電圧10Vとして測定した。
エンドレスベルト円周方向に20mmピッチで測定し、
各エンドレスベルト毎に最大値、最小値、および最大値
/最小値を得た。使用するカーボンブラックの揮発分が
低いので成形品の表面にも発泡などによる不具合が発生
しなかった。
【0070】体積固有抵抗率が109Ω・cm代なので
中間転写ベルトとして好適に用いることが出来る。本エ
ンドレスベルトを画像形成装置に搭載して画像を出した
ところ、良好な画像を得た。 実施例2 表1に示す配合割合とした他は実施例1と同様にしてよ
りカーボン濃度を下げることにより体積固有抵抗率が1
11Ω・cm〜1012Ω・cm代のエンドレスベルトを
得た。
【0071】実施例1同様、成形品の表面にも発泡など
による不具合が発生しなかった。これは搬送転写ベルト
として好適に用いることが出来る。本エンドレスベルト
を画像形成装置に搭載して画像を出したところ、良好な
画像を得た。 実施例3 表1に示す配合割合とした他は実施例1と同様にしてカ
ーボン濃度を上げることで体積固有抵抗率が106Ω・
cm代のエンドレスベルトを得た。
【0072】実施例1同様、成形品の表面にも発泡など
による不具合が発生しなかった。これは感光体ベルトと
して好適に用いることが出来る。本エンドレスベルトを
画像形成装置に搭載して画像を出したところ、良好な画
像を得た。 比較例1 表1に示す配合割合とした他は実施例1と同様にしてポ
リアリレートと揮発分1.5%のカーボンブラック(M
A100)からなるエンドレスベルトを得た。
【0073】使用するカーボンブラックの揮発分が高い
ので330〜360℃の成形温度での成形中、分解ガス
が発生してしまい、エンドレスベルト表面に発泡傷が生
じて外観が悪くなった。 比較例2 表1に示す配合割合とした他は実施例1と同様にしてポ
リアリレートと揮発分5.5%のカーボンブラック(M
A200RB)からなるエンドレスベルトを得た。
【0074】使用するカーボンブラックの揮発分が比較
例1よりもさらに高いので330〜360℃の成形温度
での成形中、分解ガスが発生してしまい、エンドレスベ
ルト表面に発泡傷が生じて比較例1より外観が悪くなっ
た。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】本発明によれば、ベース樹脂にポリアリ
レートを選択することにより、耐クリープ性や靱性や難
燃性や低コスト性に優れ、また、特定のカーボンブラッ
クと組み合わせることによりポリアリレートの成形加工
温度で成形しても発泡などの劣化を生じさせずに導電性
を付与させしめた、画像形成装置用エンドレスベルトを
提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 中間転写装置の側面説明図である。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 帯電器 3 露光光学系 4 現像器 5 クリーナー 6 エンドレスベルト 7 搬送ローラ 8 搬送ローラ 9 搬送ローラ 10 静電転写機 11 記録紙 12 押圧ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 21/00 350 G03G 21/00 350 (72)発明者 大津 紀宏 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社四日市事業所内 Fターム(参考) 2H003 BB11 CC04 2H032 BA09 BA18 DA13 2H035 CA05 CB06 2H077 AD07 FA12 FA16 FA22 FA27 4J002 CF161 DA036 GM01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分A、成分Bを少なくとも含有
    することを特徴とする画像形成装置用エンドレスベル
    ト。 成分A:ポリアリレート 成分B:揮発分1%未満のカーボンブラック
  2. 【請求項2】 成分Aのポリアリレートがビスフェノー
    ルAと芳香族ジカルボン酸からなるポリアリレートであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置用エ
    ンドレスベルト。
  3. 【請求項3】 各成分の重量比が、成分B/成分A=3
    /97〜30/70であることを特徴とする請求項1又
    は2に記載の画像形成装置用エンドレスベルト。
  4. 【請求項4】 体積固有抵抗率が1〜1015Ω・cmの
    範囲で、かつ、1本のベルト中の体積固有抵抗率の最大
    値/最小値が1〜100であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載の画像形成装置用エンドレスベ
    ルト。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の画像形
    成装置用エンドレスベルトを具備してなることを特徴と
    する画像形成装置。
JP2001008661A 2001-01-17 2001-01-17 画像形成装置用エンドレスベルト Pending JP2002214923A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001008661A JP2002214923A (ja) 2001-01-17 2001-01-17 画像形成装置用エンドレスベルト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001008661A JP2002214923A (ja) 2001-01-17 2001-01-17 画像形成装置用エンドレスベルト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002214923A true JP2002214923A (ja) 2002-07-31

Family

ID=18876249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001008661A Pending JP2002214923A (ja) 2001-01-17 2001-01-17 画像形成装置用エンドレスベルト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002214923A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006139206A (ja) * 2004-11-15 2006-06-01 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP2015084064A (ja) * 2013-10-25 2015-04-30 富士ゼロックス株式会社 管状体、管状体ユニット、中間転写体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
CN113552787A (zh) * 2020-04-23 2021-10-26 佳能株式会社 电子照相用带和电子照相图像形成设备

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006139206A (ja) * 2004-11-15 2006-06-01 Bridgestone Corp 導電性エンドレスベルトおよびこれを用いた画像形成装置
JP2015084064A (ja) * 2013-10-25 2015-04-30 富士ゼロックス株式会社 管状体、管状体ユニット、中間転写体、画像形成装置、およびプロセスカートリッジ
CN113552787A (zh) * 2020-04-23 2021-10-26 佳能株式会社 电子照相用带和电子照相图像形成设备

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4563665B2 (ja) 半導電性フィルム、電荷制御部材、及び半導電性フィルムの製造方法
JP2845059B2 (ja) シームレスベルト
JPH06228335A (ja) シームレスベルト
JP3948227B2 (ja) エンドレスベルト、画像形成装置用ベルト及び画像形成装置
JP3275394B2 (ja) シームレスベルト
JPH06149079A (ja) シームレスベルト
JP2007047810A (ja) シームレスベルト、画像形成装置用ベルト及び画像形成装置
JP2002214923A (ja) 画像形成装置用エンドレスベルト
JP2002249648A (ja) 成形部材、エンドレスベルト、画像形成装置用ベルト及び画像形成装置
JP4740566B2 (ja) 半導電性フィルム、その製造方法及び電荷制御部材
JP3919376B2 (ja) ベルト状転写部材の製造方法
JP7447451B2 (ja) 無端ベルト、無端ベルトの製造方法、転写装置、及び画像形成装置
JP2001305891A (ja) シームレスベルト、画像形成装置用ベルト及び画像形成装置
JPH05193020A (ja) シームレスベルト
JP2002214928A (ja) エンドレスベルト、画像形成装置用ベルト及び画像形成装置
JP2002214924A (ja) 画像形成装置用エンドレスベルト
JP2792359B2 (ja) シームレスベルト
JP2002196590A (ja) エンドレスベルト、画像形成装置用ベルト及び画像形成装置
JP3671840B2 (ja) シームレスベルト、画像形成装置用ベルト及び画像形成装置
JPH07172613A (ja) シームレスベルト
JP3758500B2 (ja) エンドレスベルト、画像形成装置用ベルト及び画像形成装置
JP2003012949A (ja) 成形部材、エンドレスベルト、画像形成装置用ベルト及び画像形成装置
JP2006154062A (ja) 電子写真用熱可塑性樹脂製エンドレスベルト、電子写真用熱可塑性樹脂製エンドレスベルトを有する電子写真装置および電子写真用熱可塑性樹脂製エンドレスベルトの製造方法
JP3582486B2 (ja) 成形部材、エンドレスベルト、画像形成装置用ベルト及び画像形成装置
JP3636103B2 (ja) 成形部材、エンドレスベルト、画像形成装置用ベルト及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040412

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070327