JP2002207097A - 放射性物質の除染方法及び装置 - Google Patents

放射性物質の除染方法及び装置

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JP2002207097A
JP2002207097A JP2001001378A JP2001001378A JP2002207097A JP 2002207097 A JP2002207097 A JP 2002207097A JP 2001001378 A JP2001001378 A JP 2001001378A JP 2001001378 A JP2001001378 A JP 2001001378A JP 2002207097 A JP2002207097 A JP 2002207097A
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radioactive
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radioactive substance
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Tadahiro Yoshimura
忠宏 吉村
Akira Tanaka
皓 田中
Katsunori Shinohara
勝則 篠原
Osamu Kanehira
修 兼平
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被汚染物に付着した放射性物質を簡便かつ効
率的に回収し得る。 【解決手段】 粉末状の放射性物質が付着した被汚染物
を超臨界又は液体状態の二酸化炭素に接触させる前処理
工程11と、二酸化炭素を減圧して気体状態にすること
により放射性物質を被汚染物から分離させる分離工程1
2とを含む放射性物質の除染方法である。この方法では
分離した放射性物質に液体状態の二酸化炭素を供給して
フラッシングする洗浄工程13と、洗浄された流体を放
射性物質の凝集体と流体とに分離して凝集体を回収する
第1回収工程14と、分離した流体を減圧して液体状態
の二酸化炭素を気体状態にして体積を増大させて流体に
流速を与える減圧工程16と、放射性物質の微粒子と気
体状態の二酸化炭素とに分離して微粒子を回収する第2
回収工程17と、分離した気体状態の二酸化炭素を加圧
して、超臨界又は液体状態の二酸化炭素にする加圧工程
18とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被汚染物である放
射性廃棄物に付着した放射性物質を除去し得る放射性物
質の除染方法及び装置に関する。更に詳しくは、超臨界
又は液体状態の二酸化炭素の性質を利用した放射性物質
の除染方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力施設で発生する放射性廃棄物は処
分に当たってできるだけ除染することにより放射能レベ
ルを低下させるとともに、可能な限りリサイクルするこ
とにより発生量自体を低減化することが望ましい。放射
性廃棄物に付着している元素のうち、例えばプルトニウ
ム等は数mgという微量の付着量であっても放射線量が
高く、廃棄物としての長期保管が困難な場合があるた
め、十分な除染が必要である。
【0003】放射性廃棄物の表面状態は様々で、表面の
微細な溝等に付着した放射性物質は拭き取りによる洗浄
では期待する除染効果が得られない。またアルミナ粉末
等の除染媒体により廃棄物表面を研磨しつつ除染する方
法もあるが、除染した放射性物質が再付着したり、除染
媒体が接近できない部分が多い等、除染の程度には限界
がある。これに対して硝酸を用いた洗浄では、被汚染物
である放射性廃棄物の表面状態に係らず除染効果が期待
できるため、表面の微細な溝等に付着した放射性物質を
除去する場合に有効である。しかしこの硝酸を用いた洗
浄方法では、除染した廃液が生じるため廃液の処理が必
要であるだけでなく、プルトニウムの酸化物など硝酸で
溶けにくい物質に対しては十分な効果が期待できない。
電解槽で2価の銀イオンを含む硝酸溶液を生成してこの
イオンの酸化作用により溶解するという方法もあるが、
特殊かつ複雑なシステムとなる。更に溶液を用いた除染
では、放射性物質がプルトニウム等臨界管理が必要な物
質である場合、除染装置での取扱量が制限されたり、除
染装置の大きさが制限される。上述したように放射性廃
棄物の除染方法にはいくつかの方法があるが、それぞれ
期待する除染効果を得ることが困難であったり、付帯設
備が必要であったり、また臨界管理の観点から放射性廃
棄物の取扱量や装置の大きさに制限が付加されていた。
【0004】これら上記方法の問題点を解決する方法と
して、超臨界又は液体状態の二酸化炭素を用いて除染す
る方法がある。この方法は超臨界又は液体状態の二酸化
炭素の有する高拡散性と、圧力低下により容易に気化す
る二酸化炭素の性質とを利用するものであり、先ず放射
性廃棄物の表面や微細部に存在する放射性物質に対して
超臨界又は液体状態の二酸化炭素を浸透させ、続いて圧
力を低下して二酸化炭素を瞬時に気化させ、二酸化炭素
が急激に膨張することにより放射性物質を被汚染物であ
る放射性廃棄物から分離させる。
【0005】この方法を用いた放射性物質の除染装置は
図3に示すように、密閉され所定温度及び圧力に耐え得
る洗浄装置1を有する。洗浄装置1の一方には供給口1
aが他方には排出口1bがそれぞれ設けられる。排出口
1bは管路2を介してフィルタ3頂部の供給口3aに接
続される。管路2の途中にはバルブ2aが設けられる。
フィルタ3側部には排出口3bが設けられる。排出口3
bは管路4を介してコンプレッサ6に接続される。管路
4の途中にはバルブ4a、バッファタンク4bが設けら
れる。コンプレッサ6は管路7を介して洗浄装置1の供
給口1aに接続される。管路7の途中にはバルブ7a、
バッファタンク7b及びバルブ7cが上流側からこの順
に設けられる。
【0006】このように構成された装置では洗浄装置1
内に供給した粉末状の放射性物質が付着した被汚染物を
超臨界又は液体状態の二酸化炭素と接触させる。次いで
バルブ2aを解放して洗浄装置1内の圧力を低下させ、
二酸化炭素を瞬時に気化することにより放射性物質を被
汚染物である放射性廃棄物から分離させる。この洗浄に
より洗浄装置や循環パイプ等の内部に粉末状の放射性物
質が残留し、繰返し洗浄を行っていくと粉末状の放射性
物質がパイプ等に蓄積しこれらを閉塞するおそれがあ
る。そのため洗浄後の二酸化炭素と放射性物質を含む流
体から放射性物質のみをフィルタ3により分離、捕集す
る。放射性物質を捕集した後の二酸化炭素はコンプレッ
サ6により圧縮して洗浄装置1へ再供給される。このよ
うに二酸化炭素はリサイクルされているため環境に対す
る配慮がなされているばかりでなく、臨界管理上の制限
から水や硝酸等の水素原子を含む洗浄剤を使用できない
か、或いは使用に制限がある区域(禁水区域等という)
での放射性廃棄物の除染方法として使用される。フィル
タにより粉末状の放射性物質を捕集した後は、定期的に
フィルタ等は取外して新品と交換される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このフィルタ
の交換は除染装置全体がグローブボックス等の放射性物
質を閉じ込める機器に収納されているため、交換作業が
繁雑であった。また捕集したフィルタより放射性物質を
回収する作業が必要であり、回収後のフィルタ自体が放
射性廃棄物となってしまう問題があった。本発明の目的
は、被汚染物に付着した放射性物質を簡便かつ効率的に
回収し得る放射性物質の除染方法及び装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
図1に示すように、粉末状の放射性物質が付着した被汚
染物を超臨界又は液体状態の二酸化炭素に接触させる前
処理工程11と、超臨界又は液体状態の二酸化炭素を減
圧して超臨界又は液体状態の二酸化炭素を気体状態にす
ることにより放射性物質を被汚染物から分離させる分離
工程12とを含む放射性物質の除染方法において、分離
工程12で分離した放射性物質に液体状態の二酸化炭素
を供給して前記放射性物質を洗浄する洗浄工程13と、
洗浄工程13で洗浄された放射性物質と液体状態の二酸
化炭素とを含む流体を放射性物質の凝集体と流体とに分
離して放射性物質の凝集体を回収する第1回収工程14
と、第1回収工程14で分離した流体を減圧して流体に
含まれる液体状態の二酸化炭素を気体状態にして体積を
増大させることにより流体に流速を与える減圧工程16
と、流体を放射性物質の微粒子と気体状態の二酸化炭素
とに分離して放射性物質の微粒子を回収する第2回収工
程17と、第2回収工程17で分離した気体状態の二酸
化炭素を加圧して、超臨界又は液体状態の二酸化炭素に
する加圧工程18とを有することを特徴とする放射性物
質の除染方法である。請求項1に係る発明では、前処理
工程11、分離工程12及び洗浄工程13を経ることに
より、超臨界又は液体状態の二酸化炭素の有する高拡散
性と、圧力低下により容易に気化する二酸化炭素の性質
とを利用して被汚染物より放射性物質を分離し、第1回
収工程14で粒径の大きい放射性物質の凝集体を流体よ
り分離して放射性物質の凝集体を回収する。減圧工程1
6及び第2回収工程17では二酸化炭素を気体状態にし
て流体に流速を与え、粒径の小さい放射性物質の微粒子
を流体より分離して放射性物質の微粒子を回収する。加
圧工程18では気体状態の二酸化炭素を超臨界又は液体
状態の二酸化炭素にする。このように上記工程を経るこ
とにより被汚染物より放射性物質を効率的に除染する。
【0009】請求項2に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、第1回収工程が固液分離又は沈降分離によ
り行われる放射性物質の除染方法である。請求項2に係
る発明では、第1回収工程では固液分離又は沈降分離に
より流体から粒径が大きい放射性物質の凝集体を分離し
て放射性物質の凝集体を回収する。
【0010】請求項3に係る発明は、請求項1に係る発
明であって、第2回収工程が固気分離により行われる放
射性物質の除染方法である。請求項3に係る発明では、
第2回収工程では固気分離により流体から粒径の小さい
微粒子を分離して放射性物質の微粒子を回収する。
【0011】請求項4に係る発明は、請求項1ないし3
いずれかに係る発明であって、加圧工程で得られた超臨
界又は液体状態の二酸化炭素を前処理工程へ供給すると
ともに超臨界又は液体状態の二酸化炭素の一部を第2回
収工程に逆洗供給する放射性物質の除染方法である。請
求項4に係る発明では、加圧工程で得られた超臨界又は
液体状態の二酸化炭素を前処理工程へリサイクルする。
また、超臨界又は液体状態の二酸化炭素の一部を第2回
収工程に逆洗供給して第2回収工程におけるフィルタの
目詰まりを防ぎ、効果的に分離回収する。
【0012】請求項5に係る発明は、図2に示すよう
に、粉末状の放射性物質が付着した被汚染物を超臨界又
は液体状態の二酸化炭素により洗浄して放射性物質を被
汚染物から分離させて除去する洗浄装置21と、洗浄装
置21で除去した放射性物質と液体状態の二酸化炭素と
を含む流体を放射性物質の凝集体と流体とに分離する固
液分離器23と、固液分離器23で分離した流体を減圧
して流体に含まれる液体状態の二酸化炭素を気体状態に
して体積を増大させることにより流体に流速を与えるベ
ンチュリ27と、流体を放射性物質の微粒子と気体状態
の二酸化炭素とに分離する固気分離器26と、固気分離
器26で分離した気体状態の二酸化炭素を加圧するコン
プレッサ29とを備えた放射性物質の除染装置である。
請求項5に係る発明では、洗浄装置21で放射性物質を
被汚染物から分離させ、固液分離器23で粒径の大きな
放射性物質の凝集体を流体より分離する。ベンチュリ2
7で流体を減圧して気化させることにより、流体に流速
を与えて粒径の小さい放射性物質の微粒子を分離し易く
し、固気分離器26で放射性物質の微粒子を分離する。
このように2段階による分離を施すため、放射性物質の
回収率が向上できる。また、ベンチュリ27で流体に含
まれる液体状態の二酸化炭素を減圧して気体状態の二酸
化炭素としたため、超臨界又は液体状態の二酸化炭素に
よる固気分離器26の逆洗が可能となる。従って、フィ
ルタの目詰まりを防ぐとともに、フィルタの交換頻度を
低減できる。
【0013】
【発明の実施の形態】放射性廃棄物に付着した粉末状の
放射性物質はサブミクロンと呼ばれる1μm未満の極め
て微細な粒子から数mm以上の粉末の凝集体まで極めて
広い粒径分布を有する。本発明における放射性物質の凝
集体の粒径は100μm〜30mmであり、放射性物質
の微粒子の粒径は0.1〜500μmである。
【0014】次に本発明の除染方法について図1に基づ
いて説明する。先ず、粉末状の放射性物質が付着した被
汚染物を超臨界又は液体状態の二酸化炭素に接触させる
(前処理工程11)。この工程11では洗浄溶媒として
超臨界又は液体状態の二酸化炭素を被汚染物と接触させ
る。この工程11での超臨界又は液体状態の二酸化炭素
の温度及び圧力条件は10〜150℃、4.5〜25M
Paである。温度及び圧力条件は被汚染物、放射性物質
など様々な条件によって異なるが、より好ましくは20
〜50℃、5.7〜10MPaである。処理の開始時に
は図1の破線に示すように外部より超臨界又は液体状態
の二酸化炭素を供給する。この外部からの供給は後述す
る加圧工程18で得られる超臨界又は液体状態の二酸化
炭素が前処理工程11の洗浄溶媒としてリサイクルされ
るまで行われる。次いで、被汚染物に接触させた超臨界
又は液体状態の二酸化炭素を減圧して気体状態の二酸化
炭素にして放射性物質を被汚染物から分離させる(分離
工程12)。この工程12では二酸化炭素の圧力を0.
05〜1MPaの範囲まで減圧することにより二酸化炭
素を気体状態に変化させ、気体状態に変化する際の急激
な体積膨張を利用して放射性物質を被汚染物から分離さ
せる。
【0015】次に、分離した放射性物質に液体状態の二
酸化炭素を供給して放射性物質を洗浄(フラッシング:
flushing)する(洗浄工程13)。この工程13では被
汚染物より分離した放射性物質が洗浄装置等に残留する
のを防止するため洗浄装置に液体状態の二酸化炭素を供
給して放射性物質をフラッシングする。洗浄に用いる液
体状態の二酸化炭素の温度及び圧力条件は10〜25
℃、4.5〜6.5MPaがよい。この洗浄により放射
性物質は二酸化炭素とスラリーを形成する。洗浄工程1
3で洗浄された放射性物質と液体状態の二酸化炭素とを
含む流体を放射性物質の凝集体と流体とに分離して放射
性物質の凝集体を回収する(第1回収工程14)。この
工程14では固液分離又は沈降分離により分離が行わ
れ、比較的粒径の大きい放射性物質の凝集体を回収す
る。分離される放射性物質の凝集体の粒径は100μm
〜30mm程度である。
【0016】次に、流体に含まれる液体状態の二酸化炭
素の圧力を減圧して気体状態の二酸化炭素にする(減圧
工程16)。この工程16では液体状態の二酸化炭素を
減圧して気体状態にすることにより、流体の体積を膨張
させて流体に流速を与える。流速を増大させることによ
り後述する第2分離工程17において放射性物質の微粒
子を流体より分離し易くする。圧力条件は0.05〜1
MPaの範囲に調整する。次に、流体を放射性物質の微
粒子と気体状態の二酸化炭素とに分離して放射性物質の
微粒子を回収する(第2回収工程17)。この工程17
では前述した減圧工程16において増大させた流速を利
用して流体を粒径0.1〜500μmの放射性物質の微
粒子と気体状態の二酸化炭素とに分離する。最後に、分
離した気体状態の二酸化炭素の圧力を加圧して超臨界又
は液体状態の二酸化炭素にする(加圧工程18)。この
工程18では第2回収工程17において分離された気体
状態の二酸化炭素を加圧して超臨界又は液体状態の二酸
化炭素にする。この工程での圧力条件は4.5〜25M
Paである。得られた超臨界又は液体状態の二酸化炭素
は前処理工程11の洗浄溶媒としてリサイクルされる。
また、超臨界又は液体状態の二酸化炭素の一部は第2回
収工程17に送られて逆洗するための洗浄溶媒として使
用される。第2回収工程17は粒径が小さい微粒子を分
離する工程であるため、フィルタが目詰まりする。逆洗
を行うことによりフィルタの目詰まりを解消する。第2
回収工程における二酸化炭素の圧力は加圧工程の圧力よ
り低いため、逆洗が可能となる。
【0017】次に、本発明の除染装置について図2に基
づいて説明する。放射性物質の除染装置20は、密閉さ
れ所定温度及び圧力に耐え得る洗浄装置21を有する。
洗浄装置21の一方には供給口21aが他方には排出口
21bがそれぞれ設けられる。排出口21bは管路22
を介して固液分離器23側部の供給口23aに接続され
る。管路22の途中にはバルブ22aが設けられる。固
気分離器23底部には放射性物質の凝集体の回収口23
bが、頂部には排出口23cがそれぞれ設けられる。排
出口23cは管路24を介して固気分離器26側部の供
給口26aに接続される。管路24途中にはベンチュリ
27が設けられる。固気分離器26底部には放射性物質
の微粒子の回収口26bが、頂部には逆洗供給口26c
が、側部には排出口26dがそれぞれ設けられる。排出
口26dは管路28を介してコンプレッサ29に接続さ
れる。管路28途中にはバッファタンク31が設けられ
る。コンプレッサ29は管路32を介して洗浄装置21
の供給口21aに接続される。管路32の途中には三方
弁32a,32bがそれぞれ設けられる。三方弁32a
は管路33を介して固気分離器26頂部の逆洗供給口2
6cに接続され、三方弁32bは管路34を介して管路
24の途中に接続される。管路34の途中には圧力調整
槽36、バルブ37がそれぞれ備えられる。
【0018】このように構成された装置では、先ず洗浄
装置21内に供給した粉末状の放射性物質が付着した被
汚染物を超臨界又は液体状態の二酸化炭素と接触させ
る。次いでバルブ22aを解放して洗浄装置21内の圧
力を低下させる。この圧力低下により二酸化炭素を瞬時
に気化させ、二酸化炭素が急激に膨張することにより放
射性物質を被汚染物である放射性廃棄物から分離させ
る。バルブ22aを閉じて気体状態にした二酸化炭素を
液体状態の二酸化炭素に戻し、この液体状態の二酸化炭
素により洗浄装置内をフラッシングする。フラッシング
した液体状態の二酸化炭素と放射性物質を含む流体は洗
浄装置21より管路22を介して固液分離器23に送ら
れる。次いで、固液分離器23に送られた流体はここで
粒径100μm〜30mmの放射性物質の凝集体が分離
される。分離された放射性物質の凝集体は固液分離器2
3底部の回収口23bより回収される。流体は頂部の排
出口23cより排出されてベンチュリ27に送られる。
ベンチュリ27では減圧されて流体に含まれる二酸化炭
素を気体状態にして流体を膨張させ、流体の流速を増大
させる。膨張した流体は固気分離器に送られ、ここで流
体は粒径0.1〜500μmの放射性物質の微粒子と気
体状態の二酸化炭素とに分離される。放射性物質の微粒
子は固気分離器底部の回収口26bより回収され、気体
状態の二酸化炭素は側部の排出口26dよりバッファタ
ンク31に送られる。
【0019】次に、バッファタンク31に貯えられた気
体状態の二酸化炭素はコンプレッサ29に送られ、二酸
化炭素はコンプレッサ29で4.5〜10MPaまで加
圧されて超臨界又は液体状態の二酸化炭素になる。加圧
された超臨界又は液体状態の二酸化炭素は再び洗浄装置
21の供給口21aに送られてリサイクルされる。この
超臨界又は液体状態の二酸化炭素の一部は三方弁32a
で流路を切替えて、管路33を介して固気分離器26頂
部の逆洗供給口26cより供給して固気分離器を逆洗さ
せる。また、三方弁32bで流路を切替えることによ
り、ベンチュリ27で減圧された流体の圧力を圧力調整
槽36とバルブ37とで調整する。なお、本発明の実施
の形態では流体を減圧するためにベンチュリ27を用い
たが、オリフィスやチョーク等を用いて減圧してもよ
い。また、洗浄装置21の一方に供給口21cを設け、
この供給口21cに管路38を介して液体二酸化炭素供
給手段39を接続し、管路38途中にはバルブ41が設
けてもよい。これによりバルブ41を解放して液体二酸
化炭素供給手段39から液体状態の二酸化炭素を洗浄装
置21に供給して洗浄装置内をフラッシングすることも
できる。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例を説明する。 <実施例1>先ず、粉末状の放射性物質が付着した被汚
染物の模擬物質としてウランの酸化物100mgが付着
した被汚染物を用意した。先ずこの被汚染物を図2に示
す除染装置の洗浄装置内に供給して温度20℃、圧力
5.7MPaの二酸化炭素と接触させた。次いで洗浄装
置内の圧力を0.2MPaに低下させて付着しているウ
ラン酸化物を被汚染物から分離させた。次いで、液体状
態の二酸化炭素とウラン酸化物を含む流体を固液分離器
23に送り、ウラン酸化物の凝集体を分離した。次に、
流体をベンチュリ27で減圧して流体に含まれる二酸化
炭素を気体状態にして固気分離器に送り、ウラン酸化物
の微粒子を分離した。最後に固液分離器及び固気分離器
により分離したウラン酸化物をそれぞれ回収した。
【0021】<実施例2>コバルトの酸化物50mgが
付着した被汚染物を模擬物質として用いた以外は実施例
1と同一の除染装置を使用し、実施例1と同様の条件で
コバルトの酸化物を回収した。 <実施例3>ルテニウムの酸化物75mgが付着した被
汚染物を模擬物質として用いた以外は実施例1と同一の
除染装置を使用し、実施例1と同様の条件でルテニウム
の酸化物を回収した。 <実施例4>ストロンチウムの酸化物40mgが付着し
た被汚染物を模擬物質として用いた以外は実施例1と同
一の除染装置を使用し、実施例1と同様の条件でストロ
ンチウムの酸化物を回収した。
【0022】<比較例1>実施例1と同一の模擬物質を
用意した。先ずこの模擬物質を図3に示す除染装置の洗
浄装置内に供給して温度20℃、圧力10MPaの二酸
化炭素と接触させた。次いで洗浄装置内の圧力を0.2
MPaに低下させて付着しているウラン酸化物を模擬物
質から分離させた。次に、液体状態の二酸化炭素とウラ
ン酸化物を含む流体をフィルタに送り、ウラン酸化物を
分離、回収した。 <比較評価1>実施例1〜4及び比較例1における被汚
染物からの元素の除去率及び残存率を表1に示す。な
お、表1中の元素付着量は酸化物形態における放射性物
質の重量を示す。
【0023】
【表1】
【0024】表1より明らかなように、比較例1では元
素の残存率が高く洗浄装置内に残存しているものと考え
られる。これに対して実施例1〜4ではそれぞれ高い回
収率となっていた。また除去したウラン酸化物のうち、
約95%が固液分離器から回収され、残りの約5%が固
気分離器から回収された。固液分離器から回収されたウ
ラン酸化物の粒径は約200μm〜10mm、固気分離
器から回収されたウラン酸化物の粒径は約1μmから3
00μmであった。
【0025】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、先
ず前処理工程で粉末状の放射性物質が付着した被汚染物
を超臨界又は液体状態の二酸化炭素に接触させ、分離工
程で超臨界又は液体状態の二酸化炭素を減圧して超臨界
又は液体状態の二酸化炭素を気体状態にすることにより
放射性物質を被汚染物から分離させる。次いで洗浄工程
で分離した放射性物質に液体状態の二酸化炭素によりフ
ラッシングして残留している放射性物質を洗い流し、第
1回収工程で洗浄された放射性物質と液体状態の二酸化
炭素とを含む流体を粒径が100μm〜30mmの放射
性物質の凝集体と流体とに分離して放射性物質の凝集体
を回収する。次に減圧工程で分離した流体を減圧して流
体に含まれる液体状態の二酸化炭素を気体状態にして体
積を増大させることにより流体に流速を与え、続く第2
回収工程で粒径が0.1〜500μmの放射性物質の微
粒子と気体状態の二酸化炭素とに分離して放射性物質の
微粒子を回収する。最後に加圧工程で分離した気体状態
の二酸化炭素を加圧して、超臨界又は液体状態の二酸化
炭素にする。加圧工程で加圧した二酸化炭素は第2回収
工程に送られて逆洗をするため、フィルタの目詰まりを
解消するとともに、フィルタの交換を大幅に減らし、交
換したフィルタより放射性物質を回収する作業を省くこ
とができる。被汚染物に付着した放射性物質を簡便かつ
効率的に回収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射性物質の除染方法の工程順を示す
図。
【図2】本実施の形態の放射性物質の除染装置の概略
図。
【図3】従来の放射性物質の除染装置の概略図。
【符号の説明】
11 前処理工程 12 分離工程 13 洗浄工程 14 第1回収工程 16 減圧工程 17 第2回収工程 18 加圧工程 21 洗浄装置 23 固液分離器 26 固気分離器 27 ベンチュリ 29 コンプレッサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 勝則 東京都文京区小石川1丁目3番25号 三菱 マテリアル株式会社システム事業センター 内 (72)発明者 兼平 修 東京都文京区小石川1丁目3番25号 三菱 マテリアル株式会社システム事業センター 内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉末状の放射性物質が付着した被汚染物
    を超臨界又は液体状態の二酸化炭素に接触させる前処理
    工程(11)と、 前記超臨界又は液体状態の二酸化炭素を減圧して前記超
    臨界又は液体状態の二酸化炭素を気体状態にすることに
    より前記放射性物質を前記被汚染物から分離させる分離
    工程(12)とを含む放射性物質の除染方法において、 前記分離工程(12)で分離した放射性物質に液体状態の二
    酸化炭素を供給して前記放射性物質を洗浄する洗浄工程
    (13)と、 前記洗浄工程(13)で洗浄された放射性物質と液体状態の
    二酸化炭素とを含む流体を放射性物質の凝集体と流体と
    に分離して放射性物質の凝集体を回収する第1回収工程
    (14)と、 前記第1回収工程(14)で分離した前記流体を減圧して前
    記流体に含まれる液体状態の二酸化炭素を気体状態にし
    て体積を増大させることにより前記流体に流速を与える
    減圧工程(16)と、 前記流体を放射性物質の微粒子と気体状態の二酸化炭素
    とに分離して放射性物質の微粒子を回収する第2回収工
    程(17)と、 前記第2回収工程(17)で分離した前記気体状態の二酸化
    炭素を加圧して、超臨界又は液体状態の二酸化炭素にす
    る加圧工程(18)とを有することを特徴とする放射性物質
    の除染方法。
  2. 【請求項2】 第1回収工程(14)が固液分離又は沈降分
    離により行われる請求項1記載の放射性物質の除染方
    法。
  3. 【請求項3】 第2回収工程(17)が固気分離により行わ
    れる請求項1記載の放射性物質の除染方法。
  4. 【請求項4】 加圧工程(18)で得られた超臨界又は液体
    状態の二酸化炭素を前処理工程(11)へ供給するとともに
    前記超臨界又は液体状態の二酸化炭素の一部を第2回収
    工程(17)に逆洗供給する請求項1ないし3いずれか記載
    の放射性物質の除染方法。
  5. 【請求項5】 粉末状の放射性物質が付着した被汚染物
    を超臨界又は液体状態の二酸化炭素により洗浄して前記
    放射性物質を前記被汚染物から分離させて除去する洗浄
    装置(21)と、 前記洗浄装置(21)で除去した放射性物質と液体状態の二
    酸化炭素とを含む流体を放射性物質の凝集体と流体とに
    分離する固液分離器(23)と、 前記固液分離器(23)で分離した前記流体を減圧して流体
    に含まれる液体状態の二酸化炭素を気体状態にして体積
    を増大させることにより前記流体に流速を与えるベンチ
    ュリ(27)と、 前記流体を放射性物質の微粒子と気体状態の二酸化炭素
    とに分離する固気分離器(26)と、 前記固気分離器(26)で分離した前記気体状態の二酸化炭
    素を加圧するコンプレッサ(29)とを備えた放射性物質の
    除染装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009527753A (ja) * 2006-02-24 2009-07-30 コミツサリア タ レネルジー アトミーク 高密度加圧co2を利用して固体放射性粒子無機汚染物質によって汚染された固体有機基材を汚染除去する工程

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US8172955B2 (en) * 2006-02-24 2012-05-08 Commissariat A L'energie Atomique Process for decontaminating an organic solid substrate contaminated by solid radioactive particulate inorganic contaminants, using dense pressurized CO2

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