JP2002198082A - 回転蓄熱式熱交換装置および燃料電池システム用改質装置 - Google Patents

回転蓄熱式熱交換装置および燃料電池システム用改質装置

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JP2002198082A
JP2002198082A JP2000395525A JP2000395525A JP2002198082A JP 2002198082 A JP2002198082 A JP 2002198082A JP 2000395525 A JP2000395525 A JP 2000395525A JP 2000395525 A JP2000395525 A JP 2000395525A JP 2002198082 A JP2002198082 A JP 2002198082A
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公良 寺尾
Masanori Uehara
昌徳 上原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温流体と低温流体との間で熱交換を行う回
転蓄熱式熱交換器において、シール効果を維持しつつ回
転蓄熱体とシール部材の摩耗を防止し、さらに、回転蓄
熱体が熱変形した場合にも回転蓄熱体とシール部材の摩
耗を防止する。 【解決手段】 回転蓄熱体21の両側面に低温流体通路
Aと高温流体通路Bとを区分する一対のシール部材2
2、23が設けられており、これらのシール部材22、
23の間には、各シール部材22、23と回転蓄熱体2
1との間に所定の隙間が保持されるように、回転蓄熱体
21の軸方向長さより長い軸方向長さを有する隙間保持
部材27、28が配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転により高温流
体と低温流体との間で熱交換を行う回転蓄熱体を備える
回転蓄熱式熱交換器および燃料電池システム用燃料装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは特願2000−26109
2号において、燃料電池から排出される未反応の燃料ガ
ス(水素を含有するオフガス)を燃焼させ、回転蓄熱体
を備えた回転蓄熱式熱交換器によりオフガス燃焼熱を回
収する方法を提案している。
【0003】この回転蓄熱式熱交換器の構成を図20に
基づいて説明する。図20は熱交換器J20の断面構成
を示している。回転蓄熱体J21は多数の貫通孔J21
aが形成され、加熱したい低温流体が通過する低温流体
通路と高温の燃焼ガス(オフガス)が通過する高温流体
通路の双方を横切るように配置され、回転することで高
温流体通路の熱を低温流体通路に移送するように構成さ
れている。回転蓄熱体J21の貫通孔J21aが開口す
る両側の端面には、低温流体通路と高温流体通路との間
の流体漏れを防ぐために一対の静止シール部材J22、
J23が配置されており、回転蓄熱体J21はシール部
材J22、J23の間を摺動回転するように構成されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが回転蓄熱式熱
交換器J20のシール部では、流体漏れを防止するため
にシール部材J22、J23の摺動面を回転蓄熱体J2
1に常時押しつけることとなる。このため、蓄熱体J2
1あるいはシール部材J22、J23の少なくともいず
れかに摩耗が進行することとなり熱交換器J20の寿命
が短くなる。さらに、回転蓄熱体J21が摺動する際の
摩擦抵抗により、回転蓄熱体J21の駆動動力が増大し
てシステムの効率性が低下する。
【0005】また、図21に示すように、回転蓄熱体J
21の高温側(図21中右側)では、高温の燃焼ガスに
曝されることで熱変形して、回転蓄熱体J21本体が歪
むこととなる。この場合、回転蓄熱体J21は、高温側
の方が低温側に比較して伸びが大きくなり、高温側に向
けて凸状に湾曲する。これにより、高温側では回転蓄熱
体J21とシール部材J22、J23との隙間が拡大し
て流体漏れが増大するため、改質効率の低下をきたすと
いう不具合が生じる。また、低温側では、回転蓄熱体J
21とシール部材J22、J23との隙間が狭まるため
回転蓄熱体J21とシール部材J22、J23とが接触
し、回転抵抗が増大するとともに接触による破損が起こ
るという不具合が生じる。
【0006】ところで、水蒸気改質反応により水素を生
成する改質装置では、改質反応を行う改質部の下流側に
多量の水素を含む水素リッチガスからCOを除去するC
O除去部が設けられている。CO除去部はシフト反応
(CO+H2O→H2+CO2)および酸化反応(CO+
1/2O2→CO2)によりCOを除去するように構成さ
れており、CO除去部ではシフト反応のために水分(水
蒸気)を必要とする。このため、例えば改質原料中に含
まれる水分を改質部における改質反応に必要な量より過
剰にしておくことで、CO除去部に水分を供給してい
る。
【0007】ところが、このような構成では改質反応に
必要な水分量より多くの水分を蒸発気化させることとな
るため、改質原料を蒸発気化させるための蒸発部の負担
が大きくなり設備が大きくなるという問題がある。一
方、改質装置から水素が供給される燃料電池では、水分
を多量に含んだ排ガスを排出している。
【0008】また、改質装置にて生成され燃料電池に供
給される水素リッチガス中には水素以外の窒素、二酸化
炭素等の不純物が含まれている。このため、水素リッチ
ガス中の水素濃度が低くなり、燃料電池における発電効
率が悪くなるという問題がある。
【0009】本発明は、上記問題点に鑑み、高温流体と
低温流体との間で熱交換を行う回転蓄熱式熱交換器にお
いて、シール効果を維持しつつ回転蓄熱体とシール部材
の摩耗を防止することを目的とし、さらに、回転蓄熱体
が熱変形した場合にも回転蓄熱体とシール部材の摩耗を
防止することを目的とする。また、燃料電池の排ガス中
に含まれる水分を回収してCO除去部に供給可能な燃料
電池システム用改質装置を提供し、さらに、改質装置に
て生成される水素リッチガス中に含まれる窒素、二酸化
炭素等の不純物を除去可能な燃料電池システム用改質装
置を提供することを他の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明では、軸方向に多数の貫通孔
(21a)が形成され、回転することにより低温流体が
通過する低温流体通路(A)と高温流体が通過する高温
流体通路(B)とを交互に移動して、高温流体の熱を低
温流体に移送する回転蓄熱体(21)と、高温流体通路
(B)において高温流体の流入側に位置する高温側シー
ル部材(23)および高温流体の流出側に位置する低温
側シール部材(22)とからなる一対のシール部材(2
2、23)とを備えた回転蓄熱式熱交換器であって、一
対のシール部材(22、23)の間には、各シール部材
(22、23)と回転蓄熱体(21)との間に所定の隙
間が保持されるように、回転蓄熱体(21)の軸方向長
さより長い軸方向長さを有する隙間保持部材(27、2
8)が配置されていることを特徴としている。
【0011】これにより、回転蓄熱体(21)とシール
部材(22、23)とを完全に密着させずに微少な固定
隙間を確保でき、回転蓄熱体(21)が回転する際の摺
動による摩耗を極めて少なくすることができる。従っ
て、シール効果を発揮させてガス漏れを所定漏れ量に抑
制しつつ、回転蓄熱体(21)およびシール部材(2
2、23)の摩耗を防止ないし極力少なくして装置の長
寿命化を図ることができる。
【0012】また、隙間保持部材は、請求項2に記載の
発明のように、回転蓄熱体(21)より大きい直径を有
する円筒形状であって、一対のシール部材(22、2
3)のフランジ部(22a、23a)の間に配置される
円筒状スペーサ(27)、あるいは回転蓄熱体(21)
の回転中心部を貫通する棒形状であって、一対のシール
部材(22、23)のクロスアーム部(22b、23
b)の間に配置される棒状スペーサ(28)の少なくと
も一方とすることができる。
【0013】また、隙間保持部材として少なくとも円筒
状スペーサ(27)を備えている場合には、請求項3に
記載の発明のように、回転蓄熱体(21)は円筒状スペ
ーサ(27)に支持されているように構成することがで
き、隙間保持部材として少なくとも棒状スペーサ(2
8)を備えている場合には、請求項4に記載の発明のよ
うに、回転蓄熱体(21)は棒状スペーサ(28)に支
持されているように構成することができる。
【0014】また、請求項5に記載の発明では、棒状ス
ペーサ(28)は、一対のシール部材のうち低温側シー
ル部材(22)のクロスアーム部(22b)のみで支持
されていることを特徴としている。これにより、高温側
シール部材(23)が高温により熱変形した場合であっ
ても、棒状スペーサ(28)はその影響を回避すること
ができ、軸のずれが起きにくくなる。
【0015】また、請求項6に記載の発明では、回転蓄
熱体(21)と前記棒状スペーサ(28)との間には、
弾性部材(33)が介在していることを特徴としてい
る。これにより、回転蓄熱体(21)あるいは棒状スペ
ーサ(28)が熱変形した場合に生ずる応力を吸収でき
る。
【0016】また、請求項7に記載の発明では、回転蓄
熱体(21)とシール部材(22、23)のフランジ部
(22a、23a)との間に形成される隙間は、回転蓄
熱体(21)とシール部材(22、23)のクロスアー
ム部(22b、23b)との間に形成される隙間より大
きくなるように構成されていることを特徴としている。
【0017】このように、回転蓄熱体(21)とシール
部材(22、23)との隙間を、中心部に比較して外周
部の方を大きくすることで、中心部側ではガス漏れ量を
最小限に抑えつつ、外周側では回転蓄熱体(21)の熱
変形を考慮した最適設計を行うことができる。
【0018】また、請求項8に記載の発明では、一対の
シール部材(22、23)のクロスアーム部(22b、
23b)には、所定間隔の間隙(22d、23d)が形
成されていることを特徴としている。これにより、クロ
スアーム部(22b、23b)の熱膨張による応力を吸
収してシール部材(22、23)の変形を防ぐことがで
きる。
【0019】また、請求項9に記載の発明では、高温側
シール部材フランジ部(23a)の回転蓄熱体(21)
側における回転蓄熱体(21)の外周角部に対応する部
位に、突出部(23e)が形成されており、回転蓄熱体
(21)が熱変形したときに、突出部(23e)と回転
蓄熱体(21)の外周角部との隙間が減少するように構
成されていることを特徴としている。
【0020】このような構成により、回転蓄熱体(2
1)が熱変形する際に、回転蓄熱体(21)と高温側ガ
スシール(23)との隙間を自動調整でき、回転蓄熱体
(21)の熱変形に伴うガスの漏れ量増加を防止でき
る。
【0021】また、請求項10に記載の発明では、回転
蓄熱体(21)の外周部と円筒状スペーサ(27)との
間に低温流体が導入されることを特徴としている。これ
により、熱交換により高温となる回転蓄熱体(21)の
駆動系を積極的に冷却することができる。従って、これ
らの部材の過熱を防止し、潤滑性を維持することがで
き、耐久性及び信頼性を確保することができる。
【0022】また、請求項11に記載の発明では、高温
側シール部材(23)における回転蓄熱体(21)の反
対側に高温ガスシール(23)と平行に配置され、高温
側シール部材(23)に対応するフランジ部(35a)
とクロスアーム部(35b)とを有するサポート部材
(35)と、高温側シール部材クロスアーム部(23
b)とサポート部材クロスアーム部(35b)との間に
配置される中心部スペーサ(37)と、中心部スペーサ
(37)と同一の軸方向長さを有し、高温側シール部材
フランジ部(23a)とサポート部材フランジ部(35
a)との間に配置される外周部スペーサ(36)とを備
え、外周部スペーサ(36)は、中心部スペーサ(3
7)より熱膨張係数が大きいものであることを特徴とし
ている。
【0023】これにより、回転蓄熱体(21)の熱変形
に対応してシール部材(22、23)を移動させること
ができ、回転蓄熱体(21)が熱変形して回転蓄熱体
(21)とシール部材(23)との間隔が大きくなるこ
とを防止することができるとともにシール部材(22)
との間隔が小さくなり、接触による不具合を回避し、か
つ最小間隔を維持することができる。従って、回転蓄熱
体(21)が熱変形してもガスのシール漏れ増加を抑制
することできる。
【0024】また、請求項12に記載の発明では、一対
のシール部材(22、23)と、サポート部材(35)
は同軸上で固定されていることを特徴としている。これ
により、シール部材(22、23)とサポート部材(3
5)は中心部で固定され、シール部材(22、23)の
外周部のみを、回転蓄熱体(21)の熱変形に応じて変
形させることができる。
【0025】また、請求項13に記載の発明では、外周
部スペーサ(36)の熱膨張により高温側シール部材
(23)とサポート部材(35)との間が押し広げられ
ることを特徴としている。これにより、シール部材(2
2、23)が回転蓄熱体(21)の熱変形に応じて移動
することとなる。さらに、請求項14に記載の発明のよ
うに、外周部スペーサ(36)の熱膨張により生じるシ
ール部材(22、23)の変形量は、回転蓄熱体(2
1)の熱変形による生じる変形量と略同一に設定するこ
とで、回転蓄熱体(21)とシール部材(22、23)
との間隔を常に最適値に維持することができる。
【0026】また、請求項15に記載の発明では、低温
流体通路(A)および高温流体通路(B)のそれぞれに
おいて、高温側シール部材(23)とサポート部材(3
5)の間は伸縮可能な筒状部材(5a、6a)にて連結
されていることを特徴としている。これにより、高温側
シール部材(23)とサポート部材(35)との間に
は、高温側と低温側の流体流路が分離して形成され、高
温流体と低温流体とが混合されるのを防ぐことができ
る。
【0027】また、請求項16に記載の発明では、上記
請求項1ないし9に記載の発明において、低温側シール
部材(22)は耐熱性金属材料から構成され、高温側シ
ール部材(23)はより耐熱性の高いセラミック材料か
ら構成されることを特徴としている。
【0028】また、請求項17に記載の発明では、上記
請求項10ないし14に記載の発明において、高温側シ
ール部材(23)および低温側シール部材(22)は耐
熱性金属材料から構成されていることを特徴としてい
る。このように各シール部材(22、23)に金属材料
を用いることで、外周部スペーサ(36)の熱膨張によ
り各シール部材(22、23)を容易に変形させること
が可能となる。
【0029】また、請求項18に記載の発明では、請求
項1ないし16のいずれか1つに記載の回転蓄熱式熱交
換器を用い、改質反応により改質原料から水素を生成す
る燃料電池システム用改質装置であって、低温流体は改
質原料であり、高温流体は燃焼ガスであることを特徴と
している。
【0030】また、請求項19に記載の発明では、改質
反応により少なくとも水素化合物を含む改質原料から水
素を含む改質ガスを生成する改質部(130)を備え、
改質ガスを燃料電池(160)に供給する燃料電池シス
テム用改質装置であって、改質ガスが通過する改質ガス
通路(C)と、燃料電池(160)から排出される未反
応の水素を少なくとも含む排ガスが通過する排ガス通路
(D)と、軸方向に多数の貫通孔が形成され、回転する
ことにより改質ガス通路(C)と排ガス通路(D)とを
交互に移動する回転蓄熱体(142、192)とを備
え、回転蓄熱体(142、192)の貫通孔表面には、
特定の物質を選択的に吸着可能な吸着剤が設けられてお
り、回転蓄熱体(142、192)を回転させること
で、改質ガス通路(C)あるいは排ガス通路(D)のう
ち一方の通路で特定の物質を吸着剤に吸着させるととも
に、他方の通路で特定の物質を吸着剤より脱離させるこ
とを特徴としている。
【0031】このように、回転蓄熱体(142、19
2)に特定物質を吸着可能な吸着剤を設けることで、2
つの通路間において熱の移送のみならず吸着により物質
の移送をも行うことができるようになる。
【0032】また、請求項20に記載の発明では、回転
蓄熱体(142)を含むとともに、改質ガスから触媒反
応により一酸化炭素を除去するCO除去部(140)を
備えているから、触媒反応により発熱したCO除去部を
低温側となる排ガス通路(D)にて冷却することができ
る。
【0033】また、請求項21に記載の発明では、CO
除去部(140)は一酸化炭素を触媒反応により二酸化
炭素に変換して除去する触媒を備えており、該触媒は回
転蓄熱体(142)の貫通孔表面に設けられていること
を特徴としている。
【0034】これにより、効果的にCO除去を行うこと
ができる。さらに、CO除去部(140)に回転蓄熱体
(142)を設けることで、改質ガス通路(C)におけ
るCO除去反応により発熱した触媒を、低温の排ガス通
路(D)にて冷却することができる。これにより、触媒
の劣化を防止するとともに最適な反応温度を維持するこ
とができる。
【0035】また、請求項22に記載の発明では、CO
除去部(140)は触媒反応を行う触媒を備えており、
該触媒は改質ガス通路(C)における回転蓄熱体(14
2)の下流側に設けられていることを特徴としている。
このように、特定物質の吸着とCO除去反応を分離して
行うことで、回転蓄熱体(142)における特定物質の
の吸着効率を向上させることができる。
【0036】また、請求項23に記載に発明では、排ガ
ス通路(D)は、改質ガス通路(C)より高圧になるよ
うに構成されていることを特徴としている。これによ
り、高圧側となる排ガス通路(D)で吸着材による特定
物質の吸着を進行させ、低圧側となる改質ガス通路
(C)で、その特定物質の脱離を進行させることができ
る。この場合、特定物質が水蒸気であるならば、一酸化
炭素を水蒸気と反応させて二酸化炭素に変換できる。
【0037】具体的には、改質ガス通路(C)と排ガス
通路(D)とを連通させ、改質ガス通路(C)と排ガス
通路(D)との間にガス圧縮機(151)を設けること
で、吸入側に位置する改質ガス通路(C)を低圧にする
とともに、排出側に位置する排ガス通路(D)を高圧に
することができる。
【0038】また、請求項24に記載の発明では、回転
蓄熱体(191)を含むとともに、水素以外の不純物を
改質ガスより除去する不純物除去部(190)を備え、
回転蓄熱体(191)の貫通孔表面に設けられた吸着剤
は不純物を選択的に吸着可能なものであり、回転蓄熱体
(191)を回転させることで、改質ガス通路(C)で
不純物を吸着剤に吸着させるとともに、排ガス通路
(D)で不純物を吸着剤より脱離させることを特徴とし
ている。
【0039】これにより、改質ガス通路(C)において
改質ガス中の窒素、二酸化炭素等の不純物を選択的に物
理吸着して、排ガス通路(D)において脱離、放出する
ことができる。従って、燃料電池(160)に供給され
る改質ガス中の水素濃度を高めて良質な燃料を燃料電池
(160)に供給することができ、燃料電池(160)
の発電効率を向上させることができる。
【0040】また、請求項25に記載の発明では、改質
ガス通路(C)は、排ガス通路(D)より高圧になるよ
うに構成されていることを特徴としている。これによ
り、高圧側となる改質ガス通路(C)で吸着材による不
純物の吸着を進行させ、低圧側となる排ガス通路(D)
で不純物の脱離を進行させることができる。
【0041】また、請求項26に記載の発明では、CO
除去部(140)は、改質ガス中の一酸化炭素と水蒸気
とを触媒反応させるシフト反応により該一酸化炭素を除
去するものであり、かつ回転蓄熱体(142)の貫通孔
表面に設けられた吸着剤は水蒸気を選択的に吸着可能な
ものであり、回転蓄熱体(142)を回転させること
で、排ガス通路(D)で水蒸気を吸着剤に吸着させると
ともに、改質ガス通路(C)で水蒸気を吸着剤より脱離
させ、脱離した水蒸気をシフト反応に用いることを特徴
としている。
【0042】これにより、一酸化炭素を水蒸気と反応さ
せて二酸化炭素に変換して除去する場合、その水蒸気を
燃料電池排ガスから回収することができる。従って、C
O除去部(140)に水分を供給するために、改質原料
に改質反応に必要とされる以上の水分を含める必要が無
くなり、水素供給装置の蒸発気化手段を簡略化すること
ができる。
【0043】また、請求項27に記載の発明では、改質
反応により少なくとも水素化合物と空気とを含む改質原
料から水素を含む改質ガスを生成し、改質ガスを燃料電
池(160)に供給する燃料電池システム用改質装置で
あって、改質原料に用いられる改質用空気を加湿する改
質用空気加湿部(200)を備え、改質用空気加湿部
(200)は、改質原料に用いられる空気が通過する改
質用空気通路(E)と、燃料電池(160)から排出さ
れる未反応の水素を少なくとも含む排ガスが通過する空
気加湿用排ガス通路(F)と、軸方向に多数の貫通孔が
形成され、回転することにより改質用空気通路(E)と
空気加湿用排ガス通路(F)とを交互に移動する回転蓄
熱体(201)とを有しており、回転蓄熱体(201)
の貫通孔表面には、水を選択的に吸着可能な水吸着剤が
設けられており、回転蓄熱体(201)を回転させるこ
とで、空気加湿用排ガス通路(F)において水を水吸着
剤に吸着させるとともに改質用空気通路(E)において
水吸着剤に吸着した水を水吸着剤より脱離させ、水吸着
剤より脱離した水を改質用空気の加湿に用いることを特
徴としている。
【0044】これにより、燃料電池排ガス中の水蒸気を
回収して改質原料に用いられる空気を加湿することがで
きるため、改質原料供給部における水供給装置を小型化
あるいは不要とすることができる。
【0045】また、請求項28に記載の発明では、空気
加湿用排ガス通路(F)は、改質用空気通路(E)より
高圧になるように構成されていることを特徴としてい
る。これにより、高圧側となる空気加湿用排ガス通路
(F)で吸着材による水の吸着を進行させ、低圧側とな
る改質用空気通路(E)で水の脱離を進行させることが
できる。
【0046】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すも
のである。
【0047】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、本発明を
適用した第1実施形態を図1〜図6に基づいて説明す
る。本第1実施形態では、回転蓄熱式熱交換器を燃料電
池システムの燃料改質装置(水素供給装置)に用いてい
る。図1は改質装置の概略構成を示すブロック図であ
り、図2は改質装置の各構成要素の配置関係を示す概念
図である。本第1実施形態の改質装置は、水素消費装置
としての燃料電池50に水素を供給するように構成され
ている。
【0048】図1、図2に示すように、本第1実施形態
の改質装置は、改質原料供給部10、熱交換部(蒸発
部)20、改質部40、CO除去部43、燃焼ガス供給
部(オフガス供給部)60等を備えている。また、改質
装置には、ハウジング1によって、改質原料が通過する
低温流体通路(改質原料通路)Aと、燃焼ガスが通過す
る高温流体通路(燃焼ガス通路)Bとが並行して形成さ
れている。低温流体通路Aと高温流体通路Bはそれぞれ
独立しており、熱交換部20を介して熱の授受が行われ
る。
【0049】低温流体通路Aでは、改質原料供給部10
で供給された改質原料(水と空気と改質燃料の混合気)
が熱交換部20で加熱・気化(蒸発)される。気化され
た改質原料は、改質部40にてH2およびCOを含む改
質ガスに改質され、CO除去部43にてCOが除去され
た後、燃料電池50に供給される。
【0050】燃料電池50には、水素とともに空気(酸
素)が図示しない空気供給用ポンプにより供給されるよ
うに構成されており、水素と酸素との電気化学反応によ
り発電する。燃料電池50では、発電に用いられなかっ
た未反応水素を含んだオフガスが排出される。
【0051】高温流体通路Bでは、オフガスがオフガス
供給路61を介して燃焼ガス供給部60に供給され、燃
焼して燃焼ガスとなる。この燃焼ガスの燃焼熱は、熱交
換部20を介して高温流体通路Bから低温流体通路Aを
流れる改質原料に伝えられる。なお、本実施形態では、
改質燃料としてガソリンや灯油といった液体石油系燃料
を用いている。
【0052】図2に示すように低温流体通路Aの最上流
部には、改質原料(水、空気、改質燃料)を供給する改
質原料供給部10が配置されている。改質原料供給部1
0には、水流量制御弁11、空気流量制御弁12、燃料
流量制御弁13、噴霧ノズル14、混合室15が設けら
れている。
【0053】水流量制御弁11および燃料流量制御弁1
3にて流量制御された改質燃料および水は、噴霧ノズル
14から混合室15に噴霧され、図示ない空気供給用送
風機より供給された空気と混合されて、改質燃料と水と
空気の混合気が生成する。
【0054】低温流体通路Aにおける第1改質原料供給
部20の下流側には、熱交換部(蒸発部)20が配置さ
れている。本第1実施形態の熱交換部20は回転式熱交
換器である。
【0055】次に、熱交換部20について図3〜図6に
基づいて説明する。図3は熱交換部20の拡大断面図で
あり、図4は熱交換部20の分解斜視図である。図3、
図4に示すように、熱交換部20には、熱エネルギを蓄
える回転蓄熱体(マトリクス)21と、回転蓄熱体21
と微少隙間を介して密接してガス漏れを防止する一対の
静止シール部材22、23と、回転蓄熱体21を回転駆
動する駆動用モータ24が設けられている。
【0056】熱交換部20では、低温流体通路Aを流れ
る高圧の改質原料が高温流体通路Bに漏れないように、
回転蓄熱体21とハウジング1との間にシール部材2
2、23を介在させることでシールしている。シール部
材22、23は、シール面22c、23cで回転蓄熱体
21を軸方向の両側から挟んだ状態でハウジング1に固
定されている。
【0057】回転蓄熱体21は、コージェライト等の耐
熱性セラミックからなり、円柱形状に形成されている。
回転蓄熱体21は、軸方向に多数の貫通孔(セル)21
aが形成されたハニカム構造となっている。
【0058】図5は、回転蓄熱体21を構成するセル形
状の例を示している。図4(a)は矩形形状セル、図4
(b)は三角形状セルであり、それぞれの表面には酸化
触媒(白金、パラジウム等の単体あるいは混合物)21
bが添着(坦持)されている。これにより、高温流体通
路Bに供給される燃料電池50のオフガスを触媒燃焼さ
せることができる。
【0059】熱交換部20には、回転蓄熱体21を回転
駆動させるための電動モータ(駆動手段)24が設けら
れている。回転蓄熱体21の外周面にはリングギア25
が設けられている。図3に示すように回転蓄熱体21と
リングギア25との間にはエラストマのような弾性部材
26を介在させている。電動モータ24からの回転力
は、電動モータ24の回転軸24aに固定されたピニオ
ン24bを介して、リングギア25に伝えられる。回転
蓄熱体21とリングギア25との間に弾性部材26を介
在させることで、回転蓄熱体21の熱変形よる応力を吸
収してモータ24の駆動力を回転蓄熱体21に伝えるこ
とができる。
【0060】シール部材22、23は、例えばステンレ
スのような耐熱性金属やセラミックのような耐熱性材料
から形成されている。本第1実施形態では、低温ガスに
接触する低温側シール部材22にはステンレスを用い、
高温ガスに接触する高温側シール部材23にはより耐熱
性の高いセラミックを用いている。
【0061】図4に示すように、シール部材22、23
は、円筒状フランジ部22a、23aとその中心を径方
向に通るクロスアーム部22b、23bとが一体化して
Θ型に構成されている。回転蓄熱体21は、シール部材
22、23のクロスアーム部22b、23bにて2つの
領域に区画される。クロスアーム部22b、23bに
は、クロスアーム部22b、23bの熱膨張による伸び
を吸収するために所定間隔のスリット(間隙)22d、
23dが形成されている。
【0062】図4に示すように回転蓄熱体21における
シール部材22、23と対向する外周側面部21bに
は、回転蓄熱体21が過度に熱変形した場合にシール部
材22、23と接触して損傷するのを防ぐために、セメ
ントコーティングされるか、あるいはソリッド状のセラ
ミックリングが固着されることによってシール面が形成
されていてもよい。
【0063】低温側シール部材22と高温側シール部材
23の間に隙間保持部材27、28を介在させ、各シー
ル部材22、23と回転蓄熱体21との間に微少隙間を
確保している。本第1実施形態では、隙間保持部材2
7、28として外周部と中心部に回転蓄熱体21の軸方
向長さより若干長いスペーサ27、28を介在させ、各
シール部材22、23と回転蓄熱体21との間に微少隙
間を確保している。
【0064】外周部に配置される円筒状スペーサ27
は、回転蓄熱体21より大径の円筒形状となっている。
中心部に配置される棒状スペーサ28は、両端部にシー
ル部材22、23が保持される段差28aが設けられた
棒状となっている。これらのスペーサ27、28には、
インバーやセラミックのような低熱膨張材料を用いる。
【0065】図6は熱交換部20の平面図である。図6
に示すように円筒状スペーサ27には、ピニオンギア2
4bとリングギア25との接続を確保するともに、スペ
ーサ27内に加熱前の改質原料を導入して回転蓄熱体2
1の駆動系を冷却するために複数のスリット27aが形
成されている。
【0066】ところで、上記発明が解決しようとする課
題において図21に基づいて述べたように、回転蓄熱体
21の高温側では、高温の燃焼ガスに曝されることで熱
変形して回転蓄熱体21本体が歪む。このとき、回転蓄
熱体21は中心部に比較して外周部の方が熱変形量が大
きい。このため、回転蓄熱体21が熱変形してもシール
部材22、23との間に隙間を確保できるように、スペ
ーサ27、28によって形成される回転蓄熱体21とシ
ール部材22、23との隙間は、中心部より外周部の方
を大きくすることが望ましい。
【0067】本第1実施形態では、外周部における隙
間、すなわち回転蓄熱体21とシール部材フランジ部2
2a、23aとの隙間を20〜30μm程度とし、中心
部における隙間、すなわち回転蓄熱体21とシール部材
クロスアーム部22b、23bとの隙間を10μm程度
としている。
【0068】なお、回転蓄熱体21が熱変形する際には
高温側の伸びが大きいため、回転蓄熱体21の外周部は
図3中左側の低温側シール部材22方向に変形する。従
って、外周部における隙間は、回転蓄熱体21と低温側
シール部材22との隙間のみを大きくするように構成し
てもよい。
【0069】図3、図6に示すように、シール部材2
2、23の外周部には複数のスプリング(弾性部材)3
1を設けている。シール部材22、23は外周部側面を
スプリング31の収縮弾性力により押圧され、円筒状ス
ペーサ27を挟み込むように固定されている。シール部
材22、23の外周部には、スプリング31固定用の孔
22d、23dが複数形成されている。
【0070】また、図3に示すように、シール部材2
2、23は、クロスアーム部22b、23bを弾性ナッ
ト32によって棒状スペーサ28を挟み込むように押圧
固定されている。弾性ナット32はバネ部32aからな
る弾性構造を有しており、バネ部32aで低温側シール
部材22を押さえつけている。これにより、棒状スペー
サ28は低温側シール部材22および高温側シール部材
23のクロスアーム部22b、23bで支持される。
【0071】このように本第1実施形態では、シール部
材22、23を溶接等によりスペーサ27、28に完全
に固定するのではなく、スプリング31や弾性ナット3
2により押さえつけて固定することで、シール部材2
2、23やスペーサ27、28の熱変形を吸収すること
が可能となる。
【0072】回転蓄熱体21は、回転式軸受け29、3
0を介して円筒状スペーサ27に回転可能に支持されて
いる。軸受け29、30は半径の異なる外輪と内輪と転
動体(球)とから構成されている。外輪は円筒状スペー
サ27に固定され、内輪はリングギア25に固定され回
転蓄熱体21とともに回転する。本第1実施形態の回転
蓄熱体21と棒状スペーサ28との間は接触しておら
ず、隙間が形成されている。これにより、回転蓄熱体2
1は円筒状スペーサ27を介してシール部材22、23
に固定される。
【0073】シール部材22、23は、低温流体通路A
の高温側と高温流体通路Bの高温側及び低温側におい
て、ベローズ2a〜4aを介してケーシング1のフラン
ジ部2〜4に固定されている。これにより熱交換部20
全体がベローズ2a〜4aを介してケーシング1に固定
されることとなる。ベローズ2a〜4aはステンレス薄
板のような耐熱性金属から構成されており弾性を有して
いる。
【0074】また、低温流体通路Aの低温側では、ケー
シング1と低温側シール部材22は固定されていない。
このため、加熱前の低温の改質原料がケーシング1と熱
交換部20との間に形成された空間に入り込むこととな
り、高温となる回転蓄熱体21のリングギア25や電動
モータ24のピニオン24b等を冷却することができ
る。
【0075】図3に示すように回転蓄熱体21は、並行
する低温流体通路Aと高温流体通路Bの双方を横断する
ように配置される。このとき、シール部材22、23の
クロスアーム部22b、23bで区画された一方の領域
は低温流体通路Aに位置し、他方の領域は高温流体通路
Bに位置する。回転蓄熱体21はシール部材22、23
の間を摺動回転し、改質原料が通過する低温流体通路A
とオフガス(燃焼ガス)が通過する高温流体通路Bとを
交互に移動する。回転蓄熱体21は、高温流体通路Bに
おいて貫通孔21aを通過する燃焼ガスから熱を受け取
った後、低温流体通路Aに移動して貫通孔21aを通過
する改質原料に熱を伝えて加熱・気化させる。
【0076】熱交換部20の下流側には改質部40が設
けられている。本第1実施形態の改質部40では、部分
酸化改質(発熱反応)と水蒸気改質(吸熱反応)とが併
用される。改質部40には、改質触媒(酸化ニッケル、
酸化銅、白金、パラジウム等の単体あるいは混合物)が
添着されている。改質部40では、熱交換部20による
加熱で気化した改質原料を改質し、H2とCOを含んだ
改質ガスを生成する。また、改質部40には、改質触媒
の温度を検出する温度センサ(温度検出手段)41が設
けられている。
【0077】改質部40の下流側には、改質ガスをCO
除去に必要な温度まで冷却するための冷却部42が設け
られ、冷却部42の下流側には改質ガスからCOを除去
するCO除去部43が設けられている。CO除去部43
にてCOを除去された改質ガス(水素リッチガス)は、
水素消費装置としての燃料電池50に供給される。燃料
電池50には、水素とともに空気(酸素)が供給され、
水素と酸素との電気化学反応により発電する。燃料電池
50では、発電に用いられなかった未反応水素を含んだ
オフガスが排出される。
【0078】高温流体通路Bにおける熱交換部20の上
流側には、熱交換部20を加熱するための燃焼ガス供給
部(オフガス供給部)60が設けられている。燃焼ガス
供給部60には、オフガス流量制御弁61、燃料流量制
御弁(燃焼用燃料供給部)62、オフエア流量制御弁6
3、噴霧ノズル64、点火プラグ(着火手段)65、混
合・燃焼室66が設けられている。
【0079】燃焼ガス供給部60には、燃料電池50か
ら排出される未反応の水素を含むオフガスがオフガス供
給路51を介して供給される。これにより低温流体通路
Aと高温流体通路Bは改質ガス供給路50およびオフガ
ス供給路51を介して連通している。さらに燃焼ガス供
給部60には、燃料電池50から排出される未反応の酸
素を含むオフエアが、オフエア供給路52を介して供給
される。
【0080】オフガスおよびオフエアは噴霧ノズル64
から混合・燃焼室66に噴霧され、オフガス混合気とな
る。オフガス混合気は、熱交換部20に供給され、熱交
換部20に設けられた酸化触媒にて触媒燃焼して燃焼ガ
スを生ずる。この燃焼ガスの燃焼熱で回転蓄熱体21が
加熱される。回転蓄熱体21は高温流体通路Bで熱を受
け取り、回転して低温流体通路Aにて改質原料を加熱す
る。
【0081】改質装置の始動時には、オフガスに代え
て、燃料流量制御弁にて流量制御された始動用燃料(燃
焼用燃料)を燃焼室66に噴霧し、点火プラグ65にて
着火して、火炎燃焼により燃焼ガスを生じさせるように
構成されている。なお、本第1実施形態では、始動用燃
料として改質燃料と同様の液体石油系燃料を用いてい
る。
【0082】図7は、本実施形態の改質装置の制御系を
示している。図7に示すように、本第1実施形態の改質
装置には、各種制御を行う制御部(ECU)70が設け
られている。制御部70には、温度センサ41にて検出
した温度信号等が入力され、各流量制御弁11〜13、
61〜63、回転蓄熱体駆動用モータ24、点火プラグ
65等に制御信号を出力するように構成されている。
【0083】以下、上記構成の改質装置の作動について
説明する。まず、改質装置の始動時について説明する。
改質部40において改質反応が開始するためには、改質
部40に供給される改質原料が蒸発・気化しており、か
つ改質部40の改質触媒が改質反応を開始可能な所定温
度まで昇温している必要がある。
【0084】そこで、まず燃焼ガス供給部60の燃焼室
66にて始動用燃料と空気との混合気を生成し、点火プ
ラグ65にて着火して火炎燃焼させる。この火炎燃焼に
より生成した燃焼ガスは、高温流体通路Bを流れて熱交
換部20を貫流する。これにより、回転蓄熱体21のう
ち高温流体通路Bに位置する部位は燃焼ガスにより加熱
される。回転蓄熱体21が回転することで、燃焼ガスに
て加熱された部位が低温流体通路Aに移動し、低温流体
通路Aを流れる空気が加熱される。この加熱空気が低温
流体通路Aを流れることにより、熱交換部20の下流側
の各構成要素が急速に暖気される。
【0085】燃焼ガスの燃焼熱により、熱交換部20、
改質部40、CO除去部(シフト部、浄化部)43とい
った改質システムの各構成要素が急速に暖気(予熱)さ
れる。そして、温度センサ41にて検出した改質部40
の温度が所定改質反応開始温度に到達した場合に、改質
触媒を含めた改質システムの構成要素が改質反応を開始
することができる温度に到達したと判断して、燃焼ガス
供給部60での始動用燃料の供給を中断して火炎燃焼を
停止する。
【0086】各構成要素の暖気が完了すると、改質原料
供給部10にて改質原料(水、空気、改質燃料の混合
気)の供給が開始される。改質原料は熱交換部20にて
加熱・気化される。気化された改質原料は、改質部40
にてH2とCOを含む改質ガスに改質される。改質ガス
は、CO除去部43にてCOが除去され、燃料電池50
に供給される。
【0087】燃料電池50では、水素と酸素との化学反
応により発電するとともに、未反応水素を含むオフガス
と未反応の酸素を含むオフエアが排出される。オフガス
はオフガス導入経路51を介して、オフエアはオフエア
供給路52を介して高温流体通路Bの燃焼ガス供給部6
0に導入され、オフガス混合気となる。オフガス混合気
は、熱交換部20に供給され、回転蓄熱体21を通過す
る際に触媒燃焼を開始する。このオフガスの触媒燃焼に
よって発生した熱は回転蓄熱体21に蓄えられ、回転蓄
熱体21が回転移動することにより、低温流体通路Aを
通過する改質原料を加熱・気化する。
【0088】このように、オフガスの触媒燃焼による熱
により、改質原料を加熱して気化するとともに、加熱さ
れた改質原料を介して下流側の改質部40をも加熱する
ことができる。これにより、熱交換部20、改質部40
の加熱は、始動用燃料の火炎燃焼による加熱からオフガ
ス燃焼による加熱に切り替わり、改質装置は自立運転を
開始することができる。
【0089】本第1実施形態の熱交換部20では、スペ
ーサ27、28により回転蓄熱体21とシール部材2
2、23とを完全に密着させずに微少な固定隙間を確保
しているので、回転蓄熱体21が回転する際の摺動によ
る摩耗は極めて少ない。このため、シール効果を発揮さ
せてガス漏れを所定漏れ量に抑制しつつ、回転蓄熱体2
1やシール部材22、23の摩耗を防止ないし極力少な
くして装置の長寿命化を図ることができる。
【0090】また、シール部材22、23で回転蓄熱体
21を押圧しないので摩擦抵抗を極めて小さくすること
ができる。この結果、回転蓄熱体21の駆動動力を大幅
に低減させることができ、駆動機構を簡便にすることが
できる。
【0091】また、スペーサ27、28によって形成さ
れる回転蓄熱体21とシール部材22、23との隙間
を、中心部に比較して外周部の方を大きくすることで、
中心部側ではガス漏れ量を最小限に抑えつつ、外周側で
は回転蓄熱体21の熱変形を考慮した最適設計を行うこ
とができる。
【0092】また、シール部材22、23のクロスアー
ム部22b、23bに微少間隔のスリット22d、23
dを設けることで、クロスアーム部22b、23bの熱
膨張による応力を吸収してシール部材22、23の変形
を防ぐことができる。
【0093】また、シール部材22、23を、スプリン
グ31や弾性ナット32によりスペーサ27、28に押
圧して固定することで、シール部材22、23の熱変形
を吸収することが可能となる。
【0094】このような回転蓄熱式熱交換器であれば、
熱交換する流体が高圧力差であるとともに小流量という
特徴を有する燃料電池システムの燃料改質用熱交換器に
も好適に用いることができ、シール漏れと回転駆動力を
低減させてシステム効率の向上および耐久性の向上を図
ることができる。
【0095】(第2実施形態)次に、本発明の第2実施
形態を図8に基づいて説明する。本第2実施形態は、上
記第1実施形態に比較して回転蓄熱体21の固定方法が
異なるものである。上記第1実施形態と同様の部分につ
いては同一の符号を付して説明を省略する。
【0096】図8は、本第2実施形態の改質装置におけ
る熱交換部20の拡大断面図である。図8に示すよう
に、本第2実施形態では回転蓄熱体21は、棒状スペー
サ28に固定されている。棒状スペーサ28の周囲には
円筒状のグラファイト部材(軸受け)34が配置され、
回転蓄熱体21にはエラストマといった弾性部材33を
介して軸受け34が接続されている。摺動部位である軸
受け34は高温雰囲気で用いられるため、高温無潤滑材
料(硬質カーボン材等)によって形成されている。
【0097】これにより、回転蓄熱体21は、棒状スペ
ーサ28を介してシール部材22、23に固定される。
このような構成により、回転蓄熱体21は、棒状スペー
サ28を回転軸として回転することとなる。
【0098】以上、本第2実施形態の熱交換部20の構
成によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得るこ
とができる。
【0099】また、回転蓄熱体21と棒状スペーサ28
との間に弾性部材33を介在させているので、回転蓄熱
体21や棒状スペーサ28の軸方向の伸びに対する応力
を吸収することができる。
【0100】(第3実施形態)次に、本発明の第3実施
形態を図9に基づいて説明する。本第3実施形態は、上
記第2実施形態に比較して回転蓄熱体21の固定方法が
異なるものである。上記第2実施形態と同様の部分につ
いては同一の符号を付して説明を省略する。
【0101】図9は、本第3実施形態の改質装置におけ
る熱交換部20の拡大断面図である。図9に示すよう
に、軸状スペーサ28は低温側シール部材22のみで支
持されている。なお、本第3実施形態では弾性ナットで
はなく、弾性構造を有しない通常のナット32を用いて
いる。
【0102】以上、本第3実施形態の熱交換部20の構
成によれば、棒状スペーサ28は高温側シール部材23
に固定されていないので、高温側シール部材23が熱変
形しても棒状スペーサ28はその影響を回避することが
でき、軸のずれが起きにくくなる。
【0103】また、棒状スペーサ28が固定されていな
い高温側シール部材23では、スリット23dは必ずし
もクロスアーム部23bの中心部に設ける必要はない。
【0104】(第4実施形態)次に、本発明の第4実施
形態を図10、図11に基づいて説明する。本第4実施
形態は、上記第1実施形態に比較して回転蓄熱体21お
よび高温側シール部材23に回転蓄熱体21が熱変形し
た際のガス漏れ防止機構が設けられている点が異なるも
のである。上記第1実施形態と同様の部分については同
一の符号を付して説明を省略する。
【0105】図10は本第4実施形態の改質装置におけ
る熱交換部20の拡大断面図である。図10に示すよう
に、回転蓄熱体21の高温側(図10中右側)における
外周角部には段差部21cが形成されている。また、高
温側シール部材23のフランジ部23aには、回転蓄熱
体21の外周角部に対応する位置に突出部23eが形成
されている。回転蓄熱体21の段差21cと高温側シー
ル部材23の突出部23dは、それぞれ対応する相対ス
テップ面となっている。
【0106】図11は図10中Cの部分拡大断面図であ
り、図11中の回転蓄熱体21は熱変形後の状態を示
し、図11中の一点鎖線が熱変形前の回転蓄熱体21を
示している。回転蓄熱体21は熱変形により高温側の伸
びが大きくなるため、図11に示すように高温側に凸状
に湾曲する。この結果、回転蓄熱体21と高温側シール
部材23との間隔ΔLoが大きくなる。しかしながら、
回転蓄熱体21の外周角部と突出部23dとの間隔δが
小さくなるため、結果として回転蓄熱体21と高温側シ
ール部材23との間隔は増大しない。従って、回転蓄熱
体21と高温側ガスシール23との隙間を自動調整で
き、回転蓄熱体21の熱変形に伴うガスの漏れ量増加を
防止できる。
【0107】(第5実施形態)次に、本発明の第5実施
形態を図12に基づいて説明する。本第5実施形態は、
上記第1実施形態に比較して回転蓄熱体21の駆動部に
低温流体が導入できるように構成されている点が異なる
ものである。上記第1実施形態と同様の部分については
同一の符号を付して説明を省略する。
【0108】図12は本第5実施形態の改質装置におけ
る熱交換部20の拡大断面図である。図12に示すよう
に、本第5実施形態では、ハウジング1における熱交換
部20近傍に、熱交換部20に低温流体を導入するため
の低温流体導入路5が設けられている。シール部材2
2、23には、ピニオンギア24bやリングギア25等
からなる回転蓄熱体21の駆動部に低温流体を流通させ
るための貫通孔22f、23fが形成されている。さら
に、リングギア25にも貫通孔25aが形成されてい
る。
【0109】低温流体としては、改質原料供給部10か
ら供給される改質原料に合流させる必要があるので、改
質原料を構成する空気、水、改質燃料のいずれかを用い
ることができる。本第5実施形態では低温流体として空
気を用いている。なお、低温流体が通過する通路を改質
原料が通過する低温流体通路Aと別個に設け、低温流体
が改質原料と合流しない構成にした場合には、低温流体
として改質原料を構成する空気、水、改質燃料以外の流
体を用いることができる。
【0110】低温流体導入路5より導入された低温流体
は、一部がケーシング1と熱交換部20との間の空間を
貫流するとともに、高温側シール部材23の貫通孔23
fより回転蓄熱体21の外周部と円筒状スペーサ27と
シール部材22、23とから構成される内部空間に導入
される。低温流体は、リングギア25、弾性部材26、
ピニオンギア24b、軸受け29、30等を冷却した後
に、低温側シール部材22の貫通孔22fより流出し、
上流側の改質原料供給部10から供給される改質原料に
合流して、改質原料の一部となる。
【0111】以上、第5実施形態の構成によれば、熱交
換により高温となるリングギア25、弾性部材26、ピ
ニオンギア24b、軸受け29、30等を積極的に冷却
することができる。これにより、これらの部材の過熱を
防止し、潤滑性を維持することができ、耐久性及び信頼
性を確保することができる。また、リングギア25等か
ら熱を受け取った低温流体は、加熱すべき改質原料に合
流するため、外部への熱損失を防止することができる。
【0112】(第6実施形態)次に、本発明の第6実施
形態を図13〜図15に基づいて説明する。本第6実施
形態は、上記第5実施形態に比較して回転蓄熱体21の
熱変形に対応させてシール部材22、23を変形させる
ように構成されている点が異なるものである。上記第5
実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説
明を省略する。
【0113】図13は本第6実施形態の改質装置におけ
る熱交換部20の拡大断面図である。図13に示すよう
に、本第6実施形態では、高温側シール部材23とハウ
ジング1の間に、サポート部材35が高温側シール部材
23と平行に配置されている。サポート部材35はシー
ル部材22、23と同様の形状であり、フランジ部35
aとクロスアーム部35bを備えている。
【0114】フランジ部35aには、低温流体導入路5
から流入した低温流体を通過させるために貫通孔35c
が形成されている。本第6実施形態では、高温側シール
部材23に代えてサポート部材35がベローズ2a、3
aを介してケーシング1に固定されている。
【0115】なお、高温側シール部材23とサポート部
材35との間は、略半円断面形の高温側流体通路Aおよ
び低温側流体通路Bのそれぞれにおいて、伸縮自在な筒
状部材であるベローズ(半円断面形)5a、6aにて連
結されている。これにより、高温側シール部材23とサ
ポート部材35との間には、高温側と低温側の流体流路
が分離して形成され、高温流体と低温流体とが混合され
るのを防ぐことができる。
【0116】また、本第6実施形態では、外周部におけ
る隙間(回転蓄熱体21とシール部材フランジ部22
a、23aとの隙間)と、中心部における隙間(回転蓄
熱体21とシール部材クロスアーム部22b、23bと
の隙間)を等しくしている。
【0117】高温側シール部材23とサポート部材35
との間には、高温側シール部材23とサポート部材35
との間隔を保持するために、直径の異なる2つの円筒形
状のスペーサ(間隔保持部材)36、37が介在してい
る。外周部スペーサ36は高温側シール部材23のフラ
ンジ部23aとサポート部材35のフランジ部35aと
の間に配置され、中心部スペーサ37は高温側シール部
材23のクロスアーム部23bとサポート部材35のク
ロスアーム部35bとの間に配置される。本第6実施形
態では、棒状スペーサ28は高温側シール部材23側が
長く形成されており、中心部スペーサ37およびサポー
ト部材35のクロスアーム部35bは棒状スペーサ28
にはめ込まれて固定される。
【0118】外周部スペーサ36および中心部スペーサ
37は、それぞれ熱膨張係数の異なる材質から構成さ
れ、外周部スペーサ36の方が中心部スペーサ37より
熱膨張係数が大きくなるように構成されている。それぞ
れのスペーサ36、37は、熱膨張していない状態では
同一の軸方向長さを有している。
【0119】外周部に配置される外周部スペーサ36に
は、耐熱鋼である炭素鋼やステンレス鋼といった高熱膨
張材料を用いる。一方、中心部に配置される中心部スペ
ーサ37には、インバーやセラミックといった低熱膨張
材料を用いる。外周部スペーサ36の熱膨張率は温度、
長さ、材質等により異なるが、本第6実施形態では、外
周部スペーサ36の熱膨張率は中心部スペーサ37に比
較して十数倍となるように設定されている。この外周部
スペーサ36の熱膨張率の設定は、回転蓄熱体21の外
周部の熱変形量と、外周部スペーサ36の熱膨張に伴う
ガスシール22、23の移動量がほぼ等しくなるように
行われる。
【0120】なお、本第6実施形態では、低温側シール
部材22、高温側シール部材23、サポート部材35の
いずれも、外周部スペーサ36の熱膨張により変形させ
る必要があるので、セラミック材は用いず、ステンレス
といった耐熱性金属材料を用いている。また、シール部
材22、23と、サポート部材35は同軸上で固定され
ている。このため、シール部材22、23とサポート部
材35は中心部が固定され、シール部材22、23およ
びサポート部材35の外周部のみが、外周部スペーサ3
6の熱膨張により変形する。
【0121】次に、熱変形の前後における熱交換部20
を図14、図15に基づいて説明する。図14は熱変形
前の熱交換部20の概略断面図であり、図15は熱変形
後の熱交換部20の概略断面図である。
【0122】熱変形前では、図14に示すように、回転
蓄熱体21とシール部材22、23との間には所定の微
少隙間が保持されている。これに対し、熱変形後には、
図15に示すように、回転蓄熱体21は、高温側(図1
5中右側)の伸びが低温側(図15中左側)より大きく
なるため、高温側が凸状となるように熱変形する。
【0123】このとき、高熱膨張材である外周部スペー
サ36は高熱により膨張し、高温側シール部材23とサ
ポート部材35の外周を押し広げることとなる。これに
対し、低熱膨張材である中心部スペーサ37は、外周部
スペーサ36に比較して熱膨張係数が小さいため、高温
側シール部材23とサポート部材の中心部は固定された
ままとなる。
【0124】従って、図15に示すように高温側シール
部材23とサポート部材35との間は、中心部が引きつ
けられたまま外周部のみが押し広げられる。これに伴
い、低熱膨張材であるスペーサ27、28で間隔を規定
されている低温側シール部材22と高温側シール部材2
3は、熱膨張前と同様の間隔を保持したまま図15中左
側に平行に変形することとなる。なお、高温側シール部
材23とサポート部材35とを連結しているベローズ5
a、6aは伸縮可能に構成されているので、高温側ガス
シール23とサポート部材35の変形に対応して変形す
る。
【0125】これにより、回転蓄熱体21の熱変形に対
応してシール部材22、23が移動し、回転蓄熱体21
が熱変形して回転蓄熱体21とシール部材22、23と
の間隔が大きくなることを防止することができる。従っ
て、回転蓄熱体21とシール部材22、23との間隔を
常に最適値に維持することができ、回転蓄熱体21が熱
変形してもガスのシール漏れ増加を抑制することでき
る。
【0126】また、本第6実施形態では、回転蓄熱体2
1とシール部材22、23との間隔を常に最適値に維持
することができるので、外周部における隙間(回転蓄熱
体21とシール部材フランジ部22a、23aとの隙
間)を、中心部における隙間(回転蓄熱体21とシール
部材クロスアーム部22b、23bとの隙間)より大き
くする必要がない。
【0127】(第7実施形態)次に本発明の第7実施形
態を図16に基づいて説明する。図16は本第7実施形
態の水素供給装置の概略構成を示す概念図である。な
お、図16中の実線矢印は熱の移動方向を示し、破線矢
印は水分(水蒸気)の移動方向を示している。
【0128】図16に示すように、本第7実施形態の水
素供給装置は、改質原料供給部110、蒸発部120、
改質部130、CO除去部140、ガス圧縮機(加圧手
段)151、燃焼ガス供給部170等を備えている。本
第7実施形態では、蒸発部120、改質部130、CO
除去部140が回転蓄熱体として構成されている。
【0129】また、水素供給装置には、ハウジング10
0によって、改質原料が通過する低温流体通路(改質原
料通路)Aと、燃焼ガスが通過する高温流体通路(燃焼
ガス通路)Bとが並行して形成されている。低温流体通
路Aと高温流体通路Bはそれぞれ独立しており、蒸発部
120および改質部130を介して熱の授受が行われ
る。
【0130】また、本第7実施形態の水素供給装置にお
いては、低温流体通路Aの下流側には改質部130にて
生成した改質ガスが通過する改質ガス通路Cが形成さ
れ、高温流体通路Bの上流側には燃料電池160より排
出される排ガスが通過する排ガス通路Dが形成されてい
る。改質ガス通路Cと排ガス通路Dはそれぞれ独立して
並列的に形成されており、CO除去部140を介して熱
の授受および排ガス通路Dから改質ガス通路Cへの水分
(水蒸気)の回収が行われる。
【0131】低温流体通路Aでは、改質原料供給部10
で供給された第1改質原料(水と空気との混合気)が蒸
発部120で加熱・気化(蒸発)される。蒸発部120
の下流側で第1改質原料に第2の改質原料(改質燃料)
が混合され、改質原料(水と空気と改質燃料との混合
気)が生成する。改質原料は改質部130にてH2およ
びCOを含む改質ガスに改質され、改質ガス通路Cにお
いてCO除去部140によりCOが除去された後、水素
リッチガスとして燃料電池160に供給される。なお、
CO除去部140においてCO除去反応に必要な特定物
質としての水分(水蒸気)は、排ガス通路Dの排ガスか
ら回収した水分が用いられる。
【0132】燃料電池160には、水素とともに空気
(酸素)が供給され、水素と酸素との電気化学反応によ
り発電する。燃料電池160では、未反応水素を含むオ
フガスと未反応酸素を含むオフエアとが排ガスとして排
出される。燃料電池160に供給される水素および空気
は加湿されており、さらに燃料電池160内の電気化学
反応によって水分が生成するので、燃料電池160から
排出される排ガスは水蒸気を多量に含んだ湿潤状態とな
っている。
【0133】燃料電池160より排出された排ガスは、
水素供給装置の排ガス通路Dにて水分(水蒸気)を回収
された後、高温流体通路Bに供給される。高温流体通路
Bでは、オフガスおよびオフエアが燃焼ガス供給部17
0に供給され、燃焼して燃焼ガスとなる。この燃焼ガス
の燃焼熱は、改質部130および蒸発部120を介して
高温流体通路Bから低温流体通路Aを流れる改質原料に
伝えられる。なお、本実施形態では、改質燃料としてガ
ソリンや灯油といった液体石油系燃料を用いている。
【0134】図16に示すように低温流体通路Aの最上
流部には、第1の改質原料(水、空気)を供給する改質
原料供給部10が配置されている。改質原料供給部11
0には、水流量制御弁111、空気流量制御弁112、
噴霧ノズル114、混合室115が設けられている。な
お、空気は後述のガス圧縮機151による吸入によって
混合室115に供給されるように構成されている。
【0135】低温流体通路Aにおける改質原料供給部1
10の下流側には、蒸発部120が配置されている。本
第7実施形態の蒸発部120は回転式熱交換器であり、
上記第1実施形態の蒸発部20と同様の構成を有してい
る。蒸発部120は、一対のガスシールに挟まれた回転
蓄熱体121を備えている。また、蒸発部120の下流
側には、蒸発部120にて蒸発気化された第1の改質原
料(水、空気)に、第2の改質原料(改質燃料)を供給
・混合するための燃料流量制御弁113、噴霧ノズル1
16、混合室117が設けられている。
【0136】蒸発部120の下流側には改質部130が
設けられている。本第7実施形態の改質部130は、蒸
発部120と同様の回転蓄熱体131を備えており、回
転蓄熱体131の貫通孔内部の表面には改質触媒が添着
されている。このような構成により、本第7実施形態の
改質部130では高温流体通路Bの燃焼ガスの燃焼熱に
よって改質触媒を加熱できる。また、改質部130の下
流側には、改質触媒の温度を間接的に検出する温度セン
サ(温度検出手段)132が設けられている。
【0137】改質部30の下流側には、改質ガスから一
酸化炭素(CO)を除去するCO除去部140が設けら
れている。CO除去部140では、COシフト反応(C
O+H2O→CO2+H2+CO)と、CO酸化反応(C
O+1/2O2→CO2)により改質ガス中のCOを除去
するように構成されている。COシフト反応ではCO除
去のために水分が必要とされる。また、CO除去部14
0の上流側には改質ガス温度をCO除去反応に必要な温
度に冷却するための冷却部141が設けられている。
【0138】本第7実施形態におけるCO除去部140
は、蒸発部120と同様の構成を有する回転蓄熱体14
2を備えている。CO除去部140の回転蓄熱体142
は、低温流体通路Aの下流側に位置する改質ガス通路C
と、高温流体通路Bの上流側に位置する排ガス通路Dと
を横切るように配置されており、回転することにより改
質ガス通路Cと排ガス通路Dとを交互に移動する。
【0139】CO除去部140の回転蓄熱体142にお
ける貫通孔内部の表面(伝熱面)には、水蒸気吸着層が
形成されている。水蒸気吸着層は、例えばゼオライトや
シリカゲルといった水分を吸着可能な多孔質の吸着剤か
ら構成されている。吸着剤には多数の細孔が形成されて
おり、水分を選択的に吸着できるように細孔の大きさが
定められている。CO除去部140では、COシフト反
応のためのシフト触媒(例えばFe−Cr系触媒、Cu
−Zn系触媒等)と、CO酸化反応のための酸化触媒
(例えばPt、Pd、Rh等)が設けられており、水蒸
気吸着層の表面にこれらのシフト触媒や酸化触媒からな
るCO浄化触媒が添着されている。
【0140】なお、蒸発部120、改質部130、CO
除去部140における回転蓄熱体121、131、14
2は、それぞれ同一の回転軸123上に配置されてお
り、蒸発部120の回転モータ122により回転駆動さ
れるように構成されている。
【0141】改質ガスを燃料電池160に供給するため
の改質ガス供給路150には押し込み式のガス圧縮機1
51が設けられている。ガス圧縮機151は電動モータ
により駆動される。ガス圧縮機151は、燃料電池16
0に対する出力要求の変化に応じて燃料電池160への
改質原料の供給量を変化させる。ガス圧縮機151によ
る吸入により、改質原料供給部110に空気が吸引供給
される。ガス圧縮機151は、吸入側より吐出側の圧力
が高くなるため、吸入側に位置する低温流体通路Aの圧
力Paより高温流体通路Bの圧力Pbの方が高くなるよ
うに圧力調整できる。同様に改質ガス通路Cの圧力Pc
より排ガス通路Dの圧力Pdが高くなるように圧力調整
することができる。
【0142】水素供給装置にて生成した水素を含んだ改
質ガスは、燃料電池160に供給される。燃料電池16
0には、水素とともに空気側ガス圧縮機152により空
気(酸素)が供給されることで、以下の水素と酸素との
電気化学反応が起こり電気エネルギが発生する。 (負極側)H2→2H++2e- (正極側)2H++1/2O2 +2e-→H2O 燃料電池160では、発電時の電気化学反応のために燃
料電池160内部の電解質膜を水分を含んだ状態にして
おく必要がある。このため、通常運転時において燃料電
池160には加湿された空気および水素が供給される。
これにより、燃料電池160内部は湿潤状態で作動す
る。また、酸素極側では上記電気化学反応により水分が
生成する。
【0143】燃料電池160では、発電に用いられなか
った未反応水素を含んだオフガスと発電に用いられなか
った酸素を含むオフエアが排出される。オフガスおよび
オフエアからなる排ガスは、多量の水蒸気を含んだ状態
(通常は飽和状態)でオフガス供給路161、オフエア
供給路162を介して排ガス通路Dに供給される。
【0144】排ガス通路Dの下流側であって高温流体通
路Bにおける改質部130の上流側には、改質部130
および蒸発部120を加熱するための燃焼ガス供給部1
70が設けられている。燃焼ガス供給部170には、燃
料流量制御弁(燃焼用燃料供給部)171、噴霧ノズル
172、点火プラグ(着火手段)173、混合・燃焼室
174が設けられている。
【0145】燃焼ガス供給部170には、排ガス通路D
を通過したオフガスおよびオフエアからなる排ガスが供
給される。排ガスは改質部130および蒸発部120に
供給され、改質部130および蒸発部120に設けられ
た酸化触媒にて触媒燃焼して燃焼ガスを生ずる。この燃
焼ガスの燃焼熱で回転蓄熱体131、121が加熱され
る。これにより改質部130の回転蓄熱体131は改質
触媒を加熱するとともに、蒸発部120の回転蓄熱体1
21は低温流体通路Aにて改質原料を加熱して蒸発させ
る。
【0146】水素供給装置の始動時には、オフガスに代
えて、燃料流量制御弁171にて流量制御された始動用
燃料(燃焼用燃料)を燃焼室174に噴霧し、点火プラ
グ173にて着火して、火炎燃焼により燃焼ガスを生じ
させるように構成されている。なお、本第7実施形態で
は、始動用燃料として改質燃料と同様の液体石油系燃料
を用いている。
【0147】また、高温流体通路Bにおける蒸発部12
0の下流側には絞り管部(燃焼ガス排気通路)101が
設けられ、絞り管部101には通路面積を変化させるこ
とができる排気制御弁(圧力調整手段)102が設けら
れている。上記ガス圧縮機151および排気制御弁10
2とで高温流体通路Bおよび排ガス通路Dを加圧するこ
とができる。具体的にはガス圧縮機51の作動時に、燃
焼ガス排気通路82の通路面積を排気制御弁83で小さ
くして排気抵抗を大きくすることで、低温流体通路圧力
Paおよび改質ガス通路圧力Pcに比較して、高温流体
通路圧力Pbおよび排ガス通路圧力Pdを高くすること
ができる。
【0148】本第7実施形態の水素供給装置において
も、上記第1実施形態と同様の各種制御を行う制御部
(ECU)180が設けられている。
【0149】以下、上記構成の水素供給装置の作動につ
いて説明する。まず、水素供給装置の始動時について説
明する。改質部130において改質反応が開始するため
には、改質部130に供給される改質原料が蒸発・気化
しており、かつ改質部130の改質触媒が改質反応を開
始可能な所定温度まで昇温している必要がある。
【0150】そこで、まず燃焼ガス供給部170の燃焼
室174にて始動用燃料と空気との混合気を生成し、点
火プラグ173にて着火して火炎燃焼させる。この火炎
燃焼により生成した燃焼ガスは、高温流体通路Bを流れ
て改質部130および蒸発部120を貫流する。これに
より、回転蓄熱体121、131のうち高温流体通路B
に位置する部位は燃焼ガスにより加熱される。このとき
ガス圧縮機151を作動させ、改質原料供給部110に
空気のみを供給する。
【0151】蒸発部120の回転蓄熱体121が回転す
ることで、燃焼ガスにて加熱された部位が低温流体通路
Aに移動し、低温流体通路Aを流れる空気が加熱され
る。この加熱空気が低温流体通路Aを流れることによ
り、熱交換部120の下流側の各構成要素が急速に暖気
される。また、改質部130の回転蓄熱体131が回転
することで、改質触媒は高温流体通路Bで直接的に加熱
される。
【0152】燃焼ガスの燃焼熱により、蒸発部120、
改質部130、CO除去部140といった改質システム
の各構成要素が急速に暖気(予熱)される。そして、温
度センサ132にて検出した改質部130の温度が所定
改質反応開始温度に到達した場合に、改質触媒を含めた
改質システムの構成要素が改質反応を開始することがで
きる温度に到達したと判断して、燃焼ガス供給部170
での始動用燃料の供給を中断して火炎燃焼を停止する。
なお、所定改質反応開始温度は改質燃料の種類等に応じ
て任意に設定できるが、本第7実施形態のように改質燃
料として石油系燃料を用いる場合には300℃〜400
℃と設定することができる。
【0153】各構成要素の暖気が完了すると、改質原料
供給部110にて第1の改質原料(水、空気の混合気)
の供給が開始される。第1の改質原料は蒸発部120に
て加熱・気化される。蒸発部120にて気化された第1
の改質原料は、蒸発部120の下流側にて第2の改質原
料(改質燃料)が混合され、水、空気、改質燃料からな
る改質原料となり、改質部30に供給される。改質原料
は、改質部130にてH2とCOを含む改質ガスに改質
される。改質ガスはCO除去部140にてCOが除去さ
れ、ガス圧縮機151により燃料電池160に供給され
る。
【0154】燃料電池160では、水素と酸素との電気
化学反応により発電するとともに、未反応水素を含むオ
フガスと未反応の酸素を含むオフエアが排出される。電
気化学反応の際、燃料電池160内部は湿潤状態にある
ので、オフガスおよびオフエアは多量の水蒸気を含んだ
状態で排出される。オフガスはオフガス供給路161を
介して、オフエアはオフエア供給路162を介して排ガ
ス通路Dに導入される。
【0155】このとき、改質ガス通路Cより排ガス通路
Dの方が高圧となっており、さらに、改質ガス(100
〜120℃程度)の方が燃料電池160の排ガス(80
〜90℃程度)より高温となっている。
【0156】従って、CO除去部140では、低温高圧
の排ガス通路D側で燃料電池160の排ガス中に含まれ
る水蒸気を回転蓄熱体142の水蒸気吸着層に吸着させ
ることができる。そして、回転蓄熱体142が回転する
ことにより水蒸気が吸着した部位が改質ガス通路C側に
移動し、高温低圧の改質ガス通路Cにおいて水蒸気を脱
離させることができる。この水蒸気はCOシフト反応に
用いられる。
【0157】また、CO除去部140におけるCO除去
反応(シフト反応、酸化反応)はいずれも発熱反応を呈
する。改質ガス通路C側で高温となった回転蓄熱体14
2は排ガス通路D側で冷却されるため、触媒の劣化を防
止して最適な反応速度を維持することができる。
【0158】排ガス通路Dを通過して水蒸気を回収され
た排ガスは、高温流体通路Bの燃焼ガス供給部70に導
入される。排ガスは、改質部30および蒸発部20に供
給され、回転蓄熱体131、121を通過する際に触媒
燃焼を開始する。このオフガスの触媒燃焼によって発生
した熱は回転蓄熱体121、131に蓄えられる。これ
により、改質部130の回転蓄熱体131は改質触媒を
加熱するとともに、蒸発部120の回転蓄熱体121は
低温流体通路Aにて改質原料を加熱して蒸発させる。
【0159】このように、オフガスの触媒燃焼による熱
により、蒸発部120においては改質原料を加熱して気
化するとともに、改質部130においては改質触媒を加
熱することができる。これにより、蒸発部120、改質
部130の加熱は、始動用燃料の火炎燃焼による加熱か
らオフガス燃焼による加熱に切り替わり、水素供給装置
は自立運転を開始することができる。
【0160】このとき、ガス圧縮機151の出力調整お
よび排気制御弁102の開度調整により、高温流体通路
圧力Pbの方が低温流体通路圧力Paより高くなるよう
に圧力調整を行う。
【0161】次に、燃料電池160における負荷が変動
した場合には、燃料電池160での負荷変動に応じてガ
ス圧縮機151、152により改質原料の供給量を調整
して、燃料電池160への水素供給量および空気供給量
を調整する。このとき、ガス圧縮機151による改質ガ
ス供給量が増加した場合には高温流体通路圧力Pbおよ
び排ガス通路圧力Pdが高くなり、減少した場合には高
温流体通路圧力Pbおよび排ガス通路圧力Pdが低くな
る。このため、排気制御弁82の開度を調整すること
で、各通路A、B、C、Dの圧力差が適正になるように
圧力調整を行う。
【0162】水素供給装置から燃料電池60への水素の
供給を停止する場合には、改質燃料と水の供給を停止
し、次に空気の供給を停止する。この間、低温流体通路
A内に残存する可燃混合気は、高温流体通路Bにおいて
蒸発部120および改質部130内またはその表面部で
の触媒燃焼により燃焼完結するので、エミッションの排
出を抑制することができる。
【0163】以上、本第7実施形態の水素供給装置のよ
うにCO除去部140に吸着剤を備えた回転蓄熱体14
2を設けることで、CO除去反応に必要とされる水分は
燃料電池160より排出される排ガスから回収すること
ができる。これにより、CO除去部140に水分を供給
するために、改質原料に改質反応に必要とされる以上の
水分を含める必要が無くなり、水素供給装置の蒸発気化
手段を簡略化することができる。
【0164】このように回転蓄熱体142の貫通孔表面
に特定物質を選択的に吸着できる吸着剤を設けること
で、2つの通路間において熱のみならず物質をも移送さ
せることができるようになる。
【0165】さらに、本第7実施形態のように、回転蓄
熱体142に水蒸気吸着層とシフト触媒とを設けること
で、排ガス通路Dにおいて排ガスより回収した水蒸気を
液化することなく、水蒸気の状態で改質ガス通路Cに移
送してCO除去反応に用いることができる。
【0166】また、CO除去部140に回転蓄熱体14
2を設けることで、改質ガス通路CにおけるCO除去反
応により発熱した触媒を、低温の排ガス通路Dにて冷却
することができる。これにより、触媒の劣化を防止する
とともに最適な反応温度を維持することができる。
【0167】なお、改質部130とCO除去部140と
の間に設けられた冷却部141は、過剰な温度となった
改質ガスを冷却するために、外部に設けられた図示しな
い冷却装置と熱媒体を介して熱交換できるように構成し
てもよい。
【0168】(第8実施形態)次に、本発明の第8実施
形態を図17に基づいて説明する。図17は、本第8実
施形態の水素供給装置の概略構成を示す概念図である。
本第8実施形態は、上記第7実施形態と比較して、CO
除去部140の構成の点が異なるものである。上記第7
実施形態と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略
する。
【0169】図17に示すように、本第8実施形態の水
素供給装置におけるCO除去部140には、蒸発部12
0の回転蓄熱体121と同様の構成を有する2つの回転
蓄熱体142、144が設けられている。第1の回転蓄
熱体142は、改質ガス通路Cにおいては第2の回転蓄
熱体144の上流側に位置し、排ガス通路Dにおいては
第2の回転蓄熱体144の下流側に位置する。第1の回
転蓄熱体142では排ガス通路Dを流れる燃料電池排ガ
スからの水分(水蒸気)回収を行い、第2の回転蓄熱体
144ではCO除去反応(シフト反応、酸化反応)を行
うように構成されている。
【0170】第1の回転蓄熱体142には、貫通孔内部
の表面(伝熱面)にゼオライト等からなる水蒸気吸着層
が形成されている。また、第2の回転蓄熱体144に
は、貫通孔内部の表面(伝熱面)にCO除去反応のため
のCO除去触媒(シフト触媒、酸化触媒)が添着されて
いる。また、改質ガス通路Cには高温の改質ガスを冷却
するために、第1の回転蓄熱体142の上流側には第1
の冷却部141が設けられ、第1の回転蓄熱体142と
第2の回転蓄熱体144と間には第2の冷却部143が
設けられている。
【0171】このような構成により、本第8実施形態の
水素供給装置におけるCO除去部140は以下のように
作動する。
【0172】まず、第1の回転蓄熱体142で低温高圧
の排ガス通路Dを流れる燃料電池排ガスから水蒸気を吸
着回収し、改質ガス通路Cに移送する。第1の回転蓄熱
体142にて吸着された水蒸気は、高温低圧の改質ガス
通路Cにて脱離する。このとき、第1の回転蓄熱体14
2では、改質ガスの熱を排ガス通路Dに放熱することで
改質ガス通路Cを流れる改質ガスを冷却することができ
る。
【0173】改質ガス通路Cにて第1の回転蓄熱体14
2より脱離した水蒸気は、第2の回転蓄熱体144に供
給される。第2の回転蓄熱体144では、この水蒸気を
用いたCO除去反応が起こり、改質ガス中のCOを除去
することができる。このとき、第2の回転蓄熱体144
ではCO除去反応に伴い発熱するが、低温の排ガス通路
Dにて触媒を冷却することができる。
【0174】以上、本第8実施形態の水素供給装置の構
成によっても、上記第7実施形態と同様の効果を得るこ
とができる。また、本第8実施形態のように、CO除去
部140において、2つの回転蓄熱体142、144を
用いて水分回収とCO除去反応を分離して行うことで、
水分(水蒸気)の吸着効率を向上させることができる。
【0175】(第9実施形態)次に、本発明の第9実施
形態を図18に基づいて説明する。図18は、本第9実
施形態の水素供給装置の概略構成を示す概念図である。
本第9実施形態は、上記第7実施形態と比較して、改質
用空気加湿部200が付加された点が異なるものであ
る。上記第7実施形態と同様の部分は同一の符号を付し
て説明を省略する。
【0176】図18に示すように、本第9実施形態の水
素供給装置では、改質原料に用いられる空気を加湿する
ための改質用空気加湿部200が設けられている。改質
用空気加湿部200には、改質用空気が通過する改質用
空気通路Eと、燃料電池160から排出される排ガスが
通過する空気加湿用排ガス通路Fとが形成されている。
改質用空気通路Eを通過した空気は改質原料供給部11
0に供給され、改質原料の一部として用いられる。ま
た、空気加湿用排ガス通路Fを通過した排ガスは、排ガ
ス通路Dに供給される。
【0177】また、改質原料加湿部200の改質用空気
通路Eと改質原料供給部110の間には、空気圧送のた
めのガス圧縮機118が設けられている。これにより、
ガス圧縮機118の吸入側に位置する改質原料加湿部2
00の改質用空気通路Eは低圧となる。
【0178】改質用空気加湿部200には、蒸発部12
0における回転蓄熱体121と同様の構成を有する回転
蓄熱体201が設けられている。回転蓄熱体201に
は、貫通孔内部の表面(伝熱面)にゼオライト等からな
る水蒸気吸着層が形成されている。回転蓄熱体201
は、回転軸202を中心にして図示しない駆動機構によ
り回転駆動される。
【0179】このような構成により、改質用空気加湿部
200では、空気加湿用排ガス通路Fにおいて燃料電池
160から排出される排ガスより水蒸気を吸着回収し、
改質用空気通路Eにて水蒸気を脱離する。このとき、空
気加湿用排ガス通路Fと改質用空気通路Eとの間の温度
差は小さいが、改質用空気通路Eの方が空気加湿用排ガ
ス通路Fより低圧であるため、空気加湿用排ガス通路F
の水蒸気を吸着により改質用空気通路Eに移送させるこ
とができる。空気加湿用排ガス通路Fを通過した排ガス
は排ガス通路Dに供給され、さらに水分を回収された後
に高温流体通路Bにて燃焼ガスとして利用される。
【0180】以上のような本第9実施形態の構成によれ
ば、燃料電池160の排ガス中の水蒸気を回収して改質
原料に用いられる空気を加湿することができるため、改
質原料供給部110における水供給装置を小型化あるい
は不要とすることができる。
【0181】なお、改質用空気加湿部200にて回収し
た水蒸気を水蒸気のまま改質原料供給部110に移送す
るために、改質用空気加湿部200における改質用空気
通路Eと改質原料供給部110との間の経路を断熱構造
とすることが望ましい。また、高温流体通路Bの下流側
で水素供給装置から排出される燃焼ガスによって、改質
用空気加湿部200における改質用空気通路Eと改質原
料供給部110との間の経路を加熱できるように構成し
てもよい。
【0182】(第10実施形態)次に、本発明の第10
実施形態を図19に基づいて説明する。図19は、本第
8実施形態の水素供給装置の概略構成を示す概念図であ
る。本第10実施形態は、上記第7実施形態と比較し
て、改質ガス中に含まれる水素以外の不純物(窒素、二
酸化炭素等)を吸着除去する不純物除去部190が設け
られている点が異なるものである。上記第7実施形態と
同様の部分は同一の符号を付して説明を省略する。な
お、図19中の交差斜線矢印は不純物の移動方向を示し
ている。
【0183】改質部130では、改質反応により改質原
料(水、空気、改質燃料の混合気)を改質して、水素、
一酸化炭素、二酸化炭素を生成する。また、改質原料に
含まれる空気には、窒素等が含まれている。従って、改
質ガス中には、水素以外の不純物が含まれており、水素
濃度が低いものとなっている。
【0184】そこで、本第10実施形態における水素供
給装置では、図19に示すように、改質ガス通路Cにお
けるCO除去部140の下流側には、改質部130にて
生成した改質ガス中に含まれる水素以外の不純物(窒
素、二酸化炭素等)を吸着除去するための不純物除去部
190が設けられている。
【0185】不純物除去部190は、蒸発部120にお
ける回転蓄熱体121と同様の構成を有する回転蓄熱体
191を備えている。回転蓄熱体191には、貫通孔内
部の表面(伝熱面)に不純物吸着層が形成されている。
不純物吸着層は、多孔質材料のゼオライト等から構成さ
れており、表面には多数の細孔が形成されている。
【0186】不純物吸着層では、吸着しようとする不純
物分子の大きさに応じて細孔の大きさを設定することに
より、特定の不純物を選択的に吸着することができる。
本第10実施形態における改質ガス中の主な不純物は窒
素および二酸化炭素である。
【0187】本第10実施形態の水素供給装置では、改
質原料供給部110における空気流量制御弁110の上
流側には、図示しない押し込み式のガス圧縮機が設けら
れている。これにより、改質ガス通路Cより下流側に位
置する排ガス通路Dは、圧力損失のため圧力低下し、排
ガス通路圧力Pdは改質ガス通路圧力Pcより低圧とな
る。
【0188】このような構成により、不純物除去部19
0は以下のように作動する。まず、不純物除去部190
には、改質ガス通路CにおいてCO除去部140で一酸
化炭素を除去された改質ガスが供給される。不純物除去
部190では、不純物吸着層により改質ガス中に含まれ
る窒素、二酸化炭素を選択的に物理吸着する。このと
き、改質ガス通路Cと排ガス通路Dとの間の温度差は小
さいが、排ガス通路Dの方が改質ガス通路Cより低圧で
あるため、改質ガス通路Cの不純物を吸着により排ガス
通路Dに移送させることができる。
【0189】次に、回転蓄熱体191が回転することに
より窒素等を吸着した部位が排ガス通路D側に移動す
る。ここで、不純物吸着層に吸着された窒素等は脱離し
て、排ガスとともに水素供給装置の外部に排出される。
【0190】以上の本第10実施形態の構成によれば、
不純物除去部190により改質ガス中の窒素、二酸化炭
素を選択的に物理吸着して、排ガス通路D側に脱離、放
出することができ、燃料電池160に供給される改質ガ
ス中の水素濃度を高めて良質な燃料を燃料電池160に
供給することができる。これにより燃料電池160にお
ける発電効率を向上させることができる。
【0191】なお、不純物除去部190は改質ガス通路
CにおけるCO除去部140の上流側に設けてもいい。
但し、CO除去部140においてもCO除去反応により
二酸化炭素が発生するため、不純物除去部190は改質
ガス通路CにおけるCO除去部140の下流側に設ける
ことが望ましい。また、CO除去反応後の低温となった
改質ガスから不純物を除去することで、吸着剤の吸着効
率を高くすることができる。
【0192】(他の実施形態)なお、上記各実施形態で
は、シール部材22、23と回転蓄熱体21との間に所
定の微少隙間を確保するための隙間保持部材27、28
として、外周部に円筒状スペーサ27、中心部に棒状ス
ペーサ28を配置したが、これに限らず、シール部材2
2、23と回転蓄熱体21との間に所定の微少隙間を確
保できれば、円筒状スペーサ27あるいは棒状スペーサ
28のいずれか一方のみを配置するように構成してもよ
い。
【0193】また、図17で示した第8実施形態では、
第1の回転蓄熱体142で水分回収を行い、第2の回転
蓄熱体144でCO除去(シフト反応、酸化反応)を行
うように構成したが、これに限らず、シフト反応と酸化
反応を分離し、第1の回転蓄熱体142にて水分回収と
同時にシフト反応を行い、下流側の第2の回転蓄熱体1
44では酸化反応のみを行うように構成してもよい。こ
の場合には、第1の回転蓄熱体142にシフト触媒を設
ければよい。
【0194】また、上記各実施形態では、本発明の回転
蓄熱式熱交換器を燃料電池システムの改質装置に適用し
たが、これに限らず、例えばガスタービン等にも適用可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の改質装置のブロック図である。
【図2】図1の改質装置の概念図である。
【図3】図1の改質装置における熱交換部の断面図であ
る。
【図4】図1の改質装置の熱交換部の分解斜視図であ
る。
【図5】図4の熱交換部の流体流れ方向における断面図
である。
【図6】図3の熱交換部の平面図である。
【図7】図1の改質装置の制御系の説明図である。
【図8】第2実施形態の改質装置における熱交換部の断
面図である。
【図9】第3実施形態の改質装置における熱交換部の断
面図である。
【図10】第4実施形態の改質装置における熱交換部の
断面図である。
【図11】図10の熱交換部の部分拡大図である。
【図12】第5実施形態の改質装置における熱交換部の
断面図である。
【図13】第6実施形態の改質装置における熱交換部の
断面図である。
【図14】図13の熱交換部の熱変形前の状態を示す断
面図である。
【図15】図13の熱交換部の熱変形後の状態を示す断
面図である。
【図16】上記第7実施形態の改質装置の概念図であ
る。
【図17】上記第8実施形態の改質装置の概念図であ
る。
【図18】上記第9実施形態の改質装置の概念図であ
る。
【図19】上記第10実施形態の改質装置の概念図であ
る。
【図20】従来技術の回転蓄熱式熱交換装置における熱
変形前の状態を示す断面図である。
【図21】従来技術の回転蓄熱式熱交換装置における熱
変形後の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10…改質原料供給部、20…熱交換器、21…回転蓄
熱体、22、23…シール部材、25…リングギア、2
7…円筒状スペーサ、28…棒状スペーサ、29、30
…軸受け、31…スプリング、32…弾性ナット、40
…改質部、50…燃料電池。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上原 昌徳 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 川口 清司 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3K023 QA18 QB02 QC01 QC08 SA01 SA03 4G040 EA03 EA06 EA07 EB32 4G140 EA03 EA06 EA07 EB32 5H027 AA02 BA01 BA17 BA19 BC11 KK41 MM16 MM20

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に多数の貫通孔(21a)が形成
    され、回転することにより低温流体が通過する低温流体
    通路(A)と高温流体が通過する高温流体通路(B)と
    を交互に移動して、前記高温流体の熱を前記低温流体に
    移送する回転蓄熱体(21)と、 前記回転蓄熱体(21)における前記貫通孔(21a)
    が開口する両端面に対向するように配置され、前記高温
    流体通路(B)において前記高温流体の流入側に位置す
    る高温側シール部材(23)および前記高温流体の流出
    側に位置する低温側シール部材(22)とからなる一対
    のシール部材(22、23)とを備え、 前記各シール部材(22、23)は、フランジ部(22
    a、23a)とその中心を径方向に通るクロスアーム部
    (22b、23b)とを有しており、前記回転蓄熱体
    (21)における前記貫通孔(21a)が開口する両端
    面のそれぞれが前記クロスアーム部(22b、23b)
    により2つの領域に区画されており、一方の領域は前記
    低温流体通路(A)に位置するとともに、他方の領域は
    前記高温流体通路(B)に位置するように構成された回
    転蓄熱式熱交換器であって、 前記一対のシール部材(22、23)の間には、前記各
    シール部材(22、23)と前記回転蓄熱体(21)と
    の間に所定の隙間が保持されるように、前記回転蓄熱体
    (21)の軸方向長さより長い軸方向長さを有する隙間
    保持部材(27、28)が配置されていることを特徴と
    する回転蓄熱式熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記隙間保持部材は、前記回転蓄熱体
    (21)より大きい直径を有する円筒形状であって、前
    記一対のシール部材(22、23)のフランジ部(22
    a、23a)の間に配置される円筒状スペーサ(2
    7)、あるいは前記回転蓄熱体(21)の回転中心部を
    貫通する棒形状であって、前記一対のシール部材(2
    2、23)のクロスアーム部(22b、23b)の間に
    配置される棒状スペーサ(28)の少なくとも一方であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の回転蓄熱式熱交換
    器。
  3. 【請求項3】 前記隙間保持部材として少なくとも前記
    円筒状スペーサ(27)を備えている場合には、前記回
    転蓄熱体(21)は前記円筒状スペーサ(27)に支持
    されていることを特徴とする請求項2に記載の回転蓄熱
    式熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記隙間保持部材として少なくとも前記
    棒状スペーサ(28)を備えている場合には、前記回転
    蓄熱体(21)は前記棒状スペーサ(28)に支持され
    ていることを特徴とする請求項2に記載の回転蓄熱式熱
    交換器。
  5. 【請求項5】 前記棒状スペーサ(28)は、前記一対
    のシール部材のうち前記低温側シール部材(22)のク
    ロスアーム部(22b)のみによって支持されているこ
    とを特徴とする請求項4に記載の回転蓄熱式熱交換器。
  6. 【請求項6】 前記回転蓄熱体(21)と前記棒状スペ
    ーサ(28)との間には、弾性部材(33)が介在して
    いることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の
    回転蓄熱式熱交換器。
  7. 【請求項7】 前記回転蓄熱体(21)と前記シール部
    材(22、23)のフランジ部(22a、23a)との
    間に形成される隙間は、前記回転蓄熱体(21)と前記
    シール部材(22、23)のクロスアーム部(22b、
    23b)との間に形成される隙間より大きくなるように
    構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のい
    ずれか1つに記載の回転蓄熱式熱交換器。
  8. 【請求項8】 前記一対のシール部材(22、23)の
    クロスアーム部(22b、23b)には、所定間隔の間
    隙(22d、23d)が形成されていることを特徴とす
    る請求項1ないし7のいずれか1つに記載の回転蓄熱式
    熱交換器。
  9. 【請求項9】 前記高温側シール部材フランジ部(23
    a)の前記回転蓄熱体(21)側における前記回転蓄熱
    体(21)の外周角部に対応する部位に、突出部(23
    e)が形成されており、 前記回転蓄熱体(21)が熱変形したときに、前記突出
    部(23e)と前記回転蓄熱体(21)の外周角部との
    隙間が減少するように構成されていることを特徴とする
    請求項1ないし8のいずれか1つに記載の回転蓄熱式熱
    交換器。
  10. 【請求項10】 前記回転蓄熱体(21)の外周部と前
    記円筒状スペーサ(27)との間に低温流体が導入され
    ることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに
    記載の回転蓄熱式熱交換器。
  11. 【請求項11】 前記高温側シール部材(23)におけ
    る前記回転蓄熱体(21)の反対側に前記高温ガスシー
    ル(23)と平行に配置され、前記高温側シール部材
    (23)に対応するフランジ部(35a)とクロスアー
    ム部(35b)とを有するサポート部材(35)と、 前記高温側シール部材クロスアーム部(23b)と前記
    サポート部材クロスアーム部(35b)との間に配置さ
    れる中心部スペーサ(37)と、 前記中心部スペーサ(37)と同一の軸方向長さを有
    し、前記高温側シール部材フランジ部(23a)と前記
    サポート部材フランジ部(35a)との間に配置される
    外周部スペーサ(36)とを備え、 前記外周部スペーサ(36)は、前記中心部スペーサ
    (37)より熱膨張係数が大きいものであることを特徴
    とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の回転
    蓄熱式熱交換器。
  12. 【請求項12】 前記一対のシール部材(22、23)
    と、前記サポート部材(35)は同軸上で固定されてい
    ることを特徴とする請求項11に記載の回転蓄熱式熱交
    換器。
  13. 【請求項13】 前記外周部スペーサ(36)の熱膨張
    により前記高温側シール部材(23)と前記サポート部
    材(35)との間が押し広げられることを特徴とする請
    求項10または請求項12に記載の回転蓄熱式熱交換
    器。
  14. 【請求項14】 前記外周部スペーサ(36)の熱膨張
    により生じる前記シール部材(22、23)の変形量
    は、前記回転蓄熱体(21)の熱変形による生じる変形
    量と略同一に設定されていることを特徴とする請求項1
    3に記載の回転蓄熱式熱交換器。
  15. 【請求項15】 前記低温流体通路(A)および前記高
    温流体通路(B)のそれぞれにおいて、前記高温側シー
    ル部材(23)と前記サポート部材(35)の間は伸縮
    可能な筒状部材(5a、6a)にて連結されていること
    を特徴とする請求項11ないし14のいずれか1つに記
    載の回転蓄熱式熱交換器。
  16. 【請求項16】 前記低温側シール部材(22)は耐熱
    性金属材料から構成され、前記高温側シール部材(2
    3)はセラミック材料から構成されていることを特徴と
    する請求項1ないし9のいずれか1つに記載の回転蓄熱
    式熱交換器。
  17. 【請求項17】 前記低温側シール部材(22)および
    前記高温側シール部材(23)は耐熱性金属材料から構
    成されていることを特徴とする請求項10ないし15の
    いずれか1つに記載の回転蓄熱式熱交換器。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし16のいずれか1つに
    記載の回転蓄熱式熱交換器を用い、改質反応により改質
    原料から水素を生成する燃料電池システム用改質装置で
    あって、前記低温流体は前記改質原料であり、前記高温
    流体は燃焼ガスであることを特徴とする燃料電池システ
    ム用改質装置。
  19. 【請求項19】 改質反応により少なくとも水素化合物
    を含む改質原料から水素を含む改質ガスを生成する改質
    部(130)を備え、前記改質ガスを燃料電池(16
    0)に供給する燃料電池システム用改質装置であって、 前記改質ガスが通過する改質ガス通路(C)と、 前記燃料電池(160)から排出される未反応の水素を
    少なくとも含む排ガスが通過する排ガス通路(D)と、 軸方向に多数の貫通孔が形成され、回転することにより
    前記改質ガス通路(C)と前記排ガス通路(D)とを交
    互に移動する回転蓄熱体(142、192)とを備え、 前記回転蓄熱体(142、192)の貫通孔表面には、
    特定の物質を選択的に吸着可能な吸着剤が設けられてお
    り、 前記回転蓄熱体(142、192)を回転させること
    で、前記改質ガス通路(C)あるいは前記排ガス通路
    (D)のうち一方の通路で前記特定の物質を前記吸着剤
    に吸着させるとともに、他方の通路で前記特定の物質を
    前記吸着剤より脱離させることを特徴とする燃料電池シ
    ステム用改質装置。
  20. 【請求項20】 前記回転蓄熱体(142)を含むとと
    もに、前記改質ガスから触媒反応により一酸化炭素を除
    去するCO除去部(140)を備えていることを特徴と
    する請求項19に記載の燃料電池システム用改質装置。
  21. 【請求項21】 前記CO除去部(140)は前記一酸
    化炭素を触媒反応により二酸化炭素に変換して除去する
    触媒を備えており、前記触媒は前記回転蓄熱体(14
    2)の貫通孔表面に設けられていることを特徴とする請
    求項20に記載の燃料電池システム用改質装置。
  22. 【請求項22】 前記CO除去部(140)は前記一酸
    化炭素を触媒反応により二酸化炭素に変換して除去する
    触媒を備えており、前記触媒は前記改質ガス通路(C)
    における前記回転蓄熱体(142)の下流側に設けられ
    ていることを特徴とする請求項20に記載の燃料電池シ
    ステム用改質装置。
  23. 【請求項23】 前記排ガス通路(D)は、前記改質ガ
    ス通路(C)より高圧になるように構成されていること
    を特徴とする請求項20ないし22のいずれか1つに記
    載の燃料電池システム用改質装置。
  24. 【請求項24】 前記回転蓄熱体(191)を含むとと
    もに、水素以外の不純物を前記改質ガスより除去する不
    純物除去部(190)を備え、 前記回転蓄熱体(191)の貫通孔表面に設けられた吸
    着剤は前記不純物を選択的に吸着可能なものであり、 前記回転蓄熱体(191)を回転させることで、前記改
    質ガス通路(C)で前記不純物を前記吸着剤に吸着させ
    るとともに、前記排ガス通路(D)で前記不純物を前記
    吸着剤より脱離させることを特徴とする請求項19に記
    載の燃料電池システム用改質装置。
  25. 【請求項25】 前記改質ガス通路(C)は、前記排ガ
    ス通路(D)より高圧になるように構成されていること
    を特徴とする請求項24に記載の燃料電池システム用改
    質装置。
  26. 【請求項26】 前記CO除去部(140)は、前記改
    質ガス中の一酸化炭素と水蒸気とを触媒反応させるシフ
    ト反応により該一酸化炭素を除去するものであり、かつ
    前記回転蓄熱体(142)の前記貫通孔表面に設けられ
    た前記吸着剤は水蒸気を選択的に吸着可能なものであ
    り、 前記回転蓄熱体(142)を回転させることで、前記排
    ガス通路(D)で前記水蒸気を前記吸着剤に吸着させる
    とともに、前記改質ガス通路(C)で前記水蒸気を前記
    吸着剤より脱離させ、脱離した水蒸気を前記シフト反応
    に用いることを特徴とする請求項20ないし23のいず
    れか1つに記載の燃料電池システム用改質装置。
  27. 【請求項27】 改質反応により少なくとも水素化合物
    と空気とを含む改質原料から水素を含む改質ガスを生成
    し、前記改質ガスを燃料電池(160)に供給する燃料
    電池システム用改質装置であって、 前記改質原料に用いられる改質用空気を加湿する改質用
    空気加湿部(200)を備え、 前記改質用空気加湿部(200)は、 前記改質原料に用いられる空気が通過する改質用空気通
    路(E)と、 前記燃料電池(160)から排出される未反応の水素を
    少なくとも含む排ガスが通過する空気加湿用排ガス通路
    (F)と、 軸方向に多数の貫通孔が形成され、回転することにより
    前記改質用空気通路(E)と前記空気加湿用排ガス通路
    (F)とを交互に移動する回転蓄熱体(201)とを有
    しており、 前記回転蓄熱体(201)の貫通孔表面には、水を選択
    的に吸着可能な水吸着剤が設けられており、 前記回転蓄熱体(201)を回転させることで、前記空
    気加湿用排ガス通路(F)において水を前記水吸着剤に
    吸着させるとともに前記改質用空気通路(E)において
    前記水吸着剤に吸着した水を前記水吸着剤より脱離さ
    せ、前記水吸着剤より脱離した水を前記改質用空気の加
    湿に用いることを特徴とする燃料電池システム用改質装
    置。
  28. 【請求項28】 前記空気加湿用排ガス通路(F)は、
    前記改質用空気通路(E)より高圧になるように構成さ
    れていることを特徴とする請求項27に記載の燃料電池
    システム用改質装置。
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