JP2002196534A - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法

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JP2002196534A JP2000393001A JP2000393001A JP2002196534A JP 2002196534 A JP2002196534 A JP 2002196534A JP 2000393001 A JP2000393001 A JP 2000393001A JP 2000393001 A JP2000393001 A JP 2000393001A JP 2002196534 A JP2002196534 A JP 2002196534A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】重合法によるトナーの製造方法において、優れ
た画像品質を得ることができ、製造上の移送不良を起こ
すことのないトナーを収率良く製造する方法を提供す
る。 【解決手段】分散媒中で単量体を重合して重合体粒子分
散液を得る工程と、重合体粒子分散液を篩に通過させて
粗粒子を除去する工程を含むトナーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、均一な粒子径分布
を有するトナーの製造方法に関し、さらに詳しくは、重
合体粒子分散液中を篩に通して粗粒子を除去する工程を
設けることにより、均一な粒子径分布を有するトナーを
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真装置や静電記録装置等に
おいて使用されるトナーは、例えば、(1)結着樹脂を
着色剤、静電制御剤、離型剤等と混練し、粉砕し、分級
して着色粒子を得る粉砕法や、(2)重合体単量体、又
は重合体単量体、着色剤、静電制御剤、離型剤等の混合
物を、懸濁重合、乳化重合又は分散重合し、必要に応じ
て凝集又は会合させて着色粒子を得る重合法により製造
されている。
【0003】重合法による場合には、重合性単量体を重
合して得られた重合体粒子分散液から未反応の重合性単
量体を除去し、酸又は水等による洗浄により無機塩類を
除去した後、分級工程を経てトナーを得ることができ
る。このようにして得られるトナーは流動性に優れ、粒
径分布がシャープであって、高解像度の現像に適したも
のである。
【0004】しかしながら、このような重合法によるト
ナーの製造方法においては、次のような問題点があっ
た。 (1)重合性単量体の重合温度は、通常、得られる重合
体のガラス転移温度(Tg)付近になることがあるた
め、反応中に生成した重合体が溶融し、これがスケール
として粗粒子になりやすい。また、重合後の反応スラリ
ーを重合工程以降の工程に移送し、処理する場合に、反
応槽内に粗粒子が残存していると、それが核となって粗
粒子がさらに成長、増大して、収率低下を招く場合があ
った。特に粗粒子が多い場合には、分級処理後であって
も粗粒子が一部製品トナー中に混入し、白スジが発生す
る等の画像品質に悪影響を与える。さらに、スケール状
の粗粒子が多い状態で重合以降の工程に移送し、処理す
る場合においては、移送管の詰まりや流量低下等の移送
不良が発生する場合があった。
【0005】(2)未反応の重合性単量体を除去する工程
においては、除去効率の観点から、処理温度を高くする
ことが望まれる。また、除去工程中においては固形分濃
度が上昇するため粗粒子が発生し易い。そして、この工
程で発生した粗粒子も重合工程で発生した粗粒子と同様
に粗大粒子のさらなる成長、収率の低下、画像品質の劣
化、製造時における移送不良を引き起こす場合があっ
た。
【0006】(3)また、酸又は水等により洗浄する工
程においては、洗浄によって重合体粒子の周りに付いて
いた分散安定剤や乳化剤がなくなり、かつ中和熱やpH
変化により重合体粒子が凝集しやすくなるため、粗粒子
が発生し易い。そして、この工程で発生した粗粒子も重
合工程で発生した粗粒子と同様に粗粒子のさらなる成
長、収率の低下、画像品質の劣化、製造時における移送
不良を引き起こす場合があった。したがって、これらの
問題点を解決して、均一な粒子分布を有する高品質なト
ナーを高収率で得ることができるトナーの製造方法の開
発が求められていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実状
に鑑みてなされたものであり、重合法によるトナーの製
造方法において、優れた画像品質を得ることができ、製
造時における移送不良を起こすことのないトナーを収率
良く製造する方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、重合法によ
るトナーの製造法であって、(a)重合性単量体を重合
して重合体粒子分散液を得た後、(b)該重合体粒子分
散液から未反応重合性単量体を除去する中で、若しくは
未反応重合性単量体を除去した後、及び/又は(c)重
合体粒子分散液を洗浄する工程後において、重合体粒子
分散液を篩に通過させ粗粒子を取り除く工程を設けるこ
とにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明
を完成するに到った。
【0009】かくして本発明によれば、分散媒中で単量
体を重合して重合体粒子分散液を得る工程と、重合体粒
子分散液を篩に通過させ、粗粒子を除去する工程とを含
むトナーの製造方法が提供される。本発明は、重合体粒
子分散液から未反応の重合性単量体を除去する工程をさ
らに設けるのが好ましく、未反応の重合性単量体を除去
する工程中又は未反応の重合性単量体を除去する工程後
に、重合体粒子分散液を篩に通過させ、粗粒子を除去す
る工程を設けるのがより好ましい。本発明は、重合体粒
子分散液中の重合体粒子を洗浄する工程をさらに設ける
のが好ましく、洗浄する工程の後に重合体粒子分散液を
篩に通過させ、粗粒子を除去する工程を設けるのがより
好ましい。また本発明においては、前記篩として目開き
が3mm以上の篩と目開きが7〜100メッシュの篩を
用いるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる重合体粒子分
散液は、乳化重合、懸濁重合、分散重合等によって得ら
れるラテックスや、懸濁液であってもよいし、固形重合
体を有機溶媒に溶解した後、水系媒体に転相法によって
懸濁又は乳化させて得られたものであってもよい。又、
懸濁重合や乳化重合等によって得られたラテックス懸濁
液中の粒子を凝集させて得られるものであってもよい。
これらの中でも、本発明においては、重合性単量体、着
色剤及び帯電制御剤を含有する単量体組成物を、水系分
散媒体中で重合して得られる重合体粒子分散液が好適で
ある。
【0011】本発明に好適に用いられる重合体粒子分散
液中に含まれる重合体としては、例えば、スチレン、
4−メチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン
系単量体;アクリル酸、メタクリル酸等のエチレン性不
飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルア
ミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチル等のエチレン性不飽和カルボン酸エ
ステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アク
リルアミド、メタクリロアミド等のエチレン性不飽和カ
ルボン酸誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン等の
不飽和モノオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、
フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル単量体;酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメ
チルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテ
ル;ビニルメチルケトン、メチルイソプロペニルケトン
等のビニルケトン系単量体;2−ビニルピリジン、4−
ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等の含窒素ビニ
ル系単量体;等のビニル系単量体から得られる重合体、
これらの単量体の2種以上を組み合わせて得られる共
重合体、これらの単量体から得られる重合体の2種以
上の混合物、及びこれらの単量体から得られる重合体
と、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹
脂、非ビニル縮合系樹脂等の他の樹脂との混合物等を挙
げることができる。
【0012】これらの中でも、スチレン系単量体、エチ
レン性不飽和カルボン酸単量体、エチレン性不飽和カル
ボン酸エステル、エチレン性不飽和カルボン酸誘導体か
ら得られる重合体が好ましく、スチレン系単量体及びエ
チレン性不飽和カルボン酸エステルから得られる重合体
が特に好ましく用いられる。
【0013】また、これらの重合性単量体と任意の架橋
性モノマーから得られる重合体を用いると、定着性、特
にオフセット性が向上したトナーを得ることができる。
かかる架橋性モノマーとしては、例えば、ジビニルベン
ゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳
香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレ
ート、ジエチレングリコールジメタクリレート等の多官
能エチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N’−ジ
ビニルアニリン、ジビニルエーテル;3個以上のビニル
基を有する化合物;等が挙げられる。これらの架橋性モ
ノマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合
わせて用いることができる。本発明では、架橋性モノマ
ーを重合性単量体100重量部に対して、通常、0.0
5〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部の割合で用
いる。
【0014】さらに本発明では、重合体として、ビニル
系単量体とマクロモノマーとから得られる共重合体を使
用することもできる。マクロモノマーは、分子鎖にエチ
レン性不飽和基を有するもので、数平均分子量が、通常
1,000〜30,000のオリゴマー又はポリマーで
ある。マクロモノマーの分子鎖の末端に有するエチレン
性不飽和基としては、アクリロイル基、メタクリロイル
基等を挙げることができるが、共重合のしやすさの観点
からメタクリロイル基が好適である。マクロモノマーの
使用量は、重合性単量体100重量部に対して、通常、
0.01〜10重量部、好適には0.03〜5重量部の
範囲である。この範囲であれば保存性と定着性とのバラ
ンスのよいトナーを得ることができる。
【0015】本発明に用いる重合体粒子分散液には、重
合体のほかに、着色剤及び帯電制御剤等を含有させる。
着色剤としては、一般にトナー用の着色剤として周知の
染料や顔料等を使用することができる。着色剤として
は、カーボンブラック、チタンホワイトの他、あらゆる
顔料及び/又は染料を用いることができる。黒色のカー
ボンブラックは、一次粒径が20〜40nmであるもの
を用いる。20nmより小さいとカーボンブラックの分
散が得られず、かぶりの多いトナーになる。一方、40
nmより大きいと、多価芳香族炭化水素化合物の量が多
くなって、環境安全上の問題が起こることがある。
【0016】フルカラートナーを得る場合、通常、イエ
ロー着色剤、マゼンタ 着色剤及びシアン着色剤を使用
する。イエロー着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環
系顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.
ピグメントイエロー3、12、13、14、15、1
7、62、65、73、83、90、93、97、12
0、138、155、180及び181等が挙げられ
る。マゼンタ着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環系
顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピ
グメントレッド48、57、58、60、63、64、
68、81、83、87、88、89、90、112、
114、122、123、144、146、149、1
63、170、184、185、187、202、20
6、207、209、251及びC.I.ピグメントバ
イオレット19等が挙げられる。シアン着色剤として
は、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラ
キノン化合物等が使用できる。具体的には、C.I.ピ
グメントブルー2、3、6、15、15:1、15:
2、15:3、15:4、16、17及び60等が挙げ
られる。これらの着色剤は、重合性単量体100重量部
に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは1〜
20重量部の割合で用いられる。
【0017】帯電制御剤としては、各種の正帯電性又は
負帯電性の帯電制御剤を用いることができる。帯電制御
剤としては、例えば、ボントロンN01(オリエント化
学社製)、ニクロシンベースEX(オリエント化学社
製)、スピロブラックTRH(保土ヶ谷化学社製)、T
−77(保土ヶ谷化学社製)、ボントロンS−34(オ
リエント化学社製)、ボントロンE−81(オリエント
化学社製)、ボントロンE−84(オリエント化学社
製)、ボントロンE−89(オリエント化学社製)、ボ
ントロンF−21(オリエント化学社製)、COPY
CHRGE NXVP434(ヘキストインダストリー
社製)、COPY CHRGE NEGVP2036
(ヘキストインダストリー社製)、TNS−4−1(保
土ヶ谷化学社製)、TNS−4−2(保土ヶ谷化学社
製)、LR−147(日本カーリット社製)等の帯電制
御剤、特開平3−175456号公報、特開平3−24
3954号公報、特開平11−15192号公報等に記
載の4級アンモニウム(塩)基含有共重合体、特開平1
−217464号公報、特開平3−15858号公報、
特開平3−243954号公報等に記載のスルホン酸
(塩)基含有共重合体等の帯電制御剤(帯電制御樹脂)を
用いることができる。帯電制御樹脂は、高速連続印刷に
おいても帯電性が安定したトナーを得ることができる点
で好ましい。帯電制御剤の使用量は、重合性単量体10
0重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好まし
くは0.1〜7重量部の範囲である。
【0018】前記重合体粒子分散液には、さらに離型剤
を含有させるのが好ましい。離型剤としては、低分子量
ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリ
ブチレン等の低分子量ポリオレフィンワックス類;分子
末端酸化低分子量ポリプロピレン、分子末端をエポキシ
基に置換した低分子量末端変性ポリプロピレン及びこれ
らと低分子量ポリエチレンのブロックコポリマー、分子
末端酸化低分子量ポリエチレン、分子末端をエポキシ基
に置換した低分子量ポリエチレン及びこれらと低分子量
ポリプロピレンのブロックコポリマー等の末端変性ポリ
オレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ラ
イス、木ロウ、ホホバ等の植物系天然ワックス;パラフ
ィン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタム等の石油
系ワックス及びその変性ワックス;モンタン、セレシ
ン、オゾケライト等の鉱物系ワックス;フィッシャート
ロプシュワックス等の合成ワックス;ペンタエリスリト
ールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラ
パルミテート、ペンタエリスリトールテトララウレート
等のペンタエリスリトールエステルやジペンタエリスリ
トールヘキサミリステート、ジペンタエリスリトールヘ
キサパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサラウ
レート等のジペンタエリスリトールエステル等の多官能
エステル化合物;等の1種又は2種以上を例示すること
ができる。これらのうち、合成ワックス、末端変性ポリ
オレフィンワックス類、石油系ワックス及びその変性ワ
ックス、多官能エステル化合物等がトナーとしての定着
−剥離性バランスの面で好ましい。離型剤の使用量は、
重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜30
重量部、好ましくは1〜20重量部の範囲である。
【0019】本発明に特に好適に用いられる重合体粒子
分散液は、単量体組成物の液滴を造粒したものを重合さ
せて得られるものである。かかる重合体粒子分散液は、
少なくとも重合性単量体を分散安定剤等を含有する水系
分散媒体に適当な撹拌機を用いて適当な粒径の単量体組
成物の液滴に造粒し、予め添加されている重合開始剤又
は新たに添加する重合開始剤によって重合性単量体を重
合させることによって得ることができる。
【0020】ここで用いられる単量体組成物には、前記
重合性単量体の他に、着色剤、帯電制御剤、分子量調節
剤及び重合開始剤等を含有させることができる。用いら
れる重合性単量体、着色剤及び帯電制御剤としては、前
記列記したものと同様なものを例示することができる。
【0021】分子量調整剤としては、t−ドデシルメル
カプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメ
ルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭
素等のハロゲン化炭化水素類;α−メチルスチレンダイ
マー等を例示することができる。これらの分子量調整剤
は、単量体組成物に含有させてもよいし、重合開始前、
あるいは重合の途中で反応系に添加しても良い。分子量
調整剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常
0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部用
いられる。
【0022】重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−アゾビス
(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)ニ塩酸塩;2,2’−アゾビス−2−メ
チル−N−1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−
ヒドロキシエチルプロピオンアミド、2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(1−
シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物;メチ
ルエチルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、
アセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベン
ゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチ
ルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエ
ート、t−ヘキシルパーオキシイソフタレート、1,
1’,3,3’−テトラメチルブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチ
レート等の過酸化物類;等を例示することができる。
【0023】また、これらの重合開始剤と還元剤とを組
み合わせたレドックス系重合開始剤を用いることもでき
る。これらのうち、使用される重合性単量体に可溶な油
溶性の重合開始剤を選択することが好ましく、必要に応
じて水溶性の開始剤をこれと併用することもできる。重
合開始剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常
0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜15重量部、
より好ましくは0.5〜10重量部用いる。重合開始剤
は、重合性単量体組成物中に予め添加することができる
が、造粒工程終了後に添加することもできる。
【0024】得られた単量体組成物を分散させる分散媒
体としては、水を主成分とする水系分散媒体であり、こ
れに分散安定剤が含まれているものが好ましい。分散安
定剤としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム等の硫酸
塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム
等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アル
ミニウム、酸化チタン等の金属酸化物;水酸化アルミニ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の金属水酸
化物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼラ
チン等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤、ノニオ
ン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができ
る。
【0025】これらのうち、金属化合物、特に難水溶性
の金属水酸化物のコロイドを含有する分散安定剤は、重
合性粒子の粒径分布を狭くする働きを有し、トナーの画
像の鮮明性を向上させることができるので好適である。
特に架橋性モノマーを共重合させなかった場合には、難
水溶性金属水酸化物のコロイドを含有する分散剤が、重
合中の重合体粒子の分散安定性並びにトナーの定着性と
保存性とを改善する観点から好ましい。本発明に用いる
難水溶性金属化合物のコロイドは、個数粒径分布D50
(個数粒径分布の50%累積値)が0.5μm以下で、
D90(個数粒径分布の90%累積値)が1μm以下で
あることが好ましい。コロイドの粒径が大きくなると重
合安定性が崩れ、またトナーの保存性が低下する。分散
安定剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常、
0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜10重量部の
割合で使用される。この割合が少ないと十分な重合安定
性を得ることが困難となり、凝集物が生成しやすくな
る。逆に、この割合が多いとトナー粒径が細かくなりす
ぎるので好ましくない。
【0026】前記水系分散媒体は、分散安定剤の他に水
溶性の有機化合物あるいは無機化合物を含有してもよ
い。特に水溶性オキソ酸塩を含有せしめる場合には、粒
径分布がシャープなトナーを得ることができ好ましい。
水溶性オキソ酸塩としては、ホウ酸塩、リン酸塩、硫酸
塩、炭酸塩、ケイ酸塩、硝酸塩等が挙げられる。これら
のうち、ケイ酸塩、ホウ酸塩及びリン酸塩が好ましく、
ホウ酸塩が特に好ましい。ホウ酸塩としては、テトラヒ
ドロホウ酸ナトリウム、テトラヒドロホウ酸カリウム、
四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム十水和物、メ
タホウ酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム四水和物、
ペルオキソホウ酸ナトリウム四水和物、メタホウ酸カリ
ウム、四ホウ酸カリウム八水和物等が挙げられる。リン
酸塩としては、ホスフィン酸ナトリウム一水和物、ホス
ホン酸ナトリウム五水和物、ホスホン酸水素ナトリウム
2.5水和物、リン酸ニ水素ナトリウム一水和物、リン
酸ニ水素ナトリウムニ水和物、ヘキサメタリン酸ナトリ
ウム、次リン酸ナトリウム十水和物、ニリン酸ナトリウ
ム十水和物、二リン酸ニ水素ニナトリウム、ニリン酸ニ
水素ナトリウム六水和物、三リン酸ナトリウム、cyc
lo−四リン酸ナトリウム、ホスフィン酸カリウム、ホ
スホン酸カリウム、ホスホン酸カリウム三水和物、メタ
リン酸カリウム等が挙げられる。ケイ酸塩としては、メ
タケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム九水和物、
水ガラス、オルトケイ酸ナトリウム等が挙げられる。水
溶性オキソ酸塩の使用量は、難水溶性無機化合物コロイ
ド100重量部に対して、通常0.1〜1000重量
部、好ましくは1〜100重量部の範囲である。水溶性
オキソ酸塩は、溶解させて水系分散媒体中に含有させ
る。
【0027】単量体組成物を水系分散媒体に分散させて
液滴を得る方法は特に限定されず、例えば、単量体組成
物と水系分散媒体とを通常の撹拌槽中に添加し、撹拌し
て分散させることにより得ることができる。撹拌槽は特
に限定されず、化学装置において通常使われる槽に撹拌
翼を供えた撹拌装置が設けられたものを使用することが
できる。単量体組成物の液滴を得るために好適な撹拌条
件としては、撹拌により消費される動力P[kw]を撹拌
槽中の分散液の体積V[m]で割った撹拌所要動力P
v[kw/m]が、通常0.01〜0.6、好ましく
は0.05〜0.5の範囲である。かかる撹拌条件で分
散を行うことにより、得られる重合体粒子の粒径分布を
よりシャープにすることができる。
【0028】次に、該単量体組成物の液滴を造粒して単
量体組成物の分散液を得る。造粒は、通常、高速撹拌装
置を用いて行われる。高速撹拌装置としては特に限定さ
れず、例えば、TKホモミキサー(特殊機化工業社製)
に代表されるタービン型撹拌機、エバラマイルダー(荏
原製作所社製)に代表される同心上に配置された櫛歯形
状の回転子及び固定子を高速で回転させ、その回転子内
側から固定子外側に分散液を流通させて回転子と固定子
との間隙で分散液を撹拌させる装置、クレアミックスC
LM−0.8S(エム・テクニック社製)に代表される
高速で回転するローターとそれを取り囲むスクリーンに
生じるせん断力、衝突力、圧力変動、キャビテーション
及びポテンシャルコアの作用によって造粒する装置、T
Kフィルミックス(特殊機化工業社製)に代表される液
を遠心力によって造粒槽側壁に押し付けて、塗膜を形成
し、該液膜に超高速で回転する撹拌具の先端が触れるこ
とによって造粒する装置等が挙げられる。
【0029】前記高速撹拌装置を通過させる分散液の量
は、滞留時間表示で、通常0.5〜300秒、好ましく
は1〜250秒、より好ましくは2〜240秒である。
また、前記高速撹拌装置の回転部の先端速度は、一般に
5〜90m/s、好ましくは10〜60m/sである。
なお、高速撹拌装置等によって造粒を行う場合には、せ
ん断発熱によって液温が上昇するのを防止するため、造
粒前の液温から造粒後の液温への上昇幅を強制冷却によ
って0〜20℃、好適には0〜15℃に抑えながら造粒
を行うのが好ましい。
【0030】次いで、水系分散媒体中で造粒して得られ
た重合性単量体組成物の分散液を撹拌槽から重合反応槽
へ移送して、該重合反応槽内で重合を行わせる。重合反
応槽としては、化学装置において通常使われる撹拌翼付
きの槽が用いられる。分散液を重合反応槽へ移送した
後、分散液中の重合性単量体を重合開始剤で重合させる
ことによって重合体粒子を得ることができる。重合時の
好適な撹拌条件としては、重合中に撹拌により消費され
る動力P[kw]を,重合反応中の懸濁液の体積V
[m]で割った撹拌所要動力Pv[kw/m]が
0.01〜0.6、好ましくは0.05〜0.5の範囲
である。このような条件で重合を行うことにより、撹拌
翼や重合反応槽内にスケールが付着するのを防止し、粒
径分布がシャープな重合体粒子を容易に高収率で得るこ
とができる。
【0031】また、重合体粒子を得た後、該粒子表面に
さらに重合体(シェル重合体)を被せることもできる。
重合体を被せる方法としては、重合体粒子を得た反応液
に,被覆重合に使用する単量体(シェル単量体)を添加
して、引き続き重合させる方法や、一旦、重合体粒子を
得た後、任意の重合体成分を添加して当該粒子に重合体
成分を会合、吸着又は固着させる方法等がある。重合体
粒子をシェル重合体に比較して軟質なもの(例えば、ガ
ラス転移温度の低いもの)にした、コア・シェル型重合
体粒子によってトナーを製造した場合には、低温度定着
性と高温保存性とのバランスが良好な、いわゆるカプセ
ルトナーを得ることができる。
【0032】本発明の製造方法では、重合後、必要に応
じて重合体粒子を強撹拌して凝集又は会合させて粒子径
を大きくすることができる。凝集粒子によって得られる
トナーは、ラズベリ状の凹凸を有する重合体粒子であ
る。その体積平均粒径(dv)は1〜10μm、好まし
くは3〜8μmであり、体積平均粒径と個数平均粒径
(dn)の比(dv/dn)は1〜1.5、好ましくは
1〜1.3である。
【0033】得られた重合体粒子分散液若しくはシェル
重合体粒子分散液を、所望により未反応の重合性単量体
を除去し、酸又は水等により洗浄し、脱水、乾燥するこ
とにより、均一な粒径分布を有する高品質なトナーを得
ることができる。
【0034】本発明は、(a)重合性単量体を重合して
重合体分散液を得た後、(b)重合して得られた重合体
粒子分散液から未反応重合性単量体を除去する中で、若
しくは未反応重合性単量体を除去した後、又は(c)重
合体粒子分散液の洗浄処理を施した後のいずれかにおい
て、粗粒子を篩で除去する工程を設けてなることを特徴
とする。
【0035】以下、重合体粒子分散液から粗粒子を除去
する工程について詳細に説明する。 (a)重合性単量体の重合温度は一般的に得られる重合
体のTg付近であるため、反応中に生成した重合体が溶
融しやすく、それがスケールとして粗粒子となりやす
い。そして、得られた重合体粒子分散液を重合工程以降
の工程に移送、処理する場合、反応槽内に粗粒子が残存
していると、それが核となって粗粒子がさらに成長、増
大して、収率低下を引き起こしたり、分級工程に大きな
負担をかけることになる。
【0036】したがって、本発明においては、重合によ
り得られた重合体粒子分散液を重合工程以降の工程に移
送、処理する前に篩で除去する工程を設け、重合工程で
発生した粗粒子の除去を行う。重合後の重合体粒子分散
液を篩に通す方法は特に限定されない。例えば、重合反
応槽から次工程へ重合体粒子分散液を移送するライン中
に、篩を設置して重合後の重合体粒子分散液を通す方法
や、重合反応槽から移送した重合体粒子分散液を貯蔵槽
に入れ、循環ポンプによって、重合体粒子分散液を貯蔵
槽と篩との間を循環させる方法等が挙げられる。
【0037】(b)重合後の重合体粒子分散液中に、未
反応の重合性単量体が残存している場合がある。未反応
の重合性モノマーがそのまま残存した状態で製品である
トナー中に混入すると、トナーの現像定着時に異臭を発
したり、印字不良をもたらすことがあるので、未反応の
重合性単量体を除去することが好ましい。
【0038】未反応の重合性単量体を除去する方法とし
ては特に制限はないが、例えば、常圧又は減圧下に、
重合体粒子分散液から未反応の重合性単量体を蒸発留去
させる方法、常圧又は減圧下に、重合体粒子分散液中
に窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスあるいは水
蒸気を導入して蒸発留去させる方法、重合体粒子分散
液を一旦反応槽から取り出し、霧化させて、反応槽中に
噴霧することにより、低沸点の未反応の重合性単量体を
除去する方法、等が挙げられる。
【0039】上記〜のいずれかの方法により未反応
の重合性単量体を除去する場合において、重合体中に含
まれる未反応の重合性単量体を完全に除去するために
は、処理温度が高いことが望ましい。また、重合体粒子
分散液の固形分濃度が、単量体の除去に伴って上昇する
ために粗粒子が発生し易くなる。さらに、この工程で発
生した粗粒子も重合工程で発生した粗粒子と同様に、そ
れが核となってさらに粗粒子が成長し、収率の低下や画
像品質の劣化、製造時における移送不良を引き起こす。
【0040】したがって、重合体粒子分散液から未反応
の重合性単量体を除去した後に、篩で粗粒子を除去する
工程を設けるのが好ましい。未反応の重合性単量体を除
去後の重合体粒子分散液を篩に通す方法は特に限定され
ない。例えば、未反応の重合性単量体を除去した後、次
工程へ重合体粒子分散液を移送するライン中に、目開き
の異なる少なくとも2以上の篩を設置して重合後の重合
体粒子分散液を通す方法や、移送した重合体粒子分散液
を貯蔵槽に入れ、循環ポンプによって、重合体粒子分散
液を貯蔵槽と篩との間を循環させる方法等が挙げられ
る。
【0041】(c)未反応の重合性単量体を除去した後
の重合体粒子分散液は、酸又は水によって洗浄されるこ
とが好ましい。酸洗浄を行う際の重合体粒子分散液の濃
度は、通常5〜40重量%、好ましくは10〜30重量
%の範囲である。分散液の濃度をこの範囲にして酸洗浄
を行う場合には、分散液と酸との混合不良を防止するこ
とができる。洗浄によってトナー中の残留金属(イオ
ン)量を制限し、環境依存性等を抑制できる。特にマグ
ネシウムやカルシウム等の金属(イオン)がトナー中に
残留していると、高湿条件下でトナーが吸湿し、トナー
の流動性を低下させたり、画質に悪影響を及ぼすことが
ある。
【0042】こうしたトナー中に残留したマグネシウム
やカルシウム(以下、「残留金属等」と略す。)のトナ
ー中の含有量の少ないものは、高温高湿条件下でも、1
分間に30枚以上を印刷できる高速機で高い印字濃度、
カブリのない良好な画質を与えることができる。残留金
属等の濃度は、好ましくは170ppm以下、より好ま
しくは150ppm以下、特に好ましくは120ppm
以下である。残留金属等を低減させる方法としては、例
えば、重合体粒子を洗浄脱水するときに、連続式ベルト
フィルターやサイホンピーラー型セントリヒュージ等の
洗浄脱水機等を用いて脱水、洗浄、乾燥する方法が挙げ
られる。なお、洗浄、脱水は複数回繰り返しても良い。
【0043】洗浄工程においても重合体粒子の周りにあ
った分散安定剤が除去され、また、酸による中和熱やp
H変化により重合体粒子が凝集し、粗粒子が発生し易く
なる。そして、洗浄工程で発生した粗粒子も重合工程や
未反応の重合性単量体を除去する工程で発生した粗大粒
子と同様に、それが核となってさらに粗粒子が成長し、
収率の低下や画像品質の劣化、製造時における移送不良
を引き起こす。
【0044】したがって、重合体粒子分散液の洗浄工程
の後に、篩で粗粒子を除去する工程を設けるのが好まし
い。洗浄後の重合体粒子分散液を篩に通す方法は特に限
定されない。例えば、重合体粒子を洗浄脱水時に篩で粗
粒子を除去する方法、洗浄工程後に脱水槽へ重合体粒子
分散液を移送する配管の途中に設置された篩を通すこと
によって粗粒子を除去する方法、循環ポンプによって重
合体粒子分散液を洗浄槽と篩との間を循環させることに
よって、粗粒子を除去する方法等が挙げられる。
【0045】本発明に用いられる篩はその大きさ、形状
及び材質等に特に限定はないが、例えば金網を有する振
動篩、ジャイロフィルター、超音波篩等を用いることが
できる。金網としては特に限定はないが、綾織りや平織
りの金網、好ましくは綾織りの金網を用いることができ
る。金網の材質も特に限定されず、金属や樹脂(例え
ば、ポリアミド樹脂等)が挙げられるが、耐久性の観点
からステンレス鋼のような金属が好ましい。また、篩と
して、内部に金網を有するストレーナーを用いることも
できる。
【0046】篩の目開きは、粗粒子をいきなり見開きの
小さな篩に通すと目詰まりを起こすため、生産性の低下
をもたらし、篩が破損しやすくなる。そこで、目開きの
異なる篩に2回以上通すことが好ましい。篩に2段階以
上通す場合には、1段目の篩の目開きを3mm以上と
し、先ず特に粗大な粒子を除去することとし、続けて2
段目以降の篩の目開きを7〜100メッシュにしてさら
に粗粒子を除去するのが好ましい。また、2段目の篩の
目開きを100メッシュより小さくすると、逆に篩上で
ろ過現象が生じ、重合体粒子と分散媒体とが分離してし
まうおそれがある。
【0047】このようにして篩によって粗粒子を除去し
た重合体粒子分散液を脱水し、所望によりさらに水洗
し、乾燥することによって、着色重合体粒子からなるト
ナーを得ることができる。
【0048】本発明の製造方法によって得られるトナー
は実質的に球形であり、体積平均粒径(dv)は1〜1
0μmであり、粒子の絶対最大長を直径とした円の面積
(Sc)を粒子の実質投影面積(Sr)で割った値(S
c/Sr)は1〜1.3の範囲であり、かつBET比表
面積(A)[m/g]、個数平均粒径(dn)[μm]
及び真比重(D)の積(A×dn×D)は5〜10の範
囲のものであるのが望ましい。特に好ましいトナーは、
120℃での溶融粘度が10万ポイズ以下、好ましくは
0.1〜10万ポイズ、より好ましくは1〜8万ポイズ
である。溶融粘度は、例えばフローテスターを用いて測
定することができる。このような溶融粘度をもつトナー
によれば、高速での印刷によっても高画質が実現する。
【0049】また、着色重合体粒子には外添処理を行う
ことができる。すなわち、粒子の表面に添加剤(以下、
「外添剤」という。)を付着又は埋設等させることによ
って、粒子の帯電性、流動性、保存安定性等を調整する
ことができる。外添剤としては、無機粒子、有機酸塩粒
子、有機樹脂粒子等が挙げられる。無機粒子としては、
例えば、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化スズ、チタン酸バリウム、チタン酸スト
ロンチウム等が用いられる。有機塩粒子としては、例え
ば、メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エス
テル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重
合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒
子、コアがメタクリル酸エステル共重合体で、シェルが
スチレン重合体で形成されたコアシェル型粒子等が挙げ
られ、これらの2種以上を組み合わせて用いることもで
きる。これらのうち、無機粒子、特に二酸化珪素が好適
である。また、これらの粒子表面を疎水化処理すること
ができ、疎水化処理された二酸化珪素粒子が特に好適で
ある。外添剤の使用量は特に限定されないが、着色重合
体粒子100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部
の範囲である。外添剤を前記重合体粒子に付着させるに
は、通常、外添剤と着色重合体粒子とをヘンシェルミキ
サー等の混合器に仕込み、撹拌して行う。外添処理を施
すことにより、流動性が20%以上、好ましくは30%
以上の実質的に球形のトナーを得ることができる。
【0050】
【実施例】次に、本発明の製造法を実施例によりさらに
詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に限定される
ことなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で重合性単量
体組成物の配合組成、未反応重合性モノマーの除去方
法、洗浄方法、用いる篩の種類、個数等を自由に変更す
ることができる。なお、下記の実施例において、部は特
に断りのない限り、重量部を意味する。また、篩とし
て、綾織りの金網を有するステンレス製の篩を用いた。
【0051】(合成例)スチレン80.5部及びn−ブ
チルアクリレート19.5部からなるコア用重合性単量
体(これらの単量体を共重合させて得られる共重合体の
Tg=55℃)、ポリメタクリル酸エステルマクロモノ
マー(東亜合成化学工業(株)製、商品名:AA6、T
g=94℃)0.3部、ジビニルベンゼン0.5部、t
−ドデシルメルカプタン1.2部、カーボンブラック
(三菱化学(株)製、商品名:#25B)7部、帯電制
御樹脂(保土ヶ谷化学(株)製、商品名:スピロンブラ
ックTRH)1部、離型剤(フィッシャートロプシュワ
ックス、サゾール社製、商品名:パラフリントスプレイ
30、吸熱ピーク温度:100℃)2部を、メディア型
湿式粉砕機を用いて湿式粉砕を行い、コア用重合性単量
体組成物Aを得た。
【0052】他方、イオン交換水250部に塩化マグネ
シウム10.2部を溶解した水溶液に、イオン交換水5
0部に水酸化ナトリウム6.2部を溶解した水溶液を撹
拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイドの
分散液Aを調製した。一方、メチルメタクリレート(T
g=105℃)2部と水65部を超音波乳化機にて微分
散化処理して、シェル用重合性単量体の水分散液Aを得
た。
【0053】上記により得られた水酸化マグネシウムコ
ロイド分散液A(コロイド量4.5部)に、コア用重合
性単量体組成物Aを投入し、液滴が安定するまで撹拌
し、そこにt−ブチルパーオキシ−イソブチレート(日
本油脂社製、商品名「パーブチルIB」)6部を添加し
た後、エバラマイルダー(荏原製作所社製)を用いて高
剪断撹拌して、コア用単量体組成物Aの液滴を造粒し
た。造粒されたコア用単量体組成物Aが分散された水酸
化マグネシウムコロイド分散液Aに四ホウ酸ナトリウム
十水和物1部を添加し、この混合物を撹拌翼を装着した
反応器に仕込み、85℃で重合反応を開始させた。重合
添加率がほぼ100%に達した後、前記シェル用重合性
単量体の水分散液Aに水溶性開始剤{和光純薬(株)
製、商品名「VA−086」=2,2’−アゾビス〔2
−メチル−N−(2−ハイドロキシエチル)−プロピオ
ンアミド〕}0.3部を溶解し、それを反応器に添加し
た。4時間重合を継続した後、反応を停止し、コアシェ
ル型の着色重合体粒子の水分散液(固形分20%)を得
た。
【0054】(実施例1〜4)合成例で得られた水分散
液を反応器から抜き出し、配管を通して洗浄槽へ移送し
た。本実施例では、その配管の途中に下記第1表に示し
た2又は3種類の目開きの異なる篩を設置し、そこを前
記水分散液を通過させることにより、粗粒子を除去し
た。洗浄槽に移送した水分散液を約100℃に加熱し、
窒素ガスを吹き込んで、水分散液中に含まれる未反応の
重合性単量体を完全に追い出した。その後、洗浄槽と配
管とを循環する配管の途中に第1表に示す2種類の目開
きの篩を設置し、循環ポンプを用いて水分散液を10分
間循環させた。次いで、重合性単量体を除去した水分散
液を撹拌しながら、そこへ10%硫酸水溶液をゆっくり
と滴下し、水分散液のpHを4.0とした。その状態で
10分間全容を撹拌した後、水分散液を第1表に示す2
種類の目開きの篩を設置した配管を通してろ過器へ移送
し、ろ過し、さらに水洗浄、ろ過を繰り返し、最後に乾
燥することにより重合体粒子を得た。次いで、得られた
重合体粒子100部に、疎水化処理したコロイダルシリ
カ(日本アエロジル(株)製、商品名:RX−100)
0.6部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合
し、実施例1〜4のトナーを得た。実施例1〜4におけ
るトナーの収率(%)を第1表にまとめて示す。トナー
の収率は、重合時の仕込み量を基準として算出した(以
下にて同じ)。実施例1〜4においては、同様な反応処
理操作を10回繰り返しても、配管の詰まりは生ぜず、
得られたトナーは均一な粒径分布を有しており、後述す
る分級工程においても、粗粒子の存在がほとんど認めら
れなかった。
【0055】(比較例)実施例1において、重合体分散
液を篩に通さなかった以外は実施例1と同様にして、比
較例のトナーを得た。比較例におけるトナーの収率
(%)を第1表に示す。比較例においては、後述する分
級工程において粗粒子の存在が多かった。
【0056】(画像評価試験)実施例1〜4及び比較例
で得られたトナーを分級して、所定の粒径以上及び以下
のトナー粒子を除いた。このようにして得られたそれぞ
れのトナー粒子を市販プリンター(4枚機)に入れて、
初期から連続印字を行い、印字速度が反射濃度計(マク
ベス社製)で1.3以上、非画像部のカブリが白色度計
(日本電色(株)製)で測定した値が10%以下の状態
で1万枚以上連続印字が継続できるトナーを○、5千枚
以上継続できるものを△、5千枚以上継続できないもの
を×と評価した。以上の結果を下記第1表にまとめて示
す。
【0057】なお、第1表中、「重合後」とは、重合体
粒子分散液を得た後で、未反応の重合性単量体を除去す
る工程の前、「脱モノマー後」とは、重合体粒子分散液
から未反応の重合性単量体を除去した後、「洗浄後」と
は、重合体粒子分散液を酸又は水で洗浄処理した後に、
それぞれ所定の篩を設置したことを意味する。また、操
業性の項目で、粗粒子を効果的に除去でき、配管等の詰
まりも生じなく、順調にトナーを製造することができた
場合を「良」と評価した。
【0058】
【表1】
【0059】第1表から明らかなように、実施例1〜4
の場合は比較例に比して操業性が良好であり、均一な粒
径分布を有する高品質のトナーが高収率で得られた。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
重合法によるトナーの製造方法であって、優れた画像品
質を得ることができ、製造上の移送不良を起こすことの
ないトナーを収率良く製造する方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 船倉 成二 山口県徳山市群智町2−1 日本ゼオン株 式会社徳山工場内 Fターム(参考) 2H005 AB06 4D071 AA01 DA01 DA20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分散媒中で単量体を重合して、重合体粒子
    分散液を得る工程と、重合体粒子分散液を篩に通過さ
    せ、粗粒子を除去する工程とを含むトナーの製造方法。
  2. 【請求項2】さらに重合体粒子分散液から未反応の重合
    性単量体を除去する工程を含む請求項1記載のトナーの
    製造方法。
  3. 【請求項3】重合体粒子分散液を篩に通過させ、粗粒子
    を除去する工程を、前記未反応の重合性単量体を除去す
    る工程中又は未反応の重合性単量体を除去する工程後に
    設ける請求項2記載のトナーの製造方法。
  4. 【請求項4】さらに重合体粒子分散液中の重合体粒子を
    洗浄する工程を含む請求項1又は2記載のトナーの製造
    方法。
  5. 【請求項5】重合体粒子分散液を篩に通過させ、粗粒子
    を除去する工程を、前記洗浄する工程の後に設ける請求
    項4記載のトナーの製造方法。
  6. 【請求項6】目開きが3mm以上の篩と目開きが7〜1
    00メッシュの篩を用いる請求項1〜5のいずれかに記
    載のトナーの製造方法。
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