JP2002195903A - 圧力センサ - Google Patents

圧力センサ

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JP2002195903A
JP2002195903A JP2000395226A JP2000395226A JP2002195903A JP 2002195903 A JP2002195903 A JP 2002195903A JP 2000395226 A JP2000395226 A JP 2000395226A JP 2000395226 A JP2000395226 A JP 2000395226A JP 2002195903 A JP2002195903 A JP 2002195903A
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pressure
diaphragm
pressure sensor
dielectric film
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JP2000395226A
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Satoru Nakao
知 中尾
Masahiro Sato
昌啓 佐藤
Satoshi Yamamoto
敏 山本
Hitoshi Nishimura
仁 西村
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電容量の圧力に対する依存性が直線関係を
示す直線領域を従来品よりも拡大した圧力センサの提
供。 【解決手段】 本発明は、基体(2)上に設けられた電
極(4)と、該電極を覆って設けられた誘電体膜(5)
と、該電極と対向しかつ該誘電体膜上に隙間(8)をあ
けて設けられた少なくとも表面が導電性のダイヤフラム
(3)とを有し、該ダイヤフラムが圧力を受けて誘電体
膜と接触する接触面積の変化を検出してその圧力を測定
する圧力センサにおいて、前記電極を、その長手方向寸
法が幅方向中心から幅方向端に向けて漸次増加する形状
としたことを特徴とする圧力センサ(10)に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤやエンジ
ン、ボイラ、ポンプなどの気圧、水圧を測定する圧力セ
ンサのなかで、特に広い圧力範囲にわたって高い直線性
を必要とされるセンサの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリコン圧力センサは、シリコンを薄く
加工したダイヤフラム内外の圧力差を、ダイヤフラムの
たわみから、ダイヤフラム表面に形成した電気回路の抵
抗変化またはダイヤフラムと近接して配置された他の電
極との間の静電容量変化として検出する。シリコン圧力
センサは、ウエハ上に一度に大量のセンサ素子を同時に
作製し、最終工程で各々の素子に切断してセンサを製造
することができるため、低コストでの大量生産に適して
いる。ただし、ウエハから切り出した個々の素子は、素
子からの出力信号の増幅・変換を担う周辺回路と接続さ
れて初めて圧力の測定が可能になる。
【0003】図2および図3に代表的な静電容量式圧力
センサ素子を示す。この種の圧力センサは、例えば米国
特許第5,528,452号公報中に開示されている。図2
(A)はセンサの平面図、(B)は側面断面図、(C)
は底面図であり、また図3はセンサの斜視図である。こ
の圧力センサは、ガラス板からなる基体2上に、金属膜
からなる電極21と、この電極21を覆うガラスからな
る誘電体膜5と、その誘電体膜5を介して基体2に固定
されたダイヤフラム3を有するシリコンからなる構造体
1とを主として構成されている。ダイヤフラム3は、構
造体1の中央部分をエッチングして窪ませることで厚さ
数μmの長方形状に形成されている。この構造体1は、
基体2の電極21と誘電体膜5が形成された面側に接合
されており、この接合状態において、ダイヤフラム3と
誘電体膜5との間には数μm程度の隙間8が形成されて
いる。この隙間8は、図2(B)に示すように外部と遮
断されたキャビティを形成している。多くの場合、キャ
ビティ内は真空に保たれている。基体2上の電極21
は、誘電体膜5で覆われることにより、構造体1と電気
的に絶縁状態になっている。従ってシリコンの構造体1
全体を1つの電極と見れば、この構造体1と電極21と
はコンデンサを形成しており、外気圧変動にともなうダ
イヤフラム3のたわみによって、このダイヤフラム3が
誘電体膜5に接触し、その接触面積に応じてダイヤフラ
ム3と電極21間の静電容量は変化する。ダイヤフラム
3に加わる圧力は、構造体1に接続して設けられた端子
6と電極21に接続して設けられた端子7間での静電容
量の変化を検出することによって測定される。このセン
サにおいてダイヤフラム3は長方形状であり、また基体
2上の電極21もこれと同じ長方形状とされている。こ
のように、電極21をダイヤフラム3と対向する領域に
のみ形成することにより、浮遊容量を最小に抑え、圧力
変化を最も効率良く検出できる。
【0004】上述した米国特許第5,528,452号公報に開
示された圧力センサは、ダイヤフラムがたわむことによ
って電極上の誘電体と接触し、その接触面積の変化を静
電容量変化として検出する方式であり、同公報中ではこ
れを「タッチモード」と称している。タッチモード圧力
センサは、他の静電容量式圧力センサに比べ高感度で、
耐圧力が高く、圧力と静電容量が直線関係を持つなど多
くの点で優れている。
【0005】図4および図5は、この圧力センサにおい
て、ダイヤフラム3が電極21上の誘電体膜5と接する
接触面11の広がる様子を、その断面(図4(A)〜
(C))およびダイヤフラム面(図5)から模式的に示
す図である。これらの図に示すように、ダイヤフラム3
に圧力が加わると、最初、ダイヤフラム3の中心が直線
状の領域11−1で電極21上の誘電体膜5と接触す
る。圧力の上昇に伴って、その線幅が広がるようにその
接触面積は増大する。
【0006】また図6は、この圧力センサにおける静電
容量の圧力依存性を示すグラフである。タッチモード式
圧力センサの特性上、ダイヤフラム3が電極21上の誘
電体膜5に接触するより前の低圧領域(未接触領域)で
はほとんど感度はゼロである。圧力上昇に伴い、ダイヤ
フラム3が電極21上の誘電体膜5に接した後、センサ
の静電容量は、圧力に対し一定の範囲でほぼ直線的に増
加する(直線領域)。直線領域を超える高い圧力下で
は、センサの感度が次第に低下し、静電容量は飽和値に
接近する(飽和領域)。
【0007】この圧力センサにおいては、ダイヤフラム
厚や電極間隔等の寸法を変更することにより、直線領域
を所望の測定範囲に合わせることができる。たとえば本
センサをタイヤの空気圧測定に用いる場合、普通自動車
用では2気圧から3気圧、トラック用では6気圧から8
気圧の範囲を直線領域に持つように、ダイヤフラム厚や
電極間隔を調整したセンサを利用することが可能であ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
タッチモード圧力センサにおける感度の直線領域の低圧
側における限界は、ダイヤフラム接触開始点で決定さ
れ、高圧側はダイヤフラムの変形による電極上の誘電体
膜との接触面積の広がりが飽和することにより制限され
る。しかしながら、従来のタッチモード式圧力センサ
は、タイヤ圧測定用には十分な範囲の直線領域を持って
いたが、より広い測定範囲を必要とする測定器への適用
は難しかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、タッチモード
圧力センサをより広い圧力範囲に適用するため、静電容
量の圧力に対する依存性が直線関係を示す直線領域を従
来品よりも拡大した圧力センサを提供することを目的と
している。タッチモード圧力センサにおいて、測定下限
圧力を下げるために、ダイヤフラム接触開始圧力を低下
させると、その分飽和開始圧力も低下し、高圧側で徐々
に感度が減少する。本発明者らは、最初にガラス基板上
にダイヤフラムが接触する部分である電極中心付近では
電極幅を狭くしておき、中心から遠ざかるに従ってガラ
ス上に形成した電極の幅を広げ、圧力上昇に伴う面積の
増加率を一定に保つことによって前記目的を達成し得る
ことを見出し、本発明を完成させた。
【0010】本発明は、基体(2)上に設けられた電極
(4)と、該電極を覆って設けられた誘電体膜(5)
と、該電極に対向しかつ該誘電体膜上に隙間(8)をあ
けて設けられた少なくとも表面が導電性のダイヤフラム
(3)とを有し、該ダイヤフラムが圧力を受けて誘電体
膜と接触する接触面積の変化を検出し、電極とダイヤフ
ラム間の静電容量を測定することにより圧力測定する圧
力センサであり、該ダイヤフラムが該電極と接触する面
積と、該ダイヤフラムの撓み面積との面積比が、圧力に
よって増減することを特徴とする圧力センサである。本
発明の圧力センサは、少なくとも受圧範囲の中間部にお
いて、 ΔS/ΔP=一定(ただし、ΔSは接触面積の変化分、
ΔPは圧力の変化分を示す)なる関係を有することが好
ましい。さらに、本発明の圧力センサは、前記電極を、
その長手方向寸法が幅方向中心から幅方向に向けて漸次
増加する形状として構成することが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明による圧力センサは、ダイ
ヤフラムが圧力を受けて誘電体膜と接触する接触面積の
変化を検出し、電極とダイヤフラム間の静電容量を測定
することにより圧力測定する圧力センサにおいて、ダイ
ヤフラムが電極と接触する面積と、ダイヤフラムの撓み
面積との面積比が、圧力によって増減することを特徴と
する。ここでの「ダイヤフラムが電極と接触する面積
と、ダイヤフラムの撓み面積との面積比」とは、ダイヤ
フラムが誘電体膜を介して電極膜と対向してコンデンサ
を形成し静電容量に寄与する面積(これが「ダイヤフラ
ムが電極と接触する面積」)と、ダイヤフラムが撓み、
その撓み面が、対向電極がある無しに関わらず誘電体膜
と接触している面の面積(「ダイヤフラムの撓み面
積」)との面積比、を意味している。
【0012】従来の圧力センサにおいては、ダイヤフラ
ムの変形が飽和に近づくと、圧力増加に対する接触面の
幅方向の広がり度合が低下するため、接触面積の増加率
も減少し、圧力増加と静電容量の増加との直線的比例関
係が得られなくなる。そこで本発明では、幅方向の広が
り度合の低下を補償するように接触面(電極)の長さを
幅方向中央から幅方向に向けて徐々に延ばすことによ
り、圧力増加に対する接触面積(ダイヤフラムが電極と
接触する面積)の増加率を一定にし、圧力増加と静電容
量の増加との直線的比例関係を改善することを意図して
いる。
【0013】以下に記する一形態にあっては、長方形の
ダイヤフラムを有する圧力センサに本発明を適用した場
合を例示しているが、長方形以外の形状、たとえば正方
形や円形のダイヤフラムを有する圧力センサにおいて、
本発明を適用可能であることは言うまでもない。
【0014】図1は、本発明の圧力センサの一形態を示
し、図1(A)は圧力センサの平面図、(B)は側面断
面図図、(C)は電極形状を表すための底面図である。
この圧力センサ10は、少なくとも表面が導電性の厚さ
数μm程度のダイヤフラム3を設けた構造体1と、金属
膜からなる電極4とその上方を覆う誘電体膜5が設けら
れた基体2とを、ダイヤフラム3と電極4が対向しかつ
ダイヤフラム3と誘電体膜5間にわずかの、たとえば数
μm程度の隙間8を設けた状態で接合して構成されてい
る。
【0015】構造体1のダイヤフラム3は、たとえば単
結晶シリコンからなるウエハをエッチングして窪ませる
ことによって形成されている。シリコンからなるウエハ
にダイヤフラム3を形成するには、たとえば所望の(ダ
イヤフラムの)厚さ分だけ高濃度に不純物を添加した層
をシリコン表面に形成しておき、ホウ素のような不純物
の高濃度ドーピングによるエッチストップ技術を用いて
行うことができる。ダイヤフラム3の厚さ、およびダイ
ヤフラム3と誘電体膜5間の隙間8の高さを規定するダ
イヤフラム下方側(基体2との接合面側)の窪み深さ
は、測定対象の負荷圧力範囲にセンサの直線領域が合致
するように適宜設定することができる。
【0016】基体2は、電極4と電気的絶縁状態を確保
できるものであれば、その構成材料は特に限定されず、
たとえばガラス板、セラミック板、硬質プラスチック
板、表面酸化膜を形成したシリコン基板などを用いて良
く、特に好ましくはガラス板が用いられる。この基体2
上に形成された電極4は、Al、Cr、Au、Ag、C
u,Tiなどの電極用材料として一般に使用される各種
の金属を、基体2の表面に、蒸着法、スパッタ法、無電
解メッキ法などの薄膜形成方法を用いて作製される。電
極4の形状は、基体2表面の電極非成膜部をマスクで覆
い、電極形成部のみに金属膜を成膜する方法、或いは基
体2の一面に均一に金属膜を成膜後、フォトリソグラフ
ィ手法を用いて所望の形状にエッチングする方法により
パターン形成することができる。この電極4を覆うよう
に基体2上に成膜された誘電体膜5は、ガラス(石英ガ
ラス)、セラミックなどの絶縁材料として周知の材料
を、スパッタ法、CVD法などの薄膜形成手段を用いて
成膜することによって形成される。この誘電体膜5の厚
さは、圧力センサ10の必要とされる感度に応じて適宜
設定され、通常は0.1〜数μm程度とされる。
【0017】この圧力センサ10において、電極4は、
図1(C)に示す通り、その長手方向(図1(C)中で
は左右方向)寸法が、幅方向(図1(C)中では上下方
向)中心から幅方向端に向けて漸次増加する形状とされ
ている。なお、図1(C)の例示では、長方形の両方の
短辺を中心に向けて丸く(または放物線状に)凹ませた
形状としたが、電極4の形状はこれに限定されることな
く、長方形の一方の短辺のみを中心に向けて丸く凹ませ
た形状、長方形の少なくとも一方の短辺を三角形状また
は台形状に中心に向けて凹ませた形状とすることもでき
る。
【0018】基体2には、電極4と接続して基体2の辺
縁部まで延びる端子部7と、誘電体膜5上に設けられ構
造体1と電気的に接続された端子部6が設けられてい
る。符号23は、電極4側の端子部7接続用に誘電体膜
5を成膜していない開口部である。これらの端子部6,
7は電極4と同じ金属材料と、同種の薄膜形成手段を用
いて形成可能である。
【0019】基板2の誘電体膜5と、ダイヤフラム3と
の間に形成される隙間8は、ダイヤフラム3が圧力に応
じて誘電体膜5側に接触し易いように、好ましくは内部
が真空とされる。この隙間8の高さ、すなわち誘電体膜
5とダイヤフラム3間の寸法は、ダイヤフラム3の寸法
(長さ、幅および厚さ)に応じて適宜選択される。
【0020】この圧力センサ10は、外気圧変動に応じ
てダイヤフラム3が誘電体膜5側にたわみ、ダイヤフラ
ム3が誘電体膜5と接触する。ダイヤフラム3が誘電体
膜5に接する接触面積に応じて、ダイヤフラム3と電極
4間の静電容量は変化する。ダイヤフラム3に加わる圧
力は、構造体1に接続して設けられた端子6と電極4に
接続して設けられた端子7間での静電容量の変化を検出
することによって測定される。
【0021】この圧力センサ10は、その長手方向寸法
が、幅方向中心から幅方向端に向けて漸次増加する形状
の電極4を設けたことによって、圧力増加に対する接触
面積(ダイヤフラム3が電極4と接触する面積)の増加
率を一定にし、圧力増加と静電容量の増加との直線的比
例関係を改善している。
【0022】図5に示した通り、ダイヤフラム3に加え
る圧力を漸次増加させた場合、ダイヤフラム3が撓み、
誘電体膜5を介して電極4と接する。ダイヤフラム3が
電極4側に最初に接触する際には、ダイヤフラム3の接
触は、殆ど直線状に接触(符号11−1参照)する。圧
力上昇に伴い、この接触部分11は、幅方向に広がって
ゆく。そしてダイヤフラム3の接触面積は、限界に達す
ると、それ以上増加しなくなる。従来の圧力センサにあ
っては、長方形状のダイヤフラム3と同形状の電極4を
設けたものなので、ダイヤフラム3に加える圧力を漸次
増加させた場合、ある程度の圧力までは、圧力増加と静
電容量の増加が直線的比例関係となるが(図6の直線領
域参照)、それ以上の高圧力域では、ダイヤフラム3の
幅方向の広がり度合が減少することによって、圧力増加
に対する接触面積の増加率も減少し、圧力増加に対する
静電容量の増加が次第に頭打ちになってくる。
【0023】この従来例に対し、本発明では、ダイヤフ
ラム3が電極4側に接する接触部分の幅方向の広がり度
合における低下を補償するように、接触面(電極)の長
さを幅方向中央から幅方向に向けて徐々に延ばすことに
より、圧力増加に対する接触面積(ダイヤフラム3が電
極4と接触する面積)の増加率が一定になり、圧力増加
と静電容量の増加との直線的比例関係が得られる直線領
域を広げることができる。
【0024】好ましい実施形態において、ダイヤフラム
3が電極4側に最初に接触した時点から、接触面積の増
加が限界に達した時点間での圧力範囲を「受圧範囲」と
すると、本発明の圧力センサは、少なくとも受圧範囲の
中間部、好ましくは受圧範囲の大部分、特に好ましくは
受圧範囲の全域において: ΔS/ΔP=一定(ただし、ΔSは接触面積の変化分、
ΔPは圧力の変化分を示す)なる関係を有する。
【0025】本発明の圧力センサは、圧力に対する静電
容量の直線領域を広げ、タッチモード圧力センサの測定
可能範囲を広げることができる。その結果、従来に比べ
より高感度で耐圧力が高く、かつ測定可能な圧力範囲の
広い優れた圧力センサを提供することができる。
【0026】図8の(A)〜(D)は、本発明の圧力セ
ンサに適用が可能な電極形状(斜線部分で示す)の別な
例を示すものである。図8の(A)は、三角形を上下段
に複数配置した形状の電極、(B)は(A)の三角形の
稜線を円弧状とした形状の電極、(C)は、その長手方
向寸法が、幅方向中心から幅方向端に向けて階段状に増
加する形状の電極、(D)は、全体として長方形状をな
す電極中に、小さい四角形状の電極非形成部を、幅方向
中心から幅方向端に向かってその電極非形成部の密度が
漸次減少するように(即ち、幅方向中心から幅方向端に
向かって電極密度が増大するように)パターン形成した
電極をそれぞれ示している。これらの形状に電極を形成
した場合にも、前述した本発明の圧力センサにおけると
同様の効果が得られる。以下、本発明の効果を実施例に
基づいて説明する。
【0027】
【実施例】(比較例:従来の圧力センサ)0.4mm×
1.5mmの長方形ダイヤフラム3を持った静電容量式
圧力センサを作製した。このセンサは、図2および図3
に示すように、単結晶シリコンからなる構造体1と、ガ
ラス板からなる基体2を接合した構造になっており(米
国特許第5,528,452号公報参照)、ダイヤフラム3を第
1の電極、基体2上に成膜した電極21を第2の電極と
して、その間の静電容量変化を測定する。ここで前記米
国特許公報中の記載に従い、ダイヤフラムの寸法を長
辺、短辺比3:1以上の長方形とすることにより、タッ
チモードにおける圧力に対する静電容量の直線的依存性
を得ることができる。図2(C)に示す通り、この従来
の圧力センサにおいては、基体2上にダイヤフラム3と
同寸法(0.4mm×1.5mm)の長方形状の電極2
1をダイヤフラム3と対向する位置に形成した。電極2
1の材料としてCrを用い、基体全面にスパッタ法を用
いて成膜した後、フォトリソグラフィ手法を用いて所望
の形状にエッチングしてパターン形成した。電極21を
形成した後、基体4上に0.4μmのガラス膜をスパッ
タ法によって成膜し、誘電体膜5とした。ただし、電極
端子部7のみは、図2(C)中の符号23で示すよう
に、信号取り出し口として誘電体膜5を除去した。さら
に誘電体膜5上には、構造体1側の信号取り出し口とし
て端子部6を形成した。ダイヤフラム3との間隔が6μ
mとなるように構造体1下面側に段差を設け、ダイヤフ
ラム3の厚さを6μmとしたシリコン製の構造体1を前
記基体2の誘電体膜5面側に真空中で接合し、タッチモ
ード静電容量式圧力センサを作製した。作製した圧力セ
ンサを加圧容器に入れ、印加した圧力に対する構造体1
と電極21間の静電容量の変化を調べた。その結果を図
7のグラフAに示す。この測定において、接触開始圧力
は0.3MPa、直線領域は0.3−1.0MPa、直
線領域の感度は11pF/MPa、2.0MPaでは7
pF/MPaに減少し、直線関係から著しく外れてい
た。本センサはトラック用タイヤの空気圧測定に用いら
れ、測定範囲は0.5から0.8MPaである。
【0028】(実施例1)ダイヤフラム3と対向する電
極4の形状を、その長手方向寸法が幅方向中心から幅方
向端に向けて漸次増加する形状に変更した以外は、上記
従来例と同様のセンサを作製した。ダイヤフラム3と対
向する電極4の寸法は、上記比較例においては長手方向
が1.5mmであったところ、図1(C)に示すように
ダイヤフラム3が最初に接触する部分を電極中心とし
て、中心および中心から幅方向に0.07mmの距離ま
では長手寸法を0.5mm、中心から0.1mmの距離
では長手寸法を0.7mm、中心から0.12mmの距
離では1mmとなるように滑らかな曲線で結んだ糸巻き
形状に形成した。作製したセンサの感度を測定したとこ
ろ、接触開始圧力0.3MPaから最大2MPaまで、
ほぼ一定の7pF/MPaを示した(図7のグラフ
B)。
【0029】上記センサより高い感度を必要とするに
は、誘電体膜5の厚さを薄くすることにより達成でき
る。たとえば本実施例において誘電体膜5の厚さを上記
の1/2の0.2μmに設定した場合の特性を図7のグ
ラフCに示す。このグラフCから分かるように、感度は
0.3MPaから2MPaにわたってほぼ一定の14p
F/MPaとなり、従来例の感度を損なうことなく直線
領域を大幅に広げることができた。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧力に対する静電容量の直線領域を広げ、タッチモード
圧力センサの測定範囲を広げることができる。その結
果、従来に比べ高感度で耐圧力が高く、測定範囲の広い
圧力センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧力センサの一例を示し、(A)は
圧力センサの平面図、(B)は側面図、(C)は電極の
形状を示した底面図である。
【図2】 従来の圧力センサを示し、(A)は圧力セン
サの平面図、(B)は側面図、(C)は電極の形状を示
した底面図である。
【図3】 従来の圧力センサの斜視図である。
【図4】 従来の圧力センサの作動状態を示し、(A)
はダイヤフラム接触前の状態を示す側面図、(B)は接
触状態を示す側面図、(C)はより接触面積が増加した
状態を示す側面図である。
【図5】 従来の圧力センサにおいて、圧力上昇に伴う
ダイヤフラムの接触面積の増加の様子を模式的に示す概
略図である。
【図6】 従来の圧力センサにおける圧力と静電容量の
関係を示すグラフである。
【図7】 実施例で作製した各種圧力センサの圧力と静
電容量の関係を示すグラフであり、グラフAは比較例の
圧力センサにおける圧力と静電容量の関係を示すグラ
フ、BとCは実施例の圧力センサの圧力と静電容量の関
係を示すグラフである。
【図8】 本発明の圧力センサに適用が可能な電極の他
の形状を示す平面図である。
【符号の説明】 1……構造体、2……基体、3……ダイヤフラム、4…
…電極、5……誘電体膜、10……圧力センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 敏 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 西村 仁 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 2F055 AA12 BB19 CC02 DD05 EE25 FF07 FF12 GG11 4M112 BA07 CA04 CA11 CA15 EA02 EA13 FA02 FA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体(2)上に設けられた電極(4)
    と、該電極を覆って設けられた誘電体膜(5)と、該電
    極に対向しかつ該誘電体膜上に隙間(8)をあけて設け
    られた少なくとも表面が導電性のダイヤフラム(3)と
    を有し、該ダイヤフラムが圧力を受けて誘電体膜と接触
    する接触面積の変化を検出し、電極とダイヤフラム間の
    静電容量を測定することにより圧力測定する圧力センサ
    であり、 該ダイヤフラムが該電極と接触する面積と、該ダイヤフ
    ラムの撓み面積との面積比が、圧力によって増減するこ
    とを特徴とする圧力センサ。
  2. 【請求項2】 少なくとも受圧範囲の中間部において、 ΔS/ΔP=一定(ただし、ΔSは接触面積の変化分、
    ΔPは圧力の変化分を示す)なる関係を有することを特
    徴とする請求項1記載の圧力センサ。
  3. 【請求項3】 前記電極を、その長手方向寸法が幅方向
    中心から幅方向に向けて漸次増加する形状としたことを
    特徴とする請求項1記載の圧力センサ。
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