JPH08261853A - 機械量センサ素子 - Google Patents

機械量センサ素子

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JPH08261853A
JPH08261853A JP6033295A JP6033295A JPH08261853A JP H08261853 A JPH08261853 A JP H08261853A JP 6033295 A JP6033295 A JP 6033295A JP 6033295 A JP6033295 A JP 6033295A JP H08261853 A JPH08261853 A JP H08261853A
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JP
Japan
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diamond
resistor
sensor element
mechanical quantity
quantity sensor
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Application number
JP6033295A
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English (en)
Inventor
Masahiro Deguchi
正洋 出口
Makoto Kitahata
真 北畠
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP6033295A priority Critical patent/JPH08261853A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定の部分にダイヤモンドを用いることによ
り、高温領域における動作が可能でかつ高ゲージ率Gを
有する機械量センサ素子を提供する。 【構成】 機械量センサ素子を、機械量が印加される部
材(ダイアフラム3、カンチレバー4、支柱5、空洞体
6)と、前記部材の所定の位置に配置され、前記部材か
ら印加機械量の作用を受けるダイヤモンドからなる抵抗
体1とにより構成する。そして、ダイヤモンド抵抗体1
の抵抗値変化を測定することによって各々の機械量を検
知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、歪量、応力、圧力、重
量などの機械量を検知する機械量センサ素子に関する。
さらに詳細には、特定の部分にダイヤモンドを用いた機
械量センサ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】歪量、応力、圧力、重量などの機械量の
測定は、機器の制御や状態管理等の点で重要である。そ
のため、これまでに、要求される測定範囲、媒体、精度
等に応じて様々な方式、構造の機械量センサ素子が開発
されてきた。中でも、半導体を用いた機械量センサ素子
は、小型化、高精度化の点で他のものよりも優れてお
り、様々な応用分野において実用化又はその検討が図ら
れている。
【0003】一般的に、半導体を用いた機械量センサ素
子としては、その材料としてシリコン(Si)を用い、
その動作原理としてピエゾ抵抗効果を利用したものが多
い。ピエゾ抵抗効果とは、半導体に外力が作用すること
によって生じる歪に起因して、半導体の電気抵抗値が変
化する現象のことである。具体的には、Siに微細加工
技術等のプロセス技術を駆使して機械量を検知する歪ゲ
ージを作製し、その歪ゲージのピエゾ抵抗効果によって
目的とする機械量を測定するものである。以上のような
ピエゾ抵抗効果を用いて作製された機械量センサ素子の
特性を評価する指標としては、一般にゲージ率G(単位
歪量に対する抵抗値変化率の度合い)が用いられてお
り、前記のSiによって作製された機械量センサ素子の
場合、100程度のゲージ率Gが得られている。また、
その使用温度範囲は、概ね150℃程度までである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記したように、Si
によって作製された機械量センサ素子は、小型化が可能
であること、高精度であることなどの点で優れてはいる
が、Siのバンド・ギャップが比較的小さいために、高
温で動作させることは不可能であった。また、ゲージ率
Gも100程度に留まっていた。これに対し、ダイヤモ
ンドは化学的に不活性であり、耐環境性に優れているな
どの性質を有すると共に、半導体としての性質を有し、
そのバンド・ギャップが約5.5eVと非常に大きいた
めに、高温においても半導体としての特性を失うことが
ないなど多くの利点を有している。しかしながら、これ
まで、ダイヤモンド用いた機械量センサ素子は作製され
ていなかった。
【0005】本発明は、従来技術における前記課題を解
決するため、特定の部分にダイヤモンドを用いることに
より、高温領域における動作が可能でかつ高ゲージ率G
を有する機械量センサ素子を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係るセンサ素子の構成は、印加機械量を検
知する機械量センサ素子であって、機械量が印加される
部材と、前記部材の所定の位置に配置され、前記部材か
ら印加機械量の作用を受けるダイヤモンドからなる抵抗
体とを少なくとも備えたことを特徴とする。
【0007】また、前記本発明の構成においては、機械
量が、歪量、応力、圧力及び重量から選ばれる1つであ
るのが好ましい。また、前記本発明の構成においては、
ダイヤモンドからなる抵抗体が、気相合成法によって形
成されたものであるのが好ましい。
【0008】また、前記本発明の構成においては、ダイ
ヤモンドからなる抵抗体が、p形半導体及びn形半導体
から選ばれる1つであるのが好ましい。また、前記本発
明の構成においては、ダイヤモンドからなる抵抗体が、
多結晶体であるのが好ましい。
【0009】また、前記本発明の構成においては、ダイ
ヤモンドからなる抵抗体の抵抗値が、100 Ω以上10
8 Ω以下であるのが好ましい。また、前記本発明の構成
においては、ダイヤモンドからなる抵抗体の抵抗率の値
が、10-2Ω・cm以上104 Ω・cm以下であるのが
好ましい。
【0010】また、前記本発明の構成においては、ダイ
ヤモンドからなる抵抗体のゲージ率が、100以上であ
るのが好ましい。また、前記本発明の構成においては、
ダイヤモンドからなる抵抗体の表層が、導電性を有する
のが好ましい。
【0011】また、前記本発明の構成においては、ダイ
ヤモンドからなる抵抗体が、ダイアフラム上に配置され
るのが好ましい。また、前記本発明の構成においては、
ダイヤモンドからなる抵抗体が、ダイヤモンド上に配置
されるのが好ましい。
【0012】
【作用】前記本発明の構成によれば、印加機械量を検知
する機械量センサ素子であって、機械量が印加される部
材と、前記部材の所定の位置に配置され、前記部材から
印加機械量の作用を受けるダイヤモンドからなる抵抗体
とを少なくとも備えたものであるため、半導体特性を有
するダイヤモンドに応力、圧力、重量などの外力が印加
されて歪が導入されると、ダイヤモンドからなる抵抗体
の抵抗値がピエゾ抵抗効果によって変化する。そして、
この抵抗値の変化量を測定すれば、印加機械量を検知す
ることができる。また、ダイヤモンドはワイドバンドギ
ャップ半導体であるため、高温領域において動作が可能
な機械量センサ素子を実現することができる。さらに、
ダイヤモンドは大きなゲージ率Gを有するため、高効率
な特性を有する機械量センサ素子を作製することが可能
となる。
【0013】また前記本発明の構成において、ダイヤモ
ンドからなる抵抗体が、気相合成法によって形成された
ものであるという好ましい例によれば、機械量検知部分
として最適な特性、構造を有するダイヤモンドからなる
抵抗体を容易に形成することができる。
【0014】また、前記本発明の構成において、ダイヤ
モンドからなる抵抗体が、p形半導体及びn形半導体か
ら選ばれる1つであるという好ましい例によれば、検知
部分として用いるダイヤモンドからなる抵抗体の抵抗値
を容易に制御することができる。
【0015】また、前記本発明の構成において、ダイヤ
モンドからなる抵抗体が、多結晶体であるという好まし
い例によれば、作製が非常に容易であると共に、ダイヤ
モンドからなる抵抗体の検知部分の特性制御が容易とな
る。
【0016】また、前記本発明の構成において、ダイヤ
モンドからなる抵抗体の抵抗値が、100 Ω以上108
Ω以下であるという好ましい例によれば、実用上容易に
検知部分の抵抗値変化を測定することができる。
【0017】また、前記本発明の構成において、ダイヤ
モンドからなる抵抗体の抵抗率の値が、10-2Ω・cm
以上104 Ω・cm以下であるという好ましい例によれ
ば、最適な抵抗値を有するダイヤモンドからなる抵抗体
の検知部分を形成することが可能となる。
【0018】また、前記本発明の構成において、ダイヤ
モンドからなる抵抗体のゲージ率が、100以上である
という好ましい例によれば、従来のものと比較して、よ
り高感度な機械量センサ素子を実現することができる。
【0019】また、前記本発明の構成において、ダイヤ
モンドからなる抵抗体の表層が、導電性を有するという
好ましい例によれば、印加される機械量に対してより敏
感に反応する抵抗体を形成することができるので、高効
率な特性を有する機械量センサ素子を実現することが可
能となる。
【0020】また、前記本発明の構成において、ダイヤ
モンドからなる抵抗体が、ダイアフラム上に配置される
という好ましい例によれば、印加された機械量をダイヤ
モンドからなる抵抗体に効率よく作用させることができ
る。
【0021】また、前記本発明の構成において、ダイヤ
モンドからなる抵抗体が、ダイヤモンド上に配置される
という好ましい例によれば、より最適なダイヤモンドか
らなる抵抗体を形成することが可能になる。
【0022】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的
に説明する。図1は本発明に係る機械量センサ素子の基
本的な構成例を示す概略図である。図1に示すように、
本機械量センサ素子は、主な構成部分として、印加機械
量を検知するダイヤモンドからなる抵抗体(以下「ダイ
ヤモンド抵抗体」という。)1と、印加機械量をダイヤ
モンド抵抗体1に作用させる部材(図1(a)において
はダイアフラム3、図1(b)においてはカンチレバー
4、図1(c)においては支柱5、図1(d)において
は空洞体6)とからなっている。以上のような構造の機
械量センサ素子に圧力、重量などの外力2が印加される
と、ダイヤモンド抵抗体1が配置されている領域に応力
がかかり、ダイヤモンド抵抗体1に歪が導入される。そ
の結果、ダイヤモンド抵抗体1の抵抗値がピエゾ抵抗効
果によって変化するので、その変化量を測定することに
より、歪量、応力、圧力、重量などの機械量を検知する
ことができる。例えば、図1(a)に示す機械量センサ
素子は、機械量が圧力である場合の圧力センサ素子の構
造として、図1(b)に示す機械量センサ素子は、機械
量がカンチレバー4に導入される歪量である場合の歪セ
ンサ素子の構造として、図1(c)に示す機械量センサ
素子は、機械量が支柱5の上に保持された物体の重量で
ある場合の重量センサ素子の構造として、図1(d)に
示す機械量センサ素子は、機械量が任意形状の空洞体6
に作用する応力である場合の応力センサ素子の構造とし
て適した構造の例である。尚、本機械量センサ素子の構
成としては、前記した4つの例に限定されるものではな
く、印加される機械量が作用する領域にダイヤモンド抵
抗体1が配置される構成であれば、いかなる構成、形状
であってもよい。また、ダイアフラム3やカンチレバー
4など印加機械量をダイヤモンド抵抗体1に作用させる
部材に用いる材質としては、特に限定されるものではな
いが、機械量センサ素子の特性面や作製上の観点から、
絶縁性のダイヤモンド層が表面に堆積された基板素材や
シリコン基板などがよく用いられる。
【0023】ダイヤモンド抵抗体1としては、単結晶体
または多結晶体のいずれの形態であってもよいが、特に
個々の粒径が0.1μm〜10μm程度の多結晶体が作
製上の観点や検知部分の特性制御の観点から最適であ
る。また、ダイヤモンド抵抗体1の検知部分の形状は、
直線型、螺旋型、格子型などいかなる形状のものであっ
ても差し支えないが、中でも直線型が構造上簡単である
ため、よく用いられる。そのサイズとしては、センサ全
体のサイズにも依存するが、概ね長さが10μm〜1m
m、幅が1μm〜100μm、厚さが1μm〜50μm
程度である。また、個々のダイヤモンド抵抗体1の抵抗
値としては、特に限定されるものではないが、機械量セ
ンサ素子として用いる上で100 Ω以上108 Ω以下で
あるのが測定上の観点から最適である。そして、このよ
うなダイヤモンド抵抗体1を形成するには、抵抗率の値
が10-2Ω・cm以上104 Ω・cm以下のダイヤモン
ドを用いるのが最適である。
【0024】ダイヤモンド抵抗体1の形成方法として
は、特に限定されるものではないが、通常、気相合成法
によって容易に形成することができる。尚、本実施例に
おいては、気相合成法の一種であるマイクロ波プラズマ
CVD法によってダイヤモンド抵抗体1を形成した。特
にその際、基板素材や成長条件を適切に選択し、膜厚や
形状、不純物のドープ量などを制御することにより、所
望の特性(抵抗値など)を有するダイヤモンド抵抗体1
を容易に形成することが可能となる。
【0025】以下に、具体的実施例を挙げて本発明をさ
らに詳細に説明する。 <第1の実施例>本実施例においては、機械量センサ素
子として、図1(a)に示すような、ダイアフラム3の
上面にマイクロ波プラズマCVD法によって形成したp
形のダイヤモンド抵抗体1を配置して作製したものを用
いて、圧力を検知した場合について説明する。
【0026】図2に、本機械量センサ素子の作製プロセ
スを示す。基板素材としては、シリコン上に厚さ20μ
mの絶縁性ダイヤモンド膜が堆積された基板7を用いた
(図2(a))。この基板7を洗浄処理によって清浄し
た後、その表面にp形のダイヤモンド層8を形成した
(図2(b))。p形のダイヤモンド層8の形成は、マ
イクロ波プラズマCVD法を用いて行った。マイクロ波
プラズマCVD法は、原料ガスにマイクロ波を印加する
ことによってプラズマ化し、ダイヤモンドを形成する方
法である。本実施例においては、原料ガスとして、水素
ガス(H2 )で2vol%程度に希釈した一酸化炭素ガ
ス(CO)に、p形化のためのジボランガス(B
2 6 )を500ppm程度添加したものを用いた。気
相合成の条件としては、ガス圧力:30Torr、基板
温度:900℃とした。形成したp形ダイヤモンド層8
は、粒径が2〜5μmの多結晶膜で、その膜厚は1〜2
μmであった。このp形膜の抵抗率を測定したところ、
室温で100Ω・cm程度であった。
【0027】次いで、抵抗加熱型の蒸着装置を用いて、
ダイヤモンドのエッチング・マスクとして用いるアルミ
ニウム(Al)層9を、p形ダイヤモンド層8の全面に
数μm蒸着した(図2(c))。そして、フォトリソグ
ラフィー工程、Al層9の部分的エッチング工程を経
て、Alのマスク・パターン17を形成した(図2
(d))。Al層9のエッチングは、リン酸系のエッチ
ング液を用いたウェット・エッチングによって行なっ
た。
【0028】次いで、所望の形状を有するダイヤモンド
抵抗体1をp形ダイヤモンド層8によって形成するため
に、パターン化されたAl層9(マスク・パターン1
7)をマスクとしてp形ダイヤモンド層8のエッチング
を行なった。エッチングは、平行平板型の反応性イオン
エッチング装置(RIE)により、エッチング・ガスと
して酸素(O2 )を用いて行なった。その結果、パター
ン化されたAl層9(マスク・パターン17)によって
マスクされていないp形ダイヤモンド層8はエッチング
除去され、図2(c)のような形状となった。形成され
たダイヤモンド抵抗体1の検知部分は、長さが500μ
m、幅が50μmの直線型のものであった。
【0029】次いで、マスク・パターン17を除去した
後(図2(f))、基板7の裏面に、ダイアフラム形成
用のマスクとするために、約10μm程度の膜厚のSi
2膜10をマグネトロン・スパッタ法によって形成し
た(図2(g))。そして、堆積されたSiO2 膜10
の中央に直径2mmの穴のパターンを開けた後(図2
(h))、基板7の裏面に対してエッチングを行なっ
た。基板7の裏面のエッチングは、フッ硝酸溶液による
ウェット・エッチング処理によって行なった。その結
果、エッチングされた部分のシリコン層の厚さが100
μm程度であるダイアフラム3が形成された(図2
(i))。
【0030】最後に、表面のp形ダイヤモンド抵抗体1
のパターンの電極取り出し部分に、オーミック電極11
を形成した(図2(j))。電極11は、電子ビ−ム蒸
着法によりチタン(Ti)/金(Au)又はチタン(T
i)/モリブデン(Mo)/金(Au)の積層構造のも
のを形成した。以上のようなプロセスを経て、ダイアフ
ラム3の上にp形のダイヤモンド抵抗体1が配置された
機械量センサ素子を作製した。
【0031】このようにして作製された機械量センサ素
子の上面からダイアフラム3の部分のみを加圧したとこ
ろ、ダイヤモンド抵抗体1には圧縮の応力が働き、ダイ
ヤモンド抵抗体1の抵抗値は、無加圧状態の場合と比べ
て減少した。その変化の度合い(変化率)と印加圧力と
は、ほぼ比例関係にあった。すなわち、ダイヤモンド抵
抗体1の抵抗値の変化率を測定することにより、印加圧
力を検知することができることを本発明者らは確認し
た。また、その特性は、300℃の高温状態においても
維持された。この機械量(圧力)センサ素子のゲージ率
Gを求めたところ、700〜1000の値が得られ、従
来よりも大きなゲージ率Gが得られた。これにより、高
感度な機械量センサ素子を実現することができた。
【0032】尚、同様の方法によって作製された他のダ
イヤモンド抵抗体(n形膜など)の場合においても、同
様の結果が得られた。また、本実施例においては、p形
のダイヤモンド層8を形成した後、何ら後処理を施して
いないので、ダイヤモンド抵抗体1の表層は導電性を有
する。このため、印加される機械量に対してより敏感に
反応する抵抗体を形成することができるが、必ずしもダ
イヤモンド抵抗体1の表層は導電性を有するものに限定
されるものではない。ダイヤモンド抵抗体1の表層が導
電性を有しない場合であっても、本発明の所期の目的を
達成することができる。
【0033】<第2の実施例>本実施例においては、機
械量センサ素子として、図1(b)に示すような、カン
チレバー4の適切な位置にマイクロ波プラズマCVD法
によって形成したp形のダイヤモンド抵抗体1を配置し
て作製したものを用いて、カンチレバー4に導入される
歪量を検知した場合について説明する。
【0034】図3に、本機械量センサ素子の作製プロセ
スを示す。基板素材としては、シリコン基板12を用い
た(図3(a))。この基板12を洗浄処理によって清
浄した後、その表面に二酸化珪素層13を形成した(図
3(b))。この二酸化珪素層13は、マイクロ波プラ
ズマCVD法によってダイヤモンド層14(図3(d)
参照)を形成する際に、選択成長させるためのマスクと
して用いるものであり、その形成方法は特に限定される
ものではない。本実施例においては、シリコン基板12
の熱酸化によって形成した。
【0035】次いで、通常のフォトリソグラフィー工程
を経て、二酸化珪素層13に、目的とするダイヤモンド
抵抗体1の形状を有するパターンを形成した(図3
(c))。パターンのサイズは、ダイヤモンド抵抗体1
の検知部分の大きさが50μm×5μmとなるようにし
た。
【0036】このようにして準備されたシリコン基板1
2の上に、まず、絶縁性のダイヤモンド層14を選択成
長させた後(図3(d))、さらにその上に、p形のダ
イヤモンド層15を形成した(図3(e))。絶縁性の
ダイヤモンド層14及びp形のダイヤモンド層15の形
成は、第1の実施例と同様にマイクロ波プラズマCVD
法を用いて行なった。本実施例においては、絶縁性のダ
イヤモンド層14の形成には、原料ガスとして水素ガス
で2vol%程度に希釈した一酸化炭素ガスを用い、p
形のダイヤモンド層15は、それにさらにジボランガス
を500ppm程度添加して形成した。その結果、予め
形成されたパターン通りの形状を有するダイヤモンド抵
抗体1がシリコン基板12の上に作製された。
【0037】次いで、作製されたダイヤモンド抵抗体1
が適切な位置にくるようにシリコン基板12をカンチレ
バー状に切断し(サイズ:長さ 40mm、幅 5m
m)、さらに感度を高めるためにシリコン基板12の裏
面を研磨処理して薄片化(200μm)した(図3
(f))。
【0038】最後に、表面のp形ダイヤモンド抵抗体1
のパターンの電極取り出し部分に、オーミック電極16
を形成した(図3(g))。電極16は、電子ビ−ム蒸
着法によりTi/Au又はTi/Mo/Auの積層構造
のものを形成した。以上のようなプロセスを経て、シリ
コンでできたカンチレバー4の適切な位置にp形ダイヤ
モンドからなる抵抗体1が配置された機械量センサ素子
を作製した。
【0039】そして、図1(b)のように、カンチレバ
ー4の一方の端面を固定し、カンチレバー4の他端に上
面から外力2を印加してダイヤモンド抵抗体1に引張り
応力による歪を与えたところ、ダイヤモンド抵抗体1の
抵抗値は、無歪状態の場合と比べて増加した。その変化
の度合い(変化率)と導入された歪量とは、ほぼ比例関
係にあった。すなわち、ダイヤモンド抵抗体1の抵抗値
の変化率を測定することにより、歪量を検知することが
できることを本発明者らは確認した。また、その特性
は、300℃の高温状態でも維持された。この機械量
(歪)センサ素子のゲージ率Gを求めたところ、700
〜1000の値が得られ、従来よりも大きなゲージ率G
が得られた。
【0040】尚、同様の方法によって作製された他のダ
イヤモンド抵抗体(n形膜など)の場合においても、同
様の結果が得られた。また、本実施例においては、シリ
コンでできたカンチレバー4の上にダイヤモンド抵抗体
1を直接形成することによって機械量センサ素子を作製
したが、予め形成されたダイヤモンド抵抗体1をカンチ
レバー4の上に強固に接着することによって機械量セン
サ素子を作製しても同様の結果が得られることを本発明
者らは確認した。
【0041】<第3の実施例>本実施例においては、機
械量センサ素子として、図1(c)に示す構造のものを
用い、支柱5の上部に物体を載せることによって生じる
支柱5の歪を検知することにより重量を測定した場合に
ついて説明する。本実施例においては、ダイヤモンド抵
抗体1を直径2cmの支柱5に強固に接着して用いた。
支柱5の上部に重さが10〜50kgの物体を載置する
と、その重量によって支柱5に応力が発生する。その応
力を、支柱5に取り付けたダイヤモンド抵抗体1の抵抗
値の変化を測定することによって検知し、物体の重量を
求めた。これにより、上記第1及び第2の実施例と同様
に重量を検知することが可能であることを本発明者らは
確認した。
【0042】<第4の実施例>本実施例においては、機
械量センサ素子として、図1(d)に示すようなお碗型
の空洞体6を備えたものを用い、その空洞体6に外力2
が印加された際にかかる応力を、ダイヤモンド抵抗体1
によって測定した場合について説明する。本実施例にお
いても、ダイヤモンド抵抗体1を空洞体6に強固に接着
して用いた。これにより、上記第1及び第2の実施例と
同様に外力2によって変形した空洞体6に作用する応力
を検知することが可能であることを本発明者らは確認し
た。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る機械
量センサ素子によれば、半導体特性を有するダイヤモン
ドに応力、圧力、重量などの外力が印加されて歪が導入
されると、ダイヤモンドからなる抵抗体の抵抗値がピエ
ゾ抵抗効果によって変化する。そして、この抵抗値の変
化量を測定すれば、印加機械量を検知することができ
る。また、ダイヤモンドはワイドバンドギャップ半導体
であるため、高温領域において動作が可能な機械量セン
サ素子を実現することができる。さらに、ダイヤモンド
は大きなゲージ率Gを有するため、高効率な特性を有す
る機械量センサ素子を作製することが可能となる。
【0044】また前記本発明の構成において、ダイヤモ
ンドからなる抵抗体が、気相合成法によって形成された
ものであるという好ましい例によれば、機械量検知部分
として最適な特性、構造を有するダイヤモンドからなる
抵抗体を容易に形成することができる。
【0045】また、前記本発明の構成において、ダイヤ
モンドからなる抵抗体が、p形半導体及びn形半導体か
ら選ばれる1つであるという好ましい例によれば、検知
部分として用いるダイヤモンドからなる抵抗体の抵抗値
を容易に制御することができる。
【0046】また、前記本発明の構成において、ダイヤ
モンドからなる抵抗体が、多結晶体であるという好まし
い例によれば、作製が非常に容易であると共に、ダイヤ
モンドからなる抵抗体の検知部分の特性制御が容易とな
る。
【0047】また、前記本発明の構成のおいて、ダイヤ
モンドからなる抵抗体の抵抗値が、100 Ω以上108
Ω以下であるという好ましい例によれば、実用上容易に
検知部分の抵抗値変化を測定することができる。
【0048】また、前記本発明の構成のおいて、ダイヤ
モンドからなる抵抗体の抵抗率の値が、10-2Ω・cm
以上104 Ω・cm以下であるという好ましい例によれ
ば、最適な抵抗値を有するダイヤモンドからなる抵抗体
の検知部分を形成することが可能となる。
【0049】また、前記本発明の構成のおいて、ダイヤ
モンドからなる抵抗体のゲージ率が、100以上である
という好ましい例によれば、従来のものと比較して、よ
り高感度な機械量センサ素子を実現することができる。
【0050】また、前記本発明の構成において、ダイヤ
モンドからなる抵抗体の表層が、導電性を有するという
好ましい例によれば、印加される機械量に対してより敏
感に反応する抵抗体を形成することができるので、高効
率な特性を有する機械量センサ素子を実現することが可
能となる。
【0051】また、前記本発明の構成において、ダイヤ
モンドからなる抵抗体が、ダイアフラム上に配置される
という好ましい例によれば、印加された機械量をダイヤ
モンドからなる抵抗体に効率よく作用させることができ
る。
【0052】また、前記本発明の構成において、ダイヤ
モンドからなる抵抗体が、ダイヤモンド上に配置される
という好ましい例によれば、より最適なダイヤモンドか
らなる抵抗体を形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る機械量センサ素子の基本的な構成
例を示す概略図である。
【図2】本発明に係る機械量センサ素子の一実施例の作
製プロセスを示す図である。
【図3】本発明に係る機械量センサ素子の他の実施例の
作製プロセスを示す図である。
【符号の説明】
1 ダイヤモンド抵抗体 2 外力 3 ダイアフラム構造 4 カンチレバー構造 5 支柱構造 6 空洞構造 7 基板素材 8 ダイヤモンド層 9 アルミニウム層 10 酸化シリコン層 11 オーミック電極 12 基板素材 13 二酸化珪素層 14 絶縁性ダイヤモンド層 15 p形ダイヤモンド層 16 オーミック電極 17 マスク・パターン

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印加機械量を検知する機械量センサ素子
    であって、機械量が印加される部材と、前記部材の所定
    の位置に配置され、前記部材から印加機械量の作用を受
    けるダイヤモンドからなる抵抗体とを少なくとも備えた
    ことを特徴とする機械量センサ素子。
  2. 【請求項2】 機械量が、歪量、応力、圧力及び重量か
    ら選ばれる1つである請求項1に記載の機械量センサ素
    子。
  3. 【請求項3】 ダイヤモンドからなる抵抗体が、気相合
    成法によって形成されたものである請求項1に記載の機
    械量センサ素子。
  4. 【請求項4】 ダイヤモンドからなる抵抗体が、p形半
    導体及びn形半導体から選ばれる1つである請求項1に
    記載の機械量センサ素子。
  5. 【請求項5】 ダイヤモンドからなる抵抗体が、多結晶
    体である請求項1に記載の機械量センサ素子。
  6. 【請求項6】 ダイヤモンドからなる抵抗体の抵抗値
    が、100 Ω以上108Ω以下である請求項1に記載の
    機械量センサ素子。
  7. 【請求項7】 ダイヤモンドからなる抵抗体の抵抗率の
    値が、10-2Ω・cm以上104 Ω・cm以下である請
    求項1に記載の機械量センサ素子。
  8. 【請求項8】 ダイヤモンドからなる抵抗体のゲージ率
    が、100以上である請求項1に記載の機械量センサ素
    子。
  9. 【請求項9】 ダイヤモンドからなる抵抗体の表層が、
    導電性を有する請求項1に記載の機械量センサ素子。
  10. 【請求項10】 ダイヤモンドからなる抵抗体が、ダイ
    アフラム上に配置された請求項1に記載の機械量センサ
    素子。
  11. 【請求項11】 ダイヤモンドからなる抵抗体が、ダイ
    ヤモンド上に配置された請求項1に記載の機械量センサ
    素子。
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