JP2002193792A - フィルムコーティング錠剤及びエロージョン防止組成物 - Google Patents

フィルムコーティング錠剤及びエロージョン防止組成物

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JP2002193792A
JP2002193792A JP2000393157A JP2000393157A JP2002193792A JP 2002193792 A JP2002193792 A JP 2002193792A JP 2000393157 A JP2000393157 A JP 2000393157A JP 2000393157 A JP2000393157 A JP 2000393157A JP 2002193792 A JP2002193792 A JP 2002193792A
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tablet
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coated tablet
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Norio Kizu
典生 木津
Shigeo Ogasawara
榮男 小笠原
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 皮膜を形成する水溶性高分子化合物を含
有するフィルムで被覆され、核錠に平均α化度35〜9
5%であるα化澱粉及び崩壊剤を含有することを特徴と
するフィルムコーティング錠剤。 【効果】 本発明によれば、エロージョンの問題がない
のみならず、強度と崩壊性にも優れるフィルムコーティ
ング錠剤が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核錠にフィルムコ
ーティングを施したフィルムコーティング錠剤及びフィ
ルムコーティング錠剤においてエロージョンが発生する
のを防止するためのエロージョン防止組成物に関し、よ
り詳しくは特に医薬内服錠剤として好適なフィルムコー
ティング錠剤及びそのエロージョン防止組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、錠剤組成物中の有効成分等の不快
な味を隠蔽する手法として、糖衣を施したり水溶性高分
子化合物によるフィルムコーティングを行う技術が知ら
れている。しかし、糖衣を施す場合、糖衣層の厚みのた
めに錠剤が大きくなる、皮膜層ではないために吸湿によ
り核錠中の有効成分が劣化するなどの課題があり、フィ
ルムコーティングは、糖衣を施すのに比べて好ましい核
錠の被覆手段である。
【0003】一方、通常、核錠となる錠剤には、有効成
分の他に、錠剤を形成するための助剤、例えば錠剤強度
を維持するための賦形剤(例えばコーンスターチなど)
や結合剤(例えばセルロース系水溶性高分子化合物、ポ
リビニルピロリドン、アクリル酸系水溶性高分子化合物
など)、服用後の速やかな錠剤の崩壊を促すための崩壊
剤(例えば低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、比
較的変性度が低い加工澱粉、結晶セルロースなど)や、
打錠性を向上するための滑沢剤(例えばステアリン酸マ
グネシウム、タルクなどの微粉等)を含有する。
【0004】錠剤の強度と崩壊性の双方を満足させるた
め、錠剤中にはある程度の崩壊剤と結合剤が含有される
が、崩壊剤は、一般に錠剤内部へ進入する水分を毛細管
現象により助長する性質を有するため、フィルムコーテ
ィング時にエロージョン(コーティング水性液の核錠へ
のしみこみによるコーティング不良)が発生し、良好な
フィルムコーティング錠剤が得られない。これを防止す
るために、結合剤を多量使用すれば、錠剤の強度は増加
するが、崩壊性を著しく低下させる問題が発生する。ま
た、滑沢剤は、更に錠剤の崩壊速度を低下させるおそれ
がある。
【0005】従って、強度と崩壊性ともに優れ、且つエ
ロージョンが発生しない良好なフィルムコーティング錠
剤は得られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされたもので、エロージョンの問題がなく、しか
も強度、崩壊性に優れたフィルムコーティング錠剤及び
フィルムコーティング錠剤におけるエロージョンの発生
を防止するエロージョン防止組成物を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、α化加工を行ったα化澱粉のα化度に着目するに
至り、後述する実施例に示すように、特定のα化度を有
するα化澱粉を崩壊剤と併用して核錠に配合することに
よって、崩壊剤の配合によって発生の増長が予想される
フィルムコーティングによるエロージョンの発生を防止
することができ、しかも強度、崩壊性にも優れたフィル
ムコーティング錠剤が得られることを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(1)皮膜を形成する水
溶性高分子化合物を含有するフィルムで被覆され、核錠
に平均α化度35〜95%であるα化澱粉及び崩壊剤を
含有することを特徴とするフィルムコーティング錠剤、
及び(2)フィルムコーティング錠剤においてエロージ
ョンが発生するのを防止するための組成物であって、平
均α化度35〜95%であるα化澱粉を含有してなるこ
とを特徴とするエロージョン防止組成物を提供する。な
お、エロージョンとは、フィルムコーティング錠剤にお
いて発生するコーティング障害の一つであり、噴霧によ
りクレーター様の穴があく現象を意味する。
【0009】ここで、上記α化澱粉が、α化度0〜35
%の低α化澱粉及びα化度50〜100%の高α化澱粉
の混合物であると、より好適であり、上記崩壊剤が、繊
維状のセルロース類であると、より効果的である。ま
た、上記フィルムコーティング錠剤は、薬物を含有する
医薬内服錠剤、特に腸溶性製剤として、好適である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明すると、本発明
のフィルムコーティング錠剤は、平均α化度35〜95
%であるα化澱粉及び崩壊剤を含有する核錠を水溶性高
分子化合物からなる皮膜によって被覆したものである。
【0011】ここで、本発明のフィルムコーティング錠
剤の核錠に使用するα化澱粉は、平均α化度が35〜9
5%、好ましくは40〜90%、より好ましくは60〜
90%である。α化度が低すぎると錠剤強度が低下し、
高すぎると本発明の効果(エロージョン防止)を奏さな
い。なお、通常崩壊剤として使用されているα化澱粉
は、平均α化度が20%程度のものであるため、これの
みを使用する場合は、本発明の特定のα化度を有するα
化澱粉の効果は奏さない。
【0012】本発明において、α化澱粉は、本発明のα
化度のもの1種類を使用することもできるし、異なるα
化度のものを混合しても良い。本発明においては、混合
物の場合は、それらの平均α化度を規定するものであ
る。好ましくは、異なるα化度の澱粉を混合することが
好ましい。好ましい組み合わせは、α化度0〜35%、
好ましくは1〜20%の低α化澱粉と、α化度50〜1
00%、好ましくは60〜100%の高α化澱粉の混合
物であることが好ましい。これらの組み合わせとする
と、特に良好な崩壊性、強度が得られる。なお、本発明
において上記α化度は、例えばジアスターゼ法によって
確認することができる。
【0013】ここで、本発明において使用するα化澱粉
は、その粒径が特に制限されるものではないが、粒径が
5〜150μmの範囲に分布するように篩い分けなどを
した粒子を使用すると好適である。この粒径範囲内のα
化澱粉を配合することによって、特に良好な崩壊性と強
度が得られる。
【0014】本発明のフィルムコーティング錠剤におけ
る上記α化澱粉の配合量は、特に制限されるものではな
いが、核錠中に好ましくは5〜80%(質量%、以下同
様)、より好ましくは10〜75%、特に好ましくは2
0〜60%である。上記α化澱粉の配合量が少なすぎる
と、エロージョンの発生を十分に防止できない場合があ
る。
【0015】本発明のフィルムコーティング錠剤に使用
する崩壊剤としては、その種類が特に制限されるもので
はないが、水膨潤性能を有し、毛細管現象を助け、自ら
は膨潤する性質を有する化合物が好ましい。具体的に
は、カルボキシメチルスターチナトリウム、低置換度カ
ルボキシメチルスターチナトリウム、コムギデンプン、
コメデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデン
プン、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシプロピ
ルスターチ等のスターチ類、カルメロース、カルメロー
スナトリウム、カルメロースカルシウム、クロスカルメ
ロースナトリウム、結晶セルロース、結晶セルロース・
カルメロースナトリウム、(低置換度)ヒドロキシプロ
ピルセルロース,(低置換度)ヒドロキシプロピルメチ
ルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類、ポ
ピドン、クロスポピドン、架橋ポリアクリル酸、マクロ
ゴール等のその他の水溶性高分子化合物、白糖、精製白
糖、マンニトール等の糖類、蔗糖脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレン硬化ひまし油60、ポリオキシエチレン
(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポ
リオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(3
0)グリコール、ポリソルベート80等の親水性ノニオ
ン界面活性剤、タルク、スメクタイト等の層状粘土鉱物
などが挙げられ、これらは1種単独で又は2種以上を適
宜組み合わせて使用することができる。本発明の場合、
これらの中でも、結晶セルロース、クロスカルメロー
ス、カルメロース等の上記セルロース類、上記スターチ
類、ポピドン、クロスポピドンなどがより好ましく、中
でも結晶セルロースが特に好ましい。
【0016】本発明のフィルムコーティング錠剤の崩壊
剤は、繊維状の形状のものを用いると、好適であり、特
に繊維状の上記セルロース類が、より好適である。繊維
状の崩壊剤を用いる場合、好ましいアスペクト比(長
径:短径の比)は、3以上:1であり、5〜100:1
のものが特に好ましく使用できる。繊維状の崩壊剤を使
用すると、崩壊性が特に好ましくなる一方で、繊維状の
物質を含有する核錠は、フィルムコーティング時のエロ
ージョンが発生しやすいため、本発明のα化澱粉の効果
が一層顕著なものとなる。
【0017】本発明のフィルムコーティング錠剤におけ
る上記崩壊剤の配合量は、特に制限されるものではな
く、通常、核錠中に好ましくは5〜80%、より好まし
くは10〜75%、特に好ましくは20〜60%であ
る。上記崩壊剤の配合量が少なすぎると、良好な崩壊性
が得られない場合があり、多すぎるとエロージョンの発
生を十分に抑制することが困難となる場合がある。
【0018】上記崩壊剤の粒径(繊維状化合物の場合は
長径)は、特に制限されるものではないが、他の粉体原
料との混合性を考慮すれば、粒径が5〜700μmの範
囲に分布する粒子を使用することが好ましく、特に粒径
が50μm以下のものが崩壊剤粒子全体の50%以下で
あることが好ましい。
【0019】本発明のフィルムコーティング錠剤におけ
る上記α化澱粉と上記崩壊剤との総量は、特に制限され
るものではなく、組み合わされる生理活性成分の物性、
粒子径などにより適宜選定することができるが、通常、
好ましくは核錠全量に対して15〜85%、より好まし
くは35〜75%、特に好ましくは40〜55%であ
る。上記α化澱粉と上記崩壊剤との総量が多すぎると、
製剤設計上の制限が生じる場合があり、少なすぎると、
良好な崩壊性、エロージョン防止効果が得られ難くなる
場合がある。
【0020】また、上記α化澱粉と上記崩壊剤の比率
は、α化澱粉:崩壊剤(質量比)が好ましくは30:1
0〜1:10、より好ましくは20:10〜2:10、
特に好ましくは10:10〜3:10である。上記範囲
以外では、良好な崩壊性、十分なエロージョン防止効果
が得られ難くなる場合がある。
【0021】本発明のフィルムコーティング錠剤は、医
薬内服錠剤として特に有効であり、核錠には、内服医薬
に使用可能な薬物を任意に配合することができる。特
に、アスピリンはエロージョン現象が激しい薬物である
ことが判明したので、本発明のα化澱粉と崩壊剤との組
み合わせによるエロージョン防止効果は、特にアスピリ
ンを含有する核錠をフィルムコーティングするフィルム
コーティング錠剤に対して有用である。
【0022】本発明のフィルムコーティング錠剤におい
て、他の配合可能な薬物の例としては、アセトアミノフ
ェン、イブプロフェン、サリチル酸及びその誘導体、イ
ンドメタシン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン等
の薬物、生薬、ビタミン、カロテンなどの生理活性成分
などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0023】本発明のフィルムコーティング錠剤におけ
る上記薬物の量は、その種類により適宜調整されるが、
通常、錠剤物性の点を鑑み、核錠全量に対して好ましく
は10〜80%、より好ましくは20〜60%、特に好
ましくは30〜55%である。
【0024】その他、本発明のフィルムコーティング錠
剤の核錠には、通常内服製剤に使用可能な成分、例えば
制酸剤(珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、合成ヒ
ドロタルサイト、酸化マグネシウム、ジヒドロキシアル
ミニウムアミノアセテート、水酸化アルミニウム、炭酸
マグネシウム、水酸化マグネシウム、珪酸アルミン酸マ
グネシウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウムなど)、
結合剤、香料、甘味料などを、本発明の効果を損なわな
い範囲で常用量配合することが可能である。
【0025】本発明の核錠は、その形状、製造方法が特
に制限されるものではなく、例えば上記必須成分及び必
要に応じて上記任意成分を、それぞれ必要に応じて篩い
分けなどを行った後、適宜順序で配合し、全体を均一に
混合した後、公知の打錠機によって打錠圧力を例えば
0.3〜2.5t程度として打錠して、1錠当たり10
0〜2000mg、直径4〜20mm程度の核錠とする
などの方法が挙げられる。
【0026】本発明のフィルムコーティング錠剤のコー
ティングフィルムとしては、ヒドロキシプロピルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース等の水溶性セルロース誘導体、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等
の合成水溶性高分子化合物、ゼラチンなどを基材とする
水溶性フィルム、メタクリル酸/メタクリル酸アルキル
エステル共重合体、メタクリル酸/アクリル酸アルキル
エステル共重合体、メタクリル酸ヒドロキシプロピルメ
チルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースアセテートサクシネートなどの腸溶コーティ
ング基材とトリアセチン、ポリエチレングリコールを組
み合わせた腸溶コーティングフィルムなどが挙げられ
る。
【0027】これらのフィルムには、本発明の効果を損
なわない範囲で酸化チタン、タルクなどの着色剤、甘味
料、香料などを含有することも可能である。
【0028】本発明のフィルムコーティングは、フィル
ム基材となる樹脂やその他の成分を水、エタノールなど
の溶媒に溶解又は均一分散し、上記核錠にスプレーなど
して、その後、乾燥させて皮膜を形成する。なお、上記
溶媒の中でも、水が好ましい。
【0029】上記核錠をコーティングするフィルムの量
は、特に制限されるものではないが、通常、乾燥後の質
量が核錠質量の0.5〜10%程度となる量が好適であ
る。
【0030】本発明のフィルムコーティングは、単層で
もよいが、複数の層としてもよい。例えば、核錠に水溶
性コートを施し、次に腸溶コート層、最外層に水溶性コ
ート錠の3層コートとすることも好ましい実施の形態で
ある。なお、本発明のフィルムコーティング錠剤は、腸
溶性製剤として調製すると、胃障害を副作用として持つ
有効成分を配合する場合であっても、胃障害を低減する
ことができるので、より好適である。
【0031】なお、本発明のエロージョン防止組成物
は、平均α化度35〜95%である上記α化澱粉を含有
するものであり、この組成物をフィルムコーティング錠
剤に使用することによって、コーティングする際のエロ
ージョンの発生を防止することができる。従って、本発
明のエロージョン防止組成物は、核錠に崩壊剤を含有す
るフィルムコーティング錠剤に配合すると、より効果的
である。なお、本発明のエロージョン防止組成物におけ
るα化澱粉についての詳細は、上記フィルムコーティン
グ錠剤と同様であり、また、核錠に崩壊剤を含有する場
合、該崩壊剤についての詳細は、上記フィルムコーティ
ング錠剤と同様である。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、エロージョンの問題が
ないのみならず、強度と崩壊性にも優れるフィルムコー
ティング錠剤が得られる。また、本発明のエロージョン
防止組成物は、核錠のフィルムコーティングにおけるエ
ロージョンの発生を有効に防止することができるので、
エロージョンが発生し易い崩壊剤の配合が必要な核錠を
フィルムコーティングする場合に、有用である。
【0033】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に制限さ
れるものではない。
【0034】[実施例1〜8及び比較例1,2]下記表
1の核錠成分を混合し、ロータリー式打錠機で打錠圧
1.2tで打錠した。(一錠あたりの重量250mg、
直径9mm)これに、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース/酸化チタン/PEG6000(質量比)=0.7
8/0.1/0.12のフィルム成分水性液を核錠に対
して乾燥後のフィルム質量比率が2%となるように噴霧
し、60℃で乾燥した。なお、以下の例において、α化
澱粉は、整粒により粒径5〜150μmのものを用い、
崩壊剤は、粒径が5〜700μmのものを用いた。
【0035】上記核錠の硬度をモンサント型の硬度計
(TH−203CP;富山産業)で測定した(n=1
0)。また、核錠40錠をとり、摩損度試験機(錠剤摩
損度試験機;萱垣医理科工業)を用いて、25回転毎分
で8分間回転を行い、次式により摩損度を求めた 摩損度(%)=(試験前の核錠重量(40錠)−試験後
の核錠重量(40錠))÷(試験前の核錠重量(40
錠))×100
【0036】また、フィルムコーティング錠剤について
表面を目視観察して、エロージョンの有無を確認し、エ
ロージョンの発生が認められない場合を○、認められた
場合を×とした。また、日本薬局方の崩壊試験法に準じ
て37℃の水における崩壊時間(6錠の平均時間)を測
定した。これらの結果を表1に併記する。
【0037】
【表1】
【0038】[実施例9及び比較例3、4]下記組成に
従って、実施例9として、アスピリン、結晶セルロー
ス、部分α化澱粉からなる錠剤(核錠)と、比較例3、
4として、アスピリン、無水乳糖、デンプンからなる錠
剤(核錠)を以下のように調製した。
【0039】 組 成 成 分 配合量(mg/錠) アスピリン 95.0 結晶セルロース 70.0 α化澱粉 35.0 無水乳糖 49.0 黄色5号アルミニウムレーキ 0.5香料 0.5 合 計 250.0
【0040】アスピリン(1000μm以下、125μ
m残留)950g、結晶セルロース700g、α化澱粉
(α化度84.6%;ジアスターゼ法)350g、無水
乳糖490g、黄色5号アルミニウムレーキ、香料をV
型混合機(V−5型;特寿製作所)にそれぞれとり、1
5分間混合した。次いで、得られた粉末をロータリー式
打錠機(L−41;畑鐵工所)にて打錠圧力1.2tで
製錠し、平均重量250mg、直径9mmの核錠(実施
例9)を得た。このとき回転盤への組成物の付着は認め
られなかった。
【0041】 組 成 比較例3 比較例4 成 分 配合量(mg/錠) アスピリン 95.0 95.0 結晶セルロース 105.0 − α化澱粉 − 105.0 無水乳糖 49.0 49.0 黄色5号アルミニウムレーキ 0.5 0.5香料 0.5 0.5 合 計 250.0 250.0
【0042】アスピリン(1000μm以下、125μ
m残留)950g、結晶セルロース1050g、無水乳
糖490g、黄色5号アルミニウムレーキ、香料をV型
混合機(V−5型;特寿製作所)にそれぞれとり、15
分間混合した。次いで、得られた粉末をロータリー式打
錠機(L−41;畑鐵工所)にて打錠圧力1.2tで製
錠し、平均重量250mg、直径9mmの核錠(比較例
3)を得た。
【0043】アスピリン(1000μm以下、125μ
m残留)950g、α化澱粉(α化度20%;ジアスタ
ーゼ法)1050g、無水乳糖490g、黄色5号アル
ミニウムレーキ、香料をV型混合機(V−5型;特寿製
作所)にそれぞれとり、15分間混合した。次いで、得
られた粉末をロータリー式打錠機(L−41;畑鐵工
所)にて打錠圧力1.2tで製錠し、平均重量250m
g、直径9mmの核錠(比較例4)を得た。このとき回
転盤への組成物の付着が認められ、回転数の増加、時間
の増加とともに付着物は成長していくことが確認でき
た。
【0044】得られた実施例9と比較例3,4の核錠の
強度を評価した。強度の指標として硬度と摩損度を測定
した。硬度はモンサント型の硬度計(TH−203C
P;富山産業)で測定した。摩損度は、摩損度試験機
(錠剤摩損度試験機;萱垣医理科工業)を用いた。摩損
度は、核錠20錠をとり、45回転毎分で5分間行い次
式により摩損度を求めた 摩損度(%)=(試験前の核錠重量(20錠)−試験後
の核錠重量(20錠))÷(試験前の核錠重量(20
錠))×100
【0045】また、得られた実施例9及び比較例3,4
の核錠について、下記のコーティング液を用いて常法に
従って、核錠に対して2質量%コーティングを行った。
できあがったフィルムコーティング錠剤について表面を
観察した。これらの結果を表2に示す。
【0046】 コーティング液の組成 成 分 配合量(mg/錠) ヒドロキシプロピルメチルセルロース 3.775 酸化チタン 0.630ポリエチレングリコール6000 0.595 合 計 5.000
【0047】
【表2】
【0048】表2の結果によれば、実施例9の核錠は、
結晶セルロースとα化澱粉の組み合わせにより、硬度が
8kg以上を確保できる。また、充填中やコーティング
時の落下によっても摩損が生じない程度に充分低い摩損
度を示した。更に、実際のコーティングにおいてもエロ
ージョンの発生がなく、コーティング表面を滑らかに仕
上げることができることが認められる。なお、実施例9
のフィルムコーティング錠剤は、崩壊性も良好であっ
た。
【0049】[実施例10〜13]次に、表3に示すよ
うに、α化度の異なるα化澱粉を配合した核錠を調製
し、評価を行った。
【0050】
【表3】 α化澱粉(1);α化度86.2%;ジアスターゼ法) α化澱粉(2);α化度4.4%;ジアスターゼ法)
【0051】アスピリン(1000μm以下)1200
g、結晶セルロース900g、上記表3に記載したα化
澱粉(1)、α化澱粉(2)、マンニトール150gを
V型混合機(V−5型;特寿製作所)にそれぞれとり、
20分間混合した。次いで、得られた粉末をロータリー
式打錠機(L−41;畑鐵工所)にて打錠圧力1.5t
で製錠し、平均重量295mg、直径10mmの核錠
(実施例10〜13)を得た。このとき回転盤への組成
物の付着は認められなかった。
【0052】得られた実施例10〜13の核錠の強度
(硬度、摩損度)を上記実施例9と同様に測定した。ま
た、得られた実施例10〜13について、下記のコーテ
ィング液を用いて常法に従って、核錠に対して約3質量
%コーティングを行った。得られたフィルムコーティン
グ錠剤について表面を観察した。これらの結果を表4に
示す。
【0053】 コーティング液の組成 成 分 配合量(mg/錠) ヒドロキシプロピルメチルセルロース 6.682 酸化チタン 1.115ポリエチレングリコール6000 1.053 合 計 8.850
【0054】
【表4】
【0055】表4の結果によれば、実施例10〜13の
フィルムコーティング錠剤は、α化度の異なるα化澱粉
を併用しても本発明の目的とする効果を奏することが認
められる。なお、実施例10〜13のフィルムコーティ
ング錠剤は、崩壊性も良好であった。
【0056】以上の結果より、アスピリンを核錠とし、
更にコーティングを行う場合、アスピリンと共に、セル
ロース及び特定のα化度を有するα化澱粉を配合するこ
とにより、硬度、摩損度で示される錠剤の強度を高める
ことができることが認められる。更に、コーティングを
施す場合においては、コーティング時に問題となるエロ
ージョンの発生が防止され、良好なコーティングをする
ことができることが認められる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮膜を形成する水溶性高分子化合物を含
    有するフィルムで被覆され、核錠に平均α化度35〜9
    5%であるα化澱粉及び崩壊剤を含有することを特徴と
    するフィルムコーティング錠剤。
  2. 【請求項2】 上記α化澱粉が、α化度0〜35%の低
    α化澱粉及びα化度50〜100%の高α化澱粉の混合
    物である請求項1記載のフィルムコーティング錠剤。
  3. 【請求項3】 上記崩壊剤が、繊維状のセルロース類で
    ある請求項1又は2記載のフィルムコーティング錠剤。
  4. 【請求項4】 薬物を含有する医薬内服錠剤である請求
    項1、2又は3記載のフィルムコーティング錠剤。
  5. 【請求項5】 腸溶性製剤である請求項4記載のフィル
    ムコーティング錠剤。
  6. 【請求項6】 フィルムコーティング錠剤においてエロ
    ージョンが発生するのを防止するための組成物であっ
    て、平均α化度35〜95%であるα化澱粉を含有して
    なることを特徴とするエロージョン防止組成物。
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