JP2002182410A - 電子写真感光体およびその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体およびその製造方法

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JP2002182410A
JP2002182410A JP2000378946A JP2000378946A JP2002182410A JP 2002182410 A JP2002182410 A JP 2002182410A JP 2000378946 A JP2000378946 A JP 2000378946A JP 2000378946 A JP2000378946 A JP 2000378946A JP 2002182410 A JP2002182410 A JP 2002182410A
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layer
charge
polycarbonate resin
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JP2000378946A
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English (en)
Inventor
Koichi Toriyama
幸一 鳥山
Arihiko Kawahara
在彦 川原
幹男 ▲角▼井
Mikio Kadoi
Rikiya Matsuo
力也 松尾
Sayaka Fujita
さやか 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰返し使用後でも光感度特性および帯電特性
に優れる上に、耐摩耗性が良好で、帯電プロセスにて発
生されるオゾンおよびNOxなどの活性種による画像不
良を起こさず、実用上充分な電気的、物理的および化学
的性能を備えた電子写真感光体を提供する。 【解決手段】 電荷輸送材料4として特定のブタジエン
系化合物と、2種以上の樹脂で構成されて特定の構造単
位を有するポリカーボネート樹脂を50重量%未満含有
するバインダ樹脂と、特定のヒンダードフェノール構造
単位を有するフェノール化合物とを含有する感光層また
は電荷輸送層5を、浸漬塗布法により導電性支持体1上
に塗布することによって電子写真感光体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機およびレー
ザープリンタなどの電子写真装置に用いられる電子写真
感光体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子写真感光体(以下、単に
「感光体」とも称す)の光導電性素材としては、Se、
CdSおよびZnOなどの無機材料が用いられていた
が、毒性などに問題を有していることから、近年では無
公害で成膜性に優れ、かつ材料の選択範囲の広い有機光
導電性材料が用いられるようになり、これを用いる電子
写真感光体の開発が盛んに行われている。該有機光導電
性材料を用いた有機電子写真感光体は、バインダ樹脂中
に有機光導電性材料である電荷発生材料、および必要に
応じて電荷輸送材料を分散させた単層型と、有機光導電
性材料を含有する電荷発生層および電荷輸送層を積層し
て機能を分離した積層型とに大別できる。
【0003】単層型感光体は、電荷発生材料と電荷輸送
材料とを共分散させた構成であり、その生産の容易さ、
低原価、および有害物質であるオゾンが発生しにくいプ
ロセスでの使用が可能であることなどの理由から実用化
されている。積層型感光体については、感光層の設計が
容易で、高感度や高安定性が得られるという点から、有
機電子写真感光体の主流を占めている。
【0004】これらの現在実用化されている有機感光体
において、主な課題は、耐久性および安定性であり、特
に、繰返し使用時の膜削れ、ならびに、膜の電気的また
は化学的変化に起因する帯電電位の低下および残留電位
の上昇などの特性変化を起こしやすいという問題があ
る。これらの問題は、帯電および露光による潜像作成、
トナー像の転写紙への転写、および感光体表面の残留ト
ナーをブレードなどで除去するなどの過程が幾度となく
繰返される画像形成プロセスにおいて、感光層の耐刷性
が充分でないこと、画像形成プロセス中で暴露される光
およびオゾンと窒素酸化物とによる膜中の有機光導電性
化合物の変性や分解が引起こされることが主要因であ
る。現状では、有機感光体において、実用上充分な耐久
性は確保されていない。
【0005】画像形成プロセスの中で電子写真感光体に
要求される性能は、たとえば帯電されたとき、表面電位
が高く、電荷保持率が大きく、光感度が高く、しかもあ
らゆる環境下においてこれらの電気特性変動が少ないこ
とである。また、膜強度が高く、繰返し使用における耐
摩耗性に優れ、ライフを通じて電気特性の安定性が高い
ことも要求される。さらに、電子写真感光体は、その生
産効率を向上させるために、物理的にも化学的にもより
安定した感光体塗布液によって作製されることも要求さ
れる。これらの要求に対し、感光体の表面層ともなる電
荷輸送層に含有されるバインダ樹脂と電荷輸送材料との
役割は、非常に重要である。
【0006】バインダ樹脂としては、ポリカーボネート
樹脂が代表的な樹脂であるが、従来のポリカーボネート
樹脂は、感光体に必要な透明性、機械的特性、電荷輸送
材料や電荷発生材料との相溶性などを有しているもの
の、特に分子量の大きいポリカーボネート樹脂を用いた
場合、繰返し使用時の表面電位の低下および残留電位の
上昇など、電気特性の変動が大きいという問題を有して
いる。また、結晶性が高いバインダ樹脂を用いた場合に
は、トナーが感光体表面から除去されにくくなるという
問題を有している。さらに、ポリカーボネート樹脂以外
のバインダ樹脂を用いた場合、帯電特性、感度、残留電
位および繰返し特性などの面においては良好なものの、
実使用上のクリーニングブレード、磁気ブラシおよび剥
離ヅメなどの接触部材により、感光層表面への傷がつき
やすく、膜削れが大きいという欠点を有している。これ
らの課題に対し、特開平7−199488号公報および
特開平8-6267号公報において、有機感光体の電荷
輸送層に特定のポリカーボネート樹脂を用いることによ
る種々の改善が提案されているが、繰返し使用時におけ
る電位安定性などの電気特性上の課題については、実用
上充分な性能はまだ得られていない。
【0007】前述のように画像形成プロセス中で暴露さ
れる光およびオゾンと窒素酸化物などのチャージ生成物
とにより、膜中の有機光導電性化合物の変性や分解が引
起こされる。そのため、長期にわたり繰返し使用した場
合、帯電性低下、残留電位上昇および感度低下などの問
題が生じる。これらの欠点を装置面から解消するには、
オゾンなどのチャージ生成物を発生させない帯電システ
ム、生成オゾンを分解するシステム、および装置内のオ
ゾンを排気するシステムなどを必要とし、プロセス全体
およびシステムが複雑化するという問題がある。前記欠
点を感光体から解消する試みとしては、特開昭61−1
56052号公報に特定の酸化防止剤を添加することが
提案され、さらに特開平2−59759号公報にはブタ
ジエン系化合物と酸化防止剤との組み合わせが提案され
ているが、まだ充分とはいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繰返
し使用後でも光感度特性および帯電特性に優れる上に、
耐摩耗性が良好で、帯電プロセスにて発生されるオゾン
およびNOxなどの活性種による画像不良を起こさず、
実用上充分な電気的、物理的および化学的性能を備えた
電子写真感光体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、導電性基体上
に、電荷発生材料、電荷輸送材料、該電荷輸送材料と混
合されたバインダ樹脂、およびフェノール化合物を含有
する感光層を有する電子写真感光体であって、前記電荷
輸送材料は、下記一般式(I)で表されるブタジエン系
化合物であり、前記バインダ樹脂は、2種以上の樹脂で
構成され、かつ、下記一般式(II)で表される構造単
位を有するポリカーボネート樹脂を50重量%未満含有
し、前記化合物は、下記一般式(III)で表されるヒ
ンダードフェノール構造単位を有するフェノール化合物
であることを特徴とする電子写真感光体である。
【0010】
【化7】
【0011】(式中、R1〜R4は置換基を有してもよ
いアリール基または置換基を有してもよいアラルキル基
を表す。)
【0012】
【化8】
【0013】(式中、R5〜R12は水素原子、ハロゲ
ン原子、置換もしくは未置換の脂肪族基、または置換も
しくは未置換の炭素環基を表す。Zは置換もしくは未置
換の炭素環または置換もしくは未置換の複素環を形成す
るために必要な原子群を表す。nは10〜1000であ
る。)
【0014】
【化9】
【0015】(式中、R13は分岐状のアルキル基を表
す。R14〜R16は各々、水素原子、ヒドロキシ基、
アルキル基またはアリール基を表し、R14〜R16の
うちの少なくとも2つが相互に連結して環を形成しても
よい。)
【0016】本発明に従えば、ブタジエン系電荷輸送材
料を使用し、特定のポリカーボネート樹脂を単層型感光
体の感光層または積層型感光体の電荷輸送層において、
当該層を構成する樹脂の全量に対して50重量%未満と
なるように含有させることによって、ポリカーボネート
樹脂の問題点である繰返し使用時の表面電位の低下およ
び残留電位の上昇など、電気特性の変動が大きいという
問題と、帯電プロセスにて発生されるオゾンおよびNO
xなどの活性種により画像不良が発生するという問題と
を解消するとともに、膜の機械的強度の向上をも満足す
る電子写真感光体とすることができる。すなわち、物理
的特性に関しては、前記特定のポリカーボネート樹脂は
結晶性が低いことが予想され、この性質に基づき塗布膜
表面の結晶性樹脂による表面性の低下が少なくなり、か
つ電荷輸送材料などの低分子化合物の分散性が良好とな
ることにより、耐刷性および耐クラック性などの膜特性
を向上させたものと考えられる。電気的特性に関して
は、前記特定のポリカーボネート樹脂は光−電気的には
不活性であるものの、分子鎖に対して非対称であるため
局所的に電荷輸送材料との間でトラップサイトとなる確
率が高く、感光層または電荷輸送層における総樹脂含有
比で50重量%以上の場合、繰返し時の表面電位低下お
よび残留電位上昇が著しく大きくなるが、50重量%未
満の場合、ホストバインダ樹脂の性質が支配的となるこ
とで、これらを低減できると考えられる。化学的特性に
関しては、前記特定の電荷輸送材料の高い化学的安定性
と、前記特定のポリカーボネート樹脂の高いガスバリア
性の組み合わせにより、帯電プロセスにて発生されるオ
ゾン、NOxなどの活性種と電荷輸送層との化学反応に
より引起こされる画像劣化(HT白抜け)などが抑制さ
れると推察する。
【0017】また、前記特定の樹脂と組合せて、ヒンダ
ードフェノール構造単位を有するフェノール化合物を含
有することによって、電荷輸送材料などの感光体構成材
料と外的攻撃物との反応を抑制する作用が生じ、前述の
活性種による画像不良の発生を抑えることができ、より
長い長期の繰返し使用が可能となる。
【0018】さらに、感光層または電荷輸送層に2種以
上のバインダ樹脂を含有していることによって、低分子
化合物である電荷輸送材料の分散性向上効果がより有効
になるとともに、製造ロットによる各バインダ樹脂の分
子量のふれを吸収させることができ、量産性に優れた浸
積塗布法の容易化および効率化が可能となる。すなわ
ち、毎回同一粘度、固形分に調整することによる塗膜均
一性に優れた感光体が効率的に得られ、極めて生産性が
高く、安価な感光体を製造することが可能となる。
【0019】また本発明は、前記感光層が、電荷発生材
料を含有する電荷発生層と、前記電荷輸送材料、前記バ
インダ樹脂および前記化合物を含有する電荷輸送層とを
積層してなることを特徴とする。
【0020】本発明に従えば、積層型感光体の電荷輸送
層に、特定のブタジエン系化合物と、2種以上の樹脂で
構成されて特定の構造単位を有するポリカーボネート樹
脂を50重量%未満含有するバインダ樹脂と、特定のフ
ェノール構造単位を有するフェノール化合物とを含有さ
せることによって、繰返し使用後でも光感度特性および
帯電特性に優れる上に、耐摩耗性が良好で、帯電プロセ
スにて発生されるオゾンおよびNOxなどの活性種によ
る画像不良を起こさず、実用上充分な電気的、物理的お
よび化学的性能を備えた積層型の電子写真感光体を提供
することができる。
【0021】また本発明は、前記一般式(II)で表さ
れる構造単位を有するポリカーボネート樹脂の粘度平均
分子量が、20,000〜40,000であることを特徴
とする。
【0022】本発明に従えば、粘度平均分子量が20,
000〜40,000の一般式(II)で表される構造
単位を有するポリカーボネート樹脂を用いたとき、卓越
した前記電気特性の安定性を付与することが可能とな
る。
【0023】また本発明は、前記バインダ樹脂が、前記
一般式(II)で表される構造単位を有するポリカーボ
ネート樹脂以外のポリカーボネート樹脂を含有している
ことを特徴とする。
【0024】本発明に従えば、一般式(II)で表され
る構造単位を有するポリカーボネート樹脂以外の構成樹
脂として、その他の構造の異なるポリカーボネート樹脂
と組合せることによって、特に高い機械的強度と耐クラ
ック性に優れた膜特性を付与させることが可能となる。
【0025】また本発明は、前記一般式(III)で表
されるフェノール構造単位を有する化合物Aと、前記一
般式(I)で表されるブタジエン系化合物Bとの含有比
A/Bが、重量比で3/97〜20/80の範囲である
ことを特徴とする。
【0026】本発明に従えば、ヒンダードフェノール構
造単位を有するフェノール化合物の割合が、小さすぎて
画像劣化を起こしたり、大きすぎて繰返し使用時の残留
電位の上昇が大きくなったりすることを回避することが
できる。
【0027】また本発明は、前記電荷発生材料がチタニ
ルフタロシアニン顔料であることを特徴とする。
【0028】本発明に従えば、前記ブタジエン系電荷輸
送材料と組合わせることによって、特に良好な感度特
性、帯電特性、および繰返し特性を得ることができる。
【0029】また本発明は、前記電荷輸送材料Eとバイ
ンダ樹脂Fとの含有比E/Fが、重量比で1/2〜1の
範囲であることを特徴とする。
【0030】本発明に従えば、バインダ樹脂の割合が、
小さすぎて感度特性は良好であるにもかかわらず、帯電
特性、膜の機械的強度、および帯電プロセスにて発生さ
れるオゾンおよびNOxなどに対する画像安定性が低下
したり、大きすぎて逆に帯電特性、機械的強度および画
像安定性は良好であるにもかかわらず、感度特性が著し
く低下したりすることを回避することができる。
【0031】本発明は、導電性支持体上に、浸漬塗布法
により、電荷輸送材料として下記一般式(I)で表され
るブタジエン系化合物と、2種以上の樹脂で構成されて
下記一般式(II)で表される構造単位を有するポリカ
ーボネート樹脂を50重量%未満含有するバインダ樹脂
と、下記一般式(III)で表されるヒンダードフェノ
ール構造単位を有するフェノール化合物とを含有する単
層型感光体の感光層、または積層型感光体の電荷輸送層
を形成することを特徴とする電子写真感光体の製造方法
である。
【0032】
【化10】
【0033】(式中、R1〜R4は置換基を有してもよ
いアリール基または置換基を有してもよいアラルキル基
を表す。)
【0034】
【化11】
【0035】(式中、R5〜R12は水素原子、ハロゲ
ン原子、置換もしくは未置換の脂肪族基、または置換も
しくは未置換の炭素環基を表す。Zは置換もしくは未置
換の炭素環または置換もしくは未置換の複素環を形成す
るために必要な原子群を表す。nは10〜1000であ
る。)
【0036】
【化12】
【0037】(式中、R13は分岐状のアルキル基を表
す。R14〜R16は各々、水素原子、ヒドロキシ基、
アルキル基またはアリール基を表し、R14〜R16の
うちの少なくとも2つが相互に連結して環を形成しても
よい。)
【0038】本発明に従えば、繰返し使用後でも光感度
特性および帯電特性に優れる上に、耐摩耗性が良好で、
帯電プロセスにて発生されるオゾンおよびNOxなどの
活性種による画像不良を起こさず、実用上充分な電気
的、物理的および化学的性能を備えた電子写真感光体を
提供することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面により詳細に
説明する。
【0040】図1は、本発明の実施の一形態による積層
型感光体を示す断面図である。導電性支持体1の上に下
引き層6、および、電荷発生材料2を主体として含有す
る電荷発生層3と、電荷輸送材料4である化合物を含有
する電荷輸送層5との積層からなる感光層21が設けら
れた積層型感光体である。該積層型感光体では、感光層
21は電荷発生層3と電荷輸送層5とを積層して形成さ
れる。このような感光層21を備えた感光体表面をチャ
ージャなどで負に帯電し、電荷発生層3に吸収波長を有
する光を照射すると、電荷発生層3中に電子および正孔
の電荷が発生する。正孔は、電荷輸送層5に含まれる電
荷輸送材料4によって感光体表面に移動され、表面の負
荷電を中和し、電荷発生層3中の電子は、正電荷が誘起
された導電性支持体1の側に移動し、正電荷を中和する
ことによって、積層型感光体が機能する。
【0041】図2は、本発明の実施の他の形態による単
層型感光体を示す断面図である。導電性支持体1の上
に、電荷発生材料2と電荷輸送材料4とを結着剤である
バインダ樹脂7に分散した感光層20が設けられた単層
型感光体である。該感光層20を備えた感光体表面を正
帯電し、電荷発生材料2に吸収波長を有する光を照射す
ると、感光層20の表面近傍において電子および正孔の
電荷が発生する。電子は、表面の正電荷を中和し、正孔
は、負電荷が誘起された導電性支持体1の側に移動し、
電子を中和することによって、単層型感光体が機能す
る。
【0042】図1に示したような積層型感光体は、導電
性支持体1上に形成された下引き層6の上に、電荷発生
材料2の粒子を溶剤またはバインダ樹脂中に分散して得
られた分散液を塗布し、形成された電荷発生層3上に電
荷輸送材料4およびバインダ樹脂7を溶解した溶液を塗
布乾燥し、電荷輸送層5を形成することにより作製でき
る。図2に示したような単層型感光体は、電荷発生材料
2と電荷輸送材料4とを、バインダ樹脂7を溶解した溶
液中に分散させ、この分散液を導電性支持体1上に塗
布、乾燥して感光層20を形成することにより作製でき
る。したがって、この感光層20の形成は、図1におけ
る電荷発生層3または電荷輸送層5の場合と、実質的に
異ならない。
【0043】導電性支持体1は、感光体の電極としての
役目を果たすとともに他の各層の支持体でもあり、その
形状は、円筒状、板状、フイルム状およびベルト状のい
ずれでもよい。導電性支持体1の材質としては、アルミ
ニウム、ステンレス鋼、銅およびニッケルなどの金属材
料、表面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化錫およ
び酸化インジウムなどの導電性層を設けたポリエステル
フィルム、フェノール樹脂パイプおよび紙管などの絶縁
性物質が挙げられる。体積抵抗が1010Ω・cm以下の
導電性を示すものが好ましく、体積抵抗を調整する目的
で表面に酸化処理を施してもよい。
【0044】下引き層6は、たとえば、ポリアミド、ポ
リウレタン、セルロース、ニトロセルロース、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルア
ミド、アルミニウム陽極酸化被膜、ゼラチン、でんぷ
ん、カゼインおよびN-メトキシメチル化ナイロンなど
から形成される。これらには、酸化チタン、酸化錫また
は酸化アルミニウムの粒子を分散させてもよい。下引き
層6の膜厚は、約0.1〜10μmである。このような
下引き層6は、導電性支持体1と感光層21との接着層
としての役割を果たし、加えて、導電性支持体1から電
荷が感光層21へ流れ込むのを抑制するバリア層として
も作用する。このようにして下引き層6は感光体の帯電
特性を維持するので、感光体自身の寿命を延ばすことが
できる。
【0045】電荷発生層3は、従来公知の電荷発生材料
2を含んで構成される。本発明の実施の形態において適
当な電荷発生材料2としては、可視光を吸収してフリー
電荷を発生するものであれば、無機顔料、有機顔料およ
び有機染料のいずれをも用いることができる。無機顔料
としては、セレンおよびその合金、ヒ素-セレン、硫化
カドミウム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン、ならび
にその他の無機光導電体が挙げられる。有機顔料として
は、フタロシアニン系化合物、アゾ系化合物、キナクリ
ドン系化合物、多環キノン系化合物およびペリレン系化
合物などが挙げられる。有機染料としては、チアピリリ
ウム塩およびスクアリリウム塩などが挙げられる。中で
もフタロシアニン系化合物が好適であり、特にチタニル
フタロシアニン化合物を用いることが最適である。後述
する一般式(I)で表されるブタジエン系化合物と組合
せることで、特に良好な感度特性、帯電特性および繰返
し特性が得られる。
【0046】これら列挙した顔料および染料の他に、電
荷発生層3には、化学増感剤または光学増感剤を添加し
てもよい。化学増感剤として、電子受容性材料、たとえ
ば、テトラシアノエチレンおよび7,7,8,8−テト
ラシアノキノジメタンなどのシアノ化合物、アントラキ
ノンおよびp−ベンゾキノンなどのキノン類、ならび
に、2,4,7−トリニトロフルオレノンおよび2,
4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどのニトロ化
合物が挙げられる。光学増感剤として、キサンテン系色
素、チアジン色素およびトリフェニルメタン系色素など
の色素が挙げられる。本発明の実施の形態における電荷
発生材料2として、好ましくは、有機顔料および有機染
料など、前記有機光導電性化合物を用いる。
【0047】電荷発生層3は、前述の電荷発生材料2を
バインダ樹脂とともに、適当な溶媒中に分散させ、導電
性支持体1または下引き層6の上に塗布し、乾燥または
硬化させて成膜し、形成する。
【0048】バインダ樹脂としては、具体的に、ポリア
リレート、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、
ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、フェノ
キシ樹脂、エポキシ樹脂、シリコーンおよびポリアクリ
レートなどが用いられる。
【0049】溶媒としては、イソプロピルアルコール、
シクロヘキサノン、シクロヘキサン、トルエン、キシレ
ン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジオキソラン、エチルセロソルブ、酢
酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタ
ン、モノクロルベンゼンおよびエチレングリコールジメ
チルエーテルなどが挙げられる。これら以外の溶媒でも
よく、アルコール系、ケトン系、アミド系、エステル
系、エーテル系、炭化水素系、塩素化炭化水素系および
芳香族系のいずれの溶媒系を、単独で、または混合して
用いてもよい。ただし、電荷発生材料2の粉砕およびミ
リング時の結晶転移に基づく感度低下、ならびにポット
ライフによる特性低下を考慮した場合、両顔料において
結晶転移を起こしにくいシクロヘキサノン、1,2−ジ
メトキシエタン、メチルエチルケトンおよびテトラヒド
ロキノンのいずれかを用いることが好ましい。
【0050】電荷発生層3の形成方法としては、一般に
真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法などの気相堆
積法、および塗布方法などを適用する。塗布方法は、電
荷発生材料2をボールミル、サンドグラインダ、ペイン
トシェイカおよび超音波分散機などによって粉砕して溶
剤に分散し、必要に応じてバインダ樹脂を加えた塗布液
を公知の方法により導電性支持体1上に塗布する。たと
えば、導電性支持体1がシートの場合にはベーカアプリ
ケータ、バーコータ、キャスティングおよびスピンコー
トなど、導電性支持体1がドラムの場合にはスプレイ
法、垂直型リング法および浸漬塗布法などにより塗布す
る。電荷発生層3の膜厚は、約0.05〜5μmが好ま
しく、より好ましくは約0.1〜1μmである。
【0051】電荷輸送層5は、下記一般式(I)で表さ
れるブタジエン系化合物と、下記一般式(II)で表さ
れる構造単位を有するポリカーボネート樹脂を50%未
満含むバインダ樹脂と、下記一般式(III)で表され
るヒンダードフェノール構造単位を有するフェノール化
合物とを含有する。
【0052】
【化13】
【0053】
【化14】
【0054】
【化15】
【0055】電荷輸送層5は、2種類以上のバインダ樹
脂で構成され、かつ一般式(II)で表される構造単位
を有するポリカーボネート樹脂を総バインダ樹脂比で5
0重量%未満含有していることを1つの特徴としてい
る。
【0056】電荷輸送材料4として前記一般式(I)で
表されるブタジエン系化合物を使用し、前記一般式(I
I)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂
を、電荷輸送層4のバインダ樹脂全量に対して50重量
%未満含有することで、電気的特性、化学的特性および
物理的特性において満足な電子写真感光体を提供するこ
とができる。すなわち、ポリカーボネート樹脂の問題点
である繰返し使用時の表面電位の低下および残留電位の
上昇など、電気特性の変動が大きいこと、ならびに帯電
プロセスにて発生するオゾンおよびNOxなどの活性種
により画像不良が発生することなどの問題を解消すると
ともに、膜の機械的強度の向上をも満足させることがで
きる。一般式(II)で表される構造単位を有するポリ
カーボネート樹脂の含有量を、前記バインダ樹脂の50
重量%以上とした場合には、繰返し使用時の表面電位の
低下および残留電位の上昇が顕著となり大きく実用性が
阻害される。
【0057】前述のように、特定種の電荷輸送材料4お
よび特定量のポリカーボネート樹脂の含有により良好な
特性が得られる詳細な理由は明らかではないが、物理的
特性に関しては、一般式(II)で表される構造単位を
有するポリカーボネート樹脂は結晶性が低いことが予想
され、この性質に基づき塗布膜表面の結晶性樹脂による
表面性の低下が少なくなり、かつ電荷輸送材料4などの
低分子化合物の分散性が良好となることによって、耐刷
性および耐クラック性などの膜特性を向上させるものと
考える。また、電気的特性に関しては、一般式(II)
で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂は、
光−電気的には不活性であるものの、分子鎖に対して非
対称であるため局所的に電荷輸送材料4との間でトラッ
プサイトとなる確率が高い。したがって、電荷輸送層5
における総バインダ樹脂中の含有比が50重量%以上の
場合、繰返し時の表面電位低下および残留電位上昇が著
しく大きくなるが、50重量%未満の場合には、ホスト
バインダ樹脂の性質が支配的となることで、繰返し時の
表面電位低下および残留電位上昇が抑制される。このよ
うにして感光体表面層である電荷輸送層5の物理的性質
と電気的性質との両立が可能となったものと推定する。
さらに、化学的特性、すなわち帯電プロセスにて発生さ
れるオゾンおよびNOxなどの活性種と電荷輸送層5と
の化学反応により引き起こされる画像劣化、たとえばハ
ーフトーン(HT)白抜けなどの特性に関しては、電荷
輸送材料4である一般式(I)で表されるブタジエン系
化合物の高い化学的安定性と、一般式(II)で表され
る構造単位を有するポリカーボネート樹脂の高いガスバ
リア性との組合わせにより効果があるものと推察する。
【0058】前記一般式(II)で表される構造単位を
有するポリカーボネート樹脂の分子量としては、感光体
の電気特性、繰返し安定性および耐刷性の面から、粘度
平均分子量が20,000〜40,000であることが
好ましい。粘度平均分子量が20,000未満の場合、
帯電プロセスにて発生されるオゾンおよびNOxなどに
よるHT白抜けや黒帯発生などの画像劣化がなくなり、
画像安定性は向上するものの、耐刷性の低下が著しくな
り、40,000より大きい場合、耐刷性は向上するも
のの、初期感度の低下、繰返し使用時における残留電位
の上昇および画像安定性の低下が大きくなる。
【0059】前記一般式(II)で表される構造単位を
有するポリカーボネート樹脂と組合わせるバインダ樹脂
としては、電荷発生層3に用いられるバインダ樹脂と実
質的に異ならず、たとえば、ポリカーボネート、ポリア
リレート、ポリエステル、ポリエーテルケトン、エポキ
シ樹脂、ウレタン、セルロースエーテル、およびこれら
の樹脂を構成するのに必要なモノマの共重合体などが挙
げられる。これらの樹脂の中で、安定した電気特性、機
械的強度および感光体の製造原価などを考慮すると、前
記一般式(II)以外のポリカーボネート樹脂であるこ
とが好ましい。前記バインダ樹脂として、一般式(I
I)で表される構造単位を有するポリカーボネートと、
一般式(II)以外の構造を有するポリカーボネート樹
脂とを組合わせて用いることによって、特に高い機械的
強度と耐クラック性に優れた膜特性を付与することが可
能となる。
【0060】このように2種以上のバインダ樹脂を適宜
組合わせば、製造ロットによる各バインダ樹脂の分子量
のふれを吸収させることができ、量産性に優れた浸積塗
布法の容易化および効率化が可能となる。すなわち、浸
漬塗布法に用いる塗布液を毎回、同一粘度および固形分
に調製することができるので、塗膜均一性に優れた感光
体を効率的に得ることができ、極めて生産性が高く、安
価な感光体を製造することが可能となる。また、2種以
上のバインダ樹脂を電荷輸送層5に含有させることによ
って、前述の低分子化合物である電荷輸送材料4の分散
性向上効果がより有効になることも推察できる。なお、
単層型感光体の場合には、前述のバインダ樹脂を感光層
20において用いる。
【0061】一般式(II)以外の構造を有するポリカ
ーボネート樹脂としては、ビスフェノールA型ポリカー
ボネート樹脂が最も一般的に利用されている。しかし、
通常用いられている市販のビスフェノールA型ポリカー
ボネート樹脂は、分子鎖に対して対称性が高く結晶化し
やすい。そのため、電荷輸送材料を多く含有したり、結
晶性の高い電荷輸送材料であったりすると、電荷輸送材
料とビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂が相分離
し、塗膜が形態的にも組成的にも不均一となる傾向があ
る。また、ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂を
使用した感光層用塗布液がゲル化し易いため、塗布液の
状態で長期にわたる保管が難しい。そのため、分子鎖に
対して対称性が低く結晶化しにくく、ゲル化しにくい下
記構造式(IV)および(V)で表される構造単位をそ
れぞれ有するポリカーボネート樹脂を、一般式(II)
で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂と組
合わせて用いることが好ましい。さらに、構造式(V)
で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂を使
用すると、分子鎖にSiを含むため感光体の表面抵抗が
減り、膜削れを減らすことができ、より長期のライフを
持たせることが可能となる。
【0062】
【化16】
【0063】
【化17】
【0064】電荷輸送層5において使用するバインダ樹
脂の量は、電荷輸送材料100重量部に対し、50〜3
00重量部が好ましい。さらに好ましくは100〜20
0重量部である。100重量部未満では感度特性は良好
であるものの、帯電特性、膜の機械的強度、ならびに帯
電プロセスにて発生されるオゾンおよびNOxなどによ
るHT白抜けや黒帯発生などの画像劣化によって画像安
定性が低下する。200重量部を超えると逆に帯電特
性、機械的強度および画像安定性は良好であるものの、
感度特性の低下が著しくなる。
【0065】もう1つの電荷輸送層5の特徴は、前記一
般式(III)で表されるヒンダードフェノール構造単
位を有するフェノール化合物を含有することである。
【0066】前記一般式(III)中、R13は分岐状
のアルキル基、R14〜16は、各々、水素原子、ヒド
ロキシ基、アルキル基またはアリール基を表し、R14
〜16のうちの少なくとも2つが相互に連結して環を形
成してもよい。前記R13は、炭素数3〜40のter
t−またはsec−アルキル基が好ましい。R14〜1
6は、アルキル基としては炭素数1〜40のものが好ま
しく、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基お
よびピリジル基などが挙げられる。R14〜16のうち
の少なくとも2つが相互に連結して環となる場合にはク
ロマン基が好ましい。これらの化合物の作用機構は定か
ではないが、自己酸化することにより、電荷輸送材料4
の酸化を抑制し、長期の使用にわたってHT白抜けなど
の画像劣化などを防ぐことができるものと考えられる。
特に、下記構造式のヒンダードフェノール構造単位を有
するフェノール化合物(III−1)は、低分子量であ
ることから自己酸化能力が優れ、電荷輸送材料4の酸化
を長期に渡って防ぐことができる。
【0067】前記バインダ樹脂に加え、電荷輸送層5
に、前記ヒンダードフェノール構造単位を有するフェノ
ール化合物を含有することによって、帯電プロセスにて
発生されるオゾンおよびNOxなどの活性種による画像
不良を改善することができ、より長いライフを持たせる
ことが可能となる。前述のバインダ樹脂だけでは、帯電
プロセスにて発生されるオゾンおよびNOxなどの活性
種と電荷輸送層5との化学反応により引起こされるHT
白抜けなどの画像劣化などには、不十分である。これら
を改善するため、前述のバインダ樹脂と組合せて、電荷
輸送層5にヒンダードフェノール構造単位を有するフェ
ノール化合物を含有すると、より長期の繰返し使用に対
しても、HT白抜けなどの画像劣化などを引起こすこと
がなくなる。これは、電荷輸送材料4などの感光体構成
材料と外的攻撃物との反応を抑制する作用があるため、
前述のオゾンおよびNOxなどにより引起こされるHT
白抜けなどの画像劣化などを防ぐことができるためと考
えられる。
【0068】電荷輸送層5中、一般式(III)で表さ
れるヒンダードフェノール構造単位を有するフェノール
化合物Aと、前記一般式(I)で表されるブタジエン系
化合物Bとの構成比A/Bが、重量比で3/97〜20
/80の範囲にあることが好ましい。3/97未満で
は、画像劣化に対して効果がなく、20/80を超える
と、繰返し使用時の残留電位の上昇が大きくなり実用上
問題となる。
【0069】次に、前記一般式(I)、(II)および
(III)で表される化合物の代表的な具体例を表1〜
4に示すが、本発明における化合物例はこれらに限定さ
れるものではない。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】前記電荷輸送材料4を溶解または分散させ
る溶媒としては、前述の電荷発生層3の形成において電
荷発生材料2を分散する溶剤と実質的に異ならず、電荷
発生材料2に関して列挙した溶剤の中から選択できる。
特に好ましい溶剤は、テトラヒドロフランである。
【0075】電荷輸送層5には、必要に応じて可塑剤お
よびレベリング剤を添加することもできる。レベリング
剤としては、シリコーンオイル類、側鎖にパーフルオロ
アルキル基を有するポリマーまたはオリゴマーを使用で
き、使用量は電荷輸送層5に用いるバインダ樹脂100
重量部に対し、0〜1重量部が適当である。
【0076】電荷輸送層5の形成方法としては、導電性
支持体1がシートの場合にはベーカアプリケータ、バー
コータ、キャスティングおよびスピンコートなど、導電
性支持体1がドラムの場合にはスプレイ法、垂直型リン
グ法および浸漬塗布法などが用いられる。特に生産性や
原価という観点から一般的に浸漬塗布法などが好まし
い。該浸漬塗布法により、電荷輸送層5は、電荷輸送材
料4をバインダ樹脂7とともに、適当な溶媒中に溶解ま
たは分散させた塗布液を、電荷発生層3が形成された導
電性支持体1に塗布し、乾燥または硬化させて形成され
る。電荷輸送層用の塗布液は、一般的には、数種または
1種の電荷輸送材料4、バインダ樹脂および添加剤を計
量し、所定量の有機溶媒に同時に溶解させる方法により
調製される。該方法でも問題はないが、バインダ樹脂を
溶媒中に溶解させた後に電荷輸送材料4を投入して溶解
させる方法が特に好ましい。この方法によれば、バイン
ダ樹脂への電荷輸送材料4の分子分散性が向上し、膜中
での潜在的かつ局所的な電荷輸送材料4の結晶化が抑制
されることにより、初期感度の向上、繰返し使用時の電
位安定性および良好な画像特性などが付与される。
【0077】電荷輸送層5の膜厚は、約10〜50μm
が好ましく、より好ましくは約10〜35μmである。
【0078】本発明による感光体の製造方法において、
好ましくは、電荷発生層3などの各層の乾燥工程が含ま
れる。感光体の乾燥温度としては、約50〜140℃が
適当であり、特に約70〜130℃の範囲が好ましい。
感光体の乾燥温度が約70℃未満では乾燥時間が長くな
り、また、乾燥温度が約130℃を越えると、繰返し使
用時の電気的特性が悪くなり感光体を使用して得られる
画像も劣化する傾向にある。
【0079】以下に実施例および比較例を用いて、本発
明の実施の形態をさらに説明するが、これらは本発明の
範囲を限定するものではない。すべての部は特に示す以
外、重量基準である。
【0080】
【実施例】次に実施例により本発明による電子写真感光
体をさらに詳細に説明する。
【0081】(実施例1)(単層型感光体) 構造式(VI)に示すチタニルフタロシアニン10重量
部と、テトラヒドロフラン(THF)190重量部とを
ボールミルにより48時間分散し、顔料分散液Cを調製
した。同時に、構造式(II−1)に示す構造単位を有
する粘度平均分子量21,500のZ型ポリカーボネー
ト樹脂(Z200:三菱エンジニアリングプラスチック
ス社製)45重量部と、構造式(V)に示す構造単位を
有する変性ポリカーボネート樹脂(G400:出光興産
社製)55重量部と、構造式(I−1)に示す電荷輸送
材料80重量部と、構造式(III−1)に示す化合物
10重量部と、シリコーンオイル0.02重量部とをT
HF467重量部に溶解して樹脂溶液Dを調製した。顔
料分散液Cと樹脂溶液Dとの重量比C:Dが1:2とな
るようにボールミルにて2時間混合分散し、感光層用塗
布液を調製した。このようにして得られた塗布液を、直
径65mm、長さ335mmのアルミニウム製円筒状支
持体上に浸漬塗布し、120℃、1時間乾燥し、図2に
示したような単層型の実施例1の感光体サンプルを作製
した。膜厚は27μmであった。
【0082】
【化18】
【0083】(実施例2〜10)表5に示す種類および
構成比の電荷輸送材料、バインダ樹脂、ならびに添加剤
を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2〜10
の感光体サンプルを作製した。
【0084】(比較例1〜15)表5に示す種類および
構成比の電荷輸送材料、バインダ樹脂、ならびに添加剤
を用い、比較例14および15については電荷発生材料
を各々下記化合物[IX]および[X]とした以外は実
施例1と同様にして、比較例1〜15の感光体サンプル
を作製した。
【0085】
【化19】
【0086】
【化20】
【0087】
【化21】
【0088】
【化22】
【0089】
【表5】
【0090】Z200:構造式(II−1)で示す構造
単位を有する粘度平均分子量=21,500のZ型ポリ
カーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック
ス社製) Z300:構造式(II−1)で示す構造単位を有する
粘度平均分子量=32,200のZ型ポリカーボネート
樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製) Z400:構造式(II−1)で示す構造単位を有する
粘度平均分子量=39,000のZ型ポリカーボネート
樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製) Z800:構造式(II−1)で示す構造単位を有する
粘度平均分子量=79,000のZ型ポリカーボネート
樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス社製) C1400:ビスフェノールA型ポリカーボネート樹脂
(帝人化成社製) B300:構造式(IV)で示す変性ポリカーボネート
樹脂(出光興産社製) G400:構造式(V)で示す変性ポリカーボネート樹
脂(出光興産社製) U100:ポリアリレート樹脂(ユニチカ社製) V290:ポリエステル樹脂(東洋紡社製)
【0091】(評価1)実施例1〜10および比較例1
〜14の感光体サンプルについて、市販の複写機(AR
−F330:シャープ社製)を正帯電用に改造した改造
機に搭載し、比較例15の感光体サンプルについては、
市販のアナログ複写機(SF−2027:シャープ社
製)を正帯電用に改造した改造機に搭載し、評価した。
評価は、常温/常湿環境下における初期の帯電電位(V
o)および残留電位(Vr)と、10万枚連続複写前後
の帯電電位変化(△Vo)および残留電位変化(△V
r)とを測定し、これらの各感光体の初期および10万
枚複写後における膜減り量(△d)についても測定して
行った。画像特性は、5万枚実写後、1時間停止した後
の複写画像(ハーフトーン)、さらに5万枚実写後、す
なわち合計10万枚実写後、1時間停止した後の複写画
像(ハーフトーン)において、帯電器である帯電チャー
ジャに近接するドラム部位に、白抜けまたは黒帯などの
画像欠陥の発生状況を調べることによって評価した。こ
れらの画像欠陥が全くない場合は優とし、若干の欠陥を
有するものの実使用上問題がない場合は良とし、明らか
な欠陥が発生した場合は不可とした。また、初期および
10万枚複写後において、前記画像欠陥(白抜け・黒
帯)以外のその他の画像特性として、黒べたおよび白べ
た用紙の複写結果についても調べた。画像欠陥が全くな
い場合は優とし、若干の欠陥を有するものの実使用上問
題がない場合は良とし、実使用上問題がある欠陥が発生
した場合はその内容を示した。これらの結果を表6に示
した。
【0092】
【表6】
【0093】表6から明らかなように、実施例1および
2と比較例1とから、電荷輸送材料は、一般式(I)で
表されるブタジエン系化合物でないと、白抜けまたは黒
帯による画像欠陥が著しく悪化することが判る。
【0094】実施例1および3と比較例2〜4とから、
バインダ樹脂が2種以上混合され、かつ一般式(II)
で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂がバ
インダ樹脂中に50重量%未満含有されていることによ
って、電気特性および画像特性の両方を満たすことが判
る。具体的には、一般式(II)で表される構造単位を
有するポリカーボネート樹脂を含有してないと画像特性
(白抜け・黒帯)が悪化し、総バインダ樹脂の50重量
%以上で含有されていると、ΔVrが大きくなり、濃度
低下を引起こす。
【0095】実施例1、4および5と比較例5および6
とから、一般式(II)で表される構造単位を有するポ
リカーボネート樹脂以外のバインダ樹脂として、ポリカ
ーボネート樹脂が含有されていることによって、電気特
性と画像特性(白抜け・黒帯)とが長期にわたって良好
であることが判る。中でも、実施例5のビスフェノール
A型ポリカーボネート樹脂であるC1400に比べて、
実施例1、4の変性ポリカーボネート樹脂であるG40
0およびB300は、電気特性、画像特性および膜べり
のすべての点で優れていることが判る。
【0096】実施例6と比較例7とからは、一般式(I
I)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂
の粘度平均分子量が20,000〜40,000でない
と、画像特性(白抜け・黒帯)が良好でないことが判る。
【0097】実施例7および8と比較例8および9とか
らは、電荷輸送層中の電荷輸送材料Eとバインダ樹脂F
との構成比E/Fが、重量比で1/2〜1の範囲でない
と、電気特性および画像特性の両方を満たせないことが
判る。具体的には、1/2未満では濃度が不足し、1を
超えると特に長期使用における画像特性(白抜け・黒帯)
が良好でなくなる。
【0098】実施例9および10と比較例10〜13と
からは、一般式(III)で表されるヒンダードフェノ
ール構造単位を有するフェノール化合物Aを含有し、一
般式(I)で表されるブタジエン系化合物Bとの構成比
A/Bが、重量比で3/97〜20/80の範囲にある
ことによって、電気特性および画像特性の両方を長期に
わたって良好にできることが判る。具体的には、3/9
7未満では画像特性(白抜け・黒帯)が良好でなく、20
/80を超えると濃度低下を引起こす。
【0099】比較例14および15からは、電荷発生材
料がチタニルフタロシアニン顔料でないと、初期から濃
度が不足することが判る。
【0100】(実施例11)(積層型感光体) 酸化チタン(Al23およびZrO2表面処理樹枝状ル
チル型、チタン成分85%)(TTO−MI−1:石原
産業製)3重量部と、アルコール可溶性ナイロン樹脂
(CM−8000:東レ社製)3重量部と、メタノール
35重量部と、1,3−ジオキソラン65重量部とをペ
イントシェイカにて10時間分散処理し、下引き層用塗
布液を調製した。調製した下引き層用塗布液を、直径6
5mm、長さ335mmのアルミニウム製円筒状支持体
上に、膜厚1μmとなるように浸漬塗布法によって成膜
し、下引き層を形成した。次にブチラール樹脂(S−L
ECBL−2:積水化学社製)10重量部と、ジメトキ
シエタン1400重量部と、構造式(VI)に示すチタ
ニルフタロシアニン15重量部とをボールミルにて72
時間分散し、電荷発生層用塗布液を調製した。この塗布
液を用い、先に下引き層を設けたアルミニウム製円筒状
支持体上に浸漬塗布法により膜厚が0.2μmとなるよ
うに成膜し、電荷発生層を形成した。次に構造式(I−
1)に示す電荷輸送材料100重量部と、構造式(II
−1)に示す構造単位を有する粘度平均分子量21,5
00のZ型ポリカーボネート樹脂(Z200:三菱エン
ジニアリングプラスチックス社製)70重量部と、構造
式(V)に示す変性ポリカーボネート樹脂(G400:
出光興産製)90重量部と、構造式(III−1)に示
す化合物10重量部と、シリコーンオイル0.02重量
部とをTHF1000重量部に溶解し、電荷輸送層用塗
布液を調製した。電荷輸送層用塗布液を用い、先に形成
した電荷発生層上に膜厚が25μmとなるように浸漬塗
布法にて成膜し、120℃で1時間乾燥して電荷輸送層
を形成した。このようにして図1に示したような積層型
の実施例11の感光体サンプルを作製した。
【0101】(実施例12〜30)表7に示す種類およ
び構成比の電荷輸送材料、バインダ樹脂、ならびに添加
剤を用いた以外は実施例11と同様にして、実施例12
〜30の感光体サンプルを作製した。なお、電荷輸送材
料は実施例27および29で97重量部とし、実施例2
8および30で80重量部とした以外、実施例11と同
量用いた。
【0102】(比較例16〜41)表7に示す種類およ
び構成比の電荷輸送材料、バインダ樹脂、ならびに添加
剤を用い、比較例40および41については電荷発生材
料を各々化合物[IX]および[X]とした以外は実施
例11と同様にして、比較例16〜41の感光体サンプ
ルを作製した。なお、比較例37および39で80重量
部とした以外は、各電荷輸送材料は実施例11と同量用
いた。
【0103】
【表7】
【0104】(評価2)実施例11〜30および比較例
16〜40の感光体サンプルについて、市販の複写機
(AR−F330:シャープ社製)に搭載し、比較例4
1のサンプルについては、市販のアナログ複写機(SF
−2027:シャープ社製)に搭載し、評価した。評価
は、常温/常湿環境下における初期の帯電電位(Vo)お
よび残留電位(Vr)と、10万枚連続複写前後の帯電
電位変化(△Vo)および残留電位変化(△Vr)とを
測定し、これらの各感光体の初期および10万枚複写後
における膜減り量(△d)についても測定して行なっ
た。画像特性は、5万枚実写後、1時間停止した後の複
写画像(ハーフトーン)、さらに5万枚実写後、すなわ
ち合計10万枚実写後、1時間停止した後の複写画像
(ハーフトーン)において、帯電器である帯電チャージ
ャに近接するドラム部位に、白抜けまたは黒帯などの画
像欠陥の発生状況を調べることによって評価した。これ
らの画像欠陥が全くない場合は優とし、若干の欠陥を有
するものの実使用上問題がない場合は良とし、明らかな
欠陥が発生した場合は不可とした。また、初期および1
0万枚複写後において、前記画像欠陥(白抜け・黒帯)
以外のその他の画像特性として、黒べたおよび白べた用
紙の複写結果についても調べた。画像欠陥が全くない場
合は優とし、若干の欠陥を有するものの実使用上問題が
ない場合は良とし、実使用上問題がある欠陥が発生した
場合はその内容を示した。これらの結果を表8に示し
た。
【0105】
【表8】
【0106】表8から明らかなように、実施例11、1
5および16と比較例16〜18とから、電荷輸送材料
は、一般式(I)で表されるブタジエン系化合物でない
と、白抜けまたは黒帯による画像欠陥が著しく悪化する
ことが判る。
【0107】実施例11〜16と比較例19〜24とか
ら、バインダ樹脂が2種以上混合され、かつ一般式(I
I)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂
が総バインダ樹脂の50重量%未満で含有されている
と、電気特性および画像特性の両方を満たすことが判
る。具体的には、一般式(II)で表される構造単位を
有するポリカーボネート樹脂を含有していないと画像特
性(白抜け・黒帯)が悪化し、総バインダ樹脂の50重量
%以上で含有されていると、ΔVrが大きくなり、濃度
低下を引起こす。
【0108】実施例11〜18と比較例27〜30とか
ら、一般式(II)で表される構造単位を有するポリカ
ーボネート樹脂以外のバインダ樹脂として、一般式(I
I)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂
以外のポリカーボネート樹脂が含有されていることによ
って、電気特性と画像特性(白抜け・黒帯)とが長期にわ
たって良好であることが判る。中でも、実施例13のビ
スフェノールA型ポリカーボネート樹脂であるC140
0に比べて、実施例11、12の変性ポリカーボネート
樹脂であるG400およびB300は、電気特性、画像
特性(白抜け・黒帯)および膜べりのすべての点で優れ
ていることが判る。
【0109】実施例11、20〜22と比較例25およ
び26とからは、一般式(II)で表される構造単位を
有するポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が20,
000〜40,000でないと、画像特性(白抜け・黒
帯)が良好でないことが判る。
【0110】実施例23〜26と比較例31および32
とからは、電荷輸送層中の電荷輸送材料Eとバインダ樹
脂Fとの構成比E/Fが、重量比で1/2〜1の範囲で
ないと、電気特性および画像特性の両方を満たせないこ
とが判る。具体的には、1/2未満では濃度が不足し、
1を超えると特に長期使用における画像特性(白抜け・
黒帯)が良好でなくなる。
【0111】実施例11、17、18、27〜30と比
較例33〜39とからは、一般式(III)で表される
ヒンダードフェノール構造単位を有するフェノール化合
物Aを含有し、一般式(I)で表されるブタジエン系化
合物Bとの構成比A/Bが、重量比で3/97〜20/
80の範囲にあることによって、電気特性および画像特
性の両方を長期にわたって良好にできることがわかる。
具体的には、3/97未満では画像特性(白抜け・黒帯)
が良好でなく、20/80を超えると濃度低下を引起こ
す。
【0112】比較例40および41からは、電荷発生材
料がチタニルフタロシアニン顔料でないと、初期の濃度
が不足することが判る。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、単層型感光体の感光層
または積層型感光体の電荷輸送層に、特定のブタジエン
系電荷輸送材料と、2種以上の樹脂で構成されて特定の
構造単位を有するポリカーボネート樹脂を50重量%未
満含有するバインダ樹脂と、特定のヒンダードフェノー
ル構造単位を有するフェノール化合物とを含有させるこ
とによって、繰返し使用後でも光感度特性および帯電特
性に優れる上に、耐摩耗性が良好で、帯電プロセスにて
発生されるオゾンおよびNOxなどの活性種による画像
不良を起こさず、実用上充分な電気的、物理的および化
学的性能を備えた積層型の電子写真感光体を提供するこ
とができる。
【0114】また本発明によれば、浸漬塗布法により、
特定のブタジエン系電荷輸送材料と、2種以上の樹脂で
構成されて特定の構造単位を有するポリカーボネート樹
脂を50重量%未満含有するバインダ樹脂と、特定のヒ
ンダードフェノール構造単位を有するフェノール化合物
とを含有する感光層または電荷輸送層を形成することに
よって、前記電子写真感光体の製造方法を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に従う積層機能分離型感
光体の例を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に従う単層型感光体の例
を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷発生材料 3 荷発生層 4 荷輸送材料 5 電荷輸送層 6 下引き層 7 バインダ樹脂 20,21 感光層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 5/06 373 G03G 5/06 373 (72)発明者 ▲角▼井 幹男 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 松尾 力也 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 藤田 さやか 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA13 AA16 AA19 AA20 AA31 AA34 AA35 BA12 BA13 BA39 BB26 BB52 EA16 FA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性基体上に、電荷発生材料、電荷輸
    送材料、該電荷輸送材料と混合されたバインダ樹脂、お
    よびフェノール化合物を含有する感光層を有する電子写
    真感光体であって、 前記電荷輸送材料は、下記一般式(I)で表されるブタ
    ジエン系化合物であり、 前記バインダ樹脂は、2種以上の樹脂で構成され、か
    つ、下記一般式(II)で表される構造単位を有するポ
    リカーボネート樹脂を50重量%未満含有し、 前記フェノール化合物は、下記一般式(III)で表さ
    れるヒンダードフェノール構造単位を有するフェノール
    化合物であることを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 (式中、R1〜R4は置換基を有してもよいアリール基
    または置換基を有してもよいアラルキル基を表す。) 【化2】 (式中、R5〜R12は水素原子、ハロゲン原子、置換
    もしくは未置換の脂肪族基、または置換もしくは未置換
    の炭素環基を表す。Zは置換もしくは未置換の炭素環ま
    たは置換もしくは未置換の複素環を形成するために必要
    な原子群を表す。nは10〜1000である。) 【化3】 (式中、R13は分岐状のアルキル基を表す。R14〜
    R16は各々、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基ま
    たはアリール基を表し、R14〜R16のうちの少なく
    とも2つが相互に連結して環を形成してもよい。)
  2. 【請求項2】 前記感光層が、電荷発生材料を含有する
    電荷発生層と、前記電荷輸送材料、前記バインダ樹脂お
    よび前記化合物を含有する電荷輸送層とを積層してなる
    ことを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記一般式(II)で表される構造単位
    を有するポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量が、2
    0,000〜40,000であることを特徴とする請求項
    1または2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記バインダ樹脂は、前記一般式(I
    I)で表される構造単位を有するポリカーボネート樹脂
    以外のポリカーボネート樹脂を含有していることを特徴
    とする請求項1または2記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記一般式(III)で表されるヒンダ
    ードフェノール構造単位を有するフェノール化合物A
    と、前記一般式(I)で表されるブタジエン系化合物B
    との含有比A/Bが、重量比で3/97〜20/80の
    範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の電
    子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記電荷発生材料がチタニルフタロシア
    ニン顔料であることを特徴とする請求項1または2記載
    の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記電荷輸送材料Eとバインダ樹脂Fと
    の含有比E/Fが、重量比で1/2〜1の範囲であるこ
    とを特徴とする請求項1または2項記載の電子写真感光
    体。
  8. 【請求項8】 導電性基体上に、浸漬塗布法により、電
    荷輸送材料として下記一般式(I)で表されるブタジエ
    ン系化合物と、2種以上の樹脂で構成されて下記一般式
    (II)で表される構造単位を有するポリカーボネート
    樹脂を50重量%未満含有するバインダ樹脂と、下記一
    般式(III)で表されるヒンダードフェノール構造単
    位を有するフェノール化合物とを含有する単層型感光体
    の感光層、または積層型感光体の電荷輸送層を形成する
    ことを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 【化4】 (式中、R1〜R4は置換基を有してもよいアリール基
    または置換基を有してもよいアラルキル基を表す。) 【化5】 (式中、R5〜R12は水素原子、ハロゲン原子、置換
    もしくは未置換の脂肪族基、または置換もしくは未置換
    の炭素環基を表す。Zは置換もしくは未置換の炭素環ま
    たは置換もしくは未置換の複素環を形成するために必要
    な原子群を表す。nは10〜1000である。) 【化6】 (式中、R13は分岐状のアルキル基を表す。R14〜
    R16は各々、水素原子、ヒドロキシ基、アルキル基ま
    たはアリール基を表し、R14〜R16のうちの少なく
    とも2つが相互に連結して環を形成してもよい。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007102199A (ja) * 2005-09-07 2007-04-19 Kyocera Mita Corp 電子写真感光体

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