JP2001356499A - 電子写真感光体およびその製造方法 - Google Patents

電子写真感光体およびその製造方法

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JP2001356499A
JP2001356499A JP2000175921A JP2000175921A JP2001356499A JP 2001356499 A JP2001356499 A JP 2001356499A JP 2000175921 A JP2000175921 A JP 2000175921A JP 2000175921 A JP2000175921 A JP 2000175921A JP 2001356499 A JP2001356499 A JP 2001356499A
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JP2000175921A
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English (en)
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幹男 ▲角▼井
Mikio Kadoi
Arihiko Kawahara
在彦 川原
Rikiya Matsuo
力也 松尾
Koichi Toriyama
幸一 鳥山
Tatsuhiro Morita
竜廣 森田
Kazushige Morita
和茂 森田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光感度特性、帯電特性、繰返し使用に対する安
定性に優れ、耐摩耗性が良好であり、トナーフィルミン
グなどの画像不良のない電気的性能と機械的性能を有す
る電子写真感光体を提供する。 【解決手段】キャリア発生物質2およびキャリア輸送物
質4を含有する感光層20,21のバインダ樹脂7を2
種以上の樹脂で構成し、そのうち少なくとも1種は下記
式(I)で表されるポリカーボネート樹脂を樹脂重量比
で50%未満含有する。 【化20】 [式(I)中、R1〜8は水素原子、ハロゲン原子、置
換もしくは未置換の脂肪族基または置換もしくは未置換
の炭素環基を表す。Zは置換もしくは未置換の炭素環ま
たは置換もしくは未置換の複素環を形成するのに必要な
原子群、nは10〜1000の整数を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザプ
リンタなどの電子写真装置に用いられる電子写真感光体
およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体の光導電性素材と
してはSe、CdS、ZnOなどの無機材料が用いられ
ていたが、毒性などに問題を有していることから、近年
では無公害で成膜性に優れ、かつ材料の選択範囲の広さ
から有機光導電性材料を用いた電子写真感光体の開発が
盛んに行われている。有機材料を用いた電子写真感光体
は、バインダ樹脂中にキャリア発生物質、および必要に
応じてキャリア輸送物質を分散させた単層型とキャリア
発生層とキャリア輸送層を積層し機能を分離した積層型
の電子写真感光体に大別できる。
【0003】単層型感光体は、キャリア発生物質とキャ
リア輸送物質を共分散させた構成であり、その生産の容
易さ、低コスト、使用時に有害物質であるオゾンが発生
しにくいプロセスでの使用が可能であることなどから、
たとえば特公昭50−10496号公報、特開平3−6
5961号公報などではペリレン顔料およびフタロシア
ニン顔料をキャリア発生顔料とした電子写真感光体が開
示されている。また、積層型については、感光層の設計
が容易であること、高感度、高安定性が得られるという
点から有機電子写真感光体の主流を占めており、特公昭
55−42380号公報などにより特定化合物を含有し
たキャリア発生層とキャリア輸送層とを組合わせた電子
写真感光体が数多く出願されている。
【0004】しかしながら、現在実用化されている有機
感光体の主な課題は耐久性であり、中でも繰返し使用時
の膜削れおよび、膜の電気的、化学的変化に起因する帯
電電位の低下および残留電位の上昇などの特性変化を起
こしやすいという問題がある。つまりこれらは、帯電お
よび露光による潜像作成、トナー像の転写紙への転写、
感光体表面残留トナーをブレードなどで除去するといっ
た過程が幾度ともなく繰返される画像形成プロセスの中
において、感光層の耐刷性が充分でないこと、画像形成
プロセス中で暴露される光もしくはオゾンおよび窒素酸
化物による膜中の有機光導電性化合物の変性や分解が引
起こされることが主要因であり、現在、実用上の耐久性
にはまだまだ制限がある。
【0005】画像形成プロセスの中で電子写真感光体に
要求される性能は、たとえば帯電されたとき、表面電位
が高く、キャリア保持率が大きく、光感度が高く、しか
もあらゆる環境下においても特性変動が少ないこと、ま
た、膜強度が高く、繰返し使用における耐摩耗性に優れ
ており、ライフを通じて特性安定性が高いこと、さらに
は生産効率を向上させるために、物理的にも化学的に
も、より安定した感光体塗布液であることが要求されて
いる。これらの要求に対して感光体の表面層となるバイ
ンダ樹脂の役割は非常に重要であると言える。
【0006】バインダ樹脂としてはポリカーボネート樹
脂が代表的な樹脂であるが、従来のポリカーボネート樹
脂は、感光体に必要な透明性、機械的特性、キャリア輸
送物質やキャリア発生物質との相溶性などを有している
ものの、特に分子量の大きいポリカーボネート樹脂を用
いた場合、繰返し使用時の表面電位の低下、残留電位の
上昇など、電気特性の変動が大きいという問題を有して
いる。また、結晶性が高いバインダ樹脂を用いた場合に
は、トナーが感光体表面から除去されにくくなり、フィ
ルミングが発生しやすくなるという問題を有している。
さらにまたポリカーボネート樹脂以外のバインダ樹脂を
用いた場合、帯電特性、感度、残留電位および繰返し特
性などの面においては良好なものの、実使用上のクリー
ニングブレード、磁気ブラシ、剥離ヅメなどの接触部材
により感光層表面に傷が付いたり、膜削れが大きいとい
う欠点を有している。これらの課題に対し特公平2−5
7300および特開平7−199488で有機感光体の
キャリア輸送層に特定のポリカーボネート樹脂を用いる
ことによる改善が提案されているが、繰返し使用時にお
ける電位安定性などの電気特性上の課題において実用上
充分な性能は未だ得られていない。
【0007】これらのことから現在、さらなる樹脂物質
の改良やハンドリングの改善を目的として様々な電子写
真感光体用のバインダ樹脂の研究が精力的になされ、任
意のキャリア輸送物質と高性能バインダ樹脂とを組合わ
せることによって、優れた電子写真特性と皮膜強度とを
有する電子写真感光体を得るための努力がなされてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
写真感光体の特性において、光感度特性、帯電特性、繰
返し使用における特性安定性に優れる上に、耐摩耗性が
良好であり、トナーフィルミングなどの画像不良のない
実用上充分な電気的性能と機械的性能の両者を有する電
子写真感光体およびその製造方法を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、支
持体と、該支持体上に形成され、キャリア発生物質、キ
ャリア輸送物質およびバインダ樹脂を含有する感光層で
あって、該バインダ樹脂は2種以上の樹脂を含有し、そ
のうち少なくとも1種が下記式(I)で表されるポリカ
ーボネート樹脂を樹脂重量比で50%未満含有する感光
層とを含むことを特徴とする電子写真感光体である。
【0010】
【化4】
【0011】[式(I)中、R1〜R8は水素原子、ハ
ロゲン原子、置換若しくは未置換の脂肪族基または置換
もしくは未置換の炭素環基を表す。Zは置換若しくは未
置換の炭素環又は置換若しくは未置換の複素環を形成す
るのに必要な原子群、nは10〜1000の整数を表
す。]
【0012】また本発明は、支持体と、該支持体上に形
成され、キャリア発生物質を含有するキャリア発生層と
キャリア輸送物質およびバインダ樹脂を含有するキャリ
ア輸送層とを積層した感光層であって、該キャリア輸送
層のバインダ樹脂は2種以上の樹脂を含有し、そのうち
の少なくとも1種が下記式(I)で表されるポリカーボ
ネート樹脂を樹脂重量比で50%未満含有する感光層と
を含むことを特徴とする電子写真感光体を提供する。
【0013】
【化5】
【0014】[式(I)中、R1〜R8は水素原子、ハ
ロゲン原子、置換もしくは未置換の脂肪族基または置換
もしくは未置換の炭素環基を表す。Zは置換もしくは未
置換の炭素環または置換もしくは未置換の複素環を形成
するのに必要な原子群、nは10〜1000の整数を表
す。]
【0015】本発明に従えば、電子写真感光体の感光層
に使用するバインダ樹脂として2種以上の樹脂を混合使
用し、且つ式(I)で表されるポリカーボネート樹脂を
樹脂重量比で50%未満の範囲で含有させることによ
り、従来のポリカーボネート樹脂の問題点である繰り返
し使用時の表面電位の低下、残留電位の上昇など、電気
特性の変動が大きいという問題を解消するとともに、膜
の機械的強度の向上、トナーフィルミング防止という特
性をも同時に満足させることができる。
【0016】式(I)で表されるポリカーボネート樹脂
を50%以上含有させた場合は、繰り返し使用時の表面
電位の低下、残留電位の上昇が顕著となり、大きく実用
性が阻害される。
【0017】また本発明は、前記式(I)で表されるポ
リカーボネート樹脂は、粘度平均分子量が20,000から4
0,000であることを特徴とする電子写真感光体を提供す
る。
【0018】本発明によれば、粘度平均分子量が20,000
〜40,000の式(I)のポリカーボネートを用いた場合、
特に上記電気特性の卓越した安定性を付与することがで
きる。
【0019】また本発明は、前記バインダ樹脂は、前記
式(I)で表されるポリカーボネート樹脂と、式(I)で
表されるポリカーボネート樹脂以外のポリカーボネート
樹脂、ポリアリレート樹脂およびポリエステル樹脂から
なる群から選択される樹脂とを含有していることを特徴
とする電子写真感光体を提供する。
【0020】本発明に従えば、式(I)で表されるポリ
カーボネート樹脂以外の構成樹脂として、式(I)と異
なるポリカーボネート樹脂と組み合わせることで中でも
特に高い機械的強度を付与することができ、また、ポリ
アリレート樹脂またはポリエステル樹脂と組み合わせる
ことで高い電気特性の安定化が達成できる。
【0021】本発明における特定種類、特定量のポリカ
ーボネート樹脂を感光層へ含有させることにより良好な
特性が得られる詳細な理由は明らかではないが、物理的
特性に関しては、式(I)で表されるポリカーボネート
樹脂は結晶性が低いことが予想され、この性質に基づき
塗布膜表面の結晶性樹脂による表面性の低下が少なくな
り、且つキャリア輸送物質などの低分子化合物の分散性
が良好となることにより耐刷性を向上させ、また表面欠
陥部へのトナー付着に起因するフィルミング性を抑制す
ることでクリーニング性を向上させたものと考えられ
る。更には2種以上のバインダ樹脂を感光層に含有させ
ることで前記効果がより有効なものになるものと考えら
れる。
【0022】電気的特性に関しては、式(I)で表され
るポリカーボネート樹脂は光−電気的には不活性である
ものの、分子鎖に対して非対称であるため局所的にキャ
リア輸送物質との間でトラップサイトとなる確率が高
く、感光層における総樹脂含有比で50%以上の場合は繰
り返し時の表面電位低下、残留電位上昇が著しく大きく
なるが、50%未満の場合、ホストバインダ樹脂の性質
が支配的となることで、感光体表面層の物理的性質と電
気的性質との両立が可能になったものと考えられる。
【0023】また本発明は、前記キャリア発生物質がチ
タニルフタロシアニン顔料であることを特徴とする電子
写真感光体を提供する。
【0024】本発明に従えば,キャリア発生物質として
フタロシアニン系化合物、中でもチタニルフタロシアニ
ン化合物を用いた場合は、特に良好な感度特性、帯電特
性ならびに繰り返し特性が得られる。
【0025】また本発明は、前記キャリア輸送層におい
て、キャリア輸送物質とバインダ樹脂との構成が、重量
比で10/10から10/28の範囲にあることを特徴とする電子
写真感光体を提供する。
【0026】本発明に従えば、キャリア輸送層中のキャ
リア輸送物質とバインダ樹脂との構成比を重量比で10/1
0から10/28の範囲にすることにより、初期感度および耐
刷性能を良好に保つとともに繰り返し使用時の残留電位
の上昇を抑制することができる。10/10より大きい場合
は初期感度は良好であるものの耐刷性能が低下し、10/2
8より小さい場合は耐刷性能は良好であるものの初期感
度の低下および繰り返し使用時の残留電位の上昇が大き
くなる。
【0027】また本発明は、キャリア輸送物質とバイン
ダ樹脂とを溶剤中に溶解または分散して感光層用塗布液
を調製して感光層を形成する工程であって、下記式
(I)で表されるポリカーボネート樹脂を樹脂重量比で
50%未満の範囲で含有させたバインダ樹脂を溶剤中に
溶解させた後、キャリア輸送物質を溶解または分散させ
る工程を含むことを特徴とする電子写真感光体の製造方
法を提供する。
【0028】
【化6】
【0029】[式(I)中、R1〜R8は水素原子、ハ
ロゲン原子、置換もしくは未置換の脂肪族基または置換
もしくは未置換の炭素環基を表す。Zは置換もしくは未
置換の炭素環または置換もしくは未置換の複素環を形成
するのに必要な原子群、nは10〜1000の整数を表
す。]
【0030】更に本発明は、前記感光層を形成する工程
では、前記感光層用塗布液を浸漬塗布法にて支持体上に
塗布することを特徴とする電子写真感光体の製造方法を
提供する。
【0031】2種以上のバインダ樹脂を適宜組み合わせ
るという本発明に従えば、製造ロットによる各バインダ
樹脂の分子量のふれを吸収させることができ、量産性に
優れた浸漬塗布法の容易化、効率化が可能となる。つま
り、毎回同一粘度、固形分に調整することによる塗膜均
一性に優れた感光体が効率的に得られ、きわめて生産性
が高く、安価な感光体を製造することが可能となる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に沿って詳細
に説明する。
【0033】図1は本発明の実施例の積層感光体を示す
断面図で、導電性支持体1の上に下引き層6、キャリア
発生物質2を主体とするキャリア発生層3と、キャリア
輸送物質4である化合物を含有するキャリア輸送層5と
の積層から成る感光層21が設けられたものである。図
2は本発明の実施例の単層型感光体を示す断面図で導電
性支持体1の上にキャリア発生物質2とキャリア輸送物
質4をバインダ樹脂7(結着剤)に分散した感光層20
が設けられたものである。図1の感光体は、導電性支持
体1上に形成された下引き層6上にキャリア発生物質2
の粒子を溶剤またはバインダ樹脂中に分散して得られた
分散液を塗布し、その上にキャリア輸送物質4およびバ
インダ樹脂7を溶解した溶液を塗布乾燥することにより
作製でき、図2の感光体はキャリア発生物質2とキャリ
ア輸送物質4をバインダ樹脂を溶解した溶液中に分散さ
せ、この分散液を導電性支持体1上に塗布し、乾燥する
ことにより作製できる。
【0034】図1に示した実施の形態に従う感光体で
は、感光層21はキャリア発生層3とキャリア輸送層5
を積層しても形成される。このような感光層21を備え
た感光体表面をチャージャなどで負に帯電し、キャリア
発生層3に吸収波長を有する光を照射すると、キャリア
発生層3中に電子、正孔のキャリアが発生する。それら
のうち、正孔はキャリア輸送層5に含まれるキャリア輸
送物質によって感光体表面に移動され、表面の負荷電を
中和する。一方、キャリア発生層3中の電子は、正電荷
が誘起された導電性支持体1の側に移動し、正キャリア
を中和することで感光体として機能される。
【0035】図2に示した実施の形態に従う感光体は、
単層型感光体であり、この感光層20の形成は、前述し
たキャリア発生層3あるいはキャリア輸送層5の場合
と、実質的に異ならない。すなわち、キャリア発生物質
とキャリア輸送物質とをバインダ樹脂とともに、適当な
溶剤中に分散/または溶解させ、導電性支持体1に塗布
し、乾燥あるいは硬化させ成膜し、形成される。感光層
20を備えた感光体表面を正帯電し、キャリア発生物質
2に吸収波長を有する光を照射すると感光層の表面近傍
において電子、正孔のキャリアが発生する。それらのう
ち、電子は表面の正電荷を中和し、一方、正孔は、負電
荷が誘起された導電性支持体1の側に移動し、電子を中
和することで感光体として機能される。
【0036】導電性支持体1は感光体の電極としての役
目と同時に他の各層の支持体となっており、円筒状、板
状、フィルム状、ベルト状のいずれでもよく、材質的に
は使用できる導電性支持体としては、アルミニウム、ス
テンレス鋼、銅、ニッケルなどの金属材料、あるいは表
面にアルミニウム、銅、パラジウム、酸化錫、酸化イン
ジウムなどの導電性層を設けたポリエステルフィルム、
フェノール樹脂パイプ、紙管などの絶縁性物質が挙げら
れる。体積抵抗が1010Ωcm以下の導電性を示すもの
が好ましく、体積抵抗を調整する目的で表面に酸化処理
を施してもよい。
【0037】下引き層6は、たとえば、ポリアミド、ポ
リウレタン、セルロース、ニトロセルロース、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルア
ミド、アルミニウム陽極酸化被膜、ゼラチン、でんぷ
ん、カゼイン、N−メトキシメチル化ナイロンなどから
形成される。さらに、これらに酸化チタン、酸化錫、酸
化アルミニウムの粒子を分散させてもよい。この下引き
層6の膜厚は約0.1〜約10μmで、導電性支持体1
と感光層21との接着層としての役割を果たす。加え
て、導電性支持体1からキャリアが感光層21へ流れ込
むのを抑制するバリア層としても作用する。このように
して下引き層6は感光体の帯電特性を維持するので、感
光体自身の寿命を延ばすことができる。
【0038】キャリア発生層3は、公知のキャリア発生
物質を含んで構成される。本発明に適するキャリア発生
物質としては、可視光を吸収してフリーキャリアを発生
するものであれば、無機顔料、有機顔料および有機染料
のいずれをも用いることができる。無機顔料としては、
セレンおよびその合金、ヒ素−セレン、硫化カドミウ
ム、酸化亜鉛、アモルファスシリコン、その他の無機光
導電体が挙げられる。無機顔料としては、フタロシアニ
ン系化合物、アゾ系化合物、キナクリドン系化合物、多
環キノン系化合物、ペリレン系化合物などが挙げられ
る。有機染料としては、チアピリリウム塩、スクアリリ
ウム塩などが挙げられる。中でも本発明における好適な
キノン系発生物質は、フタロシアニン系化合物であり、
特にチタニルフタロシアニン化合物を用いることが好ま
しい。特に良好な感度特性、帯電特性、および繰返し特
性が得られる。
【0039】これら列挙した顔料および染料の他に化学
増感剤として電子受容性物質、たとえば、テトラシアノ
エチレン、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン
などのシアノ化合物、アントラキノン、p−ベンゾキノ
ンなどのキノン類、2,4,7−トリニトロフルオレノ
ン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノンなどの
ニトロ化合物、または、光学増感剤として、キサンテン
系色素、チアジン色素トリフェニルメタン系色素などの
色素をキャリア発生層3に添加してもよい。本発明で
は、好ましくは有機顔料、有機染料など、前記の有機光
導電性化合物を用いる。キャリア発生層3は、キャリア
発生物質をバインダ樹脂とともに適当な溶剤中に分散さ
せ、導電性支持体1に塗布し、乾燥あるいは硬化させて
成膜し、形成する。キャリア発生層3の膜厚は、約0.
05〜約5μm、好ましくは約0.1〜約1μmであ
る。キャリア発生層3の形成方法としては、一般に真空
蒸着法、スパッタリング、CVDなどの気相堆積法、あ
るいはキャリア発生物質をボールミル、サンドグライン
ダ、ペイントシェイカ、超音波分散機などによって粉
砕、溶剤に分散、必要に応じてバインダ樹脂を加え、導
電性支持体1がシートの場合にはベーカアプリケータ、
バーコータ、キャスティング、スピンコートなど、導電
性支持体1がドラムの場合にはスプレ法、垂直型リング
法、浸漬塗布法などによって適用する方法が知られてい
る。
【0040】本発明のキャリア発生層に用いられるバイ
ンダ樹脂としては、具体的には、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、ポリビニルブチラール、ポリエステル、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、フェノキシ、エポキ
シ、シリコーン、ポリアクリレートなどの樹脂が挙げら
れる。ここで用いられる溶媒としては、イソプロピルア
ルコール、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、トルエ
ン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトン、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、エチルセル
ソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジ
クロロエタン、モノクロルベンゼン、エチレングリコー
ルジメチルエーテルなどが挙げられる。基本的にここで
挙げたもの以外でもよく、アルコール系、ケトン系、ア
ミド系、エステル系、エーテル系、炭化水素系、塩素化
炭化水素系または芳香族系溶媒の単独あるいはブレンド
系であってもよい。ただし、中でもキヤリア発生物質の
粉砕およびミリング時の結晶転移に基づく感度低下、ポ
ットライフによる特性低下を考慮した場合、両顔料にお
いて結晶転移を起こしにくいシクロヘキサノン、1,2
−ジメトキシエタン、メチルエチルケトンおよびテトラ
ヒドロキノンのいずれかを用いることが好ましい。
【0041】キャリア輸送層5は、公知のキャリア輸送
物質を含んで構成される。本発明に適するキャリア輸送
物質としてはキャリア発生層3で発生したキャリアを輸
送できる有機光導電性化合物であればよい。キャリア輸
送物質としては、ヒドラゾン誘導体、ピレン誘導体、ピ
レン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、オキ
サゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾー
ル誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミ
ン誘導体、スチルベン誘導体、エナミン誘導体、α−フ
ェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリー
ルメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、アントラ
セン誘導体、ピラゾリン誘導体、インデン誘導体、ブタ
ジエン誘導体、ポリシラン化合物、ポリゲルマン化合物
などが挙げられるが、キャリア輸送物質はこれらに限定
されるものではない。以下に、キャリア輸送物質の具体
例を示す。
【0042】
【化7】
【0043】
【化8】
【0044】
【化9】
【0045】
【化10】
【0046】
【化11】
【0047】
【化12】
【0048】
【化13】
【0049】
【化14】
【0050】
【化15】
【0051】
【化16】
【0052】
【化17】
【0053】
【化18】
【0054】
【化19】
【0055】また、キャリア輸送層5は、電子輸送物質
を含有していてもよい。具体的には、電子輸送性物質と
しては、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、
2,4,5,7−テトラニトロキサントン、ジフェニル
誘導体、ベンゾキノン誘導体などが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0056】また、キャリア輸送層5には、必要に応じ
酸化防止剤などの安定剤、レベリング剤、可塑剤を添加
することもできる。
【0057】酸化防止剤としては一般に樹脂などに添加
して利用される酸化防止剤をそのまま使用することがで
きる。たとえば、ビタミンE、ハイドロキノン、ヒンダ
ードアミン、ヒンダードフェノール、パラフェニレンジ
アミン、アリールアルカンおよびそれらの誘導体、有機
硫黄化合物、有機燐化合物などを配合して用いてもよ
い。
【0058】レベリング剤としては、シリコンオイル類
や側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーある
いはオリゴマーが使用でき、使用量はバインダ樹脂10
0重量部に対し0〜1重量部が適当である。
【0059】キャリア輸送層5で使用するバインダ樹脂
としては、前記キャリア発生層と同様のものが挙げられ
る。また、キャリア輸送層5に用いられるバインダ樹脂
は、2種類以上のバインダ樹脂で構成され、かつ式
(I)で表されるポリカーボネート樹脂を総樹脂重量比
で50%未満含有させることを特徴としている。式
(I)で表されるポリカーボネート樹脂としては具体的
には、TS−2020、TS−2050(ともに帝人化
成(株)製)、Z−200、Z−400(ともに三菱ガス
化学(株)製)などが挙げられる。
【0060】式(I)と組合わされるバインダ樹脂とし
ては、キャリア発生層3に用いられるバインダ樹脂と実
質的に異ならないが、たとえば、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、ポリエステル、ポリエーテルケトン、エ
ポキシ、ウレタン、セルロースエーテル、およびこれら
の樹脂を構成するのに必要なモノマーの共重合体などが
挙げられる。これらの樹脂の中で、安定した電気特性、
機械的強度、感光体の製造コストなどを考慮すると、式
(I)のポリカーボネート樹脂と組合わせるバインダ樹
脂としては、式(I)以外のポリカーボネート樹脂、ポ
リアリレート樹脂、ポリエステル樹脂であることが好ま
しい。
【0061】また、式(I)のポリカーボネート樹脂の
分子量としては、感光体の電気特性、繰返し安定性、耐
刷性の面から粘度平均分子量が20,000〜40,0
00であることが好ましい。粘度平均分子量が20,0
00未満の場合、耐刷性の低下が著しくなり、40,0
00より大きい場合、初期感度の低下および繰返し使用
時の残留電位の上昇が大きくなる。
【0062】また、バインダ樹脂の量はキャリア輸送物
質100重量部に対し50〜300重量部、好ましくは
100〜280重量部が適切である。100重量部以下
では感度特性は良好であるものの、帯電特性、膜の機械
的強度が低下し、280重量部以上では逆に帯電特性、
機械的強度は良好であるものの感度特性の低下が著しく
なる。
【0063】また、キャリア輸送層5の膜厚は、約10
〜約50μm、好ましくは約10〜約35μmである。
【0064】次にキャリア輸送物質を溶解または分散さ
せる適当な溶媒は、キャリア発生物質を溶解または分散
する溶媒と実質的に異ならず、キャリア発生物質に関し
て列挙した溶媒の中から適宜選択できる。特に好ましい
溶媒は、テトラヒドロフランである。
【0065】キャリア輸送層5は、キャリア輸送物質を
バインダ樹脂7とともに、適当な溶媒中に溶解あるいは
分散させ、キャリア発生層3が形成された導電性支持体
1に塗布し、乾燥あるいは硬化させて成膜し、形成す
る。キャリア輸送層用の塗布液は、数種または1種のキ
ャリア輸送物質、バインダ樹脂および添加剤を計量し、
所定量の有機溶媒に同時に溶解させて作製する方法でも
問題はなく一般的であるが、先ず、バインダ樹脂を溶媒
中に溶解させた後にキャリア輸送物質を投入、溶解させ
る方法が中でも好ましい。この方法によれば、バインダ
樹脂へのキャリア輸送物質の分子分散性が向上され、膜
中での潜在的かつ局所的なキャリア輸送物質の結晶化が
抑制されることにより、初期感度の向上、繰返し使用時
の電位安定性、良好な画像特性などが付与される。
【0066】キャリア輸送層5の形成方法としては、導
電性支持体1がシートの場合にはベーカアプリケータ、
バーコータ、キャスティング、スピンコートなど、導電
性支持体1がドラムの場合にはスプレー法、垂直型リン
グ法、浸漬塗布法などが用いられる。特に生産性やコス
トという観点から一般的に浸漬塗布法などが好ましい。
【0067】本発明の感光体の製造方法には、好ましく
はキャリア発生層3など、各層の乾燥工程が含まれる。
感光体の乾燥温度としては、約50℃〜約130℃が適
当であり、特に約80℃〜約130℃の範囲が好まし
い。感光体の乾燥温度が約80℃未満では乾燥時間が長
くなり、また、乾燥温度が約130℃を超えると、繰返
し使用時の電気的特性が悪くなり感光体を使用して得ら
れる画像も劣化する。
【0068】以下に実施例および比較例を用いて、本発
明の実施の形態をさらに詳細に説明するが、これらは本
発明の範囲を限定するものではない。また、すべての部
は特に示す以外、重量基準である。
【0069】
【実施例】
【実施例1】(単層型感光体)化合物(21)に示すチ
タニルフタロシアニン10重量部、THF190重量部
をボールミルにより48時間分散し、顔料分散液Aを作
製した。また同時に式(I)で示される粘度平均分子量
21,500の化合物Z型ポリカーボネート樹脂(Z2
00:三菱ガス化学社製)45重量部、変性ポリカーボ
ネート樹脂(B300:出光興産社製)55重量部、化
合物(1)のキャリア輸送物質80重量部、シリコンオ
イル0.02重量部をTHF467重量部に溶解し樹脂
溶液Bを作製し、顔料分散液Aと樹脂溶液Bの重量比が
1:2となるようにボールミルにて2時間の混合分散を
行い、感光層塗布液を作製した。このようにして得られ
た塗布液を、直径65mm、長さ335mmのアルミニ
ウム製円筒状支持体上に浸漬塗布し、120℃、1時間
乾燥を行い膜厚画像30μmの感光体サンプルを作製し
た。評価は正帯電用に改造した市販の複写機(AR−5
130:シャープ社製)に搭載し、常温/常湿環境下に
おける初期帯電電位(Vo)、初期残留電位(Vr)、
4万枚連続コピー前後の帯電電位変化(ΔVo)、残留
電位変化(ΔVr)を測定した。また、これらの各感光
体の初期および4万枚複写後における画像特性と膜減り
量(Δd)についても測定した。画像特性の欄には、全
く問題がない場合は優と記載し、若干の欠陥を有するも
のの実使用上問題がない場合は良と記載し、白抜け、す
じ、カブリなどの欠陥が発生した場合はその現象を記載
した。
【0070】
【実施例2〜6】実施例1のキャリア発生物質、バイン
ダ樹脂比を変更したこと以外は実施例1と同じである。
ただし、実施例5、6のサンプルについては正帯電用に
改造した市販のアナログ複写機(SF−2027:シャ
ープ社製)を用いて行った。
【0071】
【比較例1〜6】実施例1のキャリア発生物質、バイン
ダ樹脂を変更したこと以外は実施例1と同じである。た
だし、比較例4、5、6のサンプルについては正帯電用
に改造した市販のアナログ複写機(SF−2027:シ
ャープ社製)を用いて行った。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】
【実施例7】(積層型)直径65mm、長さ335mm
のアルミ製円筒状支持体上を用い、その上に下引き層用
塗布液を膜厚1μmとなるよう浸漬塗布法で成膜した。
下引き層塗布液は下記の成分をペイントシェーカーにて
10時間分散処理して下引き層用塗布液を作製した。 酸化チタン(Al23、ZrO2表面処理樹枝状ルチル型チタン成分85%) TTO−Ml−1(石原産業製) 3重量部 CM−800(東レ社製):アルコール可溶性ナイロン樹脂 3重量部 メタノール 35重量部 1,2−ジクロロエタン 65重量部
【0075】次にブチラール樹脂(S−LEC BL−
2:積水化学社製)10重量部、メチルエチルケトン1
400重量部、化合物(21)のチタニルフタロシアニ
ン15重量部をボールミルにより72時間分散しキャリ
ア発生層用塗布液を作製した。この塗布液を用いて前記
の下引き層を設けたアルミ製円筒状支持体上に浸漬塗布
法により膜厚が0.2μmとなるようにキャリア発生層
を成膜した。次に、化合物(1)のキャリア輸送物質を
100重量部、式(I)で示される粘度平均分子量2
1,500の化合物Z型ポリカーボネート樹脂(Z20
0)45重量部、変性ポリカーボネート樹脂(B30
0)55重量部、シリコンオイル0.02重量部をTH
F1000重量部に溶解しキャリア輸送層用塗布液を作
製した。前記のキャリア発生層上に膜厚が20μmとな
るように浸漬塗布法にて成膜し、120℃で1時間乾燥
を行い感光体サンプルを作製した。評価は感光体サンプ
ルを市販の複写機(AR−5130:シャープ社製)に
搭載し、常温/常湿環境下における初期帯電電位(V
o)、初期残留電位(Vr)、4万枚連続コピー前後の
帯電電位変化(ΔVo)、残留電位変化(ΔVr)を測
定した。また、これらの各感光体の初期および4万枚複
写後における画像特性と膜減り量(Δd)についても測
定した。画像特性の欄には、全く問題がない場合は優と
記載し、若干の欠陥を有するものの実使用上問題がない
場合は良と記載し、白抜け、すじ、カブリなどの欠陥が
発生した場合はその現象を記載した。
【0076】
【実施例8〜19】実施例7のバインダ樹脂種類、構成
比を変更したこと以外は実施例7と同じである。 Z200:式(I)で表される粘度平均分子量=21,
500のZ型ポリカーボネート樹脂 Z300:式(I)で表される粘度平均分子量=32,
200のZ型ポリカーボネート樹脂 Z400:式(I)で表される粘度平均分子量=39,
000のZ型ポリカーボネート樹脂 Z800:式(I)で表される粘度平均分子量=79,
000のZ型ポリカーボネート樹脂 U100:ポリアリレート樹脂(ユニチカ社製) V209:ポリエステル樹脂(東洋紡社製) G400:変性ポリカーボネート樹脂(出光興産社製) C−1400:ビスフェノールA型ポリカーボネート樹
脂(帝人化成社製)
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】画像特性についてはすべて良好な結果が得
られた。
【0080】
【比較例7〜11】実施例7のバインダ樹脂種類、構成
比を変更したこと以外は実施例7と同じである。
【0081】
【表5】
【0082】
【表6】
【0083】
【実施例20〜28】実施例7のキャリア輸送物質の種
類、バインダ樹脂の種類、構成比を変更したこと以外は
実施例7と同じである。
【0084】
【表7】
【0085】
【表8】
【0086】画像特性については全て良好な結果が得ら
れた。表4および表8の結果より、キャリア輸送物質と
総バインダ樹脂の構成が重量比で10/10より大きい
場合、初期感度は良好であるものの耐刷性能が低下し、
また、10/28より小さい場合、耐刷性能は良好であ
るものの初期感度の低下および繰返し使用時の残留電位
の上昇が大きくなる。キヤリア輸送物質と総バインダ樹
脂の構成は重量比で10/10〜10/28の範囲が好
適であると言える。
【0087】
【実施例29〜31、比較例12〜13】実施例29〜
31は、実施例7のキヤリア発生層用塗布液を化合物
(23)で表されるアゾ顔料2重量部と、フェノキシ樹
脂(PKHH:ユニオンカーバイド社製)1部と、1,
4−ジオキサンを97部とをボールミル分散機で12時
間分散した分散液に変更したこと以外は実施例7と同
じ。
【0088】また、比較例12〜13はバインダ樹脂の
種類、構成比を変更したこと以外は実施例29と同じで
ある。なお、この感光体サンプルの評価には、市販のア
ナログ複写機(SF−2027:シャープ株式会社製)
を改造した実験機を用いた。
【0089】
【表9】
【0090】
【表10】
【0091】
【実施例32〜33】実施例7のキヤリア発生物質を化
合物(22)で表されるX型メタルフリーフタロシアニ
ンに変更し、バインダ樹脂の種類、構成比を変更したこ
と以外は実施例7と同じである。
【0092】
【比較例14〜15】実施例32のバインダ樹脂の種
類、構成比を変更したこと以外は実施例32と同じであ
る。
【0093】
【表11】
【0094】
【表12】
【0095】
【実施例34】下引き層およびキヤリア発生層は実施例
7と同様にして作製した。キヤリア輸送層においては、
式(I)で示される粘度平均分子量21,500化合物
Z型ポリカーボネート樹脂(Z200)45重量部、変
性ポリカーボネート樹脂(B300)55重量部、シリ
コンオイル0.02重量部をTHF1000重量部に予
め溶解(ロールミリング24時間)させた樹脂溶液Aを
作製し、この樹脂溶液Aに化合物(1)のキヤリア輸送
物質100重量部を投入、溶解(ロールミリング24時
間)させることでキヤリア輸送層用塗布液を作製した。
キヤリア発生層上にキヤリア輸送層膜厚が20μmとな
るように浸漬塗布法にて成膜し、120℃で1時間乾燥
を行い感光体サンプルを作製した。
【0096】
【実施例35〜36】
【0097】
【表13】
【0098】
【表14】
【0099】画像特性については全て良好な結果が得ら
れた。
【0100】
【発明の効果】以上のように本発明の電子写真感光体お
よびその製造方法によれば、光感度特性、帯電特性、繰
返し使用における特性安定性に優れる上に、耐摩耗性が
良好であり、トナーフィルミングなどの画像不良のない
実用上充分な電気的性能と機械的性能の両者を有する電
子写真感光体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に従う積層機能分離型感
光体の例を示す模式的断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に従う単層型感光体の例
を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 キャリア発生物質 3 キャリア発生層 4 キャリア輸送物質 5 キャリア輸送層 6 下引き層 7 バインダ樹脂 20,21 感光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 力也 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 鳥山 幸一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 森田 竜廣 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 森田 和茂 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H068 AA13 AA19 AA21 AA35 AA37 BA39 BB23 BB26 BB27 BB52 BB54 EA16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、 該支持体上に形成され、キャリア発生物質、キャリア輸
    送物質およびバインダ樹脂を含有する感光層であって、
    該バインダ樹脂は2種以上の樹脂を含有し、そのうち少
    なくとも1種が下記式(I)で表されるポリカーボネー
    ト樹脂を樹脂重量比で50%未満含有する感光層とを含
    むことを特徴とする電子写真感光体。 【化1】 [式(I)中、R1〜R8は水素原子、ハロゲン原子、
    置換もしくは未置換の脂肪族基または置換もしくは未置
    換の炭素環基を表す。Zは置換もしくは未置換の炭素環
    または置換もしくは未置換の複素環を形成するのに必要
    な原子群、nは10〜1000の整数を表す。]
  2. 【請求項2】 支持体と、 該支持体上に形成され、キャリア発生物質を含有するキ
    ャリア発生層とキャリア輸送物質およびバインダ樹脂を
    含有するキャリア輸送層とを積層した感光層であって、
    該キャリア輸送層のバインダ樹脂は2種以上の樹脂を含
    有し、そのうちの少なくとも1種が下記式(I)で表さ
    れるポリカーボネート樹脂を樹脂重量比で50%未満含
    有する感光層とを含むことを特徴とする電子写真感光
    体。 【化2】 [式(I)中、R1〜R8は水素原子、ハロゲン原子、
    置換もしくは未置換の脂肪族基または置換もしくは未置
    換の炭素環基を表す。Zは置換もしくは未置換の炭素環
    または置換もしくは未置換の複素環を形成するのに必要
    な原子群、nは10〜1000の整数を表す。]
  3. 【請求項3】 前記式(I)で表されるポリカーボネー
    ト樹脂は粘度平均分子量が20,000から40,000であること
    を特徴とする請求項1または2記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記バインダ樹脂は、前記式(I)で表
    されるポリカーボネート樹脂と、式(I)で表されるポ
    リカーボネート樹脂以外のポリカーボネート樹脂、ポリ
    アリレート樹脂およびポリエステル樹脂からなる群から
    選択される樹脂とを含有していることを特徴とする請求
    項1または2記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記キャリア発生物質が、チタニルフタ
    ロシアニン顔料であることを特徴とする請求項1または
    2記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記キャリア輸送層において、キャリア
    輸送物質とバインダ樹脂との構成が、重量比で10/10か
    ら10/28の範囲にあることを特徴とする請求項1または
    2記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 キャリア輸送物質とバインダ樹脂とを溶
    剤中に溶解または分散して感光層用塗布液を調製して感
    光層を形成する工程であって、下記式(I)で表される
    ポリカーボネート樹脂を樹脂重量比で50%未満の範囲
    で含有させたバインダ樹脂を溶剤中に溶解させた後、キ
    ャリア輸送物質を溶解または分散させる工程を含むこと
    を特徴とする電子写真感光体の製造方法。 【化3】 [式(I)中、R1〜R8は水素原子、ハロゲン原子、
    置換もしくは未置換の脂肪族基または置換もしくは未置
    換の炭素環基を表す。Zは置換もしくは未置換の炭素環
    または置換もしくは未置換の複素環を形成するのに必要
    な原子群、nは10〜1000の整数を表す。]
  8. 【請求項8】 前記感光層を形成する工程では、前記感
    光層用塗布液を浸漬塗布法にて支持体上に塗布すること
    を特徴とする請求項7記載の電子写真感光体の製造方
    法。
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