JP2002180356A - 三次元繊維構造体 - Google Patents

三次元繊維構造体

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JP2002180356A JP2000375732A JP2000375732A JP2002180356A JP 2002180356 A JP2002180356 A JP 2002180356A JP 2000375732 A JP2000375732 A JP 2000375732A JP 2000375732 A JP2000375732 A JP 2000375732A JP 2002180356 A JP2002180356 A JP 2002180356A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造が比較的簡単で密度が高く、放熱部材と
して使用する複合材の強化材とした場合に必要な熱伝導
率を有する三次元繊維構造体を提供する。 【解決手段】 三次元繊維構造体1は、三次元織物Fに
ロッド2が挿入されて構成されている。三次元織物F
は、繊維が相互に平行に配列されたx糸層3及びy糸層
4を複数積層して面内2軸配向となるように形成された
積層糸群5と、積層糸群5の各x糸層3及びy糸層4と
直交する方向に配列された厚さ方向糸zとを含み、3軸
方向に糸が配列された構成となっている。ロッド2は厚
さ方向糸zと平行に挿入されている。ロッド2は炭素繊
維を強化繊維として使用した繊維強化複合材で、三次元
織物Fの厚さとほぼ同じ長さに形成されている。各内配
列糸x、y及び厚さ方向糸zには炭素繊維が使用されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は三次元繊維構造体に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化複合材は軽量の構造材料として
広く使用されている。複合材用補強基材として三次元織
物(三次元繊維構造体)がある。この三次元織物を骨格
材として、樹脂あるいは無機物をマトリックスとした複
合材はロケット、航空機、自動車、船舶及び建築物の構
造材として幅広い用途が期待されている。
【0003】実公平3−24356号公報には、補強繊
維からなる複数枚の織物が、それら各織物の織目が互い
に一致するように積層され、かつその積層体には、繊維
強化樹脂又は繊維強化金属からなる棒体が前記織目に挿
通された複合材料用三次元繊維組織体が開示されてい
る。
【0004】また、特開平11−49578号公報に
は、半導体装置用放熱部材として、黒鉛化カーボンのマ
トリックスに、黒鉛化カーボン長繊維を電子部品搭載面
と平行に2次元面内で直交又は所定の角度に疑似等方で
配列し、さらに電子部品搭載面に垂直な方向に配向した
繊維群を有する黒鉛化カーボン繊維/黒鉛化カーボンの
複合体が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】複合材は一般にマトリ
ックスの量が少ない方が強度は強くなる。従って、三次
元繊維構造体を使用して複合材を構成する場合、三次元
繊維構造体の密度が高い方が複合材の強度が強くなる。
ところが、実公平3−24356号公報に開示された三
次元繊維組織体のように、二次元の織物を積層した状態
で棒体を織目に挿通して三次元化したものでは、層間を
締め付ける力が弱く、形態保持が難しく、取り扱いが難
しい。特に熱伝導率を高める目的で高温焼成処理してグ
ラファイト化を進行させた場合、繊維構造体としての一
体性が損なわれ易い。
【0006】また、三次元繊維組織体の厚さのコントロ
ールが難しい。なぜならば、棒体挿通後に織物層を圧縮
する場合、棒体の長さを圧縮後の織物層の厚さにする
と、圧縮時に棒体が曲がる虞がある。また、棒体の長さ
を圧縮後の織物層の厚さより長くすると、プレス型とし
て棒体の侵入を許容する孔を有する特殊な型が必要とな
るとともに、圧縮後に棒体を切断する必要がある。
【0007】また、熱伝導率が高くて強度が優れた複合
材の強化材として、炭素繊維のみで三次元繊維構造体を
構成する場合、炭素繊維は比較的曲げに弱く、三次元織
物を製造する場合に糸(繊維)同士の擦れにより切断し
易く、特に繊維層を結合するための糸が切断し易い。挿
入密度を高くするとこの現象が発生し易い。
【0008】本発明は前記の従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その第1の目的は、製造が比較的簡
単で密度の高い三次元繊維構造体を提供することにあ
る。また、第2の目的は例えば半導体装置の放熱部材や
電子部品搭載基材として使用する複合材を製造する際の
強化材とした場合に必要な熱伝導率を有する三次元繊維
構造体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため請求項1に記載の発明では、少なくとも面内2軸
配向となる糸層を複数積層して形成された積層糸群と、
前記積層糸群の各糸層と直交する方向に配列された厚さ
方向糸とを含む少なくとも3軸で構成された三次元織物
に、繊維強化複合材製または金属製のロッドを挿入し
た。
【0010】従って、この発明では、三次元織物に、繊
維強化複合材製または金属製のロッドが挿入されている
ため、ロッドの挿入本数を増やすことで、密度の高い三
次元繊維構造体を比較的簡単に製造できる。また、繊維
強化複合材製のロッドを使用した場合は、三次元織物F
の繊維体積含有率(Vf)を高くできる。
【0011】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、前記ロッドは前記厚さ方向糸と平行
に挿入されている。厚さ方向糸の密度を高めようとする
と、積層糸群の密度が高い所に挿入する必要があり、挿
入時の抵抗が大きくなる。その結果、厚さ方向糸として
炭素繊維等の脆い糸を使用した場合、挿入の際に糸(繊
維)同士の擦れによって糸が切断し易くなる。しかし、
ロッド挿入時の抵抗は厚さ方向糸の挿入時の抵抗に比較
して大幅に低下するため、厚さ方向糸に代えてロッドを
使用して厚さ方向の配向成分を増加させるのが簡単にな
る。
【0012】前記第2の目的を達成するため請求項3に
記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明に
おいて、前記積層糸群及び前記厚さ方向糸には炭素繊維
が使用されている。ロッドを挿入するための三次元織物
を炭素繊維で構成した場合、炭素繊維は合成樹脂繊維や
他の無機繊維に比較して熱伝導率が高いため、マトリッ
クスとともに複合材を構成した際に複合材の熱伝導率が
高くなる。その結果、半導体装置の放熱部材や電子部品
搭載基材として使用する複合材を製造する際の強化材と
して必要な熱伝導率を確保できる。
【0013】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載の発明において、前記厚さ方向糸は太さが前記積層糸
群を構成する糸の1/2以下である。炭素繊維は曲げに
弱く、糸(繊維)同士の擦れにより切断し易いため、厚
さ方向糸に太い糸を使用すると、積層糸群に挿入される
際や積層糸群を締め付ける際に、糸が切断し易くなる。
また、厚さ方向糸は針を使用して積層糸群に挿入される
ため、糸が太いと針も太くなり、積層糸群が毛羽立ち易
くなる。しかし、この発明では厚さ方向糸に細い糸を使
用することで、生産性が向上する。
【0014】請求項5に記載の発明では、請求項3又は
請求項4に記載の発明において、前記ロッドはアルミニ
ウムと同等以上の熱伝導率を有する金属製のロッドであ
る。この場合、半導体装置の放熱部材や電子部品搭載基
材として使用する複合材を製造する際の強化材として使
用した場合、炭素繊維として黒鉛化の進行した特殊な炭
素繊維を使用しなくても、複合材の熱伝導率を高くでき
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図1〜図3に従って説明する。図1は三次元繊
維構造体1の一部破断模式斜視図である。三次元繊維構
造体1は、三次元織物Fにロッド2が挿入されて構成さ
れている。三次元織物Fは、繊維が相互に平行に配列さ
れた糸層としてのx糸層3及びy糸層4を複数積層して
面内2軸配向となるように形成された積層糸群5と、積
層糸群5の各x糸層3及びy糸層4と直交する方向に配
列された厚さ方向糸zとを含み、3軸方向に糸が配列さ
れた構成となっている。
【0016】x糸層3は三次元繊維構造体1の厚さ方向
(図1の上下方向)と直交する面内において、X方向
(この実施の形態では長さ方向)に沿って配列された第
1の面内配列糸xからなり、1本の糸が折り返し状に配
列されて形成されている。y糸層4はx糸層3と平行な
面内で第1の面内配列糸xと直交する方向(Y方向)に
配列され、1本の糸が折り返し状に配列された第2の面
内配列糸yからなっている。各面内配列糸x,yは所定
のピッチ(例えば3mmのピッチ)で配列されている。
【0017】厚さ方向糸zは積層糸群5の一方の面(図
1の下面側)で折り返すように上面側から挿入されると
ともに、図2に示すように、下面側において幅方向、即
ち第2の面内配列糸yと平行に配列された抜け止め糸6
により抜け止めされている。厚さ方向糸zが抜け止め糸
6と共同でx糸層3及びy糸層4を締め付けることによ
り、各糸層が結合されている。厚さ方向糸zも所定のピ
ッチで配列されている。この実施の形態では、厚さ方向
糸zは第1の面内配列糸xの延びる方向には、各面内配
列糸x,yの配列ピッチの2倍のピッチで配列され、第
2の面内配列糸yの延びる方向には、各面内配列糸x,
yの配列ピッチと同じピッチで配列されている。厚さ方
向糸zには太さが各面内配列糸x,yの1/2以下、こ
の実施の形態では1/10程度のものが使用されてい
る。
【0018】ロッド2は厚さ方向糸zと平行に挿入され
ている。ロッド2は厚さ方向糸zが挿入されていない位
置に所定ピッチ、この実施の形態では各面内配列糸x,
yの配列ピッチの2倍のピッチで配列されている。ロッ
ド2は炭素繊維を強化繊維として使用した繊維強化複合
材で、三次元織物Fの厚さとほぼ同じ長さに形成されて
いる。繊維強化複合材のマトリックス樹脂にはフェノー
ル樹脂又はエポキシ樹脂が使用されている。
【0019】第1の面内配列糸xにはピッチ系炭素繊維
が使用されている。ピッチ系炭素繊維の中でもメソフェ
ーズピッチ系炭素繊維が熱伝導率の点で好ましい。第2
の面内配列糸y及び厚さ方向糸zにはPAN系炭素繊維
が使用されている。各炭素繊維はロービング(トウ)の
状態で使用されている。ロービング(トウ)とは細い単
繊維のフィラメントを多数本束ねた実質無撚りの繊維束
を意味する。
【0020】次に前記のように構成された三次元繊維構
造体1の製造方法を説明する。三次元繊維構造体1は、
2段階に分けて製造される。第1段階では、三次元織物
Fが、例えば、特開平5−106139号公報や特開平
8−218249号公報に開示された方法のように、四
角形状の基板又は枠体に多数のピンが装着されたものを
使用する方法で製造される。即ち、基板又は枠体上にx
糸層3及びy糸層4を所定数積層して形成した積層糸群
5を、厚さ方向糸zと抜け止め糸6とで結合することに
よって形成される。
【0021】次に第2段階として、前記三次元織物Fに
対してロッド2が挿入される。図3(a),(b)に示
すように、ロッド2は三次元織物Fの一端から、複数本
ずつ第1の面内配列糸xの配列方向に沿って1列に並ん
だ状態で順に挿入される。
【0022】前記のように構成された三次元繊維構造体
1は、マトリックスとしてアルミニウムと同等以上の熱
伝導率の大きな金属を含浸することにより、複合材を製
造し、例えば半導体装置用放熱部材として使用される。
金属としてはCuやアルミニウムが使用される。複合材
は所望の大きさ及び厚さの板状に加工され、一方の面に
おいて銀ペーストを介して半導体チップに接合され、半
導体チップとの接合面と反対側にサーマルシートを介し
てヒートシンクが接合された状態で使用される。
【0023】三次元繊維構造体1にマトリックスとして
金属を含浸させて複合材を製造すると、金属は三次元繊
維構造体1を構成している、各糸x,y,z及びロッド
2の隙間を埋めるように充填される。複合材を放熱材用
に使用する場合、三次元織物Fを構成する繊維の熱伝導
率は、一般にマトリックス金属として使用されるCuや
アルミニウムより低い。従って、単純に考えると、三次
元繊維構造体1の密度を高めると、即ち各糸x,y,z
及びロッド2の占める体積を高めると、その分金属の割
合が減り、複合材の熱伝導率が低下するように思える。
しかし、ロッド2を挿入した場合、ロッド2に沿って真
っ直ぐに延びる含浸金属の経路ができるため、厚さ方向
の熱伝導率が高くなる。
【0024】この実施の形態では以下の効果を有する。 (1) 面内2軸配向となる糸層3,4を複数積層して
形成された積層糸群5と、積層糸群5の各糸層3,4と
直交する方向に配列された厚さ方向糸zとを含む三次元
織物Fに、繊維強化複合材製のロッド2を挿入して三次
元繊維構造体1を構成した。従って、三次元織物Fを製
造する段階では厚さ方向糸zの挿入密度を高める必要が
なく、ロッド2の挿入本数を増やすことで、密度の高い
三次元繊維構造体1を比較的簡単に製造でき、複合材を
形成した際に強度が高くなる。また、繊維強化複合材製
のロッド2を使用しているため、三次元織物Fの繊維体
積含有率(Vf)を高くできる。
【0025】(2) 各糸層3,4を構成する面内配列
糸x,yがそれぞれ、互いに平行な平面上に配列されて
積層糸群5が構成されているため、積層糸群5を二次元
織物で構成する場合に比較して各面内配列糸x,yが真
っ直ぐに延び、補強効果が高くなる。
【0026】(3) 三次元織物Fにロッド2が挿入さ
れているため、二次元織物を単に積層したものにロッド
を挿入した三次元繊維構造体に比較して、複合材を製造
した際に、複合材の剛性が高くなるとともに、厚さ方向
への膨張抑制効果が向上する。その結果、複合材を半導
体装置の放熱部材として使用した場合に半導体装置に過
大な応力が作用するのが防止される。また、金属との複
合材を製造する際、マトリックス金属を含浸させる工程
で繊維組織が乱れ難く、形状安定性が良くなる。
【0027】(4) ロッド2が厚さ方向糸zと平行に
挿入されているため、厚さ方向の配向成分を増加させる
のが簡単になり、マトリックスを含浸させて複合材を製
造した場合、板厚方向に高強度、高弾性率及び低熱膨張
率の材料が得られる。
【0028】(5) ロッド2の挿入本数を変えること
で、厚さ方向の配向成分の割合を調整できるため、三次
元織物Fの製造条件を変えること無く、種々の特性の三
次元繊維構造体1を得ることができ、三次元繊維構造体
1の製造コストを低減できる。
【0029】(6) 積層糸群5及び厚さ方向糸zに炭
素繊維が使用されているため、合成樹脂繊維や他の無機
繊維を使用して三次元織物Fを形成した場合に比較し
て、マトリックスとともに複合材を製造した際に複合材
の熱伝導率が高くなる。また、合成樹脂繊維に比較して
板厚方向の力学的特性(強度、弾性率)が向上する。
【0030】(7) 厚さ方向糸zは太さが積層糸群5
を構成する糸(両面内配列糸x,y)の1/2以下で、
この実施の形態ではほぼ1/10程度である。従って、
曲げに弱く、糸(繊維)同士の擦れにより切断し易い炭
素繊維を厚さ方向糸zに使用しても、積層糸群5を締め
付ける際等に、厚さ方向糸zが切断し難くなるととも
に、毛羽立ち難くなる。また、厚さ方向糸挿入針の太さ
を細くできるため、挿入抵抗が小さくなり、挿入速度を
高めることにより生産性が向上する。また、図2に示す
厚さ方向糸zの折り返しループ7が三次元織物Fから飛
び出す量を少なくできる。
【0031】(8) マトリックスとしてアルミニウム
を使用して複合材を製造した場合、アルミニウムは熱伝
導率がCuの6割程度であるが、密度がほぼ1/3のた
め、軽量化に寄与する。また、アルミニウムの融点は6
60℃とCuの融点より400℃以上低いため、含浸時
の温度を低くでき、溶融に必要なエネルギーが少なくな
る。従って、熱伝導率がさほど要求されない放熱部材と
して使用する複合材では、マトリックスとしてアルミニ
ウムを使用するのが好ましい。
【0032】実施の形態は前記に限定されるものではな
く、例えば、次のように具体化してもよい。 ○ 三次元繊維構造体1を焼成して、炭素繊維の黒鉛化
を進行させるとともに、ロッド2を炭化させてもよい。
この場合、マトリックス金属を含浸させて複合材を製造
した際に、熱伝導率のより高い複合材が得られる。
【0033】○ ロッド2に使用する炭素繊維として石
炭ピッチ系炭素繊維を使用すると、複合材を製造した際
に、板厚方向の熱伝導率がより高められた複合材が得ら
れる。
【0034】○ 三次元織物Fを製造可能な柔軟性を有
するピッチ系の炭素繊維を使用して炭素繊維織物を製造
し、ロッド2を挿入後、3000℃程度の焼成温度で焼
成して炭素繊維の黒鉛化を進行させる。この場合、炭素
繊維の熱伝導率がより向上する。この三次元繊維構造体
焼成物を使用した場合、マトリックスとして金属に代え
て樹脂を使用しても、熱伝導率がさほど要求されない放
熱部材として使用する複合材に使用可能となる。
【0035】○ 三次元繊維構造体1を熱伝導率の高い
複合材を製造するために使用する場合、ロッド2をアル
ミニウムと同等以上の熱伝導率を有する金属製のロッド
(例えば、Cuやアルミニウム)としてもよい。この場
合、炭素繊維として黒鉛化の進行した特殊な炭素繊維を
使用しなくても、複合材の熱伝導率を高くできる。
【0036】○ 三次元繊維構造体1を熱伝導率の高い
複合材を製造するために使用するのではなく、複合材の
強度の向上を目的とする場合は、三次元織物の構成繊維
として炭素繊維に代えて、ガラス繊維、アラミド繊維、
セラミック繊維(例えば、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊
維)等の高強度、高弾性繊維を使用してもよい。
【0037】○ 三次元繊維構造体1を強度及び耐熱性
に優れた複合材を製造するために使用する場合は、三次
元織物Fを炭素繊維やセラミック繊維で製造するのが好
ましい。そして、マトリックスをカーボンやセラミック
スとすると、より耐熱性に優れた複合材を製造できる。
【0038】○ 三次元織物Fを構成する積層糸群5
は、少なくとも面内2軸配向となる糸層を複数積層して
形成されていればよい。例えば、第1の面内配列糸xに
対して所定の角度(例えば±45°)で傾斜するように
配列された2層一組のバイアス糸からなるバイアス糸層
を有する面内4軸、合計5軸の三次元織物としてもよ
い。この場合、三次元織物Fの形状安定性がより向上す
る。また、積層糸群5を、互いに60°の角度で交差す
るように延びる3種類の糸で面内3軸に構成してもよ
い。
【0039】○ 二次元織物を積層することにより積層
糸群5を構成し、二次元織物をステッチ糸で縫い合わせ
て三次元織物Fを形成してもよい。二次元織物は平織物
に限らず任意の織物を使用できる。
【0040】○ ロッド2の断面形状は円形に限らず、
四角形、楕円形等の他の形状としてもよい。積層糸群5
がX,Y2軸配向の場合、ロッド2の断面形状を四角形
にすると円形断面のロッド2を使用した場合に比較して
三次元繊維構造体1の密度を高くすることができる。
【0041】○ 抜け止め糸6を使用せずに、厚さ方向
糸zが積層糸群5を一方の側から貫通した後、貫通位置
を所定ピッチずらして他方の側から積層糸群5を貫通す
るように配列してもよい。この場合、抜け止め糸6を使
用する構成に比較して厚さ方向糸zを太くでき、三次元
織物Fの繊維体積含有率(Vf)を大きくするために厚
さ方向糸zの締め付け力を強くできる。
【0042】○ ロッド2を厚さ方向ではなくX軸方向
あるいはY軸方向に挿入してもよい。 ○ 三次元織物Fを炭素繊維で形成し、ロッド2を炭素
繊維強化複合材製とした三次元繊維構造体1の使用方法
としては、放熱部材用の複合材に限らず、ブレーキディ
スク用のカーボン・カーボン複合材としてもよい。
【0043】前記実施の形態から把握できる発明(技術
的思想)について、以下に記載する。 (1) 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の発明に
おいて、前記三次元織物は5軸の三次元織物である。
【0044】(2) 請求項3又は請求項4に記載の発
明の三次元繊維構造体を焼成して炭素繊維を黒鉛化した
三次元繊維構造体。 (3) 請求項3〜請求項5及び(2)のいずれかに記
載の発明の三次元繊維構造体を強化材に使用して、マト
リックスをアルミニウムと同等以上の金属とした複合
材。
【0045】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
5に記載の発明によれば、製造が比較的簡単で密度の高
い三次元繊維構造体を得ることができる。また、請求項
3〜請求項5に記載の発明によれば、例えば半導体装置
の放熱部材や電子部品搭載基材として使用する複合材を
製造する際の強化材とした場合に必要な熱伝導率を有す
る三次元繊維構造体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施の形態の三次元繊維構造体の一部破断
模式斜視図。
【図2】 厚さ方向糸の配列状態を示す模式断面図。
【図3】 ロッドの挿入状態を示す一部破断模式斜視図
【符号の説明】
1…三次元繊維構造体、2…ロッド、3…x糸層、4…
y糸層、5…積層糸群、z…厚さ方向糸、F…三次元織
物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 隆太 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 4L048 AA05 AA48 AA52 AC09 AC13 BA22 CA01 CA05 DA41

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも面内2軸配向となる糸層を複
    数積層して形成された積層糸群と、前記積層糸群の各糸
    層と直交する方向に配列された厚さ方向糸とを含む少な
    くとも3軸で構成された三次元織物に、繊維強化複合材
    製または金属製のロッドを挿入した三次元繊維構造体。
  2. 【請求項2】 前記ロッドは前記厚さ方向糸と平行に挿
    入されている請求項1に記載の三次元繊維構造体。
  3. 【請求項3】 前記積層糸群及び前記厚さ方向糸には炭
    素繊維が使用されている請求項請求項1又は請求項2に
    記載の三次元繊維構造体。
  4. 【請求項4】 前記厚さ方向糸は太さが前記積層糸群を
    構成する糸の1/2以下である請求項3に記載の三次元
    繊維構造体。
  5. 【請求項5】 前記ロッドはアルミニウムと同等以上の
    熱伝導率を有する金属製のロッドである請求項3又は請
    求項4に記載の三次元繊維構造体。
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Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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