JP2002172160A - 人工透析装置用水処理系 - Google Patents

人工透析装置用水処理系

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JP2002172160A
JP2002172160A JP2000374235A JP2000374235A JP2002172160A JP 2002172160 A JP2002172160 A JP 2002172160A JP 2000374235 A JP2000374235 A JP 2000374235A JP 2000374235 A JP2000374235 A JP 2000374235A JP 2002172160 A JP2002172160 A JP 2002172160A
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water treatment
purified water
treatment system
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JP2000374235A
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Tetsuya Miyatake
哲也 宮武
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Nikkiso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人工透析装置用の水処理系であって、ランニ
ングコストが低く、設置スペースが小さく、また、処理
した水で菌が発生・増殖することを有効に抑制し得る水
処理系を提供する。 【解決手段】 人工透析装置用の水処理系を人工透析装
置の透析液系または血液体外循環系に連動させることに
より、透析中に消費された精製水の量に相当する量の精
製水を透析の実施中に製造し、製造した精製水がホール
ドタンクに長時間貯められることなく透析液系で使用さ
れることを可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工透析装置にお
いて、透析液を調製する希釈液として、また配管等の洗
浄液として用いられる精製水を製造する水処理系に関す
るものであり、特に、逆浸透(RO)膜を用いて人工透
析用の精製水を製造する装置を含む水処理系、および当
該水処理系を含む人工透析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に使用されている人工透析装置は、
水処理系、透析液系、血液体外循環系および透析器を有
して成る。そのような人工透析装置を、図1を参照して
説明する。人工透析装置において、 1)水処理系(または水処理システム)は、配管等の洗
浄液として、また、透析液を調製する際の希釈液として
用いられる精製水を、原料水(例えば、井戸水、水道
水)を処理して製造し、製造した精製水を透析液系に供
給する。 2)透析液系(または透析液システムもしくは透析液回
路)は、水処理系から供給された精製水を用いて透析液
を調製し、透析液を透析器(即ち、ダイアライザー)に
供給し、使用済みの透析液を透析器から回収する。透析
液系は透析前後に人工透析装置の回路を精製水で洗浄す
る装置を一般に有する。 3)血液体外循環系(または血液体外循環システムもし
くは血液体外循環回路)は、患者から脱血し、脱血した
血液を透析器に供給し、透析後の血液を透析器から患者
に返血する。 4)透析器では、脱血した血液を透析膜を介して透析液
と接触させて人工透析を実施する。
【0003】上記のうち、水処理系は、人工透析用の精
製水製造装置を含む精製系、ならびに精製系で得た精製
水を貯えるホールドタンクを含む精製水供給系から構成
される。水処理系は、必要に応じて、原料水を軟水にす
るための軟水化装置、原料水を純水にする純水装置、お
よび活性炭濾過装置のいずれか1の装置または2以上の
装置を含む前処理系を含む。
【0004】一般に、人工透析用の精製水製造装置は、
逆浸透(RO)膜モジュールを有する。本明細書におい
て、そのような装置を単にRO装置と呼び、RO装置を
含む精製系をRO系、RO装置で得た精製水をRO水と
呼ぶ場合がある。
【0005】RO水は、RO装置に設けられたRO膜モ
ジュールに高圧水を加えて膜を通過させることにより得
られる。得られたRO水は精製水供給系のホールドタン
クに一旦貯えられ、ここからポンプ等により透析液系の
透析液供給部に送られる。透析液供給部とは、透析液系
において、透析液の原液(または原粉末)を精製水で希
釈混合して透析液を調製し、調製した透析液を透析器に
供給する機能を有する装置または装置の組合せをいい、
例えば、多人数用透析液供給装置がこれに相当する。
【0006】透析液供給部が多人数用透析液供給装置で
ある場合、透析液供給部には、一般に、透析液の原液ま
たは原粉末を貯蔵する原液タンク(または容器)、透析
液の原液と精製水とを混合し透析液を調製する混合タン
ク、混合タンクで調製した透析液を貯留する貯留タンク
が設けられている場合には該貯留タンクが含まれる。透
析液は透析液供給部からポンプで透析器に供給される。
個人用透析装置には、配管内を流れる精製水に透析液の
原液を注入して透析液を調製する方式が採用されている
ものがある。そのような個人用透析装置において、透析
液供給部は混合タンクを有しない。
【0007】透析液供給部へRO水を供給したために、
精製水供給系のホールドタンク内のRO水の残量が少な
くなると、その状態を知らせる信号がホールドタンクか
ら水処理系に送られ、それによってRO装置の運転が開
始されて新たにRO水が作られ、ホールドタンク内に貯
められる。RO水の製造頻度(即ち、RO装置の運転頻
度)は、ホールドタンクの容積に応じて、また、透析液
供給部が多人数用透析液供給装置である場合にはベッド
数等に応じて異なり、一般に、1〜5回/日である。ホ
ールドタンクは、一般にFRPまたはステンレス製であ
り、500〜2000リットルという大きな容積を有す
る。
【0008】人工透析に際しては、透析液を介してエン
ドトキシン等が返血の際に血液とともに体内に流入する
ことを防止する必要がある。そこで、医療現場において
は、人工透析で使用する装置や透析液等がエンドトキシ
ン等で汚染されることのないように細心の注意が払われ
ている。透析液の原料となるRO水もまたエンドトキシ
ンで汚染されることを防止する必要がある。そのため、
精製水を貯めるホールドタンク内に紫外線殺菌灯を設け
てエンドトキシン発生の原因となる菌の発生・増殖を抑
制している。また、休日等、長期間RO水が使用されな
い(即ち、RO水がホールドタンクから透析液供給部へ
供給されない)ときには、循環ポンプを用いて、ホール
ドタンク内およびRO水供給配管内にてRO水を循環さ
せ、それにより、菌の増殖を抑制することも行われてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
方法で、ホールドタンク内のRO水における菌の増殖を
抑制するには、紫外線殺菌灯の電源を常時ONにするこ
と、または循環ポンプを長時間運転することが必要であ
る。そのことは人工透析装置のランニングコストを上昇
させる一因であり、ホールドタンクの容量が大きい場合
にはなおさらである。
【0010】別の問題として、上述した大容積のホール
ドタンクを使用するには、ホールドタンクの設置のため
に大きな床面積を必要とすることが挙げられる。ホール
ドタンクの設置に際しては、設置される箇所をタンクと
その中の水を合わせた量に相当する荷重に耐え得るよう
補強すること、ならびにタンク内の水量に応じてタンク
の設置箇所に適宜防水工事を行う必要があることもまた
問題である。一般に、医療現場の限られたスペースを有
効利用するためには各種装置の小型化が望まれており、
大容積のホールドタンクはその要望に反する。設置箇所
の補強および防水工事は医療施設の建築コストが嵩む要
因となるため、それらの工事の規模はより小さいことが
望ましい。
【0011】更に、ホールドタンクで大量の水を貯留す
るには、ホールドタンクを高強度の材料(例えばFR
P、ステンレス等)で形成する必要があるが、それらの
材料は一般に高価である。タンクの容量が小さければ、
それらに代えて、より安価な材料(例えば、塩化ビニル
等のプラスチック材料)を用いることができる。
【0012】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたも
のであり、RO水中の菌の発生・増殖を有効に抑制しつ
つ、精製水の製造に要するコストが低減され、また、ホ
ールドタンクが小型化された人工透析装置用の水処理系
を提供すること、ならびに、ランニングコストが小さ
く、設置スペースが小さい人工透析装置を提供すること
を課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、人工透析用の精製水を製造する水処理系
であって、人工透析装置の透析液系または血液体外循環
系に連動して精製水を製造する、人工透析装置用の水処
理系を提供する。水処理系を透析液系または血液体外循
環系に連動させることにより、透析液系または血液体外
循環系の作動状況に応じて水処理系で原料水を処理して
所定量の精製水を製造し、製造した精製水を順次、透析
液系で使用することが可能となる。
【0014】水処理系が透析液系または血液体外循環系
に連動するとは、透析液系または血液体外循環系の作動
が開始または停止すると、それと同調して水処理系の作
動が開始または停止することを意味する。但し、本発明
において、水処理系の作動は透析液系または血液体外循
環系の作動と時間的に完全に同調する必要は必ずしもな
い。例えば、透析液系における精製水の消費速度が水処
理系における精製水の処理速度よりも大きい場合、透析
液系で消費される精製水と同量の精製水を製造するため
に水処理系の作動は透析液系より遅れて停止してよい。
あるいは、必要に応じて水処理系の作動が透析液系また
は血液体外循環系より遅れて開始してよい。即ち、水処
理系が透析液系または血液体外循環系に連動するとは、
水処理系における精製水の製造、中止、および必要に応
じて製造速度等の精製水製造条件の変更が、透析液系ま
たは血液体外循環系の作動状況(作動の開始、停止、お
よび作動中の諸条件(例えばポンプの流量等))と関係
して為されることをいう。
【0015】透析液系、血液体外循環系および水処理系
は従来の技術の欄において説明したとおりである。
【0016】従来の水処理系は、透析液系および血液体
外循環系の作動状況を直接検知することなく、専らホー
ルドタンク内の精製水(例えばRO水)の残量に基づい
て精製水を製造するものである。一方、本発明の人工透
析装置用の水処理系は、透析中およびその前後におい
て、透析液系での精製水の消費(利用)状況に応じて作
動し、精製水を製造するものである。従って、本発明は
従来とは異なる制御機構により水処理系を作動させる点
において、従来の水処理系とは全く異なる。
【0017】水処理系は一般に水処理系全体の作動を制
御する制御部を有する。水処理系の制御部は、具体的に
は、精製水の製造を開始し、停止し、また精製水の製造
速度および精製水の製造量等を調節する機能を有する。
制御部を有する水処理系において、制御部は透析液系ま
たは血液体外循環系から与えられる信号を受信し、受信
した信号に基づいて水処理系の作動を制御するものであ
ることが好ましい。透析液系または血液体外循環系から
与えられる信号は、透析液系が作動している間の透析液
系における精製水の消費状況に関する情報を与える信号
であり、好ましくは電気的な信号である。精製水の消費
状況に関する情報とは、具体的には、精製水の使用およ
び不使用、ならびに精製水の消費量に関する情報(例え
ば消費速度)である。
【0018】これらの情報を与える信号に基づいて制御
部が水処理系の作動を制御すれば、精製水の消費と製造
をほぼ同調させることが可能となり、製造された精製水
を製造後ただちに又は時間をおかずに利用できるから、
精製水を長時間貯留することに起因する菌の増殖を有効
に防止できる。また、一般に、透析液系での精製水の消
費速度が急激に上昇した場合等に備えて水処理系の精製
水供給系には一定量の精製水を予め貯めておく必要があ
るが、本発明の人工透析装置用の水処理系は透析液系ま
たは血液体外循環系に連動して人工透析装置で使用され
た量の精製水をただちに製造して供給し得るから、水処
理系の精製水供給系に予め貯めておく精製水の量を少な
くすることができる。
【0019】本発明の人工透析装置用の水処理系は、透
析液系における精製水の消費速度と同じ速度またはそれ
よりも大きい速度で精製水を製造し得るものであること
が好ましい。水処理系における精製水の製造速度(また
は処理速度)が透析液系における精製水の消費速度より
も小さいと、透析液系で精製水が不足して透析液を調製
できなくなる等、人工透析に悪影響を及ぼすことがあ
る。したがって、本発明の人工透析装置用の水処理系
は、常に透析液系における精製水の消費速度と同じ速度
またはそれよりも大きい速度で精製水を製造するように
運転する必要がないとしても、必要に応じて透析液系に
おける精製水の消費速度と同じ速度またはそれよりも大
きい速度で精製水を製造し得る能力を有するものである
ことが好ましい。
【0020】水処理系における精製水の製造速度は、通
常、透析液系における精製水の消費速度と同じ速度とす
る。精製水の製造速度を透析液系における精製水の消費
速度よりも大きくする必要がある場合としては、例え
ば、ホールドタンク内の精製水の貯水量が少なくて透析
液系で精製水の消費速度が急激に上昇したときに精製水
の供給が間に合わないおそれがある場合が挙げられる。
【0021】製造速度を高くして精製水を製造する場合
には、ホールドタンクから精製水が溢流しないように、
例えば、ホールドタンク内の貯水量が所定量となったと
きに精製水の製造速度を低下させる必要がある。その場
合、水処理系はホールドタンクにも連動させる必要があ
る。
【0022】本発明はまた、水処理系、透析液系および
血液体外循環系を含む人工透析装置であって、水処理系
が透析液系または血液体外循環系に連動して精製水を製
造するものである人工透析装置を提供する。この人工透
析装置は、上述の本発明の人工透析装置用の水処理系を
含むものである。この人工透析装置によれば、水処理系
において適時に適切な量の原料水が処理されて透析液系
に供給される。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の人工透析装置用の水処理
系は、人工透析装置の透析液系または血液体外循環系に
連動して精製水を製造するものである。
【0024】本発明の水処理系は、好ましくは水処理系
の作動を制御する制御部を有し、この制御部が、透析液
系または血液体外循環系から与えられる透析液系におけ
る精製水の消費状況に関する情報を与える信号に基づい
て精製水を製造するように水処理系の作動を制御する。
【0025】制御部は、水処理系の精製系および精製水
供給系を構成する各装置、ならびに前処理系を有する場
合には前処理系を構成する各装置を、所望の条件(例え
ば製造速度)にて精製水が水処理系で製造され得るよう
に相互に関連させて制御し、また、必要に応じて各装置
の作動を独立して制御し得るものであることが好まし
い。制御部は、必要に応じて水処理系の作動状況を表示
するモニター部を含む。制御は、例えばコンピュータを
用いて実施できる。
【0026】透析液系または血液体外循環系から制御部
に与えられる信号は、透析液系における精製水の消費状
況に関する情報を与える信号である。精製水は、具体的
には、人工透析装置が洗浄されているとき、ならびに透
析液が透析器を通過して透析が実施されているとき等に
消費されている。精製水の消費状況に関する情報を与え
る信号は、透析液系または血液体外循環系を構成する装
置であって、その作動に起因して精製水が流れる装置、
即ち、その作動が精製水の消費を伴う装置から生じる。
【0027】作動時に精製水の消費を伴う装置は、例え
ば、透析液系の透析液供給部を構成する装置である。透
析液供給部が混合タンクを含み、透析液調製時に精製水
が混合タンクに供給される場合、透析液供給部の混合タ
ンクに精製水を供給するときに開かれるバルブの開閉を
電気的な信号に変え、バルブが開いているときに精製水
が消費されているという信号を水処理系の制御部に与え
るようにしてよい。あるいは、透析液原液と精製水を攪
拌するために透析液供給部の混合タンクに設けた攪拌手
段のスイッチのオン/オフを電気的な信号に変え、スイ
ッチがオンのときに精製水が消費されているという信号
を水処理系の制御部に与えるようにしてよい。
【0028】透析液供給部を構成する装置のうち、透析
液を透析器に供給する装置(例えばポンプ)は、その作
動時に透析器に透析液を供給し、透析器に供給された透
析液は人工透析を実施するために用いられるから、その
作動には精製水の消費が伴うといえる。したがって、透
析液を透析器に供給する装置のオン/オフを電気的な信
号に変え、スイッチがオンのときに精製水が消費されて
いるという信号を水処理系の制御部に与えるようにして
よい。
【0029】作動時に精製水の消費を伴う装置として、
別に、血液体外循環系において脱血側または返血側に設
けた血液ポンプがある。これらの血液ポンプが作動して
いるとき、血液が人工透析器に送られて人工透析が実施
される。したがって、これらの血液ポンプにおいては、
その作動時に精製水または透析液がその中を流れること
はないが、その作動に伴って人工透析が実施されるか
ら、精製水の消費を間接的に伴って作動するといえる。
血流ポンプから精製水の消費状況に関する情報を与える
信号を得るには、例えば、これのオン/オフを電気的な
信号に変え、スイッチがオンのときに精製水が消費され
ているという信号を水処理系の制御部に与えるようにす
るとよい。
【0030】精製水の消費状況に関する信号は、好まし
くは精製水の消費量に関する情報をも与える信号であ
る。精製水の消費量に関する情報とは、例えば、透析液
系における精製水の消費速度である。そのような信号を
水処理系の制御部に与えることができれば、水処理系を
透析液系または血液体外循環系に単に連動させるだけで
なく、精製水の消費量に応じて原料水の処理量をも制御
することができる。それにより、精製水の消費量に基づ
いて、必要な量(例えば精製水の消費量と同じ量または
それよりも多い量)の精製水を得ることができるから、
ホールドタンクに貯める精製水の量をより少なくするこ
とが可能になる。
【0031】例えば、透析液供給部の原液タンクから透
析液原液を混合タンクに送液するポンプ、透析液を透析
器に供給するポンプ、または血液ポンプ等から、そのオ
ン/オフ情報に加えて、ポンプの流量(即ち、ポンプに
より送液される単位時間あたりの液量)に関する情報を
電気的な信号に変換し発信する手段を設け、この発信手
段と水処理系の制御部を電気的に接続し、発信手段から
受信した信号に基づいて制御部が水処理系の作動を制御
するようにするとよい。ポンプの流量から精製水の消費
速度、さらには精製水の消費量を算出できるので、ポン
プの流量を示す信号によれば、水処理系を単に作動させ
るだけでなく精製水の消費量に応じて原料水の処理量を
も制御することができる。
【0032】透析液系の透析液供給部が多人数用透析液
供給装置である場合、当該装置は、一般に、透析液の調
製、透析実施前の透析液系の水洗および前置換、透析中
の透析器への透析液の供給、ならびに透析終了後の透析
液系の水洗、酸洗浄および消毒等が所定時間に自動的に
実施されるように、それらの作業の実施を制御するコン
トローラを備えている。上記の作業のうち、透析液の調
製、透析前後の透析液系の水洗、透析前の前置換、およ
び透析中の透析器への透析液の供給において精製水が利
用される。したがって、透析液系の透析液供給部が多人
数用透析液供給装置である場合には、これらの精製水を
利用する作業を実施していることを示す信号をコントロ
ーラから水処理系の制御部に与えることによっても、水
処理系を透析液系に連動させることができる。
【0033】人工透析装置が個人用透析装置である場
合、精製水は透析装置に組み込まれた透析液供給部に供
給され、多人数用透析液供給装置に設けられる前述のコ
ントローラに相当する制御部は、患者の状態(静脈圧
等)および透析の状態(透析液濃度および除水速度等)
を監視する監視装置に組み込まれることが多い。従っ
て、本発明の水処理系を個人用透析装置と組み合わせて
使用する場合、透析液の調製、水洗、酸洗浄、消毒およ
び透析液供給等を制御するために監視装置に組み込まれ
た制御部と水処理系の制御部とを電気的に接続し、監視
装置に組み込まれた制御部からの電気的な信号に基づい
て水処理系の制御部が水処理系の作動を制御するように
してよい。監視装置が血液体外循環系の血流ポンプを制
御する機能を有している場合、水処理系の制御部を血流
ポンプの制御部と電気的に接続し、血流ポンプのオン/
オフを示す電気的な信号が水処理系の制御部に送られる
ようにしてよい。
【0034】水処理系は精製水の消費状況に応じて精製
水を製造し得る能力を有することが好ましい。即ち、水
処理系は、好ましくは精製水の最大消費(利用)速度に
相当する速度またはそれ以上の速度で精製水を製造でき
る能力を有する。水処理系がそのような能力を有しない
場合には、例えば透析液供給部で透析液を間欠的に調製
して混合タンクとは別の貯留タンクに透析液を貯めて、
貯留タンクから透析液を透析器に供給し、貯留タンク中
の透析液量が所定量以下となったときに電気的な信号を
水処理系の制御部に送って水処理系が作動するようにし
て、透析液の次の調製が混合タンクにて開始する前に精
製水の製造を終了させるとよい。あるいは、タイマーを
併用し、例えば透析液供給部を構成する装置(例えば攪
拌手段)から透析液の調製が終了したことを示す信号
(例えば攪拌手段の停止を示す信号)を水処理系の制御
部が受信した後、所定時間後に水処理系が作動するよう
にし、透析液の次の調製に必要な量の精製水が透析液の
調製開始前に製造されるようにしてもよい。
【0035】本発明の水処理系は、上記で説明した態様
以外の態様で、透析液系または血液体外循環系に連動す
るものであってよい。例えば、水処理系の制御部に透析
液系または血液体外循環系から与えられる信号は、空気
信号または機械的なリンクを利用した信号であってもよ
い。
【0036】以上において説明した人工透析装置用の水
処理系は、精製水が消費(利用)されているときに精製
水を製造するものであるから、水処理系のホールドタン
クは精製水を一時的に貯める1〜100リットル程度の
タンクで十分である。このことは、水処理系全体の小型
化に寄与する。また、本発明の人工透析装置用の水処理
系で製造された精製水は製造後ただちに又は短時間のう
ちに利用されるので、精製水を長時間ホールドタンクに
貯める必要がない。それにより、水処理系での紫外線殺
菌灯および循環ポンプの作動時間を短縮でき、あるいは
紫外線殺菌灯および/または循環ポンプを水処理系のホ
ールドタンクに設置しなくてもよい場合がある。
【0037】本発明の人工透析装置用の水処理系は、透
析液系および血液体外循環系とともに本発明の人工透析
装置を構成する。本発明の人工透析装置は、その水処理
系が従来のものよりも小型化されるために、従来のもの
よりも小さいスペースに設置できる。また、本発明の人
工透析装置においては、水処理系で製造した精製水を製
造後ただちに又は短時間のうちに利用できるので、人工
透析をより衛生的に実施できる。本発明の人工透析装置
は多人数用透析液供給装置を備えてなる人工透析装置お
よび個人用人工透析装置のいずれにも適用できる。
【0038】
【発明の効果】以上において説明したように、本発明の
人工透析装置用の水処理系は、人工透析装置の透析液系
または血液体外循環系に連動して精製水を製造すること
を特徴とする。かかる特徴により、必要なときに必要な
量の水を処理して精製水を得ることができるので、精製
水の貯留量が小さい人工透析装置を構成することが可能
となる。このことは、ホールドタンク、ひいては透析装
置の小型化を可能にする。本発明の人工透析装置用の水
処理系は、人工透析装置における精製水の消費状況に応
じて水を処理するので、余分な精製水を製造せず、水処
理系においてRO装置を用いる場合にはRO膜の寿命を
向上させ得る。また、本発明の水処理系を用いれば、人
工透析装置において水処理と精製水の利用(消費)を同
調させ、水処理して得た精製水を処理後すぐに使用でき
るので、精製水の貯留に起因して生じるエンドトキシン
の問題が回避され得るとともに、紫外線殺菌灯の照射時
間および循環ポンプの運転時間を短縮する、あるいは紫
外線殺菌灯および/または循環ポンプを無くすことが可
能となる。したがって、本発明の水処理系を含む人工透
析装置によれば、人工透析を衛生的かつ経済的に実施で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の人工透析装置用の水処理系を含む、
本発明の人工透析装置の模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/44 C02F 1/44 H

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人工透析用の精製水を製造する水処理系
    であって、人工透析装置の透析液系または血液体外循環
    系に連動して精製水を製造する、人工透析装置用の水処
    理系。
  2. 【請求項2】 透析液系における精製水の消費速度と同
    じ速度またはそれよりも大きい速度で精製水を製造し得
    る、請求項1に記載の人工透析装置用の水処理系。
  3. 【請求項3】 水処理系がその作動を制御する制御部を
    有し、該制御部が、透析液系または血液体外循環系から
    与えられる信号であって、透析液系での精製水の消費状
    況に関する情報を与える信号に基づいて水処理系の作動
    を制御することにより、水処理系が透析液系または血液
    体外循環系に連動する、請求項1または請求項2に記載
    の人工透析装置用の水処理系。
  4. 【請求項4】 透析液系または血液体外循環系から与え
    られる信号が電気的な信号である請求項3に記載の人工
    透析装置用の水処理系。
  5. 【請求項5】 水処理系、透析液系、血液体外循環系お
    よび透析器を含む人工透析装置であって、水処理系が請
    求項1〜4のいずれか1項に記載のものである人工透析
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014176610A (ja) * 2013-03-14 2014-09-25 Baxter Internatl Inc 透析機械のユーザインタフェースを介した水処理装置の制御
JP2021514252A (ja) * 2018-02-21 2021-06-10 フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 透析機

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