JP2002171961A - 新規酵母及び酵母エキス - Google Patents

新規酵母及び酵母エキス

Info

Publication number
JP2002171961A
JP2002171961A JP2000375410A JP2000375410A JP2002171961A JP 2002171961 A JP2002171961 A JP 2002171961A JP 2000375410 A JP2000375410 A JP 2000375410A JP 2000375410 A JP2000375410 A JP 2000375410A JP 2002171961 A JP2002171961 A JP 2002171961A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yeast
glutamic acid
extract
cells
glutamine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000375410A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4638591B2 (ja
Inventor
Naomichi Nishimura
直道 西村
Mikio Fujii
幹夫 藤井
Yukihiro Nakajo
幸博 中條
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Tobacco Inc
Original Assignee
Japan Tobacco Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Tobacco Inc filed Critical Japan Tobacco Inc
Priority to JP2000375410A priority Critical patent/JP4638591B2/ja
Publication of JP2002171961A publication Critical patent/JP2002171961A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4638591B2 publication Critical patent/JP4638591B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Seasonings (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 グルタミン酸を外添することなくグルタミン
酸含量を高めて、味に厚みが有り、且つ旨味力価の高い
酵母エキスを提供する。 【解決手段】 乾燥菌体1g当たり15mg以上の遊離
グルタミンを細胞内に含有する酵母を消化して、細胞内
遊離グルタミン由来のグルタミン酸をエキス固形分に対
して少なくとも3%含む酵母エキスを得る。本発明の酵
母エキスは、グルタミン酸を外添した酵母エキスに比
べ、味の厚みが顕著である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規酵母エキスとそ
の製造方法に関する。酵母エキスは天然調味料として利
用されている。
【0002】
【従来の技術】酵母エキスの工業的生産は、主としてパ
ン酵母、ビール酵母、キャンディダ属の酵母を消化する
ことにより行われ、生成されるアミノ酸やペプチド、ヌ
クレオチドの呈味成分からなる天然調味料として利用さ
れてきた。これらの酵母エキスはビーフ代替や複雑味を
付与するための隠し味に使用されている。これらの旨味
は、ペプチド成分やイノシン酸、グアニル酸等のヌクレ
オチド成分の呈味に大きく依存したものであり、旨味力
価はあまり高くはなく、酵母エキスの持つ不快な酵母臭
の存在により、食品への添加量をあまり増やすことがで
きないことから、その用途は限られたものになってい
た。さらに酵母エキスの味質はペプチドやヌクレオチド
が中心であり、幅の広い比較的濃厚な後味を特徴とした
ものであり、先味感のあるすっきりとした旨味には乏し
い。
【0003】酵母エキスの旨味力価を高めるため、ま
た、いわゆる先味感を呈するアミノ酸と後味感を呈する
ヌクレオチド成分からなる複合調味料的特性を目指すた
め酵母エキスに添加物としてグルタミン酸ナトリウム等
を添加(以下「外添」という。)した調味料も製造され
ている。しかし、近年の天然志向、健康志向に伴いグル
タミン酸ナトリウムを添加した調味料を嫌う消費者が増
加し、調味料業界も天然調味料を志向する趨勢になって
いる。このような背景から、グルタミン酸ナトリウムを
外添することなく旨味力価が高い酵母エキス、即ちグル
タミン酸含量が高い酵母エキスが望まれていた。
【0004】原核生物、即ちコリネ型細菌や大腸菌等を
用いたグルタミン酸の工業的生産方法は従来から広く知
られているところである。たとえば、前記細菌のトリカ
ルボン酸サイクルの1酵素である2−ケトグルタル酸デ
ヒドロゲナーゼ活性を低下させることにより生産培地中
にグルタミン酸を多量に放出蓄積させた例が報告されて
いる。しかし、これら細菌細胞内のグルタミン酸濃度が
増加したか否かについては知られていなかった。更に、
たとえ酵母細胞のKGD活性を低下させたとしても、真
核生物である酵母は複雑な代謝制御系に支配されてお
り、KGD活性の低下のみでグルタミン酸が蓄積される
とは考えられていなかった。
【0005】一方、グルタミン酸のアナログに耐性を有
する酵母の変異株を培養することにより、酵母細胞内に
直接グルタミン酸を蓄積させることも試みられている。
細胞内の遊離グルタミン酸濃度が高い酵母を消化するこ
とによりグルタミン酸含量が高い酵母エキスが製造でき
ることはEP592785に開示されているが、その酵
母エキスの味のバランスや酵母臭に関する記述がないた
め、旨味力価の増加は想像できるもののそれ以外の効果
については確認できない状況である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、グルタ
ミン酸を外添することなくグルタミン酸含量が高い酵母
エキスを製造する技術を確立し、その味質に及ぼす効果
を確認することを目的として検討を開始した。
【0007】すなわち、本発明は外添でないグルタミン
酸の含有量を好ましくはエキス固形分に対して約3%以
上に高めたことにより、旨味力価が高く且つ単にグルタ
ミン酸を外添した場合には得られない味の厚みをもった
酵母エキスを提供する。
【0008】本発明はさらに、上記酵母エキスの製造方
法ならびに上記酵母エキスの製造に用いる、細胞内に乾
燥菌体1g当たり15mg以上の遊離グルタミンを含有す
る酵母を提供する。
【0009】本発明はさらに、上記酵母の取得方法も提
供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討を重ねた結果、(1)2−ケトグル
タル酸デヒドロゲナーゼ(KGD)及び/又はグルタミ
ン酸デカルボキシラーゼ(GAD)の活性を低下させた
酵母の中に、細胞内の遊離グルタミン酸及び遊離グルタ
ミンの濃度が上昇するものが存在すること、(2)この
ような酵母をグルタミナーゼの存在下に消化することに
より、グルタミン酸含量が高い酵母エキスが製造できる
こと、(3)このようにして製造された酵母エキスの味
は、驚くべきことに従来の酵母エキスにグルタミン酸を
外添したものに比べて味の「厚み」が強いことを見出し
た。更に、(4)KGD活性とともにグルタミンシンセ
ターゼ(GS)活性を低下させた酵母はグルタミン酸を
選択的に細胞内に蓄積するものの、それより得られた酵
母エキスはグルタミン酸を外添したものと同様に「厚
み」の少ないものであることを確認し、本発明に到達し
た。
【0011】即ち、本発明の本質は細胞内に遊離のグル
タミンを蓄積する酵母から酵母エキスを製造した場合に
は、特異的にその味の「厚み」が増大することを見出し
たことにある。更には、細胞内に蓄積されたグルタミン
をグルタミナーゼでグルタミン酸に変換することによ
り、旨味力価も同時に高めることが可能となることも本
発明を構成するもう1つの要素である。以下本発明を詳
細に説明する。遊離グルタミンを蓄積する酵母 使用する酵母としては食品として許容される酵母であれ
ばよく、サッカロミセス属、キャンディダ属、ハンゼヌ
ラ属、ピキア属等に属する酵母が例示されこれらを元株
として利用することができるが、サッカロミセス属等の
1倍体胞子を形成する能力と雌雄交雑による2倍体化が
可能な酵母であることが以下に述べる育種を実施する上
で望ましい。
【0012】本発明の細胞内遊離グルタミン濃度が高い
酵母は、グルタミン酸やグルタミンの代謝に関与する酵
素系の遺伝子に変異を導入することにより育種可能であ
る。変異を導入する遺伝子としては、2−ケトグルタル
酸デヒドロゲナーゼ遺伝子kgd1、グルタミン酸デカ
ルボキシラーゼ遺伝子gad1があげられる。但し、こ
れらの遺伝子に対して変異を導入しても全ての酵母で細
胞内遊離グルタミン量が増加するわけではなく、変異の
導入により細胞内遊離グルタミン量が増加する酵母株を
選択することが重要である。
【0013】近年の遺伝子操作技術の進歩に伴い、酵母
の特定の遺伝子に特定の変異を導入することは容易に実
施可能であり、遺伝子破壊の技術や部位特異的突然変異
の技術を用いることにより、kgd1やgad1に変異
を導入し、これらの遺伝子産物の活性が低下した株や欠
損した株を作製することができる。特にサッカロミセス
・セレビシエ(Saccharomyces cere
visiae)ではゲノムの全塩基配列が公知となって
おり、PCRの技術を用いて容易にkgd1やgad1
遺伝子をクローニングすることが可能である。目的とす
る遺伝子の少なくとも一部を含むDNA断片をPCRに
より増幅し、これを大腸菌の宿主−ベクター系を用いて
クローニングする。クローニングされた断片の塩基配列
を確認し、変異を導入したい遺伝子の断片であることを
確認した後、変異の導入に使用する。サッカロミセス・
セレビシエ以外の酵母を用いる場合でも、サッカロミセ
ス・セレビシエのゲノムの配列を基に設計したプライマ
ーを用いてPCRを行うことにより、目的の遺伝子を増
幅することが可能な場合もある。また、PCRでのクロ
ーニングが困難である場合には、目的の遺伝子産物(酵
素)を精製し、そのアミノ酸配列を調べることによりク
ローニング用のプライマーやプローブを設計して確度高
くクローニングを行うことも可能である。
【0014】クローニングしたkgd1、gad1等を
含む遺伝子断片を用いてこれら遺伝子に変異を起こす方
法として、遺伝子破壊によるものが便利である。即ち、
目的とする遺伝子のコーディング領域の一部であり、か
つ蛋白質のN−末端およびC−末端に相当する部分を含
まないDNA断片を制限酵素等を用いて切り出し、これ
を酵母用のyIp型ベクターに接続する。これを用いて
酵母の形質転換を行い、遺伝子破壊株を選択する。酵母
の形質転換用ベクターとしては、抗生物質等の薬剤耐性
遺伝子をマーカーに利用したものが形質転換株を選択す
る上で有利である。
【0015】遺伝子破壊以外の方法として、部位特異的
突然変異(Nucleic Acids Res. 10,6487-6500 (1982))
も利用することができる。公知の定法を用いて、クロー
ニングしたDNA断片のコーディング領域に欠失、挿
入、置換等の変異を導入する。この場合は、変異が導入
された株を効率よく検出するためには、薬剤耐性マーカ
ーを有するyEp型やyRp型のプラスミドとの同時形
質転換を行い、薬剤耐性を示すコロニーから選択するこ
とにより、目的の変異が導入された株を高頻度に選択す
ることが可能になる。
【0016】こうして変異を導入したDNAを酵母のゲ
ノムへ導入する工程にも形質転換法が利用できる。すな
わち変異が導入されたDNA断片を用いて酵母の形質転
換を行い、変異DNAがゲノムDNAと置換された酵母
を選択する。形質転換には公知の定法、即ちプロトプラ
スト法、アルカリ・カチオン法やエレクトロポレーショ
ン法が利用できる。目的の変異がゲノム中に導入された
かどうかは、PCRによる確認も可能であるし、遺伝子
産物である酵素の活性を定法(α-ketoglutarate dehyd
rogenase:J. Biol. Chem 249,3660-3670(1969), Advanc
e in Biophysics(Kotani,M.,ed) Vol 9,pp.187-227,Uni
v. of Tokyo press, Glutamate decarboxylase: Meth.B
iochem.Anal. 4,285-306 (1957), Biochem.Biophys.Re
s. Commun. 28,525-530(1967), Biochemistry 9,226-23
3(1970), Glutamine synthetase:Anal.Biochem., 95, 2
75-285 (1979))に従い測定することでも確認できる。
【0017】先にも述べたように、酵母の中にはKGD
やGADの活性を低下させることによりグルタミンやグ
ルタミン酸を細胞内に高濃度に蓄積するものとしないも
のとが存在するが、一方、遺伝子工学の技術、即ち遺伝
子破壊や部位特異的突然変異を用いることにより、これ
らの差を容易に判別できることが可能となり、選別され
た優秀な株を育種の元株として利用することにより、確
度高く本発明の酵母が育種可能となることを意味する。
具体的には、遺伝子破壊や部位特異的突然変異を用いて
これらの変異(遺伝子破壊)を導入後、該酵母を培養
し、公知の方法を用いて細胞内の遊離グルタミン及び遊
離グルタミン酸濃度を測定することにより、本発明に利
用可能な酵母を選択することができる。変異株(遺伝子
破壊株)選択の基準は、細胞内に多くのグルタミン酸や
グルタミンを蓄積していることである。そのような酵母
をグルタミナーゼ存在下に消化することでグルタミン酸
含量が高く、かつ味に厚みのある酵母エキスが製造でき
る。
【0018】細胞内グルタミン及びグルタミン酸濃度は
以下のようにして測定する。酵母の培養液より遠心分離
により酵母菌体を集め、適宜水洗を行った後に凍結乾燥
を行う。凍結乾燥した酵母菌体(重量既知)を水に懸濁
後、ガラスビーズで破砕し、さらにその遠心上清に対し
て熱水抽出を行う。これをそのまま、及びグルタミナー
ゼ反応を行ったものの双方につき、アミノ酸分析等の既
知の方法でグルタミン酸濃度を測定し、グルタミナーゼ
反応の前後におけるグルタミン酸濃度を比較することに
より細胞内遊離グルタミン酸と遊離グルタミンの濃度が
算出される。また、アミノ酸分析装置の条件を変更する
ことにより、グルタミナーゼ反応前の抽出液におけるグ
ルタミンとグルタミン酸とをそれぞれ同時に定量するこ
とも可能である。
【0019】酵母にkgd1またはgad1変異を単独
で導入した場合には、酵母の乾燥重量1g当たり16〜
22mgの遊離グルタミンと21〜30mgの遊離グル
タミン酸が蓄積され、この酵母を消化することで固形分
当たり12〜15%のグルタミン酸を含む酵母エキスが
製造できる。このようにして得られた酵母エキスの呈味
の特徴は、単にグルタミン酸を所要量外添して製造され
たものに比して旨味の感応時間が長く、かつこく味、塩
なれ効果等が付随しており、更に味に厚みが加わって全
体的に調和のとれたものである。この呈味の特徴は酵母
エキス中のグルタミン酸において、少なくとも3%以上
が細胞内遊離グルタミン由来であることに一応の臨界的
意義があると推察される。そしてこの3%以上の遊離グ
ルタミンを乾燥酵母1g中の量に換算すると少なくとも
15mgになる。
【0020】細胞内にグルタミンが蓄積する酵母を消化
することにより味に厚みのある酵母エキスができる理由
は明らかではないが、グルタミンの蓄積により細胞内窒
素代謝のバランス、即ちアミノ酸と有機酸とのバランス
が変化し、その結果厚みのある酵母エキスができるもの
と推察される。また酵母を消化する際にグルタミナーゼ
反応の工程を追加することで遊離のグルタミンを効率よ
くグルタミン酸に変換することができ、旨味力価の点で
も優れた酵母エキスが製造できる。旨味力価の高い酵母
エキスを製造するためには、細胞内の遊離グルタミンと
遊離グルタミン酸との濃度の合計が30mg/g乾燥菌
体以上となることが望ましい。
【0021】本発明において、KGDおよびGADの活
性を低下させることにより細胞内グルタミンが増加する
酵母の具体例として、サッカロミセス・セレビシエIF
O10150があげられる。この株は実験室酵母として
財団法人発酵研究所より誰でも購入可能である。サッカ
ロミセス・セレビシエIFO10150に対し、kgd
1遺伝子破壊を実施することにより、この株は細胞内に
16mg/g乾燥菌体以上と、元株の約2.5倍の遊離
グルタミンを蓄積する。またこの株に対してgad1遺
伝子破壊を行うと、細胞内遊離グルタミン含量は21m
g/g乾燥菌体となる。さらにkgd1とgad1の両
者を破壊した場合には24mg/g乾燥菌体の遊離グル
タミンを蓄積できる。
【0022】一方、同じサッカロミセス・セレビシエで
もYPH499、YPH500、YPH501株(何れ
もストラタジーン(Stratagene)社より購入
可能)に対しkgd1破壊を行っても、細胞内遊離グル
タミン量は4.0〜4.8mg/g乾燥菌体程度と、元
株と比べてほとんど増加しない。これらの株に対してg
ad1遺伝子破壊を行うと、細胞内遊離グルタミンは僅
かに増加し6.0〜6.4mg/g乾燥菌体となるが、
kgd1とgad1の双方を破壊してもgad1破壊株
と比べてグルタミン量は増加しない。
【0023】実用酵母においても同様に遺伝子破壊によ
るグルタミン蓄積量が変化する株と変化しない株に選別
することができる。通常実用酵母は2倍体の形で存在す
るが、これより胞子を形成させ、1倍体の形で遺伝子破
壊による評価を行う。胞子形成により得られる1倍体酵
母の中で、遺伝子破壊により細胞内遊離グルタミン量が
増加する株を選別することができる。選択された1倍体
酵母に対し、部位特異的突然変異(Nucleic Acids Res.
10, 6487-6500 (1982))や、通常の変異誘発剤を用い
た突然変異の誘発を実施し、KGDやGADの活性が低
下した株を選択することにより、本発明の酵母が育種で
きる。一般に1倍体酵母は2倍体酵母に比べて生育速度
が遅い場合が多いことから、育種された1倍体酵母を元
に2倍体酵母を作製することも交雑や細胞融合の技術を
用いれば可能である。
【0024】また、遺伝子破壊や部位特異的突然変異を
導入した酵母をそのまま酵母エキスの製造に利用するこ
とは可能であるが、組換えDNA技術を用いて作製した
酵母を食品原料として利用するためのガイドラインはま
だ制定されていない。そこで、組換えDNA技術を利用
することなく上記のような酵母を育種することが実質的
には重要になってくる。遺伝子破壊などの操作により選
択された元株、即ち部位特異的突然変異や遺伝子破壊に
より選択された元株、即ち細胞内グルタミン量を増加さ
せる能力のある株を元株とし、これらに紫外線照射や変
異誘導物質による突然変異を施し、KGDやGAD活性
の低下した株を選択することで食品衛生上問題のない酵
母を育種することができる。幸いにも、kgd1破壊株
はエタノール、グリセリンまたはピルビン酸等を単一炭
素源として生育できない表現型を有する場合が多く、こ
れを指標として目的の変異株を選択することも可能であ
る。また、直接細胞内グルタミン濃度を測定することに
よっても目的の変異株が選択できる。選択された変異株
は、そのままでは生育速度や収率が悪い場合が多いた
め、交雑や細胞融合を繰り返すことにより生育速度や収
率がよく、かつ細胞内グルタミン濃度が高い株を育種す
ることができる。酵母エキスの調製 酵母の培養方法は既知の方法と何ら変わりはない。蔗糖
やグルコース、液糖、廃糖蜜等を炭素源として、アンモ
ニアや尿素を窒素源として含む培地で該酵母を培養す
る。酵母によるアルコール発酵を抑えるため、酸素の供
給は充分に行う必要があるが、酸素が過剰に供給される
とグルタミン酸やグルタミンの蓄積が低下する場合もあ
るため、あらかじめ酵母株毎に最適の酸素供給量を求め
ておくと良い。培養終了後、遠心分離や濾過により酵母
菌体を集める。
【0025】集めた酵母菌体より酵母エキスを得る場合
も公知の方法が利用可能である。典型的な例を示せば、
酵母に水を添加し、酵母の細胞壁を溶解することにより
内部に含まれる成分を抽出する。その後、酵母の有する
酵素および/または外部から添加した酵素により酵素分
解する。
【0026】酵母の有する酵素で自己消化するには、4
0〜55℃で6〜72時間反応すればよい。酵素を添加
して消化する場合は、タンパク質の分解にはプロテアー
ゼ、細胞壁の溶解には細胞壁溶解酵素、グルタミンのグ
ルタミン酸への変換にはグルタミナーゼ、呈味性核酸の
生成にはデアミナーゼおよびヌクレアーゼ等を必要に応
じて添加する。酵素を添加する際は、原料酵母由来の酵
素が存在していてもよいし、失活していてもよい。
【0027】酵素を添加する順序は、先ず細胞壁溶解酵
素を添加し、次いで必要に応じてプロテアーゼを添加し
て反応させる。その後、さらにグルタミナーゼを添加し
て反応させてもよい。グルタミナーゼとの反応は、グル
タミン酸の量を高めて酵母エキスの呈味力価を高めるた
め本発明の好ましい態様である。さらに、得られた酵母
エキスの核酸成分による旨味を向上させるため、酵母の
核酸をエキス中に抽出することも好ましい。その場合
は、反応物をpH8.5付近で約65℃、2時間程加熱
することにより酵母中の核酸を十分に効率良くエキス中
に抽出することができる。こうして得られた酵母エキス
は、さらに例えば約90℃、30分程度の加熱により菌
体内の酵素および添加した各種酵素を失活させることが
好ましい。
【0028】上記の各種酵素は、市販されている酵素を
そのまま使用することができる。例えば、プロテアーゼ
としてはプロテアーゼA「アマノ」(天野製薬)、プロ
テアーゼN「アマノ」(天野製薬)等が、細胞壁溶解酵
素としては、YL−15(天野製薬)、キタラーゼM
(クミアイ化成)等が、グルタミナーゼとしてはグルタ
ミナーゼダイワC100(大和化成)、グルタミナーゼ
F「アマノ」(天野製薬)等が、デアミナーゼとしては
デアミザイム(天野製薬)、ヌクレアーゼとしてはヌク
レアーゼ「アマノ」(天野製薬)が挙げられる。これら
の酵素は通常、原料に対して0.01%〜5%(好まし
くは0.1〜2%)が添加される。プロテアーゼの反応
はpH4〜7(好ましくは5〜6)、温度40〜60℃
(好ましくは40〜55℃)で行い、反応時間は1〜7
2時間(好ましくは16〜24時間)が適当である。そ
の他の各酵素反応の温度は各酵素の至適温度、至適pH
域であれば問題ない。各反応時間はそれぞれ0.5〜8
時間(好ましくは1〜4時間)が適当である。
【0029】これらにより、本発明の酵母を消化して得
られたエキスの乾燥固形分中のグルタミン酸量は12%
以上となる。酵素反応後は酵素を熱失活し、遠心分離も
しくはフィルタープレス等で菌体残渣を除き上清を得
る。目的に応じて上清はUFやMF等で膜濾過し、澄明
化を行うとよい。得られた液を目的の固形分量まで濃縮
する。濃縮以外に粉末化をおこなってもよい。粉末化は
スプレードライや凍結乾燥などを適宜選択するとよい。
粉末化の際に助剤を用いてもよい。このようにして製造
された酵母エキスはグルタミン酸の旨味が強く酵母エキ
スの複雑な呈味と相俟って良好な呈味を示すとともに、
グルタミン酸を外添した場合には見られない厚みがあ
り、調味料として非常に好ましい呈味を示す。
【0030】以下実施例により本発明の詳細を説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
【実施例】遺伝子破壊株の作製と確認は以下に示す方法
を用いた。 (1)2−ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ遺伝子(k
gd1)のクローニングと遺伝子破壊 サッカロミセス・セレビシエIFO10150より、ニ
ッポンジーン社製ゲノム抽出キット(ISOPLAN
T)を用いてゲノムDNAを抽出した。ゲノムDNA約
100ngに、配列表の配列番号1に示したプライマー
DNA約1μgと配列表の配列番号2に示したプライマ
ーDNA約1μgを加えた。これを液量50μlで宝酒
造社製LA−Taqを用いてPCRを行った。PCRの
条件は、95℃0.5分、55℃1分、72℃1.5分
の25サイクルとした。約1.3kbの断片の増幅を確
認し、これをQIAGEN社製DNA精製キットで精製
した。PCR産物を制限酵素SacIで消化し、pKF
18のSacI切断点に組み込み、エシェリシア・コリ
(Escherichia coli)JM109株
(宝酒造社より購入)にエレクトロポレーション法によ
り導入した。組み換えプラスミドを調整後、挿入断片の
DNA配列を確認した結果、挿入断片は配列表の配列番
号3に示すDNA配列を有することを確認した。挿入断
片はサッカロミセス・セレビシエのkgd1遺伝子のコ
ーディング領域(1015アミノ酸残基をコードしてい
る)の中で80番目から497番目のアミノ酸残基に相
当する部分であった。
【0032】この挿入断片を再度SacIで切り出し、
yIp型のシャトルベクターであるpAUR101(宝
酒造)のSacI切断点に組込んだ組換えプラスミドp
AUR101−KGD1を作製した。このプラスミドに
は挿入断片中に制限酵素NruI切断点が存在するた
め、この制限酵素で切断したプラスミドを用いてエレク
トロポレーション法により酵母の形質転換を実施した。
YPD寒天培地(10g/L酵母エキス,20g/Lペ
プトン,20g/Lグルコース,20g/L寒天)上で
0.5μg/mlのオーレオバシジンに耐性を示す形質
転換株につき、Shiio, I. and Ujigawa-Takeda, K., Ag
ric.Biol.Chem., 44, 1897-1904 (1980)に記載された方
法で2−ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ活性を測定し
た。
【0033】(2)グルタミン酸デカルボキシラーゼ遺
伝子(gad1)のクローニングと遺伝子破壊 PCRのプライマーとして配列表の配列番号4および5
のDNAを用いた。酵母のゲノムDNAを鋳型とし、上
記と同じ条件でPCRを行い、約1.0kbの断片の増
幅を確認した。増幅されたDNAを精製した後、制限酵
素SacIで消化し、pKF18のSacI切断点に挿
入した。挿入断片のDNA配列を配列表の配列番号6に
示した。この断片は、サッカロミセス・セレビシエのg
ad1遺伝子のコーディング領域(586アミノ酸残基
をコードしている)の中で141番目から461番目ま
でのアミノ酸残基に相当する部分であった。
【0034】この挿入断片を酵母のyIp型ベクターで
あるpI−RED1(東洋紡績)に組み込み、pI−R
ED1−GAD1を得た。このプラスミドが挿入断片上
に唯一有する制限酵素切断点NruIでプラスミドDN
Aを消化し、これを用いてエレクトロポレーション法に
より酵母の形質転換を行った。YPD寒天培地上で10
0μg/mlのシクロヘキシミドに耐性を示す形質転換
株につき、Okada, Y.and Shimada, C., Brain. Res., 9
8, 202-206 (1975)に記載された方法を用いてグルタミ
ン酸デカルボキシラーゼ活性を測定した。ただし、この
活性測定の際に行うγ‐アミノ酪酸量の測定は島津製作
所製アミノ酸分析装置ALC−1000を用いて定量し
た。
【0035】(3)グルタミンシンセターゼ遺伝子(g
ln1)のクローニングと遺伝子破壊 PCRのプライマーとして配列表の配列番号7および8
のDNAを用いた。酵母のゲノムDNAを鋳型とし、上
記と同じ条件でPCRを行い、約0.4kbの断片の増
幅を確認した。増幅されたDNAを精製した後、制限酵
素SacIで消化し、pKF18のSacI切断点に挿
入した。挿入断片のDNA配列を配列表の配列番号9に
示した。この断片は、サッカロミセス・セレビシエのg
ln1遺伝子のコーディング領域(351アミノ酸残基
をコードしている)の中で92番目から232番目まで
のアミノ酸残基に相当する部分であった。
【0036】この挿入断片を酵母のyIp型ベクターで
あるpI−RED1に組み込み、pI−RED1−GL
N1を得た。このプラスミドが挿入断片上に唯一有する
制限酵素切断点Eco0109IでプラスミドDNAを
消化し、これを用いてエレクトロポレーション法により
酵母の形質転換を行った。YPD寒天培地上で100μ
g/mlのシクロヘキシミドに耐性を示す形質転換株に
つき、Stadtman, E. R. et al, Anal. Biochem., 95, 2
75-285 (1979)に記載された方法を用いてグルタミンシ
ンセターゼ活性を測定した。
【0037】(4)細胞内遊離グルタミン及び遊離グル
タミン酸濃度の測定 合成培地(6.7g/LYeast Nitrogen
Base(Difco社製),20g/Lグルコー
ス,必要に応じて0.5μg/mlのオーレオバシジン
または100μg/mlのシクロヘキシミドを添加し
た)50mlを含む500ml容バッフル付きフラスコ
で、30℃、120rpmのロータリーシェーカーによ
り18時間の振盪培養を行った。酵母菌体を1500×
gで4℃、5分の遠心分離により集菌し、2回水洗を行
った後、洗浄菌体を回収した。これを凍結乾燥して乾燥
菌体重量を測定した。乾燥菌体約30mgを1.5ml
容エッペンドルフチューブに入れ、これに450μlの
蒸留水と480mgのガラスビーズ(BRAUN社製、
0.45−0.50mm)を加え、トミー社製マイクロ
チューブミキサーを用いて最大回転数にて2分間攪拌し
た。これを氷上で2分間冷却した。この操作を4回繰り
返すことにより、酵母細胞を破砕した。遠心分離(10
000×g、4℃、5分)により上清を回収し、これを
95℃で15分間加熱して蛋白を沈殿させた。反応物の
一部を取り、残りに10mg/mlのグルタミナーゼ
ダイワC−100の溶液を等量添加し、37℃で20分
反応させた。遠心分離(10000×g、4℃、5分)
により沈殿物を除去した。グルタミナーゼ反応前後のサ
ンプルにつき島津製作所製アミノ酸分析装置ALC−1
000を用いてアミノ酸分析を行い、両者の差からグル
タミンの量を求めた。分析されたグルタミン及びグルタ
ミン酸の量と、用いた酵母乾燥菌体重量から細胞内遊離
グルタミンと遊離グルタミン酸量を求めた。
【0038】(5)酵母の培養 酵母をYPD平板培地で一昼夜培養後、一白金耳を合成培
地(6.7g/LYeast Nitrogen Ba
se(Difco社製),20g/Lグルコース,必要
に応じて0.5μg/mlのオーレオバシジンまたは1
00μg/mlのシクロヘキシミドを添加した)10m
lに接種し、上記(4)と同様の条件で30℃で24時
間培養した。この培養液のOD660nmを分光光度計
UV-160A(島津製作所)で測定した。次にこの培養液を
シードとし、50mlの合成培地に対しOD660nm
値が0.063±0.002となるように接種し、30
℃で18時間培養した。得られた培養液を遠心分離(1
500xg,5分)し、得られた菌体を生理食塩水で洗
浄した。洗浄後、上記と同様の条件にて遠心分離し、菌
体を集めた。
【0039】実施例1 組換えプラスミドpAUR101−KGD1のNruI
消化物を用いてサッカロミセス・セレビシエIFO10
150の形質転換を行った。オーレオバシジン耐性を示
すコロニーにつき、2−ケトグルタル酸デヒドロゲナー
ゼ活性がないことを確認した(0.62nmol/mi
n/mg protein以下)後、細胞内遊離グルタ
ミン及び遊離グルタミン酸濃度を測定した。対照とし
て、pAUR101で形質転換したIFO10150を
用いた。細胞内遊離グルタミンと遊離グルタミン酸の濃
度は、対照株でそれぞれ7.4mg/g乾燥菌体、1
0.6mg/g乾燥菌体であったのに対し、遺伝子破壊
株ではそれぞれ16.2mg/g乾燥菌体、21.5m
g/g乾燥菌体であった。
【0040】実施例2 組み換えプラスミドpI−RED1−GAD1のNru
I消化物を用いてサッカロミセス・セレビシエIFO1
0150の形質転換を行った。シクロヘキシミド耐性を
示すコロニーにつき、グルタミン酸デカルボキシラーゼ
活性がない(0.01U/mg以下)ことを確認後、細
胞内遊離グルタミン及び遊離グルタミン酸濃度を測定し
た。対照としてベクターDNAによる形質転換株を用い
た。細胞内遊離グルタミンと遊離グルタミン酸の濃度
は、対照株でそれぞれ6.8mg/g乾燥菌体、10.
3mg/g乾燥菌体であったのに対し、遺伝子破壊株で
はそれぞれ21.2mg/g乾燥菌体、27.1mg/
g乾燥菌体であった。
【0041】実施例3 上記実施例1で得られた形質転換株に対し、さらに実施
例2と同様の方法を用いてGAD1遺伝子を破壊した。
酵素活性を確認することにより遺伝子破壊を確認し、細
胞内グルタミン及び遊離グルタミン酸濃度の測定を行っ
た。遺伝子を2重に破壊した株では、細胞内遊離グルタ
ミンと遊離グルタミン酸の濃度はそれぞれ24.2mg
/g乾燥菌体、29.7mg/g乾燥菌体であった。
【0042】比較例1 組換えプラスミドpAUR101−KGD1のNruI
消化物を用いてサッカロミセス・セレビシエYPH49
9の形質転換を行った。オーレオバシジン耐性を示すコ
ロニーにつき、2−ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ活
性がないことを確認した後、細胞内遊離グルタミン及び
遊離グルタミン酸濃度を測定した。対照として、pAU
R101で形質転換したYPH499を用いた。細胞内
遊離グルタミンと遊離グルタミン酸の濃度は、対照株で
それぞれ4.6mg/g乾燥菌体、7.4mg/g乾燥
菌体であったのに対し、遺伝子破壊株ではそれぞれ4.
4mg/g乾燥菌体、6.7mg/g乾燥菌体であっ
た。
【0043】比較例2 組み換えプラスミドpI−RED1−GAD1のNru
I消化物を用いてサッカロミセス・セレビシエYPH4
99の形質転換を行った。シクロヘキシミド耐性を示す
コロニーにつき、グルタミン酸デカルボキシラーゼ活性
がないことを確認後、細胞内遊離グルタミン及び遊離グ
ルタミン酸濃度を測定した。対照としてベクターDNA
による形質転換株を用いた。細胞内遊離グルタミンと遊
離グルタミン酸の濃度は、対照株でそれぞれ3.9mg
/g乾燥菌体、6.2mg/g乾燥菌体であったのに対
し、遺伝子破壊株ではそれぞれ6.5mg/g乾燥菌
体、9.9mg/g乾燥菌体であった。
【0044】比較例3 上記比較例1で得られた形質転換株に対し、さらに比較
例2と同様の方法を用いてGAD1遺伝子を破壊した。
酵素活性を確認することにより遺伝子破壊を確認し、細
胞内遊離グルタミン及び遊離グルタミン酸濃度の測定を
行った。遺伝子を二重に破壊した株では、細胞内遊離グ
ルタミンと遊離グルタミン酸の濃度はそれぞれ7.8m
g/g乾燥菌体、11.1mg/g乾燥菌体であった。
【0045】実施例4 実施例1、2及び3で得られた酵母をそれぞれ乾燥固形
分当たり20g用い、固形分10%になるように水を加
え、十分に撹拌懸濁した。この懸濁液を40%NaOH
溶液でpH5.7に調整した後、細胞壁溶解酵素YL−
15(天野製薬)を乾燥固形分当たり0.1%添加し、
45℃で8時間反応させた。反応後、70℃で30分加
熱して酵素を失活させ、37℃まで冷却した。グルタミ
ナーゼダイワC−100(大和化成)を固形分あたり1
%添加し、37℃で1時間反応させた。反応終了後、7
0℃で30分加熱した後、遠心分離により上清を得た。
得られた上清を凍結乾燥し、酵母エキス粉末を得た。エ
キス固形分回収率は52%〜56%であった。グルタミ
ン酸含量は、対照とした非欠損酵母を用いたエキスで
5.9%、2−ケトグルタル酸デヒドロゲナーゼ欠損酵
母を用いたエキスで12.6%、グルタミン酸デカルボ
キシラーゼ欠損酵母を用いたエキスで15.1%、両酵
素が欠損した酵母を用いたエキスで16.2%であっ
た。得られたエキスの味質は、欠損酵母を用いたエキス
においてグルタミン酸の旨味が非常に強く感じられるも
のであり、独特の味の厚みが感じられた。
【0046】実施例5 実施例1、2及び3で得られた酵母をそれぞれ乾燥固形
分当たり20g用い、固形分10%になるように水を加
え、十分に撹拌懸濁した。この懸濁液を40%NaOH
溶液でpH8.5に調整した後、65℃で2時間加熱
し、90℃で30分加熱した。この液を75%リン酸で
pH5.8に調整し、プロテアーゼN「アマノ」を基質
タンパク質当たり0.2%添加し、52℃で12時間反
応させた。70℃で30分間加熱し、酵素失活を行い、
さらに、75%リン酸でpHを5.3に調整した後、ヌ
クレアーゼ「アマノ」(天野製薬)を乾燥固形分当たり
0.04%添加し、64℃で4時間反応させた。ヌクレ
アーゼによる反応後、40%NaOH溶液でpHを5.
6に調整した。デアミザイム(天野製薬)を乾燥固形分
当たり0.04%添加し、45℃で2時間反応させた。
この後、酵素失活のために70℃で30分加熱し、遠心
分離により上清を得た。得られた上清を凍結乾燥し、酵
母エキス粉末を得た。エキス固形分回収率は50%〜5
2%であった。グルタミン酸含量及び(イノシン酸+グ
アニル酸)含量は、対照とした非欠損酵母を用いたエキ
スで4.2%及び1.8%、2−ケトグルタル酸デヒド
ロゲナーゼ欠損酵母を用いたエキスで14.0%及び
1.7%、グルタミン酸デカルボキシラーゼ欠損酵母を
用いたエキスで17.4%および1.8%、両酵素が欠
損した酵母を用いたエキスで19.1%及び1.8%で
あった。得られたエキスの味質は、欠損酵母を用いたエ
キスにおいてグルタミン酸と(イノシン酸+グアニル
酸)による旨味の相乗作用が強く引き出され、旨味が非
常に強く感じられるものであった。またこの酵母エキス
にも独特の味の厚みが感じられた。
【0047】比較例4 組み換えプラスミドpI−RED1−GLN1のEco
0109I消化物を用いて実施例1で得られたkgd1
破壊株を更に形質転換した。シクロヘキシミド耐性を示
すコロニーにつき、グルタミンシンセターゼ活性がない
(0.01U/mg以下)ことを確認後、細胞内遊離グ
ルタミン及び遊離グルタミン酸濃度を測定した。kgd
1とgln1とを同時に破壊した株では、細胞内遊離グ
ルタミンと遊離グルタミン酸の濃度はそれぞれ40.2
mg/g乾燥菌体、4.4mg/g乾燥菌体であった。
【0048】この酵母より、実施例4と実質的に同じ方
法を用いて酵母エキスを製造した。エキス固形分回収率
は53%であり、グルタミン酸含量は15.0%であっ
た。得られたエキスには、グルタミン酸の旨味は強く感
じられたものの、独特の味の厚みは感じられなかった。
【0049】実施例6 細胞内遊離グルタミン濃度が酵母エキスの味の厚みに及
ぼす影響につき、熟練したパネラー(グルタミン酸ナト
リウムを識別する閾値が100ppm以下である人)2
5人により旨味強度と味の厚みの差を比較した。官能評
価には、実施例4で得られた酵母エキス4種、即ち対照
株由来のもの(エキスA)、kgd1破壊株由来のもの
(エキスB)、gad1破壊株由来のもの(エキスC)
とkgd1、gad1の同時破壊株由来のもの(エキス
D)と、比較例4で得られたkgd1、gln1同時破
壊株由来のもの(エキスE)を用いた。
【0050】官能評価の結果を表1に示したが、旨味力
価についてはエキスAに比べてエキスB、C、D、Eが
1%の危険率で勝っており、B、C、Eの間には有意差
は認められなかった。また、エキスBとエキスDとの比
較ではエキスDが5%の危険率で優れていると評価され
た。一方、味の厚みについては、エキスAに比べてB、
C、Dが5%の危険率で勝っていると評価されたが、エ
キスEはエキスAとの間で有意差はなかった。
【0051】
【表1】
【0052】以上のデータより酵母エキスの味の厚み
は、原料酵母細胞内の遊離グルタミンの濃度が少なくと
も15mg/g乾燥菌体以上の場合に発現していること
が確認された。この細胞内遊離グルタミンの値は酵母エ
キスを製造した場合エキス固形分当たり3%のグルタミ
ン酸に相当する。
【0053】
【発明の効果】酵母におけるグルタミン酸およびグルタ
ミンの代謝に関与する遺伝子を変異することにより、細
胞内に多量に遊離グルタミンと遊離グルタミン酸を蓄積
する酵は母が育種できた。また該酵母をグルタミナーゼ
を併用して消化することでグルタミン酸含量が高く呈味
力価に優れ、さらに従来の酵母エキスにはない味の厚み
が付与された呈味バランスの良い酵母エキスが製造でき
るようになった。
【0054】
【配列表】 <110> 日本たばこ産業株式会社 <120> 新規酵母及び酵母エキス <130> 002663 <160> 9 <210> 1 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 1 aagagctcaa cccaaagatt ccagctacaa aggc 34 <210> 2 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 2 aagagctctg gcatctgtgt ggaacttatg tctc 34 <210> 3 <211> 1294 <212> DNA <213> Saccharomyces cerevisiae <400> 3 aagagctcaa cccaaagatt ccagctacaa aggcttttca ggctcctccc agtatcagta 60 actttcccca gggtaccgaa gcagctccct tagggaccgc aatgactggt tcagtagatg 120 agaacgtctc cattcatcta aaagtgcaat tgctatgtag agcttaccaa gttagaggtc 180 atttaaaagc ccatatagat cctttaggga tctcatttgg tagtaataaa aataaccctg 240 ttcctccgga attgactcta gactactacg gctttagcaa acacgatctt gataaagaaa 300 tcaacctagg acctggtatc ctgccaaggt ttgcaaggga cgggaaatct aaaatgtctc 360 tgaaagagat tgtggatcat ctagaaaagt tatattgttc ctcttatggg gtacaataca 420 cacatattcc atctaagcaa aagtgtgatt ggttaagaga gagaattgag attcctgaac 480 cttaccaata tacagtggac caaaagagac aaatcttaga tagattaaca tgggccactt 540 cttttgagtc attcttatct acaaaatttc caaatgataa gaggttcggt ttagaaggtt 600 tggaaagtgt tgttccaggt attaaaactt tggttgatcg ttctgttgaa ttgggtgtag 660 aagatattgt tttgggtatg gctcaccgtg gtagattgaa cgttttatcc aatgtggtcc 720 gtaaaccaaa tgaatctatt ttttctgaat ttaagggttc gagcgctcgc gatgatattg 780 aaggatcggg tgatgtcaag taccatttgg gtatgaacta ccaaagacca actacgtctg 840 gtaagtacgt caatttatcg ctggtggcaa atccttctca tttagaatcc caagatccag 900 ttgttcttgg tagaactaga gctttattgc atgccaagaa cgatttgaag gaaaaaacaa 960 aggccttagg tgtgttatta catggtgatg ctgcttttgc tgggcagggt gttgtttatg 1020 aaaccatggg tttcttgacc ctaccagaat actctactgg tggtactatt catgttatta 1080 caaacaacca gatcggattc actacggatc caagatttgc aaggtccaca ccatatcctt 1140 ccgatttggc taaggccatt gatgccccaa ttttccatgt taacgctaat gacgtggaag 1200 ctgtgacctt tattttcaat ttagccgcag aatggagaca taagttccac acagatgcca 1260 gagacataag ttccacacag atgccagagc tctt 1294 <210> 4 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 4 aagagctctc ccgatgaaga accaataggc tg 32 <210> 5 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 5 aagagctcgg cacttctgga tattcttcgt gg 32 <210> 6 <211> 960 <212> DNA <213> Saccharomyces cerevisiae <400> 6 tcccgatgaa gaaccaatag gctgtgccac cacaggttct agtgaggcaa tcatgttggg 60 tggactcgcc atgaaaaaaa gatgggaaca cagaatgaag aatgctggta aagatgcttc 120 caagccgaac attataatgt cttctgcgtg ccaagtggca ttagagaagt ttacgagata 180 ttttgaagtg gaatgccgat tggttccggt atcccacaga agccatcata tgcttgaccc 240 agagtcgtta tgggattatg tagatgagaa cactattggc tgttttgtaa ttttaggaac 300 cacctacact ggccatttgg aaaatgtaga gaaagttgca gatgtcttgt cccaaattga 360 ggccaagcat cctgattgga gcaatactga tattccaatc catgcggatg gcgcttcagg 420 tgggtttatt atcccatttg gctttgaaaa agagcacatg aaagcttatg gcatggaacg 480 ttgggggttc aaccatccgc gtgtggttag tatgaacact agtggtcata agtttggctt 540 aaccactccc ggtctgggtt gggtgctatg gagagatgaa tccttactgg ctgatgaatt 600 gagattcaaa ctaaagtacc tcggtggcgt ggaagaaact ttcggtttga atttttcaag 660 acctggattt caagttgtcc atcaatactt caattttgtt tctctaggcc attcagggta 720 tagaacacaa ttccaaaatt ctctatttgt tgcaagagcg ttttctttcg aattattgaa 780 ttcgtcaaaa ttgcccggat gctttgaaat tgttagcagt atccatgaaa gcattgagaa 840 cgattccgcc cctaagtcag ttaaagacta ttgggaacac ccccaggctt acaaaccagg 900 tgtaccgctg gtagccttca aattgtccaa gaaattccac gaagaatatc cagaagtgcc 960 <210> 7 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 7 aagagctctg ataccaaact cttctgccac tc 32 <210> 8 <211> 32 <212> DNA <213> Artificial Sequence <400> 8 aagagctcat tgttgtcttg gccgcatgtt ac 32 <210> 9 <211> 421 <212> DNA <213> Saccharomyces cerevisiae <400> 9 attgttgtct tggccgcatg ttacaacaat gacggtactc caaacaagtt caaccacaga 60 cacgaagctg ccaagctatt tgctgctcat aaggatgaag aaatctggtt tggtctagaa 120 caagaataca ctctatttga catgtatgac gatgtttacg gatggccaaa gggtgggtac 180 ccagctccac aaggtcctta ctactgtggt gttggtgccg gtaaggttta tgccagagac 240 atgatcgaag ctcactacag agcttgtttg tatgccggat tagaaatttc tggtattaac 300 gctgaagtca tgccatctca atgggaattc caagtcggtc catgtaccgg tattgacatg 360 ggtgaccaat tatggatggc cagatacttt ttgcacagag tggcagaaga gtttggtatc 420 a 421
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中條 幸博 静岡県田方郡大仁町三福金山194−1 日 本たばこ産業株式会社食品研究センター内 Fターム(参考) 4B018 LE03 LE05 MD81 MF01 4B024 AA03 AA05 BA74 BA80 CA04 GA14 HA01 4B047 LB03 LB06 LB07 LB09 LE06 LF02 LF08 LG15 LG56 LP18 4B064 CA06 CA19 CC24 CE02 DA10 4B065 AA80X AA80Y AB01 AC20 BA02 CA17 CA41

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞内に、乾燥菌体1g当たり15mg
    以上の遊離グルタミンを含有する酵母。
  2. 【請求項2】 酵母が2−ケトグルタル酸デヒドロゲナ
    ーゼ活性及びグルタミン酸デカルボキシラーゼ活性のい
    ずれか一方又は双方が低下した変異株である請求項1記
    載の酵母。
  3. 【請求項3】 細胞内に、乾燥菌体1g当たり15mg
    以上の遊離グルタミンを含有する酵母を消化する工程を
    含んでなる、細胞内遊離グルタミン由来のグルタミン酸
    をエキス固形分に対して少なくとも3%含む酵母エキス
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 消化される酵母が請求項2記載の酵母で
    ある、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項3または4記載の方法により製造
    された酵母エキス。
  6. 【請求項6】 細胞内遊離グルタミン由来のグルタミン
    酸をエキス固形分に対して少なくとも3%含むことを特
    徴とする酵母エキス。
JP2000375410A 2000-12-11 2000-12-11 新規酵母及び酵母エキス Expired - Fee Related JP4638591B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000375410A JP4638591B2 (ja) 2000-12-11 2000-12-11 新規酵母及び酵母エキス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000375410A JP4638591B2 (ja) 2000-12-11 2000-12-11 新規酵母及び酵母エキス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002171961A true JP2002171961A (ja) 2002-06-18
JP4638591B2 JP4638591B2 (ja) 2011-02-23

Family

ID=18844424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000375410A Expired - Fee Related JP4638591B2 (ja) 2000-12-11 2000-12-11 新規酵母及び酵母エキス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4638591B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006129835A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Takeda-Kirin Foods Corp グルタミン酸高含有酵母エキスおよびその製造方法
WO2009110624A1 (ja) * 2008-03-04 2009-09-11 味の素株式会社 γ-グルタミルシステイン生産酵母及び酵母エキスの製造法
WO2009123019A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 株式会社 興人 酵母変異株と酵母エキス
WO2010058616A1 (ja) * 2008-11-18 2010-05-27 アサヒビール株式会社 グルタミン酸高含有酵母の製造方法
WO2010058527A1 (ja) 2008-11-18 2010-05-27 アサヒビール株式会社 グルタミン酸高含有酵母の製造方法
WO2010058551A1 (ja) 2008-11-18 2010-05-27 アサヒビール株式会社 アミノ酸高含有酵母の製造方法
EP2368444A1 (en) * 2008-12-24 2011-09-28 Angel Yeast Co., Ltd. Yeast extract with high glutamic acid content and producing method thereof
JP2013116101A (ja) * 2011-10-31 2013-06-13 Kohjin Life Sciences Co Ltd 食物繊維含量の高い酵母細胞壁画分
JP5363120B2 (ja) * 2006-12-27 2013-12-11 日本たばこ産業株式会社 甘味系アミノ酸高含有調味料組成物及びそれを得る酵母
US10827771B2 (en) 2015-04-28 2020-11-10 Tablemark Co., Ltd. Method for producing yeast extract, yeast extract obtained thereby, seasoning composition, and food

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4834898B1 (ja) * 1968-06-06 1973-10-24
DE4234240A1 (de) * 1992-10-10 1994-04-14 Huels Chemische Werke Ag Hefen mit hohem natürlichem Glutaminsäure-Gehalt
JPH09149787A (ja) * 1995-11-30 1997-06-10 Daiwa Kasei Kk 酸性グルタミナーゼとその利用
JPH10327802A (ja) * 1997-05-27 1998-12-15 Asahi Chem Ind Co Ltd 酵母エキス組成物およびそれを得るための酵母変異株
JP2000189169A (ja) * 1998-03-18 2000-07-11 Ajinomoto Co Inc L―グルタミン酸生産菌及びl―グルタミン酸の製造法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4834898B1 (ja) * 1968-06-06 1973-10-24
DE4234240A1 (de) * 1992-10-10 1994-04-14 Huels Chemische Werke Ag Hefen mit hohem natürlichem Glutaminsäure-Gehalt
JPH09149787A (ja) * 1995-11-30 1997-06-10 Daiwa Kasei Kk 酸性グルタミナーゼとその利用
JPH10327802A (ja) * 1997-05-27 1998-12-15 Asahi Chem Ind Co Ltd 酵母エキス組成物およびそれを得るための酵母変異株
JP2000189169A (ja) * 1998-03-18 2000-07-11 Ajinomoto Co Inc L―グルタミン酸生産菌及びl―グルタミン酸の製造法

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4651361B2 (ja) * 2004-11-09 2011-03-16 キリンフードテック株式会社 グルタミン酸高含有酵母エキスおよびその製造方法
JP2006129835A (ja) * 2004-11-09 2006-05-25 Takeda-Kirin Foods Corp グルタミン酸高含有酵母エキスおよびその製造方法
JP5363120B2 (ja) * 2006-12-27 2013-12-11 日本たばこ産業株式会社 甘味系アミノ酸高含有調味料組成物及びそれを得る酵母
WO2009110624A1 (ja) * 2008-03-04 2009-09-11 味の素株式会社 γ-グルタミルシステイン生産酵母及び酵母エキスの製造法
JPWO2009110624A1 (ja) * 2008-03-04 2011-07-14 味の素株式会社 γ−グルタミルシステイン生産酵母及び酵母エキスの製造法
WO2009123019A1 (ja) 2008-03-31 2009-10-08 株式会社 興人 酵母変異株と酵母エキス
JP2009261253A (ja) * 2008-03-31 2009-11-12 Kohjin Co Ltd 酵母変異株と酵母エキス
US9084435B2 (en) 2008-03-31 2015-07-21 Kohjin Co., Ltd. Yeast mutant and yeast extract
JP4757944B2 (ja) * 2008-11-18 2011-08-24 アサヒビール株式会社 酵母エキス
US9005683B2 (en) 2008-11-18 2015-04-14 Asahi Group Holdings, Ltd. Method for producing yeast with high glutamic acid content
JP2011115180A (ja) * 2008-11-18 2011-06-16 Asahi Breweries Ltd グルタミン酸高含有酵母の製造方法
JP2010148517A (ja) * 2008-11-18 2010-07-08 Asahi Breweries Ltd グルタミン酸高含有酵母
WO2010058551A1 (ja) 2008-11-18 2010-05-27 アサヒビール株式会社 アミノ酸高含有酵母の製造方法
EP3385369A1 (en) 2008-11-18 2018-10-10 Asahi Group Holdings, Ltd. Method for producing yeast with high glutamic acid content
EP2949745A1 (en) 2008-11-18 2015-12-02 Asahi Group Holdings, Ltd. Method for producing amino acid-rich yeast
WO2010058616A1 (ja) * 2008-11-18 2010-05-27 アサヒビール株式会社 グルタミン酸高含有酵母の製造方法
JP5730579B2 (ja) * 2008-11-18 2015-06-10 アサヒグループホールディングス株式会社 アミノ酸高含有酵母の製造方法
WO2010058527A1 (ja) 2008-11-18 2010-05-27 アサヒビール株式会社 グルタミン酸高含有酵母の製造方法
JP4503700B1 (ja) * 2008-11-18 2010-07-14 アサヒビール株式会社 グルタミン酸高含有酵母の製造方法
EP2368444A4 (en) * 2008-12-24 2012-05-30 Angel Yeast Co Ltd HIGH GLUTAMIC ACID YEAST EXTRACT AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME
JP2012507265A (ja) * 2008-12-24 2012-03-29 安▲チ▼酵母股▲フェン▼有限公司 グルタミン酸高含有酵母エキス及びその製造方法
EP2368444A1 (en) * 2008-12-24 2011-09-28 Angel Yeast Co., Ltd. Yeast extract with high glutamic acid content and producing method thereof
JP2013116101A (ja) * 2011-10-31 2013-06-13 Kohjin Life Sciences Co Ltd 食物繊維含量の高い酵母細胞壁画分
US10827771B2 (en) 2015-04-28 2020-11-10 Tablemark Co., Ltd. Method for producing yeast extract, yeast extract obtained thereby, seasoning composition, and food

Also Published As

Publication number Publication date
JP4638591B2 (ja) 2011-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6294228B2 (ja) 糖質酸化酵素とその製造方法並びに用途
JP4638591B2 (ja) 新規酵母及び酵母エキス
KR100951069B1 (ko) γ-글루타밀시스테인 생산 효모
KR20020019564A (ko) γ-글루타밀시스테인의 제조방법
JP5315600B2 (ja) γ−グルタミルシステイン生産酵母とその利用
KR101083974B1 (ko) 캔디다 유틸리스 기원의 글루타티온 신테타제 암호화 유전자
CN1774505B (zh) 含有γ-谷氨酰基半胱氨酸的产朊假丝酵母
CN110218710A (zh) 活性提高的磷酸转酮酶及在生产代谢物中的应用
US20040214308A1 (en) Gamma-glutamylcystein-producing yeast and method of screening the same
JP4352877B2 (ja) γ−グルタミルシステインの製造法
JP4228644B2 (ja) γ−グルタミルシステインの製造法
US7410790B2 (en) Method for producing γ-glutamylcysteine
US6541236B2 (en) Protein having glutaminase activity and gene encoding the same
CN113699129B (zh) 一种热稳定性和催化活性提高的谷氨酰胺转氨酶变体
WO2022141411A1 (zh) 一种热稳定性提高的谷氨酰胺转氨酶变体
KR101707067B1 (ko) 된장에서 분리된 내염성 효모 자이고사카로마이세스 멜리스 tk-01 균주 및 그 배양물
JP3587959B2 (ja) 改変ピラノース・オキシダーゼ、改変ピラノース・オキシダーゼ遺伝子、新規な組み換え体dna及び改変ピラノース・オキシダーゼの製造法
JP2011147348A (ja) カルボキシペプチダーゼ遺伝子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071030

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100809

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101008

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101028

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101126

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4638591

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees