JP2002171960A - 再生可能な原料から発酵培地を調製する方法 - Google Patents

再生可能な原料から発酵培地を調製する方法

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JP2002171960A
JP2002171960A JP2001343266A JP2001343266A JP2002171960A JP 2002171960 A JP2002171960 A JP 2002171960A JP 2001343266 A JP2001343266 A JP 2001343266A JP 2001343266 A JP2001343266 A JP 2001343266A JP 2002171960 A JP2002171960 A JP 2002171960A
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lactic acid
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JP2001343266A
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Jean-Jacques Caboche
ジャン−ジャック・カボシュ
Pierrick Duflot
ピエーリック・デュフロ
Catherine Fouache
カトリーヌ・フアシュ
Laurent Seigueilha
ローラン・セイゲイルハ
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Roquette Freres SA
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/40Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a carboxyl group including Peroxycarboxylic acids
    • C12P7/56Lactic acid

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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 再生可能な原料から、高純度の代謝物、好ま
しくは有機酸、ビタミン、アミノ酸および抗生物質から
なる群から選択された代謝物を調製するために適した培
地を調製する方法を提供すること。 【解決手段】 任意に、当該再生可能な原料を処理し、
微生物により直接的に同化されうる炭素源又は窒素源を
豊富にし、不溶性の不純物を除去する工程;ナノ濾過及
び電気透析からなる群より選択される技術を、単独又は
組合せで使用して、低分子量の不純物を当該再生可能な
原料より除去しつつも、直接同化されうる炭素源の濃度
を変化させない工程;低分子量の不純物が上記のように
除去された当該原料を処理して、微生物によって直接的
に同化されうる窒素源又は炭素源で補充する工程;上記
のようにして得られる発酵培地を回収する工程からなる
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生可能な原料か
ら発酵培地を調製する具体的な方法に関する。
【0002】より正確には、本発明は、再生可能な原料
を加工する具体的な方法に関し、よって、それを発酵に
直接使用して、代謝物を単離するための数多くの長く費
用のかかる精製段階を実施する必要なく、高純度の代謝
物を製造できる。
【0003】本発明の内容において、「再生可能な原
料」なる表現は、安く、未精錬で、一般的に無毒性で、
窒素および炭素源の豊富な、食品工業からの廃棄物を意
味する。
【0004】本発明の内容において、「代謝物」なる語
は、微生物により直接同化できる炭素源の発酵による変
換産物を意味する。これらは、有利には、有機酸、ビタ
ミン、アミノ酸および抗生物質からなる群から選択され
た代謝物であり、好ましくはL−乳酸などの有機酸であ
る。
【0005】
【従来の技術】前記の再生可能な原料の選択は、その入
手可能性、費用、および高生産性の可能性に基づくこと
が一般に認められている。
【0006】また発酵培地には、炭素源だけでなく、窒
素源も含まなければならず、これにミネラルおよび有機
塩を加えることも認められている。
【0007】「炭素源」は、糖蜜、コムギ、トウモロコ
シ、イネ、キャッサバまたはジャガイモのデンプン加水
分解産物などの再生可能な原料から得ることができる
が、「直接同化できる炭素源」は、前記炭素源から精錬
または精製された糖、例えばグルコース、フルクトー
ス、マルトース、サッカロース、ラクトースおよびデキ
ストリンである。
【0008】「窒素源」またはタンパク質をベースとし
た栄養分の例は、酵母抽出物、コーンスティープリカ
ー、非変性ミルク、糖蜜タンパク質、肉抽出物またはダ
イズ粉である。しかし、窒素源として酵母抽出物を使用
し、また追加のビタミンおよびミネラルを提供すること
がしばしば好ましい。
【0009】「直接同化できる炭素源」、すなわちグル
コースまたはサッカロース、または酵母抽出物からなる
発酵培地は、基本的に、例えば、乳酸、プロピオン酸、
グルコン酸、クエン酸等の有機酸、リジンなどの必須ア
ミノ酸、抗生物質または工業目的の任意の他の代謝物を
産生する発酵プロセスなどの、多種類の発酵プロセスに
使用できる。
【0010】これらの培地はまた、バイオマスの産生に
(例えば、乳酸発酵体の調製に)も適している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの培地
は、それから、同じく経済的に実行可能な代謝物の工業
的規模での産生にまで外挿することが不可能である(そ
の組成物に関して標準化された培地を提供することが困
難であるため、および、その後の精製段階から追加の費
用が生じるため)という欠点を有することが認められて
いる。
【0012】費用を減少するために、それ故、窒素また
は炭化水素源の一方が安い原料により提供され、発酵培
地の他方の成分が精錬または精製されている、発酵培地
を使用する選択がなされてきた。
【0013】乳酸などの有機酸の産生について、例え
ば、米国特許第5,416,020号は、乳清および乳清透過物
からL−乳酸を産生する方法を記載するが、酵母抽出物
も、二価マンガンの存在下で、実質的にL−乳酸を産生
するLactobacillus delbrueckii sub.bulgaricus ATCC5
5163の変異株と共に加える。
【0014】乳清透過物は、75重量%から80重量%
のラクトースを含むが、大きなタンパク質は全く含まな
い。それ故、微生物の増殖に必須な窒素源が欠乏してい
る。そのために酵母抽出物を加える必要がある。添加さ
れた乳清は、実質的に、65重量%から70重量%の程
度のラクトースを含む。
【0015】次いで、酵母抽出物は、発酵培地に、乳清
透過物または乳清それ自体により適切に提供されない栄
養分を供給する。
【0016】米国特許第4,467,034号は、新しいLactoba
cillus bulgaricus DSM2129株を使用して、原料として
の乳清から乳酸を産生することが可能であることを示
す。
【0017】しかし、乳清には、依然として、追加の窒
素源、すなわち肉抽出物、コーンスティープリカーまた
はダイズ粉、並びに、ビタミンおよびミネラル塩を提供
しなければならない。
【0018】これらの発酵培地を上記の条件下で使用す
ることにより、使用する原料の費用は僅かに減少する
が、窒素/炭素比に関して慎重に選択した組合せと、効
率的な産生に必要な添加物質が必要である。
【0019】さらに、これらの「再構成」培地は、例え
ば、膜分離、イオン交換、溶媒による抽出、電気透析お
よびラクテート塩の沈降などの多くの標準的な技術のい
ずれかによりその後単離および精製しなければならな
い、乳酸などの高純度の代謝物の製造には適していな
い。
【0020】Lactobacillusを用いて光学的に純粋な乳
酸を調製することに関連して、米国特許第4,769,329号
は、微生物の増殖を促進するためには、それ自体が生産
できない多くの物質、例えば、ビオチン、チアミン、ニ
コチン酸、ピリドキサミン、p−アミノ安息香酸、パン
トテン酸およびシアノコバラミンを添加することが必要
であることを説明する。
【0021】上記の成分は、MAN、ROGOSAおよびSHARPEに
より開発されたMRS培地などの複合培地の形で添加し
なければならないが、このプロセスは、工業的な乳酸の
製造には使用できない(過大な費用がかかり、標準的な
組成の培地を得ることが困難であるため)。
【0022】砂糖大根またはサトウキビ糖蜜またはコー
ンスティープリカーなどの複合培地は、細菌の増殖を刺
激するが、それ自体かなりの量のラセミ体の乳酸を含む
ので、光学的に純粋な乳酸の調製には使用できない。
【0023】光学的に純粋な酸は、前記のラセミ混合物
から、D−およびL−乳酸の塩を沈降させ再結晶するこ
とのみにより得ることができるが、これは複雑で費用が
かかる。
【0024】光学的に純粋な乳酸を得るために、米国特
許第4,769,329号は、ベーカー酵母を、ビタミン、窒
素、糖および微量ミネラル元素の供給源として使用する
ことを推奨する。培地はまた、直接同化でき、乳酸に変
換できる炭素源としてグルコース、サッカロースまたは
ラクトースも含む。
【0025】従って、高純度の代謝物、この場合は光学
的に活性な高純度乳酸を産生するための、精錬され、そ
れ故非常に費用のかかる培地に戻すことが必要である。
【0026】以前に列挙した従来技術の問題を解決しよ
うと多くの解決法が提案された。
【0027】第一の解決法は、ある発酵条件に特に耐性
である微生物の使用または微生物の混液の使用である。
第二の解決法は、再生可能な原料を前処理することであ
る。これらの2つの解決法は合わせることもできる。
【0028】米国特許第4,963,486号では、例えば、再
生可能な原料としてのトウモロコシの使用は、原料を糖
化する酵素およびそれを発酵してL−乳酸を産生する酵
素の両方に寄与する独特の能力を有する、Rhizopus ory
zaeとそれとの会合に限定される。
【0029】発酵は、20℃から40℃の範囲の温度
で、好ましくは30℃で実施する。中和剤を加えて、p
Hを安定化させなければならない。炭酸カルシウムを好
ましくは選択する。なぜなら、これは、4℃で沈降し、
高純度の乳酸の選択的な回収を可能とする、乳酸カルシ
ウムを形成するという特異な特徴を有するからである。
【0030】しかし、乳酸の精製法は最適化されていな
い。なぜなら、環境に有害な大量の石膏を生じるからで
ある。
【0031】米国特許第5,464,760号は、一般に無毒性
で直接発酵できる、食品廃棄物の豊富な供給は、様々な
好気性および嫌気性細菌の豊富で濃縮された炭素および
窒素源を提供すると指摘する。次いで、乳酸は、乳清透
過物、サトウキビまたは砂糖大根から、Lactobacillus
型の様々な乳酸菌により、高収率で、トウモロコシ、ジ
ャガイモまたはイネからのデンプンを加水分解し、次い
で前記微生物内で生物変換することにより直接産生でき
る。
【0032】しかし、5株の乳酸菌の混合培養物を使用
し、糖化および発酵を実施することが必要である。
【0033】デンプンを部分的に液化し、次いで、グル
コアミラーゼを乳酸菌と同時に導入できる特定のpHお
よび温度条件にかける。
【0034】しかしこの解決法は薦められない。なぜな
ら、ジャガイモ廃棄物から産生されたジャガイモ加水分
解物などの加水分解デンプンまたは任意のデンプン製造
業者から入手可能なグルコースシロップは、通常、5%
以下の「糖不純物」、すなわちペントース、マルトース
およびオリゴ糖を含み、これは、発酵の終了時に使用さ
れずに留まるか、または他の副産物、例えば酢酸に変換
され、これはその後の精製段階に問題を引き起こすから
である。
【0035】有機およびミネラル塩および酵母抽出物を
ベースとしたさらなる栄養分を添加することが依然とし
て必要である。
【0036】MOTOYOSHIら、Appl.Environ.Microbiol.19
86、52(2)、314〜319によると、乳酸が、発酵培地内に形
成された場合には、連続的な電気透析によりこれを除去
し、導入された微生物の個体群の不均衡を回避すること
がさらに必要である。
【0037】同様に、TIWARIら、Zbl.Bakt.II.Abt.Bd.、1
34、544〜546(1970)は、乳酸を産生するための、Lactobaci
llus bulgaricus、L.delbrueckiiを含むまたは含まない
L.caseiの混合培養物と希釈糖蜜の使用を記載する。
【0038】この技術は、糖蜜からの乳酸の産生収率を
増加させる試みで使用される。
【0039】しかし、この収率は、最善でも57.9%
を超えず、株は通常互いに、そのそれぞれの産生能につ
いて干渉する。
【0040】再生可能な原料の特定の処理からなる、第
二の解決法について、米国特許第3,429,777号の主題を
構成する発明の1つの目的は、乳酸マグネシウムから高
純度の乳酸の産生を可能とするに十分な純度の状態の糖
蜜を含む発酵培地から、自発的に結晶化する乳酸マグネ
シウムの顕著な特性を活用することである。
【0041】このように、マグネシウムを使用するプロ
セスは、例えばカルシウムを使用するなどの文献に通常
記載のもの程、複雑でなく、費用もかからないようであ
る。しかし、「砂糖で甘くした生アルコール飲料(liqu
or)」中の乳酸マグネシウムの純度は、乳酸カルシウム
よりも良い品質であっても、使用した再生可能な原料の
性質および品質の関数として変化することは、それでも
なお依然として真実である。
【0042】最後に、第三の解決法は、微生物、およ
び、発酵培地に導入された再生可能な原料の処理の両方
を可能とすることからなる。
【0043】例えば、デンプンは、しばしば、安い炭素
源として推奨されるが、全ての微生物がそれを代謝でき
るわけではなく、一方大半の微生物はグルコースを代謝
できる。
【0044】従って、仏国特許第2,635,534号に記載の
プロセスは、少なくとも1つの糖化デンプン分解酵素の
存在下で乳酸発酵を実施するが、このように処理した発
酵培地から不純物を削除する手段は全く開示していな
い。
【0045】MANHEIMおよびCHERYAMはJAOCSS、69、12、199
2で、加水分解酵素の制御使用およびコムギグルテンの
特異的画分を単離するための膜の技術を記載する。これ
らの技術は、ダイズにも外挿できる。
【0046】ヒト食物におけるコムギグルテン粉由来タ
ンパク質のより大量の使用を刺激するために、研究チー
ムは、その機能的特性のいくつかを修飾するためにプロ
テアーゼの使用を開発した。
【0047】しかし、発酵工業にこれらのタンパク質を
使用する、または、前記発酵培地から容易に精製された
代謝物を調製する、記載または示唆は全くない。
【0048】使用された他の戦略は、発酵培地を過剰に
修飾せず、その代わりに、産生株の増殖が微生物産生速
度を加速すること、および高濃度の乳酸に対する耐性を
確実にする。
【0049】このための慣用的な手段は、バイオマス再
循環および固定細胞である。
【0050】この場合、乳酸を、それが産生された場合
には回収して、それが細菌増殖および産生を阻害するの
を防がなければならない。
【0051】発酵と連結させた様々な技術、すなわち、
透析、電気透析、イオン交換レジン、2粒子流動床バイ
オリアクター、逆浸透および液-液抽出が使用され、発
酵培地から連続的に乳酸を除去されている。
【0052】しかし、培地の費用は、全産生費用の30
%以上を示す。それ故、安い栄養分が不可欠である。
【0053】それ故、乳酸などの高純度の代謝物を産生
する費用を減少させる多くの試みがなされてきたことは
明らかである。
【0054】しかし、前記の議論全体から、発酵培地を
調製するためにまたは発酵培地から代謝物を回収するた
めに多くの複雑で費用のかかるプロセス段階を使用する
ことなく、精製の容易な代謝物を発酵により産生する簡
単で効率的な方法の必要性は充足されていないことが分
かる。
【0055】それ故、通常経済的に実行可能な代謝物の
産生に伴い、最も重要には、その精製を複雑化させる全
ての不純物を排除する発酵条件を開発することが必要で
ある。
【0056】乳酸の場合、これは、再生可能な出発原料
にすでに存在するD−およびL−乳酸のラセミ混合物、
およびまた、発酵終了時に培地を凝結させる(clog)上
記した全ての「糖不純物」を意味する。
【0057】
【課題を解決するための手段】実際的な制約に対して既
存の方法よりも良好な応答から構成される方法を開発す
ることを切望して、本出願人は、この目的は、再生可能
な原料を、微生物により直接同化できる炭素および窒素
源を再生可能な原料から遊離するための酵素段階の組合
せにより処理することからなるプロセス、および、単離
する代謝物の品質を変化させるような、およびその後の
精製を妨害および/または複雑化させ得る全ての成分を
培地から排除するための、マイクロろ過およびナノろ過
または電気透析による特定の分離段階により達成できる
ことを発見した。
【0058】
【発明の実施の形態】本出願人により開発されたプロセ
スは、有利には、任意の経済的に実行可能な代謝物、好
ましくは有機酸、ビタミン、アミノ酸および抗生物質か
らなる群から選択された代謝物の産生に選択できる。
【0059】本発明に記載のプロセスは、特に、有機
酸、好ましくはL−乳酸から選択された代謝物を調製す
るのに適している。
【0060】本出願人により開発されたプロセスは、経
済的に実行可能な微生物個体群の産生に等しく選択でき
る。なぜなら、それは、前記個体群を汚染するような全
ての不純物を含まない、または、上記のある増殖阻害剤
を含まない発酵培地を提供するからである。
【0061】再生可能な原料から高純度の代謝物を産生
するための発酵培地を調製する、本出願人の発明に記載
の方法は、それが: a)所望により、前記の再生可能な原料を処理して、微
生物により直接同化できる炭素または窒素源でそれを豊
富化し、そして、不溶性不純物を排除し、 b)ナノろ過および電気透析からなる群から選択した技
術を、単独でまたは組合せて使用して、低分子量不純物
を、前記の再生可能な原料から、直接同化可能な炭素源
のその濃度を変化させることなく排除し、 c)このように低分子量不純物を排除した原料を処理し
て、微生物により直接同化できる窒素または炭素源でそ
れを補充し、そして d)このように得られた発酵培地を回収することからな
ることを特徴とする。
【0062】本発明に記載のプロセスの第一段階は、所
望により、再生可能な原料を処理して、微生物により直
接同化できる窒素または炭素源でそれを豊富化し、それ
から不溶性不純物を排除することからなる。
【0063】上記の処理は、再生可能な原料の性質の関
数として適応される。
【0064】本発明に記載のプロセスの第一の実施形態
において、再生可能な原料は、コムギ、トウモロコシ、
キャッサバ、ジャガイモのデンプンなどの、デンプン製
造の副産物、または、オオムギ、エンドウマメ等の加工
の副産物からなる群から選択される。
【0065】例えば、L−乳酸の産生には、有利には、
コムギデンプンの製造の副産物、より特定するとコムギ
可溶性物質、または、コーンスターチ製造の副産物、よ
り特定するとコーンスティープリカーが選択される。
【0066】ここで、再生可能な原料は、残留グルコー
ス源または炭素源としてのデンプンと、高分子量のタン
パク質を、窒素源としてのアミノ酸およびペプチドと共
に含む。
【0067】しかし、分解するに必要な酵素装置を有し
ているので、それ自体の増殖および経済的に実行可能な
代謝物の産生のために、デンプンまたは高分子量のタン
パク質を直接同化できる微生物もあるが、炭素および水
素源を直接同化できるようにそれらを処理する条件を必
要とする微生物もある。
【0068】コムギ可溶性物質は、例えば、湿式コムギ
デンプン産生プロセスのデンプン分離から生じる、Bコ
ムギデンプンの分離フローに由来する。Bデンプンは、
第二デンプンとしても知られるが、これは、実質的に、
圧倒的に比率の小さい、または傷害を受けた穀粒のデン
プンからなり、ペントサン、タンパク質および脂質など
の不純物を含む。
【0069】これらの不純物は、そのいくつかは慣用的
な精製および脱塩プロセスにより回避されるが、これ
は、これらのデンプンの加水分解物に見られ、それ故、
例えば、食物等級のデキストロースを製造するにはBデ
ンプンは不適切である。それ故、これらの種類のBデン
プンは、工業小売店で見つけるのは困難である。
【0070】本出願人は、それらを、少なくとも60℃
の温度に加熱し、発酵できる糖をそれらから遊離するた
めのα−アミラーゼおよびグルコアミラーゼで処理し、
そして所望により、上記のヘミセルラーゼ、ペプチナー
ゼおよびキシラナーゼを含む群から選択された、植物繊
維を分解できる酵素で処理することを推奨する。
【0071】約9%から約10%の乾燥物質含量を有す
る、コーンスティープサイロから直接採取したコーンス
ティープリカーについては、スティープリカーの必須成
分である、タンパク質が35重量%から40重量%であ
るという欠点は、同化が困難であることである。
【0072】本出願人は、これらのタンパク質は、アル
カリプロテアーゼからなる群から選択したタンパク質分
解酵素を使用して、その後の発酵段階でこれらのタンパ
ク質の代謝をより容易にするpHおよび温度の条件下で
処理できることを示した。1%/乾燥物の比、pH7お
よび温度60℃での約6時間の処理を有利には使用でき
る。
【0073】本発明に記載のプロセスの第二の実施形態
において、再生可能な原料は、ミルク、オオムギ、ダイ
ズ、サトウキビ、砂糖大根を単独でまたは組合せて加工
する上での副産物からなる群から選択される。
【0074】例えば、L−乳酸を産生するために、ミル
ク、より特定すると乳清(lactoserum)の加工から生じ
る副産物、および砂糖大根、より特定すると糖蜜の加工
から生じる副産物を選択することが有利である。
【0075】ここで、使用する再生可能な原料は、大半
の微生物により、より容易に同化される炭素源を含む。
【0076】従って、砂糖大根糖蜜は、例えば乳酸を産
生する微生物により直接同化できる炭素源としてサッカ
ロースを実質的に含む。
【0077】同じように、乳清の必須な糖化成分であ
る、ラクトースは容易に同化される。
【0078】しかし、これらのタンパク質は、ある微生
物については同化が困難である。
【0079】例えば乳酸を産生するためにミルク加工の
副産物を使用する場合、それ故、微生物での処理前にラ
クトース含有ミルクから本来の副産物のタンパク質分解
を実施することが有利であり得る。
【0080】タンパク質分解段階は、乳酸を産生する微
生物に対する、活性化作用を有するペプチドを形成す
る。
【0081】ラクトースを含有するミルクからの出発物
質は、例えば、穏やかなまたは酸性の乳清、乳清の超ろ
過の透過物、ラクトース、ラクトース結晶化源リカーで
あり得、これらの出発物質はさらにセリックタンパク質
(seric protein)またはカゼインを含むことができ
る。
【0082】タンパク質分解に使用できるプロテアーゼ
は、パンクレアチン、トリプシン、キモトリプシン、パ
パイン等を含む群から選択される。
【0083】選択した再生可能な原料に応じて、それ
は、その後、直接同化できる炭素または窒素源でこのよ
うに豊富化した前記原料から、高分子量の不溶性不純物
を排除することが必要であり得る。
【0084】不溶性不純物は大半は繊維であり得る。
【0085】例えば、不溶性物質は、有利には、後記の
ように単独でまたは組合せで、遠心分離およびミクロろ
過などの当業者に公知の任意の技術により、デンプンを
液化または糖化する酵素で処理したコムギ可溶性物質の
ために分離する。
【0086】その必須な特徴の1つを構成する、本発明
に記載のプロセスの第二段階は、単独でまたは組合せ
で、ナノろ過および電気透析からなる群から選択された
技術を使用して、直接同化できる炭素源の濃度を変化さ
せることなく、原料を処理して、原料から大半の低分子
量の不純物を排除することからなる。
【0087】本出願人は、このように、ナノろ過および
/または電気透析は、発酵培地それ自体の上ではなく、
発酵の終了時に乳酸産生培地上で、それを微生物で接種
する前に、実施しなければならないという影響に対する
技術的偏見を克服した。
【0088】再生可能な原料に基づいた発酵培地は、多
くの「低分子量不純物」、すなわち、本発明の内容にお
いて、前記発酵培地から産生された代謝物のその後の精
製段階を妨害する小分子を含む。
【0089】小分子は、例えば、微生物により同化でき
ない糖残基、例えばC5糖であり得、これはそれ故、発
酵培地を汚染する。
【0090】それらはまた、有機酸、例えばラセミDお
よびL−乳酸であり得、これは、経済的に実行可能な代
謝物として乳酸を産生する場合に、光学的に純粋な乳酸
の容易な回収を妨げる。
【0091】これらの小分子の排除に慣用的に使用され
る技術は当業者に公知であり、例えば膜ろ過技術、また
は低分子量不純物のサイズ範囲に適応された慣用的な電
気透析からなる。
【0092】しかし、当業者は、通常、発酵培地の処理
に上記の技術的解決法を採用しない。なぜなら、カット
オフ域値により、微生物により直接同化でき、そのサイ
ズが不純物のサイズ範囲内である、炭素原子も排除され
るためである。
【0093】すでに上記したように、全ての上記技術
は、事実、発酵培地にすでに使用されるが、発酵終了時
にのみ使用される。
【0094】それ故、本出願人は、文献の規範として捉
えられるものとは対照的に、これらの膜ろ過技術および
より特定するとナノろ過、または慣用的な透析技術は、
低分子量不純物を排除でき、驚くべきことにそして意外
なことに、微生物により直接同化可能な炭素源の内容物
を変化させることなく、排除できることを示した。
【0095】本出願人により実施された研究により、所
望の結果の達成を可能とする上記の技術の適用の条件が
確立された。
【0096】例えば、コムギ可溶性物質から乳酸を産生
するために、本出願人は、ナノろ過による分離について
は、本発明に記載のプロセスの以下の最初の2段階によ
り調製したミクロろ過ろ液の乾燥物質含量を、2%から
10%の範囲、好ましくは4%程度の数値に、または、
電気透析による処理については、5%から30%の範
囲、好ましくは20%程度の数値にすることにより、全
ての炭素原子を無傷で保存し、実質的に全てのD−およ
びL−乳酸のラセミ混合物を排除することができること
を示した。
【0097】例えば、本発明に記載のプロセスの最初の
段階のように、アルカリホスファターゼで処理したコー
ンスティープリカーから乳酸を産生するために、1%か
ら16%の、好ましくは2%程度の乾燥物質を得るため
の処理、および後記した慣用的な電気透析処理も、直接
同化可能な炭素源の濃度を修飾することなく、D−およ
びL−乳酸の全ラセミ混合物を実質的に排除する。
【0098】本発明に記載のプロセスの第三段階は、低
分子量不純物をこのように除去しておいた原料を処理し
て、微生物により直接同化できる炭素または窒素源を補
充することからなる。
【0099】不純物をこのように除去しておいた再生可
能な原料の窒素源は、例えばナノろ過段階後に補充でき
る。
【0100】コムギ可溶性物質の場合、ナノろ過からの
保持物を、下記したようなNOVO社のALCALASE(商標)ア
ルカリプロテアーゼで処理して、それからペプチドを遊
離する。
【0101】コーンスティープリカーの場合、追加の炭
素源は、グルコースにより、または、本発明に記載のプ
ロセスにより処理した再生可能な原料により提供でき
る。
【0102】本発明に記載のプロセスの最後の段階は、
このように変換した再生可能な原料を回収し、発酵培地
としてそれを直接使用することからなる。
【0103】このように炭素同化できる炭素および窒素
源での豊富化、および、ナノろ過膜または慣用的な電気
透析モジュールでの安価な分離技術による不溶性不純物
および低分子量不純物の排除により、経済的に実行可能
な代謝物の産生に、さらには不純物を除去しておいた微
生物の個体群の産生にも完全に適した培地が産生され
る。
【0104】それ故、有機酸、より特定するとL−乳酸
を産生する場合においては、医薬純度基準(「米国薬局
方」の熱的安定性試験)を満たす光学的に純粋な乳酸を
得、「食品用公定化学品集」の基準に一致することは、
限定数の精製段階以上は必要としない。
【0105】本発明の他の特徴および利点は、以下の説
明的であって非制限的な実施例を読めば明らかとなろ
う。
【0106】実施例1 「B」コムギデンプンの分離フローから得られた4%乾
燥物を含むコムギ可溶性物質を、60℃まで15時間加
熱し、0.05%/乾燥物の比のNOVO社製TERMAMYL LC
α-アミラーゼで処理し、そして、1%/乾燥物の比のG
ENENCOR社製OPTIDEX L300Aアミログルコシダーゼで処理
して、発酵可能な糖を遊離した。不溶性物質を、0.1
4μmの膜上でのミクロろ過により排除した。
【0107】3.3%の乾燥物を含む、得られたろ液
は、以下の表1に示した組成を有した。
【0108】
【表1】
【0109】次いで、ミクロろ過のろ液は、20バール
程度の圧力でDL2540ナノろ過膜を備えた2.5m
2EURODIAパイロットモジュール上でナノろ過し;温度
を、外部冷却により30℃に調節した。透過物は、0.
3%乾燥物を含み、原則的に、1g/lのD−およびL
−乳酸および1g/l程度のC5糖(キシロースおよび
アラビノース)から構成された。
【0110】係数4.5のナノろ過による濃縮後の保持
物は、16%の乾燥物を含み、以下の表2で示した組成
を有した。
【0111】
【表2】
【0112】またこの段階により、コムギ可溶性物質か
らラセミD−およびL−乳酸がかなり排除された。
【0113】ヘミセルロースは、発酵終了時に、バイオ
マスと共に排除されるが、それは有利には、ナノろ過段
階前に当業者には公知のエンド−およびエキソ−キシラ
ナーゼを使用して加水分解され得る。
【0114】ナノろ過段階後に、以下の条件下でのプロ
テアーゼによる処理が実施され、発酵培地の直接同化可
能な窒素源を構成するのに必要なペプチドを遊離でき
る。それ故、外部起源のペプチドの追加は、この場合に
は全く必要ではない。
【0115】pHは7に調整し、温度は60℃に調整し
た。NOVO社製ALCALASE(商標)プロテアーゼを、1%/
乾燥物の比で加え、60℃で4時間インキュベートし
た。
【0116】プロテアーゼによる加水分解のこの段階
後、培地を、120℃まで10分間加熱することにより
滅菌し、その後、発酵培地として直接使用できる。
【0117】以下の表3は、処理および未処理の16%
の乾燥物と共に13リットルのコムギ可溶性物質を含
む、利用可能容量15リットルの発酵槽で得られたD−
およびL−乳酸に関しての組成を示す。
【0118】Lactobacillus lactis株の7時間プレ培養
物からなる1.5リットルの培地を使用して、これらの
発酵槽に接種した。
【0119】pHを6.5に設定し、12NのNH4
Hで調節した。温度は40℃であった。
【0120】
【表3】
【0121】このように、ナノろ過により前処理した培
地と共に、発酵培地の最終組成は、痕跡量のD−乳酸し
か示さなかった。
【0122】それ故、上記のように処理したコムギ可溶
性物質は、L−乳酸への効率的な発酵を確実にし、その
後の精製を妨害し得る有意な量の不純物はなかった。
【0123】また、はるかに高い生産性が、培地をALCA
LASE(登録商標)2.4.Lで前処理した場合に得られ
た。
【0124】実施例2 「B」コムギデンプンの分離フローからの20%乾燥物
を含むコムギ可溶性物質を60℃まで12時間加熱し、
0.05%/乾燥物の比のNOVO社製TERMAMYL LCα−ア
ミラーゼ、1%/乾燥物の比のGENENCOR社製OPTIDEX L3
00Aアミログルコシダーゼ、および0.5%/乾燥物の
比のGENENCOR社製SPEZYME CPヘミセルロースで処理し
て、発酵可能な糖を遊離した。不溶性物質は、0.14
μm膜上でのミクロろ過により排除した。
【0125】16%乾燥物と共に得られたろ液は、以下
の表4に示した組成を有した。
【0126】
【表4】
【0127】次いで、このミクロろ過のろ液は、製造業
者の説明書に従って、有効表面積5.6m2のCMX−
Sカチオン性またはAMX SBアニオン性イオン交換
膜を備えたEUR6B EURODIA電気透析モジュール(NEOSEPT
A-TOKUYAMA SODA)での慣用的な電気透析により処理
し、これにより、13.6%の乾燥物まで希釈され、以
下の表5に示した組成を有する画分が得られた。
【0128】
【表5】
【0129】従って、コムギ可溶性物質により導入され
るラセミD−およびL−乳酸は、この段階の手段により
有意に排除できる。
【0130】この電気透析段階後に、発酵培地により直
接同化できる窒素源を構成するのに必要なペプチドを遊
離するために、以下の条件下でプロテアーゼ処理を実施
することが可能であった。
【0131】それ故、外部起源のペプチドの添加はここ
では必要ではなかった。pHを7の値に調整し、温度を
60℃に上昇した。NOVO社製1%/乾燥のALCALASE
(商標)2.4リットルの量を加え、60℃で4時間イ
ンキュベートした。
【0132】このプロテアーゼ加水分解段階後に、この
培地を、10分間120℃で加熱することにより滅菌
し、次いで、発酵培地として直接使用できる。
【0133】以下の表6は、処理済および未処理の15
%乾燥物質と共に13リットルのコムギ不溶性物質を含
む、15リットルの利用可能な容量の発酵槽で得られた
D−およびL−乳酸組成を示す。Lactococcus lactis株
の7時間プレ培養物からなる1.5リットルの培地を使
用して、これらの発酵槽に接種した。6.5に設定した
pHを12NのNH4OHで制御した。温度は40℃で
あった。
【0134】
【表6】
【0135】それ故、発酵培地の最終組成は、電気透析
により処理した培地について、痕跡量のD−乳酸しか示
さなかった。
【0136】それ故、このように処理したコムギ可溶性
物質は、その後の精製を別様に妨害する有意な量の不純
物を含まないL−乳酸への効率的な発酵を確実にする。
【0137】実施例3 3.3%乾燥物を有する、中間のコーンスティープサイ
ロから採取した、コーンスティープリカーは、以下の表
7に示した組成を有した。
【0138】
【表7】
【0139】トウモロコシタンパク質は同化が困難なの
で、前処理は、NOVO社製ALCALASE(商標)の1%/乾燥
物を用いてpH7および60℃で6時間実施した。
【0140】次いで、このように得られた加水分解物
は、製造業者の説明書に従って、有効表面積5.6m2
のCMX−Sカチオン性またはAMX SBアニオン性
イオン交換膜(NEOSEPTA-TOKUYAMA SODA)を備えたEURO
DIA EUR6B電気透析モジュールでの慣用的な電気透析に
より処理し、これにより、2%の乾燥物まで希釈され、
以下の表8に示した組成を有する画分が得られた。
【0141】
【表8】
【0142】ALCALASE(商標)での前処理および慣用的
な電気透析によるアミノ酸の排除により、非処理アルコ
ールの36に比べて、全窒素に対するアミン化窒素の比
により決定したところ、発酵開始時の加水分解度44
の、トウモロコシタンパク質加水分解物が提供された。
【0143】以下の表9は、60g/lのグルコース
を、直接同化できる炭素源として加えた、処理および未
処理の、2%乾燥物と共に8.8リットルのコーンステ
ィープリカーを含む利用可能な容量15リットルの発酵
槽で得られたD−およびL−乳酸に関する組成を示す。
【0144】Lactobacillus lactis株の7時間のプレ培
養物からなる1.5リットルの培地を使用して、これら
の発酵槽を接種した。
【0145】pHを6.5に設定し、12NのNH4
Hで制御した。温度は40℃であった。
【0146】
【表9】
【0147】このように、電気透析により前処理したス
ティープリカーは、その後の精製を別様に妨害する有意
な量の不純物をここでも含まない、乳酸への効率的な発
酵を確実にした。生産性は、ここでも、ALCALASE(登録
商標)で発酵培地を処理することにより向上した。
【0148】実施例4 10%乾燥物質に再希釈した濃縮砂糖大根糖蜜を、実施
例2と同じ条件下で慣用的な電気透析により処理した。
【0149】電気透析前の産物の乾燥物質の組成を、以
下の表10に示した。
【0150】
【表10】
【0151】電気透析段階により、糖の強化が70%以
上であり、タンパク質含量が16%程度である、5.3
%の乾燥物を含む溶液が得られた。
【0152】このように、90%以上の望ましくない有
機酸を、発酵培地から排除した。
【0153】実施例5 実施例4と同じ条件下で、今回20%の乾燥物に再希釈
した濃縮砂糖大根糖蜜を、ミクロろ過後に、慣用的な電
気透析により、実施例2のと同じ条件下で処理した。
【0154】電気透析前の産物の組成を、以下の表11
に示した。
【0155】
【表11】
【0156】電気透析段階により、この場合、糖の強化
は70%以上であり、タンパク質含量は11%程度であ
る、16.5%の乾燥物を用いて解決法が得られた。
【0157】このように、90%以上の望ましくない有
機酸を、発酵培地から排除した。
【0158】上記の方法で電気透析した(培地B)また
は電気透析していない(培地A)80g/lの糖蜜、5
g/lの(NH42SO4、2g/lのKH2PO4およ
び0.5g/lのMgSO4を含む、発酵培地を調製し
た。
【0159】これらの産生培地に、50g/lのグルコ
ースおよび5g/lの酵母抽出物を含む培地中で24時
間プレ培養物から得られた10%ベーカー酵母(S.cere
visiae)を接種した。
【0160】pHを1N NaOHで5に調整し、温度
は30℃であり、バイオマスの産生は、17時間、60
0ppmでの撹拌下で1vvmの通気で、15リットル
の利用可能な容量のリアクター中で実施した。
【0161】以下の表12および表13は、それぞれ培
地AおよびB中でのS.cerevisiaeの産生について得られ
た結果を示す。
【0162】
【表12】
【0163】
【表13】
【0164】これらの結果から、バイオマスを電気透析
した培地では、初期増殖速度は0.29h-1であり、バ
イオマス収率は24%であり、一方、非電気透析糖蜜を
使用する場合、僅か0.26h-1の増殖速度が得られ、
バイオマス収率は17%であると推論し得る。
【0165】したがって、本発明のプロセスに記載の糖
蜜処理は、酵母の効率的な産生に非常に適していること
がわかる。
【0166】実施例6 乳清は、実施例2と同じ条件下で慣用的な電気透析によ
り処理した。
【0167】6.6%の乾燥物を有する乳清の初期組成
を、以下の表14に示した。
【0168】
【表14】
【0169】慣用的な電気透析段階により、4.3%の
乾燥物を有する溶液が得られた。
【0170】糖の強度は80%以上であり、タンパク質
含量は14%程度であった。
【0171】全ての汚染有機酸を培地から排除した。
【0172】実施例7 乳清を、実施例6のと同じ条件下で慣用的な電気透析に
より処理した。
【0173】この場合の初期乳清組成は、16.2%の
乾燥物であり、以下の表15に示した通りであった。
【0174】
【表15】
【0175】14.6%の乾燥物を有する溶液を、慣用
的な電気透析段階により得た。糖の強度は80%以上で
あり、タンパク質含量は9%程度であった。全ての汚染
有機酸をかくして培地から排除した。
【0176】このように電気透析した乳清を、バイオマ
ス産生培地、すなわち乳酸発酵体(Streptococcus lact
is)および酵母発酵体(S.cerevisiae)中に、以下の条件
下で取り込んだ。
【0177】ペトリ皿で培養したコロニーから採取した
細胞の「ose」等価体を、S.cerevisiaeについては3
0℃の温度で好気性条件下で、Streptococcus lactisに
ついては40℃で嫌気性条件下で、150rpmの撹拌
下、電気透析したまたは電気透析していない(対照)、
80g/lの乳清からなる500mlの産生培地を含
む、2リットルのエーレンマイヤーフラスコに導入し
た。
【0178】バイオマスの強化は、細胞の数のモニタリ
ングにより確立した。
【0179】表16は、24時間培養後に得られた結果
を示す。
【0180】
【表16】
【0181】このように、本発明による電気透析による
処理は、試験した2つの株の培養物に非常に効果的であ
る。慣用的な酵母の場合、電気透析した培養培地によ
り、産生されるバイオマスが実際的に倍化し、一方、乳
酸発酵の場合、ミクロろ過した乳清はさらに、電気透析
は排除できる増殖阻害剤を含む。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 カトリーヌ・フアシュ フランス・62113・セリ/ラブース・ルー ト・ナシオナル・6 (72)発明者 ローラン・セイゲイルハ フランス・59130・ランベルサール・アパ ルトマン・15・”ル・クロ・デ・セラブ ル”・リュ・ドゥ・リル・163 Fターム(参考) 4B065 AA30X AA49X AA80X BB15 BB24 BB26 BB27 BB40 BC13 BC50 CA10 CA17 CA34 CA41 CA54

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高純度の代謝物を再生可能な原料から調
    製するための発酵培地を調製する方法であって、 a)任意に、当該再生可能な原料を処理し、微生物によ
    り直接的に同化されうる炭素源又は窒素源を豊富にし、
    不溶性の不純物を除去する工程; b)ナノ濾過及び電気透析からなる群より選択される技
    術を、単独又は組合せで使用して、低分子量の不純物を
    当該再生可能な原料より除去しつつも、直接同化されう
    る炭素源の濃度を変化させない工程; c)低分子量の不純物が上記のように除去された当該原
    料を処理して、微生物によって直接的に同化されうる窒
    素源又は炭素源で補充する工程; d)上記のようにして得られる発酵培地を回収する工程
    からなることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記の発酵により調製される代謝物が、
    有機酸、ビタミン、アミノ酸、及び抗生物質からなる群
    より選択され、好ましくは有機酸であることを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記の有機酸が、L-乳酸であることを
    特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記の再生可能な原料が、デンプン生産
    の副産物、好ましくはコムギ、トウモロコシ、キャッサ
    バ、ジャガイモからのデンプン生産の副産物、又はオオ
    ムギ、エンドウを処理する際の副産物からなる群より選
    択され、そして好ましくはコムギの可溶成分又はコーン
    スティープリカーからなる群より選択されることを特徴
    とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記の原料が、ミルク、ダイズ、サトウ
    キビ、テンサイを処理する際の副産物からなる群より、
    そして好ましくは乳清及び糖ミツからなる群より選択さ
    れることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 前記の再生可能な原料が、デンプンを溶
    解し且つ糖化する酵素と、任意に、ヘミセルラーゼ、ペ
    クチナーゼ、及びキシラナーゼを含む群より選択される
    植物繊維を分解する酵素とを使用して、微生物により同
    化されうる炭素源を豊富にすることを特徴とする請求項
    1乃至4の何れか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 アルカリプロテアーゼ及び酸性プロテア
    ーゼからなる群より選択される蛋白分解性酵素を使用し
    て、前記再生可能な原料を、同化可能な窒素源で豊富に
    するか、又は補充することを特徴とする請求項1乃至6
    の何れか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 グルコースを添加して、再生可能な原料
    を、同化可能な炭素源で補充することを特徴とする請求
    項1乃至6の何れか一項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8の何れか一項に記載の方
    法により得られる発酵培地。
  10. 【請求項10】 微生物の個体群を産生するための、請
    求項9に記載の発酵培地の使用。
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